JP2015167626A - 薬液容器 - Google Patents
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Abstract
Description
このため、注射針の外周部への薬液の付着を余儀なくされ、投与の際に、医師または看護士の手が薬液に接触するおそれがあった。
ところが、抗癌剤等、強い毒性を有する薬液に対しては、薬液への接触を回避しつつ投与を行うことが要求される。
しかしながら、調製された薬液をシリンジに充填する際には、シリンジの先端部に取り付けられた注射針を用いて薬液を吸引する必要があり、薬液に手が接触するおそれがあった。
さらに好ましくは、栓部材は、シリンジの先端部を挿入するための凹部を有し、肉薄部は、凹部内に形成され、薬液移送管の針先部は、肉薄部により覆われた状態で凹部内に突出する。
この場合、薬液移送管の前記一端は、バイアルの開口部の近傍に位置していてもよく、あるいは、バイアルの底部の近傍に位置していてもよい。
さらに、栓部材は、ガス透過性を有する材料から形成することもできる。
実施の形態1
図1に実施の形態1に係る薬液容器1の構成を示す。薬液容器1は、薬液Mを収容するバイアル2を有し、バイアル2の開口部2aに栓部材3が取り付けられ、バイアル2の開口部2aと栓部材3の間に挟まれるように移送管保持部材4が配置されている。
図2に示されるように、バイアル2は、ガラス、樹脂等からなる瓶形状の容器で、開口部2aの外周に沿って形成された環状のフランジ2bを有している。
このような移送管保持部材4の底部4bの中心から上方に向かって延びる薬液移送管5が、移送管保持部材4と一体に形成されている。薬液移送管5は、移送管保持部材4の底部4bに連結された下端が下方に向かって開放されると共に上端が上方に向かって尖った針先部5aを形成しており、針先部5aの先端に図示しない針穴が形成されている。
移送管保持部材4および薬液移送管5は、バイアル2に収容される薬液Mとの間で変質および反応するおそれのない材料で形成されることが望ましく、例えばステンレス、樹脂、ガラス等を用いて形成することができる。さらに、移送管保持部材4および薬液移送管5の表面を、栓部材3の形成材料であるゴム等でコーティングすることもできる。
このとき、移送管保持部材4の底部4bから上方に向かって延びる薬液移送管5が栓部材3のドーム形状の肉薄部3dの内側に挿入され、薬液移送管5の針先部5aが栓部材3の肉薄部3dで覆われた状態で栓部材3の凹部3c内に突出し、薬液移送管5は栓部材3により薬液Mと共にバイアル2の内部に封入された状態となる。
まず、図6(A)に示されるように、薬液容器1の直上にシリンジ7を位置させ、薬液容器1の栓部材3の肉薄部3dで覆われている薬液移送管5の針先部5aに向けてシリンジ7の外筒7aの先端部7bを押し込むと、図6(B)に示されるように、薬液移送管5の針先部5aが栓部材3の肉薄部3dを貫通して栓部材3による封入状態が解除され、針先部5aがシリンジ7の外筒7aの先端部7b内に挿入される。これにより、バイアル2の内部は、薬液移送管5の針先部5aの針穴を介してシリンジ7の外筒7aの内部と連通することとなる。
このようにして所要量の薬液Mがシリンジ7の外筒7a内に充填されると、押し子7cの後退を停止した後、再び薬液容器1とシリンジ7の位置を逆転させて薬液容器1をシリンジ7よりも下方に位置させ、薬液容器1からシリンジ7の外筒7aの先端部7bを引き抜き、この外筒7aの先端部7bに注射針を装着して、薬液Mの投与を実施することができる。
なお、薬液移送管5は、移送管保持部材4と一体に形成されていたが、これに限るものではなく、移送管保持部材4と薬液移送管5とをそれぞれ別部品として製造し、薬液移送管5を移送管保持部材4に固定することもできる。この場合、移送管保持部材4と薬液移送管5の形成材料は、互いに異なっていてもよい。
図7に、実施の形態2に係る薬液容器11を示す。この薬液容器11は、図1に示した実施の形態1の薬液容器1において、移送管保持部材4により保持されている薬液移送管5の代わりに薬液移送管15を移送管保持部材4に保持させたものであり、その他の部材は、実施の形態1の薬液容器1と同様である。すなわち、薬液Mを収容するバイアル2の開口部2aに栓部材3が取り付けられ、バイアル2の開口部2aと栓部材3の間に挟まれるように移送管保持部材4が配置され、移送管保持部材4により薬液移送管15が保持されている。
図8に示されるように、薬液移送管15の下側部分が、移送管保持部材4よりも下方まで延びている。
実施の形態1の薬液容器1の場合と同様に、まず、図9(A)に示されるように、栓部材3の肉薄部3dで覆われている薬液移送管15の針先部15aに向けて上方からシリンジ7の外筒7aの先端部7bを押し込むと、薬液移送管15の針先部15aが栓部材3の肉薄部3dを貫通して栓部材3による封入状態が解除され、針先部15aがシリンジ7の外筒7aの先端部7b内に挿入される。これにより、バイアル2の内部は、薬液移送管15の針先部15aの針穴を介してシリンジ7の外筒7aの内部と連通することとなる。
このようにして所要量の薬液Mがシリンジ7の外筒7a内に充填されると、押し子7cの後退を停止した後、薬液容器11からシリンジ7の外筒7aの先端部7bを引き抜き、この外筒7aの先端部7bに注射針を装着して、薬液Mの投与を実施することができる。
さらに、この実施の形態2では、薬液移送管15の下端がバイアル2の底部の近傍に位置し、バイアル2に収容されている薬液Mの中で開放されているため、シリンジ7を薬液容器11よりも上方に位置させたまま、シリンジ7の外筒7a内へ薬液Mを移送することができ、操作性が向上する。
図10に、注射針ロック機構付きのシリンジ17を示す。外筒17aの先端部17bの外側に注射針ロック機構Lが形成されている。
このような注射針ロック機構付きのシリンジ17に対しても、同様にして、薬液Mの移送を行うことができる。
栓部材13は、実施の形態1における栓部材3の凹部3cよりも大きな凹部13cを有しており、この凹部13c内にドーム形状の肉薄部13dが配置されている。凹部13cは、図10に示したシリンジ17の注射針ロック機構Lが挿入可能な径を有している。
そこで、薬液移送管5の針先部5aがシリンジ17の外筒17aの先端部17b内に挿入された状態を維持したまま、薬液容器21とシリンジ17の位置を逆転させて薬液容器21をシリンジ17よりも上方に位置させ、シリンジ17の押し子17cを外筒17aに対して後退させることで、バイアル2に収容されていた薬液Mが薬液移送管5を介してシリンジ17の外筒17a内へと移送される。
なお、上述した実施の形態2と同様に、実施の形態3の薬液容器21において、薬液移送管5の代わりに、下端がバイアル2の底部の近傍に位置し且つバイアル2に収容されている薬液Mの中で開放されている薬液移送管を使用することもできる。
上述した実施の形態1〜3においては、図4(C)に示したように、移送管保持部材4が平板状の底部4bを有していたが、これに限るものではなく、例えば、図13に示される移送管保持部材14のように、複数のリブRにより薬液移送管5を保持する底部14bとすることもできる。
このような底部14bを有する移送管保持部材14を使用すると共に、栓部材3または13として、ガス透過性を有する材料から形成されたものを用いることにより、薬液Mを移送する際に、栓部材3または13と移送管保持部材14の底部14bの複数のリブR間の空隙を介して薬液容器の外部とバイアル2の内部とを通気させることができ、バイアル2の内部が陰圧になることを解消して円滑に薬液Mの移送を行うことが可能となる。
上述した実施の形態1〜4においては、バイアル2から独立した部材である薬液移送管5または15が移送管保持部材4または14を介してバイアル2の内部に保持されていたが、これに限るものではなく、例えば、図14に示される薬液容器31のように、薬液移送管35が一体に形成されたバイアル32を使用することもできる。
バイアル32の底面32bに薬液移送管35の下端部が一体に連結され、薬液移送管35がバイアル32の底面32bから開口部32aに向かって直立する状態で、バイアル32の内部に保持されている。
この実施の形態5の薬液容器31によっても、実施の形態1と同様に、シリンジに針を装着させることなく、また、薬液Mに接触することなく容易にシリンジの外筒内へ薬液Mを移送することが可能となる。
さらに、薬液移送管35の下端近傍に薬液導入口35bが開口しているため、実施の形態2と同様に、シリンジを薬液容器31よりも上方に位置させたまま、シリンジの外筒内へ薬液Mを移送することができ、操作性が向上する。
Claims (7)
- 開口部を有し且つ薬液を収容するためのバイアルと、
前記バイアル内に保持されると共に一端が前記バイアルの内部に開放され且つ他端が前記バイアルの前記開口部内で前記バイアルの外部へ向かう針先部を形成する薬液移送管と、
前記バイアルに収容された薬液と共に前記薬液移送管が封入されるように前記バイアルの前記開口部を閉じる栓部材と
を備え、前記栓部材の外側からシリンジの先端部を前記薬液移送管の前記針先部に向けて押し込むことで、前記針先部が前記栓部材を貫通して前記シリンジの前記先端部内に挿入され、この状態で前記バイアルに収容された薬液が前記薬液移送管を介して前記シリンジ内に移送されることを特徴とする薬液容器。 - 前記栓部材は、前記薬液移送管の前記針先部を覆う肉薄部を含み、前記シリンジの前記先端部を前記薬液移送管の前記針先部に向けて押し込んだときに、前記針先部が前記栓部材の前記肉薄部を貫通する請求項1に記載の薬液容器。
- 前記栓部材は、前記シリンジの前記先端部を挿入するための凹部を有し、
前記肉薄部は、前記凹部内に形成され、
前記薬液移送管の前記針先部は、前記肉薄部により覆われた状態で前記凹部内に突出する請求項2に記載の薬液容器。 - 前記バイアルの前記開口部と前記栓部材の間に挟まれることにより前記バイアルの前記開口部内に保持される移送管保持部材をさらに備え、
前記薬液移送管は、前記移送管保持部材に固定されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の薬液容器。 - 前記薬液移送管の前記一端は、前記バイアルの前記開口部の近傍に位置している請求項4に記載の薬液容器。
- 前記薬液移送管の前記一端は、前記バイアルの底部の近傍に位置している請求項4に記載の薬液容器。
- 前記栓部材は、ガス透過性を有する材料から形成されている請求項1〜6のいずれか一項に記載の薬液容器。
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