JP2015000523A - 環状同芯撚りコードの製造装置およびそれに用いるカセット - Google Patents
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Abstract
Description
そこで特許文献1に記載の製造装置において、リールが環状コアに接近するときに、リールを巻き出し方向と逆方向に回転させて、側線ワイヤがゆるまないようにしている。特許文献1に記載の製造装置では、ラックとピニオンによりリールを逆方向に回転させている。しかしこのようにリールを逆方向に回転させるための機構を製造装置に搭載すると、機構が複雑になり、またコストが増大してしまう。
環状コアを周方向に回転させるコア回転機構と、
側線ワイヤを収容したカセットを環状コアの輪の外側と内側とに移動させる第一カセット移動機構と、
環状コアの輪の内側において環状コアの回転軸の一方側から他方側へ前記カセットを移動させ、環状コアの輪の外側において環状コアの回転軸の他方側から一方側へ前記カセットを移動させる、第二カセット移動機構と、を備え、
周方向に回転する環状コアの輪の内側と外側とに前記カセットを移動させて、前記カセットから引き出した側線ワイヤを環状コアに螺旋状に巻き付けて環状同芯撚りコードを製造する環状同芯撚りコードの製造装置であって、
前記カセットは、
外周に側線ワイヤが巻き付けられたリールと、
前記リールを収容し、前記リールに巻き付けられた側線ワイヤの外周側を覆うカバーを備えたケースと、
前記ケースの外周に設けられ、前記リールから繰り出された側線ワイヤを環状コアへガイドするガイド部を備えたガイドブロックと、を有し、
前記カバーは、前記リールから前記ガイド部に向かって延びる側線ワイヤが貫通するスリットを有し、
前記ガイド部の環状コア側の開口面積は、前記スリットの開口面積よりも小さい。
また本願発明は、上記製造装置に用いられるカセットである。
最初に本願発明の実施形態の内容を列記して説明する。
本願発明の実施形態は、
(1)環状コアを周方向に回転させるコア回転機構と、
側線ワイヤを収容したカセットを環状コアの輪の外側と内側とに移動させる第一カセット移動機構と、
環状コアの輪の内側において環状コアの回転軸の一方側から他方側へ前記カセットを移動させ、環状コアの輪の外側において環状コアの回転軸の他方側から一方側へ前記カセットを移動させる、第二カセット移動機構と、を備え、
周方向に回転する環状コアの輪の内側と外側とに前記カセットを移動させて、前記カセットから引き出した側線ワイヤを環状コアに螺旋状に巻き付けて環状同芯撚りコードを製造する環状同芯撚りコードの製造装置であって、
前記カセットは、
外周に側線ワイヤが巻き付けられたリールと、
前記リールを収容し、前記リールに巻き付けられた側線ワイヤの外周側を覆うカバーを備えたケースと、
前記ケースの外周に設けられ、前記リールから繰り出された側線ワイヤを環状コアへガイドするガイド部を備えたガイドブロックと、を有し、
前記カバーは、前記リールから前記ガイド部に向かって延びる側線ワイヤが貫通するスリットを有し、
前記ガイド部の環状コア側の開口面積は、前記スリットの開口面積よりも小さい、環状同芯撚りコードの製造装置である。
ガイド部としての貫通孔がリールの周方向に貫通していると、リールから側線ワイヤが繰り出されるときに、側線ワイヤはガイド部をスムーズに通過することができ、側線ワイヤを精度良く環状コアに巻き付けることができる。
前記ケースは、前記リールの回転軸方向に関して前記リールの少なくとも一方の側面を覆う側壁を有し、
前記カセットは、前記リールの側面と前記ケースの前記側壁とを互いに押し付けて、前記リールの前記ケースに対する回転を抑制する制動機構を備えていてもよい。
前記磁石によって前記リールを金属製の前記ケースに押し付けてもよい。
(5)前記制動機構は前記リールと前記側壁との間に介装されて、前記リールを前記ケースの前記側壁に押し付けるバネであってもよい。
簡易な構造でリールに制動力を作用させることができる。
以下に、本発明の実施形態に係る環状同芯撚りコードの製造装置(以下、単に製造装置と呼ぶ)を図面を用いて説明する。
図1は本実施形態に係る製造装置の正面図である。
図1に示したように、本実施形態に係る製造装置は、環状コア1を周方向に回転させるコア回転機構10と、第一カセット移動機構(スライドユニット)20と、第二カセット移動機構(サプライユニット)30と、側線ワイヤ2を収容したカセット50と、を備えている。
コア回転機構10は、円環状の環状コア1の中心軸が水平方向を向く姿勢で、環状コア1を回転させる。つまり環状コア1は、図1のように正面視で輪をなす姿勢で、回転軸Bを中心にして反時計回りに周方向に回転される。コア回転機構10は、筐体11と、クランプ部12と、二対のピンチローラ部13,14と、押えローラ15とを備えている。
図1に示したように、第一カセット移動機構20は、リンク機構21と、リンク機構21の一方側に接続された移動機構駆動モータ22と、リンク機構21の他方側に固定されたカセット連結部23とを備えている。モータ23の回転によって、リンク機構21の他方側は左右方向に移動し、正面視でカセット50を環状コア1の輪の外側と内側とに移動させる。
図1に示したように第二カセット移動機構30は、カセット連結部23の上部に設けられている。
図2は図1に示した製造装置の上面図である。図2に示したように、カセット連結部23は、環状コア1の回転面に対して環状コア1の回転軸Aの一方側と他方側とに設けられている。これら一対のカセット連結部23のそれぞれに、第二カセット移動機構30が設けられている。第二カセット移動機構30は、環状コア1の回転面Cに対して環状コア1の回転軸B方向の一方側から他方側へ、他方側から一方側へとカセット50を移動させる。第二カセット移動機構30には、互いに突き出すピン24が設けられている。このピン24によって、第二カセット移動機構30に対して相対回転不可能にカセット50が支持される。
図1に示したようにカセット50は、その外周に側線ワイヤ2が巻き付けられたリール51と、リール51を収容して側線ワイヤ2の外周側を覆うケース52と、ケース52の外周に設けられたガイドブロック53とを備えている。ガイドブロック53にはガイド部53aが設けられ、リール51に巻き付けられた側線ワイヤ2はこのガイド部53aにガイドされて環状コア1側に引き出される。本実施形態ではこのガイド部53aは貫通孔として形成されている。
上述のようにして構成される製造装置は、周方向に回転する環状コア1の輪の内側と外側とにカセット50を移動させて、カセット50から引き出した側線ワイヤ2を環状コア1に螺旋状に巻き付けて環状同芯撚り線コードを製造する。以下に詳しく説明する。
まず図3の(a)の状態では、カセット50は環状コア1の輪の外側で環状コア1の回転面Cの一方側に位置している。このとき、側線ワイヤ2はクランプ部12で環状コア1の外周に沿わされている。回転するクランプ部12のローラにより、環状コア1の回転とともに側線ワイヤ2がカセット50から引き出され、環状コア1側に引き込まれる。
図4はカセット50の縦断面図である。以下の説明において、図4において右側を一方側、左側を他方側と定義する。また、リール51の回転軸Dに近い側(図4の上下方向中央部)を内周側、リール51の回転軸Dから遠い側(図4の上下方向端部)を外周側と呼ぶ。
図6は第一カセット移動機構20により移動するカセット50の動作を説明する図である。
上述したようにカセット50は環状コア1の輪の内側と外側との間を往復運動する。この往復運動の速度は環状コア1の回転速度よりも遅く設定されている。このため、カセット50が環状コア1の輪の内側に向かって移動するときは、カセット50から繰り出される側線ワイヤ2には圧縮力が作用し、リール51と巻き付け点Aとの間で側線ワイヤ2がたるんでしまう虞がある。
しかしカセット50が環状コア1の輪の内側に位置した場合には、巻き付け点Aとガイド孔53aとの距離が近くなる。このため、リール51から巻き付け点Aに向かう側線ワイヤ2がガイド孔53aにおいて大きく屈曲される虞がある。
側線ワイヤ2が十分にたるむことができるように、このスリット54の開口面積s2は、リール51の回転軸Dに対して20度以上の大きさに形成されていることが好ましい。
本実施形態に係る製造装置によれば、図4に示したようにリール51が軸受65を介して相対回転可能にケース52に支持されている。また、ケース52はリール51の回転軸D方向に関してリール51の一方側の一方側側壁部63を有している。さらに、一方側側壁部63に取り付けられた磁石67が、リール51に取り付けられた磁性体68を引き付けることにより、リール51の一方側の側面51bとケース52の一方側側壁部63とを互いに押し付けている。このように本実施形態に係る製造装置において、磁石67と磁性体68とが制動機構として機能し、リール51のケース52に対する回転を抑制している。
2:側線ワイヤ
10:コア回転機構
20:第一カセット移動機構
30:第二カセット移動機構
50:カセット
51:リール
52:ケース
53:ガイドブロック
53a:ガイド孔
54:スリット
61:内周部
62:外周部
63:一方側側壁部
64:他方側側壁部
S:内部空間
65:軸受65
66:支持孔
67:磁石
68:磁性体
A:巻き付け点
B:環状コアの回転軸
C:環状コアの回転面
D:リールの回転軸
Claims (6)
- 環状コアを周方向に回転させるコア回転機構と、
側線ワイヤを収容したカセットを環状コアの輪の外側と内側とに移動させる第一カセット移動機構と、
環状コアの輪の内側において環状コアの回転軸の一方側から他方側へ前記カセットを移動させ、環状コアの輪の外側において環状コアの回転軸の他方側から一方側へ前記カセットを移動させる、第二カセット移動機構と、を備え、
周方向に回転する環状コアの輪の内側と外側とに前記カセットを移動させて、前記カセットから引き出した側線ワイヤを環状コアに螺旋状に巻き付けて環状同芯撚りコードを製造する環状同芯撚りコードの製造装置であって、
前記カセットは、
外周に側線ワイヤが巻き付けられたリールと、
前記リールを収容し、前記リールに巻き付けられた側線ワイヤの外周側を覆うカバーを備えたケースと、
前記ケースの外周に設けられ、前記リールから繰り出された側線ワイヤを環状コアへガイドするガイド部を備えたガイドブロックと、を有し、
前記カバーは、前記リールから前記ガイド部に向かって延びる側線ワイヤが貫通するスリットを有し、
前記ガイド部の環状コア側の開口面積は、前記スリットの開口面積よりも小さい、環状同芯撚りコードの製造装置。 - 前記ガイド部は、前記ガイドブロックを前記リールの周方向に沿う方向に貫通する貫通孔である、請求項1に記載の環状同芯撚りコードの製造装置。
- 前記リールは軸受を介して相対回転可能に前記ケースに支持されており、
前記ケースは、前記リールの回転軸方向に関して前記リールの少なくとも一方の側面を覆う側壁を有し、
前記カセットは、前記リールの側面と前記ケースの前記側壁とを互いに押し付けて、前記リールの前記ケースに対する回転を抑制する制動機構を備えている、請求項1または2に記載の環状同芯撚りコードの製造装置。 - 前記制動機構は前記リールに設けた磁石であって、
前記磁石によって前記リールを金属製の前記ケースに押し付ける、請求項3に記載の環状同芯撚りコードの製造装置。 - 前記制動機構は前記リールと前記側壁との間に介装されて、前記リールを前記ケースの前記側壁に押し付けるバネである、請求項3に記載の環状同芯撚りコードの製造装置。
- 請求項1から5のいずれか一項に記載の環状同芯撚りコードの製造装置に用いられる、カセット。
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