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JP2015078959A - 歩行距離計測システム、慣性計測装置および計測用履物 - Google Patents

歩行距離計測システム、慣性計測装置および計測用履物 Download PDF

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貴俊 奥田
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貴俊 奥田
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Abstract

【課題】 歩行距離計測を安価に、かつ精度よく直接計測することのできる、歩行距離計測システムを提供すること。
【解決手段】 歩行距離計測システム10は、慣性計測装置1および計測用履物9を用いて構成されるシステムであって、慣性計測装置1は、本体6と、本体6に内蔵されたセンサ2と、センサ2により検知された情報に演算処理を施す演算部3と、および計測用履物9に直接取り付けるための本体6上の取付部5とを備えて構成され、演算部3では検知対象である計測用履物9の運動状態に基づくオフセットキャンセルが行われるよう構成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は歩行距離計測システム、慣性計測装置および計測用履物に係り、特に、慣性センサ(ジャイロ、加速度計)を用いた慣性計測装置を歩行計測に応用し、整形外科、理学療法(リハビリテーション)、療術分野での使用に供することのできる歩行距離計測システム、慣性計測装置および計測用履物に関するものである。
従来、人間の歩行解析には、モーションキャプチャやカメラ等が用いられてきた。しかしながら医療関係(主にリハビリ等)においては、これらは扱うにはいずれも高価なシステムであるため、採用が難しい。そこで当該分野では、定量的な評価は行われず、多くは目視確認を主として歩行の評価がなされているのが現状である。
もっとも技術的な提案は従来からなされており、たとえば特許文献1には、慣性センサの使用に基づく信頼性の高い歩数計の制御方法および歩数計を提供可能なものとして、歩数計のユーザの動作に相関される信号を発生し、信号に基づいてユーザの歩行ステップを検出するステップを含み、検出された歩行ステップのシーケンスが予め定められた規則性の条件を満足するか否かをチェックし、規則性の条件が満足されるならば有効な歩行ステップの総数を更新し、満足されないならば有効な歩行ステップの総数の更新を阻止するステップを考慮するといった手順を主とする制御技術が開示されている。
また、特許文献2には、ヒトの行動をモニタする方法が、少なくとも1個所は脚部でない人体の複数の個所の1つに設置される慣性センサを使用して加速度をモニタする段階を含んだヒトの行動のモニタ方法技術が開示されており、この加速度に基づいて複数のステップがカウントされ、複数のステップの歩行特性が求められ、それを使用して歩幅が求められ、さらに歩幅に基づいて移動距離や移動速度が求められる、としている。
また、特許文献3には、歩行が困難な患者などにおける種々の3次元歩行特性を、どこでも無拘束で長時間測定して導出できる歩行特性評価システムとして、 一または複数の身体装着型センサ、携帯型データ記録装置および解析装置からなるシステムが開示されており、身体装着型センサとして足の加速度および角速度を測定可能かつ少なくとも足爪先装着用のセンサを備え、携帯型データ記録装置は身体装着型センサによって測定されたデータを記録し、解析装置はそのデータを演算処理して一歩ごとの足爪先の3次元軌跡を生成可能であるとしている。
特開2007−115243号公報「慣性センサの使用に基づく歩数計の制御方法および、この方法を実行する歩数計」(特許第5095975号) 特表2010−536040号公報「距離計算を含むヒトの行動モニタ装置」 特開2010−110399号公報「歩行特性評価システムおよび軌跡生成方法」
しかしながら、各特許文献開示技術も含め、歩行距離計測を安価に、かつ精度よく直接計測できる技術は未だに提案されていない。そこで本発明が解決しようとする課題は、かかる従来技術の問題点をなくし、歩行距離計測を安価に、かつ精度よく直接計測することのできる、歩行距離計測システム、慣性計測装置および計測用履物を提供することである。
本願発明者は上記課題について検討した結果、歩行距離を計測するために、慣性計測装置を使用してこれを直接履物に取り付けるための構成をとり、また、センサ取り付け側の足の踏み込み時に6軸センサのオフセットキャンセルを行うことによって位置の測定精度の向上を図り、さらには、履物として硬い材質の物を使用することによってオフセットキャンセルの精度を向上させるといった手段によって当該課題を解決できることを見出し、これに基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、上記課題を解決するための手段として本願で特許請求される発明、もしくは少なくとも開示される発明は、以下の通りである。
〔1〕 慣性計測装置および計測用履物を用いて構成される歩行距離計測システムであって、該慣性計測装置は、本体と、該本体に内蔵されたセンサと、該センサにより検知された情報に演算処理を施す演算部と、および該計測用履物に取り付けるための該本体上の取付部とを備えて構成され、該演算部では検知対象である該計測用履物の運動状態に基づくオフセットキャンセルが行われる、歩行距離計測システム。
〔2〕 前記オフセットキャンセルは、歩行動作中繰り返しなされることを特徴とする、〔1〕に記載の歩行距離計測システム。
〔3〕 前記オフセットキャンセルは、前記計測用履物の静止時から運動開始時の間においてなされることを特徴とする、〔1〕または〔2〕に記載の歩行距離計測システム。
〔4〕 前記オフセットキャンセルは、前記計測用履物の踏み込み時の静止状態から踏み出し開始へと移行する際に毎回なされることを特徴とする、〔1〕に記載の歩行距離計測システム。
〔5〕 前記踏み込み時の開始は、加速度値の変化に基づいて判断されることを特徴とする、〔4〕に記載の歩行距離計測システム。
〔6〕 前記オフセットキャンセルは、前記センサの静止時における一定時間の複数のセンサ出力値に基づき得られるオフセット量によりなされることを特徴とする、〔1〕ないし〔5〕のいずれかに記載の歩行距離計測システム。
〔7〕 前記演算部では歩行時ごとの歩幅距離に基づいて歩行距離が直接演算され、歩数は歩行距離演算に不要であることを特徴とする、〔1〕ないし〔6〕のいずれかに記載の歩行距離計測システム。
〔8〕 前記センサは、ジャイロセンサおよび加速度センサからなる6軸センサであることを特徴とする、〔1〕ないし〔7〕のいずれかに記載の歩行距離計測システム。
〔9〕 前記計測用履物としては、前記オフセットキャンセルの精度を高めるべく、該計測用履物の静止時における前記センサの振動発生が抑制される履物が用いられることを特徴とする、〔1〕ないし〔8〕のいずれかに記載の歩行距離計測システム。
〔10〕 前記計測用履物としては、前記オフセットキャンセルの精度を高めるべく、より硬い材質の履物、またはより高い剛性の履物が用いられることを特徴とする、〔1〕ないし〔8〕のいずれかに記載の歩行距離計測システム。
〔11〕 前記計測用履物には前記慣性計測装置を取り付けるための装置受部が設けられていることを特徴とする、〔1〕ないし〔10〕のいずれかに記載の歩行距離計測システム。
〔12〕 前記装置受部は前記計測用履物の底部に設けられていることを特徴とする、〔11〕に記載の歩行距離計測システム。
〔13〕 前記慣性計測装置には、前記センサにより検知された情報、または前記演算部により処理された情報の少なくともいずれかを外部へ伝達する送出部が内蔵されていることを特徴とする、〔1〕ないし〔12〕のいずれかに記載の歩行距離計測システム。
〔14〕 前記センサにより検知された情報または前記演算部により処理された情報は、無線もしくは有線による送信手段または情報記録媒体により前記送出部から外部へ伝達可能であることを特徴とする、〔13〕に記載の歩行距離計測システム。
〔15〕 前記演算部で得られた情報を出力する出力部を備えていることを特徴とする、〔1〕ないし〔14〕のいずれかに記載の歩行距離計測システム。
〔16〕 〔1〕ないし〔15〕のいずれかに記載の歩行距離計測システムに用いるための、慣性計測装置。
〔17〕 〔1〕ないし〔15〕のいずれかに記載の歩行距離計測システムに用いるための、計測用履物。
本発明の歩行距離計測システム、慣性計測装置および計測用履物は上述のように構成されるため、これによれば歩行距離計測を安価に、かつ精度よく直接被験者の歩行距離を計測することができる。つまり本発明によれば、従来用いられているモーションキャプチャやカメラのような非常に高価で大がかりな装置を用いることなく、慣性センサ(ジャイロ、加速度計)を用いた慣性計測装置を履物に取り付けるという簡易な構成によって、安価に、精度の高い歩行距離計測を行い、歩行解析に用いることができる。
本発明の歩行距離計測システムの基本構成を示す概念図である。 本発明の歩行距離計測システムの別の構成((a)、(b))を示す概念図である。 本発明歩行距離計測システムにおける本体の取付方法を示す説明図である。 本発明歩行距離計測システムによりなされた一歩行解析試験例のグラフである。 一歩行解析試験において得られたセンサ値の例を示すグラフである。 図4のセンサ値について平均値処理を行った後のグラフである。 本発明歩行距離計測システムに係る慣性計測装置の構成例を示すブロック図である。 本発明歩行距離計測システムにおける動作例を示すフロー図である。 本発明歩行距離計測システムの別の構成を示す概念図である。
以下、図面により本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の歩行距離計測システムの基本構成を示す概念図である。また、
図1−2は、本発明の歩行距離計測システムの別の構成((a)、(b))を示す概念図である。まず図1に示すように本発明歩行距離計測システム10は、慣性計測装置1および計測用履物9を用いて構成されるシステムであって、慣性計測装置1は、本体6と、本体6に内蔵されたセンサ2と、センサ2により検知された情報に演算処理を施す演算部3と、および計測用履物9に直接取り付けるための本体6上の取付部5とを備えて構成され、演算部3では検知対象である計測用履物9の運動状態に基づくオフセットキャンセルが行われるよう構成されていることを、基本とする。
かかる構成により本歩行距離計測システム10においては、計測用履物9が被験者に着用され、そこに慣性計測装置1本体6が取付部5によって取り付けられる。そして、この状態で被験者が歩行すると、慣性計測装置1内のセンサ2が加速度や角加速度を検知し、これらの情報は演算部3において演算処理され、歩行時の歩幅距離が演算され、歩行距離計測の結果が得られる。
演算部3では、検知対象である計測用履物9の運動状態に基づくオフセットキャンセルが行われる、すなわちセンサ2の零点キャンセルが行われるため、歩行継続(歩数累積)による計測結果(位置)の発散が効果的に抑制される。従来は、歩幅と歩数のデータを用いて間接的に歩行距離が演算されていたところ、本発明によれば、歩行距離を計測するために慣性計測装置が用いられ、さらにかかるオフセットキャンセルがなされることにより、歩行距離を直接、精度良く計測することが可能である。
図1−2の概念図に示すように、本発明歩行距離計測システム別の構成をとるものとすることもできる。つまり、(a)の歩行距離計測システム110のように、慣性計測装置11および計測用履物19を用いて構成されるシステムにおいて、慣性計測装置11を、本体16および本体16外に別に設けられた演算部13とから構成し、本体16にはセンサ12が内臓されるとともに計測用履物19に直接取り付けるための取付部15が設けられ、また演算部13ではセンサ12により検知された情報に演算処理が施されるものとし、演算部13では検知対象である計測用履物19の運動状態に基づくオフセットキャンセルが行われるよう構成されている、というものである。つまりこの構成では、慣性計測装置11は、センサ12を内臓していて計測用履物19に取り付けて用いるための本体16と、別に設けられる演算部13とから構成される。
また、同図(b)の歩行距離計測システム210のように、演算部を本体26中に設ける演算部23Aと、外部に設ける演算部23Bとから構成することとしてもよい。もっとも図1に示したように、演算部3全体が本体6中に内蔵されたものとする構成は本発明の目的達成に十分であるが、図1−2のような各構成もまた本発明からは除外されない。
なお、センサ6等としては、ジャイロセンサおよび加速度センサからなる6軸センサを、本歩行距離計測システム10等において好適に用いることができる。従来から移動体や飛翔物体等の位置、姿勢計測に用いられてきた慣性センサ(ジャイロ、加速度計)を歩行時の歩幅距離計測のために用いるにあたり6軸センサを採用することで、本発明所期の目的たる高精度の計測結果を十分に得ることができる。
6軸センサは、角速度(ジャイロ)3軸、加速度3軸により構成され、検出されたセンサ値の積分や種種の演算が演算部において行われ、位置の値が得られる。なお6軸センサはたとえば、水平面基準で軸調整されており、たとえばNED座標において慣性計測諸元(姿勢・方位角(ロール角、ピッチ角、ヨー角)、角速度、加速度、位置)を出力する構成とすればよい。ただし軸定義はNEDに限らず、任意の座標系を設定してももちろんよい。
図2は、本発明歩行距離計測システムにおける本体の取付方法を示す説明図である。計測用履物39等としては、上述したオフセットキャンセルの精度を高めるべく、計測用履物39等の静止時における本体36等内蔵のセンサの振動発生が抑制される履物が用いられることが、本発明の目的達成上望ましい。そこで、より硬い材質の履物、またはより高い剛性の履物を計測用履物39等として用いるものとすることができる。たとえば下駄のような硬さを持ったものや、そこまでいかなくても登山靴のようなものなど、可能な限り硬い材質、高い剛性の履物とすることが、オフセットキャンセルの精度を向上させられるため、望ましい。
図2の(c)に示すように本発明システム310において本体36は、計測用履物39の甲の部分に取り付けるものとすることができる。しかしながら(d)のように、靴底部分に本体46を取り付けるようにすることで、オフセットキャンセルの精度を向上させることができる。これは、靴底の方が甲など靴上部分よりも剛性を高めやすいからである。
なお、特に図示しないが、計測用履物39等には慣性計測装置の本体36等を取り付けるための装置受部が設けられることはいうまでもない。装置受部および取付部35の構造は従来公知の技術を適宜用いることができる。たとえば相互適合する面ファスナーにより構成する、等である。また、図2の(d)の例においては、当然ながら装置受部は計測用履物49の底部に設けられる。
図3は、本発明歩行距離計測システムによりなされた一歩行解析試験例のグラフである。図では進行方向位置の経時変化を示すが、右上方への階段状で表されたグラフが本発明歩行距離計測システムを用いた歩行解析試験、下方のグラフがオフセットキャンセルを行わない場合の試験例である。
ここに示されるとおり本発明システムにおけるオフセットキャンセルは、歩行動作中繰り返しなされるものとすることができる。特に、一歩ごとにオフセットキャンセルされるようシステムを形成することで、良好な計測結果を得ることができる。オフセットキャンセルを行わない場合には、一歩ごとに計測の誤差が蓄積し、時間の経過と共に位置が発散してしまう。
オフセットキャンセルは、計測用履物の静止時から運動開始時の間においてなされるものとすることができ、特に、計測用履物の踏み込み時の静止状態から踏み出し開始へと移行する際に毎回なされるようにシステムを構成するものとすることができる。つまりこれにより、踏み込み時(センサ静止時)から踏み出し動作が開始された際にセンサの零点キャンセルを行い、位置の発散を有効に抑制することができ、位置測定精度を向上させることができる。
なお、慣性計測装置・本体は1個あれば十分であるが、これを取り付けた側の足の踏み込み時にオフセットキャンセルを行うようにすればよい。またこの場合、踏み込み時の開始は、加速度値の変化に基づいて判断するものとすればよい。つまり、踏み込みを開始したかどうかは加速度の値をモニタすることによって確実に行うことができる。
図4は、一歩行解析試験において得られたセンサ値の例を示すグラフ、図5は、図4のセンサ値について平均値処理を行った後のグラフである。本発明システムにおけるオフセットキャンセルは、センサの静止時における一定時間の複数のセンサ出力値に基づき得られるオフセット量に基づいてなされるものとすることができる。このことについて、各図を参照しつつ説明する。
位置の演算精度を上げるためには、センサの出力値がばらつかないことが重要である。つまり、演算処理ではセンサ値の積分を行っていくため、出力が0からオフセットしていると積分誤差が増大し、位置の計算値も実際より非常に大きな値となってしまうからである。センサの値はセンサ固有のばらつきにより、図4に示すように静止時(0が理想)でも0以外の値をとる。これをそのまま積分すると、静止しているはずなのに位置が動いている値となってしまうため、位置演算を開始する前に、センサの静止時値が0からどれだけ離れているのかについて取得する必要がある。
図4に示すように、センサの値は0点からのオフセット分以外に、あるノイズ幅をもってばらついている。したがって、ある1点だけをとるのでは0点からの真のオフセット量がわからない。そこで、ノイズ分を除去するためにある一定時間センサの平均値を取得し、その値をセンサの0点からのオフセットとするのである。
図5は、5秒間センサの値を平均化してプロットしたものであるが、このように、平均化処理を行うことによってノイズ分が除去され、センサのオフセット量が把握しやすくなる。この例では、X軸が−0.34、Y軸が0.23、Z軸が0.4という値がオフセット量になり、位置の演算の際に、センサの値からこの値を引いて演算を行っていく。これが、演算部におけるオフセットキャンセルの処理である。
さて、平均値取得の時に問題となるのが、いかに静止状態を保っていられるかということである。つまり、平均値取得の際にセンサが動いている状態だと、ノイズ幅が何倍にも増加し、結果として平均値取得後のオフセット量の値が真値からはかけ離れた値となってしまう。オフセット量の値のずれは位置誤差につながる。そこで上述のとおり、計測用履物としては硬いもの、剛性の高いものを選定するのがよい。柔らかいものの場合は、センサの基板がフラフラと動いてしまい、ノイズが増えることになるからである。
また、センサのオフセット量(値)は、時間とともに変化する。これは、センサ固有の安定度の問題や周囲の温度のばらつきなど、種々の原因による。したがって、オフセットキャンセルを1回行っただけでは、最初の1回目の位置取得では問題ないものの、2回目、3回目となるにつれて指数関数的に位置誤差が大きくなってしまう(前出図3参照)。
これを有効に回避するためには、こまめなオフセットキャンセルを行うことが重要である。本発明システムによる歩行計測方法では、静止状態は歩行開始前と踏み込み時のみであるから、このいずれかの時点をオフセットキャンセル処理のなされる時点とすればよい。しかしながら、静止状態がより安定的に継続するのは後者である。したがって、踏み込みがなされるたびにセンサの平均値を取得し、オフセットキャンセルを行うシステムが、より望ましい。
なお上述のとおり、踏み込みを開始したかどうかは加速度の値をモニタすることによって行うことができる。具体的には、ある一定の閾値(図に示す試験例では0.5m/s)を超えたら歩行開始とみなし、位置演算を開始するように構成することができる。
図6は、本発明歩行距離計測システムに係る慣性計測装置の構成例を示すブロック図である。ここに示すように本発明システムは、X、Y、Zの3軸の角速度(ジャイロ)、X、Y、Zの3軸の加速度、計6軸のセンサを使用して検出し、演算部にてセンサ値の積分や種種の演算を行い、位置の値を求める。上述のとおり6軸センサは、NED座標その他任意の座標系の設定を用いて、水平面基準で軸調整されてたものとすることができる。
歩行距離計測時には、被験者が装着計測用履物に慣性計測装置(本体)を取り付け、慣性計測装置は加速度センサの値をモニタすることで足の踏み出しを検知する。踏み出し検知とともに位置計測が開始され、踏み込み時(センサ静止時)にセンサのオフセットキャンセルがなされ、次の踏み出し検知で再度、位置計測が開始される。この手順の繰り返しにより、被験者の歩行距離を精度良く、直接計測することができる。
図7は、本発明歩行距離計測システムにおける動作例を示すフロー図である。ここに示すように本システムでは、恒常的になされる加速度値モニタにより検出された加速度値(検出値)と、予め設定された加速度閾値との比較に基づいて、種々の手順がなされる。すなわち「踏み込み中(静止中)の処理」段階では、検出値が閾値内である場合にジャイロ平均値や加速度平均値が演算され取得される。
一方、閾値を超えた場合、すなわち「歩行中の処理」段階に入ると、かかる平均値の演算が停止し、踏み出し開始が判断されて、オフセットキャンセルがなされる。つまり、静止時に取得したジャイロ・加速度の平均値を使用してバイアス除去が行われる。
「歩行中の処理」段階において、検出値が閾値を超えている限り歩行中であると判断されて、歩行距離演算が継続され、測定値が得られる。そして、検出値が閾値内となった場合は歩行状態が終了して静止中の段階に移行したと判断され、「踏み込み中(静止中)の処理」段階の処理がなされる。
このようにして、加速度値モニタに基づいて歩行距離演算の手順が継続的に実施される。かかる方式により歩行距離演算がなされる本発明システムにおいては、演算部では歩行時ごとの歩幅距離に基づいて歩行距離が直接演算されるため、従来技術のように歩数を歩行距離演算に必要とすることがなく、直接的に歩行距離を得ることができる。
図8は、本発明歩行距離計測システムの別の構成を示す概念図である。図示するように本歩行距離計測システム510は、慣性計測装置51(本体56)に、センサ52により検知された情報、または演算部53により処理された情報の少なくともいずれかを外部へ伝達するための送出部54が内蔵されている構成である。
かかる構成により本システム510では、センサ52により検知された情報、演算部53により処理された情報、またはその双方が、送出部54によって本体56の外部へと伝達される。かかる伝達によって、たとえば本体56外に設けた出力部58において位置データ等の表示や印刷といった出力、あるいは本体56外における演算処理等の可能なシステムとすることができる。
なお、センサにより検知された情報または演算部により処理された情報は、無線もしくは有線による送信手段、またはメモリカード等の情報記録媒体によって、送出部54から外部へ伝達する形態をとることができる。無線やメモリカード等の記録方式を採用した場合は、本体56の計測用履物59への取り付けを簡単かつ単純なものとすることができる。
以上述べた歩行距離計測システムを構成するための要素である慣性計測装置や計測用履物自体もまた、本発明の範囲内である。
本発明の歩行距離計測システム、慣性計測装置および計測用履物によれば歩行距離計測を安価に、かつ精度よく直接被験者の歩行距離を計測することができる。特に整形外科、理学療法(リハビリテーション)、療術分野等での使用に便利であり、かかる分野および関連する全分野において、産業上利用性が高い発明である。
10、110、210、310、410、510…歩行距離計測システム
1、11、21、51…慣性計測装置
9、19、29、39、49、59…計測用履物
6、16、26、36、46、56…本体
2、12、22、52…センサ
3、13、23A、23B、53…演算部
5、15、25、35、45、55…取付部
54…送出部
58…出力部

Claims (17)

  1. 慣性計測装置および計測用履物を用いて構成される歩行距離計測システムであって、該慣性計測装置は、本体と、該本体に内蔵されたセンサと、該センサにより検知された情報に演算処理を施す演算部と、および該計測用履物に取り付けるための該本体上の取付部とを備えて構成され、該演算部では検知対象である該計測用履物の運動状態に基づくオフセットキャンセルが行われる、歩行距離計測システム。
  2. 前記オフセットキャンセルは、歩行動作中繰り返しなされることを特徴とする、請求項1に記載の歩行距離計測システム。
  3. 前記オフセットキャンセルは、前記計測用履物の静止時から運動開始時の間においてなされることを特徴とする、請求項1または2に記載の歩行距離計測システム。
  4. 前記オフセットキャンセルは、前記計測用履物の踏み込み時の静止状態から踏み出し開始へと移行する際に毎回なされることを特徴とする、請求項1に記載の歩行距離計測システム。
  5. 前記踏み込み時の開始は、加速度値の変化に基づいて判断されることを特徴とする、請求項4に記載の歩行距離計測システム。
  6. 前記オフセットキャンセルは、前記センサの静止時における一定時間の複数のセンサ出力値に基づき得られるオフセット量によりなされることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の歩行距離計測システム。
  7. 前記演算部では歩行時ごとの歩幅距離に基づいて歩行距離が直接演算され、歩数は歩行距離演算に不要であることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の歩行距離計測システム。
  8. 前記センサは、ジャイロセンサおよび加速度センサからなる6軸センサであることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれかに記載の歩行距離計測システム。
  9. 前記計測用履物としては、前記オフセットキャンセルの精度を高めるべく、該計測用履物の静止時における前記センサの振動発生が抑制される履物が用いられることを特徴とする、請求項1ないし8のいずれかに記載の歩行距離計測システム。
  10. 前記計測用履物としては、前記オフセットキャンセルの精度を高めるべく、より硬い材質の履物、またはより高い剛性の履物が用いられることを特徴とする、請求項1ないし8のいずれかに記載の歩行距離計測システム。
  11. 前記計測用履物には前記慣性計測装置を取り付けるための装置受部が設けられていることを特徴とする、請求項1ないし10のいずれかに記載の歩行距離計測システム。
  12. 前記装置受部は前記計測用履物の底部に設けられていることを特徴とする、請求項11に記載の歩行距離計測システム。
  13. 前記慣性計測装置には、前記センサにより検知された情報、または前記演算部により処理された情報の少なくともいずれかを外部へ伝達する送出部が内蔵されていることを特徴とする、請求項1ないし12のいずれかに記載の歩行距離計測システム。
  14. 前記センサにより検知された情報または前記演算部により処理された情報は、無線もしくは有線による送信手段または情報記録媒体により前記送出部から外部へ伝達可能であることを特徴とする、請求項13に記載の歩行距離計測システム。
  15. 前記演算部で得られた情報を出力する出力部を備えていることを特徴とする、請求項1ないし14のいずれかに記載の歩行距離計測システム。
  16. 請求項1ないし15のいずれかに記載の歩行距離計測システムに用いるための、慣性計測装置。
  17. 請求項1ないし15のいずれかに記載の歩行距離計測システムに用いるための、計測用履物。

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JP (1) JP2015078959A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017131347A1 (ko) * 2016-01-27 2017-08-03 알바이오텍 주식회사 보행 분석 시스템, 방법 및 컴퓨터 판독 가능한 기록 매체
KR101819179B1 (ko) * 2016-06-30 2018-01-17 국민대학교 산학협력단 이동거리 측정 장치 및 시스템

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