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JP2015077872A - 車体部材の接合構造及び車体構造 - Google Patents

車体部材の接合構造及び車体構造 Download PDF

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秀幸 吉岡
渡辺 明義
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智正 是石
Tomomasa Koreishi
智正 是石
足立 健太郎
Kentaro Adachi
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Abstract

【課題】電着塗装による接着効果が得られる車体部材の接合構造及び車体構造を得る。
【解決手段】レーザ溶接では、パネル部材20、22において、隙間28が設けられた状態で溶接が可能である。このため、本実施形態では、パネル部材20とパネル部材22をレーザ溶接によって接合させている(レーザ溶接部30)。このように、所定の隙間28を設けることによって、当該隙間28内に電着塗装液が進入可能となる。これにより、パネル部材20、22の表面に電着塗装液を付着させることができ、パネル部材20、22の表面を電着塗装膜で覆うことができる。当該電着塗装膜部32によって、パネル部材20とパネル部材22との間で接着効果を得ることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、車体部材の接合構造及び車体構造に関する。
例えば、下記特許文献1には、インナ部材(パネル部材)及びアウタ部材(パネル部材)のフランジ間をスポット溶接することで閉断面の車両骨格を形成する技術が開示されている。ここでは、骨格の剛性を上げるために、スポット溶接のスポット間隔を狭くしている。
特許3223746号公報
しかしながら、一般的に、スポット溶接部周りではインナ部材及びアウタ部材同士の間隙はゼロに近い。このため、この間隙にED塗装液(電着塗装;錆止め用のベースコート)が進入しない可能性があり、この場合、ED塗装による接着効果を得ることはできない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、電着塗装による接着効果が得られる車体部材の接合構造及び車体構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の車体部材の接合構造は、車体の一部を構成し、鋼板で形成された少なくとも2枚のパネル部材において所定の隙間が形成された状態でレーザ溶接により互いに接合されたレーザ溶接部と、前記パネル部材の表面を覆うと共に、前記隙間の少なくとも一部を埋める電着塗装膜部と、を有している。
請求項1に記載の車体部材の接合構造では、鋼板で形成された少なくとも2枚のパネル部材が所定の隙間が形成された状態でレーザ溶接によって互いに接合されている(レーザ溶接部)。このパネル部材の表面が電着塗装膜部で覆われることによって、当該パネル部材において錆止め効果が得られる。そして、電着塗装膜部によって、パネル部材間に設けられた隙間の少なくとも一部が埋められることで、パネル部材間において、電着塗装による接着効果が得られる。
請求項2に記載の車体部材の接合構造は、請求項1に記載の車体部材の接合構造において、前記レーザ溶接部における接合面が1つの面で繋がって形成されている。
一般的に、スポット溶接の場合、スポットガンによってパネル部材が押圧された状態で接合されるため、パネル部材間において隙間が設けられない可能性がある。このため、隙間を設けるための管理座面を形成する必要がある。
しかし、レーザ溶接の場合、所定の隙間が形成された状態でパネル部材間を溶接することができるため、請求項2に記載の車体部材の接合構造では、レーザ溶接部における接合面が1つの面で繋がって形成することができる。
請求項3に記載の車体構造は、請求項1又は請求項2に記載の車体部材の接合構造がフロントウィンドガラスの下部を支持するカウル部周り又は車体下部を構成するアンダーボディの車体部材に適用されている。
本発明における車体部材の接合構造では、防錆効果が向上するため、カウル部周りやアンダーボディ等、水掛かりの多い部分に適用させることができる。
以上説明したように、請求項1に記載の車体部材の接合構造は、電着塗装による接着効果が得られる、という優れた効果を有する。
請求項2に記載の車体部材の接合構造は、パネル部材間に隙間を設けるための管理座面を形成する必要がなく、車体部材において剛性を向上させることができる、という優れた効果を有する。
請求項3に記載の車体構造は、水掛かりの多い部分において、防錆効果を向上させることができる、という優れた効果を有する。
本実施の形態に係る車体部材の接合構造が適用された車体の斜視図である。 本実施の形態に係る車体部材の接合構造が適用されたパネル部材の要部を示す(A)は斜視図であり、(B)は(A)のB−B線に沿って切断された状態を示す断面図である。 比較例であり、(A)は、図2(A)に対応する斜視図であり、(B)は、図2(B)に対応する断面図である。
図面を用いて、本発明の実施形態に係る車体部材の接合構造について説明する。なお、車両前後方向前方側を矢印FRで示し、車両幅方向を矢印Wで示し、車両上下方向上側を矢印UPで示す。また、以下の説明で、特記なく前後、上下の方向を用いる場合は、車両前後方向の前後、車両上下方向の上下を示すものとする。
(車体部材の接合構造の構成)
図1に示されるように、本実施形態に係る車体部材の接合構造12は、車体10の下部を構成するアンダーボディ14に適用されている。本実施形態におけるパネル部材として、例えば、ロッカ16を例に挙げて説明する。図2(A)に示されるように、ロッカ16は、車両下部の一部を構成するフロアパネル18の車両幅方向外側において、車両前後方向に沿って延在されている。
ロッカ16は、車両幅方向内側に配設されたカウルサイドパネル20(以下、「パネル部材20」という」と、パネル部材20の車両幅方向外側に配設されたロッカアウタリインフォースメント22(以下「パネル部材22」という)と、を備えている。また、パネル部材22の車両幅方向外側には、図示しないサイドアウタパネルが設けられ、車両下部における意匠の一部を構成している。
パネル部材20及びパネル部材22は、長尺状の鋼板で形成されており、パネル部材20は、長手方向に対して直交する幅方向に沿った平断面形状が平板状を成している。一方、パネル部材22は、車両幅方向内側へ向かって開口されたハット形状とされている。なお、サイドアウタパネルは、パネル部材22と略同じ構成を成しており、サイドアウタパネル単体の説明を省略している。
パネル部材20の幅方向の両端部には、パネル部材20A、20Bがそれぞれ設けられており、パネル部材22の幅方向の両端部には、パネル部材22A、22Bがそれぞれ設けられている。そして、パネル部材20、22において、フランジ部20A、22A同士、フランジ部20B、22B同士を重ね合わせてそれぞれ接合する。これにより、ロッカ16には閉断面部24が形成される。
ここで、これらのパネル部材20、22同士は、レーザ溶接によって互いに接合されており、レーザ溶接による接合面26Aは1つの平面で繋がっている。なお、レーザ溶接には、LSW(laser screw welding)や線レーザ等が含まれる。
以上のように、パネル部材20、22が互いに接合された後、ロッカ16を含む車体には、電着塗装(いわゆるED塗装)が施される。図示はしないが、車体は電着塗料が満たされた槽の中に浸され、車体と槽の中の電極間に電圧をかけ、通電させることで塗装の膜を析出させる。その後、車体を槽から引き上げ水洗いして余分な塗料を除去し、塗装の硬化処理を行うこととなる。なお、電着塗装は下塗塗装なので、車体には装飾を目的とした上塗塗装が施されることとなる。
(車体部材の接合構造の作用・効果)
次に、上述の車体部材の接合構造の作用・効果について説明する。
図2(A)、(B)に示されるように、ロッカ16におけるパネル部材20、22は、レーザ溶接によって互いに接合されている。
一般的に、図示はしないが、スポット溶接では、一対のスポットガンによって、パネル部材を挟持し押圧しながら一対のスポットガンの間に電流を流してパネル部材同士を溶接する。このように、スポット溶接ではパネル部材を挟持して押圧するため、パネル部材間には隙間が設けられない場合がある。パネル部材間において、隙間が設けられない場合、スポット溶接部周りでは、電着塗装液が進入されないことになる。
一方、レーザ溶接では、図2(A)、(B)に示されるように、パネル部材20、22において、隙間28が設けられた状態で溶接が可能である。このため、本実施形態では、パネル部材20とパネル部材22をレーザ溶接によって接合させている(レーザ溶接部30)。
このように、所定の隙間28を設けることによって、当該隙間28内に電着塗装液が進入可能となる。これにより、パネル部材20、22の表面に電着塗装液を付着させることができ、パネル部材20、22の表面を電着塗装膜で覆うことができる。これにより、錆止め効果が向上する。特に、ロッカ16等、水掛かりの多い箇所においては、本発明の適用は効果的である。
また、電着塗装液は硬化すると、所謂接着剤と同様の効果を奏し、ロッカ16において、接合部26の結合が強固になる。これに伴い、ロッカ16の剛性が上がる。本実施形態では、所定の隙間28内に電着塗装液が進入すると、パネル部材20とパネル部材22との間が電着塗装膜で埋まることになる(電着塗装膜部32)。
これにより、当該電着塗装膜部32によって、パネル部材20とパネル部材22との間で接着効果を得ることができる。
なお、ここでの、所定の隙間28は、例えば、約0.1〜0.3mmである。本実施形態では、パネル部材20とパネル部材22を重ねた状態で、当該隙間28が設けられるようになっている。これ以外に、パネル部材20又はパネル部材22において、互いに対面する側に凸部(図示省略)を設けても良い。また、レーザ溶接時において、パネル部材20とパネル部材22の間に板状の金属製のシム治具(図示省略)を挿入しても良い。但し、シム治具はレーザ溶接が終わると抜き取られる。
また、本実施形態では、レーザ溶接による接合面26Aは1つの平面で繋がっている。図3(A)、(B)に示されるように、スポット溶接の場合、スポットガンによってパネル部材が押圧された状態で接合されるため、パネル部材100、102間において隙間が設けられない可能性がある。このため、隙間104を設けるための管理座面106を形成する必要がある。その結果、スポット溶接(スポット溶接部108)による接合面106Aは凹凸状になってしまう。つまり、1つの面で繋がらない。
一方、レーザ溶接の場合、図2(B)に示されるように、所定の隙間28が形成された状態でパネル部材20、22間を溶接することができるため、上記のように、レーザ溶接部30における接合面26Aが1つの面で繋がって形成することができる。このように、本実施形態では、パネル部材20、22間に隙間28を設けるための管理座面を形成する必要がないため、ロッカ16において剛性を向上させることができる。また、当該管理座面を形成する必要がないため、車体部材を形成するための金型費を削減することができる。
なお、本実施形態では、ロッカ16について説明したが、図1に示すアンダーボディ14におけるロッカ16以外の他の骨格部材やフロントウィンドガラスの下部を支持するカウル部34周りにおいても適用可能であり、さらに車体10の上部を構成するアッパーボディ36に適用させても良い。
また、本実施形態では、図2(A)、(B)に示されるように、パネル部材20、22において、レーザ溶接による接合面26Aは1つの平面で繋がっているが、当該接合面26Aは曲面であっても良い。さらに、本実施形態では、2枚のパネル部材の接合について説明したが、3枚のパネル部材の接合であっても良い。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において上記以外にも種々変形して実施することが可能であることは勿論である。
10 車体
12 車体部材の接合構造
14 アンダーボディ
16 ロッカ
18 フロアパネル
20 カウルサイドパネル(パネル部材)
22 ロッカアウタリインフォースメント(パネル部材)
26 接合部
26A 接合面
28 隙間
30 レーザ溶接部
32 電着塗装膜部
34 カウル部
36 アッパーボディ

Claims (3)

  1. 車体の一部を構成し、鋼板で形成された少なくとも2枚のパネル部材において所定の隙間が形成された状態でレーザ溶接により互いに接合されたレーザ溶接部と、
    前記パネル部材の表面を覆うと共に、前記隙間の少なくとも一部を埋める電着塗装膜部と、
    を有する車体部材の接合構造。
  2. 前記レーザ溶接部における接合面が1つの面で繋がって形成されている請求項1に記載の車体部材の接合構造。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の車体部材の接合構造がフロントウィンドガラスの下部を支持するカウル部周り又は車体下部を構成するアンダーボディの車体部材に適用されている車体構造。
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