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JP2014505151A - 高い膨潤速度を有する吸水性ポリマー粒子の製造法 - Google Patents

高い膨潤速度を有する吸水性ポリマー粒子の製造法 Download PDF

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Abstract

本発明は、重合工程、乾燥工程、粉砕工程、分級工程及び熱による表面後架橋工程、後湿潤化工程及び再乾燥工程を包含する、高い膨潤速度を有する吸水性ポリマーの製造法に関する。

Description

本発明は、重合工程、乾燥工程、粉砕工程、分級工程及び熱による表面後架橋工程、後湿潤化工程及び再乾燥工程を包含する、高い膨潤速度(Anquellgeschwindigkeit)を有する吸水性ポリマーの製造法に関する。
吸水性ポリマー粒子は、おむつ、タンポン、ナプキン及びその他の衛生用品を製造するために使用されるか、或いは農業園芸における保水剤としても使用される。吸水性ポリマー粒子は、"吸水性樹脂"、"超吸収体"、"超吸収性ポリマー"、"吸収性ポリマー"、"吸収性ゲル化材料"、"親水性ポリマー"、"ヒドロゲル"又は"超吸収体"とも呼ばれることが多い。
吸水性ポリマー粒子の製造は、モノグラフ"Modern Superabsorbent Polymer Technology",F.L.Buchholz and A.T.Graham,Wiley−VCH(1998年)の第71頁〜第103頁に記載される。
吸水性ポリマー粒子の特性は、例えば、使用される架橋剤量により調節することができる。架橋剤量が増大するにつれて、遠心分離保持容量(CRC)は低下し、そして21.0g/cm2の圧力下(AUL0.3psi)での吸収量が最大値を通過する。
適用特性、例えば液体誘導性(Fluessigkeitsweiterleitung)(SFC)及び49.2g/cm2の圧力下(AUL0.7psi)での吸収量の改善のために、吸水性ポリマー粒子は、一般的に表面後架橋される。それによって粒子表面の架橋度が高まり、このことによって49.2g/cm2の圧力下(AUL0.7psi)での吸収量と遠心分離保持容量(CRC)との関係を少なくとも部分的に断つことができる。この表面後架橋は、水性ゲル相中で実施することができる。しかし、好ましくは、乾燥、粉砕及び篩分されたポリマー粒子(ベースポリマー)が表面後架橋剤で表面コーティングされ、かつ熱による表面後架橋及び乾燥が行われる。そのために適した架橋剤は、吸水性ポリマー粒子の少なくとも2つのカルボキシレート基と共有結合を形成することができる化合物である。
表面後架橋されたポリマー粒子の後湿潤化は、例えば、EP0480031A1、EP0780424A1、WO01/025290A1、WO2004/037900A1及びWO2006/109844A1に記載される。
EP0780424A1は、エポキシドによる表面後架橋の後の残留エポキシド含有量を、求核性試薬、例えば水の添加によって下げることができることを教示する。
WO01/025290A1は、後湿潤化によって吸水性ポリマー粒子の機械的安定性を高めることができることを記載する。
WO2004/037900A1は、後湿潤化のための二段階の混合法を開示する。
EP0480031A1及びWO2006/109844A1は、吸水性粒子の凝集のために水の使用を教示する。
本発明の課題は、改善された膨潤速度を有する吸水性ポリマー粒子の製造法を提供することであった。
該課題は、
a)少なくとも部分的に中和されていてよい、少なくとも1種のエチレン性不飽和の酸基含有モノマー、
b)少なくとも1種の架橋剤、
c)少なくとも1種の開始剤、
d)任意に、a)に記載のモノマーと共重合可能な1種以上のエチレン性不飽和モノマー及び
e)任意に1種以上の水溶性ポリマー
を含むモノマー溶液又はモノマー懸濁液を重合し、ポリマーゲルを乾燥、粉砕及び分級し、その際、ポリマー粒子をm〜n(μm)の範囲の粒径に分級し、mは50〜300の範囲の数値を意味し、かつnは400〜1,200の範囲の数値を意味し、これらの分級されたポリマー粒子を、
f)少なくとも1種の表面後架橋剤及び
g)任意に少なくとも1種の多価金属カチオン
でコーティングし、かつ熱により表面後架橋し、ここで、熱による表面後架橋の後の吸水性ポリマー粒子の湿分含有率(Feuchtegehalt)を1〜150質量%高め、かつ吸水性ポリマー粒子を引き続き乾燥することを特徴とする、吸水性ポリマー粒子の製造法によって解決された。
分級は、相応するメッシュサイズを有する適した篩によって実施し、その際、mは、好ましくは80〜250の範囲に、有利には100〜200の範囲に、極めて有利には110〜150の範囲に、かつnは、500〜1000の範囲に、特に有利には600〜900の範囲に、極めて有利には700〜850の範囲にある。
湿分含有率は、熱による表面後架橋後に、好ましくは2.5〜100質量%、特に有利には5〜50質量%、極めて有利には10〜25質量%高める(後湿潤化)。湿分含有率を高める方法は制限されない。例えば、吸水性ポリマー粒子は水と液体若しくは気体の形で、例えば湿潤ガス(空気、窒素等)による噴霧又は通気によって接触させてよい。代替的に、砕氷又はすでに湿潤な吸水性ポリマー粒子を混ぜ合わしてもよい。種々の添加の形を組み合わせることも可能である。
生成物温度は、含水率(Wassergehalt)を高めている間、例えば0〜140℃、好ましくは20〜120℃、特に有利には50〜100℃、極めて有利には60〜90℃である。
含水率を高めることと、引き続く乾燥との間の滞留時間は重要ではなく、例えば10日未満、好ましくは5日未満、有利には1日未満、特に有利には6時間未満、極めて有利には2時間未満である。
引き続く乾燥は、静的又は動的に実施してよく、すなわち、その際、吸水性ポリマー粒子を動かす、例えば撹拌するか、又は動かさない。好ましくは動的乾燥を行う。乾燥に際しての圧力も同様に重要ではなく、これは例えば周囲圧力又はそれ未満の圧力(減圧)に相当する。しかし、吸水性ポリマー粒子を乾燥するために乾燥ガス(空気、窒素等)で通気することも可能である。
本発明の有利な実施形態においては、本発明による乾燥に際して、最終生成物にとって所望の湿分含有率を設定する。
引き続き、吸水性ポリマー粒子を、好ましくは150℃未満、特に有利には130℃未満、極めて有利には110℃未満の温度で、好ましくは10質量%未満、特に有利には7質量%未満、極めて有利には5質量%未満の湿分含有率まで乾燥する。
本発明は、吸収性ポリマー粒子の膨潤速度(FSR)を、表面後架橋されたポリマー粒子の膨潤及び再乾燥によって高めることができるという認識に基づいている。膨潤によって、比較的高度に架橋したシェルに亀裂が形成する。これらの亀裂は、ひょっとすると膨潤速度(FSR)の高まりが原因かもしれない。ただし、吸水性ポリマー粒子はあまりに強く膨潤してはならず、それというのも、さもなければポリマー粒子同士がくっついてしまうからである。さらに、本発明によれば、過度に小さいポリマー粒子は表面後架橋前に分離されることから凝集が不要である。
それゆえ、本発明による方法のために使用可能な表面後架橋されたポリマー粒子は、概して高い液体誘導性(SFC)及び高い吸収速度(Vortex)を有し、例えば、好ましくは少なくとも100×10-7cm3s/g、特に有利には少なくとも120×10-7cm3s/g、極めて有利には130〜250×10-7cm3s/gの液体誘導性(SFC)及び、好ましくは少なくとも60秒、特に有利には少なくとも80秒、極めて有利には100〜500秒の吸収速度を有する。
本発明による方法において使用可能な表面後架橋されたポリマー粒子は、概して15g/g、好ましくは少なくとも20g/g、有利には少なくとも22g/g、特に有利には少なくとも24g/g、極めて有利には26〜60g/gの遠心分離保持容量(CRC)を有する。遠心分離保持容量(CRC)は、EDANAにより推奨される試験法No.WSP 241.2−05 "Fluid Retention Capacity in Saline,After Centrifugation"に従って測定する。
本発明による方法において使用可能な表面後架橋されたポリマー粒子は、概して少なくとも15g/g、好ましくは少なくとも20g/g、有利には少なくとも22g/g、特に有利には少なくとも24g/g、極めて有利には26〜35g/gの、49.2g/cm2の圧力下での吸収量を有する。49.2g/cm2の圧力下での吸収量は、EDANAにより推奨される試験法No.WSP 241.2−05 "Adsorption Under Pressure,Gravimetric Determination"と同じように測定し、ここでは、21.0g/cm2の圧力の代わりに49.2g/cm2の圧力を設定する。
以下では、吸水性ポリマー粒子の製造について詳しく説明する:
吸水性ポリマー粒子は、モノマー溶液又はモノマー懸濁液の重合によって製造し、通常は非水溶性である。
モノマーa)は、好ましくは水溶性であり、すなわち、23℃での水への溶解度は、概して水100g当たり少なくとも1g、好ましくは水100g当たり少なくとも5g、特に有利には水100g当たり少なくとも25g、極めて有利には水100g当たり少なくとも35gである。
適したモノマーa)は、例えばエチレン性不飽和カルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、及びイタコン酸である。特に有利なモノマーは、アクリル酸及びメタクリル酸である。極めて有利なのはアクリル酸である。
更なる適したモノマーa)は、例えばエチレン性不飽和スルホン酸、例えばスチレンスルホン酸及び2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)である。
不純物は、重合に著しい影響を与える。それゆえ、用いられる原料は、可能な限り高い純度を有しているべきである。それゆえ、好ましくはモノマーa)を特別に精製することが多くの場合に好ましい。適した精製法は、例えばWO2002/055469A1、WO2003/078378A1及びWO2004/035514A1に記載されている。適したモノマーa)は、例えばWO2004/035514A1に従って精製された、アクリル酸99.8460質量%、酢酸0.0950質量%、水0.0332質量%、プロピオン酸0.0203質量%、フルフラール0.0001質量%、無水マレイン酸0.0001質量%、ジアクリル酸0.0003質量%及びヒドロキノンモノメチルエーテル0.0050質量%を有するアクリル酸である。
モノマーa)の全量におけるアクリル酸及び/又はその塩の割合は、好ましくは少なくとも50モル%、特に有利には少なくとも90モル%、極めて有利には少なくとも95モル%である。
モノマーa)は、通常、重合禁止剤、好ましくはヒドロキノン半エーテルを貯蔵安定剤として含む。
モノマー溶液は、ヒドロキノン半エーテルを、中和されていないモノマーa)をそのつど基準として、好ましくは250質量ppmまで、有利には最大でも130質量ppm、特に有利には最大でも70質量ppm、有利には少なくとも10質量ppm、特に有利には少なくとも30質量ppm、殊におよそ50質量ppm含む。例えば、モノマー溶液の製造のために、相応する含有量のヒドロキノン半エーテルを有するエチレン性不飽和の酸基含有モノマーを使用することができる。
有利なヒドロキノン半エーテルは、ヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)及び/又はα−トコフェロール(ビタミンE)である。
適した架橋剤b)は、架橋のために適した少なくとも2つの基を有する化合物である。このような基は、例えば、ポリマー鎖中にラジカル的に重合導入されることができるエチレン性不飽和基、及びモノマーa)の酸基と共有結合を形成することができる官能基である。さらに、モノマーa)の少なくとも2つの酸基と配位結合を形成することができる多価金属塩も架橋剤b)として適している。
架橋剤b)は、好ましくは、ポリマー網目構造中にラジカル的に重合導入されることができる少なくとも2つの重合可能な基を有する化合物である。適した架橋剤b)は、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、アリルメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリアリルアミン、テトラアリルアンモニウムクロリド、テトラアリルオキシエタン(例えばEP0530438A1に記載)、ジアクリレート及びトリアクリレート(例えばEP0547847A1、EP0559476A1、EP0632068A1、WO93/21237A1、WO2003/104299A1、WO2003/104300A1、WO2003/104301A1及びDE10331450A1に記載)、アクリレート基の他に更なるエチレン性不飽和基を含む混合アクリレート(例えばDE10331456A1及びDE10355401A1に記載)、又は架橋剤混合物(例えばDE19543368A1、DE19646484A1、WO90/15830A1及びWO2002/032962A2に記載)である。
有利な架橋剤b)は、ペンタエリトリトールトリアリルエーテル、テトラアルコキシエタン、メチレンビスメタクリルアミド、15箇所でエトキシ化されたトリメチロールプロパントリアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート及びトリアリルアミンである。
極めて有利な架橋剤b)は、例えばWO2003/104301A1に記載されているような、アクリル酸又はメタクリル酸でジアクリレート又はトリアクリレートへとエステル化された、ポリエトキシ化及び/又はポリプロポキシ化されたグリセリンである。特に好ましいのは、3〜10箇所でエトキシ化されたグリセリンのジアクリレート及び/又はトリアクリレートである。極めて有利なのは、1〜5箇所でエトキシ化及び/又はプロポキシ化されたグリセリンのジアクリレート又はトリアクリレートである。最も有利なのは、3〜5箇所でエトキシ化及び/又はプロポキシ化されたグリセリンのトリアクリレート、殊に3箇所でエトキシ化されたグリセリンのトリアクリレートである。
架橋剤b)の量は、そのつどモノマーa)を基準として、好ましくは0.05〜1.5質量%、特に有利には0.1〜1質量%、極めて有利には0.3〜0.6質量%である。架橋剤の含有量が増大するにつれて、遠心分離保持容量(CRC)は低下し、そして21.0g/cm2の圧力下での吸収量が最大値を通過する。
開始剤c)として、重合条件下でラジカルを生成するすべての化合物、例えば熱開始剤、レドックス開始剤、光開始剤を使用してよい。適したレドックス開始剤は、ペルオキソ二硫酸ナトリウム/アスコルビン酸、過酸化水素/アスコルビン酸、ペルオキソ二硫酸ナトリウム/重亜硫酸ナトリウム及び過酸化水素/重亜硫酸ナトリウムである。好ましくは、熱開始剤とレドックス開始剤からなる混合物、例えばペルオキソ二硫酸ナトリウム/過酸化水素/アスコルビン酸を使用する。しかし、還元性成分として、好ましくは2−ヒドロキシ−2−スルホナト酢酸二ナトリウム、又は2−ヒドロキシ−2−スルフィナト酢酸二ナトリウム、2−ヒドロキシ−2−スルホナト酢酸二ナトリウム及び重亜硫酸ナトリウムからなる混合物を使用する。このような混合物は、Brueggolite(R)FF6及びBrueggolite(R)FF7(Brueggeman Chemicals;Heilbronn;Germany)として入手可能である。エチレン性不飽和の酸基含有モノマーa)と共重合可能なエチレン性不飽和モノマーd)は、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート、ジエチルアミノプロピルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート又はジエチルアミノエチルメタクリレートである。
水溶性ポリマーe)として、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、デンプン誘導体、変性セルロース、例えばメチルセルロース又はヒドロキシエチルセルロース、ゼラチン、ポリグリコール又はポリアクリル酸、好ましくはデンプン、デンプン誘導体又は変性セルロースを使用してよい。
通常、モノマー水溶液を使用する。モノマー溶液の含水率は、好ましくは40〜75質量%、特に有利には45〜70質量%、極めて有利には50〜65質量%である。モノマー懸濁液、すなわち、過剰のモノマーa)を有するモノマー溶液、例えばアクリル酸ナトリウムを用いることも可能である。含水量が増大するにつれて、引き続く乾燥に際してのエネルギー消費量が増大し、かつ含水量が減少するにつれて、重合熱を不十分にしか除去することができなくなる。
有利な重合禁止剤は、最適な作用のために溶存酸素を必要とする。それゆえ、モノマー溶液から重合前に不活性化によって、すなわち、不活性ガス、好ましくは窒素又は二酸化炭素による流過によって溶存酸素を取り除いてよい。好ましくは、重合前のモノマー溶液の酸素含有率を、1質量ppm未満に、特に有利には0.5質量ppm未満に、極めて有利には0.1質量ppm未満に下げる。
モノマー溶液又はモノマー懸濁液を重合する。適した反応器は、例えば混練反応器又はベルト反応器である。混練機中では、水性のモノマー溶液又はモノマー懸濁液の重合に際して生じるポリマーゲルを、WO2001/038402A1に記載されるように、例えば反転撹拌シャフトによって連続的に微粉砕する。ベルト上での重合は、例えばDE3825366A1及びUS6,241,928に記載される。ベルト反応器中での重合に際しては、更なる工程段階において、例えば押出機又は混練機で微粉砕されなければならないポリマーゲルが生じる。
乾燥特性を改善するために、混練機を使って得られる微粉砕されたポリマーゲルを付加的に押出してもよい。
或いはまた、モノマー水溶液を液滴化し、そして作り出された該液滴を、加熱されたキャリアーガス流中で重合させることも可能である。この場合、WO2008/040715A2及びWO2008/052971A1に記載されるように、重合及び乾燥の工程段階を一括りにすることができる。
得られたポリマーゲルの酸基は、通常、部分的に中和されている。中和は、好ましくはモノマーの段階で実施する。通常、これは、中和剤を水溶液として又は有利には固体としても混入することによって行う。中和度は、好ましくは25〜95モル%、特に有利には30〜80モル%、極めて有利には40〜75モル%であり、その際、通常の中和剤、好ましくはアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属炭酸塩又はアルカリ金属炭酸水素塩並びにそれらの混合物を使用してよい。アルカリ金属塩の代わりにアンモニウム塩も使用してよい。ナトリウム及びカリウムは、アルカリ金属として特に有利であるが、しかしながら、極めて有利なのは、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム又は炭酸水素ナトリウム並びにそれらの混合物である。
或いはまた、中和を重合後に、該重合に際して生じるポリマーゲルの段階で実施することも可能である。さらに、中和剤の一部を早くもモノマー溶液に添加し、かつ所望の最終中和度を重合後に初めてポリマーゲルの段階で設定することで、酸基を重合前に40モル%まで、好ましくは10〜30モル%、特に有利には15〜25モル%中和することが可能である。ポリマーゲルを少なくとも部分的に重合後に中和する場合、該ポリマーゲルは、好ましくは機械的に、例えば押出機を用いて微粉砕し、ここで、中和剤を吹き付けるか、振り掛けるか又は注ぎ込み、それから入念に相互に混合してよい。そのために、得られたゲル材料を、なお繰り返し均質化のために押出してよい。
得られたポリマーゲルを乾燥する。乾燥機は制限されていない。しかし好ましくは、ポリマーゲルの乾燥は、ベルト乾燥機を用いて、残留湿分含有率が、好ましくは0.5〜15質量%、特に有利には1〜10質量%、極めて有利には2〜8質量%になるまで実施し、その際、残留湿分含有率は、EDANAより推奨される試験法No.WSP 230.2−05 "Mass Loss Upon Heating"に従って測定する。残留湿分が高すぎると、乾燥されたポリマーゲルは低すぎるガラス転移温度Tgを有し、さらに加工するにも困難を伴う。残留湿分が低すぎると、乾燥されたポリマーゲルは過度に脆性となり、引き続く微粉砕工程で、不所望にも大量の、過度に低い粒径を有するポリマー粒子(細粒(fines))が発生する。ゲルの固体含有率は、乾燥前に、好ましくは25〜90質量%、特に有利には35〜70質量%、極めて有利には40〜60質量%である。選択的に、或いはまた流動床乾燥機又はパドル乾燥機も乾燥のために使用することができる。
乾燥されたポリマーゲルを粉砕及び分級し、その際、粉砕のために、通常、単段式又は多段式のロールミル、有利には二段式又は三段式のロールミル、ピンミル、ハンマーミル又は振動ミルを用いてよい。
生成物画分として分離されたポリマー粒子の平均粒径は、好ましくは少なくとも200μm、特に有利には250〜600μm、極めて有利には300〜500μmである。該生成物画分の平均粒径は、EDANAより推奨される試験法No.WSP 220.2−05 "Partikel Size Distribution"により算出することができ、その際、篩画分の質量割合を累積的にプロットし、そして平均粒径をグラフで定める。この場合、平均粒径は、累積して50質量%となるメッシュサイズの値である。
少なくとも150μmの粒径を有する粒子の割合は、好ましくは少なくとも90質量%、特に有利には少なくとも95質量%、極めて有利には少なくとも98質量%である。
過度に低い粒径を有するポリマー粒子は、液体誘導性(SFC)を下げる。それゆえ、過度に小さいポリマー粒子("細粒")の割合は低くあるべきである。
過度に小さいポリマー粒子は、それゆえ、通常は分離し、そしてプロセスに返送する。これは、好ましくは、重合前、重合中又は重合直後、すなわち、ポリマーゲルの乾燥前に行う。過度に小さいポリマー粒子は、返送前又は返送中に、水及び/又は水性界面活性剤で湿らせてよい。
過度に小さいポリマー粒子を、あとの工程段階において、例えば表面後架橋又は他のコーティング工程後に分離することも可能である。この場合、返送された過度に小さいポリマー粒子は、表面後架橋されているか、若しくは他の方法で、例えば熱分解法シリカでコーティングされている。
重合のために混練反応器を使用する場合、過度に小さいポリマー粒子は、好ましくは、重合を等しく3つに区切った場合の最後3つ目の間に添加する。
過度に小さいポリマー粒子を、非常に早期に、例えば、早くもモノマー溶液に添加する場合、それによって、得られた吸水性ポリマー粒子の遠心分離保持容量(CRC)は低下する。しかし、これは、例えば架橋剤b)の投入量を調整することによって補うことができる。
過度に小さいポリマー粒子を、非常に遅く、例えば、重合反応器に後接続された装置中で、例えば押出機中でようやく添加する場合、過度に小さいポリマー粒子を、得られたポリマーゲルに組み込むのは困難でしかない。不十分に組み込まれた過度に小さいポリマー粒子は、しかしながら、乾燥されたポリマーゲルから粉砕中に再び離れ、それゆえ分級に際して新たに分離され、返送されるべき過度に小さいポリマー粒子の量を高める。
最大でも850μmの粒径を有する粒子の割合は、好ましくは少なくとも90質量%、特に有利には少なくとも95質量%、極めて有利には少なくとも98質量%である。
最大でも600μmの粒径を有する粒子の割合は、好ましくは少なくとも90質量%、特に有利には少なくとも95質量%、極めて有利には少なくとも98質量%である。
過度に大きい粒径を有するポリマー粒子は膨潤速度を下げる。それゆえ、過度に大きいポリマー粒子の割合も同様に低くあるべきである。
それゆえ、過度に大きいポリマー粒子は、通常は分離され、そして乾燥されたポリマーゲルの粉砕に返送される。
ポリマー粒子は、特性の改善のために、熱により表面後架橋される。適した表面後架橋剤f)は、ポリマー粒子の少なくとも2つのカルボキシレート基と共有結合を形成することができる基を含む化合物である。適した化合物は、例えば、多官能性アミン、多官能性アミドアミン、多官能性エポキシド(例えばEP0083022A2、EP0543303A1及びEP0937736A2に記載)、二官能性若しくは多官能性のアルコール(例えばDE3314019A1、DE3523617A1及びEP0450922A2に記載)、又はβ−ヒドロキシアルキルアミド(例えばDE10204938A1及びUS6,239,230に記載)である。
加えて、DE4020780C1には環式カーボネートが、DE19807502A1には2−オキサゾリドン及びその誘導体、例えば2−ヒドロキシエチル−2−オキサゾリドンが、DE19807992C1にはビス−及びポリ−2−オキサゾリジノンが、DE19854573A1には2−オキソテトラヒドロ−1,3−オキサジン及びその誘導体が、DE19854574A1にはN−アシル−2−オキサゾリドンが、DE10204937A1には環状尿素が、DE10334584A1には二環式アミドアセタールが、EP1199327A2にはオキセタン及び環式尿素が、またWO2003/31482A1にはモルホリン−2,3−ジオン及びその誘導体が、適した表面後架橋剤f)として記載されている。
有利な表面後架橋剤f)は、エチレンカーボネート、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリアミドとエピクロロヒドリンとの反応生成物及びプロピレングリコールと1,4−ブタンジオールからなる混合物である。
極めて有利な表面後架橋剤f)は、2−ヒドロキシエチルオキサゾリジン−2−オン、オキサゾリジン−2−オン及び1,3−プロパンジオールである。
さらに、DE3713601A1に記載されているような、付加的な重合可能なエチレン性不飽和基を含む表面後架橋剤f)も使用することができる。
表面後架橋剤f)の量は、そのつどポリマー粒子を基準として、好ましくは0.001〜2質量%、特に有利には0.02〜1質量%、極めて有利には0.05〜0.2質量%である。
本発明の有利な実施形態においては、表面後架橋の前、表面後架橋の間又は表面後架橋のあとに、表面後架橋剤に加えて、多価金属カチオンg)を粒子表面に施与する。
本発明による方法において使用可能な多価金属カチオンg)は、例えば、2価のカチオン、例えば亜鉛、マグネシウム、カルシウム、鉄及びストロンチウムのカチオン、3価のカチオン、例えばアルミニウム、鉄、クロム、希土類元素及びマンガンのカチオン、4価のカチオン、例えばチタン及びジルコニウムのカチオンである。対イオンとして、塩化物イオン、臭化物イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、リン酸水素イオン、リン酸二水素イオン及びカルボン酸イオン、例えば酢酸イオン及び乳酸イオンが可能である。硫酸アルミニウム及び乳酸アルミニウムが有利である。
多価金属カチオンg)の投入量は、そのつどポリマー粒子を基準として、例えば0.001〜1.5質量%、好ましくは0.005〜1質量%、特に有利には0.02〜0.8質量%である。
表面後架橋は、通常、表面後架橋剤f)の溶液を、乾燥されたポリマー粒子上に吹き付けるようにして実施する。吹き付けに続けて、表面後架橋剤f)でコーティングされたポリマー粒子を熱により乾燥し、その際、表面後架橋反応は、乾燥前でも乾燥中でも行ってよい。
表面後架橋剤f)の溶液の吹き付けは、好ましくは、可動式混合ツールを備えたミキサー、例えばスクリューミキサー、ディスクミキサー及びパドルミキサー中で実施する。特に有利なのは横型ミキサー、例えばパドルミキサーであり、極めて有利なのは縦型ミキサーである。横型ミキサーと縦型ミキサーは、ミキシングシャフトの軸受け部により区別され、すなわち、横型ミキサーは、水平方向に取り付けられたミキシングシャフトを有し、かつ縦型ミキサーは、鉛直方向に取り付けられたミキシングシャフトを有する。適したミキサーは、例えば横型Pflugschar(R)ミキサー(Gebr.Loedige Maschinenbau GmbH;Paderborn;Germany)、Vrieco−Nauta連続ミキサー(Hosokawa Micron BV;Doetinchem;the Netherlands)、Processall Mixmillミキサー(Processall Incorporated;Cincinnati;US)及びSchugi Flexomix(R)(Hosokawa Micron BV;Doetinchem;the Netherlands)である。しかし、表面後架橋剤溶液を流動床中で吹き付けることも可能である。
表面後架橋剤f)は、概して水溶液として用いる。非水性溶媒の含有量若しくは全溶媒量により、ポリマー粒子中への表面後架橋剤f)の侵入深さを調節することができる。
もっぱら水を溶媒として使用する場合、好ましくは界面活性剤を加える。それによって濡れ挙動が改善され、かつ凝塊傾向が抑えられる。好ましくは、しかし、溶媒混合物、例えばイソプロパノール/水、1,3−プロパンジオール/水及びプロピレングリコール/水を用い、その際、混合質量比は、好ましくは20:80〜40:60である。
熱による表面後架橋は、好ましくは接触乾燥機中で、特に有利にはパドル乾燥機、極めて有利にはディスク乾燥機中で実施する。適した乾燥機は、例えばHosokawa Bepex(R)横型パドルドライヤー(Hosokawa Micron GmbH;Leingarten;Germany)、Hosokawa Bepex(R)ディスクドライヤー(Hosokawa Micron GmbH;Leingarten;Germany)及びNaraパドルドライヤー(Nara Machinery Europe;Frechen;Germany)である。そのうえ、流動床乾燥機を用いてもよい。
熱による表面後架橋は、ミキサー自体中で、ジャケットの加熱又は熱風の送り込みによって行なってよい。同様に適しているのは、後接続された乾燥機、例えば箱形乾燥機、回転管炉又は加熱式スクリューである。特に好ましくは、流動床乾燥機中で混合及び乾燥する。
有利な表面後架橋温度は、100〜250℃、有利には120〜220℃、特に有利には130〜210℃、極めて有利には150〜200℃の範囲にある。反応ミキサー又は乾燥機中におけるこの温度での有利な滞留時間は、好ましくは少なくとも10分、特に有利には少なくとも20分、極めて有利には少なくとも30分であり、通常は最大でも60分である。
引き続き、表面後架橋されたポリマー粒子を新たに分級してよく、その際、過度に小さいポリマー粒子及び/又は過度に大きい粒子を分離し、かつプロセスに返送する。
表面後架橋されたポリマー粒子は、特性の更なる改善のためにコーティングしてよいか、又は本発明による乾燥後に新たに後湿潤化してよい。
後湿潤化は、好ましくは、30〜80℃、特に有利には35〜70℃、極めて有利には40〜60℃で実施する。過度に低い温度の場合、吸水性ポリマー粒子は凝塊形成する傾向にあり、かつ比較的高い温度では、早くも水が目立って蒸発する。後湿潤化に用いられる水量は、好ましくは1〜10質量%、特に有利には2〜8質量%、極めて有利には3〜5質量%である。後湿潤化によって、ポリマー粒子の機械的安定性が高められ、かつそれの静電帯電する傾向が抑えられる。
膨潤速度並びに液体誘導性(SFC)を改善するために適したコーティングは、例えば無機不活性物質、例えば水不溶性の金属塩、有機ポリマー、カチオン性ポリマー並びに2価若しくは多価の金属カチオンである。集塵のための適したコーティングは、例えばポリオールである。ポリマー粒子の不所望な凝結傾向に対する適したコーティングは、例えば熱分解法シリカ、例えばAerosil(R)200、及び界面活性剤、例えばSpan(R)20である。
本発明の更なる対象は、本発明による方法に従って得られる吸水性ポリマー粒子である。
本発明の更なる対象は、
i)少なくとも部分的に中和されていてよい、少なくとも1種の重合したエチレン性不飽和の酸基含有モノマーa)、
ii)少なくとも1種の重合した架橋剤b)、
iii)任意に、i)に記載のモノマーと共重合した1種以上のエチレン性不飽和モノマーd)及び、
iv)任意に1種以上の水溶性ポリマーe)、
v)少なくとも1種の反応した表面後架橋剤f)及び
vi)任意に少なくとも1種の多価金属カチオンg)
を含む、非凝集吸水性ポリマー粒子であって、その際、該吸水性ポリマー粒子は5質量%未満の湿分含有率を有し、かつ20,000倍に拡大した場合、目に見える亀裂を粒子表面に示す。
図1は、亀裂のないポリマー粒子の表面を示し、そして図2〜4は、本発明による亀裂を有する吸水性ポリマー粒子の表面を示す。
重合したモノマーi)は、好ましくはアクリル酸である。
本発明による吸水性ポリマー粒子は、概して高い液体誘導性(SFC)及び低い吸収速度(Vortex)を有し、例えば、好ましくは少なくとも100×10-7cm3s/g、特に有利には少なくとも120×10-7cm3s/g、極めて有利には130〜250×10-7cm3s/gの液体誘導性(SFC)及び、好ましくは100秒未満、特に有利には80秒未満、極めて有利には20〜60秒の吸収速度を有する。
本発明による吸水性ポリマー粒子は、概して少なくとも15g/g、好ましくは少なくとも20g/g、有利には少なくとも22g/g、特に有利には少なくとも24g/g、極めて有利には26〜60g/gの遠心分離保持容量(CRC)を有する。遠心分離保持容量(CRC)は、EDANAにより推奨される試験法No.WSP 241.2−05 "Fluid Retention Capacity in Saline,After Centrifugation"に従って測定する。
本発明による吸水性ポリマー粒子は、概して少なくとも15g/g、好ましくは少なくとも20g/g、有利には少なくとも22g/g、特に有利には少なくとも24g/g、極めて有利には26〜35g/gの、49.2g/cm2の圧力下での吸収量を有する。49.2g/cm2の圧力下での吸収量は、EDANAにより推奨される試験法No.WSP 241.2−05 "Adsorption Under Pressure,Gravimetric Determination"と同じように測定し、ここでは、21.0g/cm2の圧力の代わりに49.2g/cm2の圧力を設定する。
本発明の更なる対象は、本発明による吸水性ポリマー粒子を含む衛生用品、殊に婦人用衛生用品、軽度若しくは重度の失禁用の衛生用品又は小動物用の敷き藁である。
衛生用品は、通常、水を通さない裏面、水を通す表面並びにそれらの間に本発明による吸水性ポリマー粒子と繊維、好ましくはセルロースからなる吸収性コアを含む。吸収性コア内での本発明による吸水性ポリマー粒子の割合は、好ましくは20〜100質量%、有利には50〜100質量%である。
吸水性ポリマー粒子を、下記の試験法によって試験する。
"WSP"で表記される標準試験法は、"Worldwide Strategic Partners"EDANA(欧州不織布協会)(Avenue Eugene Plasky 157,1030 Brussels,Belgium,www.edana.org)及びINDA(米国不織布協会)(1100 Crescent Green,Cary,NC 27518,U.S.A.,www.inda.org)により共同で出版された"Standard Test Methods for the Nonwovens Industry",2005 editionに記載されている。
方法:
測定は、別途記載がない限り、23±2℃の周囲温度及び50±10%の相対空気湿度で実施している。吸水性ポリマー粒子は、測定前に良く混合する。
pH値
吸水性ポリマー粒子のpH値は、EDANAにより推奨される試験法No.WSP 200.2−02 "pH of Polyacrylate(PA)Powders"に従って測定する。
湿分含有量
吸水性ポリマー粒子の湿分含有量は、EDANAにより推奨される試験法No.WSP 230.2−02 "Mass Loss Upon Heating"に従って測定する。
遠心分離保持容量(Centrifuge Retention Capacity)
遠心保持容量(CRC)は、EDANAにより推奨される試験法No.WSP 241.2−05 "Fluid Retention Capacity in Saline,After Centrifugation"に従って測定する。
49.2g/cm 2 の圧力下での吸収量(Absorption under Pressure)
49.2g/cm2の圧力下(AUL0.7psi)での吸収量は、EDANAによって推奨される試験法No.WSP 242.2−05 "Absorption Under Pressure,Gravimetric Determination"と同じように測定し、ここでは、21.0g/cm2の圧力(AUL0.3psi)の代わりに49.2g/cm2の圧力(AUL0.7psi)を設定する。
抽出分
吸水性ポリマー粒子の抽出可能な構成成分の含量は、EDANAによって推奨される試験法No.WSP 270.2−05 "Extractable"に従って測定する。
膨潤速度(Free Swell Rate)
膨潤速度(FSR)の測定のために、吸水性ポリマー粒子1.00g(W=1)を250mlのビーカーに量り入れ、かつ均一に底に分散させる。それから0.9質量%の食塩液20mlをディスペンサーによって第二のビーカーに計量供給し、このガラスの中身を第一のガラスに素早く添加し、ストップウォッチを開始する。食塩液の最後の液滴が吸収されたら(これは、液体表面の反射が消えることで認識される)即座に、ストップウォッチを停止する。第二のビーカーから注ぎ出された、かつポリマーによって第一のビーカー内で吸収された正確な液体量を、第二のビーカーを再秤量することによって正確に測定する(=W2)。ストップウォッチで測った吸収に必要な期間をtで表す。表面上の最後の液滴の消失を時点tとして測定する。
これより膨潤速度(FSR)が以下の通りに算出される:
FSR[g/g s]=W2/(W1xt)
しかしながら、吸水性ポリマー粒子の湿分含有率が3質量%を超えたら、質量W1をこの湿分含有率について修正する。
Vortex
30mm×6mmサイズのマグネチックスターラーバーを含む100mlのビーカーに、0.9質量%の食塩水溶液50.0ml±1.0mlを加える。マグネチックスターラーを用いて、食塩液を600rpmで撹拌する。次いで可能な限り迅速に吸水性ポリマー粒子2,000g±0.010gを加え、そして吸水性ポリマー粒子による食塩液の吸収によって撹拌むら(Ruehrtraube)が消失するまでに経過した時間を測定する。その際、ビーカーの中身全体は均一なゲルの塊としてまだ回転していてよいが、しかし、ゲル化した食塩液の表面はもはや単独で乱れてはならない。掛かった時間を吸収速度(Vortex)として報告する。
液体誘導性(生理食塩水流れ誘導性(Saline Flow Conductivity))
0.3psi(2070Pa)の圧力負荷下での膨潤したゲル層の液体誘導性(SFC)を、EP0640330A1に記載の通り、吸水性ポリマー粒子からの膨潤したゲル層のゲル層透過度として定め、その際、前述の特許出願の第19頁及び図8に記載される装置を、ガラスフリット(40)はもはや使用せず、プランジャー(39)は円筒体(37)と同じプラスチック材料から成り、そのとき全接触面にわたって均等に割り当てられて21個の同一サイズの穿孔を含むように一部変更した。測定の手順並びに評価は、EP0640330A1と変わらない。流量は自動的に検出する。
液体誘導性(SFC)は以下の通り計算される:
SFC[cm3s/g]=(Fg(t=0)×L0)/(d×A×WP)、
式中、Fg(t=0)はg/秒記載のNaCl溶液の流量であり、これは、流量測定のデータFg(t)の線形回帰分析を手がかりにしてt=0に対する外挿法によって得られ、L0はcm記載のゲル層の厚さであり、dはg/cm3記載のNaCl溶液の密度であり、Aはcm2記載のゲル層の面積であり、かつWPはdyn/cm2記載のゲル層上の静水圧である。
亀裂のないポリマー粒子の表面を示す図 本発明による亀裂を有する吸水性ポリマー粒子の表面を示す図 本発明による亀裂を有する吸水性ポリマー粒子の表面を示す図 本発明による亀裂を有する吸水性ポリマー粒子の表面を示す図

例1
機械攪拌器を備えたジャケット付きガラス反応器10l中に、事前に活性炭に通して濾過した37.3質量%のアクリル酸ナトリウム溶液4596g及び水596gを装入した。攪拌及び同時に冷却しながら、アクリル酸584gをゆっくりと計量供給した。窒素を30分間泡立たせた後、3箇所でエトキシ化されたグリセリントリアクリレート6.66g並びに水に溶解した30質量%の過硫酸ナトリウムの溶液12.33gを添加し、そして更に1分間攪拌した。その際、反応混合物を、温度が決して35℃を超えず、かつ終わりごろに約20℃となるように冷却した。引き続き、反応混合物を、60℃に予熱され、かつ窒素ガスでパージされたIKA(R)横型混練機 HKSタイプ(容量10l)にポンプを使って移した。最後に、水に溶解した1質量%のアスコルビン酸の溶液4.19g並びに3質量%の過酸化水素0.44gを、この横型混練機中に攪拌下で添加した。反応器ジャケット温度を95℃に上昇させ、そして15分の反応時間後に、生じたポリマーゲルをこの横型混練機から取り出した。そのようにして得られたポリマーゲルを、ワイヤー底面を有する金属シート上に分配し、そして165℃にて90分間、空気循環式乾燥キャビネット内で乾燥させた。引き続き、超遠心粉砕機で微粉砕し、かつこの生成物を150〜710μmに篩分した。そのようにして製造されたベースポリマーは、36.5g/gの遠心分離保持容量を有していた。
このベースポリマー1000gを乾燥キャビネット内で50℃に予熱し、そしてLoedige(R)実験室用ミキサーに移した。N−(2−ヒドロキシエチル)−2−オキサゾリジノン0.7g、1,3−プロパンジオール0.7g、プロピレングリコール14g、イソプロパノール19.8g、乳酸アルミニウム5.7g、ソルビタンモノラウレート0.08g及び水16.9gから成る溶液を、450rpmの攪拌速度にて、加熱されたベースポリマーに噴霧し、そして更に2分間この速度で混合した。続けて、これらの湿ったポリマー粒子を素早く185℃の生成物温度に加熱し、そして210rpmに設定してさらに60分間混合した。表面後架橋されたポリマー粒子を周囲温度に冷却し、そして150〜710μmの粒径に篩分した。
表面後架橋されたポリマー粒子そのつど100gを、300〜400μmの粒径に篩分し、かつビーカーに加えた。ビーカーをデシケーターに貯蔵した。デシケーターに下部領域で水を充填した。表面後架橋されたポリマー粒子の吸水量を質量の増大分により突き止めた。引き続き、105℃にて空気循環式乾燥キャビネット内で乾燥し、新たに300〜400μmの粒径に篩分した。
乾燥されたポリマー粒子を分析した。結果を以下の表にまとめている:
Figure 2014505151
この例は、膨潤速度(FSR)が本発明による方法によって50%より大きく上昇し得ることを示す。
例2
例1からの粒径150〜710μmを有する表面後架橋されたポリマー粒子そのつど100gを、空調キャビネット内で90℃及び75%の相対湿度にて90分間貯蔵した。吸水率は7.6質量%、7.5質量%及び8.3質量%であった。引き続き、これらの3つの試料を500mlのプラスチックボトルに詰め、そして管状ミキサーによって10分間均質化した。
例2a
例2からの表面後架橋されたポリマー粒子45gを、3日後に均一にペトリ皿に分配し、かつ空気循環式キャビネット内で105℃にて3時間乾燥した。引き続き、850μm未満の粒径に篩分した。
乾燥したポリマー粒子を分析した。結果を第2表にまとめている。
例2b
例2からの表面後架橋されたポリマー粒子100gを、2時間後に、バッフルを備えた丸底フラスコに詰め、そして回転蒸発器中で真空下で(250〜350mbar)80℃にて20分間乾燥した。引き続き、850μm未満の粒径に篩分した。
乾燥されたポリマー粒子を分析した。結果を第2表にまとめている。
例2c
例2からの表面後架橋されたポリマー粒子100gを、2時間後に、バッフルを備えた丸底フラスコに詰め、そして回転蒸発器中で真空下で(27〜35mbar)80℃にて10分間乾燥した。引き続き、850μm未満の粒径に篩分した。
乾燥されたポリマー粒子を分析した。結果を第2表にまとめている。
Figure 2014505151

Claims (15)

  1. a)少なくとも部分的に中和されていてよい、少なくとも1種のエチレン性不飽和の酸基含有モノマー、
    b)少なくとも1種の架橋剤、
    c)少なくとも1種の開始剤、
    d)任意に、a)に記載のモノマーと共重合可能な1種以上のエチレン性不飽和モノマー及び
    e)任意に1種以上の水溶性ポリマー
    を含むモノマー溶液又はモノマー懸濁液を重合し、ここで、得られたポリマーゲルを乾燥、粉砕及び分級し、その際、ポリマー粒子をm〜n(μm)の範囲の粒径に分級し、mは50〜300の範囲の数値を意味し、かつnは400〜1,200の範囲の数値を意味し、これらの分級されたポリマー粒子を、
    f)少なくとも1種の表面後架橋剤及び
    g)任意に少なくとも1種の多価金属カチオン
    でコーティングし、かつ熱により表面後架橋することによって、高い膨潤速度を有する吸水性ポリマー粒子を製造する方法において、該熱による表面後架橋の後の吸水性ポリマー粒子の湿分含有率を1〜150質量%高め、かつ該吸水性ポリマー粒子を引き続き乾燥することを特徴とする方法。
  2. 前記熱による表面後架橋の後の前記吸水性ポリマー粒子の湿分含有率を10〜25質量%高めることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 前記湿分含有率を高めた後の前記吸水性ポリマー粒子を150℃未満の温度で乾燥することを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記湿分含有率を高めた後の前記吸水性ポリマー粒子を10質量%未満の湿分含有率まで乾燥することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. 前記乾燥、粉砕及び分級したポリマーゲルを、前記表面後架橋剤f)0.05〜0.2質量%でコーティングすることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  6. 前記乾燥、粉砕及び分級したポリマーゲルを、前記多価金属カチオンg)0.02〜0.8質量%でコーティングすることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
  7. 前記湿分含有率を高める前の前記吸水性ポリマー粒子が、少なくとも100×10-7cm3s/gの液体誘導性及び少なくとも60秒のVortex法による吸収速度(Vortex)を有することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
  8. 前記湿分含有率を高める前の前記吸水性ポリマー粒子が、少なくとも15g/gの遠心分離保持容量を有することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
  9. 前記モノマーa)がアクリル酸であることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
  10. 請求項1から9までのいずれか1項記載の方法に従って得られる吸水性ポリマー粒子。
  11. i)少なくとも部分的に中和されていてよい、少なくとも1種の重合したエチレン性不飽和の酸基含有モノマー、
    ii)少なくとも1種の重合した架橋剤、
    iii)任意に、i)に記載のモノマーと共重合した1種以上のエチレン性不飽和モノマー及び、
    iv)任意に1種以上の水溶性ポリマー、
    v)少なくとも1種の反応した表面後架橋剤及び
    vi)任意に少なくとも1種の多価金属カチオン
    を含む、高い膨潤速度を有する非凝集吸水性ポリマー粒子であって、その際、該吸水性ポリマー粒子が5質量%未満の湿分含有率を有し、かつ20,000倍に拡大した場合、目に見える亀裂を粒子表面に示す非凝集吸水性ポリマー粒子。
  12. 前記吸水性ポリマー粒子が、少なくとも100×10-7cm3s/gの液体誘導性及び少なくとも60秒のVortex法による吸収速度(Vortex)を有する、請求項11記載のポリマー粒子。
  13. 前記吸水性ポリマー粒子が、少なくとも15g/gの遠心分離保持容量を有する、請求項11又は12記載のポリマー粒子。
  14. 前記重合したモノマーi)が、重合したアクリル酸である、請求項10から13までのいずれか1項記載のポリマー粒子
  15. 請求項10から14までのいずれか1項記載の吸水性ポリマー粒子を含む衛生用品。
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