(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態では、光学表示デバイスの生産システムとして、その一部を構成するフィルム貼合システムについて説明する。
特に、以下に具体的に述べるように、第一実施形態のフィルム貼合システムでは、貼合装置12,15,18及び切断装置16,19がローラコンベヤ5(ライン)の下に配置され、切断装置13がローラコンベヤ5の上に配置されている。
図1は、本実施形態のフィルム貼合システム1の概略構成を示す。フィルム貼合システム1は、例えば液晶パネルや有機ELパネルといったパネル状の光学表示部品に、偏光フィルムや位相差フィルム、輝度上昇フィルムといったフィルム状の光学部材を貼合する。
フィルム貼合システム1は、前記光学表示部品及び光学部材を含んだ光学部材貼合体を製造する。フィルム貼合システム1では、前記光学表示部品として液晶パネルPを用いる。
フィルム貼合システム1の各部は、電子制御装置としての制御装置20により統括制御される。
フィルム貼合システム1は、貼合工程の始発位置から終着位置まで、例えば駆動式のローラコンベヤ5を用いて液晶パネルPを搬送しつつ、液晶パネルPに順次所定の処理を施す。液晶パネルPは、その表裏面を水平にした状態でローラコンベヤ5上を搬送される。
なお、図中左側は液晶パネルPの搬送方向上流側(以下、パネル搬送上流側という)を、図中右側は液晶パネルPの搬送方向下流側(以下、パネル搬送下流側という)をそれぞれ示す。
図6〜図8を併せて参照し、液晶パネルPは平面視で長方形状をなし、その外周縁よりも所定幅だけ内側に、前記外周縁に沿う外形状を有する表示領域P4を形成する。液晶パネルPは、後述する第二アライメント装置14よりもパネル搬送上流側では、表示領域P4の短辺を概ね搬送方向に沿わせた向きで搬送され、前記第二アライメント装置14よりもパネル搬送下流側では、表示領域P4の長辺を概ね搬送方向に沿わせた向きで搬送される。
この液晶パネルPの表裏面に対して、長尺帯状の第一、第二及び第三光学部材シートF1,F2,F3から切り出した第一、第二及び第三光学部材F11,F12,F13が適宜貼合される。本実施形態において、液晶パネルPのバックライト側及び表示面側の両面には、偏光フィルムとしての第一光学部材F11(光学部材)及び第三光学部材F13(光学部材)がそれぞれ貼合され、液晶パネルPのバックライト側の面には、第一光学部材F11に重ねて輝度向上フィルムとしての第二光学部材F12(光学部材)がさらに貼合される。
図1に示すように、フィルム貼合システム1は、上流工程からローラコンベヤ5のパネル搬送上流側上に液晶パネルPを搬送すると共に液晶パネルPのアライメントを行う第一アライメント装置11と、第一アライメント装置11よりもパネル搬送下流側に設けられる第一貼合装置12と、第一貼合装置12に近接して設けられる第一切断装置13と、第一貼合装置12及び第一切断装置13よりもパネル搬送下流側に設けられる第二アライメント装置14とを備える。
また、フィルム貼合システム1は、第二アライメント装置14よりもパネル搬送下流側に設けられる第二貼合装置15と、第二貼合装置15に近接して設けられる第二切断装置16と、第二貼合装置15及び第二切断装置16よりもパネル搬送下流側に設けられる第三アライメント装置17と、第三アライメント装置17よりもパネル搬送下流側に設けられる第三貼合装置18と、第三貼合装置18に近接して設けられる第三切断装置19とを備える。
また、詳しくは後述するが、第二切断装置16のパネル搬送上流側には、第二切断装置16における切断位置を規定するために用いる検出装置が設けられ、第三切断装置19のパネル搬送上流側には、第三切断装置19における切断位置を規定するために用いる検出装置が設けられている。
第一アライメント装置11は、液晶パネルPを保持して垂直方向及び水平方向で自在に搬送すると共に、例えば液晶パネルPのパネル搬送上流側及び下流側の端部を撮像する一対のカメラCを有する(図3参照)。カメラCの撮像データは制御装置20に送られる。
制御装置20は、前記撮像データと予め記憶した後述の光学軸方向の検査データとに基づき、第一アライメント装置11を作動させる。なお、後述する第二及び第三アライメント装置14,17も同様に前記カメラCを有し、このカメラCの撮像データをアライメントに用いる。
第一アライメント装置11は、制御装置20に作動制御され、第一貼合装置12に対する液晶パネルPのアライメントを行う。このとき、液晶パネルPは、搬送方向と直交する水平方向(以下、部品幅方向という)での位置決めと、垂直軸回りの回転方向(以下、単に回転方向という)での位置決めとがなされる。この状態で、液晶パネルPが第一貼合装置12の貼合位置に導入される。
第一貼合装置12は、貼合位置に導入された長尺の第一光学部材シートF1(光学部材シート)の上面に対して、その上方を搬送される液晶パネルPの下面(バックライト側)を貼合する。第一貼合装置12は、第一光学部材シートF1を巻回した第一原反ロールR1から第一光学部材シートF1を巻き出しつつ第一光学部材シートF1をその長手方向に沿って搬送する搬送装置12aと、搬送装置12aが搬送する第一光学部材シートF1の上面にローラコンベヤ5が搬送する液晶パネルPの下面を貼合する挟圧ロール12bとを備える。
搬送装置12aは、第一光学部材シートF1を巻回した第一原反ロールR1を保持すると共に第一光学部材シートF1をその長手方向に沿って繰り出すロール保持部12cと、第一光学部材シートF1の下面に重なって第一光学部材シートF1と共に繰り出されたプロテクションフィルムpfを第一貼合装置12のパネル搬送下流側で回収するpf回収部12dとを有する。
挟圧ロール12bは、互いに軸方向を平行にして配置された一対の貼合ローラを有する。一対の貼合ローラ間には所定の間隙が形成され、この間隙内が第一貼合装置12の貼合位置となる。前記間隙内には、液晶パネルP及び第一光学部材シートF1が重なり合って導入される。これら液晶パネルP及び第一光学部材シートF1が、前記貼合ローラ間で挟圧されつつパネル搬送下流側に送り出される。これにより、複数の液晶パネルPを所定の間隔を空けつつ長尺の第一光学部材シートF1の上面に連続的に貼合した第一貼合シートF21が形成される。
図4及び図5を併せて参照し、第一切断装置13はpf回収部12dよりもパネル搬送下流側に位置し、第一貼合シートF21の第一光学部材シートF1を切断して表示領域P4よりも大きい(本実施形態では液晶パネルPよりも大きい)シート片F1Sとするべく、第一光学部材シートF1の所定箇所(搬送方向で並ぶ液晶パネルPの間)を前記部品幅方向の全幅にわたって切断する。なお、第一切断装置13が切断刃を用いるかレーザーカッターを用いるかは問わない。前記切断により、液晶パネルPの下面に表示領域P4よりも大きい前記シート片F1Sが貼合された第一片面貼合パネルP11(第一光学部材貼合体)が形成される。
なお、シート片F1Sにおいて、液晶パネルPの外側にはみ出る部分の大きさ(シート片F1Sの余剰部分の大きさ)は、液晶パネルPのサイズに応じて適宜設定される。例えば、シート片F1Sを5インチ〜10インチの中小型サイズの液晶パネルPに適用する場合は、シート片F1Sの各辺においてシート片F1Sの一辺と液晶パネルPの一辺との間の間隔を2mm〜5mmの範囲の長さに設定する。
図1を参照し、第二アライメント装置14は、例えばローラコンベヤ5上の第一片面貼合パネルP11を保持して垂直軸回りに90°回転させる。これにより、表示領域P4の短辺と略平行に搬送されていた第一片面貼合パネルP11が、表示領域P4の長辺と略平行に搬送されるように方向転換する。なお、前記回転は、第一光学部材シートF1の光軸方向に対して、液晶パネルPに貼合する他の光学部材シートの光学軸方向が直角に配置される場合になされる。
第二アライメント装置14は、前記第一アライメント装置11と同様のアライメントを行う。すなわち、第二アライメント装置14は、制御装置20に記憶された光学軸方向の検査データ及び前記カメラCの撮像データに基づき、第二貼合装置15に対する第一片面貼合パネルP11の部品幅方向での位置決め及び回転方向での位置決めを行う。この状態で、第一片面貼合パネルP11が第二貼合装置15の貼合位置に導入される。
第二貼合装置15は、貼合位置に導入された長尺の第二光学部材シートF2(光学部材シート)の上面に対して、その上方を搬送される第一片面貼合パネルP11の下面(液晶パネルPのバックライト側)を貼合する。すなわち、第一片面貼合パネルP11において液晶パネルPのバックライト側に貼合されたシート片F1Sと、第二光学部材シートF2と、が接触するように、第一片面貼合パネルP11と第二光学部材シートF2とを貼合する。
第二貼合装置15は、第二光学部材シートF2を巻回した第二原反ロールR2から第二光学部材シートF2を巻き出しつつ第二光学部材シートF2をその長手方向に沿って搬送する搬送装置15aと、搬送装置15aが搬送する第二光学部材シートF2の上面にローラコンベヤ5が搬送する第一片面貼合パネルP11の下面を貼合する挟圧ロール15bとを備える。
搬送装置15aは、第二光学部材シートF2を巻回した第二原反ロールR2を保持すると共に第二光学部材シートF2をその長手方向に沿って繰り出すロール保持部15cと、挟圧ロール15bよりもパネル搬送下流側に位置する第二切断装置16を経た第二光学部材シートF2の余剰部分を回収する第二回収部15dとを有する。
挟圧ロール15bは、互いに軸方向を平行にして配置された一対の貼合ローラを有する。一対の貼合ローラ間には所定の間隙が形成され、この間隙内が第二貼合装置15の貼合位置となる。前記間隙内には、第一片面貼合パネルP11及び第二光学部材シートF2が重なり合って導入される。これら第一片面貼合パネルP11及び第二光学部材シートF2が、前記貼合ローラ間で挟圧されつつパネル搬送下流側に送り出される。これにより、複数の第一片面貼合パネルP11を所定の間隔を空けつつ長尺の第二光学部材シートF2の上面に連続的に貼合した第二貼合シートF22が形成される。
図2,5を併せて参照し、第二切断装置16は挟圧ロール15bよりもパネル搬送下流側に位置し、第二光学部材シートF2とその上面に貼合した第一片面貼合パネルP11の第一光学部材シートF1のシート片F1Sとを同時に切断する。第二切断装置16は例えばCO2レーザーカッターであり、第二光学部材シートF2と第一光学部材シートF1のシート片F1Sとの積層体を、積層体と液晶パネルPとの貼合面の外周縁に沿って(本実施形態では液晶パネルPの外周縁に沿って)無端状に切断する。各光学部材シートF1,F2を液晶パネルPに貼合した後にまとめてカットすることで、各光学部材シートF1,F2の光学軸方向の精度が高まると共に、各光学部材シートF1,F2間の光学軸方向のズレが無くなり、かつ第一切断装置13での切断が簡素化される。
第二切断装置16の切断により、液晶パネルPの下面に第一及び第二光学部材F11,F12が重ねて貼合された第二片面貼合パネルP12(光学部材貼合体、第二光学部材貼合体)が形成される(図7参照)。またこのとき、第二片面貼合パネルP12と、貼合面に対応する部分(各光学部材F11,F12)が切り取られて枠状に残る各光学部材シートF1,F2の余剰部分とが分離される。第二光学部材シートF2の余剰部分は複数連なって梯子状をなし、この余剰部分が第一光学部材シートF1の余剰部分と共に第二回収部15dに巻き取られる。なお、貼合面に対応する部分については後述する。
図1を参照し、第三アライメント装置17は、液晶パネルPの表示面側を上面にした第二片面貼合パネルP12の表面と裏面とを反転させて液晶パネルPのバックライト側を上面にすると共に、前記第一及び第二アライメント装置11,14と同様のアライメントを行う。すなわち、第三アライメント装置17は、制御装置20に記憶された光学軸方向の検査データ及び前記カメラCの撮像データに基づき、第三貼合装置18に対する第二片面貼合パネルP12の部品幅方向での位置決め及び回転方向での位置決めを行う。この状態で、第二片面貼合パネルP12が第三貼合装置18の貼合位置に導入される。
第三貼合装置18は、貼合位置に導入された長尺の第三光学部材シートF3(光学部材シート)の上面に対して、その上方を搬送される第二片面貼合パネルP12の下面(液晶パネルPの表示面側)を貼合する。第三貼合装置18は、第三光学部材シートF3を巻回した第三原反ロールR3から第三光学部材シートF3を巻き出しつつ第三光学部材シートF3をその長手方向に沿って搬送する搬送装置18aと、搬送装置18aが搬送する第三光学部材シートF3の上面にローラコンベヤ5が搬送する第二片面貼合パネルP12の下面を貼合する挟圧ロール18bとを備える。
搬送装置18aは、第三光学部材シートF3を巻回した第三原反ロールR3を保持すると共に第三光学部材シートF3をその長手方向に沿って繰り出すロール保持部18cと、挟圧ロール18bよりもパネル搬送下流側に位置する第三切断装置19を経た第三光学部材シートF3の余剰部分を回収する第三回収部18dとを有する。
挟圧ロール18bは、互いに軸方向を平行にして配置された一対の貼合ローラを有する。一対の貼合ローラ間には所定の間隙が形成され、この間隙内が第三貼合装置18の貼合位置となる。前記間隙内には、第二片面貼合パネルP12及び第三光学部材シートF3が重なり合って導入される。これら第二片面貼合パネルP12及び第三光学部材シートF3が、前記貼合ローラ間で挟圧されつつパネル搬送下流側に送り出される。これにより、複数の第二片面貼合パネルP12を所定の間隔を空けつつ長尺の第三光学部材シートF3の上面に連続的に貼合した第三貼合シートF23が形成される。
第三切断装置19は挟圧ロール18bよりもパネル搬送下流側に位置し、第三光学部材シートF3を切断する。第三切断装置19は第二切断装置16と同様のレーザー加工機であり、第三光学部材シートF3を、第三光学部材シートF3と液晶パネルPとの貼合面の外周縁に沿って(例えば液晶パネルPの外周縁に沿って)無端状に切断する。
第三切断装置19の切断により、第二片面貼合パネルP12の下面に第三光学部材F13が貼合された両面貼合パネルP13(光学部材貼合体、第二光学部材貼合体)が形成される(図8参照)。またこのとき、両面貼合パネルP13と、貼合面に対応する部分(第三光学部材F13)が切り取られて枠状に残る第三光学部材シートF3の余剰部分とが分離される。第三光学部材シートF3の余剰部分は第二光学部材シートF2の余剰部分と同様に複数連なって梯子状をなし(図2参照)、この余剰部分が第三回収部18dに巻き取られる。
両面貼合パネルP13は、不図示の欠陥検査装置を経て欠陥(貼合不良等)の有無が検査された後、下流工程に搬送されて他の処理がなされる。
ここで、一般に長尺の光学フィルム(各光学部材シートF1,F2,F3に相当)は、二色性色素で染色した樹脂フィルムを一軸延伸させて製造されており、光学フィルムの光学軸の方向は樹脂フィルムの延伸方向と概ね一致する。しかし、光学フィルムの光学軸は、光学フィルム全体で均一ではなく、光学フィルムの幅方向で若干ばらついている。
このため、光学フィルムにその幅方向で複数の光学表示部品を貼合するような場合、光学フィルムの光学軸方向に合わせて光学表示部品のアライメントを行うことが望ましい。
これは、光学表示デバイス単位の光学軸のバラツキを抑えて精彩やコントラストを高めるという点で有効である。
偏光フィルムとしての光学フィルムは、一方向に振動する光以外の光を遮断するために、例えばヨウ素や二色性染料等により染色されている。なお、光学フィルムに剥離フィルムや保護フィルムがさらに積層されてもよい。
光学フィルムの光学軸方向を検査する検査装置は、光学フィルムの表面及び裏面のうち一方の面に近い位置に配置された光源と、光学フィルムの表面及び裏面のうち他方の面に近い位置に配置され、光源とは反対側に配置された検光子とを有する。検光子は、光源から照射されて光学フィルムを透過した光を受光し、この光の強度を検出することで、光学フィルムの光学軸を検出する。検光子は、例えば光学フィルムの幅方向で移動可能であり、光学フィルムの幅方向の任意箇所(使用条件に応じて選択された箇所)で光学軸を検査可能である。
本実施形態の場合、前記検査装置で得た各光学部材シートF1,F2,F3の光学軸方向の検査データは、各光学部材シートF1,F2,F3の長手方向位置と幅方向位置とに関連付けられて制御装置20のメモリに記憶される。この検査後に各光学部材シートF1,F2,F3が巻き取られて各原反ロールR1,R2,R3をそれぞれ形成する。以下、各光学部材シートF1,F2,F3を光学部材シートFX、各光学部材シートF1,F2,F3に貼合される液晶パネルP及び各片面貼合パネルP11,P12を光学表示部材PXと総称することがある。
ここで、光学部材シートFXを構成する偏光子フィルムは、例えば二色性色素で染色したPVAフィルムを一軸延伸して形成されるが、延伸する際のPVAフィルムの厚さのムラや二色性色素の染色ムラ等に起因して、光学部材シートFXの幅方向内側と幅方向外側とで光学軸方向の相違が生じる傾向にある。
そこで、本実施形態では、制御装置20に予め記憶した光学部材シートFXの各部における光学軸の面内分布の検査データに基づき、これらに貼合する光学表示部品PXのアライメントを行った上で、光学部材シートFXに光学表示部品PXを貼合している。
具体的には、光学部材シートFXにおける光学表示部品PXを貼合する部位の面内において、例えば所定の基準軸(長手方向軸等)に対する角度が最大の光学軸と最小の光学軸とを見出し、これら各光学軸がなす角を二等分する軸を当該部位の平均的な光学軸として、この軸を基準に光学表示部品PXのアライメントを行っている。
これにより、光学部材シートFXの幅方向で異なる位置に光学表示部品PXを貼合する場合にも、光学表示部品PXの基準位置に対する光学部材シートFXの光学軸方向のバラツキを抑制でき、光学軸公差をほぼ0°(許容公差は±0.25°)にすることができる。
なお、光学部材シートFXを巻き出しつつ光学軸方向を検出し、この検出データに基づき光学表示部品PXのアライメントを行うようにしてもよい。また、前述した種々のアライメント手法は、光学部材シートFXの光学軸方向が0°及び90°の場合に限らず、光学軸方向が任意の角度(光学表示部品の目的に応じた角度)に設定されている場合にも適用できる。
また、図3は比較的広い幅を有する光学部材シートFXにその幅方向で三つの光学表示部品PXを並べて貼合する例を示す。本発明は、図3に示す例に限らず、二つ以下又は四つ以上の光学表示部品PXを光学部材シートFXの幅方向で並べて貼合する構成が採用されてもよいし、比較的幅の狭い光学部材シートFXを幅方向に複数並べてこれらのそれぞれに光学表示部品PXを貼合する構成が採用されてもよい。
図4を参照し、液晶パネルPは、例えばTFT基板からなる長方形状の第一基板P1と、第一基板P1に対向して配置される同じく長方形状の第二基板P2と、第一基板P1と第二基板P2との間に封入される液晶層P3とを有する。なお、図示都合上、断面図の各層のハッチングを略すことがある。
図6及び図7を参照し、第一基板P1は、第一基板P1の外周縁の三辺を第二基板P2の対応する三辺に沿わせると共に、外周縁の残りの一辺を第二基板P2の対応する一辺よりも外側に張り出させる。これにより、第一基板P1の前記一辺側に第二基板P2よりも外側に張り出す電気部品取り付け部P5が設けられる。
図5及び図7を参照し、第二切断装置16は、後述する検出装置で検出された、第二光学部材シートF2とシート片F1Sとの積層体と、液晶パネルPと、の貼合面の外周縁に沿って第一及び第二光学部材シートF1,F2を切断する。図5には、検出装置を構成する撮像装置43を示している。また、第三切断装置19は、後述する検出装置で検出された、第三光学部材シートF3と液晶パネルPとの貼合面の外周縁に沿って第三光学部材シートF3を切断する。図7には、検出装置を構成する撮像装置43を示している。表示領域P4の外側には、第一及び第二基板P1,P2を接合するシール剤等を配置する所定幅の額縁部Gが設けられ、この額縁部Gの幅内で各切断装置16,19によるレーザーカットがなされる。
貼合面の外周縁の検出および切断装置による切断は、詳しくは以下のようにして行う。
図17は、貼合面の外周縁を検出する第一検出装置41の模式図である。図17においては、便宜上、液晶パネルPのシート片F1Sが貼合された側を上側とし、第一検出装置41の構成を上下反転して示している。
本実施形態のフィルム貼合システム1が備える第一検出装置41は、第二貼合シートF22における、液晶パネルPとシート片F1Sとの貼合面(以下、第一貼合面SA1と称することがある。)の外周縁EDの画像を撮像する撮像装置43と、外周縁EDを照明する照明光源44と、撮像装置43で撮像した画像の記憶や、画像に基づいて外周縁EDを検出するための演算を行う制御部45と、を有する。
このような第一検出装置41は、図1における第二切断装置16のパネル搬送上流側であって、挟圧ロール15bと第二切断装置16との間に設けられている。
撮像装置43は、外周縁EDよりも第一貼合面SA1の内側に固定して配置されており、第一貼合面SA1の法線と、撮像装置43の撮像面43aの法線とが、角度θ(以下、撮像装置43の傾斜角度θと称する)をなすように傾斜した姿勢となっている。撮像装置43は、撮像面43aを外周縁EDに向け、第二貼合シートF22においてシート片F1Sが貼合された側から外周縁EDの画像を撮像する。
撮像装置43の傾斜角度θは、第一貼合面SA1をなす第一基板P1の外周縁を確実に撮像できるように設定することが好ましい。例えば、液晶パネルPが、マザーパネルを複数枚の液晶パネルに分割する、いわゆる多面取りで形成されている場合、液晶パネルPを構成する第一基板P1と第二基板P2との外周縁にずれが生じ、第二基板P2の端面が第一基板P1の端面よりも外側にずれることがある。このような場合、撮像装置43の傾斜角度θは、撮像装置43の撮像視野内に第二基板P2の外周縁が入り込まないように設定することが好ましい。
このような場合、撮像装置43の傾斜角度θは、第一貼合面SA1と撮像装置43の撮像面43aの中心との間の距離H(以下、撮像装置43の高さHと称する)に適合するように設定されることが好ましい。例えば、撮像装置43の高さHが50mm以上100mm以下の場合、撮像装置43の傾斜角度θは、5°以上20°以下の範囲の角度に設定されることが好ましい。ただし、経験的にずれ量が分かっている場合には、そのずれ量に基づいて撮像装置43の高さH及び撮像装置43の傾斜角度θを求めることができる。本実施形態では、撮像装置43の高さHが78mm、撮像装置43の傾斜角度θが10°に設定されている。
撮像装置43の傾斜角度θは、0°であってもよい。図18は、検出装置41の変形例を示す模式図であり、撮像装置43の傾斜角度θが0°である場合の例である。図18においても、便宜上、液晶パネルPのシート片F1Sが貼合された側を上側とし、第一検出装置41の構成を上下反転して示している。図18に示すように、撮像装置43及び照明光源44の各々が、第一貼合面SA1の法線方向に沿って外周縁EDに重なる位置に配置されていてもよい。
第一貼合面SA1と撮像装置43の撮像面43aの中心との間の距離H1(以下、撮像装置43の高さH1と称する)は、第一貼合面SA1の外周縁EDを検出しやすい位置に設定されることが好ましい。例えば、撮像装置43の高さH1は、50mm以上150mm以下の範囲に設定されることが好ましい。
照明光源44は、第二貼合シートF22におけるシート片F1Sが貼合された側とは反対側に固定して配置されている。照明光源44は、第一貼合面SA1の法線方向に対して外周縁EDよりも第一貼合面SA1の外側に傾斜した姿勢で配置されている。本実施形態では、照明光源44の光軸と撮像装置43の撮像面43aの法線とが平行になっている。
なお、照明光源44は、第二貼合シートF22におけるシート片F1Sが貼合された側(すなわち、撮像装置43と同じ側)に配置されていてもよい。
また、照明光源44から射出される照明光により、撮像装置43が撮像する外周縁EDが照明されていれば、照明光源44の光軸と撮像装置43の撮像面43aの法線とが交差していてもよい。
図19は、貼合面の外周縁を検出する位置を示す平面図である。図19に示す第二貼合シートF22の搬送経路上には、検査領域CAが設定されている。検査領域CAは、搬送される液晶パネルPにおける、第一貼合面SA1の外周縁EDに対応する位置に設定されている。図19では、検査領域CAは、平面視矩形の第一貼合面SA1の4つの角部に対応する4箇所に設定されており、第一貼合面SA1の角部を外周縁EDとして検出する構成となっている。図19では、第一貼合面SA1の外周縁のうち、角部に対応する鉤状の部分を外周縁EDとして示している。
図17の第一検出装置41は、4箇所の検査領域CAにおいて外周縁EDを検出する。具体的には、各検査領域CAには、それぞれ撮像装置43および照明光源44が配置されており、第一検出装置41は、搬送される液晶パネルPごとに第一貼合面SA1の角部を撮像し、撮像データに基づいて外周縁EDを検出する。検出された外周縁EDのデータは、図17に示す制御部45に記憶される。
なお、第一貼合面SA1の外周縁が検出可能であれば、検査領域CAの設定位置はこれに限らない。例えば、各検査領域CAが、第一貼合面SA1の各辺の一部(例えば各辺の中央部)に対応する位置に配置されていてもよい。この場合、第一貼合面SA1の各辺(四辺)を外周縁として検出する構成となる。
また、撮像装置43および照明光源44は、各検査領域CAに配置されている構成に限らず、第一貼合面SA1の外周縁EDに沿うように設定された移動経路を移動可能である構成であってもよい。この場合、撮像装置43と照明光源44とがそれぞれ1つずつ設けられていればよい。
第二切断装置16によるシート片F1Sおよび第二光学部材シートF2のカット位置は、第一貼合面SA1の外周縁EDの検出結果に基づいて調整される。図14に示す制御部45は、記憶された第一貼合面SA1の外周縁EDのデータに基づいて、第1光学部材F11が液晶パネルPの外側(第一貼合面SA1の外側)にはみ出さない大きさとなるようにシート片F1Sおよび第二光学部材シートF2のカット位置を決定する。第二切断装置16は、制御部45によって決定されたカット位置においてシート片F1Sおよび第二光学部材シートF2を切断する。
図1に戻り、第二切断装置16は、第一検出装置41よりもパネル搬送下流側に設けられている。第二切断装置16は、液晶パネルPに貼合されたシート片F1Sおよび第二光学部材シートF2のうち第一貼合面SA1に対応する部分と、その外側の余剰部分とを、検出された外周縁EDに沿って切り離し、第一貼合面SA1に対応する大きさの第1光学部材F11および第二光学部材F12(図8参照)を切り出す。これにより、液晶パネルPの上面に第一及び第二光学部材F11,F12が重ねて貼合された第二片面貼合パネルP12が形成される。
ここで、「第一貼合面SA1に対応する部分」とは、シート片F1Sおよび第二光学部材シートF2において、対向する液晶パネルPの表示領域の大きさ以上、液晶パネルPの外形状(平面視における輪郭形状)の大きさ以下の領域であって、かつ液晶パネルPにおける電気部品取付部等の機能部分を避けた領域を指す。
本実施形態では、平面視矩形状の液晶パネルPにおける機能部分を除いた三辺では、液晶パネルPの外周縁に沿って余剰部分をレーザーカットし、機能部分に相当する一辺では、液晶パネルPの外周縁から表示領域P4側に適宜入り込んだ位置で余剰部分をレーザーカットする構成を採用できる。例えば、第一基板P1がTFT基板の場合、機能部分に相当する一辺では機能部分を除くよう液晶パネルPの外周縁から表示領域P4側に所定量ずれた位置でカットする構成を採用できる。
図20は、貼合面の外周縁を検出する第二検出装置42の模式図である。図20においては、便宜上、液晶パネルPの第三光学部材シートF3が貼合された側を上側とし、第二検出装置42の構成を上下反転して示している。本実施形態のフィルム貼合システム1が備える第二検出装置42は、第三貼合シートF23における、液晶パネルPと第三光学部材シートF3との貼合面(以下、第二貼合面SA2と称することがある。)の外周縁EDの画像を撮像する撮像装置43と、外周縁EDを照明する照明光源44と、撮像装置43で撮像した画像を記憶し、画像に基づいて外周縁EDを検出するための演算を行う制御部45と、を有する。第二検出装置42は、上述の第一検出装置41と同様の構成を有している。
このような第二検出装置42は、図1における第三切断装置19のパネル搬送上流側であって、挟圧ロール18bと第三切断装置19との間に設けられている。第二検出装置42は、第三貼合シートF23の搬送経路上において設定された検査領域において、上述の第一検出装置41と同様にして第二貼合面SA2の外周縁EDを検出する。
第三切断装置19による第三光学部材シートF3のカット位置は、第二貼合面SA2の外周縁EDの検出結果に基づいて調整される。図17に示す制御部45は、記憶された第二貼合面SA2の外周縁EDのデータに基づいて、第三光学部材F13が液晶パネルPの外側(第二貼合面SA2の外側)にはみ出さない大きさとなるように第三光学部材シートF3のカット位置を決定する。第三切断装置19は、制御部45によって決定されたカット位置において第三光学部材シートF3を切断する。
第三切断装置19は、液晶パネルPに貼合された第三光学部材シートF3のうち第二貼合面SA2に対応する部分と、その外側の余剰部分とを、検出された外周縁EDに沿って切り離し、第二貼合面SA2に対応する大きさの第三光学部材F13(図8参照)を切り出す。これにより、第二片面貼合パネルP12の上面に第三光学部材F13が貼合された両面貼合パネルP13が形成される。
ここで、「第二貼合面SA2に対応する部分」とは、第三光学部材シートF3において、対向する液晶パネルPの表示領域の大きさ以上、液晶パネルPの外形状(平面視における輪郭形状)の大きさ以下の領域であって、かつ液晶パネルPにおける電気部品取付部等の機能部分を避けた領域を指す。
図10に示すように、樹脂製の光学部材シートFXを単独でレーザーカットすると、光学部材シートFXの切断端tが熱変形により膨れたり波打ったりすることがある。このため、レーザーカット後の光学部材シートFXを光学表示部品PXに貼合する場合には、光学部材シートFXにエア混入や歪み等の貼合不良が生じ易い。
一方、図9に示すように、光学部材シートFXを液晶パネルPに貼合した後に光学部材シートFXをレーザーカットする本実施形態では、光学部材シートFXの切断端tが液晶パネルPのガラス面にバックアップされる。このため、光学部材シートFXの切断端tの膨れや波打ち等が生じず、かつ液晶パネルPへ光学部材シートFXを貼合した後であることから前記貼合不良も生じ得ない。
レーザー加工機の切断線の振れ幅(公差)は切断刃のそれよりも小さく、したがって本実施形態では、切断刃を用いて光学部材シートFXを切断する場合と比べて、前記額縁部Gの幅を狭めることが可能であり、液晶パネルPの小型化及び(又は)表示領域P4の大型化が可能である。このような光学部材シートは、近年のスマートフォンやタブレット端末のように、筐体のサイズが制限される中で表示画面の拡大が要求される高機能モバイルへの適用に有効である。
また、光学部材シートFXを液晶パネルPの表示領域P4に整合するシート片にカットした後に液晶パネルPに貼合する場合、前記シート片及び液晶パネルPそれぞれの寸法公差、並びにこれらの相対貼合位置の寸法公差が重なるため、液晶パネルPの額縁部Gの幅を狭めることが困難になる(表示エリアの拡大が困難になる)。
一方、光学部材シートFXを液晶パネルPに貼合した後に表示領域P4に合わせてカットする場合、切断線の振れ公差のみを考慮すればよく、額縁部Gの幅の公差を小さくすることができる(±0.1mm以下)。この点においても、液晶パネルPの額縁部Gの幅を狭めることができる(表示エリアの拡大が可能となる)。
さらに、光学部材シートFXを刃物ではなくレーザーでカットすることで、切断時の力が液晶パネルPに入力されず、液晶パネルPの基板の端縁にクラックや欠けが生じ難くなり、ヒートサイクル等に対する耐久性が向上する。同様に、液晶パネルPに非接触であるため、電気部品取り付け部P5に対するダメージも少ない。
図6に示すように、光学部材シートFX(図6では第三光学部材シートF3)をレーザーカットする場合、例えば表示領域P4の一長辺の延長上にレーザーカットの始点pt1を設定し、この始点pt1からまず前記一長辺の切断を開始する。レーザーカットの終点pt2は、レーザーが表示領域P4を一周して表示領域P4の始点側の短辺の延長上に至る位置に設定する。始点pt1及び終点pt2は、光学部材シートFXの余剰部分に所定の接続代を残し、光学部材シートFXを巻き取る際の張力に耐え得るように設定される。
以上説明したように、上記実施形態における光学表示デバイスの生産システムは、液晶パネルPに光学部材F11,F12,F13を貼合してなる光学表示デバイスの生産システムの一部をなすフィルム貼合システム1において、ローラコンベヤ5上を搬送される複数の前記液晶パネルPに対し、液晶パネルPの搬送方向と直交する部品幅方向で前記液晶パネルPの表示領域P4の幅よりも大きい幅を有する帯状の光学部材シートF1,F2,F3を、原反ロールR1,R2,R3から巻き出しつつ、前記光学部材シートF1,F2,F3に複数の前記液晶パネルPを貼り合わせて貼合シートF21,F22,F23を形成する貼合装置12,15,18と、前記貼合シートF22,F23において、複数の前記液晶パネルPごとに、前記光学部材シートと前記液晶パネルPとの貼合面の外周縁を検出する検出装置41,42と、前記貼合シートF22,F23において、前記光学部材シートの前記貼合面に対応する部分と、その外側の余剰部分とを、前記貼合面の外周縁に沿って切り離し、前記光学部材シートから前記貼合面に対応する大きさを有する前記光学部材F11,F12,F13を適宜切り出すことで、前記貼合シートF22,F23から単一の前記液晶パネルP及び前記液晶パネルPに重なる前記光学部材F11,F12,F13を適宜含む片面貼合パネルP12,P13を切り出す切断装置16,19とを備える。
より具体的には、上記光学表示デバイスの生産システムは、ローラコンベヤ5上を搬送される複数の前記液晶パネルPに対し、液晶パネルPの搬送方向と直交する部品幅方向で前記液晶パネルPの表示領域P4の幅よりも大きい幅を有する帯状の第一光学部材シートF1を、第一原反ロールR1から巻き出しつつ、前記第一光学部材シートF1に複数の前記液晶パネルPの第一面(表面及び裏面のうち一方の面)を貼り合わせて第一貼合シートF21とする第一貼合装置12と、前記第一貼合シートF21から、単一の前記液晶パネルPとこれに重なりかつ前記表示領域P4よりも大きい前記第一光学部材シートF1のシート片F1Sとを含む第一片面貼合パネルP11を切り出す第一切断装置13と、ローラコンベヤ5上を搬送される複数の前記第一片面貼合パネルP11に対し、前記部品幅方向で前記表示領域P4の幅よりも大きい幅を有する帯状の第二光学部材シートF2を、第二原反ロールR2から巻き出しつつ、前記第二光学部材シートF2に複数の前記第一片面貼合パネルP11の前記シート片F1S側の面(シート片F1Sが位置する面)を貼り合わせて第二貼合シートF22とする第二貼合装置15と、前記第二貼合シートF22において、複数の前記液晶パネルPごとに、前記第二光学部材シートF2と前記シート片F1Sとの積層体と、前記液晶パネルPと、の第一貼合面SA1の外周縁を、検出する第一検出装置41と、前記第二貼合シートF22において、前記積層体の前記第一貼合面SA1に対応する部分と、その外側の余剰部分とを、前記第一貼合面SA1の外周縁EDに沿って切り離し、前記液晶パネルPの前記第一面上で、前記第一光学部材シートF1からなる第一光学部材F11及び前記第二光学部材シートF2からなる第二光学部材F12を、前記第一貼合面SA1に対応する大きさに形成することで、前記第二貼合シートF22から単一の前記液晶パネルP及びこれに重なる前記第一及び第二光学部材F11,F12を含む第二片面貼合パネルP12を切り出す第二切断装置16とを備える。
また、上記光学表示デバイスの生産システムは、ローラコンベヤ5上を搬送される複数の前記第二片面貼合パネルP12に対し、前記部品幅方向で前記表示領域P4の幅よりも大きい幅を有する帯状の第三光学部材シートF3を、第三原反ロールR3から巻き出しつつ、前記第三光学部材シートF3に複数の前記第二片面貼合パネルP12の前記第一及び第二光学部材F11,F12とは反対側の面を貼り合わせて第三貼合シートF23とする第三貼合装置18と、前記第三貼合シートF23において、複数の前記液晶パネルPごとに、前記第三光学部材シートF23と前記液晶パネルPとの第二貼合面SA2の外周縁EDを検出する第二検出装置42と、前記第三貼合シートF23において、前記第三光学部材シートF3の前記第二貼合面SA2に対応する部分と、その外側の余剰部分とを、前記第二貼合面SA2の外周縁EDに沿って切り離し、前記液晶パネルPの前記第一面とは反対の第二面上で、前記第二貼合面SA2に対応する大きさの第三光学部材F13を形成することで、前記第三貼合シートF23から単一の前記液晶パネルP及びこれに重なる前記第一、第二及び第三光学部材F1,F2,F3を含む両面貼合パネルP13を切り出す第三切断装置19とを備える。
上記構成によれば、表示領域P4の幅よりも大きい幅を有する光学部材シートF1,F2,F3に液晶パネルPを貼合することで、光学部材シートF1,F2,F3の位置に応じてその光学軸方向が変化する場合でも、この光学軸方向に合わせて液晶パネルPをアライメントして貼合することができる。これにより、液晶パネルPに対する光学部材F11,F12,F13の光学軸方向の精度を向上させることができ、光学表示デバイスの精彩及びコントラストを高めることができる。
また、表示領域P4よりも大きい光学部材シートF1,F2,F3に液晶パネルPを貼合した後に、光学部材シートF1,F2,F3の余剰部分を切り離すことで、貼合面に対応する大きさの光学部材F11,F12,F13を液晶パネルPの面上で形成することができる。これにより、光学部材F11,F12,F13を表示領域P4の際まで精度よく設けることができ、表示領域P4外側の額縁部Gを狭めて表示エリアの拡大及び機器の小型化を図ることができる。
また、上記光学表示デバイスの生産システムは、前記光学部材シートF1,F2,F3の光学軸方向の検査データに基づき、前記液晶パネルPと前記光学部材シートF1,F2,F3との相対貼合位置を決定する制御装置20と、前記制御装置20が決定した相対貼合位置に基づき、前記光学部材シートF1,F2,F3に対する前記液晶パネルPのアライメントを行うアライメント装置11,14,17とを備える。
この構成によれば、光学部材シートF1,F2,F3の光学軸方向の検査データに基づくアライメントの後に液晶パネルPを貼合することで、光学部材シートF1,F2,F3の位置に応じてその光学軸方向が変化する場合でも、この光学軸方向に合わせて液晶パネルPをアライメントして貼合することができる。これにより、液晶パネルPに対する光学部材F11,F12,F13の光学軸方向の精度を向上させることができ、光学表示デバイスの精彩及びコントラストを高めることができる。また、必要に応じて任意に設定された光学軸方向を有する光学部材貼合体の製造にも対応することができる。
ここで、上記実施形態における光学表示デバイスの生産方法は、ローラコンベヤ5上を搬送される複数の前記液晶パネルPに対し、液晶パネルPの搬送方向と直交する部品幅方向で前記液晶パネルPの表示領域P4の幅よりも大きい幅を有する帯状の光学部材シートF1,F2,F3を、原反ロールR1,R2,R3から巻き出しつつ、前記光学部材シートF1,F2,F3に複数の前記液晶パネルPを貼り合わせて貼合シートF21,F22,F23とする工程と、前記貼合シートF22,F23において、複数の前記液晶パネルPごとに、前記光学部材シートと前記液晶パネルPとの貼合面の外周縁を検出する工程と、前記貼合シートF22,F23において、前記光学部材シートの前記貼合面に対応する部分と、その外側の余剰部分とを、前記貼合面の外周縁に沿って切り離し、前記光学部材シートから前記貼合面に対応する大きさを有する前記光学部材F11,F12,F13を適宜切り出すことで、前記貼合シートF22,F23から単一の前記液晶パネルP及び前記液晶パネルPに重なる前記光学部材F11,F12,F13を適宜含む貼合パネルP12,P13を切り出す工程とを含む。
なお、図11はフィルム貼合システム1の変形例を示す。これは、図1の構成に対して、前記第一貼合装置12に代わる第一貼合装置12’と、前記第一切断装置13に代わる第一切断装置13’とを備える点で特に異なる。変形例におけるその他の構成と前記実施形態と同一である構成には同一符号を付して詳細説明は省略する。
第一貼合装置12’は、前記搬送装置12aに代わる搬送装置12a’を備える。搬送装置12a’は、前記搬送装置12aに比して、ロール保持部12c及びpf回収部12dの他に、第一切断装置13’を経て梯子状に切り残された第一光学部材シートF1の余剰部分を巻き取る第一回収部12eをさらに有する。
第一切断装置13’は、pf回収部12dよりもパネル搬送下流側で第一回収部12eよりもパネル搬送上流側に位置し、第一光学部材シートF1から表示領域P4よりも大きいシート片を切り抜くべく、第一光学部材シートF1を切断する。第一切断装置13’は前記第二及び第三切断装置16,19と同様のレーザー加工機であり、第一光学部材シートF1を表示領域P4外側の所定ラインに沿って無端状に切断する。
第一切断装置13’の切断により、液晶パネルPの下面に表示領域P4よりも大きい第一光学部材シートF1のシート片が貼合された第一片面貼合パネルP11’が形成される。またこのとき、第一片面貼合パネルP11’と、梯子状に切り残された第一光学部材シートF1の余剰部分とが分離され、第一光学部材シートF1の余剰部分が第一回収部12eに巻き取られる。
また、図12はフィルム貼合システム1の他の変形例を示す。これは、図1の構成に対して、前記第三アライメント装置17及び第三貼合装置18に代わる第三アライメント装置17’及び第三貼合装置18’を備える点で特に異なる。変形例におけるその他の構成と、前記実施形態と同一である構成には同一符号を付して詳細説明は省略する。
第三アライメント装置17’は、前記第三アライメント装置17に比して、パネルの表面と裏面と反転させる機能を無くし、前記第一及び第二アライメント装置11,14と同様のアライメント機能のみを有することで、比較的簡単な構成とされる。すなわち、第三アライメント装置17’は、制御装置20に記憶された光学軸方向の検査データ及び前記カメラCの撮像データに基づき、第三貼合装置18’に対する第二片面貼合パネルP12の部品幅方向での位置決め及び回転方向での位置決めを行う。この状態で、第二片面貼合パネルP12が第三貼合装置18’の貼合位置に導入される。
第三貼合装置18’は、前記第三貼合装置18に比して、貼合位置に導入された長尺の第三光学部材シートF3の下面に対して、その下方を搬送される第二片面貼合パネルP12の上面(液晶パネルPの表示面側)を貼合する。第三貼合装置18’は、前記搬送装置18a及び挟圧ロール18bが設けられている位置を逆にした構成を有する。これにより、第三光学部材シートF3の貼合面が下向きになり、この貼合面に対する傷付きや塵埃等の異物の付着が抑制される。
なお、本発明は上記実施形態及び変形例に限られず、例えば前記第三貼合装置18’と同様、第一及び第二貼合装置12,15が設けられている位置を逆にすることも可能である。また、このように設置位置が逆にした各貼合装置と前記第一貼合装置12’及び第一切断装置13’とを適宜組み合わせることも可能である。このような構成を以下の第二実施形態において述べる。
(第二実施形態)
以下、本発明の第二実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態では、光学表示デバイスの生産システムとして、その一部を構成するフィルム貼合システムについて説明する。
第二実施形態において、第一実施形態と同一部材には同一符号を付して、その説明は省略または簡略化する。
特に、以下に具体的に述べるように、第二実施形態のフィルム貼合システムでは、貼合装置112,115,118及び切断装置116,119がローラコンベヤ105の上に配置され、切断装置113がローラコンベヤ105の下に配置されている。
図13は、本実施形態のフィルム貼合システム101の概略構成を示す。フィルム貼合システム101は、例えば液晶パネルや有機ELパネルといったパネル状の光学表示部品に、偏光フィルムや位相差フィルム、輝度上昇フィルムといったフィルム状の光学部材を貼合する。フィルム貼合システム101は、前記光学表示部品及び光学部材を含んだ光学部材貼合体を製造する。フィルム貼合システム101では、前記光学表示部品として液晶パネルPを用いる。フィルム貼合システム101の各部は、電子制御装置としての制御装置120により統括制御される。
フィルム貼合システム101は、貼合工程の始発位置から終着位置まで、例えば駆動式のローラコンベヤ105を用いて液晶パネルPを搬送しつつ、液晶パネルPに順次所定の処理を施す。液晶パネルPは、その表裏面を水平にした状態でローラコンベヤ105上を搬送される。
なお、図中左側は液晶パネルPの搬送方向上流側(以下、パネル搬送上流側という)を、図中右側は液晶パネルPの搬送方向下流側(以下、パネル搬送下流側という)をそれぞれ示す。
第二実施形態において用いられる液晶パネルは、上述した第一実施形態の液晶パネルPと同じである(図6〜図8参照)。
液晶パネルPは、後述する第二アライメント装置114よりもパネル搬送上流側では、表示領域P4の短辺を概ね搬送方向に沿わせた向きで搬送され、前記第二アライメント装置114よりもパネル搬送下流側では、表示領域P4の長辺を概ね搬送方向に沿わせた向きで搬送される。
また、液晶パネルPには、第一実施形態と同様に、第一、第二及び第三光学部材F11,F12,F13が貼合わされる。
図13に示すように、フィルム貼合システム101は、上流工程からローラコンベヤ105のパネル搬送上流側上に液晶パネルPを搬送すると共に液晶パネルPのアライメントを行う第一アライメント装置111と、第一アライメント装置111よりもパネル搬送下流側に設けられる第一貼合装置112と、第一貼合装置112に近接して設けられる第一切断装置113と、第一貼合装置112及び第一切断装置113よりもパネル搬送下流側に設けられる第二アライメント装置114とを備える。
また、フィルム貼合システム101は、第二アライメント装置114よりもパネル搬送下流側に設けられる第二貼合装置115と、第二貼合装置115に近接して設けられる第二切断装置116と、第二貼合装置115及び第二切断装置116よりもパネル搬送下流側に設けられる第三アライメント装置117と、第三アライメント装置117よりもパネル搬送下流側に設けられる第三貼合装置118と、第三貼合装置118に近接して設けられる第三切断装置119とを備える。
また、第二切断装置116のパネル搬送上流側には、第二切断装置116における切断位置を規定するために用いる第一検出装置が設けられ、第三切断装置119のパネル搬送上流側には、第三切断装置119における切断位置を規定するために用いる第二検出装置が設けられている。第一検出装置は、第一実施形態の第一検出装置41と同じ構成を有し、第二検出装置は、第一実施形態の第二検出装置42と同じ構成を有する。ただし、図17、図18及び図20のそれぞれにおいて、第一実施形態では便宜上、液晶パネルPのシート片F1Sが貼合された側を上側とし、検出装置41,42の構成を上下反転して示したが、本実施形態では検出装置41,42の構成を上下反転せずにそのままの状態で示している。
第一アライメント装置111は、液晶パネルPを保持して垂直方向及び水平方向で自在に搬送すると共に、例えば液晶パネルPのパネル搬送上流側及び下流側の端部を撮像する一対のカメラCを有する(図15参照)。カメラCの撮像データは制御装置120に送られる。制御装置120は、前記撮像データと予め記憶した後述の光学軸方向の検査データとに基づき、第一アライメント装置111を作動させる。なお、後述する第二及び第三アライメント装置114,117も同様に前記カメラCを有し、このカメラCの撮像データをアライメントに用いる。
第一アライメント装置111は、制御装置120に作動制御され、第一貼合装置112に対する液晶パネルPのアライメントを行う。このとき、液晶パネルPは、搬送方向と直交する水平方向(以下、部品幅方向という)での位置決めと、垂直軸回りの回転方向(以下、単に回転方向という)での位置決めとがなされる。この状態で、液晶パネルPが第一貼合装置112の貼合位置に導入される。
第一貼合装置112は、貼合位置に導入された長尺の第一光学部材シートF1の下面に対して、その下方を搬送される液晶パネルPの上面(バックライト側)を貼合する。第一貼合装置112は、第一光学部材シートF1を巻回した第一原反ロールR1から第一光学部材シートF1を巻き出しつつ第一光学部材シートF1をその長手方向に沿って搬送する搬送装置112aと、搬送装置112aが搬送する第一光学部材シートF1の下面にローラコンベヤ105が搬送する液晶パネルPの上面を貼合する挟圧ロール112bとを備える。
搬送装置112aは、第一光学部材シートF1を巻回した第一原反ロールR1を保持すると共に第一光学部材シートF1をその長手方向に沿って繰り出すロール保持部112cと、第一光学部材シートF1の上面に重なって第一光学部材シートF1と共に繰り出されたプロテクションフィルムpfを第一貼合装置112のパネル搬送下流側で回収するpf回収部112dとを有する。搬送装置112aは、第一貼合装置112における貼合位置で、液晶パネルPと貼合わされる第一光学部材シートF1の貼合面が下方を向くように、第一光学部材シートF1の搬送経路を設定する。
挟圧ロール112bは、互いに軸方向を平行にして配置された一対の貼合ローラを有する。一対の貼合ローラ間には所定の間隙が形成され、この間隙内が第一貼合装置112の貼合位置となる。前記間隙内には、液晶パネルP及び第一光学部材シートF1が重なり合って導入される。これら液晶パネルP及び第一光学部材シートF1が、前記貼合ローラ間で挟圧されつつパネル搬送下流側に送り出される。これにより、複数の液晶パネルPを所定の間隔を空けつつ長尺の第一光学部材シートF1の下面に連続的に貼合した第一貼合シートF21が形成される。
図4及び図5を併せて参照し、第一切断装置113はpf回収部112dよりもパネル搬送下流側に位置し、第一貼合シートF21の第一光学部材シートF1を切断して表示領域P4よりも大きい(本実施形態では液晶パネルPよりも大きい)シート片F1Sとするべく、第一光学部材シートF1の所定箇所(搬送方向で並ぶ液晶パネルPの間)を前記部品幅方向の全幅にわたって切断する。なお、第一切断装置113が切断刃を用いるかレーザーカッターを用いるかは問わない。前記切断により、液晶パネルPの上面に表示領域P4よりも大きい前記シート片F1Sが貼合された第一片面貼合パネルP11が形成される。
なお、シート片F1Sにおいて、液晶パネルPの外側にはみ出る部分の大きさ(シート片F1Sの余剰部分の大きさ)は、液晶パネルPのサイズに応じて適宜設定される。例えば、シート片F1Sを5インチ〜10インチの中小型サイズの液晶パネルPに適用する場合は、シート片F1Sの各辺においてシート片F1Sの一辺と液晶パネルPの一辺との間の間隔を2mm〜5mmの範囲の長さに設定する。
図13を参照し、第二アライメント装置114は、例えばローラコンベヤ105上の第一片面貼合パネルP11を保持して垂直軸回りに90°回転させる。これにより、表示領域P4の短辺と略平行に搬送されていた第一片面貼合パネルP11が、表示領域P4の長辺と略平行に搬送されるように方向転換する。なお、前記回転は、第一光学部材シートF1の光軸方向に対して、液晶パネルPに貼合する他の光学部材シートの光学軸方向が直角に配置される場合になされる。
第二アライメント装置114は、前記第一アライメント装置111と同様のアライメントを行う。すなわち、第二アライメント装置114は、制御装置120に記憶された光学軸方向の検査データ及び前記カメラCの撮像データに基づき、第二貼合装置115に対する第一片面貼合パネルP11の部品幅方向での位置決め及び回転方向での位置決めを行う。この状態で、第一片面貼合パネルP11が第二貼合装置115の貼合位置に導入される。
第二貼合装置115は、貼合位置に導入された長尺の第二光学部材シートF2の下面に対して、その下方を搬送される第一片面貼合パネルP11の上面(液晶パネルPのバックライト側)を貼合する。すなわち、第一片面貼合パネルP11において液晶パネルPのバックライト側に貼合されたシート片F1Sと、第二光学部材シートF2と、が接触するように、第一片面貼合パネルP11と第二光学部材シートF2とを貼合する。
第二貼合装置115は、第二光学部材シートF2を巻回した第二原反ロールR2から第二光学部材シートF2を巻き出しつつ第二光学部材シートF2をその長手方向に沿って搬送する搬送装置115aと、搬送装置115aが搬送する第二光学部材シートF2の下面にローラコンベヤ105が搬送する第一片面貼合パネルP11の上面を貼合する挟圧ロール115bとを備える。
搬送装置115aは、第二光学部材シートF2を巻回した第二原反ロールR2を保持すると共に第二光学部材シートF2をその長手方向に沿って繰り出すロール保持部115cと、挟圧ロール115bよりもパネル搬送下流側に位置する第二切断装置116を経た第二光学部材シートF2の余剰部分を回収する第二回収部115dとを有する。搬送装置115aは、第二貼合装置115における貼合位置で、第一片面貼合パネルP11に貼合わされる第二光学部材シートF2の貼合面が下方を向くように、第二光学部材シートF2の搬送経路を設定する。
挟圧ロール115bは、互いに軸方向を平行にして配置された一対の貼合ローラを有する。一対の貼合ローラ間には所定の間隙が形成され、この間隙内が第二貼合装置115の貼合位置となる。前記間隙内には、第一片面貼合パネルP11及び第二光学部材シートF2が重なり合って導入される。これら第一片面貼合パネルP11及び第二光学部材シートF2が、前記貼合ローラ間で挟圧されつつパネル搬送下流側に送り出される。これにより、複数の第一片面貼合パネルP11を所定の間隔を空けつつ長尺の第二光学部材シートF2の下面に連続的に貼合した第二貼合シートF22が形成される。
図14及び図5を併せて参照し、第二切断装置116は挟圧ロール115bよりもパネル搬送下流側に位置し、第二光学部材シートF2とその下面に貼合した第一片面貼合パネルP11の第一光学部材シートF1のシート片F1Sとを同時に切断する。第二切断装置116は、第一実施形態の第二切断装置16と同じ構成を有する。第二切断装置116を用いることで、各光学部材シートF1,F2の光学軸方向の精度が高まると共に、各光学部材シートF1,F2間の光学軸方向のズレが無くなり、かつ第一切断装置113での切断が簡素化される。
第二切断装置116の切断により、液晶パネルPの上面に第一及び第二光学部材F11,F12が重ねて貼合された第二片面貼合パネルP12が形成される(図7参照)。またこのとき、第二片面貼合パネルP12と、貼合面に対応する部分(各光学部材F11,F12)が切り取られて枠状に残る各光学部材シートF1,F2の余剰部分とが分離される。第二光学部材シートF2の余剰部分は複数連なって梯子状をなし(図14参照)、この余剰部分が第一光学部材シートF1の余剰部分と共に第二回収部115dに巻き取られる。
図13を参照し、第三アライメント装置117は、液晶パネルPのバックライト側を上面にした第二片面貼合パネルP12の表面と裏面とを反転させて液晶パネルPの表示面側を上面にすると共に、前記第一及び第二アライメント装置11,14と同様のアライメントを行う。すなわち、第三アライメント装置117は、制御装置120に記憶された光学軸方向の検査データ及び前記カメラCの撮像データに基づき、第三貼合装置118に対する第二片面貼合パネルP12の部品幅方向での位置決め及び回転方向での位置決めを行う。この状態で、第二片面貼合パネルP12が第三貼合装置118の貼合位置に導入される。
第三貼合装置118は、貼合位置に導入された長尺の第三光学部材シートF3の下面に対して、その下方を搬送される第二片面貼合パネルP12の上面(液晶パネルPの表示面側)を貼合する。第三貼合装置118は、第三光学部材シートF3を巻回した第三原反ロールR3から第三光学部材シートF3を巻き出しつつ第三光学部材シートF3をその長手方向に沿って搬送する搬送装置118aと、搬送装置118aが搬送する第三光学部材シートF3の下面にローラコンベヤ105が搬送する第二片面貼合パネルP12の上面を貼合する挟圧ロール118bとを備える。
搬送装置118aは、第三光学部材シートF3を巻回した第三原反ロールR3を保持すると共に第三光学部材シートF3をその長手方向に沿って繰り出すロール保持部118cと、挟圧ロール118bよりもパネル搬送下流側に位置する第三切断装置119を経た第三光学部材シートF3の余剰部分を回収する第三回収部118dとを有する。搬送装置118aは、第三貼合装置118における貼合位置で、第二片面貼合パネルP12に貼合される第三光学部材シートF3の貼合面が下方を向くように、第三光学部材シートF3の搬送経路を設定する。
挟圧ロール118bは、互いに軸方向を平行にして配置された一対の貼合ローラを有する。一対の貼合ローラ間には所定の間隙が形成され、この間隙内が第三貼合装置118の貼合位置となる。前記間隙内には、第二片面貼合パネルP12及び第三光学部材シートF3が重なり合って導入される。これら第二片面貼合パネルP12及び第三光学部材シートF3が、前記貼合ローラ間で挟圧されつつパネル搬送下流側に送り出される。これにより、複数の第二片面貼合パネルP12を所定の間隔を空けつつ長尺の第三光学部材シートF3の下面に連続的に貼合した第三貼合シートF23が形成される。
第三切断装置119は挟圧ロール118bよりもパネル搬送下流側に位置し、第三光学部材シートF3を切断する。第三切断装置119は第二切断装置116と同様のレーザー加工機であり、第三光学部材シートF3を表示領域P4の外周縁に沿って(例えば液晶パネルPの外周縁に沿って)無端状に切断する。
第三切断装置119の切断により、第二片面貼合パネルP12の上面に第三光学部材F13が貼合された両面貼合パネルP13が形成される(図8参照)。またこのとき、両面貼合パネルP13と、表示領域P4との対向部分(第三光学部材F13)が切り取られて枠状に残る第三光学部材シートF3の余剰部分とが分離される。第三光学部材シートF3の余剰部分は第二光学部材シートF2の余剰部分と同様に複数連なって梯子状をなし(図14参照)、この余剰部分が第三回収部118dに巻き取られる。
上述した第一実施形態と同様に、両面貼合パネルP13は、不図示の欠陥検査装置を経て欠陥(貼合不良等)の有無が検査された後、下流工程に搬送されて他の処理がなされる。
また、上述した第一実施形態の制御装置20と同様に、本実施形態の場合、前記検査装置で得た各光学部材シートF1,F2,F3の光学軸方向の検査データは、各光学部材シートF1,F2,F3の長手方向位置と幅方向位置とに関連付けられて制御装置120のメモリに記憶される。また、上述した第一実施形態と同様に、検査後に各光学部材シートF1,F2,F3が巻き取られて各原反ロールR1,R2,R3をそれぞれ形成する。
本実施形態では、第一実施形態の制御装置20と同様に、制御装置120に予め記憶した光学部材シートFXの各部における光学軸の面内分布の検査データに基づき、これらに貼合する光学表示部品PXのアライメントを行った上で、光学部材シートFXに光学表示部品PXを貼合している。これによって、第一実施形態と同様の効果が得られる。
また、図15は比較的広い幅を有する光学部材シートFXにその幅方向で三つの光学表示部品PXを並べて貼合する例を示す。本発明は、図15に示す例に限らず、二つ以下又は四つ以上の光学表示部品PXを光学部材シートFXの幅方向で並べて貼合する構成が採用されてもよいし、比較的幅の狭い光学部材シートFXを幅方向に複数並べてこれらのそれぞれに光学表示部品PXを貼合する構成が採用されてもよい。
図5及び図7を参照し、第二切断装置116は、第二光学部材シートF2とシート片F1Sとの積層体と、液晶パネルPと、の貼合面SAの外周縁ED(図19参照)に沿って第一及び第二光学部材シートF1,F2を切断する。また、第三切断装置119は、同じく表示領域P4の外周縁をカメラ119a等の検出部で検出しつつ、表示領域P4の外周縁等に沿って第三光学部材シートF3を切断する。表示領域P4の外側には、第一及び第二基板P1,P2を接合するシール剤等を配置する所定幅の額縁部Gが設けられ、この額縁部Gの幅内で各切断装置116,119によるレーザーカットがなされる。
このような切断装置を用いることにより、第一実施形態と同様の効果が得られる(図9及び図10参照)。
以上説明したように、上記実施形態における光学表示デバイスの生産システムは、液晶パネルPに光学部材F11,F12,F13を貼合してなる光学表示デバイスの生産システムの一部をなすフィルム貼合システム101において、ローラコンベヤ105上を搬送される複数の前記液晶パネルPに対し、液晶パネルPの搬送方向と直交する部品幅方向で前記液晶パネルPの表示領域P4の幅よりも大きい幅を有する帯状の光学部材シートF1,F2,F3を、原反ロールR1,R2,R3から巻き出しつつ、前記光学部材シートF1,F2,F3に複数の前記液晶パネルPを貼り合わせて貼合シートF21,F22,F23を形成する貼合装置112,115,118と、前記貼合シートF22,F23において、複数の前記液晶パネルPごとに、前記光学部材シートと前記液晶パネルPとの貼合面の外周縁を検出する検出装置41,42と、前記貼合シートF22,F23において、前記光学部材シートの前記貼合面に対応する部分と、その外側の余剰部分とを、前記貼合面の外周縁に沿って切り離し、前記光学部材シートから前記貼合面に対応する大きさを有する前記光学部材F11,F12,F13を適宜切り出すことで、前記貼合シートF22,F23から単一の前記液晶パネルP及びこれに重なる前記光学部材F11,F12,F13を適宜含む片面貼合パネルP12,P13を切り出す切断装置116,119とを備え、前記光学部材シートFXと前記光学表示部品PXとの貼合位置で、前記光学部材シートFXの前記光学表示部品PXとの貼合面が下方を向くように、前記貼合装置112,115,118が前記光学部材シートFXを搬送する。
より具体的には、上記光学表示デバイスの生産システムは、ローラコンベヤ105上を搬送される複数の前記液晶パネルPに対し、液晶パネルPの搬送方向と直交する部品幅方向で前記液晶パネルPの表示領域P4の幅よりも大きい幅を有する帯状の第一光学部材シートF1を、第一原反ロールR1から巻き出しつつ、前記第一光学部材シートF1に複数の前記液晶パネルPの第一面(表面及び裏面のうち一方の面)を貼り合わせて第一貼合シートF21とする第一貼合装置112と、前記第一貼合シートF21から、単一の前記液晶パネルPとこれに重なりかつ前記表示領域P4よりも大きい前記第一光学部材シートF1のシート片F1Sとを含む第一片面貼合パネルP11を切り出す第一切断装置113と、ローラコンベヤ105上を搬送される複数の前記第一片面貼合パネルP11に対し、前記部品幅方向で前記表示領域P4の幅よりも大きい幅を有する帯状の第二光学部材シートF2を、第二原反ロールR2から巻き出しつつ、前記第二光学部材シートF2に複数の前記第一片面貼合パネルP11の前記シート片F1S側の面を貼り合わせて第二貼合シートF22とする第二貼合装置115と、前記第二貼合シートF22において、複数の前記液晶パネルPごとに、前記第二光学部材シートF2と前記シート片F1Sとの積層体と、前記液晶パネルPと、の第一貼合面SA1の外周縁を、検出する第一検出装置41と、前記第二貼合シートF22において、前記積層体の前記第一貼合面SA1に対応する部分と、その外側の余剰部分とを、前記第一貼合面SA1の外周縁EDに沿って切り離し、前記液晶パネルPの前記第一面上で、前記第一光学部材シートF1からなる第一光学部材F11及び前記第二光学部材シートF2からなる第二光学部材F12を、前記第一貼合面SA1に対応する大きさに形成することで、前記第二貼合シートF22から単一の前記液晶パネルP及びこれに重なる前記第一及び第二光学部材F11,F12を含む第二片面貼合パネルP12を切り出す第二切断装置116とを備え、前記第一貼合装置112が、前記第一光学部材シートF1と前記液晶パネルPとの貼合位置で、前記第一光学部材シートF1の前記液晶パネルPとの貼合面が下方を向くように、前記第一光学部材シートF1を搬送し、前記第二貼合装置115が、前記第二光学部材シートF2と前記第一片面貼合パネルP11との貼合位置で、前記第二光学部材シートF2の前記第一片面貼合パネルP11との貼合面が下方を向くように、前記第二光学部材シートF2を搬送する。
また、上記光学表示デバイスの生産システムは、ローラコンベヤ105上を搬送される複数の前記第二片面貼合パネルP12に対し、前記部品幅方向で前記表示領域P4の幅よりも大きい幅を有する帯状の第三光学部材シートF3を、第三原反ロールR3から巻き出しつつ、前記第三光学部材シートF3に複数の前記第二片面貼合パネルP12の前記第一及び第二光学部材F11,F12とは反対側の面を貼り合わせて第三貼合シートF23とする第三貼合装置118と、前記第三貼合シートF23において、複数の前記液晶パネルPごとに、前記第三光学部材シートF23と前記液晶パネルPとの第二貼合面SA2の外周縁EDを検出する第二検出装置42と、前記第三貼合シートF23において、前記第三光学部材シートF3の前記第二貼合面SA2に対応する部分と、その外側の余剰部分とを、前記第二貼合面SA2の外周縁EDに沿って切り離し、前記液晶パネルPの前記第一面とは反対の第二面上で、前記第二貼合面SA2に対応する大きさの第三光学部材F13を形成することで、前記第三貼合シートF23から単一の前記液晶パネルP及びこれに重なる前記第一、第二及び第三光学部材F1,F2,F3を含む両面貼合パネルP13を切り出す第三切断装置119とを備え、前記第三光学部材シートF3と前記第二片面貼合パネルP12との貼合位置で、前記第三光学部材シートF3の前記第二片面貼合パネルP12との貼合面が下方を向くように、前記第三貼合装置118が前記第三光学部材シートF3を搬送する。
第二実施形態においては、第一実施形態と同様の効果が得られる。
更に、また、表示領域P4よりも大きい光学部材シートF1,F2,F3に液晶パネルPを貼合した後に、光学部材シートF1,F2,F3の余剰部分を切り離すことで、貼合面に対応する大きさの光学部材F11,F12,F13を液晶パネルPの面上で形成することができる。これにより、光学部材F11,F12,F13を表示領域P4の際まで精度よく設けることができ、表示領域P4外側の額縁部Gを狭めて表示エリアの拡大及び機器の小型化を図ることができる。
そして、各光学部材シートF1,F2,F3が、光学表示部品PXとの貼合位置で粘着層側の貼合面を下方に向けるように搬送されることで、各光学部材シートF1,F2,F3の貼合面の傷付きや異物の付着等が抑えられ、貼合不良の発生を抑制することができる。
また、上記光学表示デバイスの生産システムは、ローラコンベヤ105上を搬送される前記第二片面貼合パネルP12の表面と裏面とを反転させる第三アライメント装置117を備えることで、光学表示部品PXの表裏両面に対して光学部材シートFXを上方から容易に貼合することができる。
ここで、上記実施形態における光学表示デバイスの生産方法は、ローラコンベヤ105上を搬送される複数の前記液晶パネルPに対し、液晶パネルPの搬送方向と直交する部品幅方向で前記液晶パネルPの表示領域P4の幅よりも大きい幅を有する帯状の光学部材シートF1,F2,F3を、原反ロールR1,R2,R3から巻き出しつつ、前記光学部材シートF1,F2,F3に複数の前記液晶パネルPを貼り合わせて貼合シートF21,F22,F23とする工程と、前記貼合シートF22,F23において、複数の前記液晶パネルPごとに、前記光学部材シートと前記液晶パネルPとの貼合面の外周縁を検出する工程と、前記貼合シートF22,F23において、前記光学部材シートの前記貼合面に対応する部分と、その外側の余剰部分とを、前記貼合面の外周縁に沿って切り離し、前記光学部材シートから前記貼合面に対応する大きさを有する前記光学部材F11,F12,F13を適宜切り出すことで、前記貼合シートF22,F23から単一の前記液晶パネルP及びこれに重なる前記光学部材F11,F12,F13を適宜含む貼合パネルP12,P13を切り出す工程とを含み、前記光学部材シートFXと前記光学表示部品PXとの貼合位置で、前記光学部材シートFXの前記光学表示部品PXとの貼合面が下方を向くように、前記貼合装置112,115,118が前記光学部材シートFXを搬送する。
なお、上記実施形態の光学表示デバイスの生産システムでは、検出装置を用いて複数の液晶パネルPごとに貼合面の外周縁を検出し、検出した外周縁に基づいて、個々の液晶パネルPごとに貼合した光学部材シートの切断位置を設定する。これにより、液晶パネルPや光学部材シートの大きさの個体差によらず所望の大きさの光学部材を切り離すことができるため、液晶パネルPや光学部材シートの大きさの個体差による品質バラツキをなくし、表示領域周辺の額縁部を縮小して表示エリアの拡大及び機器の小型化を図ることができる。
なお、図16はフィルム貼合システム101の変形例を示す。これは、図13の構成に対して、前記第一貼合装置112に代わる第一貼合装置112’と、前記第一切断装置113に代わる第一切断装置113’とを備える点で特に異なる。変形例におけるその他の構成と、前記実施形態と同一である構成には同一符号を付して詳細説明は省略する。
第一貼合装置112’は、前記搬送装置112aに代わる搬送装置112a’を備える。搬送装置112a’は、前記搬送装置112aに比して、ロール保持部112c及びpf回収部112dの他に、第一切断装置113’を経て梯子状に切り残された第一光学部材シートF1の余剰部分を巻き取る第一回収部112eをさらに有する。
第一切断装置113’は、pf回収部112dよりもパネル搬送下流側で第一回収部112eよりもパネル搬送上流側に位置し、第一光学部材シートF1から表示領域P4よりも大きいシート片を切り抜くべく、第一光学部材シートF1を切断する。第一切断装置113’は前記第二及び第三切断装置116,119と同様のレーザー加工機であり、第一光学部材シートF1を表示領域P4外側の所定ラインに沿って無端状に切断する。
第一切断装置113’の切断により、液晶パネルPの上面に表示領域P4よりも大きい第一光学部材シートF1のシート片が貼合された第一片面貼合パネルP11’が形成される。またこのとき、第一片面貼合パネルP11’と、梯子状に切り残された第一光学部材シートF1の余剰部分とが分離され、第一光学部材シートF1の余剰部分が第一回収部112eに巻き取られる。
そして、上記実施形態及び変形例における構成は本発明の一例であり、当該発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
本発明の好ましい実施形態を説明し、上記で説明してきたが、これらは本発明の例示的なものであり、限定するものとして考慮されるべきではないことを理解すべきである。追加、省略、置換、およびその他の変更は、本発明の範囲から逸脱することなく行うことができる。従って、本発明は、前述の説明によって限定されていると見なされるべきではなく、特許請求の範囲によって制限されている。