JP2014210543A - ベンチシートのシートクッション構造 - Google Patents
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Abstract
Description
この構成によれば、初期状態において、前側分割体の表面は後側分割体の上面とともにシートクッションの座面を構成し、反転状態において、前側分割体の裏面が上向きに露出することで、テーブル部材上に物品を載置できるようになっている(いわゆる、反転テーブル構造)。
また、固定座を固定した状態で、上述したトレイを含め可動クッション側の部材を固定座と別々に取り付けることができる。これにより、組み付け精度の更なる向上を図るとともに、取り付け作業をより効率的に行うことができる。
図1は、車両10の概略構成図(側面図)である。
図1に示すように、車両10の車体フロア11上には、前列シート12及び後列シート13が前後方向に間隔をあけて配列されている。
前列シート12は、シートクッション14と、シートクッション14の後端部に傾動可能に連結されたシートバック15と、を備え、前後方向にスライド移動可能に車体フロア11に固定されている。なお、図示しないが前列シート12は、車室内に左右一対で設けられている。
図2は可動クッション85の着座状態、及びアームレスト98の格納状態を示す後列シート13の斜視図である。
図2に示すように、本実施形態の後列シート13は、3名の乗員が着座可能な、いわゆるベンチシート型とされ、車室内における車幅方向の全体に亘って形成されている。具体的に、後列シート13は、車幅方向の全体に亘って延設されたシートクッション21と、シートクッション21の後端部に傾動可能に連結されたシートバック22と、シートバック22の上部において、車幅方向に間隔をあけて設けられた複数(図示の例では、3つ)のヘッドレスト23と、を備えている。
図3に示すように、シートクッション21は、骨格をなすシートクッションフレーム24と、このシートクッションフレーム24を上方から被覆するクッションユニット25と、を備えている。
シートクッションフレーム24は、金属等からなる複数のワイヤが折り曲げられた状態でそれぞれ溶接等により結合されてなり、全体として平面視C字状に外観構成されている。具体的に、シートクッションフレーム24は、車幅方向に間隔をあけて配置された平面視矩形状の左フレーム(シートクッションフレーム)38及び右フレーム(シートクッションフレーム)39を備えている。これら左フレーム38及び右フレーム39は、シートクッション21のうち、後述する左右の着座部81,82(図2参照)の外形形状に倣って延在する平面視矩形状とされ、左右の着座部81,82をそれぞれ下方から支持している。なお、左フレーム38及び右フレーム39は、左右対称の形状であるため、以下の説明では、左フレーム38について主に説明し、右フレーム39において左フレーム38と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
一方、前部ワイヤ31において、車幅方向の内側に位置して、前後方向に沿って延在する内側延在部35は、外側延在部34よりも長く形成され、後端部が後部ワイヤ32のうち車幅方向の内側端部に結合されている。左フレーム38において、前部ワイヤ31の前方には、前部ワイヤ31を前方から取り囲む第2囲繞ワイヤ37が形成されている。
そして、上述した各左右ワイヤ41,42、及び内側延在部35により画成された部分は、シートクッション21のうち、後述する固定クッション84(図2参照)を下方から支持する平面視矩形状の中央フレーム43を構成している。
図3、図4に示すように、シートクッションフレーム24のうち、各左右フレーム38,39間であって、中央フレーム43の前方に位置する部分には、後述するトレイユニット(トレイ)71を支持するトレイ支持ワイヤ44が設けられている。
トレイ支持ワイヤ44は、上述した各内側延在部35それぞれにおいて上方に向けて立設された側方支持ワイヤ51と、各内側延在部35間を架け渡す下方支持ワイヤ52と、下方支持ワイヤ52及び上述した第2左右ワイヤ42の間に位置して、各内側延在部35間を架け渡す後方支持ワイヤ53と、を有している。
また、後方支持ワイヤ53は、その延在方向(車幅方向)の中央部が上方に向けて膨出するように屈曲形成されている。
ここで、左フレーム38及び右フレーム39の間であって、トレイ支持ワイヤ44の前方に位置する部分には、左フレーム38及び右フレーム39の前端部同士(具体的には、上述した第2囲繞ワイヤ37における車幅方向の内側端部同士)を架け渡す固定座54が設けられている。固定座54は、金属等からなり、車幅方向に沿って延在する板状とされている。固定座54における車幅方向の両端部には、車体フロア11に固定座54を締結固定するための取付孔55が形成されている。また、固定座54には、上述した取付孔55をそれぞれ前方から取り囲むようにストッパワイヤ56が連結されている。これらストッパワイヤ56は、その前端部が上方に向けて屈曲されている。
支持フレーム58は、車幅方向で対向する一対の支持板61と、各支持板61の下端部同士を連結する連結部62と、を有している。
まず、連結部62は、例えば車幅方向に沿って延在する円筒形状とされている。連結部62は、シートクッション21の前端部、具体的には上述した固定座54上に配設され、上述したストッパワイヤ56に後方から近接または当接している。連結部62には、前方に向けて突出するブラケット63が車幅方向に間隔をあけて複数設けられている。これらブラケット63には、上述した台座部57に上下方向で重なる位置まで延在しており、上述した台座部57にボルト等を介して締結固定されている。
図5はシートクッション21の要部を示す斜視図である。
ここで、図4、図5に示すように、上述したトレイ支持ワイヤ44及び固定座54の上方には、トレイユニット71が配設されている。トレイユニット71は、上述した支持フレーム58を上方から覆うカバー体72と、カバー体72から後方に向けて延設されたトレイ体73と、が樹脂材料等により一体に形成されたものである。
トレイ体73の上端縁には、外側に向けて張り出す外フランジ部78が形成されている。外フランジ部78の後端部のうち、車幅方向の両端に位置する部分には、ゴム等からなる緩衝材79が取り付けられている。これら緩衝材79は、後述する可動クッション85が当接可能とされている。
図2に示すように、クッションユニット25は、左右の着座部(左側着座部81及び右側着座部82)、及びこれら左右の着座部81,82間に位置する中央着座部83が車幅方向に一体となって外観構成され、これら各着座部81〜83上で各乗員の臀部を支持するようになっている。
図2、図6に示すように、中央着座部83は、後側に位置する固定クッション84と、固定クッション84の前方に位置する可動クッション85と、に分割構成されている。具体的に、クッションユニット25のうち、中央着座部83の前側に位置する部分には、後方に向けて窪む切欠き部86が形成されており、この切欠き部86内に可動クッション85が収容されている。
すなわち、クッションユニット25は、左右の着座部81,82のうち、後側が中央着座部83の固定クッション84により一体的に連設され、前側は切欠き部86(図7参照)を挟んで離間している。図示の例において、切欠き部86は、上下方向、及び前方に向けて開放されるとともに、後端部が中央着座部83の前後方向に沿う中央部に位置している。また、切欠き部86は、車幅方向に沿う中央着座部83のほぼ全体に亘って形成されている。
また、可動クッション85のうち、着座状態における回動軸88の前方には、回動軸88と平行に突出するガイドピン89が形成されている。ガイドピン89は、上述した支持フレーム58のガイド溝66内に収容されており、可動クッション85の回動動作に倣ってガイド溝66内を移動可能とされている。
図7、図8に示すように、可動クッション85は、上述した載置状態において、後端部が切欠き部86内に位置し、前端部が左右の着座部81,82よりも前方に向けて突出している。したがって、切欠き部86内において、固定クッション84と可動クッション85との間から、上述したトレイユニット71(トレイ体73)が開放されている。これにより、切欠き部86を通してトレイ体73に物品等を載置できるようになっている。また、可動クッション85の裏面、すなわち上述した載置状態で上方を向く面には、テーブル部材91が設けられている。
図2に示すように、シートバック22は、左右の背もたれ部(左側背もたれ部95及び右側背もたれ部96)、及びこれら左右の背もたれ部95,96間に位置する中央背もたれ部97が車幅方向に一体となって外観構成されたものであり、各背もたれ部95〜97に対応して上述したヘッドレスト23がそれぞれ設けられている。なお、後列シート13のうち、車幅方向で対応する着座部81〜83、背もたれ部95〜97、及びヘッドレスト23により左側シート、中央シート、及び右側シートが構成されている。
次に、上述した後列シート13の使用方法について説明する。
上述の後列シート13では、可動クッション85を着座状態、アームレスト98を格納状態とすることで、3人の乗員が左右のシート及び中央シートにそれぞれ車幅方向に並んで着座できるようになっている。
このように、可動クッション85を載置状態、アームレスト98を使用状態とした場合には、中央シートには着座できないものの、2人の乗員が左右のシートにそれぞれ着座できるようになっている。そして、左右のシートに着座した乗員は、アームレスト98に腕を載置したり、トレイ体73やテーブル部材91上に載置された物品やドリンク容器等を使用したりすることができる。
この構成によれば、中央着座部83に形成された可動クッション85用の切欠き部86によって、左右の着座部81,82を支持する左右のフレーム38,39が離間している場合であっても、これら左右のフレーム38,39間のうちシートクッション21の切欠き部86に位置する部分を固定座54によって連結することで、シートクッション21の剛性の低下を抑制した上で、反転テーブル構造を採用することができ、利便性を向上させることができる。
これにより、シートクッション21の剛性を確保し、かつシートクッション21のうち、可動クッション85以外の部分を位置決めした状態で、可動クッション85を取り付けることができる。よって、組み付け精度の向上を図るとともに、取り付け作業を効率的に行うことができる。
また、固定座54を固定した状態で、上述したトレイユニット71を含め可動クッション85側の部材を固定座54と別々に取り付けることができる。これにより、組み付け精度の更なる向上を図るとともに、取り付け作業をより効率的に行うことができる。
例えば、上述した実施形態では、可動クッション85を回動(反転)させる構成について説明した、これに限らず、可動クッション85が前後方向に移動可能とされていれば、例えばスライドさせる構成等にしても構わない。
また、上述した実施形態では、本発明のシートクッション構造を後列シート13に採用する構成について説明したが、これに限られない。
さらに、上述した実施形態においては、可動クッション85の裏面に、テーブル部材91を設ける構成について説明したが、これに限らず、種々の構成を採用することが可能である。
また、上述した実施形態では、支持フレーム58を介して可動クッション85を固定座54に固定する構成について説明したが、これに限らず、固定座54に可動クッション85を直接固定しても構わない。
Claims (3)
- 左右の着座部、及び該左右の着座部の間に配設された中央着座部が幅方向に一体的に形成されたシートクッションを備え、
前記中央着座部は、前側に形成された切欠き部内に設けられて前後方向に移動可能とされた可動クッションを備えたベンチシートのシートクッション構造であって、
前記可動クッションを車体フロアに固定する固定座と、
前記シートクッションのうち、前記左右の着座部の下方に設けられ、前記左右の着座部をそれぞれ支持する左右のシートクッションフレームと、を備え、
前記固定座は、左右の前記シートクッションフレームを左右方向で連結していることを特徴とするベンチシートのシートクッション構造。 - 前記固定座には、前記可動クッションを前後方向に移動可能に支持する支持部が設けられていることを特徴とする請求項1記載のベンチシートのシートクッション構造。
- 前記可動クッションが前記切欠き部内に収容された着座状態において、前記可動クッションの下方には、前記支持部に支持されたトレイが配設されていることを特徴とする請求項2記載のベンチシートのシートクッション構造。
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