以下、添付の図面を参照しながら、本発明による洗浄液供給機構の実施の形態の一例を詳細に説明するものとする。
まず、図1には、本発明による洗浄液供給機構の実施の形態の一例を備えたインクジェットプリンタの概略構成斜視説明図が示されている。
なお、この図1に示すインクジェットプリンタ100においては、媒体として記録紙を用いるものとし、記録紙は、記録紙の幅方向(主走査方向)において所定の長さを有するとともに、主走査方向と直交する方向、即ち、記録紙の長手方向(以下、記録紙の長手方向を「副走査方向」と称することとする。)に搬送されるようになされている。
このインクジェットプリンタ100は、基台部材102に支持され、主走査方向に延長して配設された固定系のベース部材104と、ベース部材104の左右両端でベース部材104に直交して配設された側方部材106L、106Rと、左右2つの側方部材106L、106Rを連結する中央壁108と、中央壁108の壁面において主走査方向に延長して配設されたガイドレール110と、中央壁108の壁面に平行して主走査方向に移動自在に配設されるベルト(図示せず。)に固定的に配設されるとともにガイドレール110に摺動自在に装着されたキャリッジ114と、ベース部材104上に位置する媒体たる記録紙200と対向してキャリッジ114内に配設されたインクヘッド部116とを有して構成されている。
また、インクジェットプリンタ100は、側方部材106R内が印刷が行われない領域となっており、この側方部材106R内において、ワイパー装置118とキャップ装置120とが設けられている。
なお、こうしたインクジェットプリンタ100の全体の動作は、マイクロコンピューター300によって制御される。
より詳細には、キャリッジ114には、液体状のインクをインクジェット方式により記録紙200に向けて吐出するインクヘッド部116として、それぞれ独立した3つのインクヘッド120a、120b、120cが搭載されている(図5(a)を参照する。)。
さらに、キャリッジ114には、インクヘッド120a、120b、120cと隣接するように、ワイパー装置118およびキャップ装置120に対して洗浄液タンク14(後述する。)に貯留された洗浄液を供給する洗浄液供給部12(後述する。)が搭載されている。
なお、洗浄液としては、例えば、水や有機溶剤など、使用しているインクを溶解することが可能な液体を用いることができる。
3つのインクヘッド120a、120b、120cのそれぞれの下面には、記録紙200に対してインクを吐出する際の吐出口としてインクジェットノズル(図示せず。)が、記録紙200に対向するように配設されている。
これらのインクジェットノズルは、副走査方向に一列に並んで配設され、キャリッジ114の底面部に穿設された孔(図示せず。)から突出して、キャリッジ114の外部に位置するように配設される。
インクヘッド120a、120b、120cはそれぞれ、チューブを介して異なる色彩のインクが収容されたインクカートリッジ(図示せず。)に接続されており、このインクカートリッジから各インクヘッドに対してインクが送出され、インクジェットノズル(図示せず。)から記録紙200へ向けてインクが吐出される。
キャリッジ114は、ベルト(図示せず。)に固定的に配設されており、このベルトがモーター(図示せず。)の駆動によって巻き取られて主走査方向に移動すると、このベルトの移動に伴って中央壁108の壁面に沿って主走査方向に移動する。
こうしてキャリッジ114が移動すると、キャリッジ114に搭載されたインクヘッド120a、120b、120cおよび洗浄液供給部12(後述する。)も、キャリッジ114の移動に伴って記録紙200上を主走査方向に移動する。
即ち、インクヘッド120a、120b、120cおよび洗浄液供給部12(後述する。)は、キャリッジ114と共に、側方部材106R側から側方部材106L側へと主走査方向における行き方向で移動するとともに、側方部材106L側から側方部材106R側へと主走査方向における帰り方向で移動する。
また、中央壁108の壁面の上端部には、所定の格子状のスリットが形成されたメインスケール部40aが配設されており、キャリッジ114には、光源、レンズおよび受光素子を備えるとともにメインスケール部40aを挟み込むようにして配設された検出部40bが配設されている(図7(c)、図8(c)を参照する。)。
即ち、このメインスケール部40aと検出部40bとにより、光学式(透過型)のリニアエンコーダ40が構成されている。
このリニアエンコーダ40のメインスケール部40aは、延長方向が主走査方向と一致するようにして、中央壁108の壁面の上端部に固定的に配設されている。一方、検出部40bは、キャリッジ114の後方側に設けられた突出部114−1の下面114−1aに固定的に配設されている。
従って、キャリッジ114が主走査方向で移動すると、それに伴ってキャリッジ114の突出部114−1の下面114−1aに固定的に配設された検出部40bが、メインスケール部40aを挟み込んだ状態で移動することとなる。
そして、検出部40bからは、キャリッジ114が主走査方向で移動したときの移動量に応じたパルス信号がマイクロコンピューター300に出力される。
また、キャリッジ114は、印刷を行わないなどの所定のタイミングで、帰り方向で移動して側方部材106R内の待機位置に留まり、キャリッジ114に配設されたインクヘッド120a、120b、120cおよび洗浄液供給部12(後述する。)が側方部材106内に位置するようになされている。
ここで、側方部材106R内のキャリッジ114に搭載されたインクヘッド120a、120b、120cの移動経路上にワイパー装置118およびキャップ装置120が配設されている。
そして、このインクジェットプリンタ100においては、側方部材106R内には、ワイパー装置118およびキャップ装置120の他に、洗浄液供給部12(後述する。)に供給する洗浄液を貯留する洗浄液タンク14が配設されている。
ワイパー装置118は、側方部材106R内の固定系部材上において副走査方向に延長するとともに互いに平行な位置関係で配設された2本のガイドレール202−1、202−2上に、移動自在に配設されている。
具体的には、ガイドレール202−1、202−2上に移動自在に配設された略箱状体のホルダー204内にワイパー208が配設されている。そして、ホルダー204内のワイパー208の下方側には、洗浄液を貯留する洗浄液槽210が配設されている(図2(a)を参照する。)。
ワイパー208は、インクヘッド120aのインクジェットノズル面をワイピングするワイパー208aと、インクヘッド120bのインクジェットノズル面をワイピングするワイパー208bと、インクヘッド120cのインクジェットノズル面をワイピングするワイパー208cとにより構成されている。
このワイパー208a、208b、208cは、モーター224の回転軸224aに固定的に支持されており、モーター224の回転によりワイパー208a、208b、208cが回転することとなる。なお、回転軸224aは、軸線方向を主走査方向に一致させた状態でモーター224に回転自在に配設されている。
そして、モーター224が所定の方向に回転することにより、回転軸224aを介してワイパー208a、208b、208cが回転する。
垂直な状態でワイパー208a、208b、208cが上方側に位置するときには、ワイパー208a、208b、208cがそれぞれインクヘッド120a、120b、120cに当接することが可能となる。
また、垂直な状態でワイパー208a、208b、208cが下方側に位置するときには、ワイパー208a、208b、208cがそれぞれ洗浄液槽210に貯留された洗浄液に浸かる状態となる。
ホルダー204の右側面部204aには、係止部212が形成されており、この係止部212は駆動ベルト214に固定されている。
この駆動ベルト214は、モーター216の回転軸216aの先端側に固定されたプーリー218とプーリー220との間に無端状に張設されている。
従って、モーター216の回転軸216aとともにプーリー218が回転すると、回転軸216aおよびプーリー218の回転に伴いプーリー220も回転し、駆動ベルト214が駆動する。これにより、駆動ベルト214に係止部212を介して固定されたホルダー204がガイドレール202−1、202−2に沿って副走査方向に移動する。
具体的には、モーター216の回転軸216aが矢印C方向に回転した場合には、プーリー220が矢印D方向に回転して、駆動ベルト214に固定されたホルダー204が、副走査方向の後方側から前方側に向かって矢印E方向で移動する。
また、モーター216の回転軸216aが矢印F方向に回転した場合には、プーリー220は矢印G方向に回転して、駆動ベルト214に固定されたホルダー204が、副走査方向の前方側から後方側に向かって矢印H方向で移動する。
そして、ホルダー204の移動に伴い、ワイパー208および洗浄液槽210も、側方部材106R内において副走査方向で移動することとなる。
なお、ホルダー204は、副走査方向に延長されたガイドレール202−1、202−2上を移動するものであるため、ホルダー204の移動経路、つまり、ワイパー装置118の移動経路は、主走査方向に沿って移動するインクヘッド部116の移動経路と直交することとなる。
また、キャップ装置120は、インクヘッド部116の移動経路上においてワイパー装置118の右方側に設けられており、各インクヘッドのインクジェットノズルを保護するキャップ206が、側方部材106R内の固定系部材上に配設されたベース部材205の上面205aに配設されている(図2(b)を参照する。)。
このキャップ206は、インクヘッド120aのインクジェットノズルを保護するキャップ206aと、インクヘッド120bのインクジェットノズルを保護するキャップ206bと、インクヘッド206cのインクジェットノズルを保護するキャップ206とにより構成されている。
ベース部材205は、マイクロコンピューター300の制御により、キャップ装置120の上方側にキャリッジ114が位置するときに、上昇して、キャップ206a、206b、206cがそれぞれ、キャリッジ114に搭載されたインクヘッド120a、120b、120cと当接し、各インクヘッドのインクジェットノズルを保護するようになされている。
また、キャップ206a、206b、206cにはそれぞれ、チューブ(図示せず。)を介して廃液タンク(図示せず。)と接続されており、キャップ206a、206b206cに吐出されたインクおよび洗浄液は、この廃液タンクに排出される。
洗浄液タンク14は、側方部材106R内に配設されるとともに、チューブ62を介して洗浄液供給部12(後述する。)と接続されている(図4を参照する。)。
なお、チューブ62にはポンプ64が配設されており、このポンプ64がマイクロコンピューター300に制御されて、洗浄液タンク14に貯留された洗浄液がチューブ62を介して洗浄液供給部12(後述する。)に供給されることとなる。
また、ポンプ64は、マイクロコンピューター300によりその回転数がカウントされている。
また、中央壁108においては、印刷が行われない領域(つまり、本実施の形態においては、側方部材106R内である。)において、壁面の下端部に当該壁面よりも前方側に突出した係合部材たるドグ部材50が設けられている(図3を参照する。)。
なお、このドグ部材50は、開閉シャッター20(後述する。)に設けられた回動部材24(後述する。)と当接可能な高さ位置に設けられている。
ドグ部材50は、左端部に傾斜部50aが設けられており、この傾斜部50aは左方側から右方側に進むにしたがって、後方側から前方側に傾斜するようになされている。また、右端部には傾斜部50bが設けられており、この傾斜部50bは左方側から右方側に進むにしたがって、前方側から後方側に傾斜するようになされている。
洗浄液供給部12は、洗浄液を吐出する吐出部12aと、チューブ62と吐出部12aとの間に配設され、チューブ62からポンプ64により送出された洗浄液の吐出部12aへの供給を制御する電磁バルブ12bとを有して構成されている(図4を参照する。)。
この洗浄液供給部12は、キャリッジ114において、インクヘッド120a、120b、120cと主走査方向に並んで配設されている。
また、洗浄液供給部12は、チューブ62により洗浄液タンク14と接続され、チューブ62に設けられたポンプ64により洗浄液タンク14に貯留された洗浄液が洗浄液供給部12に送出される。
つまり、この洗浄液供給部12には、マイクロコンピューター300の制御によりポンプ64を駆動することで、洗浄液タンク14から洗浄液が供給される。
そして、洗浄液供給部12に洗浄液が供給されると、洗浄液供給部12の吐出部12aから開閉シャッター20(後述する。)側、つまり、下方側に向けて洗浄液が吐出されることとなる。
なお、洗浄液供給部12には、吐出部12aとチューブ62との間に電磁バルブ12bが配設されているが、この電磁バルブ12bが開状態のときに洗浄液タンク14から洗浄液が供給されると、吐出部12aから洗浄液が吐出することとなる。
この電磁バルブ12bは、マイクロコンピューター300により開状態および閉状態のいずれかの状態となるよう制御されており、このマイクロコンピューター300における開状態および閉状態の制御は、チューブ62に設けられたポンプ64の制御と同期してなされる。
即ち、ポンプ64を駆動して洗浄液を供給するときには、電磁バルブ12bは開状態に制御され、ポンプ64を駆動せず洗浄液を供給しないときには、電磁パル部12bは閉状態に制御される。つまり、ポンプ64が駆動状態のときには、電磁バルブ12bは開状態に制御され、ポンプ64が停止状態のときには、電磁バルブ12bは閉状態に制御される。
なお、この吐出部12aは、可撓性を有するとともに、使用する洗浄液に耐性のある材料により形成される。
また、キャリッジ114において、洗浄液供給部12の下方側には、開閉シャッター20が配設されており、洗浄液供給部12の吐出部12aが開閉シャッター20の移動部材26(後述する。)に接続されている。
そして、開閉シャッター20は、その構成部材である回動部材24(後述する。)がドグ部材50に当接することが可能となっている。
この開閉シャッター20は、キャリッジ114に固定的に配設される固定部材22と、固定部材22の後方側において回動可能に配設された回動部材24と、固定部材22において前後方向(副走査方向)に移動自在に設けられた移動部材26とにより構成されている(図5(b)(c)を参照する。)。
より詳細には、固定部材22は、キャリッジ114の底面部に穿設された孔(図示せず。)から突出して、下面22dがキャリッジ114の外部に位置するように配設される。
また、固定部材22は、後方側が略円弧形状となっており、上方側において略中央部から前方側にかけて移動部材26をガイドするガイド部22aが設けられている。
さらに、固定部材22は、ガイド部22aが形成された領域内において、上方側から下方側に貫通した孔22cが設けられている。なお、この孔22cの径は、移動部材26に設けられた孔26c(後述する。)の径と略一致する。
回動部材24は、固定部材22の後方側に設けられており、固定部材22の後端部22bより回動部材24の後端部24cが後方側に位置するように設けられている。
また、回動部材24は、ピン30により固定部材22に回動自在に配設されており、このピン30を中心として回動することとなる。
そして、回動部材24の前方側における左方側には、凸部24aが設けられており、さらに、回動部材24の前方側における右方側には、凸部24bが設けられている。なお、この凸部24aおよび凸部24bは、その中心軸が一致し、かつ、その中心軸が主走査方向に平行となるように設計されている。
この回動部材24は、ドグ部材50と当接するようになされているため、側方部材106R内において、キャリッジ114を主走査方向における帰り方向、つまり、左方側から右方側で移動する際には、ドグ部材50に対してドグ部材50の左端部から接触することとなる。これにより、回動部材24は、左方側に回動することとなる。
また、回動部材24は、ドグ部材50と当接するようになされているため、側方部材106R内において、キャリッジ114をガイドレール110の右端部まで移動し、その後、キャリッジ114を主走査方向における行き方向、つまり、右方側から左方側で移動する際には、ドグ部材50に対してドグ部材50の右端部から接触することとなる。これにより、回動部材24は、右方側に回動することとなる。
移動部材26は、固定部材22に形成されたガイド部22aにおいて前後方向(副走査方向)に移動可能に設けられている。
そして、移動部材26の後端部において、左方側に凸部26aが設けられ、右方側に凸部26bが設けられている。なお、この凸部26aの後端面26aaと凸部26bの後端面26baとは、副走査方向で一致している。そして、この後端面26aaには回動部材24の左方側の凸部24aが当接することとなり、また、後端面26baには回動部材24の右方側の凸部24bが当接することになる。
また、移動部材26の略中央部には、上方側から下方側に貫通した孔26cが形成されており、この孔26cの径は、固定部材22のガイド部22aに設けられた孔22cの径と略一致する。
そして、この孔26cには、洗浄液供給部12の吐出部12aが接続されている(図5(c)を参照する。)。
さらに、移動部材26は、固定部材22のガイド部22aが形成された領域内に設けられたバネ28と接続されており、このバネ28により常に前方側から後方側に向かって付勢されて状態となっている。なお、図5(b)(c)においては、ガイド部22aが形成された領域内において、固定部材22の前方部材22−1と移動部材26とにバネ28が接続されている。
そして、バネ28により常に前方側から後方側に付勢されることにより、移動部材26の左方側の凸部26aと回動部材24の左方側の凸部24aとが当接した状態となり、移動部材26の右方側の凸部26bと回動部材24の右方側の凸部26bとが当接した状態となる。
このとき、孔22cと孔26との位置関係は、孔22cより孔26cが後方側に位置し、孔22cと孔26cとが連通しない状態となっている。つまり、開閉シャッター20が閉状態となっている。
ここで、孔26cには吐出部12aが接続されており、孔22cと孔26cとが連通していない状態のときには、孔26cは固定部材22に設けられた孔22cにより開閉シャッター20の外部と連通していない状態となっている。
即ち、開閉シャッター20が閉状態においては、孔26cに接続された吐出部12aから開閉シャッター20の外部に洗浄液を吐出することは不可能となっている。
ここで、側方部材106R内において、キャリッジ114が帰り方向で移動するときには、回動部材24がピン30を中心に左方側に回動し、これにより、凸部24aが前方側に移動するとともに、凸部24bが後方側に移動する(図6(a)(b)を参照する。)。
このとき、凸部24aに当接していた移動部材26の左方側の凸部26aが前方側に押圧されることとなり、これにより、移動部材26がバネ28の付勢力に抗して前方側に移動する。
回動部材24の回動により、移動部材26が前方側に移動すると、固定部材22のガイド部22aに設けられた孔22c上に、移動部材26に設けられた孔26cが位置するようになり、孔22cと孔26cとが連通した状態となる。つまり、開閉シャッター20が開状態となっている。
これにより、孔26cに接続された吐出部12aは、開閉シャッター20の外部と連通した状態となっている。
従って、回動部材24が左方側に回動することにより、開閉シャッター20が開状態となり、孔26cに接続された吐出部12aから開閉シャッター20の外部に洗浄液を吐出することができる状態となる。
また、側方部材106R内において、キャリッジ114が行き方向で移動するときには、回動部材24がピン30を中心に右方側に回動し、これにより、凸部24aが後方側に移動するとともに、凸部24bが前方側に移動する(図6(c)を参照する。)。
このとき、凸部24bに当接した移動部材26の右方側の凸部26bが前方側に押圧されることとなり、これにより、移動部材26がバネ28の付勢力に抗して前方側に移動する。
回動部材24の回動により、移動部材26が前方側に移動すると、固定部材22のガイド部22aに設けられた孔22c上に、移動部材26に設けられた孔26cが位置するようになり、孔22cと孔26cとが連通した状態となる。つまり、開閉シャッター20が開状態となる。
これにより、孔26cに接続された吐出部12aは、開閉シャッター20の外部と連通した状態となる。
従って、回動部材24が右方側に回動することにより、開閉シャッター20が開状態となり、孔26cに接続された吐出部12aから開閉シャッター20の外部に洗浄液を吐出することができる状態となる。
以上の構成において、インクジェットプリンタ100において印刷を行う場合には、入力された印刷データに基づいて、マイクロコンピューター300の制御により、印刷が行われる領域(つまり、本実施の形態においては、側方部材106R以外のキャリッジ114が移動可能な領域である。)において、キャリッジ114を主走査方向の行き方向および帰り方向に移動して、副走査方向に移動する記録紙200に対してインクヘッド部116からインクを吐出する(図7(a)(b)を参照する。)。
キャリッジ114が印刷が行われる領域を主走査方向で移動する際には、開閉シャッター20の回動部材24とドグ部材50とが接触しないため、開閉シャッター20においては、移動部材26がバネ28により前方側から後方側に付勢され、回動部材24の左方側の凸部24aと移動部材26の左方側の凸部26aとが当接するとともに、回動部材24の右方側の凸部24bと移動部材26の右方側の凸部26bとが当接した状態となっている。
即ち、印刷が行われる領域においては、開閉シャッター20が閉状態、つまり、固定部材22に設けられた孔22cと、移動部材26に設けられた孔26cとが連通していない状態となっている(図7(c)を参照する。)。
さらに、ポンプ64が停止しているため、電磁バルブ12bが閉状態となっている。
従って、洗浄液供給部12から洗浄液が供給されることはなく、仮に誤作動などにより、洗浄液供給部12の吐出部12aから洗浄液が漏れ出すようなことがあったとしても、開閉シャッター20が閉状態のため、開閉シャッター20の外部に洗浄液が漏れ出すことはない。
つまり、印刷が行われる領域においては、ポンプ64が停止し、電磁バルブ12bが閉状態となるとともに、開閉シャッター20が閉状態となっており、このため、開閉シャッター20の外部に洗浄液が漏れ出すことがない。
また、印刷がなどの所定のタイミングで、キャリッジ114が側方部材106R内の待機位置に移動する(図8(a)(b)を参照する。)。
なお、この待機位置においては、キャップ装置120のキャップ206によりインクヘッド部116の各インクヘッドに設けられたインクジェットノズルが保護された状態となる。
キャリッジ114が側方部材106R内に帰り方向で移動すると、側方部材106R内(つまり、印刷が行われない領域である。)の中央壁108の下端部に設けられたドグ部材50に、キャリッジ114に配設された開閉シャッター20の回動部材24が接触し、回動部材24が左方側に回動する。
即ち、キャリッジ114が印刷が行われる領域から主走査方向における帰り方向で移動し、印刷が行われない領域に移動することで、開閉シャッター20の回動部材24がドグ部材50の左端部に設けられた傾斜部50aからドグ部材50と当接することになり、回動部材24が左方側に回動する(図6(a)に示す状態である。)。
開閉シャッター20の回動部材24が左方側に回動すると、回動部材24の左方側に設けられた凸部24aが移動部材26の左方側に設けられた凸部26aを前方側に押圧し、移動部材26をバネ26の付勢力に抗して後方側から前方側に移動させる。
これにより、開閉シャッター20において、固定部材22に設けられた孔22cと、移動部材26に設けられた孔26cとが連通し、孔26cに接続された吐出部12aが開閉シャッター20の外部と連通した状態となる(図8(c)を参照する)。
このため、側方部材106R内、つまり、印刷が行われない領域においては、開閉シャッター20が開状態となり、洗浄液供給部12の吐出部12aから洗浄液を吐出することが可能となる。
なお、ワイパー装置118によりインクヘッド120a、120b、120cの各インクジェットノズル面をワイピングする際には、キャリッジ114とワイパー装置118とを、ワイパー208a、208b、208cによりインクヘッド120a、120b、120cのインクジェットノズル面をそれぞれワイピングすることが可能な位置関係とする必要がある。
即ち、各インクヘッドのインクジェットノズル面をワイピングする際には、ワイパー装置118を移動してワイパー208a、208b、208cをインクヘッド部116の移動経路上に移動するとともに、キャリッジ114を移動してインクヘッド120a、120b、120cがワイパー208a、208b、208cとそれぞれ対向した位置となるようにする。なお、インクヘッド120a、120b、120cと、ワイパー208a、208b、208cとがそれぞれ対向する位置は、予めマイクロコンピューター300に記憶されている。
このとき、キャリッジ114が移動すると、リニアエンコーダ40の検出部40bからは、キャリッジ114が移動したときに移動量に応じたパルス信号が出力される。
そして、マイクロコンピューター300においては、この出力されたパルス信号に基づいて、キャリッジ114の移動を制御し、インクヘッド部116の移動経路上に移動されたワイパー208a、208b、208cとインクヘッド120a、120b、120cとがそれぞれ対向する位置までキャリッジ114を移動し、当該位置にいてキャリッジ114を静止する。
これにより、キャリッジ114は、適正な位置で停止することができる。
なお、リニアエンコーダ40によりキャリッジ114を決められた位置に停止する技術としては、例えば、特許文献の特開2000−103135号公報に開示された技術を用いるため、本明細書においてその詳細な説明は省略することとする。
その後、ワイパー208a、208b、208cを当該インクジェットノズル面と当接する状態とし、ワイパー装置118を副走査方向に移動して各インクジェットノズル面をワイピングすることとなる。
また、ワイパー装置118の洗浄液槽210に洗浄液供給部12より洗浄液を供給する際には、キャリッジ114とワイパー装置118とを、洗浄液供給部12により洗浄液槽210に洗浄液を供給可能な位置関係とする必要がある。
即ち、洗浄液槽210に洗浄液供給部12より洗浄液を供給する際には、ワイパー装置118を移動して洗浄液槽210をインクヘッド部116の移動経路上に移動するとともに、キャリッジ114を移動して開閉シャッター20の孔22cが洗浄液槽210の上方側に位置するようにする。なお、洗浄液槽210の上方側に位置させる開閉シャッター20の孔22cの位置は、予めマイクロコンピューター300に記憶されている。
このとき、キャリッジ114が移動すると、リニアエンコーダ40の検出部40bからは、キャリッジ114が移動したときに移動量に応じたパルス信号が出力される。
そして、マイクロコンピューター300においては、この出力されたパルス信号に基づいて、キャリッジ114の移動を制御し、インクヘッド部116の移動経路上に移動された洗浄液槽210の上方側に開閉シャッター20の孔22cが位置する位置までキャリッジ114を移動し、当該位置においてキャリッジ114を静止する。
これにより、キャリッジ114は、適正な位置で静止することができる。
その後、洗浄液槽210に洗浄液供給部12より洗浄液を供給することとなる。なお、このときには、ワイパー208a、208b、208cをインクヘッド120a、120b、120cのインクジェットノズル面と当接不可能な状態(具体的には、図2(a)に示す状態である。)とされる。
また、この際には、ワイパー装置118を移動して洗浄液槽210をインクヘッド部116の移動経路上に移動するとともに、キャリッジ114を移動して開閉シャッター20の孔22cが洗浄液槽210の上方側に位置するようにした後に、マイクロコンピューター300によって電磁バルブ12bを開状態とするとともに、ポンプ64を駆動する。
そして、洗浄液供給部12から所定量の洗浄液が供給されると、マイクロコンピューター300によってポンプ64の駆動を停止するとともに、電磁バルブ12bを閉状態とする。
なお、マイクロコンピューター300においては、ポンプ64が一回転すると洗浄液供給部12から供給される洗浄液の供給量が記憶されている。
従って、マイクロコンピューター300は、カウントしたポンプ64の回転数と、ポンプ64の一回転あたりの洗浄液の供給量とに基づいて、洗浄液供給部12から供給される洗浄液の量を算出することができる。
さらに、キャップ装置120のキャップ206a、206b、206cによりインクヘッド120a、120b、120cのインクジェットノズルをキャッピングする際には、キャリッジ114とキャップ装置120とを、キャップ206a、206b、206cによりインクヘッド120a、120b、120cのインクジェットノズルをそれぞれキャッピングすることが可能な位置関係とする必要がある。
即ち、キャップ206a、206b、206cによりインクヘッド120a、120b、120cのインクジェットノズルをキャッピングする際には、キャリッジ114を移動してインクヘッド120a、120b、120cのインクジェットノズルがキャップ206a、206b、206cとそれぞれ対向した位置となるようにする。なお、インクヘッド120a、120b、120cのインクジェットノズルがキャップ206a、206b、206cとそれぞれ対向する位置は、予めマイクロコンピューター300に記憶されている。
このとき、キャリッジ114が移動すると、リニアエンコーダ40の検出部40bからは、キャリッジ114が移動したときに移動量に応じたパルス信号が出力される。
そして、マイクロコンピューター300においては、この出力されたパルス信号に基づいて、キャリッジ114の移動を制御し、インクヘッド120a、120b、120cのインクジェットノズルがキャップ206a、206b、206cとそれぞれ対向する位置までキャリッジ114を移動し、当該位置においてキャリッジ114を静止する。
これにより、キャリッジ114は、適正な位置で静止することができる。
その後、ベース部材205を上昇してキャップ206a、206b、206cにインクヘッド120a、120b、120cのインクジェットノズルを当接して当該インクジェットノズルを保護することとなる。
さらにまた、キャップ206a、206b、206cに洗浄液供給部12により洗浄液を供給する際には、キャリッジ114とキャップ装置120とを、洗浄液供給部12によりキャップ206a、206b、206cに洗浄液を供給可能な位置関係とする必要がある。
即ち、キャップ206a、206b、206cに洗浄液供給部12により洗浄液を供給する際には下記のようになされる。
まず、キャップ206aに洗浄液供給部12により洗浄液を供給する際には、キャリッジ114を移動して開閉シャッター20の孔22cをキャップ206aと対向した位置となるようにする。なお、開閉シャッター20の孔22cがキャップ206aと対向する位置は、予めマイクロコンピューター300に記憶されている。
このとき、キャリッジ114が移動すると、リニアエンコーダ40の検出部40bからは、キャリッジ114が移動したときの移動量に応じたパルス信号が出力される。
そして、マイクロコンピューター300においては、この出力されたパルス信号に基づいて、キャリッジ114の移動を制御し、開閉シャッター20の孔22cがキャップ206aと対向する位置までキャリッジ114を移動し、当該位置においてキャリッジ114を静止する。
これにより、キャリッジ114は、適正な位置で静止することとなる。
その後、開閉シャッター20を開状態としてキャップ206aに洗浄液供給部12から洗浄液を供給することとなる。
また、この際には、キャリッジ114を移動して開閉シャッター20の孔22cをキャップ206aと対向する位置とした後、マイクロコンピューター300によって電磁バルブ12bを開状態とするとともに、ポンプ64を駆動する。
そして、洗浄液供給部12から所定量の洗浄液が供給されると、マイクロコンピューター300によってポンプ64の駆動を停止するとともに、電磁バルブ12bを閉状態とする。
なお、マイクロコンピューター300においては、ポンプ64が一回転すると洗浄液供給部12から供給される洗浄液の供給量が記憶されている。
従って、マイクロコンピューター300は、カウントしたポンプ64の回転数と、ポンプ64の一回転あたりの洗浄液の供給量とに基づいて、洗浄液供給部12から供給される洗浄液の量を算出することができる。
次に、キャップ206bに洗浄液供給部12により洗浄液を供給する際には、キャリッジ114を移動して開閉シャッター20の孔22cをキャップ206bと対向した位置となるようにする。なお、開閉シャッター20の孔22cがキャップ206bと対向する位置は、予めマイクロコンピューター300に記憶されている。
このとき、キャリッジ114が移動すると、リニアエンコーダ40の検出部40bからは、キャリッジ114が移動したときの移動量に応じたパルス信号が出力される。
そして、マイクロコンピューター300においては、この出力されたパルス信号に基づいて、キャリッジ114の移動を制御し、開閉シャッター20の孔22cがキャップ206bと対向する位置までキャリッジ114を移動し、当該位置においてキャリッジ114を静止する。
これにより、キャリッジ114は、適正な位置で静止することとなる。
その後、開閉シャッター20を開状態としてキャップ206bに洗浄液供給部12から洗浄液を供給することとなる。
また、この際には、キャリッジ114を移動して開閉シャッター20の孔22cをキャップ206aと対向する位置とした後、マイクロコンピューター300によって電磁バルブ12bを開状態とするとともに、ポンプ64を駆動する。
そして、洗浄液供給部12から所定量の洗浄液が供給されると、マイクロコンピューター300によってポンプ64の駆動を停止するとともに、電磁バルブ12bを閉状態とする。
なお、マイクロコンピューター300においては、ポンプ64が一回転すると洗浄液供給部12から供給される洗浄液の供給量が記憶されている。
従って、マイクロコンピューター300は、カウントしたポンプ64の回転数と、ポンプ64の一回転あたりの洗浄液の供給量とに基づいて、洗浄液供給部12から供給される洗浄液の量を算出することができる。
さらに、キャップ206cに洗浄液供給部12により洗浄液を供給する際には、キャリッジ114を移動して開閉シャッター20の孔22cをキャップ206cと対向した位置となるようにする。なお、開閉シャッター20の孔22cがキャップ206cと対向する位置は、予めマイクロコンピューター300に記憶されている。
このとき、キャリッジ114が移動すると、リニアエンコーダ40の検出部40bからは、キャリッジ114が移動したときの移動量に応じたパルス信号が出力される。
そして、マイクロコンピューター300においては、この出力されたパルス信号に基づいて、キャリッジ114の移動を制御し、開閉シャッター20の孔22cがキャップ206cと対向する位置までキャリッジ114を移動し、当該位置においてキャリッジ114を静止する。
これにより、キャリッジ114は、適正な位置で静止することとなる。
その後、開閉シャッター20を開状態としてキャップ206cに洗浄液供給部12から洗浄液を供給することとなる。
また、この際には、キャリッジ114を移動して開閉シャッター20の孔22cをキャップ206cと対向する位置とした後、マイクロコンピューター300によって電磁バルブ12bを開状態とするとともに、ポンプ64を駆動する。
そして、洗浄液供給部12から所定量の洗浄液が供給されると、マイクロコンピューター300によってポンプ64の駆動を停止するとともに、電磁バルブ12bを閉状態とする。
なお、マイクロコンピューター300においては、ポンプ64が一回転すると洗浄液供給部12から供給される洗浄液の供給量が記憶されている。
従って、マイクロコンピューター300は、カウントしたポンプ64の回転数と、ポンプ64の一回転あたりの洗浄液の供給量とに基づいて、洗浄液供給部12から供給される洗浄液の量を算出することができる。
なお、側方部材106R内において、キャリッジ114を行き方向、つまり、右方側から左方側に移動する際には、キャリッジ114を帰り方向で右端まで移動させ、その後、キャリッジ114を行き方向で移動させる。
これにより、開閉シャッター20の回動部材24がドグ部材50の右端部に設けられた傾斜部50bからドグ部材50と当接することとなり、回動部材24が右方側に回動する(図6(c)に示す状態である。)。
この回動部材24が右方側に回動した状態でも、孔22cと孔26cとが連通した状態となっているため、開閉シャッター20は開状態となり、洗浄液供給部12の吐出部12aから洗浄液を吐出することが可能である。
従って、側方部材106R内(印刷が行われない領域)においては、マイクロコンピューター300の制御により、キャリッジ114を適宜に移動させ、開閉シャッター20の回動部材24を左方側または右方側に回動することにより、孔22cと孔26cとが連通した状態とする。
この状態で、上記したワイパー装置118によるインクジェットノズル面のワイピング、ワイパー装置118の洗浄液槽210への洗浄液の供給、キャップ装置120によるインクジェットノズルの保護、キャップ装置120のキャップ206a、206b、206cへの洗浄液の供給といった処理を行うようにしてもよい。
以上において説明したように、本発明による洗浄液供給機構を備えたインクジェットプリンタ100は、側方部材106R内において、キャリッジ114をガイドするガイドレール110が配設された中央壁108の下端部にドグ部材50を設けるようにした。
また、インクヘッド部116を搭載したキャリッジ114に洗浄液供給部12を配設し、洗浄液供給部12には洗浄液を吐出する吐出部12aに開閉シャッター20を設けるようにした。
この開閉シャッター20は、側方部材106R内、つまり、印刷が行われない領域において、ドグ部材50に回動部材24を当接させ、回動部材24を回動することにより移動部材26を移動させ、これにより、移動部材26に形成され、洗浄液供給部12の吐出部12aが接続された孔26と、固定部材22に形成された孔22cとを連通した状態、つまり開状態する。
また、側方部材106R外、つまり、印刷が行われる領域において、回動部材24は回動せず、移動部材26はバネ28の付勢力により後方側に位置し、これにより開閉シャッター20は、移動部材26に形成され、洗浄液供給部12の排出部12aが接続された孔26cと、固定部材22に形成された孔22とを連通していない状態、つまり、閉状態とする。
従って、本発明による洗浄液供給機構を備えたインクジェットプリンタ100においては、印刷が行われる領域において、開閉シャッター20が閉状態となっているため、キャリッジ114から洗浄液が液漏れすることがなくなる。
さらに、印刷が行われない領域において、開閉シャッター20が開状態となっているため、洗浄液供給部12の吐出部12aから洗浄液を供給することが可能となり、側方部材106R内に設けられたクリーニングユニット118に洗浄液を供給することができるようになる。
このため、本発明による洗浄液供給機構を備えたインクジェットプリンタ100によれば、印刷が行われない領域において洗浄液を供給することができるとともに、印刷が行われる領域においては、液漏れなどを生じることがなく、印刷結果に洗浄液による不具合を生じさせることがなくなる。
また、本発明による洗浄液供給機構を備えたインクジェットプリンタ100によれば、印刷領域において洗浄液を供給することができないようにしているため、洗浄液の誤供給によって、印刷結果に不具合を生じさせることがなくなる。
また、本発明による洗浄液供給機構を備えたインクジェットプリンタ100は、中央壁の上端部にメインスケール部40aを配設するとともに、メインスケール部40aを挟むようにしてキャリッジ114に、光源、レンズおよび受光素子を備えた検出部40bを配設し、リニアエンコーダ40を構成するようにした。
これにより、本発明による洗浄液供給機構を備えたインクジェットプリンタ100においては、キャリッジ114の移動量を取得することができ、キャリッジ114を所定の位置で正確に停止することが可能となる。
さらに、本発明による洗浄液供給機構を備えたインクジェットプリンタ100は、洗浄液供給部12を、洗浄液を吐出する吐出部12aと、洗浄液タンク14から送出された洗浄液の吐出部12aへの供給を制御する電磁バルブ12bとにより構成されるようにした。
そして、洗浄液タンク14から洗浄液を送出するための駆動源となるポンプ64が駆動すると電磁バルブ12bを開状態とし、ポンプ64が停止すると電磁バルブ12bを閉状態とするようにした。
このため、本発明による洗浄液供給機構を備えたインクジェットプリンタ100においては、ポンプ64と電磁バルブ12bとにより洗浄液供給部12からの洗浄液の供給を制御することができ、吐出部12aから洗浄液が漏れることがなくなる。
仮に、吐出部12aから液漏れがあったとしても、印刷が行われる領域においては、開閉シャッター20が閉状態となっているため、印刷結果に洗浄液による不具合を生じさせることがなくなる。
さらにまた、本発明による洗浄液供給機構を備えたインクジェットプリンタ100は、ポンプ64の回転量に基づいて洗浄液の供給量を算出するようにした。
これにより、本発明による洗浄液供給機構を備えたインクジェットプリンタ100は、供給すべき洗浄液の量を正確に供給することができる。
なお、上記した実施の形態は、以下の(1)乃至(11)に示すように変形するようにしてもよい。
(1)上記した実施の形態においては、キャリッジ114には、インクヘッド120a、120b、120cを搭載するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、インクヘッドは1つまたは2つでもよいし、4つ以上であってもよい。
(2)上記した実施の形態においては、インクジェットプリンタ100において側方部材106R内を印刷が行われない領域とし、側方部材106R外を印刷が行われる領域としたが、これに限られるものではないことは勿論であり、側方部材106L内に印刷が行われない領域を設けてもよい。
この際には、側方部材106L内にワイパー装置118およびキャップ装置120が配設される。
また、側方部材106L、106Rの両方に印刷が行われない領域を設けるようにしてもよい。
この際には、側方部材106L、106Rの少なくともいずれか一方にワイパー装置118およびキャップ装置120が配設される。
(3)上記した実施の形態においては、側方部材106R内において、ワイパー装置118とキャップ装置120とを別体で設けるようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、ワイパー装置118とキャップ装置120とが一体的に設けられたユニットを設けるようにしてもよい。
(4)上記した実施の形態においては、キャップ装置120は、側方部材106R内の固定系部材上に配設されるようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、キャップ装置120をワイパー装置118のように、副走査方向に移動可能な構成としてもよい。
(5)上記した実施の形態においては、開閉シャッター20の固定部材22に設けられた孔22cと移動部材26に設けられた孔26cとの径が略一致するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、孔26cの径を大きくするようにしてもよい。
(6)上記した実施の形態においては、開閉シャッター20において、回動部材24とバネ28とにより、移動部材26が副走査方向に移動して、固定部材22に設けられた孔22cと移動部材26に設けられた孔26とを連通した状態としたり、あるいは、連通していない状態としたが、開閉シャッター20の構成としては、これに限られるものではないことは勿論である。
即ち、開閉シャッター20の構成としては、ドグ部材50に所定の部材が当接することにより、洗浄液供給部12の吐出部12aを開き、吐出部12aからの洗浄液の吐出することができるような構成であれば、どのような構成であってもよい。
(7)上記した実施の形態においては、ドグ部材50を印刷が行われない領域に設けるようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、ワイパー装置118が配設された領域、キャップ装置120が配設された領域あるいは、ワイパー装置118およびキャップ装置120が配設された領域のみにドグ部材50を設けるようにしてもよい。
(8)上記した実施の形態においては、ワイパー装置118において洗浄液槽210を設け、ワイパー208a、208b、208cを洗浄液槽210に貯留された洗浄液に浸して洗浄するようにしたが、ワイパー装置118の構成としては、これに限られるものではないことは勿論であり、ワイパー208a、208b、208cの下方側に廃液タンクを設けるようにし、洗浄液供給部12がワイパー208a、208b、208cのそれぞれに洗浄液を供給することにより、ワイパー208a、208b、208cを洗浄するようにしてもよい。
(9)上記した実施の形態においては、電磁バルブ12bの開状態および閉状態の制御は、ポンプ64の制御と同期してなされるようにしたが、これに限られるものではないことは勿論である。
即ち、洗浄液供給部12から洗浄液を供給する場合には、電磁バルブ12bを開状態とのした後に、ポンプ64を駆動するようにしてもよい。
また、洗浄液供給部12から洗浄液の供給を停止する場合には、ポンプ64の駆動を停止した後に、電磁バルブ12bを閉状態とするようにしてもよい。
(10)上記した実施の形態においては、リニアエンコーダ40を設け、このリニアエンコーダ40からキャリッジ114の移動量に応じたパルス信号を出力し、これにより、キャリッジ114の位置を検知するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論である。
即ち、キャリッジ114の位置を検出する手段として、リニアエンコーダ40に換えてロータリーエンコーダなどの各種の位置検出可能なエンコーダを設けるようにしてもよい。
(11)上記した実施の形態ならびに上記した(1)乃至(10)に示す変形例は、適宜に組み合わせるようにしてもよい。