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JP2014240062A - 液体噴霧機用ノズル - Google Patents

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JP2014240062A JP2013124185A JP2013124185A JP2014240062A JP 2014240062 A JP2014240062 A JP 2014240062A JP 2013124185 A JP2013124185 A JP 2013124185A JP 2013124185 A JP2013124185 A JP 2013124185A JP 2014240062 A JP2014240062 A JP 2014240062A
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克典 栗原
Katsunori Kurihara
克典 栗原
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Abstract

【課題】本発明は、2個のノズルの位置の微妙な調整の必要がなく、かつ、軽量及び小型であるばかりではなく、製造が比較的容易であり、加えて、著しく良好な液体噴霧状態を達成し得る液体噴霧機用ノズルを提供する。【解決手段】本発明は、2個のノズルを、その開口部が互いに近接するように略垂直に配置して、一方のノズルから気体を噴出し、それにより、他方のノズルから液体を吸い出して、該液体を噴霧する液体噴霧機用ノズルである。気体を噴出させるノズル及び該ノズルへと続く管路、並びに、液体が吸い出されるノズルへと続く管路が、同一のプラスチック製ブロック内に形成されており、液体が吸い出されるノズルが、金属製であって、上記の液体が吸い出されるノズルへと続く管路に接続される。【選択図】図1

Description

本発明は、液体噴霧機用ノズルに関し、更に詳しくは、一方のノズルから気体を噴出することにより、他方のノズルから液体を吸い出して、該液体を噴霧する液体噴霧機用ノズルに関する。
従来、更衣室、トイレ等の臭気を有する空間に芳香用液体を噴霧するために、芳香発生装置が使用されている。該芳香発生装置としては、例えば、圧縮空気発生源から給送される圧縮空気を通過させ香料容器中の液体香料を吸上げる霧化手段を備えた芳香発生装置において、霧化手段の吐出口にノズルを設け、該ノズルがのぞむ粒子分離室を備え、該粒子分離室に芳香を付された空気の出口を設けた芳香発生装置(特許文献1)、低圧タンクの高圧空気により噴霧器から送気用ダクト内へ芳香を供給する芳香吹込装置において、低圧タンクと噴霧器との間に、1回分の香水液を噴霧することのできる圧縮空気量に該当する容量を有し、かつ、電磁供給弁及び電磁排出弁を備えた中間空気タンクを介装した芳香吹込装置(特許文献2)、上方が開口する容器内に芳香用液体を充填し、該液体を吸上げ管で吸い上げると共に、該吸上げ管の先端を屈曲して略水平に延出し先端を開口して気散部を形成し、該気散部に対して上方向へのエアー流を作用させて、吸い上げられた液体を気散させるエアー吐出管を設け、該エアー吐出管と容器の開口との間に吐出されたミスト又は蒸気を含む気体流の通路を一部制限してなる芳香装置において、容器が上下に分割される一対の分割容器からなっており、下方の分割容器内に、底部が開口すると共に吸上げ管とエアー吐出管の先端の上を覆う有蓋遮蔽体を脱着可能に嵌合し、上記有蓋遮蔽体の上壁で、エアー吐出管の吐出方向を除いた上壁の中途部に透孔が形成されてなる芳香装置(特許文献3)、ガス噴射によってエッセンス蒸気を発散させる香り発散器であって、上のエアゾル緩衝部及び下の液体溜り部からなり、かつ、前記液体溜り部は前記エアゾル緩衝部と連通され、前記エアゾル緩衝部は大気と連通されている容器と、前記ガスを噴出するガス噴出し口と前記ガスを導入するガス入り口とを有するものであって、前記ガス噴出し口が前記エアゾル緩衝部内にあるように設けられているガス噴出し管と、液体出口と液体入り口とを有するものであって、前記液体出口が前記エアゾル緩衝部内にあり、前記液体入り口が前記液体溜り部内にあるように前記容器内に設けられている液体吸取り管とを備えてなり、それにより、前記ガス入り口からガスを導入して前記ガス噴出し口から噴射しながら、前記液体吸取り管を経由して前記液体溜り部に溜まっている液体エッセンスを吸上げて前記噴射ガスと混合させ、そして、前記のように混合してなるエアゾルを前記エアゾル緩衝部に一旦保留してから蒸気の形で外気へ発散させることができる香り発散器(特許文献4)等が知られている。これらは、いずれも、一方のノズルから気体を噴出することにより、他方のノズルから芳香用液体を吸い出して噴霧するという原理に基づくものである。特許文献1及び2の芳香発生装置等は、電磁弁等を使用するもので比較的大がかりな装置であり、比較的多量の芳香用液体を噴霧するのに適しているものである。また、特許文献3及び4の装置等は、ノズルを屈曲させる必要があり、従って、ノズルの作製が煩雑となり、少量噴霧のためにノズル径を著しく細くすることは容易ではなく、また、作製できたとしてもコストがかかるものであった。このように、上記の特許文献1〜4に記載されているような装置では、いずれも、トイレ等の比較的狭い空間にごく少量の芳香用液体を噴霧するためには適しているとは言えなかった。
近年、デパート、スーパーマーケット、大型電気店、駅、高速道路のサービスエリア等の公衆トイレに芳香発生装置が取り付けられている。該芳香発生装置は、例えば、図3に示されている通り、2個の金属製のノズル(11,12)を、その開口部が近接するように略垂直に配置してなるものである。この場合、上部のノズル(12)から空気が噴出され、下部のノズル(11)から芳香用液体が吸い上げられて噴霧されるものであり、ノズルはプラスチック製の固定装置(13)により固定されている。そして、ノズル開口部から芳香用液体が吸い上げられて噴霧されるように、両者のノズル位置が微妙に調整されているものである。従って、両者のノズルの位置決めは容易ではなく非常に煩雑である。また、ノズル自体は金属製であることから芳香用液体の種類によっては腐食され易く、かつ、比較的重くかつ大きいため、芳香発生装置自体の小型軽量化が困難であった。
実開平5−48946号公報 実開平4−75546号公報 実開平6−15640号公報 実用新案登録第3089109号公報
本発明は、2個のノズルの位置の微妙な調整の必要がなく、かつ、軽量及び小型であるばかりではなく、製造が比較的容易であり、加えて、著しく良好な液体噴霧状態を達成し得る液体噴霧機用ノズルを提供するものである。
本発明者は、従来の芳香発生装置を軽量化及び小型化することを意図して、種々の改良を試みた。上記の図3に示されているような芳香発生装置において、単なる軽量化を図るためには、該芳香発生装置のノズル(11,12)の金属部分をプラスチックに変更することが考えられる。しかし、それでは、僅かな軽量化を達成することができるに過ぎず、また、小型化はできない。そこで、本発明者は、2個のノズルをプラスチックにより一体的に成形することに思い至った。このようにプラスチックで一体的に成形できれば、図3に示されているような、2個のノズル(11,12)を固定するためのプラスチック製の固定装置(13)が不要になるばかりではなく、固定装置(13)へのノズルの取り付け作業における、微妙な調整が必要な2個のノズルの位置決めも不要となる。
そこで、本発明者は、2個のノズルを、1個のプラスチック製ブロック中に一体的に成形することを試みた。2個のノズルが相互に略垂直になるように配置し、かつ、一方のノズルから気体を噴出し、他方のノズルから噴霧する液体を吸上げることができるようにするためには、ノズルの開口部の形状はもちろんのこと、気体のノズルの開口部、即ち、気体噴出口から僅かに離れた位置に、液体のノズルの開口部を設置しなければならない。加えて、目的とするノズルは極めて小型であり、ノズルの直径は、いずれも0.2〜0.6mmと著しく小さいことから、上記のノズルの開口部相互間の距離も、0.1〜0.5mm程度と著しく小さく設定しなければならない。従って、一体成形するための金型には、そのノズルの開口部相互間の非常に小さな距離を確保するに見合うだけの部分を設ける必要がある。金型にそのような部分を設けることは可能ではあるが、その一方、そのような部分のために金型が脆弱になり破損し易いという欠点が生じた。これでは、折角、2個のノズルを1つのプラスチック製ブロック中に一体化できても、1個の金型でのノズルの量産が困難となり、却って、コスト高を招いてしまう。また、不良品の発生にもつながり易い。
そこで、本発明者は、更に検討を重ねた結果、別個のプラスチック製ブロック内に夫々のノズルを形成し、そして、これらのプラスチック製ブロックを、2個のノズルが略垂直に配置され、かつ、その開口部が上記の距離に近接するように相互に噛み合わせることができるなら、2個のノズルをプラスチックにより一体的に成形したときと同様の効果が得られると考え、夫々のプラスチック製ブロックの成形を試みた。そして、本発明者は、2個のプラスチック製ブロックを如何に配置すれば、ノズルの成形に支障なく容易で、また、該ノズルを組み込んだ液体噴霧機自体の小型化を達成できるかについて検討した。その結果、本発明者は、既に、2個のノズルを、その開口部が互いに近接するように略垂直に配置して、一方のノズルから気体を噴出し、それにより、他方のノズルから液体を吸い出して、該液体を噴霧する液体噴霧機用ノズルであって、各ノズルが、夫々、別個のプラスチック製ブロック内に形成されており、これらのプラスチック製ブロックは、2個のノズルが互いに略垂直に配置され、かつ、その開口部が互いに近接するように、相互に噛み合って一体化され得るように形成されており、かつ、気体を噴出させるノズルへと続く管路が、該ノズルと略一直線上に接続されて同一のプラスチック製ブロック内に配置されており、他方、液体が吸い出されるノズルへと続く管路が、該ノズルと130〜140度の角度で接続されて同一のプラスチック製ブロック内に配置されており、ここで、気体を噴出させるノズル及び液体が吸い出されるノズルの開口部の直径が0.2〜0.6mmであり、かつ、気体を噴出させるノズルへと続く管路と液体が吸い出されるノズルへと続く管路との角度が40〜50度となるように、2個のプラスチック製ブロックが噛み合うことを特徴とする液体噴霧機用ノズルを開発し特許出願をした(特願2013−124127)。該発明によれば、そのノズル径を著しく小さくしても成形が可能であり、かつ、2個のブロックを噛み合わせたときに、2個のノズルが互いに略垂直に配置され、かつ、その開口部が互いに近接するようにし得る。
上記ノズルを使用すれば、従来品のように、2個のノズルの位置の微妙な調整の必要がなく、また、該液体噴霧機用ノズルは、プラスチック製であることから、軽量かつ小型であり、かつ、従来、必要としていたプラスチック製のノズル固定装置が不要であることから、液体噴霧機全体の軽量化及び小型化が可能である。その一方、ノズル直径が著しく小さいことから、材質をプラスチックとして成形すると、ノズルの出口、即ち、ノズル開口部の角に、肉眼では認識し得ないほどの極めて僅かな丸味が生ずることを見出した。この丸味は、とりわけ、液体ノズルの出口、即ち、液体ノズル開口部から液体を噴出する際に、液体の噴霧状態に悪影響を及ぼすことが分かった。とりわけ、トイレ等に使用する小型の芳香発生装置では、極めて小型かつ低容量のポンプ等を使用してノズルから気体を噴出させて、少量の液体を噴霧する必要がある。しかし、液体ノズル開口部に存在するこの極めて僅かな丸味により、極めて小型かつ低容量のポンプでは十分に液体を吸上げて噴霧することができない。もちろん、比較的大きな容量のポンプを使用すれば、十分に液体を吸上げて噴霧することはできる。しかし、それでは、約10分間隔で約1秒間に約0.03ミリリットルの芳香液体を噴霧し、そして、芳香液体の補充又は容器の交換を約1ヶ月に1回実施してトイレ等の空間に芳香液体を噴霧するという小型の芳香発生装置としての本来の機能を発揮するには十分ではない。
本発明者は、如何にすれば、このような、液体ノズル開口部の角の肉眼では認識し得ないほどの極めて僅かな丸味を取り去ることができて、著しく良好な液体噴霧状態を達成し得るかについて検討した。そして、プラスチックの種類、成形条件等を種々変更して、ノズルの成形を試みた。しかし、ノズル開口部の角の僅かな丸味を完全に取り去ることができなかった。そこで、本発明者は、再び、発想を転換して、液体が吸い出されるノズルのみを金属で形成すれば、ノズル開口部の角の僅かな丸味を取り去ることができて、これによる液体噴霧状態の問題を解消し得るのではないかと考えた。また、液体が吸い出されるノズルのみであれば、たとえ金属で形成したとしても、全体の重量に大きな影響はない。加えて、液体が吸い出されるノズルのみを金属で形成して、プラスチック製ブロック中の、該ノズルへと続く管路に嵌め込んで接続すれば、1個のプラスチック製ブロック中に2個のノズル部分、即ち、気体を噴出させるノズル及び該ノズルへと続く管路、並びに、液体が吸い出されるノズルへと続く管路を成形するようにしても、上記のように、金型に、ノズルの開口部相互間の非常に小さな距離を確保するに見合うだけの部分を設ける必要がない。また、液体が吸い出されるノズル以外の部分、即ち、気体を噴出させるノズル及び該ノズルへと続く管路、並びに、液体が吸い出されるノズルへと続く管路は、1個のプラスチック製ブロック内に一体的に形成されており、液体が吸い出されるノズルのみを、該プラスチック製ブロックの液体が吸い出されるノズルへと続く管路に嵌め込めばよいことから、予め、液体が吸い出されるノズルの寸法、形状を正確に決めておけば、気体を噴出させるノズルと液体が吸い出されるノズルとの間の微妙な位置の調整は不要である。そこで、本発明者は、液体が吸い出されるノズルのみを金属で成形したところ、極めて僅かな丸味を取り去ることができて、かつ、上記の課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
(1)2個のノズルを、その開口部が互いに近接するように略垂直に配置して、一方のノズルから気体を噴出し、それにより、他方のノズルから液体を吸い出して、該液体を噴霧する液体噴霧機用ノズルであって、気体を噴出させるノズル及び該ノズルへと続く管路、並びに、液体が吸い出されるノズル及び該ノズルへと続く管路を備え、これらのうち、気体を噴出させるノズル及び該ノズルへと続く管路、並びに、液体が吸い出されるノズルへと続く管路が、同一のプラスチック製ブロック内に形成されており、ここで、上記の気体を噴出させるノズルと該ノズルへと続く管路とが略一直線上に接続されて形成されており、かつ、液体が吸い出されるノズルが、金属製であって、上記の液体が吸い出されるノズルへと続く管路に接続されてなり、ここで、気体を噴出させるノズル及び液体が吸い出されるノズルの開口部の直径が0.2〜0.6mmであることを特徴とする液体噴霧機用ノズルである。
好ましい態様として、
(2)上記の気体を噴出させるノズル及び液体が吸い出されるノズルの開口部の直径が、いずれも0.3〜0.5ミリメートルである、上記(1)記載の液体噴霧機用ノズル、
(3)上記の気体を噴出させるノズル及び液体が吸い出されるノズルの開口部の直径が、いずれも略0.4ミリメートルである、上記(1)記載の液体噴霧機用ノズル、
(4)上記の気体を噴出させるノズルへと続く管路の最大直径が1.8〜2.2ミリメートルである、上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の液体噴霧機用ノズル、
(5)上記の液体が吸い出されるノズルへと続く管路の最大直径が0.8〜1.7ミリメートルである、上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の液体噴霧機用ノズル、
(6)上記の気体を噴出させるノズルへと続く管路と液体が吸い出されるノズルへと続く管路との角度が40〜90度である、上記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の液体噴霧機用ノズル、
(7)上記の気体を噴出させるノズルへと続く管路と液体が吸い出されるノズルへと続く管路との角度が略90度である、上記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の液体噴霧機用ノズル、
(8)芳香発生装置、美顔装置、除菌装置又は農薬噴霧装置用の、上記(1)〜(7)のいずれか一つに記載の液体噴霧機用ノズル、
(9)小型芳香発生装置用の、上記(1)〜(7)のいずれか一つに記載の液体噴霧機用ノズル
を挙げることができる。
本発明の液体噴霧機用ノズルは、2個のノズル部分、即ち、気体を噴出させるノズル及び該ノズルへと続く管路、並びに、液体が吸い出されるノズルへと続く管路が、同一のプラスチック製ブロック内に形成されており、そして、金属製の液体が吸い出されるノズルが、プラスチック製ブロック内に形成された液体が吸い出されるノズルへと続く管路に、別途接続されてなるものであることから、従来品のように、2個のノズル位置の微妙な調整の必要がない。加えて、本発明の液体噴霧機用ノズルは、軽量かつ小型であること、及び、従来、必要としていたプラスチック製のノズル固定装置が不要であることから、液体噴霧機全体の軽量化及び小型化が可能である。また、著しく良好な液体噴霧状態をも達成し得ることから、トイレ等の小型芳香発生装置用として使用した際に著しく良好な機能を発揮し得、それにより、空気を送るポンプ等の装置の小型化並びに使用電力量等の低減を図ることができる。
図1は、本発明の液体噴霧機用ノズルの一実施態様を示した概略の正面図及び左側面図である。 図2は、液体が吸い出されるノズル(1)を液体が吸い出されるノズルへと続く管路(3)へはめ込むための治具の一例を示した図である。 図3は、従来の芳香発生機のノズル部分を示した概略図である。
本発明の液体噴霧機用ノズルは、2個のノズルを、その開口部が互いに近接するように略垂直に配置して、一方のノズルから気体を噴出し、それにより、他方のノズルから液体を吸い出して、該液体を噴霧する液体噴霧機に使用される。上記の気体としては、通常、空気が使用される。噴霧される液体は、液体噴霧機の種類に依存する。本発明の液体噴霧機用ノズルが好ましく使用される芳香発生装置においては、液体香料、香水等が使用され得る。また、美顔装置においては、いわゆる美容液といわれる化粧品等が使用され得、除菌装置においては、殺菌剤、消毒剤等が使用され得、農薬噴霧装置においては、各種の農薬が使用され得る。これらの液体は、用途、場所に応じて適宜選択することができる。また、一方のノズルから気体を噴出し、それにより、他方のノズルから液体を吸い出して噴霧する装置の原理は公知であり、いわゆるベンチュリー効果を利用したものである。
本発明の液体噴霧機用ノズルの一実施態様を、図1に基づいて説明する。図1に示されている通り、本発明の液体噴霧機用ノズルは、気体を噴出させるノズル(2)及び該ノズルへと続く管路(4)、並びに、液体が吸い出されるノズル(1)及び該ノズルへと続く管路(3)を備えており、かつ、1個の同一のプラスチック製ブロック(A)内に、気体を噴出させるノズル(2)及び該ノズルへと続く管路(4)、並びに、液体が吸い出されるノズルへと続く管路(3)が形成されている。図1には、液体が吸い出されるノズル(1)が、液体が吸い出されるノズルへと続く管路(3)に接続された状態における正面図(I)、及び、液体が吸い出されるノズル(1)が接続されていない状態における左側面図(II)が示されている。ここで、気体を噴出させるノズル(2)、並びに、液体が吸い出されるノズルへと続く管路(3)及び気体を噴出させるノズルへと続く管路(4)を破線で示した。また、液体が吸い出されるノズル(1)は、正面図(I)のみに点線で示した。プラスチック製ブロック(A)内において、気体を噴出させるノズル(2)と該ノズルへと続く管路(4)とは略一直線上に接続されて形成されている。また、同一のプラスチック製ブロック(A)には、更に、液体が吸い出されるノズルへと続く管路(3)が形成されている。気体を噴出させるノズルへと続く管路(4)と液体が吸い出されるノズルへと続く管路(3)との角度は、好ましくは40〜90度であり、より好ましくは略90度である。図1に示した実施態様においては、上記角度は90度である。該角度を90度とすることにより、液体が吸い出されるノズル(1)と液体が吸い出されるノズルへと続く管路(3)とが略一直線状となる故、両者の接続部分の構造をより簡便にすることができて、これにより製作コストの低減を図ることができる。
本発明の液体噴霧機用ノズルにおいては、液体が吸い出されるノズル(1)は、プラスチック製ブロック(A)内に形成されるところの、気体を噴出させるノズル(2)及び該ノズルへと続く管路(4)、並びに、液体が吸い出されるノズルへと続く管路(3)とは、別個に作製される。そして、該液体が吸い出されるノズル(1)を、プラスチックブロック(A)内の、液体が吸い出されるノズルへと続く管路(3)に、好ましくははめ込むことにより接続される。液体が吸い出されるノズル(1)の液体が吸い出されるノズルへと続く管路(3)へのはめ込みは、図2に示したような治具(5)を使用して簡便に実施することができる。図2中、(III)は該治具の側面図であり、(IV)は該治具の底面図である。はめ込み方法を簡単に説明すると、まず、液体が吸い出されるノズル(1)を該治具のノズル挿入部(6)に、ノズル(1)の上端部がノズル挿入部(6)の上端部にきちっとはまるように挿入する。次いで、この状態で、ノズル(1)を液体が吸い出されるノズルへと続く管路(3)内に挿入し、該治具の底面が、液体が吸い出されるノズルへと続く管路(3)のプラスチックブロック上面にきちっと接触するまで挿入する。この状態で、治具をノズル(1)から取り外せば、ノズル(1)は、液体が吸い出されるノズルへと続く管路(3)に正確に取り付けることができる。これにより、2個のノズルを、その開口部が互いに近接しかつ略垂直な位置関係に正確に配置することができる。このように、従来の液体噴霧機のような煩わしいノズル間の位置調整をする必要がない。液体が吸い出されるノズル(1)と液体が吸い出されるノズルへと続く管路(3)との角度は、プラスチック製ブロック内に一体的に成形された、気体を噴出させるノズルへと続く管路(4)と液体が吸い出されるノズルへと続く管路(3)との上記角度に依存する。上記のように、該角度は、好ましくは40〜90度、より好ましくは略90度である故、液体が吸い出されるノズル(1)と液体が吸い出されるノズルへと続く管路(3)との角度は、好ましくは130〜180度、より好ましくは略180度である。これにより、液体が吸い出されるノズル(1)と気体を噴出させるノズル(2)とを略垂直に配置することができる。図1に示した実施態様においては、上記角度は180度、すなわち、液体が吸い出されるノズル(1)と液体が吸い出されるノズルへと続く管路(3)とは略一直線上に接続されている。また、液体が吸い出されるノズル(1)は金属製であり、好ましくはステンレス鋼製である。ステンレス鋼製とすることにより、噴霧する液体の種類による腐食等を極力防止することができる。
液体が吸い出されるノズル(1)及び気体を噴出させるノズル(2)は、いずれも、ノズルの長さ方向に垂直な面で切断したときの断面の形状が略円形であり、その開口部の直径は0.2〜0.6mm、好ましくは0.3〜0.5ミリメートル、より好ましくは略0.4ミリメートルである。液体が吸い出されるノズル(1)において、その開口部の直径が上記下限未満では、噴霧する液体の種類によってはノズルが閉塞することがあり、また、ノズルの成形が容易ではなくなる。一方、上記上限を超えては、液体噴霧量が多くなるばかりで、本発明の液体噴霧機用ノズルの用途においては、余計な液体噴霧量のためにコスト高になるばかりである。また、液体を良好に噴霧し得ないことがある。気体を噴出させるノズル(2)においては、その開口部の直径が上記下限未満では、同様にノズルの成形が容易ではなくなり、上記上限を超えては、余計な気体噴出量のために、気体を送り出すポンプ等の所要電力量が増大してコスト高となる。また、装置の小型化が不可能になる。液体が吸い出されるノズル(1)の長さは、好ましくは4.0〜8.0mm、より好ましくは5.0〜7.0mmである。上記上限を超えては、液体が吸い出されるノズルへと続く管路(3)までの距離が長くなり、結果として、プラスチック製ブロック(A)自体の寸法が大きくなり過ぎて小型化、軽量化を達成することができなくなると共に、液体の噴霧が適切でなくなることがある。気体を噴出させるノズル(2)の長さは、好ましくは2.0mm以下、より好ましくは0.5〜1.5mmである。図1に示した本発明の液体噴霧機用ノズルの一実施態様においては、液体が吸い出されるノズル(1)の開口部は、図1の正面図(I)に示すように、頂部が僅かに突出しており、かつ、その頂部の角度が略120度であって、頂部は、気体を噴出させるノズル(2)の方向に僅かに偏っている。これにより、液体を良好に吸い出して噴霧することができる。
液体が吸い出されるノズルへと続く管路(3)の液体の流れ方向に垂直な面で切断したときの該管路(3)の断面形状は、好ましくは円形である。管路(3)の最大直径は、好ましくは0.6〜2.0mm、より好ましくは0.8〜1.7mmである。一方、気体を噴出させるノズルへと続く管路(4)の気体の流れ方向に垂直な面で切断したときの該管路(4)の断面形状は、好ましくは円形である。管路(4)の最大直径は、好ましくは0.6〜3.0mm、より好ましくは1.8〜2.2mmである。プラスチック製ブロック(A)の寸法は、上記の液体が吸い出されるノズル(1)及びそれに続く管路(3)、気体を噴出させるノズル(2)及びそれに続く管路(4)の寸法、並びに、液体が吸い出されるノズルに続く管路(3)と気体を噴出させるノズルに続く管路(4)との角度等に依存して決定される。好ましくは、これらの部分を含む最小の寸法に成形される。図1に記載した液体噴霧機用ノズルの一例を挙げれば、プラスチック製ブロック(A)において、気体を噴出させるノズル(2)及びそれに続く管路(4)が設けられている部分の長さが、約10.0mmであり、液体が吸い出されるノズルに続く管路(3)が設けられている部分の長さが、約10.0mmである。そして、液体が吸い出されるノズル(1)の長さが、約6.0mmであって、そのうちの約3.0mmの部分が、液体が吸い出されるノズルに続く管路(3)の上部に嵌め込まれるようになっている。また、液体が吸い出されるノズルに続く管路(3)及び気体を噴出させるノズルに続く管路(4)のノズルと反対側の部分は、いずれも、通常、円筒形であって、液体が吸い出されるノズルに続く管路(3)においては、その外径が約3.0mmであり、気体を噴出させるノズルに続く管路(4)においては、その外径が約4.0mmである。このように本発明の液体噴霧機用ノズルは著しく小型である。
上記のように、気体を噴出させるノズル(2)及び該ノズルへと続く管路(4)、並びに、液体が吸い出されるノズルへと続く管路(3)を、同一のプラスチック製ブロック内に一体的に成形して、別個に成形した金属製の液体が吸い出されるノズル(1)を、上記の液体が吸い出されるノズルへと続く管路(3)に接続することにより、2個のノズル、即ち、液体が吸い出されるノズル(1)と気体を噴出させるノズル(2)とが互いに略垂直に配置され、かつ、その開口部が互いに近接するように配置することができる。金属製の液体が吸い出されるノズル(1)を、液体が吸い出されるノズルへと続く管路(3)に接続する方法に特に制限はないが、好ましくは、上記のように、液体が吸い出されるノズルへと続く管路(3)に液体が吸い出されるノズル(1)をはめ込むことにより接続される。また、プラスチック製ブロック(A)に使用されるプラスチックの種類には特に制限はないが、成形及び価格の観点から、好ましくは、ポリプロピレン等が使用される。
プラスチック製ブロック(A)の成形は、従来公知の方法、即ち、射出成型により実施することができる。液体が吸い出されるノズルへと続く管路(3)、並びに、気体を噴出させるノズル(2)及び気体を噴出させるノズルへと続く管路(4)を形成するピンが、夫々、所定の位置にセットされた金型内に、プラスチック製ブロック(A)の材料となるプラスチック、例えば、ポリプロピレンを射出し、最後に上記の2個のピンを、夫々、液体が吸い出されるノズルへと続く管路(3)及び気体を噴出させるノズルへと続く管路(4)側から引き抜くことにより成形することができる。また、液体が吸い出されるノズル(1)は、公知の方法、例えば、注射針と同様の方法で製造することができる。
本発明の液体噴霧機用ノズルは、少量、例えば、0.01〜0.05ミリリットル/秒、好ましくは、約0.03ミリリットル/秒の液体を、5〜20分間隔、好ましくは、約10分間隔で0.5〜2.5秒間、好ましくは、約1秒間噴霧する装置に適しており、好ましくは小型の芳香発生装置に使用することができる。その他、例えば、美顔装置、除菌装置又は農薬噴霧装置に使用することもできる。液体が吸い出されるノズルへと続く管路に、噴霧する液体の貯槽からの配管、例えば、ゴムチューブを接続し、一方、気体を噴出させるノズルへと続く管路に、小型ポンプの吐出からの配管、例えば、ゴムチューブを接続して、小型ポンプを作動させることにより気体、例えば、空気を、気体を噴出させるノズルへと続く管路へと送り込むことによりノズルから噴出させて、液体を噴霧することができる。また、小型ポンプに制御装置を装備して所定時間毎に小型ポンプを作動させることにより、液体を所定時間毎、例えば、上記のように5〜20分間隔で噴霧することもできる。
本発明の液体噴霧機用ノズルは、2個のノズルの位置の微妙な調整の必要がなく、かつ、軽量及び小型であるばかりではなく、著しく良好な液体噴霧状態を達成し得ることから、今後、好ましくは、更衣室、トイレ等の小型芳香発生装置用のノズルとしての利用が大いに期待される。また、例えば、美顔装置、除菌装置又は農薬噴霧装置用のノズルとしての利用も期待される。
A プラスチック製ブロック
I 液体が吸い出されるノズルが接続された状態における液体噴霧機用ノズルの正面図
II 液体が吸い出されるノズルが接続されていない状態における液体噴霧機用ノズルの左側面図
III 液体が吸い出されるノズルを液体が吸い出されるノズルへと続く管路へはめ込むための治具の側面図
IV 液体が吸い出されるノズルを液体が吸い出されるノズルへと続く管路へはめ込むための治具の底面図
1 液体が吸い出されるノズル
2 気体を噴出させるノズル
3 液体が吸い出されるノズルへと続く管路
4 気体を噴出させるノズルへと続く管路
5 液体が吸い出されるノズルを液体が吸い出されるノズルへと続く管路へはめ込むための治具
6 ノズル挿入部
11 液体が吸い出されるノズル
12 空気が噴出されるノズル
13 ノズル固定装置

Claims (4)

  1. 2個のノズルを、その開口部が互いに近接するように略垂直に配置して、一方のノズルから気体を噴出し、それにより、他方のノズルから液体を吸い出して、該液体を噴霧する液体噴霧機用ノズルであって、気体を噴出させるノズル及び該ノズルへと続く管路、並びに、液体が吸い出されるノズル及び該ノズルへと続く管路を備え、これらのうち、気体を噴出させるノズル及び該ノズルへと続く管路、並びに、液体が吸い出されるノズルへと続く管路が、同一のプラスチック製ブロック内に形成されており、ここで、上記の気体を噴出させるノズルと該ノズルへと続く管路とが略一直線上に接続されて形成されており、かつ、液体が吸い出されるノズルが、金属製であって、上記の液体が吸い出されるノズルへと続く管路に接続されてなり、ここで、気体を噴出させるノズル及び液体が吸い出されるノズルの開口部の直径が0.2〜0.6mmであることを特徴とする液体噴霧機用ノズル。
  2. 上記の気体を噴出させるノズル及び液体が吸い出されるノズルの開口部の直径が、いずれも略0.4ミリメートルである、請求項1記載の液体噴霧機用ノズル。
  3. 上記の気体を噴出させるノズルへと続く管路と液体が吸い出されるノズルへと続く管路との角度が略90度である、請求項1又は2記載の液体噴霧機用ノズル。
  4. 小型芳香発生装置用の、請求項1〜3のいずれか一つに記載の液体噴霧機用ノズル。
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