JP2014240061A - 液体噴霧機用ノズル - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、2個のノズルの位置の微妙な調整の必要がなく、かつ、軽量及び小型であるばかりではなく、噴霧する液体による腐食が殆どない液体噴霧機用ノズルを提供する。
【解決手段】本発明は、2個のノズルを、その開口部が互いに近接するように略垂直に配置して、一方のノズルから気体を噴出し、それにより、他方のノズルから液体を吸い出して、該液体を噴霧する液体噴霧機用ノズルである。各ノズルは、夫々、別個のプラスチック製ブロック内に形成されており、これらのプラスチック製ブロックは、2個のノズルが互いに略垂直に配置され、かつ、その開口部が互いに近接するように、相互に噛み合って一体化され得るように形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】本発明は、2個のノズルを、その開口部が互いに近接するように略垂直に配置して、一方のノズルから気体を噴出し、それにより、他方のノズルから液体を吸い出して、該液体を噴霧する液体噴霧機用ノズルである。各ノズルは、夫々、別個のプラスチック製ブロック内に形成されており、これらのプラスチック製ブロックは、2個のノズルが互いに略垂直に配置され、かつ、その開口部が互いに近接するように、相互に噛み合って一体化され得るように形成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、液体噴霧機用ノズルに関し、更に詳しくは、一方のノズルから気体を噴出することにより、他方のノズルから液体を吸い出して、該液体を噴霧する液体噴霧機用ノズルに関する。
従来、更衣室、トイレ等の臭気を有する空間に芳香用液体を噴霧するために、芳香発生装置が使用されている。該芳香発生装置としては、例えば、圧縮空気発生源から給送される圧縮空気を通過させ香料容器中の液体香料を吸上げる霧化手段を備えた芳香発生装置において、霧化手段の吐出口にノズルを設け、該ノズルがのぞむ粒子分離室を備え、該粒子分離室に芳香を付された空気の出口を設けた芳香発生装置(特許文献1)、低圧タンクの高圧空気により噴霧器から送気用ダクト内へ芳香を供給する芳香吹込装置において、低圧タンクと噴霧器との間に、1回分の香水液を噴霧することのできる圧縮空気量に該当する容量を有し、かつ、電磁供給弁及び電磁排出弁を備えた中間空気タンクを介装した芳香吹込装置(特許文献2)、上方が開口する容器内に芳香用液体を充填し、該液体を吸上げ管で吸い上げると共に、該吸上げ管の先端を屈曲して略水平に延出し先端を開口して気散部を形成し、該気散部に対して上方向へのエアー流を作用させて、吸い上げられた液体を気散させるエアー吐出管を設け、該エアー吐出管と容器の開口との間に吐出されたミスト又は蒸気を含む気体流の通路を一部制限してなる芳香装置において、容器が上下に分割される一対の分割容器からなっており、下方の分割容器内に、底部が開口すると共に吸上げ管とエアー吐出管の先端の上を覆う有蓋遮蔽体を脱着可能に嵌合し、上記有蓋遮蔽体の上壁で、エアー吐出管の吐出方向を除いた上壁の中途部に透孔が形成されてなる芳香装置(特許文献3)、ガス噴射によってエッセンス蒸気を発散させる香り発散器であって、上のエアゾル緩衝部及び下の液体溜り部からなり、かつ、前記液体溜り部は前記エアゾル緩衝部と連通され、前記エアゾル緩衝部は大気と連通されている容器と、前記ガスを噴出するガス噴出し口と前記ガスを導入するガス入り口とを有するものであって、前記ガス噴出し口が前記エアゾル緩衝部内にあるように設けられているガス噴出し管と、液体出口と液体入り口とを有するものであって、前記液体出口が前記エアゾル緩衝部内にあり、前記液体入り口が前記液体溜り部内にあるように前記容器内に設けられている液体吸取り管とを備えてなり、それにより、前記ガス入り口からガスを導入して前記ガス噴出し口から噴射しながら、前記液体吸取り管を経由して前記液体溜り部に溜まっている液体エッセンスを吸上げて前記噴射ガスと混合させ、そして、前記のように混合してなるエアゾルを前記エアゾル緩衝部に一旦保留してから蒸気の形で外気へ発散させることができる香り発散器(特許文献4)等が知られている。これらは、いずれも、一方のノズルから気体を噴出することにより、他方のノズルから芳香用液体を吸い出して噴霧するという原理に基づくものである。特許文献1及び2の芳香発生装置等は、電磁弁等を使用するもので比較的大がかりな装置であり、比較的多量の芳香用液体を噴霧するのに適しているものである。また、特許文献3及び4の装置等は、ノズルを屈曲させる必要があり、従って、ノズルの作製が煩雑となり、少量噴霧のためにノズル径を著しく細くすることは容易ではなく、また、作製できたとしてもコストがかかるものであった。このように、上記の特許文献1〜4に記載されているような装置では、いずれも、トイレ等の比較的狭い空間にごく少量の芳香用液体を噴霧するためには適しているとは言えなかった。
近年、デパート、スーパーマーケット、大型電気店、駅、高速道路のサービスエリア等の公衆トイレに芳香発生装置が取り付けられている。該芳香発生装置は、例えば、図2に示されている通り、2個の金属製のノズル(11,12)を、その開口部が近接するように略垂直に配置してなるものである。この場合、上部のノズル(12)から空気が噴出され、下部のノズル(11)から芳香用液体が吸い上げられて噴霧されるものであり、ノズルはプラスチック製の固定装置(13)により固定されている。そして、ノズル開口部から芳香用液体が吸い上げられて噴霧されるように、両者のノズル位置が微妙に調整されているものである。従って、両者のノズルの位置決めは容易ではなく非常に煩雑である。また、ノズル自体は金属製であることから芳香用液体の種類によっては腐食され易く、かつ、比較的重くかつ大きいため、芳香発生装置自体の小型軽量化が困難であった。
本発明は、2個のノズルの位置の微妙な調整の必要がなく、かつ、軽量及び小型であるばかりではなく、噴霧する液体による腐食が殆どない液体噴霧機用ノズルを提供するものである。
本発明者は、従来の芳香発生装置を軽量化及び小型化することを意図して、種々の改良を試みた。上記の図2に示されているような芳香発生装置において、単なる軽量化を図るためには、該芳香発生装置のノズル(11,12)の金属部をプラスチックに変更することが考えられる。しかし、それでは、僅かな軽量化を達成することができるに過ぎず、また、小型化はできない。そこで、本発明者は、2個のノズルをプラスチックにより一体的に成形することに思い至った。このようにプラスチックで一体的に成形できれば、図2に示されているような、2個のノズル(11,12)を固定するためのプラスチック製の固定装置(13)が不要になるばかりではなく、固定装置(13)へのノズルの取り付け作業における、微妙な調整が必要な2個のノズルの位置決めも不要となる。
そこで、本発明者は、2個のノズルを、1個のプラスチック製ブロック中に一体的に成形することを試みた。2個のノズルが相互に略垂直になるように配置し、かつ、一方のノズルから気体を噴出し、他方のノズルから噴霧する液体を吸上げることができるようにするためには、ノズルの開口部の形状はもちろんのこと、気体のノズルの開口部、即ち、気体噴出口から僅かに離れた位置に、液体のノズルの開口部を設置しなければならない。加えて、本発明のノズルは極めて小型であり、ノズルの直径は、いずれも0.2〜0.6mmと著しく小さいことから、上記のノズルの開口部相互間の距離も、0.1〜0.5mm程度と著しく小さく設定しなければならない。従って、一体成形するための金型には、そのノズルの開口部相互間の非常に小さな距離を確保するに見合うだけの部分を設ける必要がある。金型にそのような部分を設けることは可能ではあるが、その一方、そのような部分のために金型が脆弱になり破損し易いという欠点が生じた。これでは、折角、2個のノズルを1つのプラスチック製ブロック中に一体化できても、1個の金型でのノズルの量産が困難となり、却って、コスト高を招いてしまう。また、不良品の発生にもつながり易い。
そこで、本発明者は、更に検討を重ねた結果、別個のプラスチック製ブロック内に夫々のノズルを形成し、そして、これらのプラスチック製ブロックを、2個のノズルが略垂直に配置され、かつ、その開口部が上記の距離に近接するように相互に噛み合わせることができるなら、2個のノズルをプラスチックにより一体的に成形したときと同様の効果が得られると考え、夫々のプラスチック製ブロックの成形を試みた。この際、2個のプラスチック製ブロックを略平行に配置して相互に噛み合わせれば、最もコンパクトにすることができ、該ノズルを組み込む装置全体の小型化を達成することもできる。この場合には、一方のノズル、好ましくは、液体ノズルをプラスチック製ブロック内で、該ノズルに続く液体管路に対して略垂直に曲げることにより、他方のノズル、好ましくは、気体ノズルと略垂直に配置する必要がある。また、これらのノズルの成形に際しては、ノズルの直径が著しく小さいことから引抜ピンによる成形が必須となるが、2個のプラスチック製ブロックを略平行に配置した際には、引抜ピンの長さが長くなり過ぎて、所定の直径を有するノズルを成形することが容易ではない。他の方法により成形することも可能とは考えられたが、それではコスト高になってしまう。一方、2個のプラスチック製ブロックを略垂直に配置して相互に噛み合わせれば、一方のノズル、好ましくは、液体ノズルをプラスチック製ブロック内で、上記のように略垂直に曲げる必要がなく、成形が簡便となる。しかし、これでは、該ノズルを組み込む装置全体の小型化は達成できず、また、より多くのプラスチック材料を使用しなければならなくなり、コスト高を免れない。また、両方のノズルに供給する気体及び液体配管の配置も複雑となり、かつ、これらの配管を配置するための空間もかなり必要となってしまい、やはり、小型化を達成できない。
そこで、本発明者は、2個のプラスチック製ブロックを如何に配置すれば、ノズルの成形に支障なく容易で、また、該ノズルを組み込んだ液体噴霧機自体の小型化を達成できるかについて検討した。その結果、下記本発明の構成を採用すれば、そのノズル径を著しく小さくしても成形が可能であり、かつ、2個のブロックを噛み合わせたときに、2個のノズルが互いに略垂直に配置され、かつ、その開口部が互いに近接するようにし得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
(1)2個のノズルを、その開口部が互いに近接するように略垂直に配置して、一方のノズルから気体を噴出し、それにより、他方のノズルから液体を吸い出して、該液体を噴霧する液体噴霧機用ノズルであって、各ノズルが、夫々、別個のプラスチック製ブロック内に形成されており、これらのプラスチック製ブロックは、2個のノズルが互いに略垂直に配置され、かつ、その開口部が互いに近接するように、相互に噛み合って一体化され得るように形成されており、かつ、気体を噴出させるノズルへと続く管路が、該ノズルと略一直線上に接続されて同一のプラスチック製ブロック内に配置されており、他方、液体が吸い出されるノズルへと続く管路が、該ノズルと130〜140度の角度で接続されて同一のプラスチック製ブロック内に配置されており、ここで、気体を噴出させるノズル及び液体が吸い出されるノズルの開口部の直径が0.2〜0.6mmであり、かつ、気体を噴出させるノズルへと続く管路と液体が吸い出されるノズルへと続く管路との角度が40〜50度となるように、2個のプラスチック製ブロックが噛み合うことを特徴とする液体噴霧機用ノズルである。
(1)2個のノズルを、その開口部が互いに近接するように略垂直に配置して、一方のノズルから気体を噴出し、それにより、他方のノズルから液体を吸い出して、該液体を噴霧する液体噴霧機用ノズルであって、各ノズルが、夫々、別個のプラスチック製ブロック内に形成されており、これらのプラスチック製ブロックは、2個のノズルが互いに略垂直に配置され、かつ、その開口部が互いに近接するように、相互に噛み合って一体化され得るように形成されており、かつ、気体を噴出させるノズルへと続く管路が、該ノズルと略一直線上に接続されて同一のプラスチック製ブロック内に配置されており、他方、液体が吸い出されるノズルへと続く管路が、該ノズルと130〜140度の角度で接続されて同一のプラスチック製ブロック内に配置されており、ここで、気体を噴出させるノズル及び液体が吸い出されるノズルの開口部の直径が0.2〜0.6mmであり、かつ、気体を噴出させるノズルへと続く管路と液体が吸い出されるノズルへと続く管路との角度が40〜50度となるように、2個のプラスチック製ブロックが噛み合うことを特徴とする液体噴霧機用ノズルである。
好ましい態様として、
(2)上記の気体を噴出させるノズルへと続く管路と液体が吸い出されるノズルへと続く管路との角度が略45度である、上記(1)記載の液体噴霧機用ノズル、
(3)上記の液体が吸い出されるノズルへと続く管路が、該ノズルと略135度の角度で接続されている、上記(1)又は(2)記載の液体噴霧機用ノズル、
(4)上記の気体を噴出させるノズル及び液体が吸い出されるノズルの開口部の直径が、いずれも0.3〜0.5ミリメートルである、上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の液体噴霧機用ノズル、
(5)上記の気体を噴出させるノズル及び液体が吸い出されるノズルの開口部の直径が、いずれも略0.4ミリメートルである、上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の液体噴霧機用ノズル、
(6)上記の気体を噴出させるノズルへと続く管路の最大直径が1.8〜2.2ミリメートルである、上記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の液体噴霧機用ノズル、
(7)上記の液体が吸い出されるノズルへと続く管路の最大直径が0.8〜1.7ミリメートルである、上記(1)〜(6)のいずれか一つに記載の液体噴霧機用ノズル、
(8)芳香発生装置、美顔装置、除菌装置又は農薬噴霧装置用の、上記(1)〜(7)のいずれか一つに記載の液体噴霧機用ノズル
を挙げることができる。
(2)上記の気体を噴出させるノズルへと続く管路と液体が吸い出されるノズルへと続く管路との角度が略45度である、上記(1)記載の液体噴霧機用ノズル、
(3)上記の液体が吸い出されるノズルへと続く管路が、該ノズルと略135度の角度で接続されている、上記(1)又は(2)記載の液体噴霧機用ノズル、
(4)上記の気体を噴出させるノズル及び液体が吸い出されるノズルの開口部の直径が、いずれも0.3〜0.5ミリメートルである、上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の液体噴霧機用ノズル、
(5)上記の気体を噴出させるノズル及び液体が吸い出されるノズルの開口部の直径が、いずれも略0.4ミリメートルである、上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の液体噴霧機用ノズル、
(6)上記の気体を噴出させるノズルへと続く管路の最大直径が1.8〜2.2ミリメートルである、上記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の液体噴霧機用ノズル、
(7)上記の液体が吸い出されるノズルへと続く管路の最大直径が0.8〜1.7ミリメートルである、上記(1)〜(6)のいずれか一つに記載の液体噴霧機用ノズル、
(8)芳香発生装置、美顔装置、除菌装置又は農薬噴霧装置用の、上記(1)〜(7)のいずれか一つに記載の液体噴霧機用ノズル
を挙げることができる。
本発明の液体噴霧機用ノズルは、2個のノズルが、夫々、別個のプラスチック製ブロック内に形成されて、そして、これらのプラスチック製ブロックを噛み合わせることにより、2個のノズルを所定の位置にセットすることができることから、従来品のように、2個のノズル位置の微妙な調整の必要がない。また、本発明の液体噴霧機用ノズルは、プラスチック製であることから、噴霧する液体の種類による腐食が殆どなく、加えて、本発明の液体噴霧機用ノズルは、軽量かつ小型であること、及び、従来、必要としていたプラスチック製のノズル固定装置が不要であることから、液体噴霧機全体の軽量化及び小型化が可能である。
本発明の液体噴霧機用ノズルは、2個のノズルを、その開口部が互いに近接するように略垂直に配置して、一方のノズルから気体を噴出し、それにより、他方のノズルから液体を吸い出して、該液体を噴霧する液体噴霧機に使用される。上記の気体としては、通常、空気が使用される。噴霧される液体は、液体噴霧機の種類に依存する。例えば、芳香発生装置においては、液体香料、香水等が使用され得、美顔装置においては、いわゆる美容液といわれる化粧品等が使用され得、除菌装置においては、殺菌剤、消毒剤等が使用され得、農薬噴霧装置においては、各種の農薬が使用され得る。これらの液体は、用途、場所に応じて適宜選択することができる。また、一方のノズルから気体を噴出し、それにより、他方のノズルから液体を吸い出して噴霧する装置の原理は公知であり、いわゆるベンチュリー効果を利用したものである。
本発明の液体噴霧機用ノズルの一実施態様を、図1に基づいて説明する。図1に示されている通り、2個の別個のプラスチック製ブロック(A,B)が噛み合わされて、本発明の液体噴霧機用ノズルが形成されている。図1には、2個の別個のプラスチック製ブロック(A,B)が噛み合わされた状態における正面図(I)、左側面図(II)及び平面図(III)が示されている。ここで、液体が吸い出されるノズル(1)及び気体を噴出させるノズル(2)、並びに、液体が吸い出されるノズルへと続く管路(3)及び気体を噴出させるノズルへと続く管路(4)を破線で示した。プラスチック製ブロック(A)には、液体が吸い出されるノズル(1)が形成されており、一方、プラスチック製ブロック(B)には、気体を噴出させるノズル(2)が形成されている。液体が吸い出されるノズル(1)及び気体を噴出させるノズル(2)は、いずれも、ノズルの長さ方向に垂直な面で切断したときの断面の形状が略円形であり、その開口部の直径は0.2〜0.6mm、好ましくは0.3〜0.5ミリメートル、より好ましくは略0.4ミリメートルである。液体が吸い出されるノズル(1)において、その開口部の直径が上記下限未満では、噴霧する液体の種類によってはノズルが閉塞することがあり、また、ノズルの成形が容易ではなくなる。一方、上記上限を超えては、液体噴霧量が多くなるばかりで、本発明の液体噴霧機用ノズルの用途においては、余計な液体噴霧量のためにコスト高になる。また、液体を良好に噴霧し得ないことがある。気体を噴出させるノズル(2)においては、その開口部の直径が上記下限未満では、同様にノズルの成形が容易ではなくなり、上記上限を超えては、余計な気体噴出量のために、気体を送り出すポンプ等の所要電力量が増大してコスト高となる。液体が吸い出されるノズル(1)の長さは、好ましくは1.0〜3.0mm、より好ましくは2.0〜2.5mmである。上記上限を超えては、液体が吸い出されるノズル(1)へと続く管路(3)までの距離が長くなり、結果として、プラスチック製ブロック(A)自体の寸法が大きくなり過ぎて小型化、軽量化を達成することができなくなると共に、液体の噴霧が適切でなくなることがある。気体を噴出させるノズル(2)の長さは、好ましくは2.0mm以下、より好ましくは0.5〜1.5mmである。図1に示した本発明の液体噴霧機用ノズルの一実施態様においては、液体が吸い出されるノズル(1)の開口部は、図1の正面図(I)に示すように、頂部が僅かに突出しており、かつ、その頂部の角度が略120度であって、頂部は、気体を噴出させるノズル(2)の方向に僅かに偏っている。これにより、液体を良好に吸い出して噴霧することができる。
プラスチック製ブロック(A)には、液体が吸い出されるノズルへと続く管路(3)が、液体が吸い出されるノズル(1)に接続されて設けられている。ここで、該管路(3)は、該ノズル(1)と130〜140度、好ましくは略135度の角度で接続されている。上記の角度にすることによって、ノズル(1)及び管路(3)の成形時におけるピンの引抜を容易にし、そして、従って、ノズル(1)の成形を容易に達成することができる。液体が吸い出されるノズルへと続く管路(3)の液体の流れ方向に垂直な面で切断したときの該管路(3)の断面形状は、好ましくは円形である。管路(3)の最大直径は、好ましくは0.6〜2.0mm、より好ましくは0.8〜1.7mmである。一方、プラスチック製ブロック(B)には、気体を噴出させるノズルへと続く管路(4)が、気体を噴出させるノズル(2)に接続されて設けられている。ここで、該管路(4)は、該ノズル(2)と略一直線上に接続されている。気体を噴出させるノズルへと続く管路(4)の気体の流れ方向に垂直な面で切断したときの該管路(4)の断面形状は、好ましくは円形である。管路(4)の最大直径は、好ましくは0.6〜3.0mm、より好ましくは1.8〜2.2mmである。プラスチック製ブロック(A)及び(B)の寸法は、上記の液体が吸い出されるノズル(1)及びそれに続く管路(3)、並びに、気体を噴出させるノズル(2)及びそれに続く管路(4)の寸法に依存して決定される。好ましくは、これらの部分を含む最小の寸法に成形される。図1に記載した液体噴霧機用ノズルの一例を挙げれば、プラスチック製ブロック(A)及び(B)の長さが、いずれも約10.0mmであり、そのうち、プラスチック製ブロック(A)及び(B)の噛み合い部分の長さが、いずれも約5.0mmである。また、プラスチック製ブロック(A)及び(B)の噛み合い部分以外の部分は、通常、円筒形であって、プラスチック製ブロック(A)においては、その外径が約3.0mmであり、プラスチック製ブロック(B)においては、その外径が約4.0mmである。このように本発明の液体噴霧機用ノズルは著しく小型である。
プラスチック製ブロック(A)及び(B)は、2個のノズル、即ち、液体が吸い出されるノズルと気体を噴出させるノズルが互いに略垂直に配置され、かつ、その開口部が互いに近接するように、相互に噛み合って一体化され得る。このように、二つのプラスチック製ブロック(A)及び(B)を噛み合わせることにより、気体を噴出させるノズルへと続く管路(4)と液体が吸い出されるノズルへと続く管路(3)との角度が40〜50度となる。ここで、プラスチック製ブロック(A)及び(B)を一体化する方法に特に制限はない。図1に示されているように、一方のプラスチック製ブロックに凸部を設け、かつ、他方のプラスチック製ブロックに凹部を設けて噛み合わせる方法が成形も容易で、取り付けも簡単であり好ましい。また、これらのプラスチック製ブロックに使用されるプラスチックの種類には特に制限はないが、成形及び価格の観点から、好ましくはポリプロピレン等が使用される。
二つのプラスチック製ブロック(A)及び(B)の成形は、夫々別個に、従来公知の方法、即ち、射出成型により実施することができる。プラスチック製ブロック(A)について説明すれば、液体が吸い出されるノズル(1)及び液体が吸い出されるノズルへと続く管路(3)を形成するピンが所定の位置にセットされた金型内に、プラスチック製ブロック(A)の材料となるプラスチック、例えば、ポリプロピレンを射出し、最後に2個のピンを夫々両側に引き抜くことにより成形することができる。
本発明の液体噴霧機用ノズルは、少量、例えば、0.01〜0.05ミリリットル/秒、好ましくは、約0.03ミリリットル/秒の液体を噴霧する装置に適しており、例えば、小型の芳香発生装置、美顔装置、除菌装置又は農薬噴霧装置に使用することができる。液体が吸い出されるノズルへと続く管路に、噴霧する液体の貯槽からの配管、例えば、ゴムチューブを接続し、一方、気体を噴出させるノズルへと続く管路に、小型ポンプの吐出からの配管、例えば、ゴムチューブを接続して、小型ポンプを作動させることにより気体、例えば、空気を、気体を噴出させるノズルへと続く管路へと送り込むことによりノズルから噴出させて、液体を噴霧することができる。また、小型ポンプに制御装置を装備して所定時間毎に小型ポンプを作動させることにより、液体を所定時間毎、例えば、5〜10分間隔で噴霧することもできる。
本発明の液体噴霧機用ノズルは、2個のノズルの位置の微妙な調整の必要がなく、かつ、軽量及び小型であるばかりではなく、噴霧する液体による腐食が殆どないことから、今後、例えば、更衣室、トイレ等の小型芳香発生装置用のノズルとして、あるいは、美顔装置、除菌装置又は農薬噴霧装置用のノズルとしての利用が大いに期待される。
A 液体が吸い出されるノズルを備えたプラスチック製ブロック
B 気体を噴出させるノズルを備えたプラスチック製ブロック
I 2個の別個のプラスチック製ブロック(A,B)が噛み合わされた状態における正面図
II 2個の別個のプラスチック製ブロック(A,B)が噛み合わされた状態における左側面図
III 2個の別個のプラスチック製ブロック(A,B)が噛み合わされた状態における平面図
1 液体が吸い出されるノズル
2 気体を噴出させるノズル
3 液体が吸い出されるノズルへと続く管路
4 気体を噴出させるノズルへと続く管路
11 液体が吸い出されるノズル
12 空気が噴出されるノズル
13 ノズル固定装置
B 気体を噴出させるノズルを備えたプラスチック製ブロック
I 2個の別個のプラスチック製ブロック(A,B)が噛み合わされた状態における正面図
II 2個の別個のプラスチック製ブロック(A,B)が噛み合わされた状態における左側面図
III 2個の別個のプラスチック製ブロック(A,B)が噛み合わされた状態における平面図
1 液体が吸い出されるノズル
2 気体を噴出させるノズル
3 液体が吸い出されるノズルへと続く管路
4 気体を噴出させるノズルへと続く管路
11 液体が吸い出されるノズル
12 空気が噴出されるノズル
13 ノズル固定装置
Claims (4)
- 2個のノズルを、その開口部が互いに近接するように略垂直に配置して、一方のノズルから気体を噴出し、それにより、他方のノズルから液体を吸い出して、該液体を噴霧する液体噴霧機用ノズルであって、各ノズルが、夫々、別個のプラスチック製ブロック内に形成されており、これらのプラスチック製ブロックは、2個のノズルが互いに略垂直に配置され、かつ、その開口部が互いに近接するように、相互に噛み合って一体化され得るように形成されており、かつ、気体を噴出させるノズルへと続く管路が、該ノズルと略一直線上に接続されて同一のプラスチック製ブロック内に配置されており、他方、液体が吸い出されるノズルへと続く管路が、該ノズルと130〜140度の角度で接続されて同一のプラスチック製ブロック内に配置されており、ここで、気体を噴出させるノズル及び液体が吸い出されるノズルの開口部の直径が0.2〜0.6mmであり、かつ、気体を噴出させるノズルへと続く管路と液体が吸い出されるノズルへと続く管路との角度が40〜50度となるように、2個のプラスチック製ブロックが噛み合うことを特徴とする液体噴霧機用ノズル。
- 上記の気体を噴出させるノズルへと続く管路と液体が吸い出されるノズルへと続く管路との角度が略45度である、請求項1記載の液体噴霧機用ノズル。
- 上記の気体を噴出させるノズル及び液体が吸い出されるノズルの開口部の直径が、いずれも略0.4ミリメートルである、請求項1又は2記載の液体噴霧機用ノズル。
- 芳香発生装置、美顔装置、除菌装置又は農薬噴霧装置用の、請求項1〜3のいずれか一つに記載の液体噴霧機用ノズル。
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JP (1) | JP2014240061A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015073873A (ja) * | 2013-10-12 | 2015-04-20 | 東邦インターナショナル株式会社 | 小型液体噴霧装置 |
JP2022031794A (ja) * | 2018-11-28 | 2022-02-22 | 株式会社村田製作所 | 霧化器 |
CN114222593A (zh) * | 2019-07-30 | 2022-03-22 | 共立制药株式会社 | 液体喷雾装置 |
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2013
- 2013-06-12 JP JP2013124127A patent/JP2014240061A/ja active Pending
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JP2015073873A (ja) * | 2013-10-12 | 2015-04-20 | 東邦インターナショナル株式会社 | 小型液体噴霧装置 |
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