JP2014131480A - 回転機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
励磁コイルを巻装した固定子3と、該固定子3と所定の空隙を隔てて対向して回転する回転子4とを備えた回転機であって、前記固定子3は、ヨークに周方向に等間隔を保ち且つ半径方向に突出して複数の磁極ティース7を配列し、隣接する前記磁極ティース7間に励磁コイルを巻装するスロット9を形成し、該スロット9の前記ヨーク側における前記磁極ティース7間の中央部にヨーク肉厚拡張部12を形成した。ヨーク肉厚拡張部は、軸方向から見て円弧状の円弧面に内接する多角面で構成され、励磁コイルは、磁極ティースに装着されるボビンに巻装され、ボビンのヨーク側外周部がヨーク肉厚拡張部の形状に合わせてヨーク肉厚拡張部側を面取りした形状とされるとともに、ヨーク側外周部の面取り位置の内側まで前記励磁コイルが巻装されている。
【選択図】 図5
Description
通常、回転機の設計では、トルクの線形性を高くたもつために磁気飽和が強く生じないように磁極ティースやヨークの厚みを決定するようにしている。
ところが、ヨーク100の厚みが最小となる、隣接する磁極ティース102間の中央部はその肉厚Lybを減らすと磁気飽和が生じ易くなるためトルクの線形性を保つことが困難となる。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、トルク線形性を高く保ちながら小型化が可能な回転機を提供することを目的としている。
なおさらに、本発明の他の形態に係る回転機は、前記励磁コイルは、各磁極ティースに集中巻されていることを特徴としている。
図1は本発明を永久磁石式同期電動機に適用した場合の第1の実施形態を示す断面図である。この図1において、永久磁石式同期電動機1は表面磁石式同期回転機で構成されている。この永久磁石式回転機1は、円筒状の積層鋼板で形成された固定子3を有し、この固定子3の内周側には所定のエアギャップを介して対向する同様に積層鋼板で形成された回転子4が配置されている。この回転子4は回転軸5に支持されて回転自在に配置されている。
ヨーク6の内周面と隣接する磁極ティース7との間に励磁コイルを巻装するスロット9が形成され、このスロット9の内周側に開口部10が形成されている。
また、磁極ティース7は、一定幅を有する磁脚部7aと、この磁脚部7aの先端に形成された円周方向に突出する鍔部7bとでT字状に構成されている。
ここで、スロット9は、9角筒内面6aの角部すなわち隣接する磁極ティース7間の中央位置にヨーク肉厚拡張部12が形成されている。このヨーク肉厚拡張部12は、9角筒内面6aの角部に、隣接する内面に内接する円弧状の円弧面として形成されている。
このため、本発明によるヨーク6と、従来例のヨークとを同一外径として磁束密度を測定したところ、図3に示すように、本発明によるヨーク6では、ヨーク肉厚拡張部12を有することから、図3(a)に示すように、磁束密度が1.6T〜1.8Tとなる磁束飽和領域がヨーク肉厚拡張部12側の一部とその外側の一部とに形成されるだけであるが、9角筒内面6aの角部を有する従来例では、図3(b)に示すように、角部位置で内周面から外周面に至る長い磁束飽和領域が形成されている。この図3から明らかなように、ヨーク肉厚拡張部12を形成することにより、磁束密度の飽和を緩和することができ、ヨーク6の肉厚を減少させてもトルクの線形性を高く保つことが可能となる。
このように、上記第1の実施形態では、スロット9のヨーク6側に9角筒内面6aに内接する円弧状のヨーク肉厚拡張部12を形成することにより、9角筒内面6a同士を突き合わせて角部を有する従来の構造に比較して同一のヨーク外径でもヨーク6の最小肉厚Lyaを増加させることができる。このため、ヨークの最小肉厚部での磁束密度の飽和を緩和することができる。この結果、ヨーク6の外径を減少させることにより、ヨーク厚みを減少させても最小肉厚部の厚みを確保することができ、トルクの線形性を高く保持することができる。
この第2の実施形態では、ヨーク肉厚拡張部12の形状を円弧面状から平坦面状に変更したものである。
すなわち、第2の実施形態では、ヨーク肉厚拡張部12が、図4で拡大図示するように、軸方向から見て、9角筒内面6aの角部の頂点Pを通る二点鎖線図示の仮想円21における点Pでの接線と平行で、且つ内方側に形成された軸方向の平面によって形成されている。
また、上記第2の実施形態では、励磁コイル22を巻装するコイルボビン23のヨーク側端板部23bの外周端部をヨーク6の9角筒内面6aと平行に対向する面取り部23dが形成されている。このため、ヨーク側端板部23bの外周縁を、ヨーク肉厚拡張部12を形成したにもかかわらず、ヨーク肉厚拡張部12を形成しない従来例と同等のコイル装着面積を確保することができる。この結果、励磁コイル22の巻数を減少させる必要がなく、誘起電圧の低減を防止することができる。
この第3の実施形態では、固定子3の固定子コア8を所定数に分割した分割コアで構成するようにしたものである。
すなわち、第3の実施形態では、前述した第2の実施形態における固定子コア8を隣接する磁極ティース7間の中央位置すなわちヨーク肉厚拡張部12の中央位置で分割して9個の分割コア31としたことを除いては前述した第2の実施形態と同様の構成を有し、第2の実施形態との対応部分には同一符号を付し、その詳細説明はこれを省略する。
なお、上記実施形態においては、上記実施形態においては、固定子3の磁極ティース7及びスロット9を9個とした場合について説明したが、これに限定されるものではなく、固定子3のティース数及び回転子4の磁極数は任意に設定することができる。
さらに、上記第1〜第3の実施形態においては、ヨーク6の内周面が9角筒内面6aである場合について説明したが、これに限定されるものはなく、9角筒内面6aの各面を外径側に湾曲する湾曲面とするようにしてもよい。
Claims (5)
- 励磁コイルを巻装した固定子と、該固定子と所定の空隙を隔てて対向して回転する回転子とを備えた回転機であって、
前記固定子は、ヨークに周方向に等間隔を保ち且つ半径方向に突出して複数の磁極ティースを配列した固定子コアを有し、隣接する前記磁極ティース間に励磁コイルを巻装するスロットを形成し、該スロットの前記ヨーク側における前記磁極ティース間の円周方向中央部にヨーク肉厚拡張部を形成し、
該ヨーク肉厚拡張部は、軸方向から見て前記多角筒内面に内接する円弧状の円弧面で構成され、
前記励磁コイルは、磁極ティースに装着されるボビンに巻装され、該ボビンのヨーク側外周部が前記ヨーク肉厚拡張部の形状に合わせて前記ヨーク肉厚拡張部側を面取りした形状とされるとともに、前記ヨーク側外周部の前記面取り位置の内側まで前記励磁コイルが巻装されていることを特徴とする回転機。 - 励磁コイルを巻装した固定子と、該固定子と所定の空隙を隔てて対向して回転する回転子とを備えた回転機であって、
前記固定子は、ヨークに周方向に等間隔を保ち且つ半径方向に突出して複数の磁極ティースを配列した固定子コアを有し、隣接する前記磁極ティース間に励磁コイルを巻装するスロットを形成し、該スロットの前記ヨーク側における前記磁極ティース間の円周方向中央部にヨーク肉厚拡張部を形成し、
該ヨーク肉厚拡張部は、軸方向から見て円弧状の円弧面に内接する多角面で構成され、
前記励磁コイルは、磁極ティースに装着されるボビンに巻装され、該ボビンのヨーク側外周部が前記ヨーク肉厚拡張部の形状に合わせて前記ヨーク肉厚拡張部側を面取りした形状とされるとともに、前記ヨーク側外周部の前記面取り位置の内側まで前記励磁コイルが巻装されていることを特徴とする回転機。 - 前記ヨーク肉厚拡張部は、前記ヨークの多角筒内面の角部に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の回転機。
- 前記固定子コアは、複数に分割された分割コアを連接して構成され、各分割コアのヨーク嵌合部の前記励磁コイル側端点が、前記ボビンのヨーク側端板部の内側面の延長線より外径側に位置するように設定されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の回転機。
- 前記励磁コイルは、各磁極ティースに集中巻されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の回転機。
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