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JP2014113109A - 培地交換システムおよび培地加温装置 - Google Patents

培地交換システムおよび培地加温装置 Download PDF

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JP2014113109A JP2012270649A JP2012270649A JP2014113109A JP 2014113109 A JP2014113109 A JP 2014113109A JP 2012270649 A JP2012270649 A JP 2012270649A JP 2012270649 A JP2012270649 A JP 2012270649A JP 2014113109 A JP2014113109 A JP 2014113109A
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信一 江渡
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Abstract

【課題】培地交換の際に培地容器から細胞培養容器へ送られている培地を加温する手段を備えることにより培地交換作業の省力化を図る。
【解決手段】培地交換システム10は、細胞培養容器11、培地容器12、細胞培養容器11と培地容器12とを接続する供給側送液チューブ26、供給側送液チューブ26を通じて培地を送液する供給側送液ポンプ25、供給側送液チューブ26を流れている培地を加温する加温装置23、排液容器13、細胞培養容器11と排液容器13とを接続する排出側送液チューブ27、排出側送液チューブ27を通じて培養液を送液する排出側送液ポンプ28を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、細胞培養技術に関する。詳細には、細胞培養容器内の培地の交換を省力化するための技術に関する。
細胞の培養において、細胞の栄養源として必要なのが「培地」である。特に、細胞を大量培養するにあたって、細胞の到達密度を向上させるために細胞の培地環境を至適に保つことが要求される。至適な培地環境を維持するためには、培養温度の制御、二酸化炭素供給による培地のpH制御、酸素または窒素供給による培地の溶存酸素濃度の制御、および培地の交換を適切に行わねばならない。そこで、培地の交換を省力化するために、細胞培養容器に新鮮な培地を供給することと細胞培養容器から使用済みの培養液を排出することとを行う装置が提案されている。
例えば、特許文献1では、細胞の培養容器へ酸素、二酸化炭素および窒素の各ガスと新鮮培地とを自動的に供給するように構成された連続培養ユニットが示されている。この連続培養ユニットは、細胞培養容器と、新鮮培地を収容した新鮮培地タンクと、細胞培養容器から排出された培地を収容する排液タンクと、新鮮培地タンクと細胞培養容器を接続しており供給ポンプおよびバルブを装備した配管と、細胞培養容器と排液タンクを接続しており排出ポンプを装備した配管とを備えている。また、例えば、特許文献2では、細胞培養容器へ新鮮培地を供給することと細胞培養容器から培地を排出することとを自動化した細胞培養容器の培地交換用システムが示されている。この培地交換用システムは、細胞培養容器と、培地収納容器と、廃培地収納容器と、培地収納容器と細胞培養容器を繋ぐ培地供給管と、細胞培養容器と廃培地収納容器を繋ぐ培地排出管と、培地供給管を通じて培地収納容器から細胞培養容器へ培地を送り出す送液ポンプとを備えている。
特開平7−8260号公報 特開2002−153256号公報
新鮮な培地は冷蔵庫で冷蔵保存されている。培地交換の際に、冷蔵庫から出した培地をそのまま細胞培養容器へ供給すると、細胞培養容器内の細胞が培地の冷たさでダメージを受けてしまう。このため、冷蔵庫から出した培地を温熱庫で一旦温めてから細胞培養容器へ供給している。そして、通常、培地が入った培地容器の冷蔵庫から温熱庫への移動、前述の培地供給装置への培地容器の装着は、作業者により行われている。
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、培地交換の際に培地容器から細胞培養容器へ送られている培地を加温する手段を備えることにより培地交換作業の省力化を図ることにある。
本発明に係る培地交換システムは、細胞を培養する細胞培養容器と、新鮮な培地を収容する培地容器と、培地容器を冷蔵する冷蔵庫と、前記培地容器と前記細胞培養容器とを接続する供給側送液チューブと、前記供給側送液チューブを通じて前記培地容器から前記細胞培養容器へ前記培地を送り出す供給側送液ポンプと、前記供給側送液チューブを流れている前記培地を加温する加温装置と、前記細胞培養容器から排出される培養液を収容する排液容器と、前記細胞培養容器と前記排液容器とを接続する排出側送液チューブと、前記排出側送液チューブを通じて前記細胞培養容器から前記排液容器へ前記培養液を送り出す排出側送液ポンプと、前記加温装置、前記供給側送液ポンプおよび前記排出側送液ポンプの動作を制御する制御装置とを備えているものである。
上記培地交換システムによれば、培地容器から細胞培養容器へ供給側送液チューブを通じて送液される培地は、送液される過程で加温装置により加温される。よって、培地交換作業の際に、培地容器を冷蔵庫から出したり温熱庫へ入れたりする作業が不要となり、培地交換作業の省力化を図ることができる。さらに、加温装置は供給側送液チューブを流れている培地を加温するので、培地を供給側送液チューブの内壁以外と接触させずに加温することができる。よって、コンタミネーションを防止したり、コンタミネーションを防止するために要するコストを削減したりすることができる。
本発明は、上記培地交換システムが、前記供給側送液チューブを流れている培地の温度を検出する送液温度センサを備えており、前記制御装置は、前記細胞培養容器に流入する前記培地が所定温度となるように前記送液温度センサの検出値に基づき前記加温装置の熱出力を調整するものである。
または、本発明は、上記培地交換システムが、前記供給側送液チューブを流れる培地の温度を検出する送液温度センサを備えており、前記制御装置は、前記細胞培養容器に流入する前記培地が所定温度となるように前記送液温度センサの検出値に基づき前記供給側送液ポンプの送液流量を調整するものである。
または、本発明は、上記培地交換システムが、前記供給側送液チューブを流れる培地の温度を検出する送液温度センサを備えており、前記制御装置は、前記細胞培養容器に流入する前記培地が所定温度となるように前記送液温度センサの検出値に基づき前記加温装置の熱出力と前記供給側送液ポンプの送液流量とを調整するものである。
上記いずれの構成においても、細胞培養容器に流入する新鮮な培地を細胞培養に好適な所定温度とすることができる。よって、培地の交換に際して細胞培養容器内の培地の温度変化を抑制することが可能となり、細胞培養容器内の培地の環境を至適に維持することができる。さらに、加温装置の熱出力および供給側送液ポンプの送液流量のうちいずれか一方を調整する構成であれば、制御を単純化することができる。一方、加温装置の熱出力および供給側送液ポンプの送液流量の両方を調整する構成であれば、細胞培養容器に流入する培地の温度調整をより精確なものとすることができる。
本発明は上記培地交換システムにおいて、前記制御装置が、前記供給側送液ポンプ及び前記排出側送液ポンプの送液流量が等しくなるようにこれらの送液ポンプを制御するものである。
上記構成により、細胞培養容器に流入する新鮮な培地の量と細胞培養容器から排出される培養液の量とをほぼ同じにすることができ、細胞培養容器内の培地量の変動を抑制することができる。これにより、細胞培養容器内の培地の環境を至適に維持することができる。
本発明は上記培地交換システムにおいて、前記培地容器を秤量する秤量器を備えており、前記制御装置は、前記培地容器の重量変化から前記培地の送液流量を検出するものである。
上記構成によれば、制御装置は培地容器の培地の重量変化で培地の送液流量を検出するので、使用する供給側送液チューブの径や種類、メーカーなどが限定されず高い汎用性を備えることができる。また、使用する供給側送液ポンプの規格、メーカーなどが限定されず高い汎用性を備えることができる。
本発明は上記培地交換システムにおいて、前記加温装置が、前記供給側送液チューブの前記供給側送液ポンプよりも上流側に設けられているものである。
上記構成によれば、細胞培養容器へ流入する培地の量をより精確に調整することが可能となる。
また、本発明は上記培地交換システムにおいて、前記供給側送液チューブの前記加温装置よりも上流側に介挿されたバッファ容器と、前記供給側送液チューブの前記加温装置よりも下流側に介挿された三方弁と、前記三方弁と前記バッファ容器とを接続する還流用送液チューブとを更に備えており、前記供給側送液ポンプは、前記供給側送液チューブの前記バッファ容器よりも上流側に設けられた第1の送液ポンプと、前記供給側送液チューブの前記バッファ容器と前記三方弁の間に設けられた第2の送液ポンプとを含んでいるものである。
ここで、前記制御装置が、前記細胞培養容器に流入する前記培地が前記所定温度に満たないときに前記還流用送液チューブを介して前記バッファ容器へ前記培地を還流させるように前記三方弁を制御することがよい。
上記構成によれば、培地が所定温度となるまで加温装置を含む回路を循環して加温される。よって、供給側送液チューブに残っていた培地や不十分に加温された培地などの所定の供給目標温度よりも低い培地が細胞培養容器へ流入することを回避することができる。
また、本発明は、送液チューブ内を送液される培地を加温するための培地加温装置であって、前記送液チューブの導入口および導出口が設けられているとともに、内部に前記導入口及び前記導出口と連通している加温空間を有する筐体と、前記加温空間を加温する発熱体とを備えているものである。
上記培地加温装置において、送液チューブを導入口から加温空間に導入し、導出口から導出するように配置すれば、送液チューブが加温空間内で加温される。これにより、送液チューブを流れる培地が加温される。このとき、培地は送液チューブの内壁としか接触しないので、コンタミネーションを防止したり、コンタミネーションを防止するために要するコストを削減したりすることができる。さらに、加温空間で加温される送液チューブの径や長さが限定されず、様々な送液チューブに対する高い汎用性を備えている。
本発明は前記培地加温装置において、前記加温空間に前記送液チューブを絡ませるための1以上の支柱が設けられているものである。
上記構成によれば、加温空間に導入した送液チューブを支柱に絡ませて、送液チューブの加温経路長をより長く確保することができる。しかも、支柱により送液チューブが不規則に自身で絡まることを防止できる。
本発明は前記培地加温装置において、前記発熱体が、前記筐体の内壁面および前記支柱の内部に設けられているものである。
上記構成によれば、送液チューブは加温空間の雰囲気に加えて自身が絡んで一部接触している支柱からも加温される。これにより、より効果的に送液チューブ内の培地を加温することができる。
本発明によれば、培地容器から細胞培養容器へ送液チューブを通じて送液される培地は、送液される過程で加温装置により加温される。よって、培地交換作業の際に、培地容器を冷蔵庫から出したり温熱庫へ入れたりする作業が不要となり、培地交換作業の省力化を図ることができる。
本発明の一実施形態に係る培地交換システムの概略構成を示す図である。 培地交換システムの基本構成を示すブロック図である。 加温装置の概略構成を示す斜視図である。 温度計測継手の構成を示す軸方向の断面図である。 制御装置の処理の流れを示すフローチャートである。 制御装置による加温装置の熱出力の調整の流れを示すフローチャートである。 制御装置による送液側供給ポンプの送液流量の調整の流れを示すフローチャートである。 変形例1に係る培地交換システムの制御装置の処理の流れを示すフローチャートである。 変形例2に係る培地交換システムの制御装置の処理の流れを示すフローチャートである。 変形例3に係る培地交換システムの基本構成を示すブロック図である。 変形例3に係る培地交換システムの制御装置の処理の流れを示すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の一実施形態に係る培地交換システムの概略構成を示す図であり、図2は培地交換システムの基本構成を示すブロック図である。図1および2に示す培地交換システム10は、培地容器12から細胞培養容器11へ新鮮な培地を供給し、細胞培養容器11から排液容器13へ使用済みの培養液を排出するものである。
本実施の形態に係る培地交換システム10は、細胞培養容器11、培地容器12、排液容器13、秤量器22、加温装置23、送液温度センサ24、供給側送液ポンプ25、供給側送液チューブ26、排出側送液チューブ27、排出側送液ポンプ28、および制御装置30等で構成されている。以下、培地交換システム10の各構成要素について詳細に説明する。
〔細胞培養容器11〕
本実施の形態に係る細胞培養容器11はシングルユースの細胞培養バッグであって、一度使用されたのち廃棄される。細胞培養バッグは主に浮遊細胞の培養に広く利用されている。細胞培養バッグの大きさは培養する細胞によって種々の大きさのものがあるが、容量は2〜100L程度である。細胞培養容器11には、供給ポート111と排出ポート112がそれぞれ設けられている。また、細胞培養容器11内には溶物質は透過し細胞は透過しないフィルタ(図示せず)が備えられている。このフィルタにより、排出ポート112からは培養液のみが排出され、細胞は細胞培養容器11内に残留するようになっている。図示しないが、細胞培養容器11には気体を通気させるための給気ポートと排気ポート、その他サンプルポートなどが設けられている。また、図示しないが、細胞培養容器11は振とう台に載置されており、細胞を培養する際には振とう台が適宜角度と回数でロッキングすることにより細胞培養容器11内の培養液を振とうさせるようにしている。
〔培地容器12,排液容器13〕
培地容器12は、新鮮な培地が収容された容器である。一方、排液容器13は、細胞培養容器11で使用された培養液を収容する容器である。これらの容器12,13は、例えば樹脂製ボトル、ガラス製ボトル、樹脂製バッグなどの液体を収容可能な容器であって、送液チューブの接続部が設けられている。
培地容器12は新鮮な培地の保存に適した温度に保たれた冷蔵庫21の庫内に配置されている。そして、冷蔵庫21の庫内には、培地容器12に収容された培地の重量変化を検出するために、培地容器12の重量を秤量する秤量器22が設けられている。秤量器22は制御装置30と有線または無線で電気的に接続されており、秤量器22の秤量結果は制御装置30へ伝達される。
〔供給側送液チューブ26,排出側送液チューブ27〕
供給側送液チューブ26は、細胞培養容器11の供給ポート111と培地容器12とを接続している。また、排出側送液チューブ27は、細胞培養容器11の排出ポート112と排液容器13とを接続している。これらの送液チューブ26,27は、基本的にシングルユースであって一度使用されたのち廃棄される。供給側送液チューブ26と排出側送液チューブ27はいずれも柔らかく弾力性のある送液用のチューブである。このような特性を有するチューブは、例えばシリコンチューブ、テフロン(登録商標)チューブなどがある。なお、後述する制御装置30による制御を簡易とするために、供給側送液チューブ26と排出側送液チューブ27は原則として同じ型(つまり、同じ径且つ同じ素材)のチューブが用いられる。
〔供給側送液ポンプ25,排出側送液ポンプ28〕
供給側送液ポンプ25は、供給側送液チューブ26の送液経路上に設けられている。供給側送液ポンプ25は、供給側送液チューブ26を通じて培地容器12内の培地を細胞培養容器11へ送り出すものである。一方、排出側送液ポンプ28は、排出側送液チューブ27の送液経路上に設けられている。排出側送液ポンプ28は、排出側送液チューブ27を通じて細胞培養容器11内の培養液を排液容器13へ送り出すものである。これらの送液ポンプ25,28はいずれもチューブポンプ(ペリスタポンプ)である。一般的なチューブポンプは、回転するロータに支承されたローラが弾性のあるチューブの一点を押し潰しながら移動することによって、チューブ内部の液体を押し出すような仕組みとなっている。このようなチューブポンプでは、ロータを回転駆動するモータの回転数を変化させることにより送液流量を変化させることができる。これらの送液ポンプ25,28はいずれも制御装置30と有線または無線で電気的に接続されており、これらの送液ポンプ25,28の動作は制御装置30により制御されている。なお、後述する制御装置30による制御を簡易とするために、供給側送液ポンプ25と排出側送液ポンプ28は原則として同じ型のものが用いられる。
〔加温装置23〕
加温装置23は、供給側送液チューブ26内を流れている培地を、供給側送液チューブ26の外から加温するための装置である。したがって、冷蔵庫21で冷蔵されていた培地は、供給側送液チューブ26を流れるうちに加温装置23で加温されて、所定の温度になってから細胞培養容器11へ流入することとなる。加温装置23は、培地容器12から細胞培養容器11へ供給側送液チューブ26で送られる培地の流れにおいて、供給側送液ポンプ25の上流側または下流側に設けられる。ただし、細胞培養容器11へ流入する培地の流量を精確にするためには、加温装置23が供給側送液ポンプ25よりも上流側に設けられることが望ましい。
図3は加温装置の概略構成を示す斜視図である。同図に示すように、加温装置23は開閉可能な蓋を有する筐体31を備えている。筐体31の内部は、供給側送液チューブ26を加温するための加温空間39となっている。筐体31の壁面には、供給側送液チューブ26の導入口31aと導出口31bとがそれぞれ設けられている。導入口31aと導出口31bはいずれも壁面の上縁を一部切り欠くようにして形成されている。これにより、筐体31の蓋を開ければ、導入口31aから筐体31内の加温空間39に供給側送液チューブ26の一部を引き込み、導出口31bから供給側送液チューブ26を引き出すことができる。
筐体31内の加温空間39には、筐体31内に引き込んだ供給側送液チューブ26を絡ませるための1以上の支柱34が設けられている。なお、図3に示す加温装置23は、一例として合計4本の支柱34,34,,を備えている。供給側送液チューブ26は、例えば、支柱34にコイル状に重ならないように複数周巻き付けたり2本の支柱34,34間を渡したりすることによって、支柱34に絡ませることができる。
筐体31には、加温空間39を加温する発熱体35が設けられている。加温空間39の温度分布が均一となるように、筐体31の全ての内壁に面状発熱体が設けられている。これらの発熱体により、加温空間39の空気が温められる。さらに、各支柱34の内部にも発熱体が設けられている。これらの発熱体により、各支柱34が発熱している。このように発熱体が設けられることによって、供給側送液チューブ26は加温空間39の雰囲気に加えて自身が絡んで一部接触している支柱34からも加温される。供給側送液チューブ26が支柱34からも加温されることにより、より効果的に供給側送液チューブ26内の培地を加温することができる。
加温装置23は、上述の発熱体35の熱出力を制御するために、加温空間39の温度を検出するための温度センサ36と、温度調節器33とを備えている。温度調節器33は、温度センサ36からの情報を入力して加温空間39内の温度状況を把握し、必要に応じて発熱体35の熱出力を調整することで、加温空間39の温度を設定値に保つように制御する。温度調節器33は、制御装置30と有線または無線で電気的に接続されており、制御装置30より温度調節器33へ加温空間39の温度の設定値が入力される。
上記構成の加温装置23では、供給側送液チューブ26を通過する培地をチューブの外から加温するようにして、供給側送液チューブ26を加温装置23へ容易に着脱できるようにしている。また、加温装置23では、前述のように供給側送液チューブ26を支柱34に絡ませることによって、加温空間39内での供給側送液チューブ26の長さ、すなわち、供給側送液チューブ26の加温経路長をより長く確保している。さらに、供給側送液チューブ26を支柱34に絡ませて案内することにより、供給側送液チューブ26が不規則に自身で絡まることを防止している。加えて、加温空間39に設けられた支柱34は、供給側送液チューブ26の内径外径の大小、長短、および素材にかかわらず、供給側送液チューブ26を絡ませることができるようにしている。このように、加温装置23は径や長さや素材の異なる供給側送液チューブ26を受け入れることができるので、種々の送液チューブに対して高い汎用性を備えている。特に近年の細胞培養では、コンタミネーションを防止したりコストを削減したりするために送液チューブはシングルユースであることが多い。使用される送液チューブは作業者が選択するが、作業者ごとにまた培養する細胞ごとに選択される送液チューブのサイズや種類、メーカー等が異なる。このような事情を鑑みれば、加温装置23が種々の送液チューブに対して高い汎用性を備えることは、培地交換の自動化を実現するために重要である。
〔送液温度センサ24〕
送液温度センサ24は、供給側送液チューブ26内を通じる培地の温度を検出するためのものである。送液温度センサ24は、培地容器12から細胞培養容器11へ送られる培地の流れにおいて供給側送液ポンプ25よりも下流側であって細胞培養容器11の供給ポート111の近傍で送液の温度を検出することが望ましい。これにより、細胞培養容器11へ送られる培地の温度をより精確に調整することが可能となる。
送液温度センサ24は、供給側送液チューブ26に介挿された温度計測継手29に設けられている。図4は温度計測継手29の構成を示す軸方向の断面図である。同図に示すように、温度計測継手29は両端開放の筒状体であって、その内周面に送液温度センサ24が露出している。温度計測継手29には両側から供給側送液チューブ26が挿入されており、この結果、供給側送液チューブ26に温度計測継手29が介挿された状態となっている。なお、温度計測継手29は高温洗浄および滅菌消毒可能な材料から成り、繰り返し使うことができる。ただし、温度計測継手29はシングルユースとしてもよい。
上記構成の送液温度センサ24は、温度計測継手29内を通過する液体の温度を検出することができる。送液温度センサ24は制御装置30と有線または無線で電気的に接続されており、送液温度センサ24の検出出力は制御装置30へ伝達される。
〔制御装置30〕
制御装置30は、培地交換システム10の動作を制御するものである。制御装置30は、演算処理を行う処理部、プログラムが記憶された記憶部、入力部、出力部(いずれも図示せず)などを備えている。制御装置30の入力部では、秤量器22から培地容器12の重量、送液温度センサ24から送液される培地の温度などの各種情報を得る。制御装置30の出力部では、加温装置23、供給側送液ポンプ25および排出側送液ポンプ28に信号を出力してこれらを動作させる。また、制御装置30はユーザインターフェース38と接続されている。制御装置30は、ユーザインターフェース38を介して処理に必要な各種情報を設定したり警報表示させたりすることができる。このような制御装置30は、例えば、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、コンピュータなどを用いることができる。
〔培地交換システム10の動作〕
次に、培地交換システム10の動作について、使用方法および制御装置30による制御の流れと併せて説明する。
培地交換システム10を使用するにあたり、まず、作業者は配管を行う。具体的には、以下の作業を行う。培地容器12と細胞培養容器11とを供給側送液チューブ26で接続し、細胞培養容器11と排液容器13とを排出側送液チューブ27で接続する。続いて、これらの送液チューブ26,27をそれぞれ送液ポンプ25,28に取り付ける。ここで、供給側送液チューブ26を、その途中で加温装置23の筐体31内の加温空間39に引き込み、複数の支柱34に絡ませる。望ましくは、供給側送液チューブ26を各支柱34に重ならないようにコイル状に複数周巻き付けて、供給側送液チューブ26の加温空間39内での長さを十分に確保する。さらに、供給側送液チューブ26に温度計測継手29を介挿する。
次に、作業者は制御装置30に培地供給目標温度、培地供給目標流量、培地総供給量、培地交換間隔を設定する。培地供給目標温度は、細胞培養容器11に流入する培地の温度の目標値である。培地供給目標温度は、例えば、34〜37℃の細胞培養に適した温度である。培地供給目標流量は、単位時間あたりに細胞培養容器11へ流入する培地重量の目標値である。培地供給目標流量は、培養される細胞や培養条件等により異なるが、例えば50〜500g/minとすることができる。培地総供給量は、1回の培地交換で細胞培養容器11へ供給する培地の総重量である。1回の培地交換で交換される培地の量は細胞の培養段階や培養条件により異なるが、例えば、細胞培養容器11の培養容量の1/3〜2倍に相当する培地の重量とすることができる。培地交換間隔は培地交換を行う間隔であり、例えば、1/2〜1日に1回の頻度で培地交換を行うことができる。なお、ここでは断続的に培地交換を行う例を説明しているが、培地交換は連続的に行ってもよい。
続いて、作業者は制御装置30に加温装置23の初期設定温度および熱出力調整時の減少量と増加量、供給側送液ポンプ25の初期設定値および送液流量調整時の減少量と増加量、送液流量速度のリミッタ値などを設定する。加温装置23の初期設定温度は、加温装置23の運転開始時の温度調節器33の設定値である。加温装置23の初期設定温度は、培地供給目標温度や供給側送液チューブ26の耐熱温度に応じて定めることができる。供給側送液ポンプ25の初期設定値は、供給側送液ポンプ25の運転開始時のモータ回転数の設定値である。供給側送液ポンプ25の初期設定値は、培地供給目標流量や供給側送液ポンプ25の規格に応じて定めることができる。
作業者がシステム電源をオンに切り替えると、制御装置30に設定された培地供給目標温度、培地供給目標流量、培地総供給量および培地交換間隔にしたがって、自動的に培地の交換が行われる。制御装置30は、送液温度センサ24の検出値に基づき、加温装置23の熱出力と供給側送液ポンプ25の送液流量とを調整することにより、培地供給目標温度且つ培地供給目標流量の培地が細胞培養容器11へ送液されるように制御する。さらに、制御装置30は、細胞培養容器11へ供給される新鮮な培地の量と細胞培養容器11から排出される培養液の量を等しくするために、排出側送液ポンプ28と供給側送液ポンプ25とを同期させるように制御する。これにより、細胞培養容器11内の培地量の変動を抑制して、至適な細胞培養環境を維持することができる。
図5は制御装置30の処理の流れを示すフローチャートである。以下では、制御装置30が行う処理の流れを図5を参照しながら詳細に説明する。
はじめに、制御装置30は、内蔵された時計で設定された培地交換間隔の経過を検出する(ステップS01)。制御装置30は、培地交換タイミングとなると(ステップS01でYes)、加温装置23の指令値を初期設定温度とする(ステップS02)。指令を受けた加温装置23では、温度調節器33の設定値を初期設定温度とし、温度調節器33が温度センサ36の検出値に基づき発熱体35の出力を調整する。これにより、やがて加温空間39の温度は初期設定温度となる。続いて、制御装置30は、供給側送液ポンプ25と排出側送液ポンプ28の指令値をいずれも初期設定値とする(ステップS03)。指令を受けた供給側送液ポンプ25と排出側送液ポンプ28は、モータ回転数の設定値を初期設定値とし、モータを駆動する。これにより、供給側送液ポンプ25と排出側送液ポンプ28は送液を開始する。
次に、制御装置30は加温装置23の熱出力の調整を行う(ステップS04)。以下では、制御装置30による加温装置23の熱出力の調整について、図6を用いて詳細に説明する。図6は制御装置30による加温装置23の熱出力の調整の流れを示すフローチャートである。
はじめに、制御装置30は培地の送液温度と培地供給目標温度とを比較する(ステップS11)。ここで制御装置30は、送液温度センサ24の検出値から培地の送液温度を取得し、培地の送液温度と培地供給目標温度とを比較する。培地の送液温度が培地供給目標温度と等しいか所定の許容誤差範囲内であれば(ステップS11でYes)、制御装置30は加温装置23に与えている現行の指令値を継続する(ステップS12)。
一方、培地の送液温度が培地供給目標温度より大きい場合は(ステップS11でNo,ステップS13でYes)、制御装置30は加温装置23に与えている現行の指令値を所定の減少量だけ減少させた新たな指令値を作り、新たな指令値を加温装置23に出す(ステップS14)。この所定の減少量とは、培地の送液温度と培地供給目標温度より定まる値であり、例えばこれらの温度差が0.1℃あたり加温空間39の温度が1℃下がるような、温度調節器33の設定値の減少量である。
また、培地の送液温度が培地供給目標温度より小さい場合は(ステップS11でNo,ステップS13でNo)、制御装置30は加温装置23に与えている現行の指令値を所定の増加量だけ増加させた新たな指令値を作り、新たな指令値を加温装置23に出す(ステップS15)。この所定の増加量とは、培地の送液温度と培地供給目標温度より定まる値であり、例えばこれらの温度差が0.1℃あたり加温空間39の温度が1℃上がるような、温度調節器33の設定値の増加量である。指令を受けた加温装置23は新たな指令値を温度調節器33の設定値とし、温度調節器33が温度センサ36の検出値に基づき発熱体35の出力を調整する。続いて、制御装置30は現行の指令値と、加温上限温度とを比較する(ステップS16)。加温上限温度とは、加温空間39の最大許容温度であって供給側送液チューブ26の耐熱温度により定まる値である。加温上限温度は、例えば45℃である。新たな指令値が加温上限温度より大きい場合は(ステップS16でYes)、制御装置30は加温上限温度を指令値として加温装置23に出す(ステップS17)。指令を受けた加温装置23は指令値を温度調節器33の設定値とし、温度調節器33が温度センサ36の検出値に基づき発熱体35の出力を調整する。このようにして、加温空間39の温度が加温上限温度を超えないように制御される。
以上のステップS11〜ステップS17の流れで加温装置23の熱出力を制御し、培地の送液温度を調整する。一回の制御ループでは培地の送液温度は培地供給目標温度まで到達することが難しいが、何度も制御ループを繰り返すうちに培地の送液温度が培地供給目標温度に落ち着くようになる。
図5のフローチャートに戻って、制御装置30は供給側送液ポンプ25の送液流量の調整を行う(ステップS05)。なお、ステップS04とステップS05はどちらを先に行ってもかまわない。以下では、制御装置30による供給側送液ポンプ25の送液流量の調整について、図7を用いて詳細に説明する。図7は制御装置による送液側供給ポンプの送液流量の調整の流れを示すフローチャートである。
はじめに、制御装置30は培地の送液流量と培地供給目標流量とを比較する(ステップS21)。ここで制御装置30は、秤量器22の検出値の単位時間当たりの変化から培地の送液流量を求め、培地供給目標流量と比較する。培地の送液流量が培地供給目標流量と等しければ(ステップS21でYes)、制御装置30は供給側送液ポンプ25に与えている現行の指令値を継続する(ステップS28)。
一方、培地の送液流量が培地供給目標流量より大きいときには(ステップS21でNo、ステップS23でYes)、制御装置30は供給側送液ポンプ25の現行の指令値を所定の減少量だけ減少させた新たな指令値を作り、新たな指令値を供給側送液ポンプ25へ出す(ステップS24)。この所定の減少量とは、送液流量が徐々に減少するような小刻みの減少量であり、予め制御装置30に設定されている。指令を受けた供給側送液ポンプ25は、指令値をモータ回転数の設定値としてモータを駆動する。これにより培地の送液流量が減少する。
逆に培地の送液流量が培地供給目標流量より小さいときには(ステップS21でNo、ステップS23でNo)、制御装置30は供給側送液ポンプ25の現行の指令値を所定の増加量で増加させた新たな指令値を作り、新たな指令値を供給側送液ポンプ25へ出す(ステップS25)。この所定の増加量とは、培地の送液流量が徐々に増加するような小刻みの増加量であり、予め制御装置30に設定されている。指令を受けた供給側送液ポンプ25は、指令値をモータ回転数の設定値としてモータを駆動する。これにより培地の送液流量が増加する。なお、培地の送液流量の急激な上昇による培地の送液温度の急激な低下を防止するために、送液流量加速度に制限が設けられている。制御装置30は培地の送液流量加速度と予め設定されたリミッタ値とを比較する(ステップS26)。ここで制御装置30は、秤量器22から取得した培地容器12の重量変化から培地の送液流量と送液流量加速度とを算出し、送液流量加速度とリミッタ値とを比較する。リミッタ値は、培地の送液流量の急激な上昇を防止できる値であり、細胞培養容器11の培地容量や培養細胞の種類などに応じて適宜定められる。送液流量加速度がリミッタ値を超えた場合は(ステップS26でYes)、ステップS25で更新する前の指令値を、単位時間当たりの流量増加量がリミッタ値となるように、リミッタ値に相当する分だけ増加させた新たな指令値を作り、この新たな指令値を供給側送液ポンプ25へ出す(ステップS27)。
以上のステップS21〜ステップS27の流れで培地の送液流量の制御を行う。一回の制御ループでは培地の送液流量は培地供給目標流量となることが難しいが、何度も制御ループを繰り返すうちに培地の送液流量が培地供給目標流量に落ち着くようになる。
図5のフローチャートに戻って、制御装置30は排出側送液ポンプ28の指令値を供給側送液ポンプ25の現行の指令値とする(ステップS06)。指令を受けた排出側送液ポンプ28は、供給側送液ポンプ25の現行の指令値をモータ回転数の設定値とする。これにより、供給側送液ポンプ25と排出側送液ポンプ28の設定値が等しくなり、供給側送液ポンプ25と排出側送液ポンプ28の送液流量が等しくなる。この結果、細胞培養容器11に流入する新鮮な培地の量と細胞培養容器11から排出される培養液の量とをほぼ同じにすることができ、細胞培養容器11内の培地量の変動を抑制することができる。
最後に、制御装置30は、送液量と設定された培地総供給量とを比較する(ステップS07)。ここで、制御装置30は秤量器22の検出値の変化から培地の供給を開始してからの送液量を算出し、この送液量と設定された培地総供給量とを比較する。そして、制御装置30は送液量が培地総供給量に至るまで(ステップS07でYes)、ステップS04からステップS07の処理を繰り返す。以上の制御装置30の処理により、予め設定された培地総供給量の培地が細胞培養容器11へ供給されるとともに、培地総供給量と同じ量の培養液が細胞培養容器11から排出される。
以上説明した培地交換システム10によれば、培地容器12から細胞培養容器11へ供給側送液チューブ26を通じて送液される培地は、送液される過程で加温装置23により加温される。つまり、冷蔵されている培地を事前に加温する必要がない。よって、培地交換作業の際に、培地容器12を冷蔵庫から出したり温熱庫へ入れたりする作業が不要となり、培地交換作業の省力化を図ることができる。
また、上述の培地交換システム10では、細胞培養容器11に流入する新鮮な培地を細胞培養に好適な所定温度とすることができる。よって、培地の交換に際して細胞培養容器11内の培地の温度変化を抑制することが可能となり、細胞培養容器11内の培地の環境を至適に維持することができる。
さらに、上述の培地交換システム10では、制御装置30は培地容器12の培地の重量変化で培地の送液流量を検出するので、使用する供給側送液チューブ26の径や種類、メーカーなどが限定されず高い汎用性を備えることができる。同じ理由で、使用する供給側送液ポンプ25の規格、メーカーなどが限定されず高い汎用性を備えることができる。
〔変形例1〕
次に、上記実施形態の変形例1を説明する。上記実施形態では、制御装置30は加温装置23の熱出力および供給側送液ポンプ25の送液流量の両方を変化させる制御を行っている。ただし、制御装置30の制御を簡易とするために、加温装置23の熱出力を一定とし、供給側送液ポンプ25の送液流量のみを変化させる制御を行うこともできる。なお、本変形例の説明においては、前述の実施形態と異なる制御装置30の処理の流れのみを説明し、培地交換システム10の構成や制御に係る共通する用語の説明は省略する。
作業者がシステム電源をオンに切り替えると、制御装置30に設定された培地供給目標温度、培地供給目標流量、培地総供給量および培地交換間隔にしたがって、自動的に培地の交換が行われる。制御装置30は、送液温度センサ24の検出値に基づき、供給側送液ポンプ25の送液流量を調整することにより、培地供給目標温度を優先させたうえで、培地供給目標流量の培地が細胞培養容器11へ送液されるように制御する。さらに、制御装置30は、細胞培養容器11へ供給される新鮮な培地の量と細胞培養容器11から排出される培養液の量を等しくするために、排出側送液ポンプ28と供給側送液ポンプ25とを同期させるように制御する。
図8は変形例1に係る培地交換システムの制御装置の処理の流れを示すフローチャートである。以下では、図8を参照しながら制御装置30が行う処理について説明する。
はじめに、制御装置30は、内蔵された時計で設定された培地交換間隔の経過を検出する(ステップS41)。制御装置30は、培地交換タイミングとなると(ステップS41でYes)、加温装置23の指令値を初期設定温度とする(ステップS42)。指令を受けた加温装置23では、温度調節器33の設定値を初期設定温度とし、温度調節器33が温度センサ36の検出値に基づき発熱体35の出力を調整する。これにより、やがて加温空間39の温度は初期設定温度となる。初期設定温度は、加温上限温度かそれに近い十分に高い温度であることが望ましい。
次に、制御装置30は、供給側送液ポンプ25と排出側送液ポンプ28の指令値をいずれも初期設定値とする(ステップS43)。指令を受けた供給側送液ポンプ25と排出側送液ポンプ28は、モータ回転数の設定値を初期設定値とし、モータを駆動する。これにより、供給側送液ポンプ25と排出側送液ポンプ28は送液を開始する。
続いて、制御装置30は、培地の送液温度と培地供給目標温度とを比較する(ステップS44)。ここで制御装置30は、送液温度センサ24の検出値から培地の送液温度を取得し、培地の送液温度と培地供給目標温度とを比較する。培地の送液温度が培地供給目標温度と等しいか所定の許容誤差範囲内であれば(ステップS44でYes)、制御装置30は供給側送液ポンプ25に与えている現行の指令値を継続する(ステップS45)。
一方、培地の送液温度が培地供給目標温度より小さい場合は(ステップS44でNo,ステップS46でYes)、制御装置30は供給側送液ポンプ25に与えている現行の指令値を所定の減少量だけ減少させた新たな指令値を作り、新たな指令値を供給側送液ポンプ25に出す(ステップS47)。この所定の減少量とは、送液流量が徐々に減少するような小刻みの減少量であり、予め制御装置30に設定されている。指令を受けた供給側送液ポンプ25は、指令値をモータ回転数の設定値としてモータを駆動する。これにより培地の送液流量が減少する。
また、培地の送液温度が培地供給目標温度より大きい場合は(ステップS44でNo,ステップS46でNo)、制御装置30は供給側送液ポンプ25に与えている現行の指令値を所定の増加量だけ増加させた新たな指令値を作り、新たな指令値を供給側送液ポンプ25へ出す(ステップS48)。この所定の増加量とは、培地の送液流量が徐々に増加するような小刻みの増加量であり、予め制御装置30に設定されている。指令を受けた供給側送液ポンプ25は、指令値をモータ回転数の設定値としてモータを駆動する。これにより培地の送液流量が増加する。なお、培地の送液流量の急激な上昇による培地の送液温度の急激な低下を防止するために、送液流量加速度に制限が設けられている。制御装置30は培地の送液流量加速度と予め設定されたリミッタ値とを比較する(ステップS49)。ここで制御装置30は、秤量器22から取得した培地容器12の重量変化から培地の送液流量と送液流量加速度とを算出し、送液流量加速度とリミッタ値とを比較する。送液流量加速度がリミッタ値を超えた場合は(ステップS49でYes)、ステップS48で更新する前の指令値を、単位時間当たりの流量増加量がリミッタ値となるように、リミッタ値に相当する分だけ増加させた新たな指令値を作り、この新たな指令値を供給側送液ポンプ25へ出す(ステップS50)。
以上のステップS44からステップS50の流れで、培地の送液温度の確保を優先させつつ、培地の送液流量が培地供給目標流量を大幅に超えないように、培地が細胞培養容器11へ送液される。上記培地の送液流量の制御では、一回の制御ループでは培地の送液流量は培地供給目標流量となることが難しいが、何度も制御ループを繰り返すうちに培地の送液流量が培地供給目標流量に落ち着くようになる。
続いて、制御装置30は、供給側送液ポンプ25の現行の指令値を排出側送液ポンプ28の指令値とする(ステップS51)。指令を受けた排出側送液ポンプ28は、供給側送液ポンプ25の現行の指令値をモータ回転数の設定値とする。
最後に、制御装置30は、送液量と設定された培地総供給量とを比較する(ステップS52)。ここで、制御装置30は、秤量器22の検出値の変化から培地の供給を開始してからの送液量を算出し、この送液量と培地総供給量とを比較する。そして、制御装置30は送液量が培地総供給量に至るまで(ステップS52でYes)、ステップS44からステップS51の処理を繰り返す。
〔変形例2〕
次に、上記実施形態の変形例2を説明する。上記実施形態では、制御装置30は加温装置23の熱出力および供給側送液ポンプ25の送液流量の両方を変化させる制御を行っている。ただし、ただし、制御装置30の制御を簡易とするために、供給側送液ポンプ25の送液流量を一定とし、加温装置23の熱出力のみを変化させる制御を行うこともできる。なお、本変形例の説明においては、前述の実施形態と異なる制御装置30の処理の流れのみを説明し、培地交換システム10の構成や制御に係る共通する用語の説明は省略する。
作業者がシステム電源をオンに切り替えると、制御装置30に設定された培地供給目標温度、培地供給目標流量、培地総供給量および培地交換間隔にしたがって、自動的に培地の交換が行われる。制御装置30は、送液温度センサ24の検出値に基づき、加温装置23の熱出力を調整することにより、培地供給目標温度を優先させたうえで、培地供給目標流量の培地が細胞培養容器11へ送液されるように制御する。さらに、制御装置30は、細胞培養容器11へ供給される新鮮な培地の量と細胞培養容器11から排出される培養液の量を等しくするために、排出側送液ポンプ28と供給側送液ポンプ25とを同期させるように制御する。
図9は変形例2に係る培地交換システムの制御装置の処理の流れを示すフローチャートである。以下では、図9を参照しながら制御装置30が行う処理について説明する。
はじめに、制御装置30は、内蔵された時計で設定された培地交換間隔の経過を検出する(ステップS61)。制御装置30は、培地交換タイミングとなると(ステップS61でYes)、加温装置23の指令値を初期設定温度とする(ステップS62)。指令を受けた加温装置23では、温度調節器33の設定値を初期設定温度とし、温度調節器33が温度センサ36の検出値に基づき発熱体35の出力を調整する。これにより、やがて加温空間39の温度は初期設定温度となる。
次に、制御装置30は、供給側送液ポンプ25と排出側送液ポンプ28の指令値をいずれも初期設定値とする(ステップS63)。この初期設定値は、培地の送液流量が培地供給目標流量と同じか近い値になるように決定される。指令を受けた供給側送液ポンプ25と排出側送液ポンプ28は、モータ回転数の設定値を初期設定値とし、モータを駆動する。これにより、供給側送液ポンプ25と排出側送液ポンプ28は送液を開始する。
続いて、制御装置30は、培地の送液温度と培地供給目標温度とを比較する(ステップS64)。ここで制御装置30は、送液温度センサ24の検出値から培地の送液温度を取得し、培地の送液温度と培地供給目標温度とを比較する。培地の送液温度が培地供給目標温度と等しいか所定の許容誤差範囲内であれば(ステップS64でYes)、制御装置30は加温装置23に与えている現行の指令値を継続する(ステップS65)。
一方、培地の送液温度が培地供給目標温度より大きい場合は(ステップS64でNo,ステップS66でYes)、制御装置30は加温装置23に与えている現行の指令値を所定の減少量だけ減少させた新たな指令値を作り、新たな指令値を加温装置23に出す(ステップS67)。この所定の減少量とは、培地の送液温度と培地供給目標温度より定まる値であり、例えばこれらの温度差が0.1℃あたり加温空間39の温度が1℃下がるような、温度調節器33の設定値の減少量である。
また、培地の送液温度が培地供給目標温度より小さい場合は(ステップS64でNo,ステップS66でNo)、制御装置30は加温装置23に与えている現行の指令値を所定の増加量だけ増加させた新たな指令値を作る(ステップS68)。この所定の増加量とは、培地の送液温度と培地供給目標温度より定まる値であり、例えばこれらの温度差が0.1℃あたり加温空間39の温度が1℃上がるような、温度調節器33の設定値の増加量である。続いて、制御装置30は新たな指令値と、加温上限温度とを比較する(ステップS69)。新たな指令値が加温上限温度より大きい場合は(ステップS69でYes)、制御装置30は加温上限温度を指令値として加温装置23に出す(ステップS70)。
以上のステップS64からステップS70の流れで加温装置23の熱出力を制御して培地の送液温度を調整する。一回の制御ループでは培地の送液温度は培地供給目標温度まで到達することが難しいが、何度も制御ループを繰り返すうちに培地の送液温度が培地供給目標温度に落ち着くようになる。
最後に、制御装置30は、送液量と設定された培地総供給量とを比較する(ステップS71)。ここで、制御装置30は、秤量器22の検出値の変化から培地の供給を開始してからの送液量を算出する。そして、制御装置30は送液量と培地総供給量とを比較し、送液量が培地総供給量に至るまで(ステップS71でYes)、ステップS64からステップS71の処理を繰り返す。
〔変形例3〕
次に、上記実施形態の変形例3を説明する。上記実施形態では、運転開始後しばらくは培地供給目標温度に満たない培地が細胞培養容器11へ流入することがある。そこで、次に説明する変形例3では、供給側送液チューブ26の加温装置23よりも上流側にバッファ容器81を設けるとともに、培地供給目標温度に満たない培地を還流用送液チューブ82を通じてバッファ容器81へ還流するようにしている。以下では、変形例3に係る培地交換システム10について説明する。なお、本変形例の説明においては、前述の実施形態と共通する培地交換システム10の構成要素や共通する用語の説明は省略することがある。
図10は、変形例3に係る培地交換システムの基本構成を示すブロック図である。同図に示すように、培地交換システム10は、細胞培養容器11、培地容器12、排液容器13、秤量器22(第1の秤量器22aと第2の秤量器22b)、加温装置23、送液温度センサ24、供給側送液ポンプ25(第1の供給側送液ポンプ25aと第2の供給側送液ポンプ25b)、供給側送液チューブ26(第1の供給側送液チューブ26aと第2の供給側送液チューブ26b)、バッファ容器81、還流用送液チューブ82、三方弁83、排出側送液チューブ27、排出側送液ポンプ28、および制御装置30等で構成されている。
培地容器12は新鮮な培地の保存に適した温度に保たれた冷蔵庫21の庫内に配置されている。そして、冷蔵庫21の庫内には、培地容器12に収容された培地の重量変化を検出するために、培地容器12の重量を秤量する第1の秤量器22aが設けられている。
培地容器12は、バッファ容器81と第1の供給側送液チューブ26aで接続されている。第1の供給側送液チューブ26aには、第1の供給側送液チューブ26aを通じて培地容器12の培地をバッファ容器81へ送り出す第1の供給側送液ポンプ25aが設けられている。バッファ容器81には、バッファ容器81に収容された培地の重量変化を検出するために、バッファ容器81の重量を秤量する第2の秤量器22bが設けられている。
バッファ容器81は、細胞培養容器11と第2の供給側送液チューブ26bで接続されている。第2の供給側送液チューブ26bには、加温装置23、第2の供給側送液ポンプ25b、送液温度センサ24、三方弁83の順に上流側から設けられている。加温装置23は第2の供給側送液チューブ26bを流れている培地を加温するものである。第2の供給側送液ポンプ25bは第2の供給側送液チューブ26bを通じてバッファ容器81から細胞培養容器11へ培地を送り出すものである。送液温度センサ24は第2の供給側送液チューブ26bを流れている培地の温度を検出するものである。
三方弁83には、還流用送液チューブ82を介してバッファ容器81が接続されている。三方弁83は、第2の供給側送液チューブ26bを流れてきた培地を、細胞培養容器11へ流す供給側と、バッファ容器81へ流す還流側とに、切り替えることができる。
細胞培養容器11は、排液容器13と排出側送液チューブ27で接続されている。排出側送液チューブ27には、排出側送液チューブ27を通じて細胞培養容器11の培養液を排液容器13へ送り出す排出側送液ポンプ28が設けられている。
制御装置30は、培地交換システム10の動作を制御するものである。制御装置30は、演算処理を行う処理部、プログラムが記憶された記憶部、入力部、出力部(いずれも図示せず)などを備えている。制御装置30の入力部では、第1の秤量器22aから培地容器12の重量、第2の秤量器22bからバッファ容器81の重量、送液温度センサ24から送液される培地の温度などの各種情報を得る。出力部では、加温装置23、第1の供給側送液ポンプ25a、第2の供給側送液ポンプ25b、三方弁83および排出側送液ポンプ28に信号を出力してこれらを動作させる。さらに、制御装置30はユーザインターフェース38と接続されている。制御装置30は、ユーザインターフェース38を介して処理に必要な各種情報を設定したり警報表示させたりすることができる。
次に、上記構成の培地交換システム10の動作について、制御装置30による制御と合わせて説明する。
培地交換システム10を使用するにあたり、まず、作業者は配管を行う。具体的には、以下の作業を行う。培地容器12とバッファ容器81とを第1の供給側送液チューブ26aで接続し、バッファ容器81と細胞培養容器11を第2の供給側送液チューブ26bで接続し、細胞培養容器11と排液容器13とを排出側送液チューブ27で接続する。さらに、これらの送液チューブ26a,26b,27をそれぞれ送液ポンプ25a,25b,28に取り付ける。第2の供給側送液チューブ26bを加温装置23に通し、第2の供給側送液チューブ26bに送液温度センサ24と三方弁83を取り付ける。さらに、三方弁83とバッファ容器81を還流用送液チューブ82で接続する。
次に、作業者は培地交換に必要な情報をユーザインターフェース38を介して制御装置30に入力する。作業者は制御装置30に培地供給目標温度、培地供給目標流量、培地総供給量、培地交換間隔を設定する。続いて、作業者は制御装置30に加温装置23の設定温度、第1の供給側送液ポンプ25aの第1の設定流量、第1および第2の供給側送液ポンプ25b,25bの第2の設定流量を設定する。加温装置23の設定温度は、培地供給目標温度よりも高い温度であって、送液チューブの耐熱温度以下の温度とする。第1の設定流量は、運転開始時に第1の供給側送液ポンプ25aがバッファ容器81へ培地を送り出すときの流量である。第2の設定流量は、第2の供給側送液ポンプ25bが培地を細胞培養容器11へ送り出すときの流量であって、設定された培地供給目標流量に相当する値とする。
図11は、変形例3に係る培地交換システムの制御装置の処理の流れを示すフローチャートである。以下では、図11を参照しながら制御装置30が行う処理について説明する。
はじめに、制御装置30は、内蔵された時計で設定された培地交換間隔の経過を検出する(ステップS81)。制御装置30は、培地交換タイミングとなると(ステップS81でYes)、加温装置23の指令値を設定温度とする(ステップS82)。指令を受けた加温装置23では、温度調節器33の設定値を設定温度とし、温度調節器33が温度センサ36の検出値に基づき発熱体35の出力を調整する。これにより、やがて加温空間39の温度は設定温度となる。
次に、制御装置30は、三方弁83を供給側から還流側へ切り替える(ステップS83)。さらに、制御装置30は、第1の供給側送液ポンプ25aの指令値を第1の設定流量とする(ステップS84)。指令を受けた第1の供給側送液ポンプ25aは送液を開始する。これにより、培地容器12から培地が第1の供給側送液チューブ26aを通じてバッファ容器81へ送られる。
続いて、制御装置30は、バッファ容器81内の培地の量と培地総供給量とを比較する。ここで制御装置30は、第2の秤量器22bの検出値から、バッファ容器81内の培地の量を取得する。制御装置30は、バッファ容器81内の培地の量が培地総供給量より大きければ(ステップS85でYes)、第1の供給側送液ポンプ25aの指令値をゼロとして(ステップS86)、第1の供給側送液ポンプ25aの稼働を停止させる。
以上の処理によりバッファ容器81に培地総供給量の培地が貯まれば、制御装置30は、第2の供給側送液ポンプ25bの指令値を第2の設定流量とする(ステップS87)。指令を受けた第2の供給側送液ポンプ25bは送液を開始し、バッファ容器81の培地が第2の供給側送液チューブ26bへ送り出される。第2の供給側送液チューブ26bに流入した培地は、第2の供給側送液チューブ26bを通じるうちに加温装置23で加温されたのち、三方弁83から還流用送液チューブ82を通じてバッファ容器81へ戻る。このように培地がバッファ容器81、第2の供給側送液チューブ26bおよび還流用送液チューブ82から成る循環回路をめぐるうちに、培地の送液温度が徐々に上昇する。
制御装置30は、培地の送液温度と培地供給目標温度とを比較する(ステップS88)。ここで制御装置30は、送液温度センサ24の検出値から培地の送液温度を取得し、培地供給目標温度と比較する。培地の送液温度が培地供給目標温度以上となれば(ステップS88でYes)、制御装置30は三方弁83を還流側から供給側へ切り替える(ステップS89)。これにより、培地供給目標温度の培地が細胞培養容器11へ流入し始める。
制御装置30は、第2の供給側送液ポンプ25b、排出側送液ポンプ28の指令値を第2の設定流量とする(ステップS90)。指令を受けた第2の供給側送液ポンプ25bおよび排出側送液ポンプ28は送液を行う。これにより、バッファ容器81から第2の供給側送液チューブ26bを通じて培地が細胞培養容器11へ送られ、細胞培養容器11から排出側送液チューブ27を通じて培養液が排液容器13へ送られる。
最後に、制御装置30は、培地の送液量と培地総供給量とを比較する(ステップS91)。ここで制御装置30は、三方弁83を還流側から供給側へ切り替えてから(ステップS89)の第1の秤量器22aの検出値の変化から、細胞培養容器11への培地の送液量を算出する。制御装置30は、送液量が培地総供給量に至るまで(ステップS91でYes)、ステップS91の処理を繰り返す。なお、以上の変形例3の説明では、細胞培養容器11へ培地を送液するときの加温装置23の熱出力を一定とし、第1の供給側送液ポンプ25aおよび第2の供給側送液ポンプ25bの送液流量を一定としたが、熱出力と送液流量のうちいずれか一方または両方を前述の実施の形態および変形例1,2に倣って変化させてもよい。
10 培地交換システム
11 細胞培養容器
12 培地容器
13 排液容器
21 冷蔵庫
22 秤量器
23 加温装置
24 送液温度センサ
25 供給側送液ポンプ
26 供給側送液チューブ
27 排出側送液チューブ
28 排出側送液ポンプ
30 制御装置
31 筐体
33 温度調節器
35 発熱体
36 温度センサ
38 ユーザインターフェース
39 加温空間

Claims (12)

  1. 細胞を培養する細胞培養容器と、
    新鮮な培地を収容する培地容器と、
    前記培地容器を冷蔵する冷蔵庫と、
    前記培地容器と前記細胞培養容器とを接続する供給側送液チューブと、
    前記供給側送液チューブを通じて前記培地容器から前記細胞培養容器へ前記培地を送り出す供給側送液ポンプと、
    前記供給側送液チューブを流れている前記培地を加温する加温装置と、
    前記細胞培養容器から排出される培養液を収容する排液容器と、
    前記細胞培養容器と前記排液容器とを接続する排出側送液チューブと、
    前記排出側送液チューブを通じて前記細胞培養容器から前記排液容器へ前記培養液を送り出す排出側送液ポンプと、
    前記加温装置、前記供給側送液ポンプおよび前記排出側送液ポンプの動作を制御する制御装置とを備えている、
    培地交換システム。
  2. 前記供給側送液チューブを流れている培地の温度を検出する送液温度センサを備えており、
    前記制御装置は、前記細胞培養容器に流入する前記培地が所定温度となるように前記送液温度センサの検出値に基づき前記加温装置の熱出力を調整する、請求項1に記載の培地交換システム。
  3. 前記供給側送液チューブを流れる培地の温度を検出する送液温度センサを備えており、
    前記制御装置は、前記細胞培養容器に流入する前記培地が所定温度となるように前記送液温度センサの検出値に基づき前記供給側送液ポンプの送液流量を調整する、請求項1に記載の培地交換システム。
  4. 前記供給側送液チューブを流れる培地の温度を検出する送液温度センサを備えており、
    前記制御装置は、前記細胞培養容器に流入する前記培地が所定温度となるように前記送液温度センサの検出値に基づき前記加温装置の熱出力と前記供給側送液ポンプの送液流量とを調整する、請求項1に記載の培地交換システム。
  5. 前記制御装置が、前記供給側送液ポンプ及び前記排出側送液ポンプの送液流量が等しくなるようにこれらの送液ポンプを制御する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の培地交換システム。
  6. 前記培地容器を秤量する秤量器を備えており、
    前記制御装置は、前記培地容器の重量変化から前記培地の送液流量を検出する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の培地交換システム。
  7. 前記加温装置が、前記供給側送液チューブの前記供給側送液ポンプよりも上流側に設けられている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の培地交換システム。
  8. 前記供給側送液チューブの前記加温装置よりも上流側に介挿されたバッファ容器と、
    前記供給側送液チューブの前記加温装置よりも下流側に介挿された三方弁と、
    前記三方弁と前記バッファ容器とを接続する還流用送液チューブとを更に備えており、
    前記供給側送液ポンプは、前記供給側送液チューブの前記バッファ容器よりも上流側に設けられた第1の送液ポンプと、前記供給側送液チューブの前記バッファ容器と前記三方弁の間に設けられた第2の送液ポンプとを含んでいる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の培地交換システム。
  9. 前記制御装置が、前記細胞培養容器に流入する前記培地が前記所定温度に満たないときに前記還流用送液チューブを介して前記バッファ容器へ前記培地を還流させるように前記三方弁を制御する、請求項8に記載の培地交換システム。
  10. 送液チューブ内を送液される培地を加温するための培地加温装置であって、
    前記送液チューブの導入口および導出口が設けられているとともに、内部に前記導入口及び前記導出口と連通している加温空間を有する筐体と、
    前記加温空間を加温する発熱体とを備えている培地加温装置。
  11. 前記加温空間に前記送液チューブを絡ませるための1以上の支柱が設けられている、請求項10に記載の培地加温装置。
  12. 前記発熱体が、前記筐体の内壁面および前記支柱の内部に設けられている、請求項11に記載の培地加温装置。
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