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JP2014195384A - 圧縮機用電動機、圧縮機及び冷凍サイクル装置 - Google Patents

圧縮機用電動機、圧縮機及び冷凍サイクル装置 Download PDF

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JP2014195384A JP2013071386A JP2013071386A JP2014195384A JP 2014195384 A JP2014195384 A JP 2014195384A JP 2013071386 A JP2013071386 A JP 2013071386A JP 2013071386 A JP2013071386 A JP 2013071386A JP 2014195384 A JP2014195384 A JP 2014195384A
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Abstract

【課題】 部品の素材の熱膨張率の違いから、巻線とリード線の固定状態が緩み、巻線とリード線の電気的接触が低下し、電気抵抗が増加するという課題があった。
【解決手段】 固定子に、円筒形のバックヨークとバックヨークから内側に突出した複数のティースを有する固定子鉄心と、固定子鉄心の軸方向の端面に装着された絶縁部材と、ティースに絶縁部材を介して巻き付けられた固定子巻線と、端末の一端が固定子巻線と冷間圧接にて接合され、他端を外部電源に接続するリード導線と、を備え、絶縁部材は収納部を有し、収納部は、固定子巻線とリード線との接合部を収納し、絶縁性樹脂を充填して、接合部を絶縁性樹脂で覆ったものである。
【選択図】 図10

Description

この発明は、圧縮機に組み込まれる圧縮機用電動機に関するものである。
一般的に密閉型圧縮機は、密閉容器内に冷媒を圧縮する圧縮機構と、この圧縮機構を駆動する電動機が組み込まれており、圧縮機構と電動機は回転軸を介して接続されている。
電動機は密閉容器内に固定される固定子と、固定の内側に設けられ磁気作用によって回転する回転子とから構成されている。回転軸は回転子の回転運動を圧縮機構に伝達し、伝達された回転運動を利用して圧縮機構にて冷媒を圧縮する。
固定子は、内周部に沿って複数の磁極歯が所定の間隔で放射状に設けられた固定子鉄心と、この磁極歯に絶縁部材を介して巻装される巻線とから構成されている。巻線は、電動機の外に引き出すリード線に接続され、コネクタを介して、密閉容器に設けられたガラス端子に接続される。巻線とリード線との接続は、半田付けや圧接端子にて接続される(例えば、特許文献1参照)。
固定子の巻線は、一般的に電気抵抗が低い銅線を用いるが、コスト低減のためアルミニウム線など、銅線に限らず用いられることがある(例えば、特許文献2参照)。
圧縮機構にて圧縮される冷媒は、近年の地球温暖化防止対策のため、地球温暖化係数(Global Warming Potential、以下GWPという)の低いR32冷媒など、目的・用途に応じた冷媒が使用される。
また、ブラシレスDCモータを用いる場合には、モータ端子電圧がインバータ出力電圧となる回転数にてモータ誘起電圧より電流位相を進めて磁石磁束を弱める運転を行い回転数を増加させる運転範囲を拡大させる制御も使用される(例えば、特許文献3参照)。
また、空気調和機用の圧縮機では、回転位置に応じた負荷トルクのパターンに基づき、電動機の出力トルクを回転位置に応じた出力トルクに制御し、低速領域における振動、騒音を低減させる制御も使用される(例えば、特許文献4参照)。
特開2001−197699号公報(第3−4頁、第1−3図) 特開2008−173001号公報(第4頁) 特開2001−115963号公報(第6頁、第7頁) 特開昭61−4492号公報(第2−3頁)
従来の密閉型圧縮機では電動機の巻線と電動機から引き出されるリード線は、半田付けやロウ付けあるいは圧接端子のような接続部材にて接続されるのが一般的である。
一方、地球温暖化防止対策のためのR32冷媒は従来のR407C冷媒あるいはR410A冷媒に比べて動作温度が高く、吐出温度で10℃程度高い条件で使用される。電動機は、吐出された高温冷媒によって電動機全体が加熱されるため、従来に比べて高温条件で使用される。
また、巻線にアルミニウム線を使用した場合、銅線に比べて電気抵抗が高く、巻線温度が上昇する。電動機は、巻線によって固定子が加熱されるため、従来に比べて高温条件で使用される。
また、電動機の制御、例えば、圧縮機構の吸入の動作と吐出の動作によって生じる振動を抑制する制振制御や、高速回転領域にて回転子側が発生する逆起電力を抑制して回転数を上げる弱め界磁制御などを行うと、流す電流も大きくなり、巻線温度が上昇する。これにより、電動機は、従来に比べて高温条件で使用される。
これに対し、電動機の動作温度が高くなると、巻線やリード線を接続し固定する圧接端子では、それぞれの部品の素材の熱膨張率の違いから、巻線とリード線の固定状態が緩み、巻線、リード線、圧接端子の電気的接触が低下し、接続部での電気抵抗が増加するという課題があった。そして、接続部での電気抵抗が増加すると、電動機の効率低下を招くとともに、接続部の温度上昇を引き起こし、巻線、リード線、圧接端子の熱膨張が促進され、さらに巻線とリード線の固定状態が緩みを大きくするという課題があった。
特に、部品の素材が、銅材、黄銅材、アルミニウム材のように異なる場合、各素材の熱膨張率の違いが大きいので、緩みが大きく電気抵抗の増加を招き易いという課題があった。
また、巻線とリード線を半田付けやロウ付けすると、巻線とリード線とは、半田やロウ材を介して接続されるので、接続部の電気抵抗は巻線の素材やリード線の素材より高く、電動機の効率低下や、接続部の温度上昇が生じるという課題があった。一般的に半田付けやロウ付けにて接続した接続部は、スリーブなどの保護部材にて他の導線と接触しないように保護するが、制振制御や弱め界磁制御のような大きな電流を流す制御では、接続部の温度上昇も高くなるので、保護部材にも高い耐熱性が必要となるという課題があった。
また、巻線やリード線の表面には酸化膜が生成されており、半田付けやロウ付けは母材と溶融金属とのぬれ現象によるものなので、酸化膜を化学的に除去するためフラックスを使用する。しかし、フラックスが接合部に残留すると、巻線あるいはリード線を腐蝕させたり、冷媒あるいは冷凍機油との化学反応によりスラッジなどの異物が発生し、圧縮機の摺動部の焼きつきや、配管や絞り弁の詰りを招いたりする恐れがある。そのため、洗浄工程を追加する必要があるなど、製造コストの上昇と生産性の低下を招くという課題があった。特に、アルミニウム材のような酸化作用の強い素材は、その酸化膜を除去する溶接フラックスの作用も強力になるので、腐食性も高なり、洗浄の必要性も高くなるという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、圧縮機用電動機の巻線とリード線の接合において、巻線とリード線の接合部の電気抵抗を増加させことなく接合させ、その接合部からスラッジなどの異物を発生させることも抑制した信頼性が高い圧縮機用電動機、圧縮機及び冷凍サイクル装置を得ることが目的である。
この発明に係る圧縮機用電動機は、円筒形の固定子と固定子の内側に配設された回転子を有する圧縮機用電動機において、固定子に、円筒形のバックヨークとバックヨークから内側に突出した複数のティースを有する固定子鉄心と、固定子鉄心の軸方向の端面に装着された絶縁部材と、ティースに絶縁部材を介して巻き付けられた固定子巻線と、端末の一端が固定子巻線と冷間圧接にて接合され、他端を外部電源に接続するリード導線と、を備え、
絶縁部材は収納部を有し、収納部は、固定子巻線とリード線との接合部を収納し、絶縁性樹脂を充填して、接合部を絶縁性樹脂で覆ったものである。
この発明に係る圧縮機用電動機は、円筒形のバックヨークとバックヨークから内側に突出した複数のティースを有する固定子鉄心と、固定子鉄心の軸方向の端面に装着された絶縁部材と、ティースに絶縁部材を介して巻き付けられた固定子巻線と、端末の一端が固定子巻線と冷間圧接にて接合され、他端を外部電源に接続するリード導線と、を備え、絶縁部材は収納部を有し、収納部は、固定子巻線とリード線との接合部を収納し、絶縁性樹脂を充填して、接合部を絶縁性樹脂で覆ったので、巻線とリード線の接合部の電気抵抗を増加させことなく接合させ、その接合部からスラッジなどの異物を発生させることも抑制した信頼性が高い圧縮機用電動機、圧縮機及び冷凍サイクル装置を得ることができる。
この発明の実施の形態1に係る密閉型圧縮機の断面構成の一例を示す概略図である。 この発明の実施の形態1に係る密閉型圧縮機の圧縮機構の断面図である。 この発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置の構成図である。 この発明の実施の形態1に係る密閉型圧縮機の電動機の断面図である。 この発明の実施の形態1に係る電動機の固定子巻線の説明図である。 この発明の実施の形態1に係る電動機の固定子巻線の結線図である。 この発明の実施の形態1に係る電動機の絶縁部材の構成図ある。 この発明の実施の形態1に係る電動機の絶縁部材を固定子に取付けたところの説明図である。 この発明の実施の形態1に係る電動機の絶縁部材を固定子に取付けたところの説明図である。 この発明の実施の形態1に係る絶縁部材の収納部の説明図である。 この発明の実施の形態1に係る密閉型圧縮機のトルク変化の説明図である。 この発明の実施の形態1に係る導線の接合方法を説明図である。 この発明の実施の形態2に係る絶縁部材の収納部の説明図である。 この発明の実施の形態2に係る絶縁部材の収納部の別形態の説明図である。
実施の形態1.
ここでは、ロータリ圧縮機を一例に説明する。
図1はこの発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の断面図、図2は図1のA−A’で切断した断面図すなわち圧縮機構を上面から見た断面図である。図1にて、1シリンダ型ロータリ圧縮機の一例である密閉型圧縮機の全体構成を説明する。密閉型圧縮機100は、密閉容器10内に、冷媒ガスを圧縮する圧縮機構20と、圧縮機構20を駆動する電動機30とが収納され構成されている。密閉容器10は上部容器11と下部容器12とで構成され、圧縮機構20が密閉容器10の下方に、電動機30が密閉容器10の上方に収納されている。圧縮機構20と電動機30とは、回転軸21で連結され、回転軸21は電動機30の回転運動を圧縮機構20に伝達し、圧縮機構20では伝達された回転力によって冷媒ガスが圧縮され密閉容器10内に吐出される。密閉容器10内は圧縮された高温・高圧の冷媒ガスによって満たされているとともに、密閉容器10の下方すなわち底部には圧縮機構20の潤滑のため冷凍機油が貯留されている。
回転軸21の下部にはオイルポンプが設けられており、オイルポンプは回転軸21の回転とともに密閉容器10の底部に貯留された冷凍機油を汲み上げ、圧縮機構20の各摺動部へ給油される。これにより、圧縮機構20の機械的潤滑作用が確保される。
回転軸21は主軸部21a、偏心軸部21b、副軸部21cから構成され、軸方向に主軸部21a、偏心軸部21b、副軸部21cの順に形成されている。主軸部21aには電動機30が焼嵌または圧入され固定されており、偏心軸部21bには円筒状のローリングピストン22が摺動自在に嵌合されている。
図2は圧縮機構20を図1のA−Aで切断し上面側から見た断面図であり、圧縮機構20は、シリンダ23、ローリングピストン22、上軸受24、下軸受25、およびベーン26で構成されている。シリンダ23には、軸方向の両端が開口された円筒状の空間すなわちシリンダ室23aが内部に設けられている。シリンダ室23a内には、シリンダ室23a内で偏心運動を行う回転軸21の偏心軸部21bと、偏心軸部21bに勘合したローリングピストン22と、シリンダ室23aの内周とローリングピストン22の外周にて形成される空間を仕切るベーン26と、が収納されている。
シリンダ23には、一方はシリンダ室23a内に開口し、もう一方は背圧室23bが設けられたベーン溝23cが形成されており、そのベーン溝23cにはベーン26が収納されている。ベーン26はベーン溝23c内を径方向に往復運動する。ベーン26の形状は、ベーン溝23cに取付けられた状態でシリンダ室23aの周方向の厚さがシリンダ室23aの径方向およびシリンダ室23aの軸方向の長さよりも小さいほぼ直方体の形状である。ベーン溝23cの背圧室23bには図示しないベーンスプリングが設けられている。通常は、密閉容器10内の高圧の冷媒ガスが背圧室23bに流入し、背圧室23b冷媒ガスの圧力とシリンダ室23aの冷媒ガスの圧力との差圧によりシリンダ室23aの中心に向って径方向にベーン23を動かす力を作り出す。この背圧室23bシリンダ室23aの差圧による力とベーンスプリングが径方向に押圧する力とによって、ベーン23はシリンダ室23aの中心に向って径方向に動かされる。ベーン23を径方向に動かす力はベーン23の一端すなわちシリンダ室23a側の端部をローリングピストン22の円筒状の外周に当接させる。これによって、シリンダ23の内周とローリングピストン22の外周にて形成される空間を仕切ることができる。密閉容器10内の冷媒ガスすなわち背圧室23bの冷媒ガスの圧力とシリンダ室23a内の冷媒ガスの圧力との差圧がベーン23をローリングピストン22の外周に押圧するために十分な圧力ではない場合でも、ベーンスプリングの力でベーン23の一端をローリングピストン22の外周に押圧することができるので、常にベーン23の一端はローリングピストン22の外周に当接することができる。
上軸受24は、回転軸21の主軸部21aに嵌合され主軸部21aを回転自在に支持するとともに、シリンダ室23aの軸方向の一方の開口部を閉塞している。同様に、下軸受25は、回転軸21の副軸部21cに嵌合され副軸部21cを回転自在に支持するとともに、シリンダ室23aの軸方向の一方の開口部を閉塞している。シリンダ23には密閉容器10の外部から冷媒ガスをシリンダ室23a内に吸入する吸入ポートが設けられており、上軸受24には圧縮した冷媒ガスをシリンダ室23a外に吐出する吐出ポートが設けられている。上軸受24は、側面視でほぼ逆T字形状であり、下軸受25は、側面視でほぼT字形状である。
上軸受24の吐出ポートには、吐出弁が設けられており、シリンダ23から吐出ポートを介して吐出される高温・高圧の冷媒ガスの吐出タイミングを制御する。すなわち、吐出弁は、シリンダ23のシリンダ室23a内で圧縮される冷媒ガスが所定の圧力になるまで閉塞し、所定の圧力以上となると開口して高温・高圧の冷媒ガスをシリンダ室23a外へ吐出させる。
シリンダ室23a内では吸入、圧縮、吐出の動作を繰り返しているため、吐出ポートから吐出される冷媒ガスは間欠的に吐出され脈動音などの騒音となる。これを低減するため、上軸受24の外側すなわち電動機30側には上軸受24を覆うように吐出マフラ27が取付けられている。吐出マフラ27には、吐出マフラ27と上軸受24にて形成される空間と密閉容器10内とを連通する吐出穴が設けられている。シリンダ23から吐出ポートを介して吐出される冷媒ガスは、吐出マフラ27と上軸受24にて形成される空間に、一旦、吐出され、その後、吐出穴から密閉容器10内へ吐出される。
密閉容器10の横には、液冷媒が直接シリンダ23のシリンダ室23aに吸入されることを抑制する吸入マフラ101が設けられている。一般的に、密閉型圧縮機100は密閉型圧縮機100が接続された外部の回路から、低圧の冷媒ガスと液冷媒が混在して送られてくる。液冷媒がシリンダ23に流入し圧縮機構20で圧縮されると圧縮機構20の故障となるため、吸入マフラ101では、液冷媒と冷媒ガスを分離し、冷媒ガスのみシリンダ室23aに送る。吸入マフラ101はシリンダ23の吸入ポートと吸入連結管にて接続され、吸入マフラ101から送られる低圧の冷媒ガスは吸入連結管を介してシリンダ室23aに吸入される。
以上のように圧縮機構20は構成されており、回転軸21の回転運動により、シリンダ23のシリンダ室23a内で回転軸21の偏芯軸部21bが回転する。シリンダ室23aの内周と偏芯軸部21bに嵌合されたローリングピストン22の外周とベーン26によって仕切られた作動室は、回転軸21の回転とともに、容積が増加・減少する。先ず初めに、この作動室と吸入ポートが連通し、低圧冷媒ガスが吸入される。次に、吸入ポートの連通が閉鎖され、作動室の容積減少とともに、作動室内の冷媒ガスが圧縮される。最後に、吐出ポートと連通し、作動室内の冷媒ガスが所定の圧力に達した後、吐出ポートに設けられた吐出弁が開き、作動室外すなわちシリンダ室23aの外へ圧縮され高圧・高温となった冷媒ガスが吐出される。
シリンダ室23aから吐出マフラ27を介し、密閉容器10内に吐出された高圧・高温の冷媒ガスは、電動機30内を通過し、密閉容器10内を上昇し、密閉容器10の上部に設けられた吐出管102から、密閉容器10の外部へ吐出される。密閉容器10の外部には冷媒が流れる冷凍回路が構成されており、吐出された冷媒は冷凍回路を循環して、再び吸入マフラ101に戻ってくる。
図3は、密閉型圧縮機100が接続される空気調和機などの冷凍サイクル装置の概略構成図である。冷凍サイクル装置200は、密閉型圧縮機100の吸入側に接続された密閉型圧縮機100の吸入マフラ101、密閉型圧縮機100の吐出側に接続された密閉型圧縮機100からの冷媒の流れを切換える四方切換弁103、室外側熱交換器104、電動膨張等の減圧器105、室内側熱交換器106、を備え、配管を介して順次接続して冷凍回路を形成することで、構成されている。なお、一般的に冷凍空調装置では、室内側熱交換器106は屋内の装置に、残る密閉型圧縮機100、四方切換弁103、室外熱交換器104、減圧器105は屋外の装置に搭載されている。
例えば、空調機の暖房運転では、四方切換弁103は図3の実線側に接続される。密閉型圧縮機100で圧縮された高温高圧の冷媒は室内側熱交換器106に流れ、凝縮し、液化した後、減圧器105で絞られ、低温低圧の二相状態となり、室外側熱交換器104へ流れ、蒸発し、ガス化して四方切換弁103を通って再び密閉型圧縮機100に戻る。すなわち、図3の実線矢印に示すように冷媒は循環する。この循環によって、蒸発器である室外側熱交換器104では外気と熱交換して、室外側熱交換器104に送られてきた冷媒が吸熱し、吸熱した冷媒は凝縮器である室内側熱交換器106に送られ、室内の空気と熱交換を行い、室内の空気を温める。
冷房運転の場合には、四方切換弁103は図3の破線側に接続される。密閉型圧縮機100で圧縮された高温高圧の冷媒は室外側熱交換器104に流れ、凝縮し、液化した後、減圧器105で絞られ、低温低圧の二相状態となり、室内側熱交換器106へ流れ、蒸発し、ガス化して四方切換弁103再び密閉型圧縮機100に戻る。すなわち、暖房運転から冷房運転に変わると、室内側熱交換器106が凝縮器から蒸発器に変わり、室外側熱交換器104が蒸発器から凝縮器に変わる。よって、図3の破線矢印に示すように冷媒は循環する。この循環によって、蒸発器である室内側熱交換器106では室内の空気と熱交換を行い、室内の空気から吸熱すなわち室内の空気を冷却し、吸熱した冷媒は凝縮器である室外側熱交換器104に送られ、外気と熱交換を行い、外気に放熱する。
このとき、冷媒は、一般的にR407C冷媒あるいはR410A冷媒、R32冷媒などが使われる。
次に、圧縮機構20に回転力を伝達する電動機30について説明する。
図4は図1のB−B’にて電動機30を切断し上面側から見た断面図であり、電動機30は、密閉容器10の内周に固定されるほぼ円筒状の固定子41と、固定子41の内側に配設されたほぼ円柱状の回転子31を備える。
回転子31は、薄板電磁鋼板を打抜いた鉄心シートを積層し形成された回転子鉄心32で構成されている。回転子の構成には、ブラシレスDCモータのような永久磁石を用いるものと、誘導電動機のように二次巻線を使用するものがある。例えば、図4のようなブラシレスDCモータの場合は、回転子鉄心32の軸方向に磁石挿入孔33が設けられ、その磁石挿入孔にはフェライト磁石や希土類磁石などの永久磁石34が挿入されている。その永久磁石34によって回転子31上の磁極を形成する。回転子31上の磁極が作る磁束と固定子41の固定子巻線が作る磁束との作用によって、回転子31を回転させる。
図示しない誘導電動機の場合には、回転子鉄心32に永久磁石の代わりに二次巻線が設けられており、固定子41の固定子巻線が回転子側の二次巻線に磁束を誘導して回転力を発生させ、回転子31を回転させる。
回転子鉄心32の中心には、回転軸21を通す軸穴が設けられており、回転軸21の主軸部21aが焼き嵌め等により締結されている。これにより、回転子31の回転運動を回転軸21に伝達する。軸穴の周囲には、風穴35が設けられており、電動機30の下方にある圧縮機構20にて圧縮された高圧・高温の冷媒が、風穴35を通過する。なお、圧縮機構20にて圧縮された冷媒は、風穴35以外にも、回転子31と固定子41との間のエアギャップや固定子巻線の間隙も通過する。
固定子41は、固定子鉄心42、絶縁部材43、固定子巻線44から構成され、ほぼ円筒状の形状であり、中心にほぼ円柱状の回転子31が配置をされている。
固定子鉄心42は、回転子31と同様に薄板電磁鋼板を打抜いた鉄心シートを積層して形成されており、固定子鉄心42の外径は下部容器12の中間部分の内径より大きく製作され、下部容器12の内径に焼嵌めによって固定されている。また、固定子鉄心42は、外周側の円筒形部を形成するバックヨーク45と、バックヨーク45から固定子41の径方向の中心側、すなわち回転子31の方向に等間隔に突出した複数の磁極歯すなわちティース46とで構成されている。ティース46には固定子巻線44を施すことにより、磁極を構成する。ティースとティースの間には、固定子巻線44が収容できる空間すなわちスロット47が形成されている。
固定子巻線44にはリード線48が接続されている。リード線48は密閉容器10に固定されたガラス端子49と接続されており、ガラス端子49から電力が供給される。ガラス端子49にはリード線48を介して固定子巻線44に電力を供給する外部電源が接続される。外部電源は密閉容器10の外に設けられる、例えば、インバータ装置などである。固定子巻線44は、固定子鉄心42に複数設けられたティース46に絶縁部材43を介して固定子41の軸方向すなわち上下方向に巻き付けられた巻線の集合体であり、固定子巻線44はティースとティースの間に形成されるスロット47にほぼ隙間無く収納されている。固定子巻線44に電流を流したとき、これらの固定子巻線44が巻きつけられたティース46が磁極となる。磁極の方向は、固定子巻線44に流す電流の方向によって変わる。
図5、6は、一般的な三相電動機の固定子巻線の結線図である。一般的に三相電動機の固定子巻線は、3つの独立した巻線の集合体から構成され、それぞれ、U相固定子巻線、V相固定子巻線、W相固定子巻線と称する。
例えば、図5、図6の固定子41は、ティース46a〜46rと、固定子巻線44a〜44iを有している。まず、U相の固定子巻線は、図5のように、ティース46a、46b、46cに巻き付けられた固定子巻線44aと、ティース46g、46h、46iに巻き付けられた固定子巻線44bと、ティース46m、46n、46oに巻き付けられた固定子巻線44cと、からなり、固定子巻線44a、固定子巻線44b、固定子巻線44cを図6のように直列に接続して、U相固定子巻線44kを構成している。U相固定子巻線44kの端末の一方は中性点44jに接続され、もう一方はリード線48uに接続され、固定子41のU相を構成する。同様に、V相の固定子巻線は、ティース46e、46f、46gに巻き付けられた固定子巻線44dと、ティース46k、46l、46mに巻き付けられた固定子巻線44eと、ティース46q、46r、46aに巻き付けられた固定子巻線44fと、からなり、固定子巻線44d、固定子巻線44e、固定子巻線44fを直列に接続して、V相固定子巻線44lを構成している。V相固定子巻線44lの端末の一方は中性点44jに接続され、もう一方はリード線48vに接続され、固定子41のV相を構成する。W相の固定子巻線は、ティース46c、46d、46eに巻き付けられた固定子巻線44gと、ティース46i、46j、46kに巻き付けられた固定子巻線44hと、ティース46o、46p、46qに巻き付けられた固定子巻線44iと、からなり、固定子巻線44g、固定子巻線44h、固定子巻線44iを直列に接続して、W相固定子巻線44mを構成している。W相固定子巻線44mの端末の一方は中性点44jに接続され、もう一方はリード線48wに接続され、固定子41のW相を構成する。
U相、V相、W相の固定子巻線に、電流を流すことによって、固定子巻線が励磁され、ティース46a〜46rが磁極となる。
固定子巻線44、リード線48は銅線が使用されるが、アルミニウム線であっても構わない。リード線48に銅線、固定子巻線44にアルミニウム線を使用するように混在した使用方法でも構わない。
ティース46の回転軸21軸に対して円周方向の側面間、すなわちティースとティースの間に形成されるスロット47は、ティース46と固定子巻線44が接触しないように、絶縁部材43が覆っている。
絶縁部材43は、固定子鉄心42の回転軸21軸方向の端面に装着される絶縁部材43a、43b、43cと、スロット47の内壁すなわちティース46の回転軸21軸に対して円周方向の側面を覆う部分(図示しない)から構成されている。絶縁部材43aと43bは、固定子鉄心42の回転軸21軸方向の端面のうち、リード線48が配置されている側に装着され、絶縁部材43cはその反対側の端面に装着されている。絶縁部材43bに対して、絶縁部材43aには収納部51が設けられている。図7は、その絶縁部材43のうち、43aを示したものである。図7(a)は固定子鉄心42の回転軸21軸方向の端面に装着された状態で、回転軸21軸方向すなわち固定子鉄心42の上面から見た図、図7(b)は固定子鉄心42の外周側から見た図、図7(c)は固定子鉄心42の円周方向すなわち側方から見た図である。図8は、固定子鉄心42に図7の絶縁部材43を装着した状態であり、固定子鉄心42の回転軸21軸方向すなわち上方から見た図である。図9は、固定子鉄心42に絶縁部材43が装着された状態を、固定子鉄心42の円周方向すなわち側方から見た図であり、(a)は固定子巻線44を巻き回す前、(b)は固定子巻線44を巻き回した後、(c)は図8のC−C’にて切断した断面図である。
固定子鉄心42の回転軸21軸方向の端面に装着される部分は、ティース46毎に設けられるので、図7ではティース46毎に分割された絶縁部材43aを示したが、固定子鉄心42の回転軸21軸方向の端面を回転軸21軸を一周するように円環状につながった構成でも構わない。
固定子鉄心42の回転軸21軸方向の端面に装着される部分は、固定子鉄心42のバックヨーク45の回転軸21軸方向の端面に装着されるバックヨーク45の形状に沿ってほぼ円弧状に形成された外壁部43dと、ティース46の先端部の回転軸21軸方向の端面に装着される内壁部43eと、内壁部43eが装着された部分を除く、ティース46の回転軸21軸方向の端面に装着され、その端面を覆うティース被覆部43fと、にて構成されている。すなわち、図9(a)のように絶縁部材43aが固定子鉄心42の回転軸21軸方向の端面に装着された状態において、絶縁部材43aの固定子鉄心42の回転軸21軸方向の端面に装着される部分は、ティース46の回転軸21軸方向の端面に装着され、その端面を覆うティース被覆部43fと、ティース被覆部43fの外周側に設けられバックヨーク45の回転軸21軸方向の端面に装着される外壁部43dと、ティース被覆部43fの内周側に設けられティース46の先端部の回転軸21軸方向の端面に装着される内壁部43eと、を有する構成であり、外壁部43dと内壁部43eの間にティース被覆部43fが設けられている。なお、外壁部43dと内壁部43eは、固定子鉄心42の回転軸21軸方向の端面に立設して設けられ、それぞれ、回転軸21軸方向に延設されている。固定子鉄心42の回転軸21軸方向の端面に装着される部分は、固定子鉄心42の回転軸21軸方向の端面のどちらに装着されるものであっても、同様の構成を有する。
また、外壁部43dと内壁部43eとティース被覆部43fはティース46毎に設けられている。
また、絶縁部材43aには、絶縁部材43aの固定子鉄心42の回転軸21軸方向の端面と接触する側には、43g、43hのような位置決め突起が複数設けられ、固定子鉄心42の回転軸21軸方向の端面には、この位置決め突起対応する穴が設けられている。装着の際には、この位置決め突起が固定子鉄心42の回転軸21軸方向の端面の穴に挿入されることにより、所定の位置に装着することができる。なお、穴と突起は嵌合する形状であっても構わない。図示しないが、絶縁部材43b、43cには、同様の構成を設け、所定の位置に装着することができるような構成となっている。
スロット47の内壁を覆う部分と、固定子鉄心42の回転軸21軸方向の端面に装着される部分とは、一体化されたものであっても、別体のものであっても構わない。
スロット47の内壁を覆う部分と、固定子鉄心42の回転軸21軸方向の端面に装着される部分とが一体化された絶縁部材の場合、固定子鉄心42の回転軸21軸方向の一方の端面側から、スロット47の内壁を覆う部分にてティース46を挟み込むように、スロット47の内壁を覆う部分をスロット47に挿入し嵌合させる。スロット47に挿入されたスロット47の内壁を覆う部分が固定子鉄心42の回転軸21軸方向のもう一方の端面側まで達し、スロット47の内壁を覆い隠したところで、固定子鉄心42の回転軸21軸方向の端面に装着する部分が固定子鉄心42の回転軸21軸方向の一方の端面に接し、スロット47への挿入が完了する。そして、固定子鉄心42の回転軸21軸方向の端面に係止される。固定子鉄心42の回転軸21軸方向のもう一方の端面側には、スロット47の内壁を覆う部分を有しない固定子鉄心42の回転軸21軸方向の端面に装着される部分が装着され、固定子鉄心42の回転軸21軸方向の一方の端面側からスロット47に挿入したスロット47の内壁を覆う部分を、固定子鉄心42の回転軸21軸方向のもう一方の端面側から係止あるいは嵌合する。これによって、スロット47の内壁を覆う部分はスロット47内に係止されるとともに、固定子鉄心42の回転軸21軸方向の端面に装着される部分も、固定子鉄心42の回転軸21軸方向の端面上に係止される。
スロット47の内壁を覆う部分と、固定子鉄心42の回転軸21軸方向の端面に取付けられる部分とが別体のものは、先にスロット47の内壁を覆う部分をスロット47に挿入し、次に、固定子鉄心42の回転軸21軸方向の端面に取付けられる部分を両端面に装着する。固定子鉄心42の回転軸21軸方向の端面に取付けられる部分は、それぞれの方向からスロット47の内壁を覆う部分と係止あるいは嵌合し、スロット47の内壁を覆う部分をスロット47内に係止あるいは固定する。例えば、固定子鉄心42の回転軸21軸方向の端面に取付けられる部分に、爪を設け、その爪とスロット47の内壁との間で、スロット47の内壁を覆う部分を挟み込み、スロット47内に係止する。このとき、爪がスロット47の内壁を押圧する力によって、固定子鉄心42の回転軸21軸方向の端面に取付けられる部分も固定子鉄心42の回転軸21軸方向の端面上に係止される。
なお、絶縁部材43の少なくとも固定子鉄心42の回転軸21軸方向の端面に取付けられる部分43a、43b、43cは、LCP(液晶ポリマー)などのエンジニアリングプラスチックなどの絶縁性樹脂にて形成されており、スロット47を覆う部分が、一体化されたものについては、同じエンジニアリングプラスチックなどの絶縁性樹脂にて形成されている。スロット47を覆う部分が、別体の場合は、エンジニアリングプラスチックなどの絶縁性樹脂である以外に、PET(ポリエチレンテレフタレート)のような絶縁フィルムで構成されていても構わない。
固定子巻線44は、スロット47の内壁すなわちティース46のスロット47の内壁を構成する面に絶縁部材43のスロット47の内壁を覆う部分が装着されるとともに、図9(a)のように固定子鉄心42の回転軸21軸方向の端面を構成するティース46の回転軸21軸方向の端面にティース被覆部43fが装着され、ティース46の回転軸21軸方向の端面とスロット47の内壁を構成する面を絶縁部材43が覆った状態で、その絶縁部材43上から図9(b)のようにティース46に巻き回される。これにより、固定子巻線44とティース46とが絶縁される(例えば、図9(c))。なお、固定子巻線44は、外壁部43dと内壁部43eの間に巻き回されるとともに、ティース46上に積層上に巻き回されていく固定子巻線44は外壁部43dと内壁部43eによって保持され、外壁部43dより外周側に、内壁部43eにより内周側に崩れることなく、巻き回すことができる。
なお、固定子鉄心42に装着される絶縁部材43は、固定子巻線44が巻き付けられることによって、装着した位置に固定される。
絶縁部材43aの外壁部43dには、固定子巻線44とリード線48の接続部分を収納する収納部51が設けられている。例えば、図10は、絶縁部材43aが固定子鉄心42の回転軸21軸方向の端面に装着された状態で、絶縁部材43aの外壁部43dに固定子鉄心42の円周方向の溝を設け、その溝を収納部51とし、固定子巻線44とリード線48の接合部を収納部51に収納する。収納部51は、固定子鉄心42の回転軸21軸方向で固定子鉄心42と反対側すなわち上方と、固定子鉄心42の円周方向に、それぞれ開放されている。なお、図10(a)は固定子鉄心42の回転軸21軸方向すなわち上方から見た絶縁部材43aの外観図で、(b)は固定子鉄心42の外周側から見た絶縁部材43aの外観と収納部51の内部を表した図と、(c)は固定子鉄心42aの円周方向すなわち側方から見た絶縁部材43aが固定子鉄心42に装着され固定子巻線44を巻き回された外観図である。
なお、収納部51は、各相に設けられており、例えば、図5、6では、U相、V相、W相毎に、接合部56u、56v、56wを有するので、収納部51u、51v、51wが設けられ、各接合部を収納する。
以上のような構成によって、電動機30は、回転子31が作る磁束と固定子41の固定子巻線44が作る磁束との作用によって、回転子31を回転させ、回転力を回転軸21へ伝達し、回転軸21を介して圧縮機構20へ伝達する。
電動機30が発生する回転力すなわち発生トルクは、圧縮機構20の吸入、圧縮、吐出の工程に必要な負荷量に従う。すなわち、圧縮機構20の負荷量が大きくなると電動機30が発生するトルクも大きくする必要がある。電動機30の発生トルクは、固定子巻線44に流す電流によって発生する磁束と、回転子31に設けられた永久磁石や二次巻線の磁束の作用によって発生する。その発生トルクの大きさは、固定子41と回転子31が発生する磁束の大きさによって決められる。一般的には、回転子31側の磁束の大きさは搭載する永久磁石や二次巻線の設計によって設計時におおよそ決められ、固定子41の磁束の大きさを決める要素のうち固定子巻線44を巻き回す回数も設計時に決められるので、電動機30の発生トルクの大きさは、固定子巻線44に流す電流の増減によって制御する。すなわち、電動機30の発生トルクを大きくするためには固定子巻線44に流す電流を増加させ、発生トルクを小さくしたい場合には固定子巻線44に流す電流を減少させる。固定子巻線44に流す電流は、リード線48とガラス端子49を解して接続された外部電源、例えば、インバータ装置によって、制御することができ、インバータ装置によって、圧縮機構20の負荷量に合わせて電動機30に必要な発生トルクを発生させることができる。インバータ装置は、電動機30のU相巻線、V相巻線、W相巻線にそれぞれ、120°毎位相が異なる交流を印加させ、電動機30を駆動する。
ここで、固定子巻線44は、銅線が使用されることが一般的であるが、コスト削減のため、アルミニウム線が使用されたものもある。しかし、アルミニウム線を使用した場合、同じ線径の導線でも、銅線の1.6倍程度の電気抵抗を有する。圧縮機構20の負荷量が変わらなければ、必要とする負荷トルクの大きさも同じであり、固定子巻線44に流す電流も変わらない。したがって、固定子巻線44にアルミニウム線を用いた場合でも銅線を用いた場合と同じ電流量を流す必要がある。必要な電流を流すと銅線を用いた固定子巻線に比べアルミニウム線を用いた固定子巻線が発生するジュール熱は増加するので、銅線に比べアルミニウム線は動作温度が高くなる。すなわち、固定子巻線44の温度上昇の上限値が上昇する。固定子巻線44の温度上昇を抑えるために、固定子巻線44の線径を太くし電気抵抗を下げる方法もある。しかし、圧縮機構20が必要とする負荷トルクの大きさは変わらないので、固定子41に発生する磁束量を同じだけ確保するためにはティース46に巻き回す回数も同数必要であり、固定子巻線44を収納するスロット47の断面積には限界があるので、固定子巻線44の線径を太くし電気抵抗を下げ温度上昇を抑制する方法にも限界がある。よって、銅線でもアルミニウム線でも動作温度は同じ程度として用いていくには課題がある。
また、密閉型圧縮機では、近年の地球温暖化防止対策のため、従来のR407C冷媒あるいはR410A冷媒に比べて、GWPの低い冷媒を使用していく計画がある。しかし、GWPの低い冷媒の中には、従来と同じ冷凍サイクル装置の構成にて、従来のR407C冷媒あるいはR410A冷媒と同等の熱交換能力を引き出すためには、R407C冷媒あるいはR410A冷媒の動作温度より高い動作温度条件で動作させる必要があるものがある。例えば、低GWP冷媒として注目されているR32冷媒は吐出温度で10℃程度高い条件で動作させなければ、R407C冷媒あるいはR410A冷媒と同等の熱交換能力が発揮されない。このような条件で密閉型圧縮機100を動作させた場合、圧縮機構20で圧縮された高圧・高温冷媒は、電動機30を通過して密閉容器10の上方の吐出管102から密閉容器10の外へ吐出されるが、高温の冷媒が電動機30を通過することによって電動機30の温度も上昇させられる。
また、図1に示す密閉型圧縮機100は、圧縮機構20が1組のシリンダとローリングピストンとベーンによって構成されたシングルロータリ形式のもので、ローリングピストンが1回転する間に吸入工程、圧縮工程、吐出工程を行うものである。ローリングピストンの1回する間で圧縮機構20が必要とする負荷量すなわち負荷トルクは図11の実線のように工程によって変わる。吸入工程が最もトルクを必要とせず、圧縮工程から吐出工程に移るときが最も大きなトルクを必要とする。これに対し、電動機30の発生トルクは、ほぼ一定のため、負荷トルクと発生トルクと違いにより、角速度が上昇、下降が生じ、電動機30は回転むらを発生させ、回転脈動が生じ、振動が発生する。
この振動を抑制するために、密閉型圧縮機100に電力を供給する外部電源すなわちインバータ装置では、圧縮機構20の回転位置に応じた負荷トルクに基づき、電動機の発生トルクを圧縮機構20の回転位置に応じて必要な発生トルクに制御し、図11の破線のように、回転むらを小さくし、回転脈動を抑制することで、振動を抑制する制振制御を行うものがある。しかしながら、このような制御を行うと、圧縮機構20の平均負荷トルクが小さくても、その最大負荷トルクは3倍程度に達することもある。固定子巻線44に流す電流量は、電動機30の発生トルクに比例するので、圧縮機構20の回転位置に応じて必要な電流量に増減、制御される。よって、巻線には所定の回転位置で大電流が流れるとともに、所定の回転位置の巻線の動作温度が著しく上昇する。
また、回転子32に永久磁石を用いるブラシレスDCモータの形式では、電動機30に電源供給するインバータ装置の出力電圧の周波数を可変させ、電動機30の可変速制御を行う。近年の省エネ・高効率化によって、回転数の低い低速領域での効率が重視され、固定子41の巻線の巻き回し回数を増加させたり、回転子31に使用する永久磁石34を高磁力の希土類磁石などを使用したりしている。そのため、回転数の高い高速領域では回転子32の永久磁石34が発生する逆起電力が、インバータ装置から印加される電圧を越え、電動機30に電流が流せなくなり、それよりも回転数を上げることができなくなる。これを防ぐために、固定子巻線44の電流位相を制御し、永久磁石34とは逆向きの磁束を固定子の磁極すなわちティースに発生させて永久磁石34の磁束すなわち永久磁石34の逆起電力を低減させる弱め界磁制御を行う場合が多い。
しかしながら、弱め界磁制御も必要な発生トルク以外の逆起電力を低減させる電流を流すので、大電流となり、巻線の動作温度が著しく上昇する。
以上のように、コスト、環境、効率などの要因により、改善が施されるほど、固定子巻線44の動作温度が上昇し、高い温度条件での使用が必要になる。従来、例えば、絶縁部は、絶縁種をE種・120℃で実現できていたが、冷媒をR32化した場合、電動機全体の温度上昇上限の上昇に伴い、絶縁種を155℃・F種程度に変更することで、実現可能である。また、巻線のアルミニウム線化を行い、従来と同じ出力を得る場合も、制振制御や弱め界磁制御によって運転範囲拡大を図る場合も同じく、絶縁種の変更で、実現可能である。一方、巻線の温度上昇が高くなると、固定子巻線44とリード線48とを圧接端子の押圧力よって接続し固定する一般的な方法では、固定子巻線44、リード線48、圧接端子に使用する金属の熱膨張率の違いから接続固定部が変形し、固定子巻線44やリード線48の固定状態が緩み、電気的接触状態が劣化し、電気抵抗が増加する。したがって、従来の温度条件では問題ではなかったが、温度条件の上限拡大が必要な要素を導入し、それに応じて絶縁種を高温のランクに変更したとしても、固定子巻線44とリード線48の接続部に課題があり、十分な能力を発揮することができない。
固定子巻線44とリード線48を半田付けやロウ付け方法もあるが、固定子巻線44とリード線48とは、半田やロウ材を介して接続されるので、接続部の電気抵抗は巻線の素材やリード線の素材より高く、電動機30の効率低下や、接続部の温度上昇が生じる。固定子巻線44やリード線48の表面には酸化膜が生成されており、半田付けやロウ付けする場合には、フラックスにて酸化膜を化学的に除去する。しかし、フラックスが接合部に残留すると、固定子巻線44あるいはリード線48を腐蝕させたり、冷媒あるいは冷凍機油との化学反応によりスラッジなどの異物が発生し、圧縮機の摺動部の焼きつきや、配管や絞り弁の詰りを招いたりする恐れがある。そのため、洗浄工程が必要となり、課題が多い。
固定子巻線44とリード線48は温度変化に対して接続状態が変わらない冷間圧接を用いる方法があるが、接続部分である接合部でバリが発生するため、バリの除去が必要である。しかしながら、バリは完全に除去することは難しく、残ったバリの先端部が他の固定子巻線の絶縁用被覆や他のリード線の絶縁用被覆を傷つけ固定子巻線の絶縁耐力を低下させたり、残ったバリの先端部の薄い部分が折れたり砕けたりして飛散しスラッジとなる。そこで、絶縁部材43に図10のような収納部51を設け、冷間圧接による接合部を収納部51に収納し絶縁樹脂にて覆うことで、密閉型圧縮機100への適用を図った。
図12は、2本の導線(第1導線と第2導線)を冷間圧接した接合部の説明図である。ここで、第1の導線、第2の導線とは、固定子巻線44、リード線48のことである。なお、図12の(a)は接合前の状態で、(b)は接合中、(c)は接合完了の状態である。
冷間圧接とは、金属材料を加圧・変形させる事により相互の金属間で原子結合を起こした接合状態である。通常、金属の内部は、原子核を回る電子の働きにより規則正しく並んで結合された状態であるが、金属の表面に並ぶ原子は、外側につなぐ相手が無く不安定な状態(活性化状態)となるため、空気中の酸素原子と結合して安定な状態すなわち酸化被膜を形成した状態となる。通常は、金属材料どうしを接触させても、酸化被膜があるので、金属間で原子結合を起こすような接合状態は起きないが、表面の金属から酸素原子を取り除き(酸化被膜を取り除く)、金属材料の表面を活性化状態にした金属どうしを接触させると、例え異なる種類の金属であっても、原子核を回る電子の働きにより原子結合を起こし、接合される。
これに対して、圧接端子は、圧接端子を形成する金属片に導線を挟む溝を設け、溝に導線を挟み込み、金属片の弾性力を利用し押圧し続けることで、圧接端子と導線の接触を維持するものである。しかし、圧接端子と導線のそれぞれの表面には酸化被膜が形成されており、酸化被膜を除去した接合ではないので、金属材料の表面が活性化し原子結合することは無く、冷間圧接の接合状態とは異なる。また、半田付けやロウ付けのように別の金属が溶融した接合とは、接合しようとしている金属材料の間に別の金属入ることと、接合しようとしている金属材料の表面が活性化し原子結合したものではないので、冷間圧接の接合状態とは異なる。
なお、本願の冷間圧接では、導線の端面どうしを接合するため、接合面積が小さく、酸化被膜を除去して冷間圧接をする方法をとらず、酸化被膜を残したまま導線の端面どうしを端面が変形するまで連続して押し込むことにより、端面にある酸化被膜を含めた全ての異物を導線の外周部より外側に押し出す方法をとる。したがって、押し出された異物がバリとなる。
例えば、図12のように第1導線52の端末と第2導線53の端末をそれぞれの端面52aと端面53aにて接合する場合で説明すると、先ず、図12(a)のように第1導線52と第2導線53を専用治具54でクランプし、第1導線52の端末部の端面52aと第2導線53の端末部の端面53aを突合せ、第1導線52を端面52aの方向に、第2導線53を端面53aの方向にそれぞれ押し付け、押圧する。端面52aと端面53aは図12(b)のように変形を開始し、端面52aと端面53aを構成する金属は第1導線52、第2導線53の半径方向かつ外周面より外側に押し出される。これにより、端面52a、53a上にある異物も第1導線52、第2導線53の外周面より外側に追い出される。さらに、第1導線52、第2導線53を押圧し、押し込んでいくことにより、第1導線52と第2導線53は相互の金属間で原子結合を起し接合される。同時に、図12(c)のように第1導線52、第2導線53の外周面より外側に追い出された金属と異物は、バリ55となる。
冷間圧接による接合は導線の端面にある全ての異物をバリ55として外部に押し出すので、接合部56の電気特性は第1導線52・第2導線53の母材と差異が生じず、他の接続方法と比べて電気的損失が小さい。接合部56は相互の金属間で原子結合を起こした状態であるため、接続した導線に張力をかけても、接合部56が離れる事はない。結合させる金属は、銅と銅のように同種の金属でも、銅とアルミニウムのように異種の金属でも可能である。
冷間圧接による接合を行った導線は、接合部の前後すなわち両側で金属種が変わっても、巻線とリード線と仕様が変わっても、一本の連続した導線として使用することができるので、取り扱いも容易である。
また、この発明の方法では、接合する導線の端面上の異物はバリ55として除去されるので、酸化被膜を除去してもしなくても構わないし、一般的な冷間圧接と同様に導線の酸化被膜を除去した後に行っても構わない。
第1導線52と第2導線53の接合部56すなわち接続部を収納部51に収納させた状態を、図10を使用して説明していく。
図10は、絶縁部材43が固定子鉄心42の回転軸21軸方向の端面に装着された状態で、絶縁部材43aの外壁部43dに固定子鉄心42の円周方向の溝を設け、その溝を収納部51としたものである。その収納部51は、外壁部43dの回転軸21軸方向の中央部から固定子鉄心42と接する側とは反対方向すなわち上方に向かって形成され、上方と固定子鉄心42の円周方向とに、それぞれ開放されている。溝は、円周方向の中央部の収納室51aとその両側の溝部51bから構成されている。円周方向の両側の溝部51bは、第1導線52あるいは第2導線53を係止するため、第1導線52あるいは第2導線53の線径とほぼ同じ幅に形成され、円周方向の中央部の収納室51aは、バリ55が溝の内壁に接触しないように、溝の幅を溝部51bの幅より広げた形状に形成されている。収納室51aは、溝部51bより、固定子鉄心42側にも広げられている。第1導線52および第2導線53は、冷間圧接され他接合部56が収納部51の収納室51aに位置するように、収納部51の開口部から、第1導線52および第2導線53を、溝部51bに挿入し固定子鉄心42に向かって下方に押し込む。そして、第1導線52および第2導線53を溝部51bに係止する。これにより、接合部56が、収納室51aに収納される。
なお、図10(a)では、収納室51aは円筒形状に広げているが、図10(d)のように直方体形状でも構わない。
このとき、接合部56のバリ55は除去した状態でも、除去しない状態でも、構わない。バリ55を除去しない状態で収納部51に収納すると、バリ55を除去する工程が省略でき生産効率が良くできる。
収納室51aには接合部56を収納した状態で収納部51の開口部から絶縁性樹脂を流し込み、絶縁性樹脂を充填する。接合部56とバリ55を絶縁性樹脂に埋没させ絶縁性樹脂で覆う。充填する樹脂は、収納部51を形成する溝全体に充填しても、収納室51aにのみ充填しても構わない。
充填する樹脂は、熱硬化性あるいは紫外線硬化性あるいはその両方の特性を有するアクリル系あるいはエポキシ系の絶縁性樹脂を使用する。収納部51に樹脂が充填された後、加熱工程あるいは紫外線照射工程あるいはその両方にて充填した樹脂を硬化させる。例えば、熱硬化性樹脂の場合は、固定子41の組立時の乾燥工程にて、樹脂の硬化が可能であり、新たな工程の追加は少ない。紫外線硬化性樹脂の場合、1分程度の紫外線照射にて硬化することができ、工程時間にロスは少ない。熱硬化性と紫外線硬化性の両方の特性を兼ね揃えた樹脂であれば、収納室51aに樹脂が充填した後、紫外線照射によって硬化させるが、紫外線が当たらず、完全硬化しなかった場合、すなわち、樹脂がゲル状の状態にて留まっても、後の乾燥工程にて、硬化が可能であり、工程の信頼性も高い。樹脂の粘度は、収納部51に充填した後、硬化させるまで収納部51の開口部などから流出しない0.5Pa・s以上5.0Pa・s以下の粘度が好ましく、樹脂は硬化したとき、収納室51aの内壁に固着することが望ましい。
以上のように収納室51aに接合部56を収納した状態で絶縁性樹脂を充填し硬化させることにより、接合部56とバリ55が絶縁性樹脂に覆われ収納室51a内に固定される。これにより、振動などで、第1導線52、第2導線53、および接合部56が収納部51から外れることは無く、バリ55が砕けても、絶縁性樹脂の中から外へは飛び出せないので、バリ55の破片が密閉容器10中に飛散することも無くなる。
このような構成により、密閉容器内で第1導線と第2導線を冷間圧接にて接合したものを使用しても、その接合部を固定子鉄心に設けた絶縁部材上の収納部に収納し絶縁性樹脂で覆ったので、接合部に形成されるバリが砕けて密閉容器内に破片が飛散し、スラッジになることが防止できる。また、その破片が固定子巻線やリード線と接触して、電極を短絡や漏電を起こすことも防止できる。また、収納部内に接合部が固定されるので、接合部のバリの先端部によって、他の固定子巻線の絶縁用被覆や他のリード線の絶縁用被覆を損傷させ、絶縁耐力が低下するようなことも防止できる。
なお、圧接端子を使用した場合、圧接端子と導線を絶縁性樹脂で埋没させ固定することは行わない。なぜなら、圧接端子と導線を絶縁性樹脂で埋没させると、絶縁性樹脂が硬化したとき圧接端子の弾性力が抑制され圧接端子と導線との押圧力が減少し電気抵抗が増加したり、圧接端子と導線の接触部に絶縁性樹脂が侵入して電気的接触状態を阻害したりする。したがって、圧接端子と導線の接触はそれらの押圧力によるため、温度上昇や振動などにより、接合が緩みやすい。これに対して、冷間圧接の場合、導線を構成する金属どうしが原子結合にて接合しているので、絶縁性樹脂に埋没させ覆っても、導線を構成する金属どうしの原子結合力が減少したり、接合部分に絶縁性樹脂が侵入して電気的接触状態を阻害したりすることは無く、接合部分を絶縁樹脂で覆う構成をとることができる。これにより、より信頼性の高い接合とその接合部の固定ができる構成とすることができる。
また、収納部すなわち絶縁部材の外壁部の収納部は、リード線をガラス端子近傍まで、固定子鉄心の回転軸21軸方向の端面の外周側すなわちバックヨーク上を通るように導く誘導路も兼ねており、これによって、配線が絡まり、損傷したりすることも防止できる。
以上により、電動機に使用する第1導線と第2導線すなわち固定子巻線とリード線を冷間圧接にて接続し、絶縁部材に設けた収納部に冷間圧接された接合部を収納し絶縁性樹脂で覆ったので、巻線とリード線の接合部の電気抵抗を増加させことなく接合させ、その接合部からスラッジなどの異物を発生させることも抑制した効率が高く信頼性も高い圧縮機用電動機、圧縮機及び冷凍サイクル装置を得ることができる。
また、冷媒のR32化や、巻線のアルミニウム線化、制振制御や弱め界磁制御によって運転範囲拡大のような、電動機の温度上昇上限を上昇させ実現を図る場合、例えば、従来、絶縁種がE種・120℃で実現できていたものをF種・155℃にとすることで実現しても、固定子巻線とリード線の接合部の課題は発生せず、実現可能である。
接合部に形成されるバリは、収納部に収納され絶縁性樹脂で覆われているので、電動機の動作中にバリが砕け、その破片が電動機を収納する容器すなわち圧縮機の容器内に飛散して、スラッジなどの異物となることを防止できる。また、その破片が固定子巻線やリード線と接触して、電極を短絡させたり、固定子巻線の絶縁用被覆やリード線の絶縁用被覆を損傷させ、固定子巻線とリード線の絶縁耐力を低下させたりすることも防止できる。
また、接合部に形成されるバリは、絶縁性樹脂で覆われているので、接合部のバリの先端部が他の固定子巻線やリード線に接触し、固定子巻線の絶縁用被覆やリード線の絶縁用被覆を損傷させ、固定子巻線とリード線の絶縁耐力を低下させることを防止できる。
また、半田付け、ロウ付けのようにフラックスを使用することなく接合できるので、フラックスの残渣が固定子巻線やリード線を腐蝕させたり、冷媒や冷凍機油との化学反応によりスラッジなどの異物が発生し、圧縮機の摺動部の焼きつきや、配管や絞り弁の詰りなどを発生させたりすることも抑制することができる。
また、固定子巻線とリード線が異種の金属どうし、例えば、アルミニウム線と銅線であっても圧着端子や半田付け、ロウ付けを使用することなく、冷間圧接にて接合ができるので、フラックスの残渣による腐蝕やスラッジなどの異物の発生の心配は無い。
また、固定子巻線とリード線は冷間圧接にて接合されることにより、接合部の電気特性は母材と差異が生じず、他の接続方法と比べて接合部での電気的損失が小さくできるので、電動機の効率改善にも貢献できる。すなわち、部品の素材の熱膨張率の違いから、巻線とリード線の固定状態が緩み、接合部の電気抵抗が増加したり、半田やロウ材を介して接続することで接合部の電気抵抗が増加したりすることは無い。接合部の電気抵抗の増加が抑制されていることから、接合部の温度上昇も低く抑制され、接合部を収納する収納部は高い耐熱性を考慮する必要なく構成できる。
また、バリは除去せず、収納部に収納する方法でも構わず、バリを除去する工程を省略でき、生産効率も向上できる。
また、固定子巻線やリード線にアルミニウム線を使用することによって、電動機の温度上昇が促されても、冷間圧接にて接合されているので、接合部の接合状態が変化することはない。したがって、接合部の電気抵抗が増加し電動機の効率を低下させることなく、接合部の信頼性を向上させた電動機を得ることができる。また、接合部の電気抵抗の増加が抑制されることにより、電動機としての温度上昇も改善できる。
また、冷凍サイクル装置の動作上、吐出温度が10℃程度高い条件で使用し、電動機の温度上昇が促されても、冷間圧接にて接合されているので、接合部の接合状態が変化することはない。したがって、接合部の電気抵抗が増加し電動機の効率を低下させることなく、接合部の信頼性を向上させた電動機を得ることができる。さらに、高温かつ流速の速い冷媒ガスが電動機を通過しても、冷間圧接の接合部は絶縁部材の収納部に収納され絶縁性樹脂にて覆われているので、冷媒ガスによってバリが砕かれ、バリの破片が密閉容器内に飛散することはない。
また、密閉型圧縮機はシングルロータリ形式であっても構わず、振動が大きくても、冷間圧接の接合部は絶縁部材の収納部に収納されているので、振動によりバリの先端部が固定子巻線やリード線に接触し、固定子巻線の絶縁用被覆やリード線の絶縁用被覆を損傷させ、固定子巻線とリード線の絶縁耐力を低下させることはない。さらに、シングルロータリ形式にて用いられる制振制御を実施し、電動機の温度上昇が促されても、冷間圧接にて接合されているので、接合部の接合状態が変化することはない。したがって、接合部の電気抵抗が増加し電動機の効率を低下させることなく、接合部の信頼性を向上させた電動機を得ることができる。
また、密閉型圧縮機において、ブラシレスDCモータを用い、上限回転数を上昇させるため、弱め界磁制御などの制御を行い、電動機の温度上昇が促されても、冷間圧接にて接合されているので、接合部の接合状態が変化することはない。したがって、接合部の電気抵抗が増加し電動機の効率を低下させることなく、接合部の信頼性を向上させた電動機を得ることができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、リード線と固定子巻線の接合に冷間圧接を用いた場合に使用する構成として説明したが、リード線と固定子巻線の接合に半田付けあるいはロウ付けを用いた場合であっても、この構成は使用可能である。接合前に塗布したフラックスは、長時間、残留するとリード線と固定子巻線を腐蝕させるので、洗浄する必要があるが、洗浄後、絶縁部材に設けた収納部にその接合部を収納し絶縁性樹脂で覆うことで、他の導線や固定子鉄心などと接触して短絡させたり、他の導線を損傷させ絶縁耐力を低下させたりすることを防ぐことができる。
例えば、図10の形態を用いて説明すると、実施の形態1同様に、第1導線52および第2導線53は、半田付けあるいはロウ付けされた接合部56が収納部51の収納室51aに位置するように、収納部51の開口部から、第1導線52および第2導線53を、溝部51bに挿入し固定子鉄心42に向かって下方に押し込む。そして、第1導線52および第2導線53を溝部51bに係止する。これにより、接合部56が、収納室51aに収納される。次に、接合部56を収納した状態で、収納室51aに収納部51の開口部から収納部51を形成する溝全体あるいは収納室51aにのみに絶縁性樹脂を流し込み、絶縁性樹脂を充填する。接合部56を絶縁性樹脂に埋没させ絶縁性樹脂で覆う。
以上により、電動機に使用する第1導線と第2導線すなわち固定子巻線とリード線を冷間圧接にて接続し、絶縁部材に設けた収納部に冷間圧接の接合部を収納し絶縁性樹脂で覆ったので、巻線とリード線の接合部の電気抵抗を増加させことなく接合させ、その接合部からスラッジなどの異物を発生させることも抑制した効率が高く信頼性も高い圧縮機用電動機、圧縮機及び冷凍サイクル装置を得ることができる。
また、冷媒のR32化や、巻線のアルミニウム線化、制振制御や弱め界磁制御によって運転範囲拡大のような、電動機の温度上昇上限を上昇させ実現を図る場合、例えば、従来、絶縁種がE種・120℃で実現できていたものをF種・155℃に変更することで実現しても、固定子巻線とリード線の接合部の課題は発生せず、実現可能である。
接合部に形成されるバリは、収納部に収納され絶縁性樹脂で覆われているので、電動機の動作中にバリが砕け、その破片が電動機を収納する容器すなわち圧縮機の容器内に飛散して、スラッジなどの異物となることを防止できる。また、その破片が固定子巻線やリード線と接触して、電極を短絡させたり、固定子巻線の絶縁用被覆やリード線の絶縁用被覆を損傷させ、固定子巻線とリード線の絶縁耐力を低下させたりすることも防止できる。
また、接合部に形成されるバリは、絶縁性樹脂で覆われているので、接合部のバリの先端部が他の固定子巻線やリード線に接触し、固定子巻線の絶縁用被覆やリード線の絶縁用被覆を損傷させ、固定子巻線とリード線の絶縁耐力を低下させることを防止できる。
実施の形態3.
実施の形態1では、絶縁部材が固定子鉄心の回転軸方向の端面に装着された状態で、絶縁部材の外壁部に固定子鉄心の円周方向に溝を設け、その溝を収納部とし、リード線と固定子巻線の接合部を収納部に収納した例を示した。しかしながら、固定子巻線が固定子鉄心の外周側すなわちバックヨーク側に崩れないように支えているので、外壁部の径方向の厚さを薄くし溝状の収納部を設けると、強度が弱くなる可能性がある。強度を維持し収納部を設けるためには、外壁部に溝状の収納部を設けるのではなく、外壁部に箱形あるいは円筒形の形状の収納部を設けることが望ましく、その例を説明する。
図13は、絶縁部材43aの外壁部43dの回転軸21軸方向の端面に収納部51を設けたものである。図13(a)(b)(c)の収納部51は、上方すなわち外壁部43dが固定子鉄心と接する側と反対方向に開放された箱形の形状としたもので、内部に収納室51aが設けられている。図13(a)は回転軸21軸方向すなわち固定子鉄心42の上面から見た図、図13(b)は固定子鉄心42の外周側から見た図、図13(c)は固定子鉄心42の円周方向すなわち側面から見た図である。上方の開放された開口部は、収納室51aと連通している。収納室51aの下面は、外壁部43dの回転軸21軸方向の端面によって構成され、収納室51aの側面すなわち側壁は、外壁部43dの回転軸21軸方向の端面に立設され、固定子鉄心42の円周方向の2面と、固定子鉄心42の内周側の面と、固定子鉄心42の外周側の面と、で構成されている。収納部51の円周方向の側壁には、冷間圧接された第1導線52および第2導線53を係止する導線案内溝が設けられており、側壁の一方には導線案内溝57が、側壁のもう一方には導線案内溝58が、お互いに収納室51aを挟んで対向するように設けられている。導線案内溝57、58は第1導線52、第2導線53を係止ため、導線の線径とほぼ同じ幅で形成されている。導線案内溝57、58は、収納室51aと連通しており、それぞれの側壁の中央部から始まり、上方に開放されており、収納部51の上方の開口部と繋がっている。
なお、外壁部43dは隣接する外壁部43dどうしと繋がっていて、円環状に形成されていても構わない。
収納部51は、図10(d)のように上方すなわち外壁部43dが固定子鉄心と接する側と反対方向に開放された円筒形の形状としたものでも構わない。接合部56のバリ55が突出した方向のみ、収納部51の内壁とバリ55の先端との間に接触を防止する距離が取れれば良いので、収納室51aを円筒形状とし無駄なスペースを無くして収納室51aを小さくできる。
第1導線52および第2導線53は、その接合部56が収納室51aに位置するように、上方の開口部から、導線案内溝57に第1導線52を、導線案内溝58に第2導線53を挿入し、第1導線52および第2導線53を、固定子鉄心42側に向かって下方に押し込み、第1導線52および第2導線53を導線案内溝57および導線案内溝58に係止する。これによって、接合部56が収納室51aに収納される。第1導線52、53を導線案内溝57、58に係止した後、収納室51aに接合部56を収納した状態で収納部51の開口部から絶縁性樹脂を充填する。樹脂は、実施の形態1同様、熱硬化性あるいは紫外線硬化性あるいはその両方の特性を有するアクリル系あるいはエポキシ系の絶縁性樹脂であり、加熱工程、紫外線照射工程などで硬化させ、収納室51a内に固着させる。これによって、接合部56とバリ55は収納室51a内に固定される。なお、収納部51は、絶縁部材43と同じ樹脂にて形成されている。
絶縁部材43aの外壁部43dの回転軸21軸方向の端面に収納部51を設けた例で説明したが、絶縁部材43aの外壁部43dの外周側すなわち密閉容器10側に設けても構わない。その場合、収納部51は、外壁部43dの外周側の側面に設けられ、収納室51aの側面すなわち側壁は、外壁部43dの外周側の側面と、その側面に立設された円周方向の2面と、密閉容器10側の側壁で構成され、固定子鉄心42側に下面が設けられている。収納部51の上方すなわち外壁部43dが固定子鉄心と接する側と反対方向には収納室51aと連通する開口部を有する。収納部51の円周方向の側壁には、一方に導線案内溝57が、もう一方に導線案内溝58が、お互いに収納室51aを挟んで対向するように設けられており、導線案内溝57、58は、図10(a)〜(c)と同じく、収納室51aと連通しており、それぞれの側面の中央部から始まり、上方に開放されており、収納部51の上方の開口部と繋がっている。
第1導線52および第2導線53を導線案内溝57および導線案内溝58に挿入、押し込み、係止し、接合部56を収納室51aへの収納し、絶縁性樹脂を充填、硬化させ、収納室51a内に固着し、接合部56とバリ55は収納室51a内に固定する方法、収納部51が絶縁部材43と同じ樹脂にて形成されてことなどは、図10(a)〜(c)と同じである。
また、図14は、収納部として、外壁部43dに回転軸21軸の径方向に第1の側壁51cと第2の側壁51dとを、側壁どうしが対向するように設けるとともに、第1の側壁51cと第2の側壁51dとの間に間隙51eを設け、その間隙51eにリード線48と固定子巻線44の接合部56を配置するものである。図14も図13同様、図14(a)は回転軸21軸方向すなわち固定子鉄心42の上面から見た図、図14(b)は固定子鉄心42の外周側から見た図、図14(c)は固定子鉄心42の円周方向すなわち側面から見た図である。第1の側壁51cと第2の側壁51dとの間隔すなわち間隙51eの幅は、接合部56とバリ55が収められる幅に設けられている。第1の側壁51cには導線案内溝57が、第2の側壁51dには導線案内溝58が設けられており、それぞれの側面の中央部から始まり、上方に開放するように形成されている。導線案内溝57、58は、図13同様、第1導線52および第2導線53を係止するため、導線の線径とほぼ同じ幅に設けられている。収納部51は、樹脂の粘性が1.0Pa・s以上5.0Pa・s以下程度あれば、充填する絶縁性樹脂が硬化するまで、間隙からの流出は抑えることができ、周囲の残りの面が無くても構わない。
第1導線52および第2導線53は、その接合部56が間隙51dに位置するように、導線案内溝57に第1導線52を、導線案内溝58に第2導線53を挿入し、第1導線52および第2導線53を、固定子鉄心42側に向かって下方に押し込み、第1導線52および第2導線53を導線案内溝57および導線案内溝58に係止する。これによって、接合部56は間隙51dに配置すなわち収容される。第1導線52、53を導線案内溝57、58に係止した後、間隙51dに接合部56を収容した状態で、接合部56を覆うように間隙51dに絶縁性樹脂を充填する。その後、樹脂を硬化させ、間隙51d内に固着させる。これによって、接合部56とバリ55は間隙51d内に固定される。
なお、導線案内溝57、58は、上方に開放した例で説明したが、固定子鉄心42の径方向すなわち固定子鉄心42の内周方向あるいは外周方向に開放されていても構わない。さらに、導線案内溝57は内周方向に開放させ、導線案内溝58は外周方向に開放させるというように、導線案内溝57、58の開放方向をお互いに反対方向に構成されていても構わない。導線案内溝57、58の開放方向をお互いに反対方向に構成することによって、導線案内溝57、58から導線が外れにくくなる。
以上のように、収納室51aに接合部56を収納した状態あるいは間隙51e内に接合部56を収容した状態で、収納室51aあるいは間隙51eに絶縁性樹脂を充填し硬化させることにより、接合部56とバリ55が絶縁性樹脂に覆われ収納室51a内あるいは間隙51e内に固定されるとともに、第1導線52と第2導線53も収納部51に固定され、振動などで、第1導線52、第2導線53、および接合部56が収納部51から外れることは無くなる。バリ55が砕けても、絶縁性樹脂の中から外へは飛び出せないので、バリ55の破片が密閉容器10中に飛散することも無い。
絶縁部材の外壁部に直方体形状あるいは円筒形状の収納部を設けることにより、外壁部の強度を低下させること無く、収納部を設けることができ、電動機を小型化のため、絶縁部材の薄肉化を行っても、外壁部の強度を落とすことなく、実現できる。
収納室51aを円筒形状とすることによって、バリに対する収納室51aの無駄なスペースを無くし、収納部自体を小さくできる。
また、収納部として回転軸21軸の径方向に第1の側壁51cと第2の側壁51dを設けるとともに、第1の側壁51cと第2の側壁51dとの間に間隙51eを形成して、間隙51eに接合部56を収めるようにすることで、直方体形状あるいは円筒形状の収納部に比べて、収納部を簡素な構成で実現でき、安価にすることができる。
以上により、電動機に使用する第1導線と第2導線すなわち固定子巻線とリード線を冷間圧接にて接続し、絶縁部材に設けた収納部に冷間圧接された接合部を収納し絶縁性樹脂で覆ったので、巻線とリード線の接合部の電気抵抗を増加させことなく接合させ、その接合部からスラッジなどの異物を発生させることも抑制した効率が高く信頼性も高い圧縮機用電動機、圧縮機及び冷凍サイクル装置を得ることができる。
また、冷媒のR32化や、巻線のアルミニウム線化、制振制御や弱め界磁制御によって運転範囲拡大のような、電動機の温度上昇上限を上昇させ実現を図る場合、例えば、従来、絶縁種がE種・120℃で実現できていたものをF種・155℃に変更することで実現しても、固定子巻線とリード線の接合部の課題は発生せず、実現可能である。
接合部に形成されるバリは、収納部に収納され絶縁性樹脂で覆われているので、電動機の動作中にバリが砕け、その破片が電動機を収納する容器すなわち圧縮機の容器内に飛散して、スラッジなどの異物となることを防止できる。また、その破片が固定子巻線やリード線と接触して、電極を短絡させたり、固定子巻線の絶縁用被覆やリード線の絶縁用被覆を損傷させ、固定子巻線とリード線の絶縁耐力を低下させたりすることも防止できる。
また、接合部に形成されるバリは、絶縁性樹脂で覆われているので、接合部のバリの先端部が他の固定子巻線やリード線に接触し、固定子巻線の絶縁用被覆やリード線の絶縁用被覆を損傷させ、固定子巻線とリード線の絶縁耐力を低下させることを防止できる。
なお、実施の形態2と同様に、実施の形態3の構成において、リード線と固定子巻線の接合に半田付けあるいはロウ付けを用いた場合にも、使用可能である。
実施の形態2と同様に、固定子巻線とリード線を半田付けあるいはロウ付けにて接続し、絶縁部材に設けた収納部に半田付けあるいはロウ付けされた接合部を収納し絶縁性樹脂で覆ったので、他の導線や固定子鉄心などと接触して短絡させたり、他の導線を損傷させ絶縁耐力を低下させたりすることを防止した効率が高く信頼性も高い圧縮機用電動機、圧縮機及び冷凍サイクル装置を得ることができる。
したがって、冷媒のR32化や、巻線のアルミニウム線化、制振制御や弱め界磁制御によって運転範囲拡大のような、電動機の温度上昇上限を上昇させ実現を図る場合、例えば、従来、絶縁種がE種・120℃で実現できていたものをF種・155℃に変更することで実現しても、固定子巻線とリード線の接合部の課題は発生せず、実現可能である。
10 密閉容器、11 上部容器、12 下部容器、20 圧縮機構、21 回転軸、21a 主軸部、21b 偏心軸部、21c 副軸部、22 ローリングピストン、23 シリンダ、23a シリンダ室、23b 背圧室、23c ベーン溝、24 上軸受、25 下軸受、26 ベーン、27 吐出マフラ、30 電動機、31 回転子、32 回転子鉄心、33 磁石挿入孔、34 永久磁石、35 風穴、41 固定子、42 固定子鉄心、43 絶縁部材、 43a 絶縁部材1、43b 絶縁部材2、43c 絶縁部材2、 43d 絶縁部材の外壁部、43e 絶縁部材の内壁部、43f ティース被覆部、43g 位置決め突起1、43h 位置決め突起2、44 固定子巻線、44a〜44i 固定子巻線、44j 中性点、44k U相固定子巻線、44l V相固定子巻線、44m W相固定子巻線、45 バックヨーク、46 ティース、46a〜46r ティース、47 スロット、48 リード線、48u U相リード線、48v V相リード線、48w W相リード線、49 ガラス端子、51 収納部、51u U相収納部、51v V相収納部、51w W相収納部、51a 収納室、51b 溝部、51c 第1の側壁、51d 第2の側壁、51e 間隙、52 第1導線、52a 第1導線の端面、53 第2導線、53a 第2導線の端面、54 専用治具、55 バリ、56 接合部、56u U相接合部、56v V相接合部、56w W相接合部、57 導線案内溝、58 導線案内溝、100 密閉型圧縮機、101 吸入マフラ、102 吐出管、103 四方切換弁、104 室外側熱交換器、105 減圧器、106 室内側熱交換器、200 冷凍サイクル装置。

Claims (16)

  1. 円筒形の固定子と前記固定子の内側に配設された回転子を有する圧縮機用電動機において、
    前記固定子は、円筒形のバックヨークと前記バックヨークから内側に突出した複数のティースを有する固定子鉄心と、前記固定子鉄心の軸方向の端面に装着された絶縁部材と、
    前記ティースに前記絶縁部材を介して巻き付けられた固定子巻線と、端末の一端が前記固定子巻線と接合され、他端を外部電源に接続するリード線と、を備え、
    前記絶縁部材は収納部を有し、前記収納部は、前記固定子巻線と前記リード線との接合部を収納し、絶縁性樹脂を充填して、前記接合部を前記絶縁性樹脂で覆うことを特徴とする圧縮機用電動機。
  2. 前記固定子巻線と前記リード線とは冷間圧接にて接合されたことを特徴とする請求項1に記載の圧縮機用電動機。
  3. 前記絶縁部材は、前記バックヨークの軸方向の端面に前記固定子巻線を保持する外壁部を有し、前記外壁部に前記収納部を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の圧縮機用電動機。
  4. 前記収納部は、前記固定子鉄心の円周方向に設けられた前記外壁部の溝によって構成され、前記接合部を前記溝に収納することを特徴とする請求項3に記載の圧縮機用電動機。
  5. 前記収納部は、箱形形状あるいは円筒形形状に形成され前記外壁部に設けられるとともに、内部に収納室を有し、前記接合部を前記収納室に収納することを特徴とする請求項3に記載の圧縮機用電動機。
  6. 前記収納部は、前記外壁に前記固定子鉄心の径方向に設けられた第1の側壁と、前記第1の側壁との間に間隙を有するように前記外壁に設けられた第2の側壁と、によって構成され、前記接合部を前記間隙に収容することを特徴とする請求項3に記載の圧縮機用電動機。
  7. 前記収納部は、前記固定子鉄心の軸方向に開放されたことを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の圧縮機用電動機。
  8. 前記絶縁性樹脂は、熱硬化性あるいは紫外線硬化性のうち少なくとも一方の硬化特性を有し、前記収納室に前記樹脂を充填した後、加熱あるいは紫外線照射のうち少なくとも一方の作用によって硬化させることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の圧縮機用電動機。
  9. 前記絶縁性樹脂は0.5Pa・s以上5.0Pa・s以下の粘度を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の圧縮機用電動機。
  10. 前記巻線は、アルミニウム線にて形成されたことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の圧縮機用電動機。
  11. 前記リード線は、アルミニウム線にて形成されたことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の圧縮機用電動機。
  12. 前記回転子は永久磁石を備え、弱め界磁制御にて駆動されることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の圧縮機用電動機。
  13. 請求項1乃至12のいずれかに記載の圧縮機用電動機と、前記圧縮機用電動機に駆動され冷媒を圧縮する圧縮機構と、を備えたことを特徴とする圧縮機。
  14. 前記圧縮機構の回転位置に応じた負荷トルクに基づき、前記電動機の発生トルクを前記圧縮機構の回転位置に応じて必要な発生トルクに制御することを特徴とする請求項13に記載の圧縮機。
  15. 前記冷媒に、R32冷媒を用いたことを特徴とする請求項13または14に記載の圧縮機。
  16. 請求項13乃至15のいずれかに記載の圧縮機、室外側熱交換器、減圧器および室内側熱交換器を備えたことを特徴とする冷凍サイクル装置。
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