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JP2014187268A - Cmp研磨剤及び基板の研磨方法 - Google Patents

Cmp研磨剤及び基板の研磨方法 Download PDF

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知里 吉川
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久貴 南
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Abstract

【課題】絶縁材料に対する研磨速度を向上させることが可能なCMP研磨剤及び該CMP研磨剤を用いた基板の研磨方法を提供する。
【解決手段】水及び砥粒を含み、pHが5.5〜7.3であり、前記砥粒が、シリカ及びセリウム水酸化物を含み、前記セリウム水酸化物粒子の含有量が、セリウム水酸化物粒子とシリカ粒子の合計に対して25〜98質量%であり、前記シリカのシラノール基密度が5.0個/nm以下である、CMP研磨剤。シリカの平均二次粒子径が65nm以下である、前記のCMP研磨剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、CMP研磨剤及び該CMP研磨剤を用いた基板の研磨方法に関する。特に、半導体素子製造技術である、基板表面の平坦化工程に用いられるCMP研磨剤及びその製造方法、並びに該CMP研磨剤を用いた基板の研磨方法に関する。さらに詳しくは、シャロートレンチ分離絶縁材料、プリメタル絶縁材料、層間絶縁材料等の平坦化工程において使用されるCMP研磨剤及び該CMP研磨剤を用いた基板の研磨方法に関する。
近年の半導体素子製造工程では、高密度化・微細化のための加工技術の重要性がますます高まっている。加工技術の一つであるCMP(ケミカル・メカニカル・ポリッシング:化学機械研磨)技術は、半導体素子製造工程において、シャロートレンチ・アイソレーション(STI)の形成、プリメタル絶縁材料や層間絶縁材料の平坦化、プラグの形成、埋め込み金属配線の形成等に必須の技術となっている。
CMP研磨剤として最も多用されているのは、砥粒として、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ等のシリカ(酸化ケイ素)粒子を含むシリカ系CMP研磨剤である。シリカ系CMP研磨剤は汎用性が高いことが特徴であり、砥粒濃度、pH、添加剤等を適切に選択することで、絶縁材料や導電材料を問わず幅広い種類の材料を研磨できる。
一方で、主に酸化ケイ素材料等の絶縁材料を対象とした、砥粒としてセリウム化合物粒子を含むCMP研磨剤の需要も拡大している。例えば、酸化セリウム(セリア)粒子を砥粒として含む酸化セリウム系CMP研磨剤は、シリカ系CMP研磨剤よりも低い砥粒濃度でも高速に酸化ケイ素材料を研磨できる(例えば、下記特許文献1、2参照)。
近年、半導体素子製造工程では、微細化が更に進行しており、研磨時に発生する研磨傷に対する要求が、より厳格となってきている。この課題に対し、前記のような酸化セリウム系CMP研磨剤に含まれる酸化セリウム粒子の平均粒径を小さくする試みがなされている。しかし、平均粒径を小さくすると機械的作用が低下するため、研磨速度が低下してしまう問題がある。
この問題に対し、4価の金属水酸化物粒子を砥粒として用いたCMP研磨剤が検討されており、この技術は下記特許文献3に開示されている。この技術は、4価の金属水酸化物粒子の化学的作用を活かし、かつ機械的作用を極力小さくすることによって、砥粒により生じる研磨傷の低減と、研磨速度の向上とを両立させたものである。
特開平10−106994号公報 特開平08−022970号公報 国際公開第02/067309号パンフレット
しかしながら、従来のCMP研磨剤よりも絶縁材料に対する研磨速度の更なる向上が求められているのが現状である。研磨速度を向上させるためには、一般に種々の添加剤が加えられるが、このようなアプローチには限界がある。
本発明は、このような技術的課題を解決しようとするものであり、絶縁材料に対する研磨速度を向上させることが可能なCMP研磨剤及び該CMP研磨剤を用いた基板の研磨方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の発明者らは、砥粒そのものが有する研磨能力を更に向上させることを検討し、特定成分を含有する混合粒子を砥粒として用いることを着想し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明の実施態様の一つは、水及び砥粒を含み、pHが5.5〜7.3であり、前記砥粒は、シリカ及びセリウム水酸化物を含み、前記セリウム水酸化物粒子の含有量が、セリウム水酸化物粒子とシリカ粒子の合計に対して25〜98質量%であり、前記シリカのシラノール基密度が5.0個/nm以下である、CMP研磨剤に関する。
このようなCMP研磨剤によれば、従来のCMP研磨剤に比して、絶縁材料(例えば酸化ケイ素材料)に対する研磨速度を向上させることができる。特に、本発明のCMP研磨剤によれば、砥粒としてシリカ粒子及びセリウム水酸化物粒子をそれぞれ単独で又は両者を組み合わせて使用した従来のCMP研磨剤と比較して、絶縁材料に対する研磨速度を顕著に向上させることができる。
本発明のCMP研磨剤において、前記シリカの平均二次粒子径が65nm以下であることが好ましい。これにより、絶縁材料に対する研磨速度を更に向上させることができる。
また、本発明の実施態様の一つは、水及び砥粒を含み、pHが5.5〜7.3であり、前記砥粒は、シリカ及びセリウム水酸化物を含み、前記セリウム水酸化物粒子の含有量が、セリウム水酸化物粒子とシリカ粒子の合計に対して25〜98質量%であり、前記シリカの平均二次粒子径が65nm以下である、CMP研磨剤に関する。
このようなCMP研磨剤によれば、従来のCMP研磨剤に比して、絶縁材料(例えば酸化ケイ素材料)に対する研磨速度を向上させることができる。特に、本発明のCMP研磨剤によれば、砥粒としてシリカ粒子及び酸化セリウム粒子をそれぞれ単独で又は両者を組み合わせて使用した従来のCMP研磨剤と比較して、絶縁材料に対する研磨速度をより向上させることができる。
本発明の実施態様において、前記セリウム水酸化物は、4価のセリウム塩と、塩基性化合物との反応物であることが好ましい。これにより、絶縁材料に対する研磨速度をより向上させることができる。
同様の観点で、前記セリウム水酸化物は、セリウムに結合した陰イオン基(但し水酸化物イオンを除く)を含むことが好ましい。前記陰イオン基としては、硝酸イオン基又は硫酸イオン基が好ましい。すなわち、前記セリウム水酸化物は、セリウムに結合した硝酸イオン基又はセリウムに結合した硫酸イオン基を含むことが好ましい。
また、前記セリウム水酸化物の平均一次粒子径が10nm以下であることが好ましい。これにより、絶縁材料に対する研磨速度を更に向上させることができる。
本発明のCMP研磨剤は、さらに水溶性ポリマを含むことが好ましい。このようなCMP研磨剤によれば、絶縁材料に対する研磨速度を更に向上させることができる。
前記水溶性ポリマは、ポリグリセリン類及びポリアリルアミン類からなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましい。このようなCMP研磨剤によれば、絶縁材料に対する研磨速度を更に向上させることができる。
また、本発明は、少なくとも表面に酸化ケイ素を含む被研磨材料を研磨する研磨方法への前記CMP研磨剤の使用に関する。すなわち、本発明のCMP研磨剤は、酸化ケイ素を含む被研磨材料を研磨するために用いられることが好ましい。
本発明の実施態様の一つは、酸化ケイ素を有する基板を用意するステップと、研磨パッドを用意するステップと、前記CMP研磨剤を用意するステップと、前記基板の酸化ケイ素の少なくとも一部を除去するステップを含む、酸化ケイ素を有する基板の研磨方法に関する。
このような構成の研磨方法によれば、従来のCMP研磨剤に比して、絶縁材料(例えば酸化ケイ素材料)を、高い研磨速度で研磨できる。特に、本発明のCMP研磨剤によれば、砥粒としてシリカ粒子及び酸化セリウム粒子をそれぞれ単独で又は両者を組み合わせて使用した従来のCMP研磨剤と比較して、絶縁材料を高い研磨速度で研磨できる。
本発明によれば、絶縁材料に対する研磨速度を向上させることが可能なCMP研磨剤及び該CMP研磨剤を用いた基板の研磨方法を提供できる。また、本発明によれば、特に、シャロートレンチ分離絶縁、プリメタル絶縁材料、層間絶縁材料等を平坦化するCMP技術において、絶縁材料を高速に研磨できるCMP研磨剤及び該CMP研磨剤を用いた基板の研磨方法を提供できる。
以下、本発明の一実施形態に係るCMP研磨剤及び該CMP研磨剤を用いた基板の研磨方法について詳細に説明する。
本実施形態に係るCMP研磨剤は、pHが5.5〜7.3であり、前記砥粒は、シリカ粒子及びセリウム水酸化物粒子を含み、前記のセリウム水酸化物粒子の含有量が、セリウム水酸化物粒子とシリカ粒子の合計に対して25〜98質量%であり、前記シリカ粒子のシラノール基密度が5.0個/nm以下である。以下、各成分について順に説明する。
(定義)
本実施形態の説明において、「物質Aを研磨する」及び「物質Aの研磨」とは、物質Aの少なくとも一部を研磨により除去することと定義される。「高いCMP速度」とは、研磨される物質がCMP研磨により除去される速度(例えば、時間あたりの厚みの低減量)が大きいことと定義される。
また、本実施形態の説明において「スラリー」及び「研磨液」とは、研磨時に被研磨材料に触れる組成物であり、水及び砥粒を少なくとも含んでいる。また、砥粒の含有量を所定量に調整した「水分散液」とは、所定量の砥粒と水とを含む液を意味する。
また、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
(砥粒)
本実施形態のCMP研磨剤は、砥粒として、シリカ粒子及びセリウム水酸化物粒子を含有する混合砥粒を含む。このような粒子は、ヒュームドシリカやコロイダルシリカ等のシリカ粒子、酸化セリウム粒子、セリウム水酸化物等の4価の金属水酸化物粒子などを単独で使用、又は、単純に複数種の粒子を混合して使用する従来のCMP研磨剤と比較して、絶縁材料に対して高い研磨速度を示す。
ここで、混合砥粒とは、シリカ粒子とセリウム水酸化物粒子とが、単純な分散処理で分散されたものとして定義される。これらの粒子は、水等の媒体中でいくらか凝集する可能性はあるが、例えば、シリカ粒子とセリウム水酸化物粒子とが強固に付着又は結合した複合粒子とは明確に区別される。
混合砥粒における、セリウム水酸化物粒子の含有量は、シリカ粒子とセリウム水酸化物粒子の合計を100質量%とした場合、25〜98質量%である。これにより、従来のCMP研磨剤に比して、絶縁材料(例えば酸化ケイ素材料)に対する研磨速度を向上させることが可能となる。
混合砥粒に用いるシリカ粒子としては、シラノール基密度が5.0個/nm以下であれば、特に制限はなく、具体的には、コロイダルシリカやヒュームドシリカ等のシリカ粒子などが挙げられ、中でもコロイダルシリカ粒子が好ましい。また、シリカ粒子として、表面修飾をしていないシリカ粒子、シリカの表面にある水酸基をカチオン基、アニオン基、ノニオン基等で修飾したシリカ粒子、シリカの表面にある水酸基をアルコキシ基で置換したシリカ粒子などを使用できる。
また、シリカ粒子のシラノール基密度は、4.0個/nm以下が好ましく、3.0個/nm以下がより好ましく、2.0個/nm以下が更に好ましい。シラノール基密度が5.0個/nm以下であることにより、従来のCMP研磨剤に比して、絶縁材料(例えば酸化ケイ素材料)に対する研磨速度を向上させることが可能となる。
CMP研磨剤中の砥粒の平均粒径の下限は、研磨速度が低くなりすぎることを避ける点で、5nm以上が好ましく、10nm以上がより好ましく、20nm以上が更に好ましい。また、砥粒の平均粒径の上限は、研磨する材料に傷がつきにくくなる点で、400nm以下が好ましく、300nm以下がより好ましく、250nm以下が更に好ましい。
「砥粒の平均粒径」とは、CMP研磨剤中の砥粒の平均二次粒子径を意味する。砥粒の平均粒径の測定に際しては、例えば、光回折散乱式粒度分布計(例えば、COULTER Electronics社製、商品名:COULTER N4SDや、マルバーンインスツルメンツ社製、商品名:ゼータサイザー3000HSA)を使用できる。具体的には、粒子径毎の存在比率を分布としてグラフにしたときに、分布の極大値となる値を平均二次粒子径としている。
なお、砥粒に含まれる混合粒子において、セリウム水酸化物粒子の平均一次粒径は、シリカ粒子の平均二次粒径よりも小さいことが好ましい。
また、シリカ粒子の平均二次粒子径は、65nm以下である。そして、セリウム水酸化物粒子の平均一次粒子径は、10nm以下であることが好ましい。これにより、絶縁材料に対する研磨速度を更に向上させることができる。
ここで、シリカ粒子の平均二次粒径子は、前記「砥粒の平均粒径」とは異なる。平均二次粒径の測定に際しては、例えば、光回折散乱式粒度分布計(例えば、COULTER Electronics社製、商品名:COULTER N4SDや、マルバーンインスツルメンツ社製、商品名:ゼータサイザー3000HSA)を使用できる。具体的には、粒子径毎の存在比率を分布としてグラフにしたときに、分布の極大値となる値を平均二次粒子径としている。
ここで、セリウム水酸化物粒子の平均一次粒子径は、粒子一つ一つのサイズを意味し、前記「砥粒の平均粒径」とは異なる。各粒子の平均粒径は、走査型電子顕微鏡で観測して得られたSEM画像から測定できる。具体的には例えば、粒子のSEM画像について、粒子を無作為に複数個(例えば20個)選び出す。選び出した粒子について、SEMで表示される縮尺を基準に粒径を測定する。粒径は粒子の最長径とその垂直二等分線の積の平方根として求めることができる。得られた測定値の平均値を粒子の平均一次粒子径とする。
砥粒の含有量(濃度)の下限は、更に好適な研磨速度を得ることができる点で、CMP研磨剤の全質量を基準として0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましい。また、砥粒の含有量の上限は、砥粒の凝集を抑制できる点で、CMP研磨剤の全質量を基準として20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましい。
(セリウム水酸化物)
本実施形態のCMP研磨剤は、砥粒として、セリウム水酸化物を含む。ここで、セリウム水酸化物とは、セリウム(Ce4+)と、少なくとも一つの水酸化物イオン(OH)とを含む化合物として定義される。すなわち、「セリウム水酸化物」という語句は、当然水酸化セリウム(Ce(OH))を含むが、水酸化物イオン以外の陰イオン成分(例えば硝酸イオンNO3−及び硫酸イオンSO 2−)が含まれることを排除しない。すなわち、砥粒は、セリウムに結合した陰イオン基(例えば、硝酸基(NO3−)、硫酸基(SO 2−))を含有する粒子を含んでいてもよい。特に、絶縁材料に対して高い研磨速度を示す観点では、セリウムに結合した陰イオン基を含有する粒子を含むことが好ましい。
セリウム水酸化物の作製工程において、セリウム水酸化物粒子は、以下の製造方法により製造できる。セリウム水酸化物の作製工程では、セリウム水酸化物の前駆体を含む第1の成分(反応成分)と、前記前駆体と反応して、セリウム水酸化物粒子を析出させることが可能な第2の成分と、を含む水溶液中で前記前駆体と第2の成分とを反応させてセリウム水酸化物粒子を析出させる。
セリウム水酸化物の前駆体としては、例えば4価のセリウム塩が挙げられ、第2の成分としては、例えば塩基性化合物が挙げられる。また、セリウム水酸化物の前駆体が4価のセリウム塩であり、且つ、前記反応液が第2の成分として塩基性化合物を含有するアルカリ液であることが好ましい。
4価のセリウム塩としては、従来公知のものを特に制限なく使用でき、例えば、Ce(NO、Ce(SO、Ce(NH(NO、Ce(NH(SOが挙げられる。
アルカリ液としては、従来公知のものを特に制限なく使用できる。アルカリ液中の塩基性化合物としては、例えば、イミダゾール、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、グアニジン、トリエチルアミン、ピリジン、ピペリジン、ピロリジン又はキトサン等の有機塩基、アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム又は水酸化カルシウム等の無機塩基が挙げられる。これらのうちアンモニア、イミダゾールが好ましい。
水酸化セリウムの前駆体を含む第1の成分の前駆体溶液における濃度は、製造効率の観点から、0.001mol/L以上が好ましく、0.005mol/L以上がより好ましい。第1の成分の濃度は、粒子の凝集を防ぐと共に研磨速度を更に高める観点から、1.5mol/L以下が好ましく、1.0mol/L以下がより好ましい。
反応液(例えばアルカリ液)における第2の成分(例えば塩基性化合物)の濃度は、製造時間の短縮の観点から、0.1mol/L以上が好ましく、0.3mol/L以上がより好ましい。第2の成分の濃度は、研磨速度を更に高める観点から、20mol/L以下が好ましく、15mol/L以下がより好ましい。
前駆体溶液と反応液との混合速度の制御により、研磨速度を更に高めることができる。混合速度は、2Lの溶液を撹拌する混合スケールの場合、例えば0.5mL/min以上が好ましく、50mL/min以下が好ましい。
撹拌羽の回転速度(撹拌速度)は、全長4cmの撹拌羽を用いて2Lの溶液を撹拌する混合スケールの場合、例えば、30〜800min―1であることが好ましい。回転速度の上限は、液面が上昇しすぎることを抑制する点で、700min―1以下が好ましく、600min―1以下がより好ましい。
前駆体溶液と反応液とを混合して得られる水溶液の液温は、反応系に温度計を設置して読み取れる反応系内の温度が0〜70℃であることが好ましい。前記水溶液の液温は、粒子の凝集を防ぐと共に研磨速度を更に高める観点から、60℃以下がより好ましく、55℃以下が更に好ましい。前記水溶液の液温は、液の凍結を防ぐ観点から、0℃以上が好ましい。
なお、セリウム水酸化物は、第1の成分を含む前駆体溶液と、第2の成分を含む反応液とを混合し、前記前駆体と第2の成分とを反応させて得ることもできる。
本実施形態のCMP研磨剤の製造方法は、セリウム水酸化物粒子作製工程の後に、前記方法で合成した粒子を洗浄してセリウム水酸化物粒子から金属不純物を除去する洗浄工程を更に備えていることが好ましい。セリウム水酸化物粒子の洗浄は、遠心分離等で固液分離を数回繰り返す方法等が使用できる。
本実施形態のCMP研磨剤の製造方法は、前記で得られたセリウム水酸化物の粒子同士が凝集している場合、洗浄工程の後、適切な方法で水中に分散させる分散工程を更に備えていることが好ましい。水酸化セリウム粒子を主な分散媒である水中に分散させる方法としては、通常の撹拌機による分散処理の他に、ホモジナイザ、超音波分散機、湿式ボールミル等による機械的な分散、遠心分離、透析、限外ろ過、イオン交換樹脂等による夾雑イオンの除去等を用いることができる。分散方法、粒径制御方法については、例えば、「分散技術大全集」〔株式会社情報機構、2005年7月〕第3章「各種分散機の最新開発動向と選定基準」に記述されている方法を用いることができる。
(添加剤)
本実施形態のCMP研磨剤は、添加剤を更に含んでいてもよい。ここで、「添加剤」とは、複合粒子の分散性、研磨特性、保存安定性等を調整するために、水や砥粒以外に含まれる物質を指す。
前記添加剤としては、水溶性高分子(水溶性ポリマ)、カルボン酸、アミノ酸、両性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤等が挙げられる。これらは単独で又は二種類以上組み合わせて使用できる。
前記のうち水溶性高分子(水溶性ポリマ)は、複合粒子の分散性を向上させ、研磨速度を更に向上させると共に、平坦性や面内均一性を向上させる効果を有する。ここで、「水溶性」とは、水:100gに対して、0.1g以上溶解すれば水溶性であるとする。
水溶性高分子(水溶性ポリマ)の具体例としては、特に制限はなく、例えば、アルギン酸、ペクチン酸、カルボキシメチルセルロース、寒天、カードラン、キトサン、キトサン誘導体、デキストラン、プルラン等の多糖類;ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリリシン、ポリリンゴ酸、ポリアミド酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリフマル酸、ポリ(p−スチレンカルボン酸)、ポリアミド酸アンモニウム塩、ポリアミド酸ナトリウム塩、ポリグリオキシル酸等のポリカルボン酸及びその塩;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクロレイン等のビニル系ポリマ;アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド等のアクリル系モノマを単量体成分として含む組成物を重合させて得られるアクリル系ポリマ;ポリグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物、エチレンジアミンのポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリアリルアミン類が挙げられる。前記水溶性高分子(水溶性ポリマ)が、分子中に酸性置換基又は塩基性置換基を含む場合、それぞれの置換基の一部が塩を構成していても良く、例えば、酸のアンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩が挙げられる。
また、ポリビニルアルコールに官能基を導入した、ポリビニルアルコール誘導体も利用できる。例えば、反応型ポリビニルアルコール(例えば、日本合成化学工業株式会社製、商品名:ゴーセファイマーZ、ゴーセファイマーは登録商標)、カチオン化ポリビニルアルコール(例えば、日本合成化学工業株式会社製、商品名:ゴーセファイマーK)、アニオン化ポリビニルアルコール(例えば、日本合成化学工業株式会社製、商品名:ゴーセランL、ゴーセナールT、ゴーセラン及びゴーセナールは登録商標)、親水基変性ポリビニルアルコール(例えば、日本合成化学工業株式会社製、商品名:エコマティは登録商標)が挙げられる。また、複数の水溶性高分子(水溶性ポリマ)を併用して用いてもよい。
カルボン酸は、pHを安定化させる効果があり、具体的には、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、乳酸等が挙げられる。
アミノ酸は、複合粒子の分散性を向上させ、被研磨材料(例えば酸化ケイ素材料)の研磨速度を更に向上させる効果を有する。アミノ酸としては、具体的には、例えば、アルギニン、リシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、ヒスチジン、プロリン、チロシン、トリプトファン、セリン、トレオニン、グリシン、アラニン、β−アラニン、メチオニン、システイン、フェニルアラニン、ロイシン、バリン、イソロイシンが挙げられる。
両性界面活性剤は、混合粒子の分散性を向上させ、被研磨材料(例えば酸化ケイ素材料)の研磨速度を更に向上させる効果を有する。両性界面活性剤としては、具体的には、例えば、ベタイン、β−アラニンベタイン、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタインが挙げられる。中でも、両性界面活性剤としては、分散性安定性が向上する観点から、ベタイン、β−アラニンベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタインが更に好ましい。
陰イオン性界面活性剤は、研磨特性の平坦性や面内均一性を調整する効果を有する。陰イオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン、特殊ポリカルボン酸型高分子分散剤が挙げられる。
非イオン性界面活性剤は、研磨特性の平坦性や面内均一性を調整する効果を有する。非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アルキルアルカノールアミドが挙げられる。
陽イオン性界面活性剤は、研磨特性の平坦性や面内均一性を調整する効果を有する。陽イオン性界面活性剤としては、例えば、ココナットアミンアセテート、ステアリルアミンアセテートが挙げられる。
CMP研磨剤が前記添加剤を含む場合、これら添加剤の含有量(添加量)の下限は、砥粒の分散性、研磨特性、保存安定性を更に向上させることができることから、CMP研磨剤の全質量を基準として0.01質量%以上が好ましい。添加剤の含有量の上限は、砥粒の沈降を防ぐ観点から、CMP研磨剤の全質量を基準として20質量%以下が好ましい。
(水)
本実施形態のCMP研磨剤は、水を含有する。水としては、特に制限はないが、脱イオン水、超純水が好ましい。水の含有量は、他の含有成分の含有量の残部でよく、特に限定されない。
(pH)
本実施形態のCMP研磨剤のpHは、5.5〜7.3である。pHが5.5〜7.3の範囲内であれば、CMP研磨剤としての保存安定性や研磨速度に優れている。よって、研磨速度が充分に確保できる傾向があり、実用的なCMP研磨剤となり易い。
pHは、酸性分又はアンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、TMAH、イミダゾール等のアルカリ成分の添加によって調整可能である。また、pHを安定化させるため、CMP研磨剤に緩衝液を添加してもよい。このような緩衝液としては、例えば、酢酸塩緩衝液、フタル酸塩緩衝液が挙げられる。
CMP研磨剤のpHは、pHメーター(例えば、電気化学計器株式会社製、型番:PHL−40)で測定できる。pHの測定値としては、標準緩衝液(フタル酸塩pH緩衝液 pH:4.01(25℃)、中性りん酸塩pH緩衝液 pH:6.86(25℃)、ホウ酸塩pH緩衝液 pH:9.18(25℃))を用いて、3点校正した後、電極をCMP研磨剤に入れて、2分以上経過して安定した後の値を採用する。
本実施形態のCMP研磨剤の製造方法は、洗浄工程や分散工程の後に、水が添加されてCMP研磨剤となる濃縮スラリと、水とを混合して、砥粒の含有量(濃度)が調整されたCMP研磨剤を得る濃度調整工程を更に備えていてもよい。これにより、被研磨材料の種類によって砥粒濃度を容易に調節できるほか、保管・輸送が更に容易になる。濃縮スラリにおける砥粒の含有量は、CMP研磨剤として使用される砥粒の含有量よりも高い含有量に調整されており、濃度調整工程において濃縮スラリが水で希釈されて、所望の砥粒の含有量に調整される。濃縮スラリは、洗浄工程や分散工程において調製されてもよく、洗浄工程や分散工程の後に別途調製されてもよい。なお、本実施形態のCMP研磨剤の製造方法では、濃度調整工程を行うことなく、複合粒子作製工程、洗浄工程又は分散工程において得られたスラリをそのまま研磨に用いてもよい。なお、濃縮とは、液状媒体に対する各成分の含有割合が、使用時(POU:Point−Of−Use)の研磨液における含有割合より多いことを意味し、濃縮工程を経たものに限定されない。
本実施形態のCMP研磨剤は、前記の各工程において前記含有成分を混合することにより得ることができる。前記含有成分である添加剤は、例えば分散工程や濃度調整工程において砥粒と混合される。CMP研磨剤を構成する含有成分の割合は、上述した各含有成分の好適な含有量になるように調製好ましい。CMP研磨剤を構成する含有成分の割合を前記の範囲にすることで、絶縁材料の研磨速度を更に向上させることができる。
(基板の研磨方法)
以上説明したCMP研磨剤を用いることで、被研磨材料(例えば絶縁材料層)を有する基板の被研磨材料を良好な研磨速度で研磨可能となる。
本実施形態の基板の研磨方法は、本実施形態のCMP研磨剤の製造方法によりCMP研磨剤を調製する研磨剤調製工程と、被研磨材料を有する基板と研磨パッドとの間に前記CMP研磨剤を供給しながら、基板の被研磨材料を研磨パッドで研磨する研磨工程を備える。研磨工程では、被研磨材料を有する基板の該被研磨材料(被研磨面)を研磨定盤の研磨パッドに対向させると共に被研磨材料を研磨パッドに押圧した状態で、前記CMP研磨剤を被研磨材料と研磨パッドとの間に供給しながら、基板の裏面(被研磨面と反対の面)に所定の圧力を加えた状態で、基板と研磨定盤とを相対的に動かして被研磨材料を研磨するのが好ましい。
研磨装置としては、例えば、回転数を変更可能なモータが取り付けてあり、研磨パッド(パッド)を貼り付け可能な定盤と、基板を保持するホルダーとを有する一般的な研磨装置が使用できる。研磨パッドとしては、特に制限はないが、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂等を使用できる。研磨条件には、特に制限はないが、基板が飛び出さないように、定盤の回転速度を200min−1以下の低回転に好ましい。
研磨パッドに押し当てた基板へ加える圧力(研磨圧力)は、4〜100kPaであることが好ましく、基板面内の均一性及びパターンの平坦性に優れる見地から、6〜60kPaであることがより好ましい。
研磨している間、研磨パッドの表面には、CMP研磨剤をポンプ等で連続的に供給してもよい。この供給量に制限はないが、研磨パッドの表面が常にCMP研磨剤で覆われていることが好ましい。
研磨される基板としては、半導体素子製造に係る基板、例えば、シャロートレンチ分離パターン、ゲートパターン、配線パターンが形成された半導体基板上に被研磨材料が形成された基板が挙げられる。そして、被研磨材料は、これらのパターンの上に形成された絶縁材料、例えば、酸化ケイ素材料、ポリシリコン材料が挙げられる。なお、被研磨材料は、単一の材料であってもよく、複数の材料であってもよい。複数の材料が基板表面に露出している場合、それらを被研磨材料と見なすことができる。
このような半導体基板上に形成された酸化ケイ素材料やポリシリコン材料を前記CMP研磨剤で研磨することによって、酸化ケイ素材料の表面の凹凸を解消し、半導体基板全面にわたって平滑な面とできる。このように、本実施形態のCMP研磨剤は、少なくとも表面に酸化ケイ素を含む被研磨材料(被研磨面)を研磨するために使用されることが好ましい。
少なくとも表面に酸化ケイ素を含む被研磨材料(例えば酸化ケイ素材料)と、該被研磨材料の下層に配置された研磨停止層とを備える基板を研磨対象とする場合、研磨停止層は、ポリシリコン材料、窒化ケイ素材料等であることが好ましい。酸化ケイ素よりも研磨速度が低い研磨停止層が露出した時に研磨が停止することにより、被研磨材料(例えば酸化ケイ素材料)が過剰に研磨されることを防止でき、被研磨材料の研磨後の平坦性を向上させることができる。
また、本実施形態のCMP研磨剤は、シャロートレンチ分離にも好適に使用できる。シャロートレンチ分離に使用するためには、研磨停止層に対する酸化ケイ素を含む材料(例えば酸化ケイ素材料)の研磨速度の選択比が100以上であることが好ましい。選択比が100未満では、酸化ケイ素を含む材料(例えば酸化ケイ素材料)に対する研磨速度と研磨停止層に対する研磨速度との差が小さく、シャロートレンチ分離をする際、所定の位置で研磨を停止し難くなる傾向があるためである。選択比が100以上であれば、研磨の停止が容易になり、シャロートレンチ分離に更に好適である。また、シャロートレンチ分離に使用するためには、研磨時に傷の発生が少ないことが好ましい。
更に、本実施形態のCMP研磨剤は、プリメタル絶縁材料の研磨にも使用できる。プリメタル絶縁材料として、酸化ケイ素の他、例えば、リン−シリケートガラスやボロン−リン−シリケートガラスが使用され、更に、シリコンオキシフロリド、フッ化アモルファスカーボンも使用できる。
研磨パッドとしては、一般的な不織布、発泡体、非発泡体等が使用でき、材質としてはポリウレタン、アクリル、ポリエステル、アクリル−エステル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ4−メチルペンテン、セルロース、セルロースエステル、ナイロン(商標名)、アラミド等のポリアミド、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリシロキサン共重合体、オキシラン化合物、フェノール樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、エポキシ樹脂等の樹脂が使用できる。
特に、研磨速度や平坦性の観点から、研磨パッドの材質としては発泡ポリウレタン、非発泡ポリウレタンが好ましい。また、研磨パッドには、研磨剤がたまるような溝加工を施すことが好ましい。
研磨終了後の半導体基板は、流水中で良く洗浄して基板に付着した粒子を除去好ましい。洗浄には、純水以外に希フッ酸やアンモニア水を併用してもよく、洗浄効率を高めるためにブラシを併用してもよい。
また、洗浄後はスピンドライヤ等を用いて半導体基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させることが好ましい。
本実施形態の研磨剤及び研磨方法は、酸化ケイ素材料のような絶縁材料以外の材料にも適用できる。例えば、Hf系、Ti系、Ta系酸化物等の高誘電率材料、シリコン、アモルファスシリコン、SiC、SiGe、Ge、GaN、GaP、GaAs、有機半導体等の半導体材料、GeSbTe等の相変化材料、ITO等の無機導電材料、ポリイミド系、ポリベンゾオキサゾール系、アクリル系、エポキシ系、フェノール系等のポリマ樹脂材料が挙げられる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本発明で用いたコロイダルシリカに含まれるシリカ粒子を表1に記載する。表1中のシリカはシリカ粒子を表す。
Figure 2014187268
まず、シリカ粒子やセリウム水酸化物粒子を単独で、又は単に混ぜ合わせたCMP研磨剤の製造法及び諸特性について実施例1及び比較例1〜2に示す。
<実施例1>
(セリウム水酸化物粒子の合成(合成例1))
311gのCe(NH(NOを2277gの純水に溶解して、前駆体液を得た。次に、前駆体液を40℃に調整すると共に混合液を500min―1で撹拌しながら、1368gのイミダゾール(5.0質量%水溶液)を2.7mL/minで混合液に滴下して、黄白色の粒子を作製した。この分散液から限外濾過法で粒子を単離することにより、粒子を洗浄した。
得られた粒子を一部抽出してTEM(透過型電子顕微鏡)にて観察したところ、単独に存在する粒子の粒径がおよそ2〜4nm程度の「単独粒子」が観察された。前記単独粒子は「セリウム水酸化物の単独粒子」であった。
(濃縮スラリの調製)
前記洗浄後の粒子に純水を加え、濃縮スラリ(混合粒子濃度:1.0質量%)を調製した。
(水及びシリカ/セリウム水酸化物混合粒子及び水溶性ポリマを含むスラリの調整)
シリカ粒子1(表1中の「シリカ1」)のコロイダルシリカ分散液(シリカ粒子含有量:20質量%)0.5質量%(シリカ粒子として0.1質量%相当)と、前記調整後の濃縮スラリ0.1質量%とポリマ添加剤(ポリグリセリン(阪本薬品工業株式会社製、ポリグリセリン#750)5.0質量%、ポリアリルアミン(ニットーボーメディカル株式会社製、PAA−01)0.01質量%)10質量%と水89質量%とを混合することにより、シリカ粒子とセリウム水酸化物粒子とを0.1質量%ずつ含有するCMP研磨液を調整した。さらに、10質量%イミダゾール水溶液でpH6.0に調整することによりCMP研磨液を調整した。
<測定方法>
本実施例及び比較例において、CMP研磨剤のpHは、下記の方法に従って測定した。
(pH測定)
測定温度:25±5℃
pH:電気化学計器株式会社製、型番:PHL−40で測定した。
(基板の研磨)
前記CMP研磨剤を用いて、下記の研磨条件で基板の研磨を行った。
(CMP研磨条件)
研磨装置:APPLIED MATERIALS社製、商品名:Mirra
CMP研磨剤流量:200mL/min
研磨される基板:Si基板上に、厚さ1000nmの酸化ケイ素(SiO)をプラズマCVD法により形成したシリコン基板(アドバンテック株式会社製,製品名:8インチ P−TEOSウエハー 1ミクロン 25枚)
研磨パッド:独立気泡を持つ発泡ポリウレタン樹脂(ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会社製、型番:IC1010)
研磨圧力:31.4kPa(4psi)
基板と研磨定盤との相対速度:80m/min
研磨時間:1分/枚
洗浄:CMP処理後、超音波水による洗浄を行った後、スピンドライヤで乾燥させた。
(研磨品評価項目:研磨速度)
前記条件で研磨及び洗浄した基板に対して、酸化ケイ素層に対する研磨速度(SiORR)を求めた。具体的には、研磨前後での前記酸化ケイ素層の材料厚差を、光干渉式材料厚測定装置を用いて測定し、次式より求めた。
(SiORR)=(研磨前後での酸化ケイ素層の材料厚差(Å))/(研磨時間(分))
このCMP研磨剤について、pHを測定したところ、pHは6.0であった。また、CMP研磨剤の酸化ケイ素層に対する研磨速度を求めたところ、6617Å/minであった。
<比較例1>
(セリウム水酸化物粒子の合成)
合成例1と同様にして、セリウム水酸化物を得た。また、合成例1と同様の洗浄及び調製を行い、セリウム水酸化物粒子濃度が1.0質量%の濃縮スラリを調製した。
(セリウム水酸化物混合粒子及び水溶性ポリマを含むスラリの調整)
前記調整後の濃縮スラリ0.2質量%と前記ポリマ添加剤(ポリグリセリン(阪本薬品工業株式会社製、ポリグリセリン#750)5.0質量%、ポリアリルアミン(ニットーボーメディカル株式会社製、PAA−01)0.01質量%)10質量%と水89質量%とを混合することにより、水酸化セリウム粒子を0.5質量%ずつ含有するCMP研磨液を調整した。さらに、10質量%イミダゾール水溶液でpH6.0に調整し、CMP研磨液を調整した。
このCMP研磨剤について、pHを測定したところ、pHは6.0であった。また、CMP研磨剤の酸化ケイ素層に対する研磨速度を求めたところ、5624Å/minであった。
<比較例2>
シリカ1(コロイダルシリカ分散液、シリカ粒子濃度:20質量%)を1.0質量%(シリカ粒子として0.2質量%相当)と、前記ポリマ添加剤(ポリグリセリン(阪本薬品工業株式会社製、ポリグリセリン#750)5.0質量%、ポリアリルアミン(ニットーボーメディカル株式会社製、PAA−01)0.01質量%)10質量%と水89質量%とを混合して、シリカ粒子を0.2質量%含有するCMP研磨剤を調製した。さらに、10質量%イミダゾール水溶液でpH6.0に調整し、CMP研磨液を調整した。CMP研磨剤の酸化ケイ素層に対する研磨速度を求めたところ60Å/minであった。
前記の実施例1と比較例1〜2について表2にまとめて示す。表2中のシリカ1はシリカ粒子1を表す。
Figure 2014187268
表2から明らかなように酸化ケイ素層の研磨速度は、シリカ・セリウム水酸化物の混合粒子を含むCMP研磨剤を用いることで顕著に向上した。すなわち、実施例1と比較例1〜2との対比から、シリカ・セリウム水酸化物の混合粒子を含むCMP研磨剤は、シリカ粒子やセリウム水酸化物粒子を単独と比較して研磨速度に優れていた。
次に、シリカ粒子及びセリウム水酸化物粒子の混合比率が異なる混合粒子を調整し、pHを6.0に調整したCMP研磨剤の製造法及び諸特性について実施例2〜4及び比較例3〜4に示す。
<実施例2>
合成例1と同様にしてセリウム水酸化物粒子を得た。次いで、合成例1と同様の洗浄及び調製を行い、セリウム水酸化物粒子濃度が1.0質量%の濃縮スラリを調製した。シリカ粒子1(表1中の「シリカ1」)のコロイダルシリカ分散液(シリカ粒子含有量:20質量%)0.05質量%(シリカ粒子として0.01質量%相当)と、前記調整後の濃縮スラリ0.19質量%と前記ポリマ添加剤(ポリグリセリン(阪本薬品工業株式会社製、ポリグリセリン#750)5.0質量%、ポリアリルアミン(ニットーボーメディカル株式会社製、PAA−01)0.01質量%)10質量%と水89質量%とを混合した。さらに、10質量%イミダゾール水溶液でpH6.0に調整することによりCMP研磨液を調整した。CMP研磨剤の酸化ケイ素層に対する研磨速度を求めたところ5909Å/minであった。
<実施例3>
合成例1と同様にしてセリウム水酸化物粒子を得た。次いで、合成例1と同様の洗浄及び調製を行い、セリウム水酸化物粒子濃度が1.0質量%の濃縮スラリを調製した。シリカ粒子1(表1中の「シリカ1」)のコロイダルシリカ分散液(シリカ粒子含有量:20質量%)0.25質量%(シリカ粒子として0.05質量%相当)と、前記調整後の濃縮スラリ0.15質量%と前記ポリマ添加剤(ポリグリセリン(阪本薬品工業株式会社製、ポリグリセリン#750)5.0質量%、ポリアリルアミン(ニットーボーメディカル株式会社製、PAA−01)0.01質量%)10質量%と水89質量%とを混合した。さらに、10質量%イミダゾール水溶液でpH6.0に調整することによりCMP研磨液を調整した。CMP研磨剤の酸化ケイ素層に対する研磨速度を求めたところ6079Å/minであった。
<実施例4>
合成例1と同様にしてセリウム水酸化物粒子を得た。次いで、合成例1と同様の洗浄及び調製を行い、セリウム水酸化物粒子濃度が1.0質量%の濃縮スラリを調製した。シリカ粒子1(表1中の「シリカ1」)のコロイダルシリカ分散液(シリカ粒子含有量:20質量%)0.75質量%(シリカ粒子として0.15質量%相当)と、前記調整後の濃縮スラリ0.05質量%と前記ポリマ添加剤(ポリグリセリン(阪本薬品工業株式会社製、ポリグリセリン#750)5.0質量%、ポリアリルアミン(ニットーボーメディカル株式会社製、PAA−01)0.01質量%)10質量%と水89質量%とを混合した。さらに、10質量%イミダゾール水溶液でpH6.0に調整することによりCMP研磨液を調整した。CMP研磨剤の酸化ケイ素層に対する研磨速度を求めたところ5640Å/minであった。
<比較例3>
合成例1と同様にしてセリウム水酸化物粒子を得た。次いで、合成例1と同様の洗浄及び調製を行い、セリウム水酸化物粒子濃度が1.0質量%の濃縮スラリを調製した。シリカ粒子1(表1中の「シリカ1」)のコロイダルシリカ分散液(シリカ粒子含有量:20質量%)0.90質量%(シリカ粒子として0.18質量%相当)と、前記調整後の濃縮スラリ0.02質量%と前記ポリマ添加剤(ポリグリセリン(阪本薬品工業株式会社製、ポリグリセリン#750)5.0質量%、ポリアリルアミン(ニットーボーメディカル株式会社製、PAA−01)0.01質量%)10質量%と水89質量%とを混合した。さらに、10質量%イミダゾール水溶液でpH6.0に調整することによりCMP研磨液を調整した。CMP研磨剤の酸化ケイ素層に対する研磨速度を求めたところ2719Å/minであった。
<比較例4>
合成例1と同様にしてセリウム水酸化物粒子を得た。次いで、合成例1と同様の洗浄及び調製を行い、セリウム水酸化物粒子濃度が1質量%の濃縮スラリを調製した。シリカ粒子1(表1中の「シリカ1」)のコロイダルシリカ分散液(シリカ粒子含有量:20質量%)0.95質量%(シリカ粒子として0.19質量%相当)と、前記調整後の濃縮スラリ0.01質量%と前記ポリマ添加剤(ポリグリセリン(阪本薬品工業株式会社製、ポリグリセリン#750)5.0質量%、ポリアリルアミン(ニットーボーメディカル株式会社製、PAA−01)0.01質量%)10質量%と水89質量%とを混合した。さらに、10質量%イミダゾール水溶液でpH6.0に調整することによりCMP研磨液を調整した。CMP研磨剤の酸化ケイ素層に対する研磨速度を求めたところ2327Å/minであった。
実施例1〜4と比較例1〜4について表3にまとめて示す。表3中のシリカ1はシリカ粒子1を表す。
Figure 2014187268
表3から明らかなように酸化ケイ素層の研磨速度は、セリウム水酸化物粒子の割合が25〜95質量%のときにセリウム水酸化物粒子単体と比較して研磨速度に優れていた。
次に、シリカ・セリウム水酸化物の混合粒子を含み、pHの異なるCMP研磨剤の製造法及び諸特性について実施例5及び比較例5〜7に示す。
<実施例5>
合成例1と同様にしてセリウム水酸化物粒子を得た。次いで、合成例1と同様の洗浄及び調製を行い、セリウム水酸化物粒子濃度が1.0質量%の濃縮スラリを調製した。シリカ粒子1(表1中の「シリカ1」)のコロイダルシリカ分散液(シリカ粒子含有量:20質量%)0.5質量%(シリカ粒子として0.1質量%相当)と、前記ポリマ添加剤(ポリグリセリン(阪本薬品工業株式会社製、ポリグリセリン#750)5.0質量%、ポリアリルアミン(ニットーボーメディカル株式会社製、PAA−01)0.01質量%)10質量%と水89質量%とを混合した。さらに、10質量%イミダゾール水溶液でpH7.0に調整することによりCMP研磨液を調整した。CMP研磨剤の酸化ケイ素層に対する研磨速度を求めたところ6236Å/minであった。
<比較例5>
合成例1と同様にしてセリウム水酸化物粒子を得た。次いで、合成例1と同様の洗浄及び調製を行い、セリウム水酸化物粒子濃度が1.0質量%の濃縮スラリを調製した。シリカ粒子1(表1中の「シリカ1」)のコロイダルシリカ分散液(シリカ粒子含有量:20質量%)0.5質量%(シリカ粒子として0.1質量%相当)と、前記調整後の濃縮スラリ0.1質量%と前記ポリマ添加剤(ポリグリセリン(阪本薬品工業株式会社製、ポリグリセリン#750)5.0質量%、ポリアリルアミン(ニットーボーメディカル株式会社製、PAA−01)0.01質量%)10質量%と水89質量%とを混合した。さらに、10質量%の酢酸水溶液でpH3.0に調整することによりCMP研磨液を調整した。CMP研磨剤の酸化ケイ素層に対する研磨速度を求めたところ0Å/minであった。
<比較例6>
合成例1と同様にしてセリウム水酸化物粒子を得た。次いで、合成例1と同様の洗浄及び調製を行い、セリウム水酸化物粒子濃度が1.0質量%の濃縮スラリを調製した。シリカ粒子1(表1中の「シリカ1」)のコロイダルシリカ分散液(シリカ粒子含有量:20質量%)0.5質量%(シリカ粒子として0.1質量%相当)と、前記調整後の濃縮スラリ0.1質量%と前記ポリマ添加剤(ポリグリセリン(阪本薬品工業株式会社製、ポリグリセリン#750)5.0質量%、ポリアリルアミン(ニットーボーメディカル株式会社製、PAA−01)0.01質量%)10質量%と水89質量%とを混合した。さらに、10質量%イミダゾール水溶液でpH5.0に調整することによりCMP研磨液を調整した。CMP研磨剤の酸化ケイ素層に対する研磨速度を求めたところ4526Å/minであった。
<比較例7>
合成例1と同様にしてセリウム水酸化物粒子を得た。次いで、合成例1と同様の洗浄及び調製を行い、セリウム水酸化物粒子濃度が1.0質量%の濃縮スラリを調製した。シリカ粒子1(表1中の「シリカ1」)のコロイダルシリカ分散液(シリカ粒子含有量:20質量%)0.5質量%(シリカ粒子として0.1質量%相当)と、前記調整後の濃縮スラリ0.1質量%と前記ポリマ添加剤(ポリグリセリン(阪本薬品工業株式会社製、ポリグリセリン#750)5.0質量%、ポリアリルアミン(ニットーボーメディカル株式会社製、PAA−01)0.01質量%)10質量%と水89質量%とを混合した。さらに、10質量%イミダゾール水溶液でpH8.0に調整することによりCMP研磨液を調整した。CMP研磨剤の酸化ケイ素層に対する研磨速度を求めたところ1488Å/minであった。
前記の実施例1及び実施例5と比較例5〜7について表4にまとめて示す。表4中のシリカ1はシリカ粒子1を表す。
Figure 2014187268
表4から明らかなように酸化ケイ素層の研磨速度は、pH6.0〜7.0のときにセリウム水酸化物粒子単体と比較して研磨速度に優れていた。
次に、異なるシリカを用いてシリカ・セリウム水酸化物の混合粒子を調整し、pHを6付近に調整したCMP研磨剤の製造法及び諸特性について実施例6〜9及び比較例8に示す。
<実施例6>
合成例1と同様にしてセリウム水酸化物粒子を得た。次いで、合成例1と同様の洗浄及び調製を行い、セリウム水酸化物粒子濃度が1.0質量%の濃縮スラリを調製した。シリカ粒子2(表5中の「シリカ2」)のコロイダルシリカ分散液(シリカ粒子含有量:20質量%)0.5質量%(シリカ粒子として0.1質量%相当)と、前記調整後の濃縮スラリ0.1質量%と前記ポリマ添加剤(ポリグリセリン(阪本薬品工業株式会社製、ポリグリセリン#750)5.0質量%、ポリアリルアミン(ニットーボーメディカル株式会社製、PAA−01)0.01質量%)10質量%と水89質量%とを混合した。さらに、10質量%イミダゾール水溶液でpH6.0に調整することによりCMP研磨液を調整した。CMP研磨剤の酸化ケイ素層に対する研磨速度を求めたところ6775Å/minであった。
<実施例7>
合成例1と同様にしてセリウム水酸化物を得た。次いで、合成例1と同様の洗浄及び調製を行い、セリウム水酸化物粒子濃度が1.0質量%の濃縮スラリを調製した。シリカ粒子3(表5中の「シリカ3」)のコロイダルシリカ分散液(シリカ粒子含有量:20質量%)0.5質量%(シリカ粒子として0.1質量%相当)と、前記調整後の濃縮スラリ0.1質量%と前記ポリマ添加剤(ポリグリセリン(阪本薬品工業株式会社製、ポリグリセリン#750)5.0質量%、ポリアリルアミン(ニットーボーメディカル株式会社製、PAA−01)0.01質量%)10質量%と水89質量%とを混合した。さらに、10質量%イミダゾール水溶液でpH6.0に調整することによりCMP研磨液を調整した。CMP研磨剤の酸化ケイ素層に対する研磨速度を求めたところ6086Å/minであった。
<実施例8>
合成例1と同様にしてセリウム水酸化物粒子を得た。次いで、合成例1と同様の洗浄及び調製を行い、セリウム水酸化物粒子濃度が1.0質量%の濃縮スラリを調製した。シリカ粒子4(表5中の「シリカ4」)のコロイダルシリカ分散液(シリカ粒子含有量:20質量%)0.5質量%(シリカ粒子として0.1質量%相当)と、前記調整後の濃縮スラリ0.1質量%と前記ポリマ添加剤(ポリグリセリン(阪本薬品工業株式会社製、ポリグリセリン#750)5.0質量%、ポリアリルアミン(ニットーボーメディカル株式会社製、PAA−01)0.01質量%)10質量%と水89質量%とを混合した。さらに、10質量%イミダゾール水溶液でpH6.0に調整することによりCMP研磨液を調整した。CMP研磨剤の酸化ケイ素層に対する研磨速度を求めたところ6306Å/minであった。
<実施例9>
合成例1と同様にしてセリウム水酸化物粒子を得た。次いで、合成例1と同様の洗浄及び調製を行い、セリウム水酸化物粒子濃度が1.0質量%の濃縮スラリを調製した。シリカ粒子5(表5中の「シリカ5」)のコロイダルシリカ分散液(シリカ粒子含有量:20質量%)0.5質量%(シリカ粒子として0.1質量%相当)と、前記調整後の濃縮スラリ0.1質量%と前記ポリマ添加剤(ポリグリセリン(阪本薬品工業株式会社製、ポリグリセリン#750)5.0質量%、ポリアリルアミン(ニットーボーメディカル株式会社製、PAA−01)0.01質量%)10質量%と水89質量%とを混合した。さらに、10質量%イミダゾール水溶液でpH6.0に調整することによりCMP研磨液を調整した。CMP研磨剤の酸化ケイ素層に対する研磨速度を求めたところ6131Å/minであった。
<比較例8>
合成例1と同様にしてセリウム水酸化物粒子を得た。次いで、合成例1と同様の洗浄及び調製を行い、セリウム水酸化物粒子濃度が1.0質量%の濃縮スラリを調製した。シリカ粒子6(表5中の「シリカ6」)のコロイダルシリカ分散液(シリカ粒子含有量:20質量%)0.5質量%(シリカ粒子として0.1質量%相当)と、前記調整後の濃縮スラリ0.1質量%と前記ポリマ添加剤(ポリグリセリン(阪本薬品工業株式会社製、ポリグリセリン#750)5.0質量%、ポリアリルアミン(ニットーボーメディカル株式会社製、PAA−01)0.01質量%)10質量%と水89質量%とを混合した。さらに、10質量%イミダゾール水溶液でpH6.0に調整することによりCMP研磨液を調整した。CMP研磨剤の酸化ケイ素層に対する研磨速度を求めたところ5172Å/minであった。
前記の実施例1及び実施例6〜9と比較例8について表5にまとめて示す。表5中のシリカ1〜6は、シリカ粒子1〜6を表す。
Figure 2014187268
表2に示すように、本実施形態のCMP研磨剤であるシリカ粒子及びセリウム水酸化物粒子を含有する混合砥粒は、シリカ粒子単体(比較例2)及びセリウム水酸化物粒子単体(比較例1)と比較して、酸化ケイ素層に対する研磨速度が速く、優れていることが明らかとなった。
また、表3〜表5に示すように、セリウム水酸化物粒子の割合が25質量%未満の比較例3〜4、CMP研磨剤のpHが5.5〜7.3の範囲外の比較例5〜7、平均二次粒子径が65nm超かつシラノール基密度が5.0個/nm超のシリカ粒子を使用した比較例8と比較しても、酸化ケイ素層に対する研磨速度が速く、優れていることが明らかとなった。
本発明のCMP研磨剤によれば、シャロートレンチ分離絶縁材料、プリメタル絶縁材料、層間絶縁材料等を平坦化するCMP技術において、これらの絶縁材料を高速に研磨できる。また本発明のCMP研磨剤によれば、絶縁材料に対する研磨速度を向上させつつ、絶縁材料を低研磨傷で研磨することもできる。
本発明は、シャロートレンチ分離絶縁材料、プリメタル絶縁材料、層間絶縁材料等を平坦化するCMP技術において、絶縁材料を高速かつ低研磨傷で研磨できるCMP研磨剤及び該CMP研磨剤を用いた基板の研磨方法を提供できる。

Claims (11)

  1. 水及び砥粒を含み、pHが5.5〜7.3であり、前記砥粒が、シリカ及びセリウム水酸化物を含み、前記セリウム水酸化物粒子の含有量が、セリウム水酸化物粒子とシリカ粒子の合計に対して25〜98質量%であり、前記シリカのシラノール基密度が5.0個/nm以下である、CMP研磨剤。
  2. シリカの平均二次粒子径が65nm以下である、請求項1に記載のCMP研磨剤。
  3. 水及び砥粒を含み、pHが5.5〜7.3であり、前記砥粒が、シリカ及びセリウム水酸化物を含み、前記セリウム水酸化物粒子の含有量が、セリウム水酸化物粒子とシリカ粒子の合計に対して25〜98質量%であり、前記シリカの平均二次粒子径が65nm以下である、CMP研磨剤。
  4. セリウム水酸化物が、4価のセリウム塩と、塩基性化合物との生成物である請求項1〜3のいずれかに記載のCMP研磨剤。
  5. セリウム水酸化物が、セリウムに結合した陰イオン基(但し水酸化物イオンを除く)を含む、請求項1〜4のいずれかに記載のCMP研磨剤。
  6. セリウム水酸化物が、セリウムに結合した硝酸イオン基又はセリウムに結合した硫酸イオン基を含む、請求項1〜5のいずれかに記載のCMP研磨剤。
  7. セリウム水酸化物の平均一次粒子径が10nm以下である請求項1〜6のいずれかに記載のCMP研磨剤。
  8. さらに水溶性ポリマを含む請求項1〜7のいずれかに記載のCMP研磨剤。
  9. 水溶性ポリマが、ポリグリセリン類及びポリアリルアミン類からなる群から選択される少なくとも一種である請求項8に記載のCMP研磨剤。
  10. 酸化ケイ素を含む被研磨膜を研磨するために用いられる、請求項1〜9のいずれかに記載のCMP研磨剤。
  11. 酸化ケイ素を有する基板を用意するステップと、研磨パッドを用意するステップと、請求項1〜10のいずれかに記載のCMP研磨剤を用意するステップと、前記基板の酸化ケイ素を有する面と前記研磨パッドとの間に、前記CMP研磨剤を供給し、前記基板の酸化ケイ素の少なくとも一部を除去するステップと、を含む、酸化ケイ素を有する基板の研磨方法。
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