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JP2014170709A - 雌端子金具 - Google Patents

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Takahiro Chigusa
貴弘 千種
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Abstract

【課題】本体部の側壁に孔を開けなくても弾性接触片の過度撓みを防止することが可能な雌端子金具を提供する。
【解決手段】雌端子金具10は、筒状の本体部20と、本体部20の内部に撓み可能に配置される弾性接触片28とを備える。本体部20に雄タブ90が挿入された場合に、雄タブ90が弾性接触片28と接触して、弾性接触片28が本体部20の基壁21へ向けて撓み変形させられる。本体部20の基壁21には、弾性接触片28とその撓み方向で対向する位置に配置されて、弾性接触片28の過度撓みを規制する過度撓み規制部37が設けられる。過度撓み規制部37は、基壁21の基準面に対して弾性接触片28側へ底上げされた形態とされている。
【選択図】図3

Description

本発明は、雌端子金具に関する。
特許文献1に開示の雌端子金具は、雄タブが挿入される筒状の本体部(特許文献1では「電気接触部」と呼称)と、本体部の内部に撓み可能に配置され、本体部に挿入される雄タブ(特許文献1では「雄端子」と呼称)に弾性的に接触する弾性接触片とを備えている。また、本体部の両側壁には、弾性接触片の過度撓みを防止するために内方へ向けて切り起こされた過度撓み防止片が設けられている。
特開2003−243076号公報
上記の場合、過度撓み防止片の形成に伴い、両側壁に孔が開くため、孔を通して本体部内に異物が侵入する可能性があった。とくに、上記孔は、弾性接触片が雄タブと接触する接点部の近傍に位置しているため、孔から侵入した異物が接点部に付着する可能性があり、電気的な接続信頼性が損なわるおそれがあった。また、孔が両側壁に設けられているため、本体部の強度が低下する懸念もあった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、本体部の側壁に孔を開けなくても弾性接触片の過度撓みを防止することが可能な雌端子金具を提供することを目的とする。
本発明は、筒状の本体部と、前記本体部の内部に撓み可能に配置される弾性接触片とを備え、前記本体部に相手側の雄タブが挿入された場合に、前記雄タブが前記弾性接触片と接触して、前記弾性接触片が前記本体部の基壁へ向けて撓み変形させられる雌端子金具であって、前記本体部の基壁には、前記弾性接触片とその撓み方向で対向する位置に配置されて、前記弾性接触片の過度撓みを規制する過度撓み規制部が設けられているところに特徴を有する。
本体部の基壁に過度撓み規制部が設けられているため、本体部の側壁に孔を開けなくても弾性接触片の過度撓みを防止することが可能となる。
本発明の実施例1の雌端子金具の正面図である。 本体部の側面図である。 本体部の側断面図である。 本体部の底面図である。 本体部の背面視方向の断面図である。 弾性接触片が過度撓み規制部に当接して、弾性接触片の過度撓みが規制される状態を示す断面図である。
本発明の好ましい形態を以下に示す。
前記過度撓み規制部が、前記弾性接触片の幅方向両端部と対向する位置に対をなして設けられている。これにより、過度撓みしようとする弾性接触片が過度撓み規制部に安定して支持される。
前記本体部には、前記弾性接触片とその撓み方向で当接して前記弾性接触片のばね力を補助する補助バネ片が、前記基壁の切り起こし孔から切り起こされて設けられ、前記過度撓み規制部も、前記切り起こし孔から切り起こされてなる。過度撓み規制部と補助バネ片とが1つの切り起こし孔を共用して設けられるため、本体部の構成を簡素化することができる。また、本体部に不必要に大きな孔が開くことがないため、本体部の強度を確保することができる。
<実施例1>
本発明の実施例1を図1〜図6によって説明する。実施例1の雌端子金具10は、導電性の金属板を曲げ加工等して形成され、相手側の雄タブ90(図6を参照)が挿入される筒状の本体部20を備えている。なお、雌端子金具10は、本体部20の後方に電線(図示せず)の端末部に接続される部分を有しているが、ここではその図示及び説明を省略する。
本体部20は、角筒状をなし、図1及び図5に示すように、幅方向にほぼ沿った基壁21と、基壁21の幅方向両端から立ち上がる一対の側壁22と、両側壁22のうちの一方の側壁22の上端部から他方の側壁22の上端部にかけて架け渡される対向壁23とを有している。対向壁23には、本体部20の内側へ折り曲げられてなる受け部24が設けられている。図3に示すように、受け部24は、前後方向に沿った受け面25を有し、雄タブ90の上面と当接して後述する弾性接触片28との間に雄タブ90を挟持するようになっている。
両側壁22の前端部には、図1及び図4に示すように、内方へ叩き出された形態をなす一対のガタ詰め部26が設けられている。両ガタ詰め部26は、本体部20の内部における雄タブ90の挿入経路を挟んだ幅方向両側に配置され、雄タブ90の幅方向両端面との間の隙間を詰めることにより、雄タブ90が本体部20内で幅方向にガタ付くのを規制する役割をはたす。
また、両側壁22の後端部には、図4に示すように、外方へ切り起こされた形態をなす一対のスタビライザ27が設けられている。図1に示すように、両スタビライザ27は、両側壁22のそれぞれで互いに異なる高さ位置に配置されている。ここで、雌端子金具10がコネクタハウジング(図示せず)のキャビティ(図示せず)に挿入されると、両スタビライザ27がキャビティと連通する案内溝に嵌合して挿入され、これによって雌端子金具10の挿入動作が案内されるようになっている。また、雌端子金具10が正規の挿入姿勢ではない不正姿勢をとる場合には、両スタビライザ27が案内溝に挿入されずにコネクタハウジングの後面に干渉し、これによって雌端子金具10が不正姿勢の状態でキャビティ内に挿入されるのが防止されるようになっている。
図3に示すように、本体部20の内部には、撓み可能な弾性接触片28が配置されている。弾性接触片28は、展開状態において基壁21の前端から前方に延びる部分を、後方へ折り返してなるものであり、基壁21の前端から後方へ上り勾配で延びる形態とされている。そして、弾性接触片28は、基壁21の前端を支点として上下方向に撓み変形可能とされている。図1及び図4に示すように、弾性接触片28の後端部には、上方へ叩き出されたエンボス状の接点部29が設けられている。また、弾性接触片28の後端部には、接点部29を挟んだ両側に、一対の張出部31が両側方に張り出して設けられている。
本体部20に雄タブ90が挿入されると、弾性接触片28が雄タブ90に押圧されて下方(基壁21側)に撓み変形させられ、その状態で、接点部29が雄タブ90に弾性的に接触することにより、雌端子金具10が接点部29と受け部24との間に雄タブ90と導通接続されるようになっている。なお、図4に示すように、弾性接触片28の前後方向途中は、前端部及び後端部よりも幅狭に括れた形態になっている。
また、図3に示すように、本体部20の内部には、弾性接触片28とは別に、撓み可能な補助バネ片32が配置されている。補助バネ片32は、基壁21の切り起こし孔33から切り起こされてなり、図4に示すように、切り起こし孔33の後端縁から前方へ向けて延びる形態とされている。図3に示すように、補助バネ片32の前端部は、弾性接触片28の後端部に下方から当接可能に配置され、弾性接触片28を下支えすることにより、弾性接触片28のバネ力を補助する役割をはたす。そして、図4に示すように、補助バネ片32は、全体として弾性接触片28よりも幅狭とされ、補助バネ片32の前端部は、弾性接触片28の後端部の幅方向中央部に当接可能とされている。
また、図3に示すように、基壁21における補助バネ片32よりも前方位置には、切り起こし孔33の前端縁から本体部20の外側となる下方へ向けて叩き出された爪状の係止突起34が設けられている。係止突起34の下端後縁には、後方へ向けて突出する形態をなす副突起35が設けられている。
さて、切り起こし孔33の前端部には、図4及び図5に示すように、基壁21から両側壁22の下端部に跨る範囲に、底上げ用切り起こし孔36が設けられ、基壁21には、底上げ用切り起こし孔36から内方へ切り起こされてなる一対の過度撓み規制部37が設けられている。両過度撓み規制部37は、基壁21の基準面(基壁21のうち、切り起こし孔33を挟んだ前後両側の部分の壁面)に対して、弾性接触片28側へ近づくように一段高い位置に配置され、図5に示すように、弾性接触片28の両張出部31とその下方(弾性接触片28の撓み方向)で対向する位置に、略水平に配置された規制面38を有している。また、両過度撓み規制部37は、幅方向に関して補助バネ片32の前端部を挟んだ両側で、且つ高さ方向に関して自然状態にある補助バネ片32の前端部よりも下方に配置されている。さらに、図4に示すように、両過度撓み規制部37は、底面視で矩形状をなし、弾性接触片28の両張出部31の前後長を超える前後長を有している。なお、本体部20における両過度撓み規制部37の下方には、図3に示すように、後述するランス70を受容可能なランス受容空間40が開放されている。
次に、実施例1の雌端子金具10の作用効果を説明する。
コネクタハウジングのキャビティ内に雌端子金具10が挿入され、雌端子金具10が正規挿入位置に至ると、キャビティの内壁に突成されたランス70の先端部が本体部20のランス受容空間40に弾性的に嵌まり込み、ランス70の先端部が係止突起34の副突起35に係止可能に配置されることで、雌端子金具10がキャビティ内に抜け止めされる。この場合、両過度撓み規制部37が基壁21の基準面よりも高位に位置することにより、ランス受容空間40の高さ方向の凹み量が増大して、ランス70の先端部がランス受容空間40に深く進入することが可能となっている。
続いて、コネクタハウジングが相手側コネクタハウジング(図示せず)に嵌合されると、相手側コネクタハウジングに装着された雄タブ90が本体部20に挿入され、弾性接触片28が雄タブ90に当接して下方へ撓み変形させられるとともに、補助バネ片32も弾性接触片28に押圧されて下方へ撓み変形させられる。雄タブ90が正規深さで挿入されると、弾性接触片28の接点部29と受け部24の受け面25との間に雄タブ90が弾性的に挟み込まれ、これによって雌端子金具10が雄タブ90に正規に導通接続される。
一方、図6に示すように、弾性接触片28が不正な挿入姿勢をとる等して、弾性接触片28に過剰な外力が作用すると、弾性接触片28が補助バネ片32ともども下方へ過度に撓み変形させられる可能性がある。しかるに実施例1によれば、弾性接触片28が過度に撓み変形させられる前に、弾性接触片28の両張出部31が両過度撓み規制部37の規制面38に当接して、弾性接触片28のそれ以上の撓み動作が規制されるため、弾性接触片28が過度撓みする事態が防止される。なお、弾性接触片28の両張出部31が両過度撓み規制部37に当接した状態では、補助バネ部の前端部が高さ方向に関して両過度撓み規制部37と重なる位置に配置される。
以上説明したように、実施例1によれば、本体部20の基壁21に過度撓み規制部37が設けられているため、本体部20の側壁22に孔を開けなくても弾性接触片28の過度撓みを防止することが可能となる。この場合に、過度撓み規制部37が弾性接触片28の幅方向両端部における両張出部31と対向する位置に対をなして設けられているため、弾性接触片28が過度撓み規制部37に安定して支持される。また、補助バネ片32が両過度撓み規制部37の間に配置されることにより、基壁21の幅内に両過度撓み規制部37と補助バネ片32とがスペース効率良く配置される。
さらに、両過度撓み規制部37及び補助バネ片32がいずれも基壁21の切り起こし孔33から切り起こされ、1つの切り起こし孔33を共用しているため、本体部20の構成が簡素化される。また、本体部20に不必要に大きな孔が開くことがないため、本体部20の所定の強度を確保することが可能となる。
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような態様も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)過度撓み規制部が、補助バネ片に当接して弾性接触片の過度撓みを規制する構成であってもよい。
(2)過度撓み規制部が、基壁に1つ又は3つ以上設けられるものであってもよい。
(3)場合によっては、補助バネ片は省略されてもよい。この場合、過度撓み規制部は、弾性接触片の幅方向中央部と対向する位置に配置されるものであってもよい。
(4)過度撓み規制部は、基壁に立ち上げ形成され、その立ち上げ端が弾性接触片と対向する位置に配置されるものであってもよい。
(5)過度撓み規制部は、弾性接触片における後端部よりも前方の部分と対向する位置に配置されるものであってもよい。
10…雌端子金具
20…本体部
21…基壁
22…側壁
28…弾性接触片
31…張出部
32…補助バネ片
33…切り起こし孔
37…過度撓み規制部
90…雄タブ

Claims (3)

  1. 筒状の本体部と、前記本体部の内部に撓み可能に配置される弾性接触片とを備え、前記本体部に相手側の雄タブが挿入された場合に、前記雄タブが前記弾性接触片と接触して、前記弾性接触片が前記本体部の基壁へ向けて撓み変形させられる雌端子金具であって、
    前記本体部の基壁には、前記弾性接触片とその撓み方向で対向する位置に配置されて、前記弾性接触片の過度撓みを規制する過度撓み規制部が設けられていることを特徴とする雌端子金具。
  2. 前記過度撓み規制部が、前記弾性接触片の幅方向両端部と対向する位置に対をなして設けられていることを特徴とする請求項1記載の雌端子金具。
  3. 前記本体部には、前記弾性接触片とその撓み方向で当接して前記弾性接触片のばね力を補助する補助バネ片が、前記基壁の切り起こし孔から切り起こされて設けられ、前記過度撓み規制部も、前記切り起こし孔から切り起こされてなることを特徴とする請求項1又は2記載の雌端子金具。
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