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JP2014155258A - ブラシレスモータ - Google Patents

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JP2014155258A
JP2014155258A JP2013020784A JP2013020784A JP2014155258A JP 2014155258 A JP2014155258 A JP 2014155258A JP 2013020784 A JP2013020784 A JP 2013020784A JP 2013020784 A JP2013020784 A JP 2013020784A JP 2014155258 A JP2014155258 A JP 2014155258A
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瞳 中村
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温 大久保
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Abstract

【課題】コンデンサモータを使用する機械において、コンデンサモータとそのまま簡単に置き換えて使用することができるブラシレスモータを提供する。
【解決手段】ステータコイルに流れる電流を検出するモータ電流検出部9から出力される電流値に基づきモータの発生トルクを算出する発生トルク算出部23と、予め設定されたモータトルクと回転速度の関係を示す速度・トルクデータテーブルを記憶するデータ記憶部20と、発生トルク算出部で算出された発生トルクをデータ記憶部内に設定された設定モータトルクに収束させるように設定電圧信号を生成し設定電圧入力部に出力するモータ制御処理部6を備える。モータ制御処理部6は、モータトルクが最大値となる最大回転速度より回転速度が低くなるに応じて、モータトルクが減少するように設定電圧信号を生成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、換気扇などに使用されるブラシレスモータに関し、特に従来から各種産業機械の駆動用に汎用的に使用されているコンデンサモータに対し、そのまま置き換えて使用することができるブラシレスモータに関する。
例えば、従来、汎用的に使用されるACモータとして、補助巻線を備え、補助巻線にコンデンサを接続し、90度位相のずれた状態の回転磁界を発生させて、モータを起動する構造の所謂コンデンサモータが、換気扇などで広く使用されている。
この種のコンデンサモータは、構造が簡単で、制御部の構成も簡単なため、安価な製造コストで製造できる利点はあるものの、ブラスレスモータなどの他の汎用モータと比して運転効率は低い。
このため、コンデンサモータを汎用的に使用する換気扇、送風機などにおいて、コンデンサモータをそのまま、つまり同一寸法で製作された効率の良いブラシレスモータで置き換え、同一の特性で換気扇などを運転駆動することができるブラシレスモータの開発が試みられている。なお、送風機の駆動用に使用されるファンモータとしてのブラシレスモータは、従来、下記特許文献1などで提案されている。
特開平8−152165号公報
しかし、通常のコンデンサモータの回転速度に対するトルク特性は、図12に示すように、回転速度が所定速度まで増加する間、トルクが所定トルクまで上昇する特性、つまり速度の低下に応じてトルクが低下する特性を有するのに対し、通常のブラシレスモータの回転速度に対するトルク特性は、回転速度が所定速度まで増加する間、トルクが略一定となる特性を有しており、両者の速度‐トルク特性は大きく相違する。
このため、例えば従来の換気扇に使用されているコンデンサモータを、単純に同様な定格性能のブラシレスモータと置き換えて換気扇に使用した場合、換気扇が使用される住宅などの使用環境、つまり風路の広さや狭さに応じて、送風時の風量、風速が大きく変化し、従前の換気扇の性能が得られなくなる。
すなわち、図12に示すトルク特性のグラフにおいて、HIのポイントで換気扇のモータが運転されている場合(風路が広い状態で運転されているとき)、コンデンサモータとブラシレスモータはどちらであっても、約1200rpmの回転速度で換気扇のファンは運転される。しかし、部屋の扉などが閉じられ風路が狭窄された場合、コンデンサモータの場合は、HCのポイントで運転され、回転速度は約750rpmまで低下し、ブラシレスモータの場合は、HBのポイントで運転されることとなり、その回転速度は約900rpmである。
このため、コンデンサモータを使用する換気扇において、単純にモータを同じ定格性能のブラシレスモータに置き換えた場合、風路状態の変化に応じてファンの回転速度が異なり、このために、実際の使用状態での風量や風速の測定などの検証が必要となる。
このように、コンデンサモータを同様な定格性能のブラシレスモータと単純に置き換えた場合であっても、モータの特性が異なるため、例えばブラスレスモータと置き換えた換気扇を実際に住宅などに設置し、部屋の扉を開閉するなどして、風路の状態を変化させたときの換気性能を測定する必要があり、そのための実験設備の製作、風量や風圧測定、検証など、多くの時間と工数が必要とされる。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、コンデンサモータを使用する機械において、コンデンサモータとそのまま簡単に置き換えて使用することができるブラシレスモータを提供することを目的とする。
本発明に係るブラシレスモータは、ロータの回転位置を示す回転位置信号を出力する回転位置検出部と、該回転位置検出部から出力される回転位置信号に基づき通電信号を生成する通電制御部と、該通電制御部から出力される通電信号に基づき、ステータの複数のステータコイルへの通電を切り換え、且つ通電時間を制御するインバータ回路とを備えたブラシレスモータにおいて、
該通電制御部に設けられ、各ステータコイルの印加電圧を設定入力する設定電圧入力部と、
ステータコイルの電圧と電流の位相差を設定入力する位相差設定入力部と、
前記回転位置検出部から送られる回転位置、該設定電圧入力部から入力した設定電圧信号及び位相差設定入力部から入力した位相差信号に基づき決定されたタイミングで前記インバータ回路の各スイッチング素子用の選択信号を発生する選択制御部と、
前記回転位置信号に基づきロータの回転速度を算出する回転速度算出部と、
ステータコイルに流れる電流を検出するモータ電流検出部から出力される電流値に基づきモータの発生トルクを算出する発生トルク算出部と、予め設定されたモータトルクと回転速度の関係を示す速度・トルクデータテーブルを記憶するデータ記憶部と、
該発生トルク算出部で算出された発生トルクを該データ記憶部内に設定された設定モータトルクに収束させるように前記設定電圧信号を生成し該設定電圧入力部に出力するモータ制御処理部と、を備え、
該モータ制御処理部は、モータトルクが最大値となる最大回転速度より回転速度が低くなるに応じて、該モータトルクが減少するように該設定電圧信号を生成することを特徴とする。
この発明によれば、モータ制御処理部は、モータトルクが最大値となる最大回転速度より回転速度が低くなるに応じてモータトルクが減少するように電圧指令信号を生成するので、ブラシレスモータであっても、コンデンサモータの速度‐トルク特性に近似した特性で運転を行なうことができ、コンデンサモータを使用する機械において、コンデンサモータとそのまま置き換えて使用することができるので、効率の良いブラシレスモータに置き換えることにより、機械の性能をそのまま保持しながら、モータの電力消費量を削減することができる。
ここで、上記データ記憶部の速度・トルクデータテーブルには、複数の回転速度領域が設定され、各回転速度領域には、コンデンサモータの速度・トルク特性曲線上においてモータトルクが最大値となる最大回転速度から回転速度が低くなるに従って複数の回転速度ポイントが記憶されるとともに、各回転速度ポイントについて設定トルクが電流値として設定され、上記モータ制御処理部において、各回転速度ポイント間の直線補間演算を行なって、回転速度に対応したモータ制御指令用の設定電圧を算出するように構成することができる。
これによれば、ブラシレスモータであっても、コンデンサモータの速度‐トルク特性に近似した特性をもって、よりスムーズに運転を行なうことができる。
ここで、上記ブラシレスモータは、回転軸にファンが取り付けられ、ファンモータとして送風機、換気扇などに使用することができる。
これによれば、従来から送風機、換気扇などに使用されていたコンデンサモータを、運転効率の良いブラシレスモータにそのまま置き換えることができ、特性の異なるモータを使用する場合に必要な、各種の実験、風量や風圧測定、検証など、時間と工数のかかる煩雑な作業を省略して、効率の良いモータに変えることができる。
ここで、上記ブラシレスモータにおいて、上記データ記憶部には、予め設定した回転速度とステータコイルの電圧に対する電流の遅延位相を示す位相差との関係を示す速度・位相差データテーブルが記憶され、上記モータ制御処理部は上記回転速度算出部で算出された回転速度を用いて該速度・位相差データテーブルを参照して通電信号の位相角を決定するように構成することができる。
これによれば、ステータコイルの印加電圧に対するコイル電流の位相差つまり位相遅れを補正することができ、ステータコイルのインダクタンス成分によって発生するコイル電流の位相遅れに起因した無効電流をなくし、効率の良い運転駆動を行なうことができる。
ここで、上記ブラシレスモータにおいて、上記通電制御部に接続された主電源回路に、平滑用コンデンサが接続され、且つ直流出力の負極側に、始動時の突入電流を低減する抵抗器を接続し、該抵抗器と並列にリレー接点を接続し、モータの始動時、該リレー接点をオフし、始動後に該リレー接点をオンするように構成することができる。
これによれば、モータの始動時、平滑用コンデンサに流れる電流を抵抗器に流し、起動時の突入電流を低減し、通常運転時には抵抗器の電力消費と発熱をなくすことができる。
ここで、モータ部を包囲するモータケーシングは、略同じ定格のコンデンサモータと同じ形状及び大きさに形成され、該モータケーシング内に、前記主電源回路以外の全ての回路を収納するように構成することができる。
これによれば、従来からコンデンサモータを使用している既存の各種産業用または民生用機械において、コンデンサモータをそのまま簡便に、効率の良いブラシレスモータに置き換えて使用することができる。特に、既存のコンデンサモータを使用する機械において、機械へのモータの取付位置や取付手段は同一となるので、コンデンサモータをブラシレスモータに容易に交換することができ、モータの効率の向上に伴い、機械の消費電力の削減を図ることができる。
本発明のブラシレスモータによれば、コンデンサモータを使用する既存の機械において、コンデンサモータとそのまま簡単に置き換えて使用することができ、モータの効率を改善し、機械の電力消費量を削減することができる。
本発明の一実施形態を示すブラシレスモータの全体構成図である。 同ブラシレスモータのモータ部、通電制御部、インバータ回路を含む構成図である。 同ブラシレスモータのモータ制御処理部の構成図である。 (a)はブラシレスモータのモータ部の断面図、(b)は対応するコンデンサモータのモータ部の断面図である。 ブラシレスモータの制御処理動作を示すフローチャートである。 モータの印加電圧と電流の位相差を示すグラフ図である。 モータの回転速度と位相差のデータテーブルの説明図である。 位相差・トルク特性を示すグラフ図である。 モータの電流を変えたときの回転速度・トルク特性を示すグラフ図である。 図9のグラフに、コンデンサモータの速度・トルク特性を加えたグラフ図である。 モータの回転速度と設定トルクのデータテーブルの説明図である。 一般的なコンデンサモータとブラシレスモータの速度・トルク特性を示すグラフ図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。ブラシレスモータ1は、図1に示すように、ロータ16の回転位置を示す回転位置信号を出力する回転位置検出部3と、回転位置検出部3から出力される回転位置信号に基づき通電信号を生成する通電制御部5と、通電制御部5から出力される通電信号に基づき、ステータの複数のステータコイル2への通電を切り換え、且つ通電時間を制御するインバータ回路4と、通電制御部5に対し位相差設定信号及び設定電圧信号を出力するモータ制御処理部6と、通電制御部5及びモータ制御処理部6に直流電源を供給する制御用電源7を備えて構成される。
回転位置検出部3は、モータ部10内のロータ16の周囲固定位置に、所定の角度間隔をおいて3個の磁気検出素子(ホール素子)を配置して構成され、ロータ16の回転位置を示すとともに回転速度を示す周波数信号を発生し、図2のように、通電制御部5の選択制御部13及びモータ制御処理部6の回転速度算出部25に信号を出力する。
インバータ回路4は、図2に示す如く、3相全波駆動制御用にブリッジ接続された3対のスイッチング素子(FET等のパワートランジスタ)を備え、各スイッチング素子のゲートには、ステータコイル2の各相(U相、V相、W相)用に、ゲート信号を印加するゲート駆動回路17が接続される。インバータ回路4は、汎用の回路であり、所定の周波数の三角波信号を発生する三角波発振器と正弦波発振器からの正弦波に基づき、PWM変調を行ない、各相のスイッチング素子を駆動制御するように構成される。
図2に示すように、モータ電流を検出するためのモータ電流検出部9が、インバータ回路4内に抵抗器R1として接続される。モータ電流検出部9の抵抗器R1は、インバータ回路4のスイッチング素子の電源回路に直列に接続され、モータ部10のステータコイル2に供給されるインバータ回路4の出力電流(モータ電流)を、電圧として検出し、発生トルク算出部24にその検出信号を出力する。
モータの回転トルクは、基本的にはステータコイル2の電流に比例するが、電流を検出するモータ電流検出部9がインバータ回路4内であるため、補正換算する必要がある。モータ制御処理部6の発生トルク算出部24は、モータ電流検出部9の抵抗器R1から検出されるインバータ回路4のモータ電流に基づき、モータの発生トルクを補正換算して算出する。さらに、ステータコイル2においては電圧と電流との間で位相差が生じる。
図6は、モータのステータコイル2に印加される印加電圧とそのコイルに流れる電流との関係を示すグラフであるが、モータの各相のステータコイル2にはインダクタンス成分があるため、その電流は、図6に示すように、その印加電圧に対し、ステータコイル2のインダクタンスに起因した位相差(位相遅れ)が発生する。このために、通電制御部5において、電流の位相差(位相遅れ)を補正するように制御を行なっている。
通電制御部5は、図2に示すように、ステータコイルの電圧と電流の位相差(電流の位相遅れ)を示す信号を入力する位相差設定入力部11及びステータコイルに印加する印加電圧を示す信号を入力する設定電圧入力部12とを有して構成され、さらに、インバータ回路4のゲート駆動回路17に対し各ゲートに駆動信号を出力するための選択制御信号を出力する選択制御部13を有し、この選択制御部13から各ゲート用の選択制御信号を出力するように構成される。
選択制御部13は、ロータ2の回転位置を検出する回転位置検出部3の各ホール素子から回転検出信号を入力し、各回転検出信号のタイミングに基づき、インバータ回路4の各スイッチング素子のゲートを駆動するゲート信号を発生する。この際の各ゲート信号のタイミングは、ステータコイル2の電圧と電流の位相差に応じて決定される。
このような通電制御部5は、基本的には、インバータ回路4に対し、例えば正弦波PWM駆動の制御を行なうように構成され、回転位置検出部3の各ホール素子から送られるロータ16の回転位置(回転角度)を示す信号を取り込み、予め設定された電圧指令信号(ステータコイル2に印加する印加電圧の設定電圧信号)に基づき正弦波状の変調信号を発生させ、所定周波数で三角波を発生する三角波発振器からの三角波信号(搬送波信号)をコンパレータに入力して、PWM信号を発生させ、PWM信号に基づき選択制御部13からインバータ回路4の各スイッチング素子用の選択制御信号を出力するように構成される。
位相差設定入力部11は、モータ制御処理部6から送られる位相差信号を入力し、設定電圧信号に基づき正弦波変調信号を発生する際、その位相差(電流の位相遅れ)が補正される。設定電圧入力部12は、モータ制御処理部6から送られる設定電圧信号(設定トルクに対応したステータコイルの印加電圧信号)を入力する。
モータ制御処理部6は、図3に示すように、ロータ16の回転位置を検出する回転位置検出部3から送られる回転検出信号から回転速度を算出する回転速度算出部25を有する。回転速度算出部25は、図2に示すように、回転位置検出部3の1つのホール素子から出力される、ロータ16の回転速度に応じた周期の周波数信号を取り込み、ロータ16の回転速度を算出する。さらに、モータ制御処理部6は、ステータコイル2の電流を検出するモータ電流検出部9から送られる電流検出信号を取り込み、電流検出信号に基づきモータに生じる発生トルクを算出する発生トルク算出部24を有し、データ記憶部20がモータ制御処理部6内に設けられる。
図3に示すように、モータ制御処理部6は、小型のシングルボードコンピュータから構成され、ROMに格納された制御用ソフトウエアに基づき各種制御処理を行なうCPU,制御用ソフトウエアを記憶するROM,CPUのワークエリアを構成しデータを一時記憶するRAMなどを備える。
ROMから構成されるデータ記憶部20内には、図7に示す回転速度と位相差特性のデータをテーブル化して記憶する速度・位相差データテーブル21が記憶され、さらに、図11に示す回転速度とトルク特性のデータをテーブル化して記憶する速度・トルクデータテーブル22が記憶される。
速度・位相差データテーブル21のデータは、予め設定した回転速度とステータコイルの電圧に対する電流の遅延位相を示す位相差との関係を示すデータであり、モータ制御処理部6は上記回転速度算出部25で算出された回転速度を用い、この速度・位相差データテーブル21を参照して、通電信号の位相角を決定する。
図7の速度・位相差データテーブル21の回転速度と位相差のデータは、上記構成のブラシレスモータ1について、回転速度と位相差の関係を抽出する試験を実施し、モータ電流を0.2Aと0.4Aとし、位相差を10度、20度、30度と変えたとき、モータの回転速度とトルクを測定し、その測定データに基づき抽出される。図8は、このときの測定データに基づき、グラフ化したものであり、図8のグラフ図に基づき、最もトルクが大きくなる位相差を、3つの回転速度範囲において抽出している。
図8のグラフ図から、モータ電流が0.2Aのとき、回転速度が0〜400rpmの範囲で、位相差を10度としたとき、トルクが最も大きく、回転速度が400〜970rpmの範囲で、位相差を20度としたとき、トルクが最も大きく、回転速度が970〜1500rpmの範囲で、位相差を30度としたとき、トルクが最も大きくなることがわかる。
また、モータ電流が0.4Aのとき、回転速度が0〜420rpmの範囲で、位相差を10度としたとき、トルクが最も大きく、回転速度が420〜990rpmの範囲で、位相差を20度としたとき、トルクが最も大きく、回転速度が990〜1500rpmの範囲で、位相差を30度としたとき、トルクが最も大きくなることがわかる。このような測定結果に基づく図8のグラフ図から、図7に示すような、回転速度と位相差特性のテーブルデータが抽出され、速度・位相差データテーブル21に格納される。
図8の速度・位相差データテーブル21は、モータ電流の大きい0.4Aのときの測定データに基づき作成しているが、これにより、ブラシレスモータ1がハイパワーで運転されているとき、より効率の良い運転を行なうことができる。また、図8に示す速度・位相差データテーブル21のように、モータの回転速度領域全体を3分割して位相差を設定しても、実用上問題はないが、回転速度領域をより細かく分割して多くの領域に位相差を細かく設定し、速度・位相差特性を最適値により近づけることもできる。
また、上記の速度・位相差データは、モータ電流が0.4Aのときの測定データに基づき抽出したが、モータ電流の電流値についてもパラメータとして加え、速度・位相差データを作成することもでき、これによって、モータの駆動制御の精度をより高めることができる。
データ記憶部20の速度・トルクデータテーブル22には、図11に示すように、複数の回転速度領域が設定される。複数の回転速度領域は、例えば、0〜150rpm、150rpm〜350rpm、350rpm〜550rpm、550rpm〜830rpm、830rpm〜1170rpm、1170rpm〜1500rpmと設定される。各回転速度領域には、コンデンサモータの速度・トルク特性曲線上においてモータトルクが最大値となる最大回転速度から回転速度が低くなるに従って複数の回転速度ポイントが設定される。
回転速度ポイントとしては、例えば、150rpm、350rpm、550rpm、830rpm、1170rpmが設定され、各回転速度ポイントについて設定トルクが電流値として設定される。例えば、図9,10のように、回転速度150rpmのとき、設定トルクに対応した電流は0.1Aとし、回転速度350rpmのとき、電流は0.2Aとし、回転速度550rpmのとき、電流は0.3Aとし、回転速度830rpmのとき、電流は0.4Aとし、回転速度1170rpmのとき、電流は0.5Aに設定される。
モータ制御処理部6は、モータを制御するための設定電圧信号を生成する際、回転速度算出部25で算出し回転速度に基づき、上記速度・トルクデータテーブル22を参照して、設定トルクを電流値として決定する。このとき、モータ制御処理部6は、各回転速度ポイント間の直線補間演算を行なって、設定電圧が回転速度に応じてなだらかに変化するように算出している。さらに、モータ制御処理部6のPI演算器23では、発生トルク算出部24において算出された発生トルクを、設定トルクに収束させるように比例制御が行なわれ、設定電圧信号が生成され、設定電圧信号は通電制御部5の設定電圧入力部12に出力される。
上述の如く、速度・トルクデータテーブル22の回転速度とトルクのテーブルデータは、上記のように構成されるが、これらのデータは、ブラシレスモータ1について、回転速度とトルクの関係を測定する試験を実施してデータを収集し抽出する。試験時、例えばモータ電流を0.1A〜0.5Aまで段階的に変化させ、そのときの、モータの回転速度とトルクを測定し、その測定データに基づき各電流曲線とコンデンサモータの特性曲線の交点を抽出する。
さらに、コンデンサモータの特性に合せるために、各交点の範囲を補間演算するようにして、速度と設定トルクのデータテーブルが作成される。図9は、このときの測定データに基づき、グラフ化したものであり、図10のグラフ図には、略同じ定格性能のコンデンサモータ30における速度・トルク特性曲線が付加してある。このコンデンサモータの速度・トルク特性曲線に類似した特性をブラシレスモータ1により実現するために、上記のように、モータ電流を0.1A〜0.5Aまで段階的に変化させたときの各々の電流について、回転速度とトルクの特性曲線を図10のグラフに加え、それらの特性曲線とコンデンサモータの特性曲線との交点を上記複数の回転速度ポイントとして設定している。
具体的なブラシレスモータ1の構造は、図4に示すように、モータケーシング15内に、ステータコイル2をステータコアに巻装したステータが固定され、ステータの内側に、3相用のマグネットを配置してなるロータ16が回転軸18上に取り付けられ、上記通電制御部5、モータ制御処理部6及び制御用電源7を基板上に実装してなる制御回路基板19がモータケーシング15内に取り付けられて構成される。
このブラシレスモータ1のモータケーシング15は、図4a,図4bに示すように、略同じ定格性能のコンデンサモータ30と同一形状、同一の大きさに形成され、既存の送風機、換気扇などコンデンサモータ30を使用する機械において、簡単にモータを置き換えて使用できるようになっている。図4に示すように、ブラシレスモータ1は、同じ定格性能のコンデンサモータ30と比較した場合、ステータコイル2の巻数、巻装外径が小さいため、モータケーシング15内にスペースの余裕が生じ、上記回路を実装する制御回路基板19をそのスペースに配置することができる。また、既存のコンデンサモータ30のケーシングを、ブラシレスモータ1のモータケーシング15としてそのまま使用できるため、製造コストを削減することもできる。
ブラシレスモータ1を送風機或いは換気扇の駆動用に使用する場合、その回転軸18にはファンが取り付けられ、従前のコンデンサモータと同様に回転駆動されるところ、ブラシレスモータはコンデンサモータと比較して、より高い効率で運転されるので、同様のトルクで運転する場合、その消費電力を大きく削減することできる。
ブラシレスモータ1には、図1に示すように、インバータ回路4及び制御用電源7に直流電源を供給するための主電源回路8が接続される。主電源回路8は、商用電源等の交流電源から供給される交流を整流する整流器26が接続され、整流器26の出力側に平滑用コンデンサC及び抵抗器Rが接続される。抵抗器Rは、直流出力の負極側に直列に接続され、モータ始動時の突入電流を低減するようになっている。抵抗器Rと並列にリレーRYのリレー接点CRが接続され、リレーRYは図1のように通電制御部5(またはモータ制御処理部6)に接続され、リレーRYは、始動時、リレー接点CRをオフし、始動後にリレー接点CRをオンするように制御される。これにより、モータの始動時、リレーRYはリレー接点CRをオフし、始動後にリレー接点CRをオンして、モータ始動時の突入電流を低減する一方、モータの通常運転時、抵抗器Rに電流を流さず、抵抗器の発熱を防止し、無駄な電力消費をなくしている。
次に、上記構成のブラシレスモータ1の動作を、図5のフローチャートを参照して説明する。主電源回路8に電源を投入したとき、図1のように、コンデンサCに充電電流が流れるが、電源投入時、リレー接点CRはオフしているため、コンデンサCの充電電流は抵抗器Rを通して流れ、これにより、始動時の電流は抑制され、過大電流による電源回路への悪影響が防止される。電源投入とともに、ブラシレスモータ1のロータ16が始動するが、ロータ16の始動後、リレー接点CRがオンするので、抵抗器Rに流れる電流はゼロとなり、抵抗器Rの発熱や抵抗器Rによる電力消費をなくすことができる。
ブラシレスモータ1が始動すると、ロータ16の回転に応じて回転位置検出部3からホール素子の検出信号が出力され、検出信号を入力したモータ制御処理部6は、この検出信号に基づき回転速度算出部25において回転速度を算出する(ステップ100)。
次に、モータ制御処理部6は、算出された回転速度に基づき、データ記憶部20の速度・位相差データテーブル21を参照して(ステップ110)、位相差を決定する(ステップ120)。位相差はステータコイル2の電圧に対する電流の位相遅れであり、図7に示すように各回転速度範囲で設定された位相差が決定され、決定された位相差データは、モータ制御処理部6から通電制御部5の位相差設定入力部11に出力される。通電制御部5は、入力した位相差データに基づき、ステータコイル電流の位相遅れを補正し、選択制御部13が選択するスイッチング素子T1〜T6の選択信号に基づき、位相遅れを補正したタイミングで、インバータ回路4に対するゲート制御信号を出力する。
また、モータ制御処理部6は、算出された回転速度に基づき、データ記憶部20の速度・トルクデータテーブル22を参照して(ステップ130)、設定トルクを決定する(ステップ140)。速度・トルクデータテーブル22では、図11に示すように、複数の各回転速度範囲において設定トルクが電流値として設定されており、ロータ16の回転速度に基づき、速度・設定トルクデータから設定トルクが決定される。
速度・トルクデータテーブル22では、上述のように、複数の回転速度領域が設定され、各回転速度領域には、コンデンサモータの速度・トルク特性曲線上においてモータトルクが最大値となる最大回転速度から回転速度が低くなるに従って複数の回転速度ポイントが記憶されるとともに、各回転速度ポイントについて設定トルクが電流値として設定される。モータ制御処理部6は、各回転速度ポイント間の直線補間演算を行なって、回転速度に対応したモータ制御指令用の設定電圧を算出し、図10のグラフ図のように、コンデンサモータの速度・トルク特性曲線上に設定トルクが位置するように補間演算を行なう。
さらに、モータ制御処理部6は、発生トルク算出部24において、発生トルクを算出する(ステップ150)。発生トルク算出部24は、ステータコイル2の電流を検出するモータ電流検出部9からの検出信号に基づき、ロータ16に生じる発生トルクを算出する。ロータ16に生じる発生トルクは、テータコイル2の電流に比例するため、発生トルク算出部24はステータコイル2の電流値から発生トルクを算出する。
そして、モータ制御処理部6は、ステップ150で算出した発生トルクとステップ140で決定された設定トルクをPI演算器23に入力し、PI演算器23は、ステップ160で、発生トルク算出部24において算出された発生トルクを、設定トルクに収束させるように比例制御を行ない、ステップ170で、モータに印加する印加電圧を決定して、設定電圧信号を生成し、その設定電圧信号を通電制御部5の設定電圧入力部12に出力する。
通電制御部5は、その位相差設定入力部11において、モータ制御処理部6から送られる位相差信号を入力し、設定電圧入力部12から入力した設定電圧信号に基づき正弦波変調信号を発生する際、その位相差(電流の位相遅れ)を補正する。また、通電制御部5の選択制御部13は、インバータ回路4のゲート駆動回路17に対し各ゲートに駆動信号を出力するための選択制御信号を生成する。
このような通電制御部5は、選択制御部13において、ロータ2の回転位置を検出する回転位置検出部3の各ホール素子から回転検出信号を入力し、各回転検出信号のタイミングに基づきゲート信号を発生し、インバータ回路4のゲート駆動回路17に出力する。インバータ回路4のゲート駆動回路17は、入力したゲート信号に基づき、各スイッチング素子を制御駆動し、ブラシレスモータ1が回転駆動される。
このように、モータ制御処理部6では、モータトルクが最大値となる最大回転速度より回転速度が低くなるに応じてモータトルクが減少するように電圧指令信号を生成するので、ブラシレスモータであっても、コンデンサモータの速度・トルク特性に近似した特性で運転を行なうことができ、コンデンサモータを使用する機械において、コンデンサモータとそのまま置き換えて使用することができるので、効率の良いブラシレスモータに置き換えることにより、機械の性能をそのまま保持しながら、モータの電力消費量を削減することができる。
1 ブラシレスモータ
2 ステータコイル
3 回転位置検出部
4 インバータ回路
5 通電制御部
6 モータ制御処理部
7 制御用電源
8 主電源回路
9 モータ電流検出部
10 モータ部
11 位相差設定入力部
12 設定電圧入力部
13 選択制御部
15 モータケーシング
16 ロータ
17 ゲート駆動回路
18 回転軸
19 制御回路基板
20 データ記憶部
21 速度・位相差データテーブル
22 速度・トルクデータテーブル
23 PI演算器
24 発生トルク算出部
25 回転速度算出部
26 整流器
30 コンデンサモータ
C 平滑用コンデンサ
CR リレー接点
R 抵抗器
R1 抵抗器
RY リレー

Claims (6)

  1. ロータの回転位置を示す回転位置信号を出力する回転位置検出部と、該回転位置検出部から出力される回転位置信号に基づき通電信号を生成する通電制御部と、該通電制御部から出力される通電信号に基づき、ステータの複数のステータコイルへの通電を切り換え、且つ通電時間を制御するインバータ回路とを備えたブラシレスモータにおいて、
    該通電制御部に設けられ、各ステータコイルの印加電圧を設定入力する設定電圧入力部と、
    該ステータコイルの電圧と電流の位相差を設定入力する位相差設定入力部と、
    前記回転位置検出部から送られる回転位置、該設定電圧入力部から入力した設定電圧信号及び位相差設定入力部から入力した位相差信号に基づき決定されたタイミングで前記インバータ回路の各スイッチング素子用の選択信号を発生する選択制御部と、
    前記回転位置信号に基づき該ロータの回転速度を算出する回転速度算出部と、
    該ステータコイルに流れる電流を検出するモータ電流検出部から出力される電流値に基づきモータの発生トルクを算出する発生トルク算出部と、
    予め設定されたモータトルクと回転速度の関係を示す速度・トルクデータテーブルを記憶するデータ記憶部と、
    該発生トルク算出部で算出された発生トルクを該データ記憶部内に設定された設定モータトルクに収束させるように前記設定電圧信号を生成し該設定電圧入力部に出力するモータ制御処理部と、を備え、
    該モータ制御処理部は、モータトルクが最大値となる最大回転速度より回転速度が低くなるに応じて、該モータトルクが減少するように該設定電圧信号を生成することを特徴とするブラスレスモータ。
  2. 前記データ記憶部の速度・トルクデータテーブルには、複数の回転速度領域が設定され、該各回転速度領域には、コンデンサモータの速度・トルク特性曲線上においてモータトルクが最大値となる最大回転速度から回転速度が低くなるに従って複数の回転速度ポイントが記憶されるとともに、該各回転速度ポイントについて設定トルクが電流値として設定され、前記モータ制御処理部において、各回転速度ポイント間の直線補間演算を行なって、回転速度に対応したモータ制御指令用の設定電圧を算出することを特徴とする請求項1記載のブラシレスモータ。
  3. 前記ブラシレスモータの回転軸には、ファンが取り付けられ、該ブラシレスモータはファンモータとして送風機、換気扇などに使用されることを特徴とする請求項1記載のブラシレスモータ。
  4. 前記データ記憶部には、予め設定した回転速度とステータコイルの電圧に対する電流の遅延位相を示す位相差との関係を示す速度・位相差データテーブルが記憶され、前記回転速度算出部で算出された回転速度を用いて該速度・位相差データテーブルを参照して通電信号の位相差を決定することを特徴とする請求項1記載のブラシレスモータ。
  5. 前記通電制御部に接続された主電源回路に、平滑用コンデンサが接続され、且つ直流出力の負極側に、始動時の突入電流を低減する抵抗器が接続され、該抵抗器と並列にリレー接点が接続され、モータの始動時、該リレー接点をオフし、始動後に該リレー接点をオンすることを特徴とする請求項1記載のブラシレスモータ。
  6. モータ部を包囲するモータケーシングが、略同じ定格のコンデンサモータのモータケーシングと同じ形状及び大きさに形成され、該モータケーシング内に、前記主電源回路以外の全ての回路が収納されたことを特徴とする請求項5記載のブラシレスモータ。
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