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JP2014151756A - 乗員保護制御装置 - Google Patents

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JP2014151756A
JP2014151756A JP2013022549A JP2013022549A JP2014151756A JP 2014151756 A JP2014151756 A JP 2014151756A JP 2013022549 A JP2013022549 A JP 2013022549A JP 2013022549 A JP2013022549 A JP 2013022549A JP 2014151756 A JP2014151756 A JP 2014151756A
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慶太 坂口
Takeshi Horiguchi
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Abstract

【課題】バッテリからの給電が絶えるほどの衝突事故時にも、内蔵の限られた蓄電容量を節約して二次衝突などに対し乗員保護に務めること。
【解決手段】本発明の乗員保護制御装置たるエアバッグECU10では、バッテリBからの給電電圧が落ちると電源監視手段54が電源喪失の判定をして制御手段たるCPU3に通知する。CPU3は、衝突センサCSなどからの各種センサ信号に基づいて電源喪失が衝突によるものかを判定し、衝突によると判定したら第二インターフェース2に指令して節電モードに入れる。それゆえ、より長時間にわたり残った蓄電容量が保存されるから、遅れて二次衝突があっても保護手段SDを起動して乗員保護に努めることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両衝突時に乗員等を保護するエアバッグなどの人員保護手段を起動させるための乗員保護制御装置に関する。本発明は、たとえば車両の乗員や歩行者など保護するエアバッグその他の人員保護手段を適正に起動するエアバッグECUにも適用することもできる。
特許文献1には、バッテリから供給される電圧の他に、加速度センサの駆動電源への入力電圧をも観測するエアバッグECUが開示されている。このECUでは、この入力電圧の低下が許容範囲であればエアバッグ展開機能を作動可能とし、そうでなければ不可とすることで、加速度センサ駆動電圧の低下によるエアバッグの誤作動を回避することができるようにしている。
特開2010−115936号公報
ところで、近年おいては、自動車の乗員を保護するばかりではなく、万が一にも歩行者や自転車などを撥ねてしまった場合にはボンネットを持ち上げてクッションにするなどして、乗員以外の人員をも事故時に保護する機能をもつ保護手段も登場している。このような歩行者保護手段を適切に駆動するには、歩行者などとの衝突を検知するセンサと、そのセンサ用のインターフェースと、そのセンサ信号に基づいて衝突判定する判定回路との駆動が必要であるから、その分だけ必要な駆動電力もまた増大せざるを得ない。
しかしながら、例えば前方からの衝突事故の衝撃が大きく、車載バッテリ自体が破壊されたり、バッテリからエアバッグECUに給電する配線ないし回路が断線したりして、外部電源たるバッテリからの給電が途絶する場合もあり得る。このような場合には、バッテリ搭載部付近を含む車体が大きく変形していることが多く、もはやボンネット等に配置した歩行者保護手段は変形等により正常な作動は難しいものと考えられる。
一方、衝突事故の結果、当該車両が対向車線にはみ出して対向車と衝突したり、急停車した当該車両に後続車両が追突したりして、二次衝突に見舞われる可能性はあり得る。すると、一次衝突の際に前方からの衝突に対してシートベルトのプリテンショナを作動させていたり、前方への慣性力を受ける乗員を保護するためにエアバッグを展開したりしていても、なおその後の側面衝突や追突に対して側面衝突用エアバッグ展開などの保護措置が必要となる。しかも、二次衝突は一次衝突から遅れて発生することが多いので、一次衝突の後にもある程度の時間はエアバッグECU(ECUと略す)が機能している必要性が生じる。
このような要求に対する対処法には、バックアップコンデンサ(BUCと略す)の容量を大きくするという方向と、逆にBUCに蓄電された電力をなるべく長時間保存できるよう節電するという方向との二種類が考えられる。もちろん両方向で対処するのが好ましいが、BUCの蓄電容量の増大はそのまま重量および容積の増大につながるので、前者の対処法には自ずと限度がある。
そこで本発明は、外部電源としてのバッテリからの給電が途絶えるほどの衝突事故時にも、より長時間に渡って乗員保護機能を保つ乗員保護制御装置を提供することを解決すべき課題とする。この乗員保護制御装置には、たとえば歩行者保護機能を備えたエアバッグECUなどが含まれる。
上記課題を解決するための本願発明の構成とその構成がもたらす作用効果とについて、本項では簡潔に説明する。
[構成]
本発明の乗員保護制御装置(10)は、第一インターフェース(1)、第二インターフェース(2)、制御手段(3)、起動手段(4)および蓄電手段(52)に加え、電源監視手段(54)を有する。
この第一インターフェースは、車両に装備され当該車両の衝突事故を検知する複数の衝突センサ(CS:CS1,CS2)に対して電力を供給し、これらの衝突センサからの出力信号を受け取るインターフェース回路である。一方、この第二インターフェースは、当該車両に装備され歩行者を含む外部人員と当該車両との接触を検知する複数の対人センサ(PS:PS1,PS2)に対して電力を供給し、これらの対人センサからの出力信号を受け取るインターフェース回路である。
この制御手段(3)は、この第一インターフェースおよびこの第二インターフェースから各種のセンサ信号を受け取り、これらのセンサ信号に基づいて状況を判定しエアバッグを含む複数の人員保護手段(SD)のうち適切なものを起動させる指令信号を出す手段である。この起動手段(4)は、この指令信号に基づき、当該車両に装備されたこれら人員保護手段のうち起動すべきものに対して起動電力を印加する手段である。ここで、これら人員保護手段が保護すべき人員には、当該車両の乗員の他に、当該車両に接触してしまった歩行者や自転車の運転者なども含まれる。
この蓄電手段(52)は、当該車両に搭載された外部電源(B)から直流電力が供給されると所定容量を蓄電しておき、この第一インターフェース、この第二インターフェース、この制御手段およびこの起動手段に電力を供給する手段である。この蓄電手段は、この外部電源からの供給電圧が減少ないし消失した際には、上記のような電力の供給を行い、第一インターフェースおよび第二インターフェースを通じてそれぞれ衝突センサおよび対人センサに駆動電力を供給する。
さて、前記電源監視手段は、前記外部電源から前記蓄電手段に供給される電源電圧を監視しており、この電源電圧が所定電圧を割り込むと電源喪失と判定して電源喪失信号を前記制御手段に送る手段である。この制御手段は、この電源喪失の際に前記各種のセンサ信号に基づいてこの電源喪失の原因が前記衝突事故であるか否かを判定する機能と、この衝突事故によるこの電源喪失であると判定した場合には給電停止指令を前記第二インターフェースに出力する機能とをもつ手段である。
この第二インターフェースは、この給電停止指令を受け取ると、前記対人センサへの給電を停止する機能をもつ回路である。なお、この第二インターフェースが、この給電停止指令を受け取ると、この第二インターフェースに内蔵されている前記回路のうち少なくとも一部に対する給電をも停止させる機能をもてば、より望ましい。
[作用効果]
本発明の乗員保護制御装置を搭載した車両(例えば自動車)が、衝突事故に遭って外部電源(例えばバッテリ)からこの乗員保護制御装置に供給されている直流電力の電圧が低下して電源喪失に至る場合には、車両に大きな変形が生じていることが多い。この場合には、この乗員保護制御装置が各種のセンサ信号に基づき人員保護手段のうち適切な乗員保護手段を選んで起動させ、乗員の保護に努めている。
それとともに、電源監視手段から送られた電源喪失信号に促されて、制御手段は各種のセンサ信号に基づいてこの電源喪失が衝突事故によるものか否かを判定する。そして、電源喪失の原因が衝突事故であると判定した場合には、制御手段は給電停止指令を第二インターフェースに送り、対人センサへの給電を停止させて節電に努める。その結果、外部電源からの給電が喪失するほどの大変形が車体に生じるような衝突事故時にも、この乗員保護制御装置は、蓄電手段の限られた蓄電容量を節約して乗員保護機能をより長時間にわたり維持することができるようになるという効果がある。
なお、この第二インターフェースが、この給電停止指令を受け取ると、この第二インターフェースに内蔵されている前記回路のうち少なくとも一部に対する給電をも停止させる機能をもてば、より節電効果があって望ましい。さらに、制御手段でも第二インターフェースに係わるハード/ソフトのうち少なくとも一部の機能を停止させることができれば、なお節電効果が上がり望ましい。
ところで、この衝突事故によって当該車両の速度は相当に落ちるか停止しているかのいずれかであると考えられるから、ボンネットなどに装置された歩行者保護手段はその必要性が希薄になっている。それゆえ、上記の節電により歩行者保護機能が喪失していても大過ないものと想定できる。
実施例1としてのエアバッグECUの構成を示すシステムブロック図 実施例1での電源監視手段の作用を示すタイムチャート 実施例1での電源監視手段がもつ電源喪失判定ロジックの流れ図 実施例1での電源監視手段がもつ電源回復判定ロジックの流れ図
本発明の「乗員保護制御装置」がもつ実施形態については、当業者に本発明を実施できるだけの理解が得られるよう以下の記載で明確かつ十分に説明する。
(構成)
本発明の実施例1たる「乗員保護手段」は、図1に示す概略構成をもった自動車搭載用エアバッグECU10(ECU10と略す)である。車両としてはボンネットのある自動車を想定し、そのエンジンルーム内の前端部付近に外部電源としてのバッテリBを搭載しているものとする。バッテリBの定格電圧は、12Vである。ECU10は、運転席および助手席の前方あるダッシュボードの下、もしくは運転席と助手席に挟まれたセンターコンソールの下あたりで車両に固定されている。ECU10は、通常時にはバッテリBから定格電圧付近の直流電流を供給されて作動し、各種の衝突センサCSおよび歩行者センサPSと各種の保護手段SDとに接続されている。
ECU10は、第一インターフェース1および第二インターフェース2と、制御手段たるCPU3と、起動手段たる点火回路4と、蓄電手段たるバックアップ・コンデンサ52(BUC52と略す)およびその他の電源系(51〜53)とに加え、電源監視手段54を有する。
まず、センサインタフェース系から説明する。
第一インターフェースたる衝突センサ通信IC1(衝突センサIF1と略す。IFはインターフェースの略記)は、車両に装備され当該車両の衝突事故を検知する複数の衝突センサCSに対して電力を供給し、これらの衝突センサからの出力信号を受け取るインターフェース回路である。衝突センサCSには、前方からの衝突を左右それぞれで検出する各種センサの系列CS1と、左右それぞれの側面衝突を検知する各種センサの系列CS2とに大別される。衝突センサCSには、加速度センサや内圧変動センサ、タッチセンサなど車体に加わる衝撃加速度や車体の変形を検知する各種のセンサがあり、それぞれ車両各部に適正に配設されている。
衝突センサIF1は、乗員保護用の衝突センサCSからの情報を集めてエアバッグ等の乗員保護手段を適正に起動する制御手段たるCPU3に送ることが主たる機能である。そのために、衝突センサIF1は、衝突センサCSのそれぞれに駆動電力を供給するとともにそれぞれからの検知情報を収集する衝突センサとのインターフェース12と、その検知情報を逐次にCPU3へ送るインターフェース11(SPI11と略す)とをもつ。
なお、SPIはシリアル・ペリフェラル・インターフェースの略称であり、この形式のインターフェースであれば、パラレルバスよりも少ない接続端子数でデバイス間のデータ転送ができる。
一方、第二インターフェースたる対人衝突検知センサ通信IC2(歩行者センサIF2と略す)は、当該車両に装備され複数の対人センサPSに対して電力を供給し、対人センサPSからの出力信号を受け取るインターフェース回路である。歩行者センサIF2に連なる対人センサPSは、それぞれ歩行者や自転車の乗り手を含む外部人員と当該車両との接触を検知するための各種センサである。対人センサPSは、右半部での対人衝突を検知する各種のセンサ系列PS1と、左半部で同様に配設された各種センサ系列PS2とに別れている。
歩行者センサIF2は、歩行者等を保護するための各種の対人センサPSのそれぞれから情報を収集し、歩行者保護手段を適正に起動する制御手段たるCPU3に送ることが主たる機能である。そのために歩行者センサIF2は、各種の対人センサPSのそれぞれに駆動電力を給電するとともに各対人センサPSから検知情報を収集する対人センサPSとのインターフェース22と、その検知情報を逐次にCPU3へ送るインターフェース21(SPI21と略す)とをもつ。
そしてCPU3は、衝突センサIF1と歩行者センサIF2とのそれぞれから逐次にセンサ信号を受け取り、これらのセンサ信号に基づいて状況を判定しエアバッグを含む複数の人員保護手段SDのうち適切なものを起動させる指令信号を出す情報判定制御手段である。
起動手段としての点火回路4は、点火ブロックとも呼ばれ、この指令信号に基づき、当該車両に装備された各種の乗員保護手段と歩行者保護手段とをもつ人員保護手段SDのうち起動すべきものに対して起動電力を印加する手段である。人員保護手段SDのそれぞれには、多くの場合、ガス発生用の火薬に点火するためのスクイブが取り付けられているので、図1中では各スクイブ(SQ1,…)をもって人員保護手段SDのそれぞれを示すことにした。
ここで、ECU10内蔵の電源系について説明しておく。
バッテリBから給電された直流電力は、いったん電源安定化回路51を通ってサージを均して平滑化されたうえ、逆流が防止されてBUC52に流入して蓄電されるとともに、図中に太線で画かれた経路を経て衝突センサIF1、歩行者センサIF2、点火回路4およびリニアレギュレータ53に供給される。リニアレギュレータ53は、線形電圧レギュレータとか定電圧回路と呼ばれるもので、より精密に安定した電圧で比較的小さな電流を供給するものである。
リニアレギュレータ53によって精密に電圧が安定した電力は、各構成要素のマイコンないしCPUにあたる精密なデジタル回路に供給されるようになっている。二つのセンサIF1,2では、VCC端子でこの精密に安定化された電力を受け取り、内部のマイコン(図略)を駆動している。また、この安定電力はCPU3に供給されており、点火回路4に内蔵されたマイコン(図略)にも供給されている。
他方、リニアレギュレータ53を通っていない電力は、多少の電圧変動はあるものの大電力の供給に適しているから、二つのセンサIF1,2と点火回路4とに電力を供給できるようになっている。
ここでBUC52は、当該車両に搭載されたバッテリBから直流電力が供給されると所定容量を蓄電しておき、電源喪失時にも二つのセンサIF1,2と点火回路4とに電力を供給することができるようになっている。それとともに、BUC52はリニアレギュレータ53を通じて上記の各要素1,2,3,4に安定した電圧を印加することができる。ただし、いずれもBUC52の蓄電容量が所定レベルにまで減ってしまうまでの時間だけという制限付きである。
ところで、電源監視手段54は、バッテリBからECU10に供給される電源電圧を監視しており、この電源電圧が所定電圧を割り込み続けると電源喪失と判定して電源喪失信号をCPU3に送る監視回路である。電源監視手段54からCPU3に電源喪失信号が送られると、CPU3は各種のセンサ信号に基づいてこの電源喪失の原因が衝突事故であるか否かを判定する機能をもち、もしも電源喪失の原因が衝突事故であると判定した場合には給電停止指令を歩行者センサIF2に出力する機能を発揮する。
歩行者センサIF2は、CPU3からこの給電停止指令を受け取ると、インターフェース22に対して電源をシャットダウンしてしまう制御を行い、もって対人センサPSへの給電を停止する機能をもつ回路である。
(作用効果)
本実施例のECU10は以上のように構成されているので、次のように作用する。
本発明の乗員保護制御装置たるECU10を搭載した自動車が、衝突事故に遭ってバッテリBからECU10への電源が断たれた場合には、車体に大きな変形が生じていることが多い。この場合には、衝突の信号が入った段階でECU10が各種のセンサ信号に基づき人員保護手段SDのうち適切な乗員保護手段を選んで起動させており、乗員の保護に努めている。
それとともに、前述の電源監視手段54から送られた電源喪失信号に促されて、CPU3は各種のセンサ信号に基づいてこの電源喪失が衝突事故によるものか否かを判定する。そして、電源喪失の原因が衝突事故であると判定した場合には、CPU3は給電停止指令を歩行者センサIF2に送る。すると、歩行者センサIF2は、SPI21を通じて対人センサPSに対して歩行者センサIF2への電源を遮断する制御を行い、対人センサIF22ごと対人センサPS一式への給電を停止させて節電に努める。
逆に、電源喪失の原因が衝突事故ではないとCPU3が判定した場合には、ECU10はBUC52の蓄電が有効な間だけ通常通りの作用を続ける。
したがって、本実施例のECU10によれば、バッテリBからの給電が喪失するほどの大変形が車体に生じるような衝突事故時にも、BUC52の限られた蓄電容量を節約して乗員保護機能をより長時間にわたり維持することができるという効果がある。
(作用の詳細)
図2に示すように、イグニション・スイッチがONになってバッテリBからの電源供給が始まると、先ずECU10の中で初期診断が行われ、異常なしとなるとECU10の全機能が通常通りの作用を始める。この際、もちろん歩行者センサIF2および対人センサPSも通常通りに作動する。
その後、衝突事故があってバッテリBからECU10に供給される電圧が下がり、第一所定電圧Vth1(例えば6V)を割り込んだまま第一所定時間T1(例えば50ミリ秒)が経つと、電源監視手段54は電源喪失と判定を下す。そして電源監視手段54は、電源喪失信号をCPU3に送ってその旨をCPU3に知らせる。なお、電源喪失の原因が衝突事故であるか否かは、CPU3が各種センサデータに基づいて判定することになる。
CPU3が衝突事故であるとの判定を下せば、CPU3から歩行者センサIF2に対して給電停止指令が送信され、歩行者センサIF2は節電モードに移行して対人センサIF22および各種の対人センサPSへの給電は停止する。
以上の節電モードへの移行シーケンスのロジックは、図3に示すフローチャートで表される。同図のうちステップS10〜S15は、電源監視手段54が電源喪失との判断を下す部分である。そして、ステップS16〜S18は、電源監視手段54から電源喪失信号を受け取ったCPU3が歩行者センサIF2に給電停止指令を送って節電モードに入れ、その旨を記録しておくまでの作用である。
逆に、対人センサIF22および歩行者センサIF2が節電モードに入った後、比較的短時間でバッテリBからの給電電圧が回復した場合には、図2の右端部付近に示すように、対人センサIF22および対人センサPSの機能回復がなされる場合もある。この場合には、この給電電圧が第二所定電圧Vth2(例えば7V)を上回ったまま第二所定時間T2(例えば300ミリ秒)が経つと、電源監視手段54は電源回復との判定を下す。
そして電源監視手段54は、電源回復信号をCPU3に送ってその旨をCPU3に知らせる。すると、CPU3は初期診断に似た所定の安全確認ロジックに従って歩行者保護機能を回復させて良いかどうかを判定し、良いと判定されれば、CPU3は歩行者センサIF2に対して給電回復指令を出る。CPU3から給電回復指令を歩行者センサIF2が受け取ると、歩行者センサIF2は所定の初期診断を行った後に対人センサPSへの給電を再開し、歩行者保護機能を回復させる。
このような節電モードからの回復シーケンスのロジックは、図4のフローチャートで表される。すなわち、ステップS21〜S25は、電源監視手段54が電源回復信号を出すまでのロジックである。そしてステップS26〜S28は、CPU3が歩行者センサIF2に給電回復指令を出して歩行者センサIF2が対人センサPSへの給電機能を含むインターフェース機能を回復していくロジックである。こうしてECU10は、節電モードから通常の歩行者保護も可能なモードにまで戻っていく。
(変形態様1)
本実施例の変形態様1として、バッテリBからの供給電圧が所定の閾値よりも上か下かだけを電源監視手段54が観測してCPU3に通知し、タイムカウントはCPU3で行って電源喪失の判定をCPU3が行う構成にしても良い。同様に、電源回復時にも、タイムカウントをCPU3で行って電源回復の判断をCPU3に委ねる構成としても良い。
このような構成の変形態様によれば、電源監視手段54をより簡素にすることができるから、もしCPU3のリソースに余裕があってこの構成が可能であれば、ECU10をより安価に提供できるようになる可能性がある。
(変形態様2)
本実施例の変形態様2として、CPU3の側にも節電機能をもたせたECU10の実施が可能である。すなわち本変形態様では、CPU3は給電停止指令を歩行者センサIF2に出力した後、歩行者センサIF2からの各種信号の信号処理を行うソフトウェアを停止させる機能をもつ。さらにCPU3は、歩行者センサIF2に接続する信号バスのインターフェースへ給電をも停止させる機能をもつ。
本変形態様のECU10では、CPU3でも節電がなされるから、より大きな節電作用が得られる。その結果、より長時間にわたって乗員保護作用を保つことが可能になるという効果がある。
10:「乗員保護制御装置」としてのエアバッグECU(ECUと略す)
1:第一インターフェースとしての衝突センサIF(インターフェース)
2:第二インターフェースとしての歩行者センサIF
11,21:SPI 12:衝突センサIF 22:対人センサIF
3:制御手段としてのCPU 4:起動手段としての点火回路
51:電圧安定化回路 53:リニアレギュレータ(定電圧回路)
52:蓄電手段としてのBUC(バックアップ・コンデンサ)
54:電源監視手段
B:外部電源としてのバッテリ SD(SQ1,…):各種の人員保護手段
CS(CS1,CS2):衝突センサ PS(PS1,PS2):対人センサ

Claims (5)

  1. 車両に装備され当該車両の衝突事故を検知する複数の衝突センサ(CS:CS1,CS2)に対して電力を供給し、これらの衝突センサからの出力信号を受け取る第一インターフェース(1)と、
    当該車両に装備され歩行者を含む外部人員と当該車両との接触を検知する複数の対人センサ(PS:PS1,PS2)に対して電力を供給し、これらの対人センサからの出力信号を受け取る第二インターフェース(2)と、
    この第一インターフェースおよびこの第二インターフェースから各種のセンサ信号を受け取り、これらのセンサ信号に基づいて状況を判定しエアバッグを含む複数の人員保護手段(SD)のうち適切なものを起動させる指令信号を出す制御手段(3)と、
    この指令信号に基づき、当該車両に装備されたこれら人員保護手段のうち起動すべきものに対して起動電力を印加する起動手段(4)と、
    当該車両に搭載された外部電源(B)から直流電力が供給されると所定容量を蓄電しておき、この第一インターフェース、この第二インターフェース、この制御手段およびこの起動手段に電力を供給する蓄電手段(52)とを有する、
    乗員保護制御装置(10)において、
    前記外部電源から前記蓄電手段に供給される電源電圧を監視しており、この電源電圧が所定電圧を割り込むと電源喪失と判定して電源喪失信号を前記制御手段に送る電源監視手段(54)をさらに有し、
    この制御手段は、この電源喪失の際に前記各種のセンサ信号に基づいてこの電源喪失の原因が前記衝突事故であるか否かを判定する機能と、この衝突事故によるこの電源喪失であると判定した場合には給電停止指令を前記第二インターフェースに出力する機能とをもつ手段であり、
    この第二インターフェースは、この給電停止指令を受け取ると前記対人センサへの給電を停止する機能をもつ回路であることを特徴とする、
    乗員保護制御装置。
  2. 前記第二インターフェースは、前記給電停止指令を受け取ると、この第二インターフェースに内蔵されている前記回路のうち少なくとも一部に対する給電をも停止させる機能をもつ、
    請求項1記載の乗員保護制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記給電停止指令を前記第二インターフェースに出力した場合に、この第二インターフェースからの信号処理を行うソフトウェアと、この第二インターフェースに接続する信号バスのインターフェースとのうち、少なくとも一部の機能を停止させる手段である、
    請求項2記載の乗員保護制御装置。
  4. 前記電源監視手段は、前記電源電圧が第一所定電圧(Vth1)を割り込んだまま第一所定時間(T1)が経ったことをもって前記電源喪失と判定する手段である、
    請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の乗員保護制御装置。
  5. 前記電源監視手段は、前記電源電圧が回復してきて第二所定電圧(Vth2)を越えたまま第二所定時間(T2)が経ったことをもって前記電源喪失から回復したと判定し、電源回復信号を前記制御手段に対して出力する手段であり、
    前記制御手段は、この電源回復信号を受け取ると、前記第二インターフェースに対して給電回復指令を出すことができる手段であり、
    この第二インターフェースは、この給電回復指令を受け取ると前記対人センサへの給電機能を含むインターフェース機能を回復する回路である、
    請求項4記載の乗員保護制御装置。
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