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JP2014143591A - アレイアンテナ - Google Patents

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Zhang Huan Li
章煥 李
Takeshi Shimura
剛 志村
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Nihon Dengyo Kosaku Co Ltd
Original Assignee
Nihon Dengyo Kosaku Co Ltd
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Abstract

【課題】広帯域においてインピーダンスのマッチングが容易なアレイアンテナを提供する。
【解決手段】アレイアンテナは、主ケーブル32、副ケーブル33と複数のアンテナ130で構成される。(a)では、2個のアンテナ130を組にして、主ケーブル32を2つに分岐した副ケーブル33を介して並列に同相の送信信号を供給する場合であって、主ケーブル32のインピーダンスZに対して、副ケーブル33のインピーダンス及びアンテナ130の入力インピーダンスが2×Zに設定されている。(b)では、3個のアンテナ130を組にした場合であって、副ケーブル33のインピーダンス及びアンテナ130の入力インピーダンスが3×Zに設定されている。(c)では、N個のアンテナ130を組にした場合であって、副ケーブル33のインピーダンス及びアンテナ130の入力インピーダンスがN×Zに設定されている。
【選択図】図6

Description

本発明は、アレイアンテナに関する。
移動体通信の基地局用のアンテナ(基地局アンテナ)には、電波が放射される方向に対応して設定されたセクタ毎に電波を放射するセクタアンテナが複数組み合わせて用いられている。セクタアンテナには、ダイポールアンテナなどのアンテナ素子をアレイ状に並べたアレイアンテナが用いられている。
特許文献1には、約λ/2(λは、所望周波数帯の中心周波数の波長)の長さを有し、約λ/2の間隔をおいて平行配設された第1及び第2のダイポールアンテナと、主給電線路と該主給電線路から分岐して前記各ダイポールアンテナの給電点にそれぞれ接続された第1及び第2の分岐給電線路とを有してなる給電手段と、を備え、前記主給電線路の特性インピーダンスを約50Ωに設定し、前記第1及び第2の分岐給電線路の特性インピーダンスを約100Ωに設定した60°ビームアンテナ装置が記載されている。
特開2006−203428号公報
ところで、アレイアンテナでは、複数のアンテナ素子に並列に給電することが行われることがある。このとき、アンテナ素子と給電線路との間でインピーダンスをマッチングさせることが求められる。
本発明の目的は、広帯域においてインピーダンスのマッチングが容易なアレイアンテナを提供することにある。
かかる目的のもと、本発明が適用されるアレイアンテナは、第1のインピーダンスを有する第1の給電線路と、第1の給電線路から分岐されたN個(Nは2以上の整数)の第2の給電線路と、それぞれが第1のインピーダンスのN倍に基づいて設定された第2のインピーダンスを有し、N個の第2の給電線路のそれぞれに接続されたN個のアンテナとを備えている。
この構成によれば、変成器などによりインピーダンスをマッチングさせる場合に比較して、インピーダンスのマッチングが容易にできる。
このようなアレイアンテナにおけるアンテナは、それぞれが縁辺に曲線を含んだ導電性材料で構成され、予め定められた軸に対して対称の位置に予め定められた間隔を設けて配置された一対の素子部を含み、形状により第2のインピーダンスが設定されることを特徴とすることができる。
この構成によれば、本構成を有していない場合に比べ、インピーダンスの設定が容易にできる。
また、このようなアレイアンテナにおけるアンテナは、それぞれが縁辺に曲線を含んだ導電性材料で構成され、軸に対して対称の位置に予め定められた間隔を設けて配置され、一対の素子部が送受信する偏波と直交する偏波を送受信できる他の一対の素子部をさらに備えたことを特徴とすることができる。
この構成によれば、本構成を有していない場合に比べ、偏波共通のアンテナをより小型に構成できる。
さらにまた、このようなアレイアンテナにおけるアンテナは、第1の導体と、第2の導体と、第1の導体と第2の導体との間の誘電体層又は空気層とを含み、第1の導体への給電の位置によって、第2のインピーダンスが設定されるパッチアンテナを備えることを特徴とすることができる。
この構成によれば、本構成を有していない場合に比べ、インピーダンスの設定が容易にできる。
そして、アレイアンテナを収納するレドームをさらに備えることを特徴とすることができる。
この構成によれば、本構成を有していない場合に比べ、インピーダンスのマッチングが容易で広帯域な周波数特性が得られるアレイアンテナとできる。
本発明によれば、広帯域においてインピーダンスのマッチングが容易なアレイアンテナを提供できる。
第1の実施の形態が適用される移動通信用の基地局アンテナの全体構成の一例を示す図である。 第1の実施の形態におけるアレイアンテナの構成の一例を示す図である。 第1の実施の形態におけるアンテナの構成を説明する図である。 第1の実施の形態において偏波共用のために図3のダイポールアンテナと対になるダイポールアンテナの構成を説明する図である。 アレイアンテナにおけるアンテナへの給電方法の一例を説明する図である。 第1の実施の形態が適用される場合の主ケーブル、副ケーブルのそれぞれのインピーダンス及びアンテナの入力インピーダンスの関係を説明する図である。 第1の実施の形態を適用しない場合の主ケーブル、副ケーブルのそれぞれのインピーダンス及びアンテナの入力インピーダンスの関係を説明する図である アンテナの特性をシミュレーションするために使用したモデルを説明する図である。 図8で示したシミュレーションモデルによって求めた第1の実施の形態におけるアンテナの反射減衰量(リターン・ロス)(dB)特性を示す図である。 図8で示したシミュレーションモデルによって求めた第1の実施の形態におけるアンテナの水平面内のビーム幅を示す図である。 第2の実施の形態におけるダイポールアンテナの構成を説明する平面図である。 第2の実施の形態におけるアンテナの反射減衰量(リターン・ロス)(dB)特性を示す図である。 第3の実施の形態におけるダイポールアンテナの構成を説明する平面図である。 第4の実施の形態におけるダイポールアンテナの構成を説明する平面図である。 第5の実施の形態における垂直偏波を放射できるアレイアンテナの構成の一例を示す図である。 第6の実施の形態における水平偏波を放射できるアレイアンテナの構成の一例を示す図である。 第7の実施の形態における双方向を放射できるアレイアンテナの構成の一例を示す図である。 第8の実施の形態の形態におけるアンテナの構成を説明する図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
<基地局アンテナ1>
図1は、第1の実施の形態が適用される移動通信用の基地局アンテナ1の全体構成の一例を示す図である。図1(a)は、基地局アンテナ1の斜視図であり、図1(b)は、基地局アンテナ1の設置例を説明する図である。
基地局アンテナ1は、図1(a)に示すように、例えば鉄塔20に保持された複数のアレイアンテナ10−1〜10−6を備えている。そして、図1(b)に示すように、基地局アンテナ1は、セル2内に電波を到達させる。すなわち、セル2は、基地局アンテナ1が送信する電波が到達する範囲であり、基地局アンテナ1が電波を受信する範囲である。
アレイアンテナ10−1〜10−6は、それぞれの外側が円筒状のレドーム(後述する図2のレドーム500参照)であって、その円筒状のレドーム500の中心軸が地面に対して垂直に設けられている。
図1(b)に示すように、セル2は水平面において角度で分割した複数のセクタ3−1〜3−6を備えている。セクタ3−1〜3−6のそれぞれは、基地局アンテナ1の6個のアレイアンテナ10−1〜10−6に対応して設けられている。つまり、アレイアンテナ10−1〜10−6は、それぞれの出力電波の電界が大きいメインローブ11の方向が、対応するセクタ3−1〜3−6に向いている。
ここで、アレイアンテナ10−1〜10−6をそれぞれ区別しないときは、アレイアンテナ10と表記する。また、セクタ3−1〜3−6をそれぞれ区別しないときは、セクタ3と表記する。
なお、図1に例として示した基地局アンテナ1は、6個のアレイアンテナ10−1〜10−6及びこれらに対応するセクタ3−1〜3−6を備えている。しかし、アレイアンテナ10及びセクタ3は、6以外の予め定められた数であってよい。また、図1(a)では、セクタ3は、セル2を6等分に分割(中心角60°)して構成されているが、等分でなくともよく、いずれか1つのセクタ3が他のセクタ3に比べ広く又は狭く構成されていてもよい。
そして、それぞれのアレイアンテナ10は、アレイアンテナ10が備えるダイポールアンテナ(後述する図2におけるダイポールアンテナ110−1〜110−8参照。それぞれを区別しないときはダイポールアンテナ110と表記する。)に送信信号及び受信信号を伝送する送受信ケーブル31に接続されている。
送受信ケーブル31は、基地局(不図示)内に設けられた送信信号の生成及び受信信号を受信する送受信部4(後述する図5参照)に接続されている。送受信ケーブル31は、例えば同軸ケーブルである。
図1(a)では、アレイアンテナ10−1に、送受信ケーブル31を表記している。他のアレイアンテナ10−2〜10−6も、アレイアンテナ10−1と同様に、送受信ケーブル31を備えているが、これらの表記を省略している。
なお、以下では基地局アンテナ1が電波を送信するとして説明するが、アンテナの可逆性により、基地局アンテナ1は電波を受信することができる。電波を受信する場合は、例えば送信信号を受信信号として、信号の流れを逆にすればよい。
また、アレイアンテナ10は、アレイアンテナ10が備える複数のダイポールアンテナ110に送信信号の位相を異ならせて供給するための移相器200(後述する図5参照)を備えている。複数のダイポールアンテナ110に供給される送信信号の位相をずらすことにより、アレイアンテナ10から放射される電波(ビーム)の放射角度を水平面から地上方向に角度θ傾けて(ビーム・チルト角θとして)いる。これにより、電波がセル2外に到達しないように設定している。
<アレイアンテナ10>
図2は、第1の実施の形態におけるアレイアンテナ10の構成の一例を示す図である。図2では、アレイアンテナ10を横に置いて、斜め横から見た斜視図で示している。
アレイアンテナ10は、反射板120と、反射板120上に配列された複数(ここでは例として8個)のダイポールアンテナ110−1〜110−8、ダイポールアンテナ110−1〜110−8のそれぞれに位相をずらして送信信号を供給する移相器200を備えている。さらに、アレイアンテナ10は、反射板120、ダイポールアンテナ110−1〜110−8及び移相器200を包むように収納するレドーム500を備えている。図2では、レドーム500を破線で示し、レドーム500の内部に設けられた反射板120、ダイポールアンテナ110−1〜110−8が見えるようにしている。なお、図2において、移相器200は反射板120のダイポールアンテナ110−1〜110−8が設けられた側と反対の側に設けられているので、破線で示している。
奇数番号のダイポールアンテナ110−1、110−3、110−5、110−7は、長径の方向がそれぞれ垂直方向から45°ずれた楕円形状の一対の素子部111a、112aを備えている。そして、垂直方向から45°ずれた偏波を送受信する。なお、一例として素子部111a、112aは、表面が反射板120の正面反射部120aに平行に設けられるとともに、点Oに対して対称の位置に配置されている。
偶数番号のダイポールアンテナ110−2、110−4、110−6、110−8は、長径の方向がそれぞれ垂直方向から−45°ずれた楕円形状の他の一対の素子部111b、112bを備えている。そして、垂直方向から−45°ずれた偏波を送受信する。素子部111b、112bも、一例として表面が反射板120の正面反射部120aに平行に設けられるとともに、点Oに対して対称の位置に配置されている。
そして、ダイポールアンテナ110−1とダイポールアンテナ110−2とが、ダイポールアンテナ110−1の素子部111a、112aが対称に配置される点Oと、ダイポールアンテナ110−2の素子部111b、112bが対称に配置される点Oとが共通になるように組み合わされ、対(一対)を構成している。さらに、ダイポールアンテナ110−3とダイポールアンテナ110−4とが、ダイポールアンテナ110−5とダイポールアンテナ110−6とが、ダイポールアンテナ110−7とダイポールアンテナ110−8とが同様に組み合わされ、対を構成している。
このようにすることで、アレイアンテナ10は、±45°の偏波を送受信できる偏波共用となっている。
なお、素子部111a、111bをそれぞれ区別しないときは素子部111と、素子部112a、112bをそれぞれ区別しないときは、素子部112と表記する。
これらのダイポールアンテナ110−1〜110〜8はそれぞれ独立して動作する。よって、以下では、ダイポールアンテナ110−1〜110−8の一つを取り出して、ダイポールアンテナ110として説明する。
なお、図2では、±45°の偏波を送受信するとしたが、対にした2個のダイポールアンテナ110を点Oの周りに45°回転させることにより、水平及び垂直の偏波を送受信するようにできる。
反射板120は、ダイポールアンテナ110が送信する電波を反射するとともに、ダイポールアンテナ110を保持する。図2では、それぞれが2個のダイポールアンテナ110で構成された4対が、反射板120上において間隔Dpで配置され、アレイを構成している(アレイアンテナ10)。
反射板120において、ダイポールアンテナ110の素子部111、112が対向する正面反射部120aは平坦になっている。ダイポールアンテナ110のアレイの方向と交差する方向における反射板120の両端部は、ダイポールアンテナ110側に折り曲げられた側面反射部120bとなっている。この折り曲げられた側面反射部120bは、アレイアンテナ10の水平面内のビーム幅を設定する。
なお、図2では、側面反射部120bは、ダイポールアンテナ110側に折り曲げられているが、ダイポールアンテナ110側とは反対側に折り曲げられていてもよい。また、図2では、側面反射部120bは、反射板120のそれぞれの端部に1個設けられているが、複数個設けられていてもよい。
側面反射部120bは、アレイアンテナ10の水平面内のビーム幅を設定するので、予め定められた水平面内のビーム幅が得られるように設定すればよい。
反射板120は、導体、例えばアルミニウム、銅などで構成されている。
図2では、反射板120は、8個のダイポールアンテナ110−1〜110−8に共通に設けられているが、ダイポールアンテナ110毎又は対にした2個のダイポールアンテナ110毎に分かれていると考えてもよい。
ここでは、ダイポールアンテナ110とそれに対応する反射板120とを含めてアンテナ130と表記する。対にした2個のダイポールアンテナ110の場合も、対にした2個のダイポールアンテナ110とそれに対応する反射板120とを含めてアンテナ130と表記する。
移相器200については、後述する。
レドーム500は、円筒501と、円筒501の上側の端部を覆う上蓋502と、円筒501の下側の端部を覆う下蓋503とを備えている。そして、レドーム500は、アンテナ130を内部に格納している。
そして、レドーム500の下蓋503には、コネクタ(不図示)が設けられ、ダイポールアンテナ110に送信信号及び受信信号を伝送する送受信ケーブル31が接続されている。なお、図2においては、送受信ケーブル31とダイポールアンテナ110との接続の表記を省略している。
レドーム500は、例えばFRP(fiber reinforced plastics)などの絶縁性の樹脂で構成されている。
なお、図2に示すアレイアンテナ10は、8個のダイポールアンテナ110から構成されているが、ダイポールアンテナ110の個数は8個に限らず、予め定められた個数とすればよい。
また、図2に示すアレイアンテナ10は、8個のダイポールアンテナ110を備えた1個のアレイから構成されているが、複数のアレイを並べることで構成されてもよい。
さらに、図2では、アレイアンテナ10が備えるレドーム500は上蓋502と下蓋503とを備えた円筒501としたが、断面が方形の筒であってもよく、断面の方形の一辺が円弧状となっていてもよい。
<アンテナ130の構成>
図3は、第1の実施の形態におけるアンテナ130の構成を説明する図である。図3(a)は、平面図であって、図3(b)は、図3(a)のIIIB−IIIB線での断面図である。
アンテナ130は、ダイポールアンテナ110と反射板120とを備えている。
ダイポールアンテナ110は、前述した素子部111、112、素子部111、112からそれぞれ延びた脚部113、114、脚部113、114が固定される台部115を備えている。なお、脚部113、114及び台部115を備えなくともよいが、第1の実施の形態では、ダイポールアンテナ110は、脚部113、114及び台部115を備えているとして説明する。
ダイポールアンテナ110の素子部111、112は、図3(a)に示すように、それぞれが短径L1と長径L2とを有する楕円状の縁辺で囲まれた導電性材料で構成された部材である。そして、素子部111と素子部112とは、点Oで対称に配置されるとともに、それぞれの長径L2が一直線に並ぶように、間隔Dを挟んで対向している。
そして、図3(b)に示すように、素子部111には、点O側に円形の開口が設けられ、開口につなげて円筒状の脚部113が接続されている。素子部112についても、点O側に円形の開口が設けられ、開口につなげて円筒状の脚部114が接続されている。なお、素子部112に開口を設けなくともよく、脚部114が円柱状であってもよい。
ダイポールアンテナ110の脚部113、114は、表面形状が円形の台部115に接続されている。なお、台部115には、円筒状の脚部113に対向して開口が設けられている。すなわち、素子部111の開口から台部115の開口まで、円筒状の中空部になっている。
第1の実施の形態では、素子部111、112、脚部113、114、台部115は、導電性材料により一体で構成されている。なお、素子部111、112、脚部113、114、台部115がそれぞれ個別又は一部が一体で構成され、ネジなどにより組み立てられていてもよい。
素子部111、112、脚部113、114、台部115は、例えば銅、アルミニウムなどの金属又はそれらを含む合金で構成されている。
台部115は、反射板120の正面反射部120aに不図示のネジなどにより固定されている。そして、ダイポールアンテナ110の素子部111、112の表面は、反射板120の正面反射部120aと平行になるように構成されている。
なお、反射板120のダイポールアンテナ110側の表面から、素子部111、112の厚さ方向の中央までの距離が高さHとなっている。
素子部111の開口から台部115の開口まで続く円筒状の中空部に、中心に導体116を備えた絶縁体117が埋め込まれている。なお、絶縁体117は、中空部の全体に埋め込まれていてもよく、あるいは一部分に埋め込まれていてもよい。
そして、導体116の素子部111側の導体116の端部は、90°折り曲げられ素子部112の点Oに近接する端部(矢印Aの部分)に接続されている。なお、接続は例えばハンダなどで行なわれる。
そして、導体116の台部115側の端部は、反射板120に設けられた開口を通って、副ケーブル33(後述する図5の副ケーブル33−1又は副ケーブル33−2であって、副ケーブル33と表記される。)の内部導体と接続されている。また、反射板120は、副ケーブル33の外部導体に接続されている。
導体116は、断面が円形状の導線であってもよいが、90°に折り曲げにくいため、金属板をL字に切り出して構成してもよい。導体116は、例えば銅、アルミニウムなどの金属又はそれらを含む合金で構成されている。
また、絶縁体117は、例えば高周波特性に優れたポリテトラフルオロエチレンなどで構成されている。
なお、90°折り曲げた導体116が、素子部112に接しないように、素子部112の点O側の端部(矢印Bの部分)を、反射板120側に切り下げておくことが好ましい。
このダイポールアンテナ110は、例えば素子部111、112の短径L1が21mm、長径L2が30mm、素子部111、112の間隔Dが12mmである。素子部111、112の厚さ方向の中心から反射板120までの高さHが38.5mmである。
この高さHは、アレイアンテナ10の中心周波数fcを2GHzとした場合の約1/4波長に設定されている。よって、素子部111、112から見た場合、台部115において素子部111と素子部112とが短絡されているが、電流は流れない。
なお、脚部113、114は円筒状又は円柱状としたが、外側の形状は、円筒状又は円柱状でなくてもよく、角柱状、テーパ状などであってもよい。
脚部113、114の形状は、素子部111、112、脚部113、114、台部115をダイキャストなどの方法で一体成型する場合、成型しやすい形状であればよい。
そして、脚部113に、素子部111から台部115に至る円筒状の中空部が設けられていればよい。
また、ダイポールアンテナ110の2個を対にして偏波共用とする場合、台部115を共通にすればよい。一体として構成することにより、ダイポールアンテナ110を一括して生産でき、量産性に優れる。
ただし、図3に示したダイポールアンテナ110の2つを対にして組み合わせると、導体116が接触してしまう。
図4は、第1の実施の形態における偏波共用のために図3のダイポールアンテナ110と対になるダイポールアンテナ110の構成を説明する図である。図4(a)は、平面図であって、図4(b)は、図4(a)のIVB−IVB線での断面図である。
図4では、図3のダイポールアンテナ110を素子部111a、112aとした場合に、素子部111b、112bとするダイポールアンテナ110を示している(図2参照)。よって、同様な部分の説明を省略し、異なる部分を説明する。
図4のダイポールアンテナ110では、図4に示すダイポールアンテナ110の導体116が図3のダイポールアンテナ110の導体116と接触しないように、点O側の矢印A’の部分及び矢印B’の部分が、図3のダイポールアンテナ110の場合に比べ、反射板120側により深く切り下げられている。このようにすることで、2個のダイポールアンテナ110のそれぞれの導体116が、空中において立体的に交差するようにし、接触することを抑制している。
なお、このダイポールアンテナ110において、矢印A’の部分において、素子部112bと導体116とが接続されている。接続は例えばハンダなどで行う。
前述したように、図3において、ダイポールアンテナ110は台部115を備えなくてもよい。この場合には、脚部113、114を台部115の厚さに相当する長さ分、長くすればよい。そして、脚部113、114を反射板120の正面反射部120aに固定すればよい。
なお、台部115を設けた場合、ダイポールアンテナ110と反射板120とを、台部115と反射板120とをネジなどで固定することで固定できるので、アレイアンテナ10の組み立てが容易になる。
以上においては、素子部111、112の表面が、反射板120の正面反射部120aに対して平行であるとして説明した。しかし、素子部111、112の表面は、反射板120の正面反射部120aに対して平行でなくともよい。例えば、素子部111、112の点Oに近い側が遠い側より反射板120の正面反射部120aに近づいていてもよい。また、逆に遠くなっていてもよい。
すなわち、図3に示すように、素子部111と素子部112は、点Oと点Oを反射板120の正面反射部120aに垂直に投影した点O’とを結ぶ軸OO’に対して対称であってもよい。
さらに、軸OO’は反射板120の正面反射部120aに垂直でなくともよく、傾いていてもよい。
<アレイアンテナ10の給電方法>
ここで、アレイアンテナ10における送信信号の供給方法(給電方法)を説明する。
図5は、アレイアンテナ10におけるアンテナ130への給電方法の一例を説明する図である。
図5では、図2に示したアレイアンテナ10において、奇数番号のダイポールアンテナ110への給電方法を示している。すなわち、図5に示すアレイアンテナ10は、奇数番号のダイポールアンテナ110のみを備え、偶数番号のダイポールアンテナ110を備えないとする。
よって、図5においても、図2と同様に、奇数番号のダイポールアンテナ110は4個(ダイポールアンテナ110−1、110−3、110−5、110−7)あるとする。そして、ダイポールアンテナ110−1、110−3、110−5、110−7のそれぞれに対応するアンテナ130を、アンテナ130−1、130−3、130−5、130−7と表記する。
なお、奇数番号のダイポールアンテナ110とそれぞれ偶数番号のダイポールアンテナ110と対にした偏波共用のアンテナ130では、奇数番号のダイポールアンテナ110と同様に、偶数番号のダイポールアンテナ110に給電が行われる。
移相器200は、奇数番号のアンテナ130(アンテナ130−1、130−3、130−5、130−7)からなるアレイアンテナ10に対して、3個の入出力ポート(Port0、1、2)を備えている。
Port0は、送受信部4に接続されている。アレイアンテナ10が電波を放出する場合には、送受信部4は、送信信号をPort0に供給する。移相器200は、Port0に入力した送信信号を、Port1、2毎に位相をずらして出力する。
Port1には、第1の給電線路の一例としての主ケーブル32の一端が接続されている。そして、主ケーブル32の他端には、主ケーブル32を分岐するように2個の第2の給電線路の一例としての副ケーブル33−1、33−2のそれぞれの一端が並列に接続されている。そして、副ケーブル33−1の他端は、アンテナ130−1に接続され、副ケーブル33−2の他端は、アンテナ130−3に接続されている。
例えば、主ケーブル32及び副ケーブル33−1、33−2が同軸ケーブルであるとすると、主ケーブル32の内部導体が、副ケーブル33−1及び副ケーブル33−2のそれぞれの内部導体に接続され、主ケーブル32の外部導体が、副ケーブル33−1及び副ケーブル33−2のそれぞれの外部導体に接続されている。なお、2個の副ケーブル33−1、33−2をそれぞれ区別しないときは、副ケーブル33と表記する。
よって、図3で説明したように、アンテナ130の導体116の他端部が、副ケーブル33の内部導体に接続され、反射板120が副ケーブル33の外部導体に接続されることになる。
Port2についても、同様であるので説明を省略する。
以上説明したように、アンテナ130−1、130−3は、移相器200のPort1に接続され、同相の送信信号が供給される。同様に、アンテナ130−5、130−7は、移相器200のPort2に接続されているので、これらにも同相の送信信号が供給される。
しかし、移相器200は、Port0に入力した送信信号を、Port1、2で位相をずらして出力する。例えば、位相のずれである移相量がφ(°)であれば、図2に示したアンテナ130を配列した間隔Dp(ここでは2個のアンテナ130を組にしているので2×Dp)とから、図1に示したビーム・チルト角θ(sinθ=(φ×λ)/(2×Dp×360))を算出することができる。なお、ここでλは、アンテナ130が放射する自由空間における電波の波長である。
図5では、アンテナ130−1とアンテナ130−3とを組にして、並列に同相で送信信号を供給した。同様に、アンテナ130−5とアンテナ130−7を組にして、アンテナ130−1とアンテナ130−3との組に供給される送信信号の位相とは異なる位相の送信信号を並列に同相で供給した。
アンテナ130毎に、位相の異なる送信信号を供給してもよい。このようにすれば、放射角度(ビーム・チルト角θ)を変更しても指向性の乱れを少なくすることができる。しかし、アレイアンテナ10を構成するアンテナ130の数に対応する入出力ポートを備えた移相器200が必要となる。
そこで、複数のアンテナ130を組にして、組に属するアンテナ130には、並列に同相の送信信号を供給している。
なお、複数のアンテナ130を組にして並列に送信信号を供給する場合、インピーダンス整合が必要となる。インピーダンス整合が取れていないと、アンテナ130の反射減衰量が大きくなってしまう。
図6は、第1の実施の形態が適用される場合の主ケーブル32、副ケーブル33のそれぞれのインピーダンス及びアンテナ130の入力インピーダンスの関係を説明する図である。図6では、複数のアンテナ130及び複数の副ケーブル33を表記しているが、それぞれを区別せずアンテナ130及び副ケーブル33と表記する。また、主ケーブル32、副ケーブル33のそれぞれのインピーダンス及びアンテナ130の入力インピーダンスを表記している。
ここでは、図5で示した移相器200からの主ケーブル32のインピーダンスがZ(第1のインピーダンスの一例)であるとする。そして、送受信部4から移相器200の主ケーブル32までの間は、インピーダンス整合が取れているとする。
図6(a)は、図5と同様に、2個のアンテナ130を組にして、並列に同相の送信信号を供給する場合である。アンテナ130の入力インピーダンスは2×Zに設定されている。主ケーブル32のインピーダンスはZであるので、それを2分岐すると、副ケーブル33のインピーダンスは2×Zとなる。
アンテナ130の入力インピーダンスも2×Zであるので、インピーダンスが整合している。
すなわち、図5で示したように、主ケーブル32を2個の副ケーブル33に分岐し、それぞれの副ケーブル33をアンテナ130に直接接続すれば、インピーダンス整合が取れる。
図6(b)は、図5と異なって、3個のアンテナ130を組にして、並列に同相の送信信号を供給する場合である。アンテナ130の入力インピーダンスは3×Zに設定されている。主ケーブル32のインピーダンスはZであるので、それを3分岐すると、副ケーブル33のインピーダンスは3×Zとなる。
アンテナ130の入力インピーダンスも3×Zであるので、インピーダンスが整合している。
すなわち、主ケーブル32を3個の副ケーブル33に分岐し、それぞれの副ケーブル33をアンテナ130に接続すれば、インピーダンス整合が取れる。
図6(c)は、図5と異なって、N個(Nは2以上の整数)のアンテナ130を組にして、並列に同相の送信信号を供給する場合である。アンテナ130の入力インピーダンスはN×Z(第2のインピーダンスの一例)に設定されている。主ケーブル32のインピーダンスはZであるので、それをN分岐すると、副ケーブル33のインピーダンスはN×Zとなる。
アンテナ130の入力インピーダンスもN×Zであるので、インピーダンスが整合している。
すなわち、主ケーブル32をN個の副ケーブル33に分岐し、それぞれの副ケーブル33をアンテナ130に接続すれば、インピーダンス整合が取れる。
なお、上記では、主ケーブル32のインピーダンスであるZに対して、アンテナ130のインピーダンスを2×Z、3×Z、N×Zとしたが、アンテナ130のインピーダンスは、これらに基づいて設定された前後にずれた値であってもよい。
図7は、第1の実施の形態が適用されない場合の主ケーブル32、副ケーブル33のそれぞれのインピーダンス及びアンテナ130の入力インピーダンスの関係を説明する図である。この場合でも、2個のアンテナ130を組にして、並列に同相の送信信号を供給する。このとき、アンテナ130の入力インピーダンスはZであるとする。主ケーブル32を2分岐すると、前述したように副ケーブル33のインピーダンスは2×Zとする必要がある。このため、インピーダンスが2×Zの副ケーブル33をインピーダンスがZのアンテナ130に接続すると、インピーダンス整合が取れない。よって、主ケーブル32とアンテナ130との間に、マイクロストリップラインなどで構成されたQ変成器300などを設けて、副ケーブル33のインピーダンスをZとする必要がある。
マイクロストリップラインなどで構成されたQ変成器300は、アンテナ130が放射する電波の中心周波数fcの波長λcに対して共振するように構成されている。よって、Q変成器300は、周波数依存性を有し、広帯域な周波数に対応することは難しい。また、Q変成器300を多段構成にして対応できる周波数の範囲を広げることが行われるが、この場合であっても、Q変成器300は、周波数に依存した特性を有する。
したがって、例えアンテナ130が広帯域の周波数特性を有していても、Q変成器300の周波数特性により、使用できる周波数範囲が制限されることになる。
これに対し、第1の実施の形態では、アンテナ130の入力インピーダンスを副ケーブル33のインピーダンスに合わせて設定しているので、副ケーブル33とアンテナ130とを直接に接続することができる。このため、広帯域なアンテナ130の周波数範囲において電波の送受信ができる。
なお、上記の説明では、主ケーブル32、副ケーブル33を同軸ケーブルとして説明したが、マイクロストリップラインなど他の方法で構成してもよい。
<アンテナ130の特性>
図8は、アンテナ130の特性をシミュレーションするために用いたモデルを説明する図である。6個のダイポールアンテナ110−1〜110−6を用い、奇数番号と偶数番号とをそれぞれ対にして偏波共用となっている。なお、奇数番号のダイポールアンテナ110と偶数番号のダイポールアンテナ110とが組み合わされてアンテナ130が構成されている。ここでは、ダイポールアンテナ110−1とダイポールアンテナ110−2とで偏波共用のアンテナ130−1を構成し、ダイポールアンテナ110−3とダイポールアンテナ110−4とで偏波共用のアンテナ130−2を構成し、ダイポールアンテナ110−5とダイポールアンテナ110−6とで偏波共用のアンテナ130−3を構成している。
そして、偏波共用のアンテナ130−2のダイポールアンテナ110−3に電波を送信するための送信信号を供給した。他のアンテナ130−1、130−3及びアンテナ130−2のダイポールアンテナ110−4には送信信号を供給しないで、ダミーとした。
図9は、図8で示したシミュレーションモデルによって求めた第1の実施の形態におけるアンテナ130の反射減衰量(リターン・ロス)(dB)特性を示す図である。アンテナ130のダイポールアンテナ110は、素子部111、112の短径L1が21mm、長径L2が30mm、素子部111、112の間隔Dが12mmである。素子部111、112の厚さ方向の中心から反射板120までの高さHが38.5mmである。
反射減衰量−10dB以下(VSWR≦2)となる周波数範囲は、下限周波数fLが1.6GHz、上限周波数fHが3GHzである。比帯域幅は61%である。
素子部111、112が棒状であるダイポールアンテナを用いたアンテナでは、比帯域幅は約25%である。このダイポールアンテナに無給電素子を付加して広帯域化しても、比帯域幅は約40%である。
よって、第1の実施の形態のアンテナ130は、無給電素子を付加した棒状の素子部111、112を有するダイポールアンテナ110を用いたアンテナに比べ、さらに広帯域になっている。
また、第1の実施の形態のアンテナ130は、無給電素子を付加した複雑な構成のダイポールアンテナ110を用いたアンテナに比べ、構成要素が少なく、製作が容易である。
図10は、図8で示したシミュレーションモデルによって求めた第1の実施の形態におけるアンテナ130の水平面内のビーム幅を示す図ある。ここでは、周波数fが2GHzの場合を示している。このアンテナ130における水平面内のビーム幅としては、65°が得られている。
前述したように、水平面内のビーム幅は、側面反射部120bにより設定することができる。よって、反射板120の横幅、側面反射部120bの形状、数などを調整することにより、アンテナ130の水平面内のビーム幅を調整することができる。
表1は、図3に示す素子部111、112の短径L1を変化させた場合におけるアンテナ130の入力インピーダンス(Ω)をシミュレーションによって求めた結果を示す。
このシミュレーションでは、アンテナ130への給電線路となる副ケーブル33のインピーダンスを変化させるとともに、図3に示した脚部113の中空部に設けられた導体116と絶縁体117とからなる部分のインピーダンスも合わせて変化させ、反射減衰量−10dB以下の比帯域幅がもっとも広くなるインピーダンスを、アンテナ130の入力インピーダンスとした。すなわち、給電線路となる副ケーブル33からダイポールアンテナ110の素子部111、112に至る経路においてインピーダンスがマッチングするように設定している。
ここでは、長径L2は30mm、素子部111、112の間隔Dが12mm、素子部111、112の厚さ方向の中心から反射板120までの高さHは38.5mmである。
Figure 2014143591
表1に示すように、アンテナ130の入力インピーダンスは、ダイポールアンテナ110の素子部111、112の短径L1が大きいほど小さくなり、例えば短径L1が21mmでは100Ωとなる。逆に、短径L1が小さいほど大きくなり、例えば短径L1が15mmでは175Ωとなる。
すなわち、第1の実施の形態では、ダイポールアンテナ110の素子部111、112の短径L1により、アンテナ130の入力インピーダンスを設定できる。
なお、表1に示した結果は一例であって、ダイポールアンテナ110の素子部111、112の短径L1をさらに変化させることで、アンテナ130の入力インピーダンスをさらに変えることができる。
よって、図6(a)に示した主ケーブル32を2個の副ケーブル33に分け2個のアンテナ130に接続する場合、主ケーブル32のインピーダンスであるZが50Ωであると、副ケーブル33のインピーダンスは2×Zの100Ωとなる。よって、入力インピーダンスが100Ωとなるように、ダイポールアンテナ110の短径L1を21mmとしたアンテナ130を用いればよい。
また、図6(b)に示した主ケーブル32を3個の副ケーブル33に分け3個のアンテナ130に接続する場合、主ケーブル32のインピーダンスであるZが50Ωであると、副ケーブル33のインピーダンスは3×Zの150Ωとなる。よって、入力インピーダンスが150Ωとなるように、ダイポールアンテナ110の短径L1を18mmとしたアンテナ130を用いればよい。
素子部111、112が棒状であるダイポールアンテナを用いたアンテナでは、棒の幅を変えても第1の実施の形態のアンテナ130のように入力インピーダンスを変化させることができない。
表2は、図3に示す素子部111、112の厚さ方向の中心から反射板120までの高さHを変化させた場合におけるアンテナ130の入力インピーダンス(Ω)をシミュレーションによって求めた結果を示す。
このシミュレーションでも、アンテナ130への給電線路となる送受信ケーブル31のインピーダンスを変化させるとともに、図3に示す脚部113の中空部に設けられた導体116と絶縁体117とからなる部分のインピーダンスを合わせて変化させ、反射減衰量−10dB以下の比帯域幅がもっとも広くなるインピーダンスを、アンテナ130の入力インピーダンスとした。すなわち、給電線路からダイポールアンテナ110の素子部111、112に至る経路においてインピーダンスがマッチングするように設定している。
ここでは、短径L1は21mm、長径L2は30mm、素子部111、112の間隔Dが12mmである。
Figure 2014143591
表2に示すように、アンテナ130の入力インピーダンスは、ダイポールアンテナ110の素子部111、112の厚さ方向の中心から反射板120までの高さHが小さいほど大きくなり、例えば高さHが32.5mmでは150Ωとなる。逆に、高さHが小さいほど大きくなり、例えば高さHが42.5mmでは75Ωとなる。
すなわち、第1の実施の形態では、ダイポールアンテナ110の素子部111、112の厚さ方向の中心から反射板120までの高さHを変化させても、アンテナ130の入力インピーダンスを設定できる。
なお、表2に示した結果は一例であって、ダイポールアンテナ110の素子部111、112の厚さ方向の中心から反射板120までの高さHをさらに変化させることで、アンテナ130の入力インピーダンスをさらに変えることができる。
よって、図6(a)に示した主ケーブル32を2個の副ケーブル33に分け2個のアンテナ130に接続する場合、主ケーブル32のインピーダンスであるZが50Ωであると、副ケーブル33のインピーダンスは2×Zの100Ωとなる。よって、入力インピーダンスが100Ωとなるように、ダイポールアンテナ110の高さHを37.5mmとしたアンテナ130を用いればよい。
また、図6(b)に示した主ケーブル32を3個の副ケーブル33に分け3個のアンテナ130に接続する場合、主ケーブル32のインピーダンスであるZが50Ωであると、副ケーブル33のインピーダンスは3×Zの150Ωとなる。よって、入力インピーダンスが150Ωとなるように、ダイポールアンテナ110の高さHを32.5mmとしたアンテナ130を用いればよい。
以上説明したように、第1の実施の形態が適用されるアンテナ130では、アンテナ130におけるダイポールアンテナ110の素子部111、112の短径L1や素子部111、112の厚さ方向の中心から反射板120までの高さHなど、ダイポールアンテナ110の形状を設定するパラメータを変更することにより、アンテナ130の入力インピーダンスを設定することができる。
よって、主ケーブル32のインピーダンスがZであるとき、主ケーブル32をN個の副ケーブル33に分ける場合には、アンテナ130の入力インピーダンスがN×Zになるように、アンテナ130の形状を設定すればよい。
また、図9に示したように、第1の実施の形態のアンテナ130は、2つの共振周波数を示している。低周波数側の共振周波数は1.8GHz付近にあって、高周波数側の共振周波数は2.6GHz付近にある。
そして、素子部111、112の形状を変えたデータから、低周波数側の共振周波数は、ダイポールアンテナ110の素子部111、112の外縁の長さに依存し、高周波数側の共振周波数はダイポールアンテナ110の素子部111、112の短径L1に依存する傾向にあることが分かった。
よって、素子部111、112の外縁の長さ(周長)及び短径L1を変化させることで、予め定められた反射減衰量以下となる周波数範囲を設定することができる。
さらに、素子部111、112の外縁の長さ(周長)及び短径L1を同じとすれば、楕円形状でなくとも、反射減衰量以下となる周波数範囲を同様に設定したダイポールアンテナ110を用いたアンテナ130とすることができる。
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態では、アンテナ130におけるダイポールアンテナ110の素子部111、112の形状が楕円形であった。第2の実施の形態では、アンテナ130におけるダイポールアンテナ110の素子部111、112の形状を半楕円形に5角形を接続した形状とした。
他の構成は第1の実施の形態と同様であるので、同様の部分の説明を省略して、異なる部分であるダイポールアンテナ110の構成を説明する。
<ダイポールアンテナ110の構成>
図11は、第2の実施の形態におけるダイポールアンテナ110の構成を説明する平面図である。
図11のダイポールアンテナ110では、素子部111及び素子部112の外縁が、点Oに近い部分(境界を破線で示す)では楕円形状であって、点Oから離れた部分では一頂点が点Oから離れる方向に飛び出した五角形状となっている。
ダイポールアンテナ110がこのような形状になっていても、アンテナ130は広帯域な周波数特性を有するとともに、ダイポールアンテナ110の形状を設定するパラメータを変更することにより、アンテナ130の入力インピーダンスを設定することができる。
図12は、第2の実施の形態におけるアンテナ130の反射減衰量(リターン・ロス)(dB)特性を示す図である。この特性は、図11に示すダイポールアンテナ110を用いて構成したアンテナ130について、第1の実施の形態の図8で示したシミュレーションモデルによって求めた。
反射減衰量−10dB以下(VSWR≦2)となる周波数範囲は、下限周波数fLが1.6GHz、上限周波数fH(図示せず)が3GHz以上である。図10で示した第1の実施の形態におけるアンテナ130よりも広帯域になっている。
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態では、第2の実施の形態と同様に、第1の実施の形態のアンテナ130におけるダイポールアンテナ110の素子部111、112の形状を変化させた。
他の構成は第1の実施の形態と同様であるので、同様の部分の説明を省略して、異なる部分であるダイポールアンテナ110の構成を説明する。
<ダイポールアンテナ110の構成>
図13は、第3の実施の形態におけるダイポールアンテナ110の構成を説明する平面図である。
図13のダイポールアンテナ110では、素子部111及び素子部112の外縁が、点Oに近い部分(境界を破線で示す)では楕円形状であって、点Oから離れた部分では一頂点が点Oから離れる方向に飛び出した三角形状となっている。
ダイポールアンテナ110がこのような形状になっていても、アンテナ130は広帯域な周波数特性を有するとともに、ダイポールアンテナ110の形状を設定するパラメータを変更することにより、アンテナ130の入力インピーダンスを設定することができる。
[第4の実施の形態]
第4の実施の形態では、第2の実施の形態、第3の実施の形態と同様に、第1の実施の形態のアンテナ130におけるダイポールアンテナ110の素子部111、112の形状を変化させた。
他の構成は第1の実施の形態と同様であるので、同様の部分の説明を省略して、異なる部分であるダイポールアンテナ110の構成を説明する。
<ダイポールアンテナ110の構成>
図14は、第4の実施の形態におけるダイポールアンテナ110の構成を説明する平面図である。
図14のダイポールアンテナ110では、素子部111及び素子部112の外縁が、点Oに近い部分(境界を破線で示す)では楕円形状であって、点Oから離れた部分では点Oから離れる方向に飛び出した四角形状となっている。
ダイポールアンテナ110がこのような形状になっていても、アンテナ130は広帯域な周波数特性を有するとともに、ダイポールアンテナ110の形状を設定するパラメータを変更することにより、アンテナ130の入力インピーダンスを設定することができる。
第1の実施の形態から第4の実施の形態において説明したように、ダイポールアンテナ110の素子部111及び素子部112が導電性材料で構成され、その外縁が楕円などの曲線を含む形状とすることにより、予め定められた反射減衰量以下となる周波数範囲が広いアンテナ130が得られる。
そして、前述したダイポールアンテナ110の素子部111、112の短径L1又は素子部111、112の厚さ方向の中心から反射板120までの高さHや、素子部111、112の長径L2、素子部111、112の間隔Dなど、ダイポールアンテナ110の形状を設定するパラメータにより、アンテナ130の入力インピーダンスを設定することができる。
また、ダイポールアンテナ110の素子部111と素子部112とを対称に配置する点Oに近い部分を、点Oに向けて凸状となった楕円形状などの曲線とすることで、このダイポールアンテナ110の送受信する電波の偏波と直交する偏波を送受信する対になるダイポールアンテナ110とを点Oを共通にして対にして偏波共用とする場合に、対にした2つのダイポールアンテナ110が互いに重なり合うことなく、容易に組み合わせることができる。
さらに、ダイポールアンテナ110の素子部111、112の外縁の長さ(周長)及び短径L1を変化させることで、予め定められた反射減衰量以下となる周波数範囲を設定することができる。よって、周波数範囲を設定しつつ、素子部111、112の縁辺形状を選択することができる。これにより、2つのダイポールアンテナ110を対にして偏波共用とする場合に、相互に重ならない形状に設定することが容易になる。
なお、第1の実施の形態から第4の実施の形態では、ダイポールアンテナ110における素子部111、112、脚部113、114、台部115は、金属などの導電性材料により一体又は個別に構成されているとした。しかし、素子部111、112を絶縁性の基板に貼り付けた金属箔などで構成してもよい。この場合、脚部113、114を金属の棒などで構成し、金属箔などで構成された素子部111、112と反射板120の正面反射部120aとを接続すればよい。そして、同軸ケーブルなどにより、素子部112に電波を送信するための信号を供給(給電)すればよい。
[第5の実施の形態]
第1の実施の形態から第4の実施の形態におけるアレイアンテナ10は、偏波共用のアンテナ130を一方向に並べて構成されていた。
第5の実施の形態におけるアレイアンテナ10は、振動する電界の方向が一致するように複数のアンテナ130を一列に並べて構成されている。このアレイアンテナ10は、垂直偏波を360°の方向に放射する無指向性(オムニ)アンテナである。
図15は、第5の実施の形態における垂直偏波を放射できるアレイアンテナ10の構成の一例を示す図である。図15では、4個のアンテナ130−1、130−2、130−3、130−4が直線上(垂直方向)に配列されている。なお、4個のアンテナ130−1、130−2、130−3、130−4のそれぞれは、第1の実施の形態における図3に示したアンテナ130において、ダイポールアンテナ110が素子部111、112を備えるが、脚部113、114、台部115を備えない構成である。また、反射板120を備えない。そして、導体116がダイポールアンテナ110の素子部111の開口を経由して素子部112に接続されている。そして、垂直方向に放射する電界が振動するように、同じ向きに給電されている。
このようにすることで、垂直方向に電界が振動する垂直偏波を放射(送信)するアレイアンテナ10とできる。なお、このアレイアンテナ10は、アンテナの可逆性から垂直方向に電界が振動する垂直偏波を受信することができる。
図15に示す第5の実施の形態におけるアレイアンテナ10において、アンテナ130−1とアンテナ130−2とを組にして給電することができる。すなわち、給電線路である主ケーブル32と副ケーブル33とを、図6(a)に示すように接続すればよい。なお、アンテナ130−3とアンテナ130−4との組についても同様にすればよい。
また、アンテナ130−1〜130−4を組にして、図6(c)に示すように接続してもよい。この場合はN=4である。
ここでは、アレイアンテナ10を4個のアンテナ130により構成したが、アンテナ130の数は4個に限らず、2個〜3個でもよく、4個を超えてもよい。そして、これらの場合には、複数のアンテナ130を複数の組に分けて、組毎に主ケーブル32を設け、それから分岐する副ケーブル33を設けて給電すればよい。なお、複数の組に分けることなく、全体を1個の組としてもよい。
さらに、複数の組に分けた場合、組毎に位相の異なる送信信号を供給することにより、電波の放射角度(ビーム・チルト角θ)を水平面から地上方向などに傾けることができる。
アンテナ130の入力インピーダンスは、第1の実施の形態において説明したように、ダイポールアンテナ110の形状を設定するパラメータを変更することにより設定することができる。よって、第1の実施の形態と同様に、アンテナ130の入力インピーダンスを副ケーブル33のインピーダンスに合わせて設定し、主ケーブル32とそれから分岐する複数の副ケーブル33とを直接接続することで、インピーダンスのマッチングがとれる。このため、広帯域なアンテナ130の周波数範囲において電波の送受信ができる。
なお、ここでのアレイアンテナ10は、アンテナ130を垂直方向に並べたが、水平方向又は垂直方向から傾けた方向に並べてもよい。この場合、水平方向又は傾けた方向に振動する偏波が放射される。
[第6の実施の形態]
第5の実施の形態おけるアレイアンテナ10は、垂直偏波を放射する無指向性(オムニ)アンテナであった。
第6の実施の形態におけるアレイアンテナ10は、360°の方向に水平偏波を放射する無指向性(オムニ)アンテナである。
図16は、第6の実施の形態における水平偏波を放射できるアレイアンテナ10の構成の一例を示す図である。図16(a)はアレイアンテナ10の平面図、図16(b)は図16(a)のXVIB−XVIB線でのアレイアンテナ10の断面図である。なお、図16(a)の平面図は、図16(b)のXVIA−XVIA線でのアレイアンテナ10の平面図である。
図16(b)に示すように、第6の実施の形態のアレイアンテナ10は、例えば垂直方向に重ねた3層(層P1〜P3)から構成さている。各層P1〜P3を区別しないときは層Pと表記する。それぞれの層Pが図16(a)に示すように、水平面内において3個のアンテナ130(アンテナ130−1、130−2、130−3)から構成されている。なお、3個のアンテナ130−1、130−2、130−3のそれぞれは、第1の実施の形態における図3に示したアンテナ130において、ダイポールアンテナ110が素子部111、112を備えるが、脚部113、114、台部115を備えない構成である。また、反射板120を備えない。そして、導体116が素子部111の開口を経由して素子部112に接続されている。
そして、アンテナ130−1、130−2、130−3は、ダイポールアンテナ110の素子部111と素子部112とを結ぶ線が、互いに60°で交差するように、三角形の辺上に配置されている。
そして、図16(b)に示すように、これらのアンテナ130−1、130−2、130−3を複数、層状に重ねている。
このようにすることで、水平面内に電界が振動する水平偏波を送受信するアレイアンテナ10とすることができる。なお、このアレイアンテナ10は、アンテナの可逆性から水平方向に電界が振動する垂直偏波を受信することができる。
なお、ここでのアレイアンテナ10は、各層Pのアンテナ130が水平面内に並べられているが、水平面から傾けた面に並べてもよい。この場合、傾けた面の方向に振動する偏波が放射される。
図16に示す第6の実施の形態におけるアレイアンテナ10において、層P1を構成するアンテナ130−1、130−2、130−3を組にして給電することができる。すなわち、給電線路である主ケーブル32と副ケーブル33とを、図6(b)に示すように接続すればよい。なお、他の層P2、P3のアンテナ130の組についても同様にすればよい。
また、各層P1〜P3のアンテナ130−1を組にして、図6(b)に示すように接続してもよい。他のアンテナ130−2、130−3の組についても同様にすればよい。
さらに、各層P1〜P3のアンテナ130−1、130−2、130−3を全て組にして、図6(c)に示すように接続してもよい。この場合、N=9である。
また、他の組み合わせによって組を構成してもよい。
ここでは、各層P1〜P3のアレイアンテナ10を3個のアンテナ130により構成したが、アンテナ130の数は3個に限らず、2個でもよく、3個を超えてもよい。ただし、2個の場合には、図2に示すように2個のアンテナ130を90°回転させた位置に配置するとともに、互いに90°の位相差をつけて給電する必要がある。
これらの場合、複数のアンテナ130を複数の組に分けて、組毎に主ケーブル32を設け、それから分岐する副ケーブル33を設けて給電すればよい。なお、複数の組に分けることなく、全体を1個の組としてもよい。
さらに、複数の組に分けた場合、組毎に位相の異なる送信信号を供給することにより、電波の放射角度(ビーム・チルト角θ)を水平面から地上方向に傾けることができる。
アンテナ130の入力インピーダンスは、第1の実施の形態において説明したようにダイポールアンテナ110の形状を設定するパラメータを変更することにより設定することができる。よって、第1の実施の形態と同様に、アンテナ130の入力インピーダンスを副ケーブル33のインピーダンスに合わせて設定し、主ケーブル32とそれから分岐する複数の副ケーブル33とを直接接続することで、インピーダンスのマッチングがとれる。このため、広帯域なアンテナ130の周波数範囲において電波の送受信ができる。
さらに、第5の実施の形態におけるアレイアンテナ10と第6の実施の形態におけるアレイアンテナ10とを組み合わせることにより、偏波共用の無指向性(オムニ)アンテナとすることができる。
第5の実施の形態におけるアレイアンテナ10と第6の実施の形態におけるアレイアンテナ10との組合せは、例えば第5の実施の形態におけるアレイアンテナ10のアンテナ130の間に、第6の実施の形態におけるアレイアンテナ10のアンテナ130をそれぞれ挿入することで行うことができる。
[第7の実施の形態]
第5の実施の形態におけるアレイアンテナ10は、垂直偏波を送受信する無指向性(オムニ)アンテナであり、第6の実施の形態におけるアレイアンテナ10は、水平偏波を送受信する無指向性(オムニ)アンテナであった。
第7の実施の形態におけるアレイアンテナ10は、水平方向において双方向に電波を送受信するアレイアンテナ10である。
図17は、第7の実施の形態における双方向を放射できるアレイアンテナ10の構成の一例を示す図である。
図17に示すように、第7の実施の形態のアレイアンテナ10は、例えば4個のアンテナ130から構成されている。このうち、2個のアンテナ130−1、130−2を水平方向に並べている。同様に、2個のアンテナ130−3、130−4を水平方向に並べている。そして、2個のアンテナ130−1、130−2と2個のアンテナ130−3、130−4とを垂直方向に並べている。
4個のアンテナ130−1、130−2、130−3、130−4のそれぞれは、第1の実施の形態における図3に示したアンテナ130において、素子部111、112を備え、脚部113、114、台部115及び反射板120を含まない。そして、導体116が素子部111の開口を経由して素子部112に接続されている。
そして、アンテナ130は、素子部111と素子部112とを結ぶ直線が垂直方向になるように配置されている。しかし、2個のアンテナ130−1とアンテナ130−2とでは、素子部111と素子部112との位置を逆にし、給電方向を逆にしている。2個のアンテナ130−3とアンテナ130−4とも同様である。なお、垂直方向に並べられたアンテナ130−1とアンテナ130−3とは、素子部111と素子部112との位置の関係が同じである。アンテナ130−2及びアンテナ130−4についても同様である。
図17に示す第7の実施の形態におけるアレイアンテナ10において、アンテナ130−1、130−2、130−3、130−4を組にして給電する。すなわち、給電線路である主ケーブル32と副ケーブル33とを、図6(c)に示すように接続すればよい。なお、N=4である。
水平方向に並べた2個のアンテナ130(例えばアンテナ130−1とアンテナ130−2)は、素子部111と素子部112との位置を逆にし、給電方向を逆にしている。よって、水平方向の+側(図17の紙面において右方向)と水平方向の−側(左方向)とに電波を放射するアレイアンテナ10とできる。なお、このアレイアンテナ10は、アンテナの可逆性から水平方向の+側及び−側からの電波を受信することができる。
ここでは、2個のアンテナ130を2段重ねたが、重ねる段数は2段を超えてもよいし、1段だけでも良い。2段を超える場合には、複数のアンテナ130を複数の組に分けて、組毎に主ケーブル32を設け、それから分岐する副ケーブル33を設けて給電すればよい。なお、複数の組に分けることなく、全体を1個の組としてもよい。
さらに、複数の組に分けた場合、組毎に位相の異なる送信信号を供給することにより、電波の放射角度(ビーム・チルト角θ)を水平面から地上方向に傾けることができる。
アンテナ130の入力インピーダンスは、第1の実施の形態において説明したようにダイポールアンテナ110の形状を設定するパラメータを変更することにより設定することができる。よって、第1の実施の形態と同様に、アンテナ130の入力インピーダンスを副ケーブル33のインピーダンスに合わせて設定し、主ケーブル32とそれから分岐する複数の副ケーブル33とを直接接続することで、インピーダンスのマッチングがとれる。このため、広帯域なアンテナ130の周波数範囲において電波の送受信ができる。
[第8の実施の形態]
第1の実施の形態から第7の実施の形態におけるアレイアンテナ10は、ダイポールアンテナ110を備えていた。第8の実施の形態におけるアレイアンテナ10は、ダイポールアンテナ110を備えたアンテナ130の代わりにパッチアンテナであるアンテナ140を備えている。
図18は、第8の実施の形態の形態におけるアンテナ140の構成を説明する図である。図18(a)〜(c)は、パッチアンテナであるアンテナ140への給電の仕方が異なっている。
図18(a)〜(c)に示すいずれのアンテナ140も、第1の導体の一例としての地板部141、第2の導体の一例としてのパッチ部142、地板部141とパッチ部142とに挟まれた誘電体層143とを備えている。なお、地板部141、パッチ部142は、共に平面形状が矩形であって、例えば銅、アルミニウムなどの電気伝導度の大きい金属で構成されている。誘電体層143は、例えばポリイミド、テトラフルオロエチレンなどで構成されている。なお、誘電体層143の代わりに空気層としてもよい。
図18(a)に示すアンテナ140では、パッチ部142の中央から少しずれた点に給電の位置である給電点144が設けられている。そして、誘電体層143及び地板部141を貫通して、給電線路145が設けられている。この場合の給電線路145は、例えば銅などの金属の棒で構成されている。
図18(b)に示すアンテナ140では、図18(a)の場合のパッチ部142が、一辺の周辺部から中央部に向けて矩形に除去されている。そして、その除去された部分に給電点144が設けられ、その給電点から給電線路145が設けられている。給電線路145は、誘電体層143上に設けられ、地板部141とでマイクロストリップラインを構成している。なお、誘電体層143の代わりに空気層としてもよい。
図18(c)に示すアンテナ140では、図18(a)の場合のパッチ部142の一辺の中央部に給電点144が設けられ、その給電点から給電線路145が設けられている。給電線路145は、誘電体層143上に設けられ、地板部141とでマイクロストリップラインを構成している。なお、誘電体層143の代わりに空気層としてもよい。
図18(a)〜(c)にそれぞれ示すアンテナ140は、パッチ部142に対する給電の位置が異なるため、入力インピーダンスが異なる。図18(a)〜(c)では、図18(a)に示すアンテナ140の入力インピーダンスが最も小さく、図18(c)に示すアンテナ140の入力インピーダンスが最も大きい。
上記したように、ダイポールアンテナ110を備えるアンテナ130の代わりに、パッチアンテナであるアンテナ140を用いても、パッチ部142における給電点144の位置など、アンテナ140の形状を変更することにより、入力インピーダンスを設定することができる。
よって、第1の実施の形態におけるアンテナ130に代えて、第8の実施の形態におけるアンテナ140を適用してもよい。
1…基地局アンテナ、2…セル、3、3−1〜3−6…セクタ、4…送受信部、10、10−1〜10−8…アレイアンテナ、11…メインローブ、20…鉄塔、31…送受信ケーブル、32…主ケーブル、33…副ケーブル、110、110−1〜110−8…ダイポールアンテナ、111、111a、111b、112、112a、112b…素子部、113、114…脚部、115…台部、120…反射板、120a…正面反射部、120b…側面反射部、130、130−1〜130−8、140…アンテナ、141…地板部、142…パッチ部、200…移相器、300…Q変成器、500…レドーム

Claims (5)

  1. 第1のインピーダンスを有する第1の給電線路と、
    前記第1の給電線路から分岐されたN個(Nは2以上の整数)の第2の給電線路と、
    それぞれが前記第1のインピーダンスのN倍に基づいて設定された第2のインピーダンスを有し、前記N個の第2の給電線路のそれぞれに接続されたN個のアンテナと
    を備えるアレイアンテナ。
  2. 前記アンテナは、それぞれが縁辺に曲線を含んだ導電性材料で構成され、予め定められた軸に対して対称の位置に予め定められた間隔を設けて配置された一対の素子部を含み、形状により前記第2のインピーダンスが設定されるダイポールアンテナを備えることを特徴とする請求項1に記載のアレイアンテナ。
  3. 前記アンテナは、それぞれが縁辺に曲線を含んだ導電性材料で構成され、前記軸に対して対称の位置に予め定められた間隔を設けて配置され、前記一対の素子部が送受信する偏波と直交する偏波を送受信できる他の一対の素子部をさらに備えたことを特徴とする請求項2に記載のアレイアンテナ。
  4. 前記アンテナは、第1の導体と、第2の導体と、当該第1の導体と当該第2の導体との間の誘電体層又は空気層とを含み、当該第1の導体への給電の位置によって、前記第2のインピーダンスが設定されるパッチアンテナを備えることを特徴とする請求項1に記載のアレイアンテナ。
  5. 前記アレイアンテナを収納するレドームをさらに備える請求項1乃至4のいずれか1項に記載のアレイアンテナ。
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