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JP2014032772A - Ledランプ - Google Patents

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Abstract

【課題】グロースタート式やラピッドスタート式の照明器具だけでなく、インバータ式の照明器具でも装着でき、いずれの照明器具でも省電力化を図ることができるLEDランプを提供する。
【解決手段】LEDランプ10は、蛍光灯用照明器具の一対のソケットに装着するために両端部に設けられた一対の端子ピン11,12と、端子ピン11,12からの交流から駆動電流を出力する点灯制御部14と、点灯制御部14からの駆動電流により点灯するLED照明部15と、LED照明部15が消費する電流より大きい蛍光灯用照明器具からの余剰電流を端子ピン11から他方の端子ピン12へ、またはその反対へ迂回させるバイパス部16とを備えている。LEDランプ10では、バイパス部16を、端子ピン11のピン11aと、端子ピン12のピン12bとの間、および端子ピン11のピン11bと、端子ピン12のピン12aとの間に配置したコンデンサで構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、蛍光灯が装着される各種のスタート式の照明器具に、共通させて装着することができるLEDランプに関するものである。
ガラス管の内壁に塗布された蛍光材に、フィラメントによる放電で発生する紫外線を当て、可視光線を発光させる蛍光灯は、様々な始動方式の照明器具により光源として使用されている。照明器具の始動方式の代表的なものとしては、グロースタート式、ラピッドスタート式、インバータ式がある。また、インバータ式においては、自励共振型や他励共振型、ハーフブリッジ式などがある。
一方、長寿命で、低消費電力である発光ダイオードを光源としたLEDランプが開発されている。LEDランプは、光源として、電球の代わりとなるLEDを採用したもので、1個のLEDを使用したものから、蛍光灯の代わりとなる数十〜数百のLEDを直列接続したもの、または直列接続したものを並列接続したものまで、様々である。
蛍光灯の代わりとなるLEDランプでは、蛍光灯用の照明器具を改造して装着する場合があるが、蛍光灯用の照明器具に改造せずに取り付けても、点灯させることができるのが望ましい。そうすれば、蛍光灯をそのままLEDランプへ置き換えられるので、普及が益々進むものと思われる。このような蛍光灯の代わりとすることができるLEDランプとして、特許文献1〜3に記載されたものが知られている。
特許文献1のLED照明装置には、両端のそれぞれの電極ピン間に設けられたそれぞれのダイオードブリッジの出力端となる整流ダイオードの間にLEDユニット回路の陽極側が接続され、入力端となる整流ダイオード間にLEDユニット回路の陰極側が接続されたことにより、電極ピンのいずれかから電流が入力された場合でも、整流ダイオードの働きにより、グロースタータへ電流が流れないようにしたことが記載されている。
また、特許文献2の照明器具には、2つのダイオードブリッジ回路を備えることにより、4本の端子ピンのうちいずれか2つに交流電力が供給された場合に、交流電力が供給されない2つの端子ピンに供給された交流電力の影響があらわれないので、インバータ方式及びラピッドスタート方式にも、なんら改造を加えることなく使用することができることが記載されている。
また、特許文献3のLED照明灯には、第1端子ピン対の2つの端子の間および第2端子ピン対の2つの端子間に、フィラメントと同等のインピーダンスが10Ωである抵抗およびコンデンサを並列接続したものをそれぞれ接続することで、グロースタート式では、商用電源からの大電流を抵抗およびコンデンサを介して流すことで、電子安定器の加勢回路の故障を未然に防ぎつつ、インバータ式では口金の2つの端子ピン間の電流検知を可能とすることが記載されている。
特開2004−192833号公報 特開2008−103304号公報 特開2008−277188号公報
しかし、インバータ式の照明器具では、蛍光灯へ定格出力で電源が供給されるため、省電力のLEDランプでは負荷が低すぎて、照明器具の安全機構が作動して始動できないことがある。
従って、単にダイオードブリッジにより整流しただけの特許文献1〜3に記載の従来のLEDランプでは、グロースタート式やラピッドスタート式の照明器具に装着して点灯できたとしても、インバータ式の照明器具では点灯できないおそれがある。
そこで本発明は、グロースタート式やラピッドスタート式の照明器具だけでなく、インバータ式の照明器具でも装着でき、いずれの照明器具でも省電力化を図ることができるLEDランプを提供することを目的とする。
本発明のLEDランプは、蛍光灯用照明器具の一対のソケットに装着するために両端部に設けられた一対の端子ピンと、前記一対の端子ピンからの交流に基づいて駆動電流を出力する点灯制御部と、前記点灯制御部からの電流により点灯するLED照明部と、前記LED照明部が消費する電流より大きい蛍光灯用照明器具からの余剰電流を一方の端子ピンから他方の端子ピンへ前記点灯制御部を迂回させるバイパス部とを備えたことを特徴とする。
本発明のLEDランプによれば、両端部の一対の端子ピンから交流が供給され、点灯制御部によりLED照明部への駆動電流が出力される。インバータ式の蛍光灯用照明器具は定格出力がLEDランプの消費電力より大きいが、本発明のLEDランプではバイパス部を備えているため、LED照明部が消費する電流より大きい電流が供給される蛍光灯用照明器具からの余剰電流を一方の端子ピンから他方の端子ピンへ点灯制御部を迂回させることできる。従って、本発明のLEDランプは、インバータ式の蛍光灯用照明器具であっても、蛍光灯が装着されていると誤認して点灯を始動させることができる。
前記バイパス部が、一方の端子ピンの2ピンと、他方の端子ピンの2ピンの1ピンずつ2組設けられていると、本願発明のLEDランプを、蛍光灯用照明器具のソケットにいずれの方向でも装着することができる。
前記バイパス部は、一方の端子ピンの一方のピンと、他方の端子ピンの他方のピンとの間、および一方の端子ピンの他方のピンと、他方の端子ピンの一方のピンとの間に配置したものとすることができる。
前記バイパス部が、ハイパスフィルタであると、高周波で出力されるインバータ式の蛍光灯用照明器具からの交流を効率よく迂回させることができる。
前記バイパス部が、コンデンサにより形成されていると、簡単な回路でバイパス部を形成することができると共に、コンデンサにより電流の位相を遅らせることができるので、迂回させた余剰電流は蛍光灯用照明器具へ戻し、無効電力とすることができる。
前記一対の端子ピンの間に、蛍光灯のフィラメントに相当するインピーダンスを有する電気部品が接続されているので、始動開始前にフィラメントに直流を流して蛍光灯の装着の有無をチェックするインバータ式の蛍光灯用照明器具であっても、本発明のLEDランプを点灯の始動させることができる。
本発明のLEDランプは、蛍光灯用照明器具からの余剰電流を一方の端子ピンから他方の端子ピンへ点灯制御部を迂回させることができるので、インバータ式の蛍光灯用照明器具であっても、点灯の始動をさせることができる。従って、本発明のLEDランプは、グロースタート式やラピッドスタート式の照明器具だけでなく、インバータ式の照明器具でも装着でき、いずれの照明器具でも省電力化を図ることができる。
本発明の実施の形態に係るLEDランプの構成を示す図である。 図1に示すLEDランプの回路例の図である。 図1に示すLEDランプのLED照明部を説明するための回路図である。 図1に示すLEDランプをソケットに装着する方向を説明するための図である。 図1に示すLEDランプをグロースタート式蛍光灯用照明器具に装着した状態を説明するための図である。 図1に示すLEDランプをラピッドスタート式蛍光灯用照明器具に装着した状態を説明するための図である。 図1に示すLEDランプをインバータ式蛍光灯用照明器具に装着した状態を説明するための図である。
本発明の実施の形態に係るLEDランプを図面に基づいて説明する。
図1に示すLEDランプ10は、グロースタート式、ラピッドスタート式、インバータ式のいずれの蛍光灯用照明器具(以下、単に照明器具と略す。)にも装着できる直管形のランプである。LEDランプ10は、照明器具の一対のソケットに装着するため端子ピン11,12が両端部に設けられている。
端子ピン11,12との間に、被検知部13と、端子ピン11,12からの交流に基づいて駆動電流を出力する点灯制御部14と、点灯制御部14からの駆動電流により点灯するLED照明部15と、バイパス部16とが接続されている。点灯制御部14は、整流部141,142と、平滑部143と、電流源部144とを備えている。
端子ピン11,12は、円筒状の筐体の両端部に設けられた口金に形成されている。端子ピン11,12は、照明器具のソケットに嵌入されるピン11a,11bとピン12a,12bとを備えている。直管形のLEDランプ10を水平に持ったときに、ピン11aとピン12aは同じ上同士、または下同士となる。また、そのとき、ピン11bとピン12bは、反対に下同士、または上同士となる。つまり、ピン11aとピン12aの組み合わせ、ピン11bとピン12bの組み合わせで、同軸線位置にある。
LED照明部15を除く、被検知部13と、点灯制御部14と、バイパス部16とは、1枚のプリント基板に実装されている。
被検知部13は、端子ピン11のピン間に接続されている。被検知部13は、蛍光灯のフィラメントの代用として機能するものである。被検知部13は、フィラメントと同等のインピーダンス(抵抗成分)を有する電気部品であれば使用できる。例えば、電気部品として、抵抗素子、コイル、線材、ヒューズなどとすることができる。
整流部141は端子ピン11に入力端が接続され、整流部142は、端子ピン12に入力端が接続されている。整流部141,142の一方の出力端が電源ラインL1となり、整流部141,142の他方の出力端がグランドラインL2となっている。整流部141,142は、端子ピン11と端子ピン12からのそれぞれの交流を半波整流または全波整流するものである。
平滑部143は、整流部141,142からの電源ラインL1とグランドラインL2との間に接続されている。平滑部143は、整流部141,142の間の電源ラインL1と、グランドラインL2との間であれば、どこの位置に接続されていてもよい。平滑部143は、整流部141,142からの脈流を平滑化して直流とする機能を備えている。平滑部143は、コンデンサとすることができる。
電流源部144は、整流部141,142からの電源ラインL1とグランドラインL2との間に接続されている。電流源部144は、LED照明部15に安定した電流を出力する定電流源として機能するスイッチング電源である。電流源部144が供給してLED照明部15を点灯させる基準となる電圧(内部基準電圧)は、グロースタート式、ラピッドスタート式またはインバータ式などの照明器具のうち、装着対象の照明器具で、供給される出力電圧範囲のうちの最も低い電圧としている。つまり、電源ラインL1の電圧が内部基準電圧より高くとなると電流源部144はスイッチング動作を始めるように設定されている。
LED照明部15は、電源ラインL1と電流源部144との間に接続されている。LED照明部15は、直列接続された複数のLEDが並列接続されたものである。
バイパス部16は、端子ピン11の一方のピン11aと端子ピン12の他方のピン12bとの間と、端子ピン11の他方のピン11bと端子ピン12の一方のピン12aとの間とに、それぞれ接続されている。バイパス部16は、LED照明部15が消費する電流より大きい照明器具からの余剰電流を端子ピン11から端子ピン12へ、またはその反対に端子ピン12から端子ピン11へ迂回させる機能を備えている。
次にLEDランプ10の具体的な回路例を図2から図4に基づいて説明する。
被検知部13として、端子ピン11のピン11a,11b間と、端子ピン12のピン12a,12b間にヒューズFが接続されている。ヒューズFは、0Ω〜9Ω程度の抵抗でもよい。
また、整流部141として、端子ピン11に、4本のダイオードD11〜D14がダイオードブリッジを構成して整流部141として接続されている。また、同様に、端子ピン12と4本のダイオードD21〜D24がダイオードブリッジを構成して接続されている。4本のダイオードD11〜D14,D21〜D24はインバータ式の照明器具から供給される高周波でもスイッチングできるよう、高スイッチング性を有するダイオードでなければならない。
詳細には、ダイオードD11のアノードおよびダイオードD12のカソードの接続点P11を入力端として、端子ピン11のピン11aに接続されている。ダイオードD13のアノードおよびダイオードD14のカソードの接続点P12を入力端として、端子ピン11のピン11bに接続されている。
ダイオードD11のカソードおよびダイオードD13のカソードの接続点P13を出力端として、電源ラインL1に接続されている。ダイオードD12のアノードおよびダイオードD14のアノードの接続点P14を出力端として、グランドラインL2に接続されている。
また、ダイオードD21のアノードおよびダイオードD22のカソードの接続点P21を入力端として、端子ピン12のピン12aに接続されている。ダイオードD23のアノードおよびダイオードD24のカソードの接続点P22を入力端として、端子ピン12のピン12bに接続されている。
ダイオードD21のカソードおよびダイオードD23のカソードの接続点P23を出力端として、電源ラインL1に接続されている。ダイオードD22のアノードおよびダイオードD24のアノードの接続点P24を出力端として、グランドラインL2に接続されている。
平滑部143として、電源ラインL1とグランドラインL2との間に、コンデンサC1が、接続されている。
また、電流源部144として、電源ラインL1とVin端子の間にツェナーダイオードZDを介在させて接続されると共に、グランドラインL2にGND端子が接続された照明ドライバDVと、トランジスタTrと、トランジスタTrのドレインDと電源ラインL1との間に接続されたダイオードD3と、トランジスタTrのソースSとグランドラインL2との間に接続された抵抗R1と、トランジスタTrのゲートGと照明ドライバDVとの間に接続された抵抗R2と、トランジスタTrのドレインDとLED照明部15との間に接続されたコイルLとが、設けられている。
ダイオードD3は、電源ラインL1からの電流の流れ込みを遮断しつつ、コイルLからの遅れ電流を電源ラインL1へ還流させ、LED照明部15への電圧降下を抑制する還流ダイオードとして機能するものである。
抵抗R1は、LED照明部15へ流れる電流を制限する制限抵抗と機能すると共に、照明ドライバDVがスイッチング動作する電圧を監視するための抵抗である。抵抗R1の抵抗値は、グロースタート式、ラピッドスタート式またはインバータ式などの照明器具のうち、装着対象の照明器具で、供給される出力電圧範囲のうちの最も低い電圧が印加されたときに、LED照明部15へ流れる電流に基づいて決定されている。
ツェナーダイオードZDは、照明ドライバDVへの過度な電圧印加を防止するためのものである。照明ドライバDVはCS端子の電圧(抵抗R1の電圧)を監視してGATE端子をオン−オフすることでトランジスタTrをオン−オフさせてスイッチング動作を行う機能を有している。
LED照明部15は、図3に示すように、17個の直列接続されたLEDを9組並列接続して構成している。このLED照明部15は、アノード側が電源ラインL1に接続され、カソード側がコイルLに接続されている。LEDの数は、要求されるLEDランプの照度に応じて、適宜、変更することができる。LED照明部15のLED素子の直列数については、詳細を後述する。
バイパス部16としては、一方の端子ピン11の一方のピン11aと、他方の端子ピンの他方のピン12bとの間にコンデンサC21が接続され、一方の端子ピン11の他方のピン11bと他方の端子ピンの一方のピン12aとの間にコンデンサC22が接続されている。本実施の形態では、ハイパスフィルタとして機能する実質的に並列接続となるコンデンサC21,C22として、遮断周波数を40KHz〜80KHzに設定するために、3300pFのセラミックコンデンサを使用している。
以上のように構成された本発明の実施の形態に係るLEDランプ10のLED照明部15の直列数および並列数と、電流源部144の駆動電流との関係について説明する。
40W形または32W形のグロースタート式やラピッドスタート式では、約90Vから約100Vの電圧が出力される。また、32W形のインバータ式では、一般的では約60Vから約70V、低いもので約50Vの電圧が出力される。この電圧は、安定器により異なるため、機種や製造者により異なる。
また、整流部141や整流部142、平滑部143を通過した後の電圧では、それぞれの箇所での電圧降下があるため、更に電圧が低下する。
従って、装着対象の蛍光管用照明器具の出力電圧範囲のうち、32W形のインバータ式の出力電圧範囲の最小値である約50Vを入力電圧の基準電圧とし、整流部141や整流部142、平滑部143による電圧降下を約10%程度とすると、LED照明部15に印加される電圧(内部基準電圧)は約45Vとなる。
平滑部143による平滑後の電圧、約45Vを内部基準電圧とし、LED照明部15のLED素子の順方向電圧を約2.7Vとすると、LED素子の直列数は17個とすることができる。
次に、LED素子の電圧−電流特性から電圧2.7Vを印加したときのLED素子に流れる電流を求める。例えば、LED素子に印加される電圧を2.7Vとしたときの電流が約66mAであるとする。また、LED照明部15に必要とされる照度からLED素子の全体個数を算出して、この全体個数を直列数17個で割り算して並列数を算出する。例えば、17個の直列接続としたLED素子の並列数を9列とする。
並列数が求められると、LED素子1列の直列接続に約66mAが流れることから、電流源部144は、9列の並列としたLED照明部15に対して約594mAを駆動する必要がある。このようにして電流源部144の駆動電流が求められると、この駆動電流に基づいて抵抗R1の抵抗値を算出する。本実施の形態では、照明ドライバDVの規格から算出すると共に、実験を行った結果、抵抗R1を0.3Ωとした。
次に、本発明の実施の形態に係るLEDランプの動作について、図面に基づいて説明する。図2に示すように、グロースタート式、ラピッドスタート式、インバータ式のいずれでも、周波数は違うが、交流電圧が端子ピン11,12に印加される。
LEDランプ10は、端子ピン11,12のいずれにも、ダイオードブリッジを構成するダイオードD11〜D14およびダイオードD21〜D24が接続されているため、交流を全波整流することができる。
全波整流による脈流は、平滑化するコンデンサC1により、電源ラインL1とグランドラインL2との間で、ほぼ直流となる。
照明器具からの電源供給により電源ラインL1とグランドラインL2との間の電圧が、照明ドライバDVの動作範囲に入れば、照明ドライバDVが動作し始める。照明ドライバDVが動作し始めると、GATE端子をオンとすることで、GATE端子がHレベルを出力する。GATE端子がHレベルを出力することで、トランジスタTrのゲートがオンとなり、ドレイン−ソース間がオンとなる。これにより、電源ラインL1からの電流が、LED照明部15を流れ、コイルLを介して、トランジスタTrのドレイン−ソース間に流れ、抵抗R1を介してグランドラインL2へ流れる。この電流の流れによりLED照明部15が点灯する。
照明ドライバDVは、抵抗R1へ電流が流れることで抵抗R1に発生する電圧を80kHzで発振する内部の発振器の1サイクルごとに、CS端子により監視している。電源ラインL1とグランドラインL2との間の電圧が、内部基準電圧である約45Vより高くなれば、抵抗R1の電圧が所定の電圧より高くなる。抵抗R1の電圧が所定の電圧より高くなったことを契機に、照明ドライバDVはGATE端子をサイクル単位でオフする。つまり、照明ドライバDVは、抵抗R1が所定電圧以上となったサイクル期間、GATE端子をオフしている。
トランジスタTrがオフとなると、コイルLにより遅延した電流がダイオードD3を介して電源ラインL1へ還流電流として流れ、LED照明部15へ流れるため、照明ドライバDVのスイッチングによる電圧低下を抑制する。
トランジスタTrがオフとなることで、抵抗R1での電圧が低下して所定電圧以下となる。照明ドライバDVは、抵抗R1の電圧が所定電圧以下となったことをCS端子により検知すると、再びGATE端子をHレベルとする。従って、電源ラインL1とグランドラインL2との電圧が約45Vより高ければ、照明ドライバDVにより、内部の発振器の周波数より低い周波数でオン−オフが繰り返されるスイッチング動作となることで、LED照明部15に定電流が供給される。
LED素子の直列数と抵抗R1とを、グロースタート式、ラピッドスタート式またはインバータ式などの照明器具のうち、供給される出力電圧範囲が最も低いインバータ式の照明器具の値に基づいて決定しているため、グロースタート式やラピッドスタート式の照明器具や、安定器を外し商用電源に直結している照明器具に、このLEDランプ10が装着されたとしても、電源ラインL1とグランドラインL2との電圧が内部基準電圧より高くなるだけなので、照明ドライバDVによるスイッチング動作での定電流制御によりLED照明部15を安定して点灯させることができる。
また、基準とした32W形のインバータ式の照明器具より低い電圧が供給された場合には、抵抗R1の電圧も低下するため、照明ドライバDVのGATE端子は常時オンとなる。GATE端子が常時オンとなって、トランジスタTrが常時オン状態であっても、電源ラインL1とグランドラインL2との間の電圧が低いため、LED照明部15に流れる電流は、順方向電流を下回り、電圧に応じて小さくなるので暗くなる。
例えば、40W形より大きな出力のインバータ式の照明器具に装着されるLEDランプや、商用電源100Vに直結されるLEDランプでは、LED素子の直列数が、32形のインバータ式の照明器具を基準にしたLEDランプより多くなる。
商用電源100Vに直結されるLEDランプでは、内部基準電圧を約90V、LED素子の順方向電圧を約2.7Vとすると直列数は33個となり、LEDランプ10の17個と比較して直列数が多くなる。
このようなLEDランプを出力電圧が低い照明器具に装着すると、直列接続されたLED素子全体による電圧降下が大きいため、トランジスタTrが常時オンで電流をLED照明部へ供給したとしても、それぞれのLED素子に十分な電流が供給できないため、視認できる程度の発光をさせることができなくなってしまう。
しかし、LEDランプ10では、32形のインバータ式の照明器具を基準にしたLED素子の直列数としているため、出力電圧が32形のインバータ式の照明器具より低い照明器具に装着され、電源ラインL1とグランドラインL2とに十分な電圧が印加できなくても、LED照明部15による電圧降下が低いため、LED素子に視認させる程度の電流を供給することができる。従って、電流源部144が供給電圧の低下に応じた電流をLED照明部15へ供給することで、印加電圧の低下に応じてLED照明部15が徐々に暗くなるものの、点灯させることができる。
次に、LEDランプ10を照明器具に装着する方向について、図4に基づいて説明する。LEDランプ10を照明器具に装着する方向としては、4通りある。つまり、図4(A)に示すように、左側のソケットに端子ピン11が装着され、右側のソケットに端子ピン12が装着される場合と、図4(B)に示すようにその反対の場合とで二通り、そして、図4(A)および同図(B)のピン11a,11bと、ピン12a,12bとを、軸線を中心とした回転により入れ変えることで、図4(C)および同図(D)に示すように二通りがある。従って、合計4通りである。
図4(A)から同図(D)に示すように、ソケットに端子ピン11,12が入れ代わったとしても、端子ピン11側には整流部141が、端子ピン12側には整流部142が設けられ、ダイオードブリッジが回転対称に構成されているため、グロースタート式、ラピッドスタート式およびインバータ式のいずれでも、ソケットに方向に関係なく装着することができる。
ここで、LEDランプ10が様々な始動方式の照明器具に装着された場合のバイパス部16の機能について、図面に基づいて説明する。
図5に示すグロースタート式および図6に示すラピッドスタート式の照明器具は、安定器がコイルによるものであるため、LEDランプ10が消費する電流に応じて照明器具が電流を供給する。しかし、図7に示すインバータ式の照明器具では、所定電流が流せない蛍光灯には、照明器具の安全機構が作動して点灯始動しないため、省電力の従来のLEDランプでは点灯させることができない。例えば、32形のインバータ式の照明器具では、約390mAが流れることをチェックしているものがある。
LED照明部15では内部基準電圧を45Vとしたときに約594mAを消費する。つまり、消費電力は約26.7Wである。商用電源での消費電流を、約26.7Wを100Vで割り算することで算出すると267mAとなる。つまり、LEDランプ10では、概算で約267mAを消費しているが、インバータ式の照明器具では約390mAを流す必要がある。従って、差分の123mAの余剰電流をLEDランプ10内で流す必要がある。
LEDランプ10では、端子ピン11,12との間にバイパス部16として、コンデンサC21およびコンデンサC22が設けられているため、LED照明部15が消費する電流より大きい余剰電流が一方の端子ピン(端子ピン11または端子ピン12)からバイパス部16を介して、反対側の端子ピンへ流れて、無効電力として照明器具へ戻すことができる。
特に、バイパス部16がハイパスフィルタとして機能するコンデンサで形成されているため、数十kHzの高周波で供給されるインバータ式の照明器具からの電流を効果的にバイパス部16に迂回させ、一方の端子ピンから他方の端子ピンへ流すことができる。
グロースタート式やラピッドスタート式は商用電源と同じ周波数(50Hzまたは60Hz)がLEDランプ10へ印加される。しかし、50Hzまたは60Hzのような低周波数では、コンデンサC21,C22のインピーダンスは高いのでコンデンサC21,C22には電流が流れないため、コンデンサC21,C22が悪影響を及ぼすことがなく、問題はない。
このように、LEDランプ10では、余剰電流を、バイパス部16を介して点灯制御部14を迂回させるので、点灯制御部14に影響を与えることなく、照明器具にあたかも蛍光灯が装着されているように判断させることができる。従って、LEDランプ10を、グロースタート式、ラビットスタート式の照明器具だけでなく、インバータ式の照明器具であっても、なんら支障なく点灯させることができる。また、バイパス部16がコンデンサC21,C22により構成されているため、簡単な回路でバイパス部16を形成することができる。
なお、本実施の形態では、バイパス部16として機能する、コンデンサC21がピン11aとピン12bとの間に接続され、コンデンサC22がピン11bとピン12aとの間に接続されていることで、交差するように接続されているが、ピン11aとピン11b、ピン12aとピン12bが、それぞれヒューズFにより短絡されているため、バイパス部16としては、コンデンサC21とコンデンサC22との並列接続となる。従って、ピン11aとピン11b、ピン12aとピン12bを、ヒューズFにより短絡する場合には、コンデンサC21とコンデンサC22との合成容量とした6600pFのコンデンサ1個としてもよい。
インバータ式の照明器具では、点灯の始動前に、蛍光灯のフィラメントに直流電流を流し、導通の有無を検査することにより、電源投入時に蛍光灯がソケットに装着されているか否かをチェックするものがある。これは、蛍光灯が不完全な状態で装着されているために、脱落してしまうことを防止する蛍光灯脱落検知機能と称されるものである。このチェックにて、蛍光灯が照明器具に装着されていないと判断されると、始動へ移行しない。そこで、LEDランプ10では、端子ピン11のピン11a,11b間と、端子ピン12のピン12a,12b間にフィラメントの代用としてヒューズFが接続されているので、このヒューズFに始動前の直流電流が流れ、照明器具側でヒューズFの抵抗を検知させることで、蛍光灯が装着されていると認識させることができる。従って、LEDランプ10は、インバータ式の照明器具でも、点灯を始動させることができる。
なお、LEDランプ10では、整流部141,142からの脈流を平滑させるための平滑部143が設けられているが、電流源部144として、脈流で動作する照明ドライバを採用すれば、平滑部143は省略することができる。
本発明のLEDランプは、蛍光灯が装着される照明器具であれば、代わりに装着することができるので、直管形の蛍光灯や折り曲げ形の蛍光灯などの代用として好適である。
10 LEDランプ
11,12 端子ピン
11a,11b ピン
12a,12b ピン
13 被検知部
14 点灯制御部
141,142 整流部
143 平滑部
144 電流源部
15 LED照明部
16 バイパス部
F ヒューズ
C1,C21,C22 コンデンサ
D11〜D14,D21〜D24,D3 ダイオード
DV 照明ドライバ
P11,P12,P21,P22 接続点
P13,P14,P23,P24 接続点
L コイル
Tr トランジスタ
R1,R2 抵抗
L1 電源ライン
L2 グランドライン
ZD ツェナーダイオード

Claims (6)

  1. 蛍光灯用照明器具の一対のソケットに装着するために両端部に設けられた一対の端子ピンと、
    前記一対の端子ピンからの交流に基づいて駆動電流を出力する点灯制御部と、
    前記点灯制御部からの駆動電流により点灯するLED照明部と、
    前記LED照明部が消費する電流より大きい蛍光灯用照明器具からの余剰電流を一方の端子ピンから他方の端子ピンへ前記点灯制御部を迂回させるバイパス部とを備えたことを特徴とするLEDランプ。
  2. 前記バイパス部は、一方の端子ピンの2ピンと、他方の端子ピンの2ピンの1ピンずつに接続されて2組設けられている請求項1記載のLEDランプ。
  3. 前記バイパス部は、一方の端子ピンの一方のピンと、他方の端子ピンの他方のピンとの間、および一方の端子ピンの他方のピンと、他方の端子ピンの一方のピンとの間に配置したものである請求項2記載のLEDランプ。
  4. 前記バイパス部は、ハイパスフィルタである請求項1から3記載のLEDランプ。
  5. 前記バイパス部は、コンデンサにより形成されている請求項1から4のいずれかの項に記載のLEDランプ。
  6. 前記一対の端子ピンの間には、蛍光灯のフィラメントに相当するインピーダンスを有する電気部品が接続されている請求項1から5のいずれかの項に記載のLEDランプ。
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