JP2014025381A - エンジン冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】冷却水がラジエータ3を経由して流通する第1流路1と、冷却水がラジエータ3を迂回して流通する第2流路2と、第1流路1のラジエータ3よりも下流部分と第2流路2とが合流してエンジンAに連通する合流部及び合流路と、合流路の冷却水をエンジンAに還流させる循環ポンプ5と、合流部の冷却水で加熱される感温部、および、感温部の加熱状態により第1流路1の合流部への合流部分を開閉する弁体を備えたサーモスタット弁と、第1流路1のうちのラジエータ3の下流から分岐し、サーモスタット弁を迂回して合流路に連通するバイパス流路12と、バイパス流路12を開閉可能なバイパス弁9と、バイパス弁9の開閉作動を制御する制御部6とを備えた。
【選択図】図1
Description
そして、冷却水温度の上昇に伴う感温部の加熱により合流部分を開いて、例えば暖機運転終了後の冷却水温度が高い運転状態では、第1流路及び第2流路の冷却水を合流部から合流路に流入させてエンジンに還流させる。
従来のエンジン冷却装置は、第1流路の冷却水を、第1流路の合流部への合流部分のみを通して合流路に流入可能に構成してある(例えば、特許文献1参照)。
このため、ラジエータを通過する第1流路の冷却水流量は、弁体が開弁側に移動するに伴って徐々に増大する。
したがって、例えばエンジン負荷の急増により冷却水温度が急上昇して、ラジエータを通過する冷却水流量を早急に増大させたい場合でも、弁体が最大開弁位置に移動するまでのタイムラグが生じ、タイミング良く増大させることができないおそれがある。
しかしながら、この場合は、エンジン負荷が急増しない通常運転状態における冷却水温度が必要以上に低下して、燃費が悪化したり排ガス中の大気汚染物質が増大するなどの問題が生じるおそれがある。
また、バイパス流路は、第1流路の冷却水を、感温部を加熱する合流部よりも下流に位置する合流路に流入させるので、バイパス流路からの冷却水が感温部の加熱温度を低下させるおそれが低い。
このため、弁体が合流部分を開く速度が低下して、合流部分から合流部への冷却水の流入が阻害されるようなおそれが少ない。
したがって、本構成のエンジン冷却装置であれば、第1流路の冷却水を冷却水温度に応じたサーモスタット弁の作動で合流路に流入させ得る簡便な構成を採用しながら、ラジエータを通過する冷却水流量をタイミング良く増大させることができる。
〔第1実施形態〕
図1は、自動車用エンジン(内燃機関)AのシリンダブロックA1及びシリンダヘッドA2を冷却する本発明によるエンジン冷却装置Bの冷却回路図を示す。
循環ポンプ5は、冷却水をシリンダブロックA1に形成してあるウオータジャケット
(図示せず)のエンジン入口に圧入する。
エンジン入口に圧入されてシリンダブロックA1のウオータジャケットを通った冷却水は、シリンダヘッドA2に形成してあるウオータジャケット(図示せず)を通ってエンジン出口から第1流路1及び第2流路2に流入し、サーモスタット装置Cを経由して循環ポンプ5に吸入され状態で循環する。
制御部6は、循環ポンプ5の作動に加えて、エンジンAの運転状態に応じたバイパス弁9によるバイパス流路12の開閉作動を制御する。
図3は、サーモスタット弁8が閉弁状態でバイパス弁9が開弁状態のサーモスタット装置Cを示し、バイパス流路12からの第1流路1の冷却水と、合流部10からの第2流路2の冷却水とが合流路11で合流して循環ポンプ5に流入する。
図4は、サーモスタット弁8が開弁状態でバイパス弁9が閉弁状態のサーモスタット装置Cを示し、合流部分1bからの第1流路1の冷却水と第2流路2の冷却水とが合流部10で合流して、合流路11から循環ポンプ5に流入する。
図5は、サーモスタット弁8及びバイパス弁9が開弁状態のサーモスタット装置Cを示し、合流部分1b及びバイパス流路12からの第1流路1の冷却水と第2流路2の冷却水とが、合流路11から循環ポンプ5に流入する。
なお、バイパス流路12は、合流路11よりも小径に形成されている。
合流路11は、合流部10よりも小径に形成されている。バイパス流路12は、第1接続路1aの冷却水を、サーモスタット弁8を迂回して合流路11に流入させる。
循環ポンプ5は、合流路11を通過した冷却水をエンジンAに還流させる。
ガイド棒8dは、合流部分1bを通して第1接続路1aの内側に入り込むように配設してある。圧縮コイルバネ8eは、弁体8bと保持部材8cとの間に装着してある。
弁体8bは、感温部8aの加熱による収縮で、図4,図5に示すように、圧縮コイルバネ8eの付勢力に抗して合流部分1bを開く側に移動し、感温部8aの冷却よる伸長で、図2,図3に示すように、合流部分1bを閉じる側に移動して、圧縮コイルバネ8eの付勢力で合流部分1bを密閉する。
制御部6は、エンジン出口における冷却水温度thwとして、バイパス弁9が開弁するときの冷却水温度(第1温度:以下、バイパス弁開弁温度という)T1と、サーモスタット弁8の弁体8bが合流部分1bを開く側に移動するときの冷却水温度(第2温度:以下、サーモスタット弁開弁温度という)T2と、エンジン水温の許容上限温度(第3温度)T3とをメモリに予め記憶している。
バイパス弁開弁温度T1は、サーモスタット弁開弁温度T2よりも低い温度に予め設定してある。
これらの状態が変更されるタイミングについては後述する。
制御マップM1,M2は、エンジン出口における冷却水温度thwと循環ポンプ5の出力との相関関係を設定したものである。
図6において、制御マップM1は、バイパス弁9が閉弁状態にあるときの制御マップであり、制御マップM2は、バイパス弁9が開弁状態にあるときの制御マップである。
そして、バイパス弁開弁温度T1に達した後は、バイパス弁9の閉弁状態と開弁状態との夫々に対応する制御マップM1,M2に基づいて、循環ポンプ5を運転する。
したがって、バイパス弁9の開弁状態における循環ポンプ5の最大出力M2max を、バイパス弁9の閉弁状態における循環ポンプ5の最大出力M1max よりも小さく設定してある。
エンジンAが始動されると、暖機運転を行うために図2に示すようにバイパス弁9が閉弁状態で(ステップ#1)、制御マップM1による一定の開始出力で循環ポンプ5の運転を開始する(ステップ#2)。
したがって、第1流路1の冷却水をサーモスタット弁8を迂回してバイパス流路12から合流路11に流入させて、ラジエータ3を通過する冷却水流量を増大させることができる。
つまり、制御マップM1におけるサーモスタット弁開弁温度T2に対応する出力から、一定の増加率で100%の最大出力M1max になるまで増大させる。
したがって、第1流路1の冷却水が合流部分1bを通して合流部10に流入している状態で冷却水温度thwが大きく上昇したときに、第1流路1の冷却水の一部がバイパス流路12を通して合流路11に流入する。よって、ラジエータ3を通過する冷却水流量を増大させて、ラジエータ3による冷却能力の向上を図ることができる。
図8は、制御部6による制御動作の別実施形態を示すフローチャートである。
本実施形態では、冷却水温度thwがサーモスタット弁開弁温度T2未満のときに(ステップ#20)、図9に示すように、エンジンAの始動後における冷却水温度thwの上昇実績に基づいて、現在時刻TM0以降の冷却水温度(以下、予測冷却水温度という)T4を予測する。
仮に、冷却水温度thwがサーモスタット弁開弁温度T2に達した時点でバイパス弁9を閉じるように設定してある場合、バイパス弁9を開いたときの冷却水温度thwが比較的低温であれば、その温度とサーモスタット弁開弁温度T2との温度差が大きなものとなる。
これは、結果的にエンジン温度の上昇を抑えることになり、暖機運転が早期に終了できないケースも生じるから妥当ではない。
そして、現在時刻TM0以降の冷却水温度thwがその水温傾きdthw/dtで上昇すると仮定して、現在時刻TM0における冷却水温度thwと、水温傾きdthw/dtに現在時刻TM0からの経過時間tを乗じた温度上昇分(dT/dt)×tとを加算した温度(thw+(dT/dt)×t)を予測冷却水温度T4とする。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。
図11は、制御部6による制御動作の別実施形態を示すフローチャートである。
本実施形態では、現在の冷却水温度thwがサーモスタット弁開弁温度T2未満のときに(ステップ#30)、図12に示すように、エンジンAの始動後における出力実績に基づいて冷却水の予測到達温度T5を演算する。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。
本発明によるエンジン冷却装置は、制御部6からの指令により流量を調節可能なバイパス弁9をバイパス流路12に接続してあってもよい。
1b 合流部分
2 第2流路
3 ラジエータ
5 循環ポンプ
6 制御部
8 サーモスタット弁
8a 感温部
8b 弁体
9 バイパス弁
10 合流部
11 合流路
12 バイパス流路
A エンジン
M1,M2 制御マップ
M1max ,M2max 最大出力
T1 第1温度
T2 第2温度
T3 第3温度(許容上限温度)
T4 予測温度
T5 予測到達温度
thw 冷却水温度
Claims (9)
- エンジンからの冷却水がラジエータを経由して流通する第1流路と、
前記エンジンからの冷却水が前記ラジエータを迂回して流通する第2流路と、
前記第1流路のうちの前記ラジエータの下流の流路部分と前記第2流路とが合流し、この合流部から下流に位置して前記エンジンに連通する合流路と、
前記合流路の冷却水を前記エンジンに還流させる循環ポンプと、
前記合流部における冷却水により加熱される感温部、および、前記感温部の加熱状態により前記第1流路の前記合流部への合流部分を開閉する弁体を備えたサーモスタット弁と、
前記第1流路のうちの前記ラジエータの下流の部位から分岐し、前記サーモスタット弁を迂回して前記合流路に連通するバイパス流路と、
前記バイパス流路を開閉可能なバイパス弁と、
前記バイパス弁の開閉作動を制御する制御部と、
を備えたエンジン冷却装置。 - 前記制御部は、前記エンジンの運転状態に応じて前記バイパス弁の開閉作動を制御するように構成してある請求項1に記載のエンジン冷却装置。
- 前記制御部は、前記冷却水の温度が前記サーモスタット弁が開弁する第2温度よりも低い予め設定した第1温度になると、前記バイパス弁を開弁するように構成してある請求項1に記載のエンジン冷却装置。
- 前記制御部は、前記冷却水の温度が前記第2温度以上になると、前記バイパス弁を閉弁するように構成してある請求項3に記載のエンジン冷却装置。
- 前記制御部は、前記冷却水の温度が許容上限温度である第3温度以上になったときに、前記バイパス弁を開弁するように構成してある請求項3に記載のエンジン冷却装置。
- 前記制御部は、前記バイパス弁が開弁状態あるいは閉弁状態にあるときに、夫々の状態に応じて予め設定した制御マップに基づいて前記循環ポンプを運転するように構成してある請求項2から5の何れか一項に記載のエンジン冷却装置。
- 前記バイパス弁の開弁状態における前記循環ポンプの最大出力を、前記バイパス弁の閉弁状態における前記循環ポンプの最大出力よりも小さく設定してある請求項2から6の何れか一項に記載のエンジン冷却装置。
- 前記制御部は、前記エンジンの始動後における冷却水温度の上昇実績に基づいて現在から所定時間経過後の冷却水温度を予測し、現在の冷却水温度が前記サーモスタット弁が開弁する第2温度よりも低い場合で、予測温度が許容上限温度である第3温度よりも高くなったときに、前記バイパス弁を開弁するように構成してある請求項2に記載のエンジン冷却装置。
- 前記制御部は、前記エンジンの始動後における出力実績に基づいて冷却水の予測到達温度を演算し、現在の冷却水温度が前記サーモスタット弁が開弁する第2温度よりも低い場合で、前記予測到達温度が許容上限温度である第3温度よりも高くなったときに、前記バイパス弁を開弁するように構成してある請求項2に記載のエンジン冷却装置。
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