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JP2014022236A - バッテリシステム - Google Patents

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JP2014022236A JP2012161012A JP2012161012A JP2014022236A JP 2014022236 A JP2014022236 A JP 2014022236A JP 2012161012 A JP2012161012 A JP 2012161012A JP 2012161012 A JP2012161012 A JP 2012161012A JP 2014022236 A JP2014022236 A JP 2014022236A
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昌俊 木村
Takuya Tsutsumi
拓也 堤
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Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

【課題】電圧検出ラインを簡単かつ確実に接続しながら、電圧検出ラインによるバスバーのショートを確実に阻止する。
【解決手段】バッテリシステムは、複数の素電池1を積層してなる電池積層体9と、素電池1の正負の電極タブ3に接続されてなるバスバー5と、この電極タブ3に電圧検出ライン25を介して接続されて、各素電池1の電圧を検出する電圧検出回路31を備える。各素電池1の電極タブ3は、積層面と平行な面内に位置しており、正極の電極タブ3Aと負極の電極タブ3Bとが2列に配置されている。バスバー5は、隣接して積層してなる素電池1を直列に接続すると共に、先端部を折曲してなる折曲接続端子5Eを電池積層体9の側面9Bに露出させている。バッテリシステムは、折曲接続端子5Eの貫通孔5yにねじ込まれる固定ネジ27を介して、電圧検出ライン25が折曲接続端子5Eに接続されて、電圧検出ライン25を電極タブ3に接続している。
【選択図】図2

Description

本発明は、複数の素電池を積層し、これを直列に接続して出力電圧を高くしているバッテリシステムに関し、とくに、各素電池の電圧を検出しながら充放電するバッテリシステムに関する。
複数の素電池を備えるバッテリシステムは、出力電圧を高くするために素電池を直列に接続している。このバッテリシステムは、直列に接続している素電池を同じ電流で充電し、また同じ電流で放電する。したがって、全ての素電池が全く同じ特性であれば、素電池の電圧や残容量にアンバランスは発生しない。しかしながら、現実には、全く同じ特性の素電池は製造できない。素電池のアンバランスは、充放電を繰り返すにしたがって、電圧や残容量をアンバランスとする。さらに、素電池のアンバランスは、特定の素電池を過充電し、あるいは過放電させる原因となる。この弊害を防止するために、各々の素電池の電圧を検出してアンバランスを解消するバッテリシステムが開発されている。(特許文献1参照)
特開2009−205973号公報
特許文献1のバッテリシステムは、図1に示すように、積層してなる素電池301の電極タブ303に接続しているバスバー305の表面に、電圧検出ライン310を接続するタブ端子306を設けている。このタブ端子306には、電圧検出ライン310の絶縁被覆部311を貫通させる貫通孔307と、貫通孔307に挿通された電圧検出ライン310の芯線部分312を接続する接続部308とを設けている。この接続構造は、電圧検出ライン310の絶縁被覆部311を挿通して、その先端の芯線部312をハンダ付け等の方法で接続して、確実に接続できる。しかしながら、このバッテリシステムは、ラミネート電池などの薄型電池を積層して電池積層体としているので、素電池301を直列に接続するバスバー305の間隔が狭く、その表面に電圧検出ライン310の先端の芯線部312をハンダ付けなどの方法で接続するのが難しくて手間がかかる欠点がある。
ところで、バッテリシステムは、大電流で充放電されるときに素電池301が発熱し、素電池301の発熱が電極タブ303を介してバスバー305を加熱する。バスバー305が加熱されると、タブ端子306も加熱される。タブ端子306が加熱されると、図1に示すように、タブ端子306の貫通孔307に挿通している電圧検出ライン310の絶縁被覆部311を溶融して、芯線を露出させるおそれがある。芯線が露出した電圧検出ラインが隣のバスバーに接触すると、素電池をショートして大きなショート電流が流れる。隣のバスバーとの間には素電池の電圧差があるからである。とくに、積層状態にある素電池の電極タブを直列に接続するバスバーは、隣のバスバーとの間隔が素電池の厚さとなって、互いに接近する。この状態で、隣のバスバーとの狭い隙間に電圧検出ラインが接続されて、絶縁被覆部が熱溶融して芯線が露出すると、電圧差のある隣のバスバーに接触しやすくなる。バスバーがショートすると、素電池に過大な電流を流して素電池の電気特性を低下させるばかりでなく、素電池とバスバーと電圧検出ラインに過大な電流を流すことから、安全な状態で使用できなくなる。
本発明は、さらに以上の欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、電圧検出ラインを簡単かつ容易に、しかも確実に接続しながら、積層状態にある素電池の電極タブに接続する電圧検出ラインによるバスバーのショートを確実に阻止して、安全に充放電できるバッテリシステムを提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明のバッテリシステムは、前述の目的を達成するために以下の構成を備える。
バッテリシステムは、正極の電極タブ3Aと負極の電極タブ3Bを備える板状の素電池1を複数積層してなる電池積層体9と、この電池積層体9を構成する素電池1の正負の電極タブ3に接続されて隣接する素電池1を接続してなるバスバー5と、電池積層体9を構成する素電池1の正負の電極タブ3に電圧検出ライン25を介して接続されて、各素電池1の電圧を検出する電圧検出回路31を備えている。バスバー5は、先端部を電池積層体9の積層方向に折曲してなる折曲接続端子5Eを有すると共に、この折曲接続端子Eを電池積層体9の側面9Bに露出して配置する長さを有している。バッテリシステムは、電圧検出ライン25が折曲接続端子5Eに接続されて、電圧検出ライン25がバスバー5を介して素電池1の電極タブ3に接続されている。
以上のバッテリシステムは、電圧検出ラインを簡単かつ容易に、しかも確実に接続しながら、積層状態にある素電池の電極タブに接続する電圧検出ラインによるバスバーのショートを確実に阻止して、安全に充放電できる。それは、このバッテリシステムが、互いに積層される素電池の正負の電極タブを接続するバスバーの先端部を電池積層体の積層方向に折曲して折曲接続端子を設けると共に、この折曲接続端子を電池積層体の側面に露出させており、この折曲接続端子に電圧検出ラインを接続して、電圧検出ラインを素電池の電極タブに接続しているからである。この構造のバッテリシステムは、バスバーの先端部を折曲して設けた折曲接続端子を電池積層体の側面に露出させて電圧検出ラインを接続するので、従来のように、狭いスペースにおいて、電圧検出ラインをバスバーに接続する必要がなく、電池積層体の側面に露出する折曲接続端子に能率良く電圧検出ラインを接続できる。また、電池積層体の側面に露出する折曲接続端子に電圧検出ラインを接続するので、折曲接続端子と電圧検出ラインの接続部分における放熱性を向上して、バスバーに接続される電圧検出ラインが加熱されるのを有効に防止できる特徴もある。
本発明のバッテリシステムは、折曲接続端子5Eに、電圧検出ライン25の一端を連結する貫通孔5yを設けて、電圧検出ライン25を、折曲接続端子5Eの貫通孔5yにねじ込まれる固定ネジ27を介してバスバー5に接続することができる。
以上のバッテリシステムは、折曲接続端子に設けた貫通孔にねじ込む固定ネジを介して電圧検出ラインを接続するので、簡単かつ容易に電圧検出ラインをバスバーに接続できる。
本発明のバッテリシステムは、素電池1が、対向する主面1Aを平面状とし、かつ外形を四角形として、四角形の1辺に正極の電極タブ3Aと負極の電極タブ3Bとを配置すると共に、この正負の電極タブ3を積層面と平行な面内に位置して外周から突出しており、各々の素電池1の正極の電極タブ3Aを素電池1の積層方向に離して1列に配置し、さらに、負極の電極タブ3Bを積層方向に離して1列に配置して、正極の電極タブ3Aと負極の電極タブ3Bとを2列に配置することができる。さらに、バスバー5は、両端部を隣接する素電池1の正負の電極タブ3に接続するように、中間に段差折曲部5Cを設けて、段差折曲部5Cの一方の端部には、素電池1の正極の電極タブ3Aに接続される正極の接続部5Aを、他方の端部には、素電池1の負極の電極タブ3Bに接続される負極の接続部5Bを設けて、正極の接続部5Aを素電池1の正極の電極タブ3Aに、負極の接続部5Bを素電池1の負極の電極タブ3Bに接続して、バスバー5でもって隣接して積層してなる素電池1を直列に接続することができる。
以上のバッテリシステムは、積層された複数の素電池をバスバーで直列に接続して出力を大きくしながら、電圧検出ラインを簡単かつ容易に、しかも確実にバスバーに接続して、複数の素電池が直列接続された電池積層体の中間電位を確実に検出できる。とくに、複数の素電池が直列接続されて出力が大きくなった電池積層体を構成する各素電池の電極タブに接続する電圧検出ラインが、電圧差のあるバスバーをショートする事態を確実に阻止して、安全に充放電できる。
本発明のバッテリシステムは、バスバー5が、端部を直角に折曲して、電池積層体9の側面9Bと平行な折曲接続端子5Eを備えることができる。
以上のバッテリシステムは、バスバーの端部を直角に折曲して設けた折曲接続端子を、電池積層体の側面と平行な姿勢とするので、電池積層体の側面に対して垂直な方向から固定ネジをねじ込んで、電圧検出ラインを簡単に、しかも能率良く接続できる。また、折曲接続端子を側面に対して平行な姿勢とすることで、折曲接続端子を電池積層体の側面から大きく突出させることなく、電池積層体の外形を小さくしてコンパクトにできる。
本発明のバッテリシステムは、電池積層体9が、積層された素電池1の電極タブ3側の端面9Aを露出積層面9Xとして、素電池1の正負の電極タブ3に接続される正極の接続部5A及び負極の接続部5Bの側面を配置すると共に、この露出積層面9Xと隣接する側面9Bを端子接続面9Yとして、折曲接続端子5Eを配置することができる。
以上のバッテリシステムは、正負の電極タブに接続される正極の接続部及び負極の接続部の側面が配置される露出積層面と、折曲接続端子が配置される端子接続面とを異なる面とするので、電圧検出ラインを折曲接続端子に接続する工程や、電圧検出ラインが断線する等の異常時において、電圧検出ラインがバスバーに接触する事態を有効に防止して安全性を確保できる特徴がある。
本発明のバッテリシステムは、積層された素電池1の対向する電極タブ3に各々接続されたバスバー5の間に配設されて、電圧差のあるバスバー5同士を絶縁する電極絶縁セパレータ6を備えると共に、この電極絶縁セパレータ6が、互いに隣接するバスバー5の折曲接続端子5Eの間に介在されて、折曲接続端子5E同士を絶縁する絶縁壁6Eを備えることができる。
以上のバッテリシステムは、積層されるバスバーの間に電極絶縁セパレータを配設することによって、電圧差のあるバスバーを確実に絶縁しながら、電極絶縁セパレータに設けた絶縁壁を、隣接する折曲接続端子の間に介在させることによって、電圧差のある折曲接続端子同士を確実に絶縁できる。
本発明のバッテリシステムは、折曲接続端子5Eに設けてなる貫通孔5yを、固定ネジ27をねじ込んで固定する雌ネジ孔28として、この雌ネジ孔28に電圧検出ライン25を接続する固定ネジ27をねじ込むことができる。
以上のバッテリシステムは、ナットを使用することなく、固定ネジを直接にバスバーの折曲接続端子にねじ込んで、電圧検出ラインを確実にバスバーに電気接続できる。
本発明のバッテリシステムは、電圧検出ライン25の一端に丸端子26を連結して、この丸端子26を固定ネジ27でバスバー5の折曲接続端子5Eに固定することができる。
以上のバッテリシステムは、簡単な構造の端子を使用しながら、電圧検出ラインの一端を固定ネジを介して確実に折曲接続端子に接続できる。
従来のバッテリシステムのバスバーと電圧検出ラインの接続構造を示す平面図である。 本発明の一実施の形態にかかるバッテリシステムの斜視図である。 図2に示すバッテリシステムの分解斜視図である。 図2に示すバッテリシステムの垂直断面図である。 本発明の一実施の形態にかかるバッテリシステムのブロック図である。 素電池の斜視図である。 電池ホルダーの斜視図である。 図7に示す電池ホルダーの底面斜視図である。 バスバーの斜視図である。 止ネジとバスバーの連結構造を示す拡大断面図である。 止ネジとバスバーの連結構造の他の一例を示す拡大断面図である。 図2に示すバッテリシステムの電圧検出ラインと折曲接続端子の接続構造を示す拡大分解斜視図である。 上下に隣接する電極絶縁セパレータを下側から見た分解斜視図である。 図4に示すバッテリシステムの組み立て工程を示す断面図である。 図4に示すバッテリシステムの組み立て工程を示す断面図である。 図4に示すバッテリシステムの組み立て工程を示す断面図である。 図4に示すバッテリシステムの組み立て工程を示す断面図である。 図4に示すバッテリシステムの組み立て工程を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するためのバッテリシステムを例示するものであって、本発明はバッテリシステムを以下のものに特定しない。なお、特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部材の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。また、一部の実施例、実施形態において説明された内容は、他の実施例、実施形態等に利用可能なものもある。
図2〜図5に示すバッテリシステムは、複数の素電池1を積層してなる電池積層体9と、電池積層体9の一端に積層されて、電池積層体9を積層状態に固定しているベースプレート4と、この電池積層体9を構成している各素電池1の電極タブ3に接続されて素電池1を接続しているバスバー5と、積層された素電池1の電極タブ3の間に配設されて、電極タブ3とこれに接続してなるバスバー5とを絶縁する電極絶縁セパレータ6とを備えている。さらに、バッテリシステムは、各素電池1の電圧を検出する電圧検出回路31を備えている。図に示すバッテリシステムは、ベースプレート4に回路基板8を固定しており、この回路基板8に電圧検出回路31を実現する電子部品(図示せず)を実装している。電圧検出回路31は、電池積層体9を構成する素電池1の正負の電極タブ3に電圧検出ライン25を介して接続されている。
(電池積層体9)
電池積層体9は、複数の素電池1と、素電池1を定位置に配置する電池ホルダー2と、電池ホルダー2の底面と素電池1との間の配置しているクッションシート13とからなる。図の電池積層体9は、10個の素電池1を積層している。ただ、電池積層体は、積層する素電池の個数を特定せず、たとえば5個〜30個、好ましくは5個〜20個とすることができる。素電池1は、リチウムポリマー電池である。ただ、素電池は、必ずしもリチウムポリマー電池には特定されず、リチウムイオン電池等、他の充電できる全ての素電池を使用できる。
電池積層体9は、各々の素電池1の正極の電極タブ3Aを、素電池1の積層方向に離して1列に配置し、かつ、負極の電極タブ3Bも積層方向に離して1列に配置して、正極の電極タブ3Aと負極の電極タブ3Bとが2列に配置されるように、素電池1を積層している。この電池積層体9は、上下に隣接して積層される素電池1の左右の電極タブ3をバスバー5で接続して、互いに直列に接続される。
(素電池1)
素電池1は、図6の斜視図に示すように外形を四角形とした扁平型の電池であり、これらを積層して電池積層体9を構成している。図6の素電池1は、ラミネート電池である。ただ、素電池はラミネート電池には特定されず、積層して電池積層体にできる全ての二次電池、たとえば金属製の外装缶を封口板で密閉して内部に電極体と電解液を充填している金属ケースの二次電池も使用できる。ラミネート電池は、プラスチックフィルム等でラミネートされたアルミニウムフィルムを上下から電極体に重ね合わせ、端面を溶着している。各素電池1は、外形を四角形として、四角形の一辺の一方の側(図6において左側)には正極の電極タブ3Aを、他方の側(図6において右側)には負極の電極タブ3Bを配置している。電極タブ3は薄い金属板で、素電池1両面の主面1Aと平行な面、すなわち電池積層体9の積層面と平行な面内に位置する姿勢で四角形の一辺から突出している。
(電池ホルダー2)
電池ホルダー2は、絶縁性のプラスチックを成形したもので、四角形である底プレート21の3辺に、素電池1を内側に入れて定位置に配置する保持壁22を設けている。図の電池ホルダー2は、電極絶縁セパレータ6を一体成形して設けている。この電池ホルダー2は、外形を四角形とする底プレート21の3辺に保持壁22を設けて、1辺に電極絶縁セパレータ6を設けている。電池ホルダー2は、保持壁22の内側に素電池1を配置する状態で積層される。電池積層体9は、積層される電池ホルダー2の保持壁22を互いに接触させる状態で多段に積層される。電池ホルダー2は、保持壁22の内側に入れた素電池1を、両面接着テープなどの接着テープ14を介して底プレート21に接着して積層される。
図7と図8の電池ホルダー2は、保持壁22の外側に突出部23を設けて、この突出部23に、連結具15である連結ネジ15Aを挿通する連結穴24を設けている。連結具15は、互いに積層された電池ホルダー2とベースプレート4を連結する。素電池1を入れた電池ホルダー2は、所定の個数がベースプレート4に積層されて、電池積層体9を構成する。さらに、電池積層体9は、電池ホルダー2の連結穴24に挿通される連結ネジ15Aを介して、ベースプレート4に固定される。
図に示すように、電池ホルダー2に一体成形している電極絶縁セパレータ6は、電池ホルダー2を介して定位置に配置される。ただ、電池ホルダーは、必ずしも電極絶縁セパレータを一体成形する必要はない。電池ホルダーに一体成形されない電極絶縁セパレータは、電池ホルダーとは分離された別のパーツとしてプラスチックで成形される。この電極絶縁セパレータ、すなわち、電池ホルダーに連結さない電極絶縁セパレータは、後述する電極タブ3をバスバー5に固定する止ネジ7を介して定位置に配置され、また、外側面に固定具を固定して定位置に配置される。
(ベースプレート4)
電池積層体9は、図2〜図4において、上面にベースプレート4を配置しており、電池積層体9を連結具15でベースプレート4に連結して、素電池1を積層状態に固定している。ベースプレート4は板状で、素電池1の主面1Aを完全に被覆できるように、これとほぼ同じ大きさとしている。図に示すベースプレート4は、板状の本体部の周囲に周壁を設けて、内部に収納スペース4Aを設けている。このベースプレート4は、収納スペース4Aに回路基板8を配置すると共に、他の電子部品も配置して定位置に固定している。このベースプレート4は、好ましくは絶縁性に優れたプラスチック製とする。ただ、絶縁性が担保できる場合は、より強度の高い金属性としてもよい。
(連結具15)
電池積層体9の一面に配置されるベースプレート4は、連結具15で固定される。図に示す連結具15は連結ネジ15Aである。連結ネジ15Aの連結具15は、図3に示すように、電池ホルダー2の保持壁22の外側に突出して設けた突出部23の連結穴24に挿通し、先端にナット15Bをねじ込んでベースプレート4を固定する。
(バスバー5)
バスバー5は、電池積層体9を構成する素電池1の電極タブ3に接続されて、隣接する素電池1を直列に接続する。バスバー5は、図9に示すように、両端部を隣接する素電池1の正負の電極タブ3に接続できるように、中間に段差折曲部5Cを設けている。さらに、バスバー5は、段差折曲部5Cの一方の端部には、素電池1の正極の電極タブ3Aに接続する正極の接続部5Aを、他方の端部には、素電池1の負極の電極タブ3Bに接続する負極の接続部5Bを設けている。正極の接続部5Aと負極の接続部5Bとは互いに平行な面内に位置している。バスバー5は、正極の接続部5Aを素電池1の正極の電極タブ3Aに、負極の接続部5Bを素電池1の負極の電極タブ3Bに接続して、隣接して積層される素電池1を直列に接続する。
バスバー5は、電極タブ3を積層し、電極タブ3を貫通する止ネジ7で電極タブ3を固定して電気接続している。止ネジ7は、図10の拡大断面図に示すように、電極タブ3の貫通孔3xを貫通し、バスバー5の貫通孔5xである雌ネジ孔16にねじ込まれて、電極タブ3をバスバー5に固定する。バスバー5は、正極の接続部5Aと負極の接続部5Bとに、それぞれ複数の貫通孔5xを設けている。図9のバスバー5は、正極の接続部5Aと負極の接続部5Bとに各々4個の貫通孔5xを設けている。電極タブ3は、バスバー5の貫通孔5xに挿通される止ネジ7でバスバー5に固定されるので、素電池1の電極タブ3も、複数の貫通孔3xを設けている。図6の素電池1は、各々の電極タブ3に4個の貫通孔3xを設けている。止ネジ7は、電極タブ3の貫通孔3xとバスバー5の貫通孔5xに挿通されて、電極タブ3をバスバー5に固定している。貫通孔5xを雌ネジ孔16とするバスバー5は、ここに止ネジ7をねじ込んで、電極タブ3を固定している。図4のバッテリシステムは、上下に隣接して積層している素電池1の電極タブ3をバスバー5に固定してなる止ネジ7を、交互に素電池1の積層面と平行な方向に位置ずれして配置している。すなわち、互いに対向するバスバー5の接続部と電極タブ3の4個の貫通孔5x、3xのうち適宜2箇所を選択し、この2箇所において止ネジ7を介して電極タブ3とバスバー5とを連結している。さらに、隣接する素電池1の対向する電極タブ3とバスバー5とを接続する止ネジ7は、素電池1の積層方向において、互いに対向しないように配置している。つまり、図において、上段に配置される素電池1の電極タブ3とバスバー5とを接続する止ネジ7の位置と、下段に配置される素電池1の電極タブ3とバスバー5とを接続する止ネジ7の位置とを水平方向にずらして、互いに対向しないように配置している。したがって、電池パックは、図4に示すように、上下に位置して配置される複数の止ネジ7を千鳥状に配列して、電極タブ3をバスバー5に固定している。この固定構造は、止ネジ7の上に上段の素電池1の電極タブ3を固定する止ネジ7がなく、電圧差のある止ネジ7が接近するのを防止できる。このため、素電池1の積層間隔を狭くしても、電圧差のある止ネジ7を理想的な状態で絶縁できる。
以上のバスバー5は、貫通孔5xの内面に雌ネジを設けて雌ネジ孔16としている。このバスバー5は、止ネジ7を雌ネジ孔16にねじ込んで電極タブ3を固定できる。この固定構造はナットを使用することなく、簡単に止ネジ7をバスバー5に固定できる。さらに、この貫通孔は、バスバーの表面からバリを突出させて、バリの内面にも雌ネジを設けて、止ネジをより確実に固定できる。ただ、バスバーの貫通孔は、必ずしも雌ネジ孔とする必要はない。バスバー5は、図11に示すように、貫通孔5xの表面に止ネジ7をねじ込むナット17を配置し、このナット17に電極タブ3とバスバー5を貫通する止ネジ7の先端をねじ込んで、電極タブ3をバスバー5に固定することもできる。このナット17は、後述する電極絶縁セパレータ6に成形される収納部6bに配置することができる。以上のバッテリシステムは、電極タブ3を止ネジ7でバスバー5に固定しているが、電極タブは、溶接してバスバーに固定することもできる。この固定構造は、止ネジを使用することなく、電極タブをバスバーに電気接続する。
さらに、バスバー5は、電圧検出ライン25を接続するために、先端に折曲接続端子5Eを備えている。図4と図9のバスバー5は、先端部を電池積層体9の積層方向に直角に折曲して、電池積層体9の側面9Bと平行な折曲接続端子5Eを設けている。図のバスバー5は、正極の接続部5Aの先端部を折曲して折曲接続端子5Eを設けている。正極の接続部5Aの一端に設けられる折曲接続端子5Eの折曲方向は、正極の接続部5Aの他端に連結してなる段差折曲部5Cの折曲方向と等しくしている。このバスバー5は、図4と図12に示すように、正極の接続部5Aを電極絶縁セパレータ6に積層する状態で、電極絶縁セパレータ6の側面6Yに対向して折曲接続端子5Eを配置して、折曲接続端子5Eを電池積層体9の側面9Bに露出させている。したがって、バスバー5は、折曲接続端子5Eを電池積層体9の側面9Bに露出して配置する長さを有している。ただ、バスバーは、負極の接続部の先端部を折曲して折曲接続端子を設けることもできる。
バスバー5の先端に設けた折曲接続端子5Eには、電圧検出ライン25の一端が接続される。図の折曲接続端子5Eは、電圧検出ライン25の一端を連結するための連結部を設けている。図に示す折曲接続端子5Eは、電圧検出ライン25を連結する連結部として貫通孔5yを設けている。この貫通孔5yは、固定ネジ27をねじ込んで固定する雌ネジ孔28としている。電圧検出ライン25は、折曲接続端子5Eの貫通孔5yである雌ネジ孔28にねじ込まれる固定ネジ27を介して、折曲接続端子5Eに接続される。図12の電圧検出ライン25は、先端に接続端子である丸端子26を備えており、この丸端子26に挿通される固定ネジ27を折曲接続端子5Eの貫通孔5yに設けた雌ネジ孔28にねじ込んで固定している。ただ、折曲接続端子の貫通孔は、必ずしも雌ネジ孔とする必要はない。折曲接続端子は、図示しないが、貫通孔の表面に固定ネジをねじ込むナットを配置し、このナットに折曲接続端子の貫通孔を貫通する固定ネジの先端をねじ込んで、電圧検出ラインを折曲接続端子に接続することもできる。以上のバッテリシステムは、電圧検出ラインを固定ネジで折曲接続端子に固定して電気接続できる。
さらに、電圧検出ラインを連結するために折曲接続端子に設ける連結部は、必ずしも貫通孔とする必要はなく、凸部やフック、切欠、スリット等とすることもできる。これらの連結部を備える折曲接続端子は、連結部を介して電圧検出ラインの一端が接続される。連結部を備える折曲接続端子は、例えば、電圧検出ラインの一端に設けた接続端子や芯線を連結部に簡易的にあるいは機械的に連結する状態で溶着され、あるいは半田付けされ、あるいはネジ止めされて電圧検出ラインに接続される。このように連結部を介して電圧検出ラインの一端を接続する構造は、この連結部を接続位置の目安として正確な位置に規則正しく接続できると共に、連結部を介して接続することで連結強度を強くして外れにくくできる特徴がある。ただ、折曲接続端子は、必ずしも連結部を設ける必要はなく、電圧検出ラインの一端を直接に溶接や半田付けして電気接続することもできる。この接続構造は、固定ネジを使用することなく、電圧検出ラインを折曲接続端子に電気接続する。
図12に示す折曲接続端子5Eは、電池積層体9の側面9Bと平行な姿勢として、電池積層体9の側面9Bに露出する状態で配置されている。この状態で配置される折曲接続端子5Eは、電池積層体9の外側から工具を操作して、簡単に、しかも能率良く固定ネジ27をねじ込むことができる。
(電極絶縁セパレータ6)
電極絶縁セパレータ6は、積層された素電池1の対向する電極タブ3の間に配設されて、隣接する電極タブ3を絶縁し、さらに電極タブ3に接続している電圧差のあるバスバー5も絶縁する。電極絶縁セパレータ6は、隣接する電極タブ3及びバスバー5を絶縁するので、絶縁性のプラスチックで成形される。電極絶縁セパレータ6は、図7と図8に示すように、上下に積層される素電池1の電極タブ3の間であって、対向するバスバー5同士の間に配置される一対の絶縁ブロック部6Aを電池側の連結部6Bで連結している。一対の絶縁ブロック部6Aは、正極の電極タブ3Aの間に配設される正極の絶縁ブロック部6Axと、負極の電極タブ3Bの間に配設される負極の絶縁ブロック部6Ayからなる。一対の絶縁ブロック部6Aは、その間にバスバー5の段差折曲部5Cを案内できるように、互いに離して連結部6Bで連結して、絶縁ブロック部6Aの間に隙間6Cを設けている。この隙間6Cには、上下のバスバー5の間に挿入されて、バスバー5を絶縁する絶縁リブ6Dを配置している。絶縁リブ6Dは電池側で連結部6Bに連結している。絶縁リブ6Dは、バスバー5の段差折曲部5Cの傾斜に等しい角度で傾斜する姿勢で連結部6Bに連結している。
電極絶縁セパレータ6は、電圧差のあるバスバー5同士の間に配設されるが、バスバー5及び電極タブ3の両方には連結されない。さらに、図4のバッテリシステムは、図10の要部拡大断面図に示すように、電極絶縁セパレータ6を止ネジ7にも連結しない。以上の電極絶縁セパレータ6は、止ネジ7とバスバー5と電極タブ3からの熱伝導を少なくして、電極タブ3の発熱で変形したり溶融する弊害を防止できる。
図4と図10の断面図に示すように、電極絶縁セパレータ6は、隣接する素電池1の対向する電極タブ3に各々接続されるバスバー5の間に配設されるが、この間には止ネジ7が突出している。したがって、電極絶縁セパレータ6は、止ネジ7が電極タブ3とバスバー5の表面から突出する部分を案内する収納部6a、6bを設けている。収納部6aは、止ネジ7が突出する部分を案内できる貫通孔である。ただ、収納部は、全ての必ずしも貫通孔とする必要はない。図4と図10の電極絶縁セパレータ6は、止ネジ7の頭部を案内する収納部6aを貫通孔として、止ネジ7の先端部を案内する収納部6bを凹部としている。止ネジ7の頭部を案内する収納部6aを貫通孔とする電極絶縁セパレータ6は、この貫通孔にドライバーなどを挿入して、止ネジ7をバスバー5にねじ込んで固定できる。
図の電極絶縁セパレータ6は、各絶縁ブロック部6Aに、4個の収納部6a、6bを設けている。4個の収納部6a、6bは、積層される素電池1の電極タブ3の4個の貫通孔3xと各々対向する位置に設けている。さらに、電極絶縁セパレータ6は、各絶縁ブロック部6Aに、収納部6aと収納部6bを各々2個ずつ交互に設けている。ここで、図13に示すように、上下に隣接する電極絶縁セパレータ6同士は、止ネジ7の頭部を案内する収納部6aと止ネジ7の先端部を案内する収納部6bとが、互いに反対位置となるように、各々4個の収納部6a、6bを設けている。前述のように、上下に隣接して積層している素電池1の電極タブ3をバスバー5に固定する止ネジ7を、素電池1の積層方向において互いに対向しないように、交互に位置ずれして配置するためである。したがって、上下に隣接して配置される電極絶縁セパレータ6は、収納部6a、6bの位置が各々反対となるように設けられた2種類の第1の電極絶縁セパレータ6Mと第2の電極絶縁セパレータ6Nとを交互に積層している。互いに隣接する第1の電極絶縁セパレータ6Mと第2の電極絶縁セパレータ6Nは、図13に示すように、一方の収納部6aには他方の収納部6bが対向するように設けている。すなわち、互いに隣接する電極絶縁セパレータ6は、第1の電極絶縁セパレータ6Mの収納部6aと第2の電極絶縁セパレータ6Nの収納部6bが対向し、第1の電極絶縁セパレータ6Mの収納部6bと第2の電極絶縁セパレータ6Nの収納部6aが対向するようにしている。多段に積層される電極絶縁セパレータ6は、収納部6a、6bの位置が各々反対位置となる第1の電極絶縁セパレータ6Mと第2の電極絶縁セパレータ6Nとを交互に積層することで、図4に示すように、上下に位置して配置される複数の止ネジ7を千鳥状に配列している。
さらに、図2と図3に示す電極絶縁セパレータ6は、互いに隣接する折曲接続端子5E同士を絶縁する絶縁壁6Eを備えている。図12と図13に示す電極絶縁セパレータ6は、絶縁ブロック部6Aの外周面であって、バスバー5の折曲接続端子5Eが配置される側面6Yから突出する絶縁壁6Eを一体成形して設けている。絶縁ブロック部6Aの側面6Yから突出する絶縁壁6Eは、積層されるバスバー5と略平行な姿勢としており、複数の電極絶縁セパレータ6が積層される状態で、対向する絶縁壁6E同士が互いに平行で等間隔に配置されるようにしている。折曲接続端子5Eは、図4と図12に示すように、互いに平行に配置される絶縁壁6Eの間に配置されて、電圧差がある折曲接続端子5E同士が絶縁される。また、折曲接続端子5Eの両側に平行な姿勢で配置される絶縁壁6Eは、固定ネジ27を介して接続される電圧検出ライン25の接続端子である丸端子26の回転を防止する作用もある。このように絶縁壁6Eによって回転が阻止される丸端子26は、隣接する折曲接続端子5Eや電圧検出ライン25の丸端子26との接触が有効に阻止されてショート等の弊害を確実に阻止できる。
さらに、図2と図3に示す電極絶縁セパレータ6は、絶縁ブロック部6Aの外周面であって、電池積層体9の電極タブ3側の端面9Aに露出する面を露出面6Xとしている。外形を四角形とする素電池1は、四角形のひとつの外周面に正負の電極タブ3を突出させている。電池積層体9は、電極タブ3のある外周面が同一平面に位置するように素電池1を積層して、電極タブ3をバスバー5で直列に接続して、バスバー5の間に電極絶縁セパレータ6を配置している。したがって、電池積層体9は、角柱状のひとつの平面である端面9Aを、素電池1の正負の電極タブ3に接続される正極の接続部5A及び負極の接続部5Bの側面と、絶縁ブロック部6Aの露出面6Xとが交互に積層される露出積層面9Xとしている。さらに、電池積層体9は、この露出積層面9Xと隣接する側面9Bを、互いに隣接するバスバー5の折曲接続端子5Eが配置される端子接続面9Yとしている。図2に示す電池積層体9は、端子接続面9Yに配置される折曲接続端子5Eを素電池1の積層方向に直線状に並べている。このように、直線状に配置される複数の折曲接続端子5Eは、作業効率を向上しながら、複数の電圧検出ライン25を接続できる。
電池ホルダー2に一体成形されて、電池ホルダー2と一体構造の電極絶縁セパレータ6は、電池ホルダー2を介して所定の位置に配設される。電池ホルダーに一体成形されない電極絶縁セパレータは、止ネジを収納部に案内して、定位置に配置される。
(連結バー10)
さらに、図2と図3のバッテリシステムは、各電極絶縁セパレータ6の露出面6Xに、素電池1の積層方向に延びる連結バー10を連結して、連結バー10でもって積層状態に配置している電極絶縁セパレータ6を一体構造に連結している。電極絶縁セパレータ6の露出面6Xに固定される連結バー10は、電池積層体9の露出積層面9Xにあって、素電池1の積層方向に延びる細長い板状で、各電極絶縁セパレータ6の露出面6Xに固定ネジ17で固定される。固定ネジ17は、連結バー10を貫通して、電極絶縁セパレータ6にねじ込んで固定される。ただ、連結バー10が電極絶縁セパレータ6の露出面6Xに連結される連結構造は、この構造に特定されず、たとえば、連結バー10を接着して電極絶縁セパレータ6の露出面6Xに固定し、あるいは電極絶縁セパレータにフック状の係止片を設け、連結バーにはこの係止片を挿通して連結する連結穴を設けて、係止片を連結穴に挿通して連結する構造など、他の連結構造とすることもできる。
図2と図3の電極絶縁セパレータ6は、2列の連結バー10で一体構造に連結している。一方の連結バー10は、上下に隣接する正極の電極タブ3Aに各々接続された電圧差のあるバスバー5の間にあって、バスバー5の正極の接続部5Aを絶縁している正極の絶縁ブロック部6Axに連結され、他方の連結バー10は、上下に隣接する負極の電極タブ3Bに各々接続された電圧差のあるバスバー5の間にあって、バスバー5の負極の接続部5Bを絶縁している負極の絶縁ブロック部6Ayに連結される。
(電圧検出ライン25)
電圧検出ライン25は、一端がバスバー5の折曲接続端子5Eに接続されると共に、他端が回路基板8に実装された電圧検出回路に接続されている。図12に示す電圧検出ライン25は、表面が絶縁被覆されたリード線で、一端に丸端子26を連結している。この電圧検出ライン25は、丸端子26に挿通される固定ネジ27を介して、バスバー5の折曲接続端子5Eに固定されて、バスバー5を介して素電池1の電極タブ3に接続される。
以上のバッテリシステムは、各素電池1の電圧を検出するために、互いに隣接する素電池1同士を接続するバスバー5に各々電圧検出ライン25を接続している。図2のバッテリシステムは、複数の電圧検出ライン25を、電池積層体9の側面9Bである端子接続面9Yに配線しており、この端子接続面9Yに配置された各折曲接続端子5Eに接続している。このように、電圧検出ライン25を、積層されるバスバー5の側面が配置される露出積層面9Xと異なる側面9Bに配置する構造は、製造工程やメンテナンス時において、あるいは、電圧検出ライン25の断線時等において、電圧検出ライン25がバスバー5に接触する事態を阻止して安全性を確保できる特徴がある。
さらに、図に示すバッテリシステムは、電圧検出ライン25が配線される電池積層体9の側面9Bに複数の電圧検出ライン25を収納する保持部29を設けている。図に示す保持部29は、電池ホルダー2の保持壁22から突出する保持リブ29A、29Bで、一対の保持リブ29A、29Bの先端部を互いに対向する方向に折曲して、これらの内側に電圧検出ライン25を収納できるようにしている。この構造は、複数の電圧検出ライン25を整理しながら、外観よく収納できる。
(電圧検出回路31、充放電スイッチ32、制御部33)
さらに、図5の回路図に示すバッテリシステムは、各素電池1の電圧を検出する電圧検出回路31と、互いに直接に接続された素電池1の出力側に接続している充放電スイッチ32と、各素電池1の状態を検出して充放電スイッチ32をオンオフに制御する制御部33とを備えている。
電圧検出回路31は、電圧検出ライン25とバスバー5を介して各素電池1の正負の電極タブ3に接続されている。電圧検出回路31は、各素電池1の電圧を検出すると共に、検出された各素電池1の電圧を制御部33に出力している。
充放電スイッチ32は、互いに直接に接続された素電池1の出力側であって、出力端子39との間に直列に接続されている。充放電スイッチ32は、例えば、FETやトランジスタ等の半導体スイッチング素子である。充放電スイッチ32は、制御部33によってオンオフが制御される。
制御部33は、各素電池1の過充電と過放電を防止するように、充放電の電流をコントロールする。たとえば、充電状態において、何れかの素電池1の電圧が最大電圧まで上昇すると充電電流を遮断し、あるいは制限して過充電を防止し、放電状態において、何れかの素電池1の電圧が最適電圧まで低下すると、放電電流を遮断し、あるいは制限して過放電を防止する。制御部33は、充放電スイッチ32をオンからオフに切り換えて充放電電流を遮断し、あるいは、充放電スイッチ32をオンオフするデューティーを制御して実質的に充放電電流を制限する。
さらに、制御部33は、素電池1に流れる電流も検出して、各素電池1の残容量を演算している。制御部33は、素電池1が所定の容量まで充電されると充放電スイッチ32をオンからオフに切り換えて、素電池1の過充電を防止する。また、制御部33は、素電池1が所定の残容量まで放電されると充放電スイッチ32をオンからオフに切り換えて、素電池1の過放電を防止する。図のバッテリシステムは、素電池1に流れる電流を検出するために、素電池1と直列に接続している電流検出抵抗34を備えている。制御部33は、この電流検出抵抗34の両端の電圧を検出して、素電池1に流れる充電電流と、放電電流を判別して検出している。さらに、制御部33は、素電池1の過電流も検出している。制御部33は、素電池1の過電流を検出すると、充放電スイッチ32をオフに切り換えて電流を遮断する。さらに、制御部33は、素電池1の異常を検出すると異常信号を通信端子38から外部に出力する。
(温度センサー35)
さらに、図5のバッテリシステムは、電池温度を検出する温度センサー35を備えている。温度センサー35は、素電池1の表面に接近して熱結合状態で配設されるサーミスタである。図3に示すバッテリシステムは、素電池1の主面1Aに温度センサー35を配置している。温度センサー35は、素電池1の温度で電気抵抗が変化して電池温度を検出する。温度センサー35で検出された電池温度は、制御部33に入力される。制御部33は、温度センサー35で検出される電池温度が設定温度よりも高くなると、充放電スイッチ32をオフに切り換えて充電や放電を停止する。また、電池温度が異常に高くなったことを通信端子38から出力する。
さらに、各素電池1の電圧を検出する電圧検出回路31は、図示しないが、均等化回路を設けて、各素電池の電圧のアンバランスを解消することもできる。この均等化回路は、素電池の電圧を検出し、検出する電圧を均等化して電圧のアンバランスを解消する。均等化回路は、各々の素電池の電圧を検出して、電圧の高い素電池を放電してアンバランスを解消する。
以上の電圧検出回路31や制御部33を実現する電子部品は、回路基板8に実装されている。回路基板8は、ベースプレート4の収納スペース4Aに配置されて、定位置に固定されている。複数の電圧検出ライン25は、回路基板8から引き出されており、電池積層体9の第2の側面9Bであるで端子接続面9Yにおいて、各バスバー5の折曲接続端子5Eに接続されている。
以上のバッテリシステムは、以下のようにして組み立てられる。図2〜図4のバッテリシステムは、上面に回路基板8を実装しているが、組み立ては、図14〜図18に示すように、上下反転して、すなわち回路基板8を固定するベースプレート4を下に配置して組み立てられる。
(1)電池ホルダー2の保持壁22の内側に素電池1を配置し、この素電池1を両面接着テープである接着テープ14を介して電池ホルダー2の底プレート21に接着する。このようにして、定位置に素電池1が配置された電池ホルダー2を所定の個数用意する。
(2)使用状態では上面に配置されるベースプレート4を、図14に示すように、上下反転させて水平台50に載せる。さらに、このベースプレート4に、出力端子となる出力端子板11を載せた後、その上に、素電池1を接着している電池ホルダー2を、クッションシート13を介して積層する。
この状態で、素電池1の一方(図において右側)の電極タブ3である正極の電極タブ3Aを出力端子板11に止ネジ7で固定する。
(3)次に、図15に示すように、ベースプレート4に積層された電極絶縁セパレータ6の定位置にバスバー5を配置する。バスバー5は、正極の電極タブ3Aが配置される正極の絶縁ブロック部6Ax(図において右側)の上面に正極の接続部5Aが積層され、負極の電極タブ3Bが配置される負極の絶縁ブロック部6Ay(図において左側)の下面側に負極の接続部5Bが積層され、一対の絶縁ブロック部6Aの間の隙間6Cに段差折曲部5Cが位置するように配置される。さらに、このとき、正極の接続部5Aの先端に設けた折曲接続端子5Eが、正極の絶縁ブロック部6Axの側面6Yと対向する位置に配置される。バスバー5の負極の接続部5Bは、負極の絶縁ブロック部6Ayの下面に配置された負極の電極タブ3Aとベースプレート4との間にできる隙間に挿入されて定位置に配置される。また、バスバー5の段差折曲部5Cは、隙間6Cに配置された絶縁リブ6Dの上面側に位置して配置される。このバスバー5は、電極絶縁セパレータ6に対して側面方向(図13において、紙面に対して垂直な方向)から挿入される。
この状態で、素電池1の他方(図において左側)の電極タブ3である負極の電極タブ3Bをバスバー5の負極の接続部5Bに止ネジ7で固定する。
(4)さらに、図16に示すように、最下段の電池ホルダー2の上に、素電池1を接着している2段目の電池ホルダー2を、クッションシート13を介して積層する。このとき、2段目の電極絶縁セパレータ6は、一対の絶縁ブロック部6Aが下段に積層された電極絶縁セパレータ6の一対の絶縁ブロック部6Aと対向する位置に配置される。
この状態で、素電池1の一方(図において右側)の電極タブ3である正極の電極タブ3Aをバスバー5の正極の接続部5Aに止ネジ7で固定する。止ネジ7は、下段に配置された止ネジ7に対して水平方向に位置ずれして固定される。
(5)さらに、図17に示すように、2段目の電極絶縁セパレータ6の定位置にバスバー5を配置する。バスバー5は、正極の電極タブ3Aが配置される正極の絶縁ブロック部6Ax(図において右側)の上面に正極の接続部5Aが積層され、負極の電極タブ3Bが配置される負極の絶縁ブロック部6Ay(図において左側)の下面側に負極の接続部5Bが積層され、一対の絶縁ブロック部6Aの間の隙間6Cに段差折曲部5Cが位置するように配置される。さらに、このとき、正極の接続部5Aの先端に設けた折曲接続端子5Eが、正極の絶縁ブロック部6Axの側面6Yと対向する位置に配置される。バスバー5の負極の接続部5Bは、負極の絶縁ブロック部6Ayの下面に配置された負極の電極タブ3Aと下段の負極の絶縁ブロック部6Ayの間にできる隙間に挿入されて定位置に配置される。また、バスバー5の段差折曲部5Cは、隙間6Cに配置された絶縁リブ6Dの上面側に位置して配置される。このバスバー5は、電極絶縁セパレータ6に対して側面方向(図16において、紙面に対して垂直な方向)から挿入される。
この状態で、素電池1の他方(図において左側)の電極タブ3である負極の電極タブ3Bをバスバー5の負極の接続部5Bに止ネジ7で固定する。止ネジ7は、下段に配置された止ネジ7に対して水平方向に位置ずれして固定される。
(6)同様に、(4)と(5)の工程を繰り返して、所定の個数の電池ホルダー2を積層して電池積層体9を構成し、さらに、互いに積層された素電池1の正負の電極タブ3をバスバー5を介して直列に接続する。
(7)図18に示すように、最上段に積層された素電池1の一方(図において右側)の電極タブ3である正極の電極タブ3Aをバスバー5の正極の接続部5Aに止ネジ7で固定し、素電池1の他方(図において左側)の電極タブ3である負極の電極タブ3Bを出力端子板12に止ネジ7で固定する。図に示す出力端子板12は、逆L字状に折曲されており、接続部12Aを負極の絶縁ブロック部6Ayの下面に配置された負極の電極タブ3Aと下段の負極の絶縁ブロック部6Ayの間にできる隙間に挿入されて定位置に配置される。出力端子板12は、接続部12Aが素電池の電極タブ3に接続されると共に、接続部から延長された延長部の先端部が、止ネジ7を介してベースプレート4に連結される。
(8)以上のようにして所定の個数の電池ホルダー2を積層して、所定数の素電池1が積層された電池積層体9を、連結具18を介してベースプレート4に連結する。さらに、電池積層体9の露出積層面9Xにおいて、上下に隣接する正極の絶縁ブロック部6Axを連結バー10で連結すると共に、上下に隣接する負極の絶縁ブロック部6Ayを連結バー10で連結する。連結バー10は、各電極絶縁セパレータ6の露出面6Xに固定ネジ18で固定される。
(9)ベースプレート4に一体的に連結された電池積層体9を上下反転した後、図12に示すように、電圧検出ライン25をバスバー5の折曲接続端子5Eに接続する。電圧検出ライン25は、先端に連結した丸端子26に挿通した固定ネジ27を、折曲接続端子5Eの貫通孔5yにねじ込んで接続する。上下に隣接する複数の折曲接続端子5Eに複数の電圧検出ライン25が接続されて、図5に示すバッテリシステムとなる。
本発明に係るバッテリシステムは、電動バイク、電動車両、アシスト自転車用および等の比較的大型の電源装置として好適に利用できる。
1…素電池 1A…主面
2…電池ホルダー
3…電極タブ 3A…正極の電極タブ
3B…負極の電極タブ
3x…貫通孔
4…ベースプレート 4A…収納スペース
5…バスバー 5A…正極の接続部
5B…負極の接続部
5C…段差折曲部
5E…折曲接続端子
5x…貫通孔
5y…貫通孔
6…電極絶縁セパレータ 6M…第1の電極絶縁セパレータ
6N…第2の電極絶縁セパレータ
6A…絶縁ブロック部
6Ax…正極の絶縁ブロック部
6Ay…負極の絶縁ブロック部
6B…連結部
6C…隙間
6D…絶縁リブ
6E…絶縁壁
6X…露出面
6Y…側面
6a…収納部
6b…収納部
7…止ネジ
8…回路基板
9…電池積層体 9A…端面
9B…側面
9X…露出積層面
9Y…端子接続面
10…連結バー
11…出力端子板
12…出力端子板 12A…接続部
12B…延長部
13…クッションシート
14…接着テープ
15…連結具 15A…連結ネジ
15B…ナット
16…雌ネジ孔
17…ナット
18…固定ネジ
21…底プレート
22…保持壁
23…突出部
24…連結穴
25…電圧検出ライン
26…丸端子
27…固定ネジ
28…雌ネジ孔
29…保持部 29A…保持リブ
29B…保持リブ
31…電圧検出回路
32…充放電スイッチ
33…制御部
34…電流検出抵抗
35…温度センサー
38…通信端子
39…出力端子
50…水平台
301…素電池
303…電極タブ
305…バスバー
306…タブ端子
307…貫通孔
308…接続部
310…電圧検出ライン
311…絶縁被覆部
312…芯線部分

Claims (8)

  1. 正極の電極タブ(3A)と負極の電極タブ(3B)を備える板状の素電池(1)を複数積層してなる電池積層体(9)と、
    この電池積層体(9)を構成する素電池(1)の正負の電極タブ(3)に接続されて隣接する素電池(1)を接続してなるバスバー(5)と、
    前記電池積層体(9)を構成する素電池(1)の正負の電極タブ(3)に電圧検出ライン(25)を介して接続されて、各素電池(1)の電圧を検出する電圧検出回路(31)を備えるバッテリシステムであって、
    前記バスバー(5)が、先端部を電池積層体(9)の積層方向に折曲してなる折曲接続端子(5E)を有すると共に、この折曲接続端子(5E)を電池積層体(9)の側面(9B)に露出させて配置する長さを有しており、
    前記電圧検出ライン(25)が折曲接続端子(5E)に接続されて、前記電圧検出ライン(25)がバスバー(5)を介して素電池(1)の電極タブ(3)に接続されてなることを特徴とするバッテリシステム。
  2. 前記折曲接続端子(5E)は、前記電圧検出ライン(25)の一端を連結する貫通孔(5y)を設けており、前記電圧検出ライン(25)が、折曲接続端子(5E)の貫通孔(5y)にねじ込まれる固定ネジ(27)を介して、前記バスバー(5)に接続されてなる請求項1に記載されるバッテリシステム。
  3. 前記素電池(1)は、対向する主面(1A)を平面状とし、かつ外形を四角形として、四角形の1辺に正極の電極タブ(3A)と負極の電極タブ(3B)とを配置すると共に、該正負の電極タブ(3)を積層面と平行な面内に位置して外周から突出しており、
    各々の素電池(1)の正極の電極タブ(3A)は、素電池(1)の積層方向に離されて1列に配置され、さらに、負極の電極タブ(3B)も積層方向に離されて1列に配置されて、正極の電極タブ(3A)と負極の電極タブ(3B)とが2列に配置され、
    前記バスバー(5)は、両端部を隣接する素電池(1)の正負の電極タブ(3)に接続するように、中間に段差折曲部(5C)があって、段差折曲部(5C)の一方の端部には、前記素電池(1)の正極の電極タブ(3A)に接続される正極の接続部(5A)を、他方の端部には、前記素電池(1)の負極の電極タブ(3B)に接続される負極の接続部(5B)を設けており、
    正極の接続部(5A)が素電池(1)の正極の電極タブ(3A)に、負極の接続部(5B)が素電池(1)の負極の電極タブ(3B)に接続されて、バスバー(5)でもって隣接して積層してなる素電池(1)を直列に接続してなる請求項1または2に記載される電池パック。
  4. 前記バスバー(5)が、端部を直角に折曲して、電池積層体(9)の側面(9B)と平行な折曲接続端子(5E)を設けている請求項1ないし3のいずれかに記載されるバッテリシステム。
  5. 前記電池積層体(9)が、積層された素電池(1)の電極タブ(3)側の端面(9A)を露出積層面(9X)として、前記素電池(1)の正負の電極タブ(3)に接続される正極の接続部(5A)及び負極の接続部(5B)の側面を配置すると共に、該露出積層面(9X)と隣接する側面(9B)を端子接続面(9Y)として、前記折曲接続端子(5E)を配置してなる請求項1ないし4のいずれかに記載されるバッテリシステム。
  6. 積層された素電池(1)の対向する電極タブ(3)に各々接続されたバスバー(5)の間に配設されて、電圧差のあるバスバー(5)同士を絶縁する電極絶縁セパレータ(6)を備えており、
    前記電極絶縁セパレータ(6)が、互いに隣接する前記バスバー(5)の折曲接続端子(5E)の間に介在されて、該折曲接続端子(5E)同士を絶縁する絶縁壁(6E)を備える請求項1ないし5のいずれかに記載されるバッテリシステム。
  7. 前記折曲接続端子(5E)に設けてなる貫通孔(5y)が、固定ネジ(27)をねじ込んで固定する雌ネジ孔(28)で、この雌ネジ孔(28)に前記電圧検出ライン(25)を接続する固定ネジ(27)がねじ込まれてなる請求項2のいずれかに記載されるバッテリシステム。
  8. 前記電圧検出ライン(25)が一端に丸端子(26)を連結しており、この丸端子(26)が固定ネジ(27)で前記バスバー(5)の折曲接続端子(5E)に固定されてなる請求項2または7に記載されるバッテリシステム。
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