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JP2014009976A - 3次元形状計測用x線ct装置およびx線ct装置による3次元形状計測方法 - Google Patents

3次元形状計測用x線ct装置およびx線ct装置による3次元形状計測方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
本発明の目的は、上記のような事情を背景になされたものであり、対象被検体の材質・厚みに依存する線質硬化現象を考慮して、3次元形状情報の高精度な抽出が可能な3次元形状計測用X線CT装置およびX線CT装置による3次元形状計測方法を提供することにある。
【解決手段】
本発明は、投影データ計測と同時に前記被検体の外形形状を計測する光学距離計と、前記CT画像と前記外形形状計測値に基づいて前記被検体の境界閾値を算出するCT画像分析装置を備えたことを特徴とする。
【効果】
本発明によれば、対象被検体の材質・厚みに依存する線質硬化現象を考慮して、3次元形状情報の高精度な抽出が可能な3次元形状計測用X線CT装置およびX線CT装置による3次元形状計測方法を提供できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、3次元形状計測用X線CT装置およびX線CT装置による3次元形状計測方法に関する。
X線CT装置は、医療用の人体内部計測装置として広く普及している。また、X線CT装置は、工業用途においても対象物を切断することなく非破壊で内部状態が計測できるため、鋳造部品の内部欠陥計測など多くの用途に用いられている。
医療用と異なり工業用途のX線CT装置では対象物が金属物の場合が多く、人体に比較して透過能力の強いX線エネルギーが必要となる。X線を発生させるX線源としては、800kvまではX線管が使用可能であり、MV領域のエネルギーレベルでは線形加速器によるX線源が必要となる。
X線管では、エネルギーレベルの低い領域(〜225kV)において、焦点サイズがミクロンオーダーのX線源が存在するが、透過能力は低い。そのため、厚い金属物の被検体は撮像不能となる。また、エネルギーレベルが比較的高い領域(320kV〜800kV)のX線管では、透過能力は増加するがX線発生源の焦点サイズはサブミリからミリオーダーに大きくなる。MV領域のX線エネルギーレベルが得られる線形加速器では、透過能力がさらに増加し、エネルギーレベルが比較的高い領域(320kV〜800kV)のX線管と同様、X線発生源の焦点サイズはサブミリからミリオーダーに大きくなる。これらのX線管、線形加速器からは、通常、コーン状にX線を照射する。また、X線発生直後に、X線はコリメートされ、ファン状に照射される。
X線源から照射され、撮像被検体内部で減衰したX線の減衰量を計測する検出器には、シンチレータや化合物半導体等の放射線検出器が用いられる。これらの放射線検出器は、撮像被検体を挟んでX線源と相対する位置に設置される。検出器は、一定間隔で離散的に配置され、X線源から各検出器素子中心を結んだ直線上のX線透過量積算値を計測する。
被検体全体を撮像するには、X線源と検出器の間に設置された被検体をターンテーブルに乗せて回転させ、全体画像を再構成するために必要な投影データを取得する。または、被検体はターンテーブル上に固定し、X線源と検出器を被検体周囲に回転させ、必要な投影データを取得する場合もある。
そして、角度ピッチ毎に全ての検出器で入射X線の放射線量を計測し、この放射線量が、画像再構成のための投影データとなる。この角度ピッチ毎の投影データを用いて、代表的なFBP法などにより画像再構成を実施する。
また、被検体の3次元立体像は、2次元断層像を高さ方向に積み重ねることにより得られる。従来、これらのCT画像(2次元断層像)のエンジニアリング的活用としては、鋳造欠陥のような物体内部欠陥の有無の識別に用いられる例が多くを占めていた。しかし、近年、先行技術文献に示したように、CT画像および撮像で得られた3次元立体像を基に、被検体の形状寸法を計測するニーズが増加している。この理由は、他の代表的な形状計測装置であるカメラ式、レーザ式、接触型計測では対応不可能な内部領域の寸法計測が、X線CTでは可能になるためである。CT画像から被検体の寸法を計測する場合、CT画像上で対象被検体と空気の境界値を算出し、この値により撮像被検体の形状を決定できる。
定岡紀行、他3名:産業用X線CTによる物体内部計測技術:自動車技術 Vol.63 No.5, pp73-78 (2009)
既存の産業用X線CT装置を用いて、工業製品の非破壊検査による寸法計測を実現するためには、得られたCT画像上で被検体と空気の境界を算出する必要がある。CT画像の生成原理から、CT画像上における被検体と空気の境界近傍は、被検体に相当するCT値から空気に相当するCT値へ、離散的に徐々にCT値が変化してゆく。
図5には、試験的な撮像対象物としてステップ状に円盤直径が変化する試験体18(以下、ステップシリンダと呼ぶ)と、この試験体を仮想的に産業用X線CT装置で撮像した場合のシミュレーション画像を示した。図5(b)に示したように、試験体と空気の境界近傍は、試験体に相当するCT値(白い領域)から空気に相当するCT値(黒い領域)へ向かって、徐々に濃淡が変化している事が分かる。図5(c)(d)(e)には、ステップシリンダの各高さ位置でのシミュレーション画像を示した。図6は、図5(b)画像のAA’線上におけるCT値の変化を示しており、ステップシリンダの輪郭近傍におけるCT値変化に相当する。なお、シミュレーションでは、X線源として6MV線形加速器、半導体検出器、ステップシリンダ試験体の材質は鉄を設定している。また、照射X線の線質硬化現象の補正は、シミュレーションでは実施していない。
通常、被検体と空気の境界は、被検体に相当するCT値と空気に相当するCT値の加算平均値に相当する位置で決定される。一方、被検体に相当するCT値は、被検体の材質が一定で均質の場合、被検体の内部で一定のCT値になることが理想である。しかし、現実のX線CT装置では、照射X線の線質硬化現象により、被検体のCT値は部材の材質密度や厚みにより若干の偏差が発生する。そのため、1個の被検体において材質・厚みが変化する場合、従来方法のように、CT画像の特定位置から算出した被検体に相当するCT値と、空気に相当するCT値の加算平均値を被検体と空気の境界値とし、全ての領域に適用すると、形状抽出誤差が発生する。
この「形状抽出誤差」について、更に説明する。図5に示したステップシリンダ試験体において、図5(b)(c)(d)(e)の下部には、被検体に相当するCT値(Ctav)を示した。
同図には、Ctavを算出した算出領域(特定位置に相当)も示した。これらの図から、被検体の厚みによりCtavは変化する事がわかる。また、同図には、各位置のCtavと空気に相当するCT値の加算平均値CTshも示した。各直径サイズの被検体に相当するCT値(Ctav)が変動するため、境界CT閾値(加算平均値CTsh)も変動している事が分かる。そして、各断面を積み上げた3次元ボクセルデータから境界抽出する際には、通常、この加算平均値CTshは一定値を用いる。そのため、図5に示したステップシリンダ試験体において線質硬化現象を考慮しない場合、採用する境界CT閾値(加算平均値CTsh)により、領域毎で形状計測精度にばらつきが発生する。また、本例において、材質を鉄とし、全領域で一定とした。しかし、空間領域において複数の材質で構成される場合(例えば、鉄とアルミとプラスチックからなる場合)も同様の問題が発生する。
また、図5(b)(c)(d)(e)に示したステップシリンダ試験体の内円筒部分(空洞部)の計測では、上述のように、厚みの異なる部分で境界CT閾値(加算平均値CTsh)が異なる。そのため、各断面で一定の境界CT閾値(加算平均値CTsh)を用いて内半径を計測すると、内半径にも計測誤差が発生する。
そのため、本発明の目的は、上記のような事情を背景になされたものであり、対象被検体の材質・厚みに依存する線質硬化現象を考慮して、3次元形状情報の高精度な抽出が可能な3次元形状計測用X線CT装置およびX線CT装置による3次元形状計測方法を提供することにある。
本発明は、投影データ計測と同時に前記被検体の外形形状を計測する光学距離計と、前記CT画像と前記外形形状計測値に基づいて前記被検体の境界閾値を算出するCT画像分析装置を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、対象被検体の材質・厚みに依存する線質硬化現象を考慮して、3次元形状情報の高精度な抽出が可能な3次元形状計測用X線CT装置およびX線CT装置による3次元形状計測方法を提供できる。
本発明の一実施例である3次元形状計測用X線CT装置構成の一例を表した図である。 本発明の一実施例である3次元形状計測用X線CT装置構成の一例を表した図である。 本発明の一実施例である3次元形状計測用X線CT装置構成の一例を表した図である。 本本発明の一実施例である3次元形状計測用X線CT装置を用いてCT画像と表面形状計測値から3次元全体形状を抽出する処理フローを示した図である。 仮想試験体(ステップシリンダ)の鳥瞰図と、従来のX線CT装置構成を用いて仮想試験体(ステップシリンダ)を撮像した時のシミュレーション画像を表した図である。 従来のX線CT装置構成を用いて仮想試験体を撮像した時のシミュレーション画像において、試験体境界近傍のCT値の変化を表した図である。
本発明は、X線を用いて、対象とする被検体を透過するX線の透過量を計測する事により、非破壊で被検体の外部形状および内部形状を3次元計測する技術に関する。
以下、本発明の実施例を、装置構成図およびCT画像分析処理フローを用いて説明する。
本発明の一実施例である産業用X線CT装置の構成を、図1(a)(b)、図2(a)(b)、及び図3に示す。また、図4には、CT画像から内部も含めた3次元形状計測フローを示した。
図1(a)に示すように、産業用X線CT装置は、X線源1と検出器2が対向されて設置され、両者の間にターンテーブル6が置かれ、ターンテーブル6上に撮像対象である被検体8が設置される。X線源1から照射されたX線7は、被検体8を透過して減衰し、検出器2に入射する。検出器2には、化合物半導体検出器やシンチレータが用いられる。これらの検出器2は、水平方向に一定間隔で各検出器素子が並ぶラインアレイセンサ、または水平方向と垂直方向の2次元に一定間隔で各検出器素子が並ぶ平面アレイセンサを用いる。
これらの検出器2に入射したX線は、検出器内で入射X線量に相当する電気信号に変換される。得られた各検出器素子の電気信号は、伝送線9により送信され、検出器ピクセル積算処理機構5により指定された各検出器素子数の信号を加算処理する。処理された信号は、信号処理回路3に伝送されて、増幅、ビット変換された後、画像再構成装置4に伝送される。
被検体全体の画像を再構成するためには、ターンテーブル6を回転させて、一定角度ピッチ毎に、全検出器で検出されたX線透過量データ(投影データと呼ぶ)を1回転分収集する。一定角度ピッチ毎の投影データは、順次、画像再構成装置4に伝送、格納され、1回転分が得られた時点で画像再構成演算を実行し、再構成画像が得られる。得られた再構成画像は、CT画像表示装置13に伝送されディスプレイ上に表示される。
図2(a)には、これらの装置構成の縦断面図を示した。撮像高さ方向にターンテーブル6が上下動する事により、被検体8の各高さ方向の断層像が取得できる。なお、ターンテーブル6の高さ方向を固定し、X線源1と検出器2を同時に上下動させる構成も可能である。
本実施例のX線CT装置では、上記の装置構成に加え、被検体8の外形形状(輪郭)を計測するための光学距離計12が設置される。図2(a)に示したように、光学距離計12は、X線源1から照射されるX線ビームの中心ラインと同一の高さに配置され、被検体8に対してレーザー11を照射し、被検体8のターンテーブル上での位置を特定する。CT画像の撮影のため、ターンテーブル上の被検体8は回転する。この回転と同期して、光学距離計12は、回転する被検体8の外形形状(輪郭)を1周分計測する。光学距離計12と被検体8の相対位置関係から計測された距離を基に、被検体8の外形形状が求められる。
光学距離計12の設置位置は、図1(a)、図2(a)のようにX線照射方向に対して交差する構成でも良いし、図1(b)、図2(b)のようにX線照射方向と同一方向の構成でも問題ない。また、外形形状を計測する手段は、レーザーによる計測の他、光コム発信器、ステレオカメラ、超音波、マイクロ波を用いた計測やステレオカメラによる計測でも可能である。
本実施例では、これらの装置構成で得られるCT画像と外形形状(輪郭のみ)の計測データから、図4に示した処理フローにより、空洞部の輪郭も含めた被検体の全体形状を高精度で抽出する。具体的な処理フローについて、以下、説明する。
処理工程(1)では、1つの水平断面において、X線透過による投影データ、及び光学距離計12等の各種計測器による外形形状計測値を取得する。次に、処理工程(2)では、画像再構成装置4が、処理工程(1)で取得した投影データを用いて画像再構成を行う。そして、処理工程(3)では、CT画像分析装置10が、再構成した画像(CT画像)と外形形状計測値に基づいて、各断面位置におけるCT画像上の境界閾値(加算平均値CTsh)を算出する。処理工程(4)では、処理工程(3)で得られた境界閾値(加算平均値CTsh)により、空洞部の輪郭をCT画像から抽出する。このように、各水平断面において、外形形状と空洞部輪郭を算出する。そして、処理工程(5)では、各水平断面を高さ方向に積み重ねることで、外形形状と空洞部輪郭を3次元で抽出することが可能である。
以上のように、投影データ計測と同時に被検体の外形形状を計測する光学距離計と、CT画像と外形形状計測値に基づいて被検体の境界閾値を算出するCT画像分析装置を備えることにより、照射X線の線質硬化現象により偏差が生じうる、被検体に相当するCT値を用いる必要が無くなり、高精度に形状を抽出することが可能である。従って、本実施例によれば、対象被検体の材質・厚みに依存する線質硬化現象を考慮して、3次元形状情報の高精度な抽出が可能となる。
また、外形形状であっても、オーバーハング部など光学計測系で測定できない領域が発生する。これらの領域もCT画像からの境界抽出により、光学計測系で計測可能な領域(外形形状)と同様の高精度で形状計測が可能となる。
これらの処理を図1(a)(b)の画像再構成装置4およびCT画像分析装置10で実施し、得られた3次元形状は、CT画像表示装置13で表示させる。
また、X線CT画像再構成方法の実施例2を図3に示した。本実施例では、コーンビーム状のX線を照射するX線管14と、2次元平面検出器15からなるコーンビームX線CT装置に、第1の実施例と同様に外形形状を計測する光学距離計16を設置する。
本実施例では、ターンテーブル上の被検体が1回転する際に、投影角度毎に、光学距離計16を用いて高さ方向のライン上17の外形形状を計測する。即ち、ターンテーブル1回転分で、3次元のCT画像と外形形状測定値が同時に得られる。光学距離計16の設置位置は、図1(a)(b)と同様に、X線照射方向と直角もしくは並行でも問題ない。また、外形形状を計測する手段として、レーザーによる計測の他、光コム発信器、超音波、マイクロ波を用いた計測やステレオカメラによる計測も考えられる。これらの装置構成で得られるCT画像と外形形状(輪郭のみ)の計測データから、図4に示した処理フローにより空洞部輪郭も含めた被検体の全体形状を高精度で抽出することが可能である。
本発明の方法及び装置を用いることで、工業用製品の内部の高精度で効率的な非破壊検査、特に内部形状も含めた3次元形状計測が可能となる。

1 X線源
2 検出器
3 信号処理回路
4 画像再構成装置
5 検出器ピクセル積算処理機構
6 ターンテーブル
7 X線
8 被検体
9 伝送線
10 CT画像分析装置
11 レーザー
12 光学距離計
13 CT画像表示装置
14 X線管
15 2次元平面検出器
16 光学距離計
18 試験体(ステップシリンダー)

Claims (3)

  1. X線を照射するX線源と、撮像対象の被検体を透過したX線を検出する検出器と、前記X線源と前記検出器の間に配置され、前記被検体を回転させるターンテーブルと、前記検出器で得られた投影データを元にCT画像を再構成する画像再構成装置を備えた3次元形状計測用X線CT装置であって、
    投影データ計測と同時に前記被検体の外形形状を計測する光学距離計と、前記CT画像と前記外形形状計測値に基づいて前記被検体の境界閾値を算出するCT画像分析装置を備えたことを特徴とする3次元形状計測用X線CT装置。
  2. X線を照射するX線源と、撮像対象の被検体を透過したX線を検出する検出器と、前記X線源と前記検出器の間に配置され、前記被検体を回転させるターンテーブルと、前記検出器で得られた投影データを元にCT画像を再構成する画像再構成装置を備えたX線CT装置による3次元形状計測方法であって、
    投影データ計測と同時に前記被検体の外形形状を計測し、前記CT画像と前記外形形状計測値に基づいて前記被検体の境界閾値を算出することを特徴とするX線CT装置による3次元形状計測方法。
  3. 請求項1記載の3次元形状計測用X線CT装置であって、
    光学距離計として、レーザー、光コム、ステレオカメラ、超音波、又はマイクロ波による計測装置を装備した事を特徴とする3次元形状計測用X線CT装置。
JP2012144907A 2012-06-28 2012-06-28 3次元形状計測用x線ct装置およびx線ct装置による3次元形状計測方法 Abandoned JP2014009976A (ja)

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