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JP2014091750A - コーティング剤組成物 - Google Patents

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JP2014091750A JP2012241451A JP2012241451A JP2014091750A JP 2014091750 A JP2014091750 A JP 2014091750A JP 2012241451 A JP2012241451 A JP 2012241451A JP 2012241451 A JP2012241451 A JP 2012241451A JP 2014091750 A JP2014091750 A JP 2014091750A
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Abstract

【課題】塗膜の耐溶剤性に優れたコーティング剤組成物を提供する。
【解決手段】合成樹脂とコロイダルシリカとシランカップリング剤とが含有されているコーティング剤組成物であって、前記シランカップリング剤にはグリシドキシシランが含有されている。前記グリシドキシエトキシシランが3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランまたは3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランのいずれかまたは両方であり、前記グリシドキシメトキシシランが3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランであることが好ましい。前記コーティング剤組成物を被塗物に対して塗装する直前に、前記合成樹脂とコロイダルシリカの混合物に対してグリシドキシシランを混合する。
【選択図】なし

Description

本発明は、合成樹脂とコロイダルシリカとシランカップリング剤とが含有されているコーティング剤組成物に関するものである。
従来、合成樹脂とシランカップリング剤とが含有されているコーティング剤組成物としては、水性樹脂を1〜50質量%、グアニジン化合物を0.01〜30質量%及びシランカップリング剤を1〜50質量%含有する鋼材用水性被覆剤(例えば、特許文献1参照。)、アクリル樹脂が含有するカルボキシル基を中和する塩基性物質としてケイ素原子を含有するアミン化合物、及び必要に応じてケイ素原子を含有しないアミン化合物および/又はアンモニアを併せて用い、さらにアクリル樹脂が含有するカルボニル基と反応する活性水素化合物としてヒドラジド及び/又はセミカルバジド誘導体を用いた水性硬化性組成物(例えば、特許文献2参照。)等があった。
また、合成樹脂とコロイダルシリカとが含有されているコーティング剤組成物としては、コロイダルシリカおよびリン酸塩系化合物の内少なくとも一種と水系樹脂から成る硬化性の水系塗料組成物(例えば、特許文献3参照。)、エチレン性不飽和単量体(a);50〜99.9重量%、メチルメタクリレートやn−ブチルアクリレート、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体(b);0.1〜50重量%、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、からなる混合液 100重量部、及び、コロイダルシリカ(c)5〜200重量部(固形分換算)を水分散媒中で重合して得られる水分散組成物(例えば、特許文献4参照。)等があった。
しかし、これらのコーティング剤組成物は、耐溶剤性が十分ではなく、特に合成樹脂としてアクリル樹脂を用いた場合の芳香族系溶剤に対する耐溶解性が十分でないという問題があった。また、被塗物がガラス又は金属である場合には温水浸漬時に被塗物との密着性が十分でないという問題があった。
特開2005−247906号公報(第2〜3頁) 特開2011−26434号公報(第2〜3頁) 特開2001−49192号公報(第2〜3頁) 特開平6−199917号公報(第2〜3頁)
解決しようとする問題点は、形成される塗膜の耐溶剤性に優れたコーティング剤組成物を提供する点である。
請求項1に記載のコーティング剤組成物についての発明は、合成樹脂とコロイダルシリカとシランカップリング剤とが含有されているコーティング剤組成物であって、前記シランカップリング剤にグリシドキシシランが含有されていることを最も主要な特徴とする。
請求項2に記載のコーティング剤組成物についての発明は、請求項1に記載の発明において、前記合成樹脂100質量部に対するコロイダルシリカの含有量が50〜200質量部であり、グリシドキシシランの含有量が5〜50質量部であることを最も主要な特徴とする。
請求項3に記載のコーティング剤組成物についての発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記グリシドキシシランがグリシドキシエトキシシランとグリシドキシメトキシシランとを含有していることを最も主要な特徴とする。
請求項4に記載のコーティング剤組成物についての発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記グリシドキシエトキシシラン100質量部に対するグリシドキシメトキシシランの含有量が25〜75質量部であることを最も主要な特徴とする。
請求項5に記載のコーティング剤組成物についての発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記グリシドキシエトキシシランが3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランまたは3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランのいずれかまたは両方であり、前記グリシドキシメトキシシランが3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランであることを最も主要な特徴とする。
請求項6に記載のコーティング剤組成物についての発明は、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の発明において、前記3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン100質量部に対する3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランの含有量が50〜150質量部であり、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの含有量が70〜130質量部であることを最も主要な特徴とする。
請求項7に記載のコーティング剤組成物の使用方法についての発明は、請求項1〜請求項6に記載のコーティング剤組成物を被塗物に対して塗装する直前に、前記合成樹脂とコロイダルシリカの混合物に対してグリシドキシシランを混合することを最も主要な特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、コーティング剤組成物により形成される塗膜の耐溶剤性に優れるという利点がある。
請求項2に記載の発明によれば、コーティング剤組成物により形成される塗膜の芳香族溶剤に対する耐久性を向上させることができるという利点がある。
請求項3に記載の発明によれば、合成樹脂がエマルジョンの形態で供給された場合のコーティング剤組成物の安定性に優れるという利点がある。
請求項4又は請求項5に記載の発明によれば、コーティング剤組成物により形成される塗膜のガラス又は金属への耐温水密着性に優れるという利点がある。
請求項6に記載の発明によれば、被塗物がガラス又は金属である場合であって、界面活性剤を混合した温水に浸漬させた場合の密着性に優れるという利点がある。
請求項7に記載の発明によれば、コーティング剤組成物により形成される塗膜の耐溶剤性及び耐温水密着性に優れるという利点がある。
以下、本発明を具体化した実施形態を説明する。
本発明のコーティング剤組成物の組成は例えば、以下のようなものである。
コーティング剤組成物の組成例:合成樹脂としてのアクリル樹脂エマルジョン(不揮発分50質量%)100質量部、コロイダルシリカ60質量部、シランカップリング剤としての3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン3質量部、シランカップリング剤としての3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン3質量部、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン3質量部、希釈剤としての水20質量部、消泡剤0.1質量部、湿潤剤0.1質量部、増粘剤0.1質量部、造膜助剤としての2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノブチレート5質量部。
前記合成樹脂はアクリル樹脂に限らず任意に設定することができる。例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂、酢酸ビニル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2以上を混合して用いても良い。また、それぞれを構成するモノマーを共重合させて用いても良い。
前記合成樹脂の形態はエマルジョンに限らず、水溶性高分子や低分子量の液状樹脂もしくは有機溶剤に溶解させた形態で用いても良い。
前記合成樹脂をエマルジョンの形態としたときの不揮発分は好ましくは10〜65質量%、より好ましくは20〜60質量%、最も好ましくは45〜55質量%である。この範囲にあるとき、コーティング剤組成物の生産が容易になる。前記合成樹脂をエマルジョンの形態としたときの不揮発分が10質量%未満の場合には、コーティング剤組成物の塗膜形成時に結合成分が少なすぎて脆くなってしまう。逆に65質量%を超える場合には合成樹脂エマルジョンの生産が困難になる。
前記合成樹脂はアクリル樹脂を用いることが好ましい。前記合成樹脂としてアクリル樹脂を用いることにより、コーティング剤組成物により形成される塗膜に透明性や耐候性を付与することができる。
前記コロイダルシリカの粒子径は好ましくは3〜50nm、より好ましくは5〜30nm、最も好ましくは7〜25nmである。この範囲にあるとき、コーティング剤組成物による塗膜の透明性に優れる。コロイダルシリカの粒子径が3nm未満の場合には、コーティング剤組成物により形成される塗膜の耐溶剤性が十分でない。逆に50nmを超える場合には、コーティング剤組成物により形成される塗膜を擦った場合にコロイダルシリカが取れてしまうおそれがある。
前記コロイダルシリカはアンモニアで中和されていることが好ましい。コロイダルシリカがアンモニアで中和されていることによりコーティング剤組成物により形成される塗膜の耐水性に優れる。
前記合成樹脂とコロイダルシリカとは別々に混合して用いても良いし、合成樹脂を重合する際にコロイダルシリカを滴下しながら重合することにより、あらかじめ合成樹脂と一体にして用いても良い。また、これらの両方を用いても良い。
前記シランカップリング剤は有機物とケイ素から構成される化合物で、分子中に2種以上の異なった反応基を持つ。例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシ、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のグリシドキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン等のスチリルシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のメタクリロキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリロキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル-N-(1,3−ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイドシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィドシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネートシラン等が挙げられる。これらのうち、グリシドキシシランを用いることが好ましい。シランカップリング剤としてグリシドキシシランを用いることにより、コーティング剤組成物により形成される塗膜の耐溶剤性、特に合成樹脂がアクリル樹脂である場合のベンゼン、スチレン、トルエン、キシレン、フェノール、クレゾール等の芳香族溶剤に対する耐久性を向上させることができるとともに、被塗物がガラス又は金属である場合の密着性、特に70℃以上の温水に8時間以上浸漬させた場合の密着性(以下、「耐温水密着性」という。)に優れる。
前記コロイダルシリカとシランカップリング剤とを用いることによりコーティング剤組成物により形成される塗膜の耐溶剤性に優れるとともに被塗物としてのガラス又は金属に対する密着性が向上する。
前記合成樹脂100質量部に対するコロイダルシリカとグリシドキシシランの含有量は好ましくはコロイダルシリカ50〜200質量部、グリシドキシシラン5〜50質量部であり、より好ましくはコロイダルシリカ60〜150質量部、グリシドキシシラン10〜40質量部であり、最も好ましくはコロイダルシリカ80〜120質量部、グリシドキシシラン15〜30質量部である。この範囲にあるとき、コーティング剤組成物により形成される塗膜の耐溶剤性、特にベンゼン、スチレン、トルエン、キシレン、フェノール、クレゾール等の芳香族溶剤に対する耐久性を向上させることができるとともに、コーティング剤組成物により形成される塗膜の耐温水密着性に優れる。前記合成樹脂100質量部に対するコロイダルシリカとグリシドキシシランの含有量がコロイダルシリカ50質量部未満、グリシドキシシラン5質量部未満である場合には、コーティング剤組成物により形成される塗膜の耐溶剤性が十分でないとともにガラス又は金属への耐温水密着性が十分でない。前記合成樹脂100質量部に対するコロイダルシリカとグリシドキシシランの含有量がコロイダルシリカ200質量部超、グリシドキシシラン50質量部超の場合には、合成樹脂がエマルジョンの形態で供給された場合のコーティング剤組成物としての安定性が十分でないとともにガラス又は金属への耐温水密着性が十分でない。
前記グリシドキシシランはグリシドキシエトキシシランとグリシドキシメトキシシランとを含有していることが好ましい。グリシドキシシランがグリシドキシエトキシシランとグリシドキシメトキシシランとを含有していることにより、合成樹脂がエマルジョンの形態で供給された場合のコーティング剤組成物の安定性に優れるとともにコーティング剤組成物により形成される塗膜のガラス又は金属への耐温水密着性に優れる。
前記グリシドキシエトキシシラン100質量部に対するグリシドキシメトキシシランの含有量は好ましくは25〜75質量部、より好ましくは35〜65質量部、最も好ましくは45〜55質量部である。この範囲にあるとき、合成樹脂がエマルジョンの形態で供給された場合のコーティング剤組成物としての安定性に優れるとともにコーティング剤組成物により形成される塗膜のガラス又は金属への耐温水密着性に優れる。前記グリシドキシエトキシシラン100質量部に対するグリシドキシメトキシシランの含有量が25質量部未満である場合にコーティング剤組成物により形成される塗膜のガラス又は金属への耐温水密着性が十分でない。逆に前記グリシドキシエトキシシラン100質量部に対するグリシドキシメトキシシランの含有量が75質量部を超える場合には合成樹脂がエマルジョンの形態で供給された場合のコーティング剤組成物としての安定性が十分でないとともに、コーティング剤組成物により形成される塗膜のガラス又は金属への耐温水密着性が十分でない。
前記グリシドキシエトキシシランが3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランまたは3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランのいずれかまたは両方であり、前記グリシドキシメトキシシランが3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランであることが好ましい。前記グリシドキシエトキシシランが3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランまたは3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランのいずれかまたは両方であり、前記グリシドキシメトキシシランが3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランであることにより、コーティング剤組成物により形成される塗膜のガラス又は金属への耐温水密着性に特に優れる。
前記3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン100質量部に対する3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランと3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとの含有量は、好ましくは3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン50〜150質量部、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン70〜130質量部であり、より好ましくは3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン70〜120質量部、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン80〜120質量部であり、最も好ましくは3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン90〜110質量部、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン90〜110質量部である。この範囲にあるとき、被塗物がガラス又は金属である場合であって、界面活性剤を混合した70℃以上の温水に8時間以上浸漬させた場合の密着性(以下、「耐界面活性温水性」という。)に優れるとともに、コーティング剤組成物を被塗物に塗装した後に50℃以下の低温で乾燥させても十分な耐温水密着性及び耐溶剤性を得ることができる。前記3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン100質量部に対する3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランと3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとの含有量が3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン50質量部未満、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン70質量部未満である場合には、コーティング剤組成物により形成される塗膜の耐界面活性温水性が十分でないとともに、コーティング剤組成物を被塗物に塗装した後に50℃以下の低温で乾燥させた場合の耐温水密着性が十分でない。逆に3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン150質量部超、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン130質量部超の場合にもコーティング剤組成物により形成される塗膜の耐界面活性温水性が十分でないとともに、コーティング剤組成物の安定性が十分でないため凝集物が生ずるおそれがある。
前記造膜助剤は2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノブチレートに限らず、任意に設定することができる。例えば、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテル等、通常のコーティング剤組成物に使用されるものを用いることができる。これらのうち、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノブチレートとプロピレングリコールモノブチルエーテルとを併用することにより、コーティング剤組成物により形成される塗膜を水に浸漬した場合に、該塗膜が白く変色する現象(以下、「耐水白化現象」という)が生じることを抑制することができる。
前記希釈剤は合成樹脂がエマルジョン又は水溶性樹脂の形態で用いられる場合には水に限らず、水溶性の溶剤を用いることができる。例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール、アンモニア水等が挙げられる。合成樹脂が水を含まない形態で持ちられる場合には、トルエン、キシレン等の芳香族溶剤、メチルエチルケトン等のケトン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル等、通常の有機溶剤を用いることができる。
前記コーティング剤組成物には消泡剤、湿潤剤、増粘剤に限らず、通常のコーティング剤組成物に使用されているものを用いることができる。例えば、pH調整剤、エチレングリコール、プロピレングリコール等の凍結防止剤、分散剤、染料、シリカ等の艶消し材、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、フタロシアニン銅、キナクリドン等の着色顔料、炭酸カルシウム、タルク等の体質顔料、防腐剤等が挙げられる。
以上のように構成されたコーティング剤組成物は以下のように使用される。
はじめに、上記組成例のコーティング剤組成物のうち、合成樹脂としてのアクリル樹脂エマルジョン(不揮発分50質量%)100質量部と、コロイダルシリカ60質量部と、希釈剤としての水20質量部と、消泡剤0.1質量部と、湿潤剤0.1質量部と、増粘剤0.1質量部と、造膜助剤としての2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノブチレート5質量部とをあらかじめ混合して合成樹脂とコロイダルシリカとの混合液としてのA液とし、シランカップリング剤としての3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン3質量部と、シランカップリング剤としての3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン3質量部と、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン3質量部とをあらかじめ混合してグリシドキシシランとしてのB液とし、A液に対して徐々にB液を滴下しながら撹拌混合して均一な溶液とする。続いて、該均一溶液を被塗物としてのガラスに対してスプレーにより厚さ100μmに塗装し、常温で10分間放置した後に40℃の恒温室で20分間乾燥させることによりコーティング剤組成物による塗膜を得る。該コーティング剤組成物による塗膜は塩酸、硫酸等の無機酸、水酸化ナトリウム等の無機塩基、トルエン、キシレン、シクロヘキサン等の芳香族溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル、メチルエチルケトン等のケトン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール等に対して十分な耐久性を得ることができる。
前記コーティング剤組成物による塗膜が形成されたガラス板を界面活性剤としてのポリオキシアルキレンアルキルエーテル1%水溶液に浸漬した状態で80℃に加温しても、コーティング剤組成物による塗膜はガラス板にしっかりと密着している。
前記A液とB液との混合後は好ましくは72時間以内、より好ましくは48時間以内、最も好ましくは8時間以内に塗装することが好ましい。この範囲にあるときコーティング剤組成物により形成される塗膜の耐溶剤性及び耐温水密着性に優れる。A液とB液との混合後72時間を超える場合には、B液の成分が加水分解することにより失活し、本発明の効果が十分に得られないおそれがある。
前記コーティング剤組成物の塗装後の常温放置時間は好ましくは5分以上、より好ましくは10分以上、最も好ましくは15分以上である。この範囲にあるとき乾燥後に均一な塗膜を得やすい。
前記コーティング剤組成物の塗装後の乾燥時間は好ましくは常温乾燥の場合で1日以上、40℃乾燥の場合で10分以上、80℃乾燥の場合で5分以上であり、より好ましくは常温乾燥の場合で3日以上、40℃乾燥の場合で30分以上、80℃乾燥の場合で10分以上であり、最も好ましくは常温乾燥の場合で1週間以上、40℃乾燥の場合で60分以上、80℃乾燥の場合で20分以上である。この範囲にあるとき乾燥後に本発明の効果を十分に得やすい。
前記コーティング剤組成物の塗装後の乾燥温度は好ましくは5〜120℃、より好ましくは15〜100℃、最も好ましくは20〜80℃である。この範囲にあるとき、乾燥後に均一な塗膜を得やすい。前記コーティング剤組成物の塗装後の乾燥温度が5℃未満である場合には、乾燥が不十分となるおそれがある。逆に120℃を超える場合には乾燥時に塗膜がひび割れてしまうおそれがある。
前記コーティング剤組成物の乾燥膜厚は任意に設定することができる。乾燥膜厚を厚くする場合には複数回以上を塗り重ねて形成させても良い。
本実施形態は以下に示す効果を発揮することができる。
・前記コロイダルシリカの粒子径が3〜50nmであることにより、コーティング剤組成物による塗膜の透明性に優れる。
・前記シランカップリング剤としてグリシドキシシランを用いることにより、コーティング剤組成物により形成される塗膜の耐溶剤性、特に合成樹脂がアクリル樹脂である場合のベンゼン、スチレン、トルエン、キシレン、フェノール、クレゾール等の芳香族溶剤に対する耐久性を向上させることができるとともに、被塗物がガラス又は金属である場合の密着性、特に耐温水密着性に優れる。
・前記コロイダルシリカとシランカップリング剤とを用いることによりコーティング剤組成物により形成される塗膜の耐溶剤性に優れるとともに被塗物としてのガラス又は金属に対する密着性に優れる。
・前記合成樹脂100質量部に対するコロイダルシリカとグリシドキシシランの含有量がコロイダルシリカ50〜200質量部、グリシドキシシラン5〜50質量部であることにより、コーティング剤組成物により形成される塗膜の耐溶剤性、特にベンゼン、スチレン、トルエン、キシレン、フェノール、クレゾール等の芳香族溶剤に対する耐久性を向上させることができるとともに、コーティング剤組成物により形成される塗膜の耐温水密着性に優れる。
・前記グリシドキシエトキシシランが3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランまたは3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランのいずれかまたは両方であり、前記グリシドキシメトキシシランが3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランであることにより、コーティング剤組成物により形成される塗膜のガラス又は金属への耐温水密着性に特に優れる。
・前記3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン100質量部に対する3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランと3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとの含有量が3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン50〜150質量部、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン70〜130質量部であることにより、耐界面活性温水性に優れるとともに、コーティング剤組成物を被塗物に塗装した後に50℃以下の低温で乾燥させても十分な耐温水密着性及び耐溶剤性を得ることができる。
なお、本発明の前記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
・前記実施形態においては、コーティング剤組成物の塗装後、常温で10分間放置した後に40℃の恒温室で20分間乾燥させたが、常温のみで乾燥させても良いし、常温放置時間を設けずにすぐに40℃で乾燥させても良い。
・前記実施形態においてはグリシドキシシランとしてのB液にはグリシドキシシラン以外の成分を混合していないが、グリシドキシシランの加水分解を引き起こさない成分はあらかじめ混合しても良い。
次に、前記実施形態から把握される請求項に記載した発明以外の技術的思想について、それらの効果と共に記載する。
(1)前記合成樹脂とコロイダルシリカとの混合液に対してグリシドキシシランを混合してから72時間以内に請求項1〜請求項6に記載のコーティング剤組成物を被塗物に対して塗装することを特徴とするコーティング剤組成物の使用方法。
このように構成した場合、コーティング剤組成物により形成される塗膜の耐溶剤性及び耐温水密着性に優れる。
以下、前記実施形態を具体化した実施例及び比較例について説明する。
試験は、基板としての150mm×150mmのガラス板、アルミ板、鉄板の表面にコーティング剤組成物のうち合成樹脂とコロイダルシリカとの混合液としてのA液と、グリシドキシシランとしてのB液とを混合して塗装し、乾燥厚さ80μmに調整して試験体とし、耐薬品性、耐温水密着性、耐界面活性温水性の試験を行った。
耐薬品性の試験は、試験体のコーティング剤組成物による塗膜形成面に10%硫酸水溶液、10%塩酸水溶液、10%酢酸水溶液、10%水酸化ナトリウム水溶液、トルエン、キシレン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、アセトン、アセトニトリル、トリクロロエチレン、ジクロロエタン、ニトロベンゼン、ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノールの各薬品を5mlずつ垂らして常温で1時間放置し、塗膜の外観変化を観察することにより行った。評価は、試験前後で変化が見られないもの・・・○、白く変色するが塗膜の溶解がないもの・・・△、塗膜が溶解してなくなったもの・・・×とした。
耐水性の試験は、試験体を常温の水に8時間浸漬させた後に、塗膜の外観変化を観察することにより行った。評価は、試験前後で変化が見られないもの・・・○、白く変色するが乾くと元に戻るもの・・・△、白く変色して乾いても戻らないもの・・・×とした。
耐温水密着性の試験は、試験体を80℃の熱水に24時間浸漬させた後に、塗膜の外観変化を観察することにより行った。評価は、試験前後で変化が見られないもの・・・○、白く変色するが乾くと元に戻るもの・・・△、白く変色して乾いても戻らないもの・・・×、塗膜が剥がれるもの・・・××とした。
耐界面活性温水性の試験は、水1000質量部に対して洗剤イ又は洗剤ロを1質量部溶解して80℃に加熱した試験液に試験体を100時間浸漬させた後に、塗膜の外観変化を観察することにより行った。評価は、試験前後で変化が見られないもの・・・○、白く変色するが乾くと元に戻るもの・・・△、白く変色して乾いても戻らないもの・・・×、塗膜が剥がれるもの・・・××とした。
洗剤イの組成:界面活性剤としてのポリオキシアルキレンアルキルエーテル0.2質量部、水軟化剤としてのクエン酸三ナトリウム2質量部、水100質量部。
洗剤ロの組成:界面活性剤としてのポリオキシアルキレンアルキルエーテル1質量部、水軟化剤としてのクエン酸三ナトリウム3質量部、アルカリ剤としての炭酸水素ナトリウム1質量部、漂白剤としての過炭酸ナトリウム0.1質量部。
耐熱性の試験は、試験体を150℃の気中で2時間放置して塗膜の外観変化を観察することにより行った。評価は、試験前後で変化が見られないもの・・・○、黄褐色に変色するもの・・・△、褐色に変色するもの・・・×とした。
(実施例1)
実施例1の合成樹脂とコロイダルシリカとの混合液としてのA液の組成は、合成樹脂としてのアクリル樹脂エマルジョン(不揮発分45質量%)100質量部、コロイダルシリカ50質量部、消泡剤0.1質量部、湿潤剤0.1質量部、増粘剤0.03質量部、造膜助剤としての2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノブチレート7質量部、防凍剤としてのプロピレングリコール1質量部とした。グリシドキシシランとしてのB液の組成は、シランカップリング剤としての3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン3質量部、シランカップリング剤としての3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン3質量部、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン3質量部とした。
A液とB液とを混合した後、1時間経過してからコーティング剤組成物を基板に塗付し、常温で5分間放置してから80℃の恒温槽で30分加熱して試験体とした。
試験の結果、耐薬品性の試験はすべての薬品について○、耐水性の試験は○、耐温水密着性の試験は○、耐界面活性温水性の試験は洗剤イ、洗剤ロのいずれも○、耐熱性の試験は○だった。
(実施例2)
実施例2の合成樹脂とコロイダルシリカとの混合液としてのA液の組成は、合成樹脂としてのアクリル樹脂エマルジョン(不揮発分45質量%、実施例1に使用したものと同じ。)100質量部、コロイダルシリカ50質量部、消泡剤0.1質量部、湿潤剤0.1質量部、増粘剤0.03質量部、造膜助剤としてのプロピレングリコールモノブチルエーテル5質量部、防凍剤としてのプロピレングリコール1質量部とした。グリシドキシシランとしてのB液の組成は、シランカップリング剤としての3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン7質量部、シランカップリング剤としての3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン7質量部、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン7質量部とした。
A液とB液とを混合した後、1時間経過してからコーティング剤組成物を基板に塗付し、常温で15分間放置してから80℃の恒温槽で30分加熱して試験体とした。
試験の結果、耐薬品性の試験はすべての薬品について○、耐水性の試験は○、耐温水密着性の試験は○、耐界面活性温水性の試験は洗剤イ、洗剤ロのいずれも○、耐熱性の試験は○だった。
(実施例3)
実施例3の合成樹脂とコロイダルシリカとの混合液としてのA液の組成は、合成樹脂としてのアクリルスチレン共重合樹脂エマルジョン(不揮発分51質量%)100質量部、コロイダルシリカ50質量部、消泡剤0.1質量部、湿潤剤0.1質量部、増粘剤0.03質量部、造膜助剤としてのプロピレングリコールモノブチルエーテル5質量部、防凍剤としてのプロピレングリコール1質量部とした。グリシドキシシランとしてのB液の組成は、シランカップリング剤としての3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン7質量部、シランカップリング剤としての3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン7質量部、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン7質量部とした。
A液とB液とを混合した後、30分経過してからコーティング剤組成物を基板に塗付し、常温で30分間放置してから80℃の恒温槽で30分加熱して試験体とした。
試験の結果、耐薬品性の試験はすべての薬品について○、耐水性の試験は○、耐温水密着性の試験は○、耐界面活性温水性の試験は洗剤イ、洗剤ロのいずれも○、耐熱性の試験は○だった。
(実施例4)
実施例4の合成樹脂とコロイダルシリカとの混合液としてのA液の組成は、合成樹脂を重合させる際にコロイダルシリカを滴下して製造したアクリル樹脂コロイダルシリカ複合エマルジョン(不揮発分43質量%。内アクリル樹脂21質量%、コロイダルシリカ22質量%)100質量部、消泡剤0.1質量部、湿潤剤0.1質量部、増粘剤0.03質量部、造膜助剤としての2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノブチレート5質量部、防凍剤としてのプロピレングリコール1質量部とした。グリシドキシシランとしてのB液の組成は、シランカップリング剤としての3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン1.5質量部、シランカップリング剤としての3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン1.5質量部、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1.5質量部とした。
A液とB液とを混合した後、すぐにコーティング剤組成物を基板に塗付し、すぐに40℃の恒温槽で20分加熱した後、常温で2週間放置して試験体とした。
試験の結果、耐薬品性の試験はすべての薬品について○、耐水性の試験は○、耐温水密着性の試験は○、耐界面活性温水性の試験は洗剤イ、洗剤ロのいずれも○、耐熱性の試験は○だった。
(実施例5)
実施例5の合成樹脂とコロイダルシリカとの混合液としてのA液の組成は、合成樹脂を重合させる際にコロイダルシリカを滴下して製造したアクリル樹脂コロイダルシリカ複合エマルジョン(不揮発分45質量%。内アクリル樹脂29質量%、コロイダルシリカ16質量%)100質量部、消泡剤0.1質量部、湿潤剤0.1質量部、増粘剤0.03質量部、造膜助剤としての2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノブチレート4質量部、防凍剤としてのプロピレングリコール1質量部とした。グリシドキシシランとしてのB液の組成は、シランカップリング剤としての3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン1.5質量部とした。
A液とB液とを混合した後、常温で80時間経過してからコーティング剤組成物を基板に塗付し、すぐに30℃の恒温槽で15分加熱した後、常温で1日放置して試験体とした。
試験の結果、耐薬品性の試験は芳香族溶剤(トルエン及びキシレン)とシクロヘキサンを除いて○(トルエン、キシレン、シクロヘキサンは△)、耐水性の試験は○、耐温水密着性の試験は○、耐界面活性温水性の試験は洗剤イ、洗剤ロのいずれも△、耐熱性の試験は○だった。
(実施例6)
実施例6の合成樹脂とコロイダルシリカとの混合液としてのA液の組成は、合成樹脂を重合させる際にコロイダルシリカを滴下して製造したアクリル樹脂コロイダルシリカ複合エマルジョン(不揮発分46質量%。内アクリル樹脂16質量%、コロイダルシリカ30質量%)100質量部、消泡剤0.1質量部、湿潤剤0.1質量部、増粘剤0.03質量部、造膜助剤としての2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノブチレート2質量部、防凍剤としてのプロピレングリコール1質量部とした。グリシドキシシランとしてのB液の組成は、シランカップリング剤としての3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン7質量部とした。
A液とB液とを混合した後、常温で30時間経過してからコーティング剤組成物を基板に塗付し、常温で7分経過した後に80℃の恒温槽で3分加熱した後、常温で1週間放置して試験体とした。
試験の結果、耐薬品性の試験は芳香族溶剤(トルエン及びキシレン)を除いて○(トルエン及びキシレンは△)、耐水性の試験は○、耐温水密着性の試験は○、耐界面活性温水性の試験は洗剤イ、洗剤ロのいずれも△、耐熱性の試験は○だった。
(実施例7)
実施例7の合成樹脂とコロイダルシリカとの混合液としてのA液の組成は、合成樹脂を重合させる際にコロイダルシリカを滴下して製造したアクリル樹脂コロイダルシリカ複合エマルジョン(不揮発分45質量%。内アクリル樹脂29質量%、コロイダルシリカ16質量%、実施例5に使用したものと同じ。)100質量部、消泡剤0.1質量部、湿潤剤0.1質量部、増粘剤0.03質量部、造膜助剤としての2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノブチレート5質量部、防凍剤としてのプロピレングリコール1質量部とした。グリシドキシシランとしてのB液の組成は、シランカップリング剤としての3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン2.5質量部、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン2.5質量部とした。
A液とB液とを混合した後、常温で20時間経過してからコーティング剤組成物を基板に塗付し、常温で4分経過した後に90℃の恒温槽で6分加熱した後、常温で3日間放置して試験体とした。
試験の結果、耐薬品性の試験は芳香族溶剤(トルエン及びキシレン)を除いて○(トルエン及びキシレンは△)、耐水性の試験は○、耐温水密着性の試験は○、耐界面活性温水性の試験は洗剤イ、洗剤ロのいずれも△、耐熱性の試験は○だった。
(実施例8)
実施例8の合成樹脂とコロイダルシリカとの混合液としてのA液の組成は、合成樹脂を重合させる際にコロイダルシリカを滴下して製造したアクリル樹脂コロイダルシリカ複合エマルジョン(不揮発分43質量%。内アクリル樹脂21質量%、コロイダルシリカ22質量%、実施例4に使用したものと同じ。)100質量部、消泡剤0.1質量部、湿潤剤0.1質量部、増粘剤0.03質量部、造膜助剤としてのジプロピレングリコールモノブチルエーテル3質量部、防凍剤としてのプロピレングリコール1質量部とした。グリシドキシシランとしてのB液の組成は、シランカップリング剤としての3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン2質量部、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン4質量部とした。
A液とB液とを混合した後、常温で12時間経過してからコーティング剤組成物を基板に塗付し、常温で9分経過した後に20℃の恒温槽で6時間放置して試験体とした。
試験の結果、耐薬品性の試験は芳香族溶剤(トルエン、キシレン、ニトロベンゼン)とシクロヘキサンを除いて○(トルエン、キシレン、ニトロベンゼン、シクロヘキサンは△)、耐水性の試験は○、耐温水密着性の試験は○、耐界面活性温水性の試験は洗剤イ、洗剤ロのいずれも△、耐熱性の試験は○だった。
(実施例9)
実施例9の合成樹脂とコロイダルシリカとの混合液としてのA液の組成は、合成樹脂を重合させる際にコロイダルシリカを滴下して製造したアクリル樹脂コロイダルシリカ複合エマルジョン(不揮発分43質量%。内アクリル樹脂21質量%、コロイダルシリカ22質量%、実施例4に使用したものと同じ。)100質量部、消泡剤0.1質量部、湿潤剤0.1質量部、増粘剤0.03質量部、造膜助剤としてのプロピレングリコールモノブチルエーテル3質量部、防凍剤としてのエチレングリコール0.5質量部とした。グリシドキシシランとしてのB液の組成は、シランカップリング剤としての3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン1質量部、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン3質量部、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン4質量部とした。
A液とB液とを混合した後、常温で7時間経過してからコーティング剤組成物を基板に塗付し、常温で20分経過した後に80℃の恒温槽で10分加熱した後、常温で5日間放置して試験体とした。
試験の結果、耐薬品性の試験はいずれの薬品も○、耐水性の試験は○、耐温水密着性の試験は○、耐界面活性温水性の試験は洗剤イ、洗剤ロのいずれも○、耐熱性の試験は○だった。
(実施例10)
実施例10の合成樹脂とコロイダルシリカとの混合液としてのA液の組成は、合成樹脂を重合させる際にコロイダルシリカを滴下して製造したアクリル樹脂コロイダルシリカ複合エマルジョン(不揮発分43質量%。内アクリル樹脂21質量%、コロイダルシリカ22質量%、実施例4に使用したものと同じ。)100質量部、消泡剤0.1質量部、湿潤剤0.1質量部、増粘剤0.03質量部、造膜助剤としてのプロピレングリコールモノブチルエーテル3質量部、防凍剤としてのプロピレングリコール0.3質量部とした。グリシドキシシランとしてのB液の組成は、シランカップリング剤としての3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン0.8質量部、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン0.5質量部、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.7質量部とした。
A液とB液とを混合した後、常温で4時間経過してからコーティング剤組成物を基板に塗付し、常温で10分経過した後に40℃の恒温槽で60分加熱した後、常温で1週間放置して試験体とした。
試験の結果、耐薬品性の試験はいずれの薬品も○、耐水性の試験は○、耐温水密着性の試験は○、耐界面活性温水性の試験は洗剤イ、洗剤ロのいずれも○、耐熱性の試験は○だった。
(実施例11)
実施例11の合成樹脂とコロイダルシリカとの混合液としてのA液の組成は、合成樹脂としてのアクリルシリコーン共重合樹脂エマルジョン(不揮発分47質量%)100質量部、コロイダルシリカ60質量部、消泡剤0.1質量部、湿潤剤0.1質量部、増粘剤0.03質量部、造膜助剤としての2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノブチレート5質量部、防凍剤としてのエチレングリコール0.1質量部とした。グリシドキシシランとしてのB液の組成は、シランカップリング剤としての3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン1質量部、シランカップリング剤としての3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン1質量部、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1質量部とした。
A液とB液とを混合した後、5時間経過してからコーティング剤組成物を基板に塗付し、常温で8分間放置してから20℃の恒温槽で360分加熱した後、常温で1ヶ月放置して試験体とした。
試験の結果、耐薬品性の試験はすべての薬品について○、耐水性の試験は○、耐温水密着性の試験は○、耐界面活性温水性の試験は洗剤イ、洗剤ロのいずれも○、耐熱性の試験は○だった。
(実施例12)
実施例12の合成樹脂とコロイダルシリカとの混合液としてのA液の組成は、合成樹脂としてのアクリルスチレン共重合樹脂エマルジョン(不揮発分50質量%)100質量部、コロイダルシリカ32質量部、消泡剤0.1質量部、湿潤剤0.1質量部、増粘剤0.03質量部、造膜助剤としての2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノブチレート7質量部、防凍剤としてのエチレングリコール0.7質量部とした。グリシドキシシランとしてのB液の組成は、シランカップリング剤としての3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン3質量部とした。
A液とB液とを混合した後、100時間経過してからコーティング剤組成物を基板に塗付し、すぐに100℃の恒温槽で10分加熱して試験体とした。
試験の結果、耐薬品性の試験は芳香族溶剤(トルエン、キシレン、ニトロベンゼン)とシクロヘキサンを除いて○(トルエン、キシレン、ニトロベンゼン、シクロヘキサンは△)、耐水性の試験は○、耐温水密着性の試験は○、耐界面活性温水性の試験は洗剤イ、洗剤ロのいずれも△、耐熱性の試験は○だった。
(実施例13)
実施例13の合成樹脂とコロイダルシリカとの混合液としてのA液の組成は、合成樹脂としてのアクリルポリオール樹脂100質量部、コロイダルシリカ85質量部、消泡剤0.1質量部、湿潤剤0.1質量部、増粘剤0.03質量部とした。グリシドキシシランとしてのB液の組成は、シランカップリング剤としての3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン4質量部とした。
A液とB液とを混合した後、240時間経過してからイソシアネート5質量部を混合してすぐにコーティング剤組成物を基板に塗付し、常温で60分経過後に70℃の恒温槽で12分加熱して試験体とした。
試験の結果、耐薬品性の試験は芳香族溶剤(トルエン、キシレン)とシクロヘキサンを除いて○(トルエン、キシレン、シクロヘキサンは△)、耐水性の試験は○、耐温水密着性の試験は○、耐界面活性温水性の試験は洗剤イ、洗剤ロのいずれも△、耐熱性の試験は○だった。
(実施例14)
実施例14の合成樹脂とコロイダルシリカとの混合液としてのA液の組成は、合成樹脂としての塩素化ポリオレフィン樹脂100質量部、コロイダルシリカ155質量部、消泡剤0.1質量部、湿潤剤0.1質量部、増粘剤0.03質量部とした。グリシドキシシランとしてのB液の組成は、シランカップリング剤としての3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン5質量部、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン5質量部とした。
A液とB液とを混合した後、55時間経過してからコーティング剤組成物を基板に塗付し、常温で30分経過後に70℃の恒温槽で12分加熱して試験体とした。
試験の結果、耐薬品性の試験は芳香族溶剤(トルエン、キシレン)とシクロヘキサンを除いて○(トルエン、キシレンは△)、耐水性の試験は○、耐温水密着性の試験は○、耐界面活性温水性の試験は洗剤イ、洗剤ロのいずれも△、耐熱性の試験は○だった。
(比較例1)
比較例1の合成樹脂とコロイダルシリカとの混合液としてのA液の組成は、合成樹脂を重合させる際にコロイダルシリカを滴下して製造したアクリル樹脂コロイダルシリカ複合エマルジョン(不揮発分43質量%。内アクリル樹脂21質量%、コロイダルシリカ22質量%、実施例4に使用したものと同じ。)100質量部、消泡剤0.1質量部、湿潤剤0.1質量部、増粘剤0.03質量部、造膜助剤としてのプロピレングリコールモノブチルエーテル3質量部、防凍剤としてのプロピレングリコール0.3質量部とした。グリシドキシシランは使用しなかった。
A液のみからなるコーティング剤組成物を基板に塗付し、常温で9分経過した後に20℃の恒温槽で360分加熱した後、常温で1ヶ月間放置して試験体とした。
試験の結果、耐薬品性の試験はトルエン、キシレン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、アセトン、アセトニトリル、トリクロロエチレン、ジクロロエタン、ニトロベンゼン、ジメチルホルムアミドについて×、10%硫酸水溶液、10%塩酸水溶液、10%水酸化ナトリウム水溶液、メタノール、エタノールについて△、10%酢酸水溶液について○、耐水性の試験は○、耐温水密着性の試験は×、耐界面活性温水性の試験は洗剤イについて×、洗剤ロについて××、耐熱性の試験は×だった。
(比較例2)
比較例2の合成樹脂とコロイダルシリカとの混合液としてのA液の組成は、合成樹脂としてのアクリル樹脂エマルジョン(不揮発分45質量%、実施例1に使用したものと同じ。)100質量部、コロイダルシリカ50質量部、消泡剤0.1質量部、湿潤剤0.1質量部、増粘剤0.03質量部、造膜助剤としての2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノブチレート5質量部、防凍剤としてのプロピレングリコール1質量部とした。グリシドキシシランとしてのB液の組成は、シランカップリング剤としての3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン8質量部とした。
A液とB液とを混合した後、55時間経過してからコーティング剤組成物を基板に塗付し、常温で30分間放置してから70℃の恒温槽で12分加熱して試験体とした。
試験の結果、耐薬品性の試験はトルエン、キシレン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、アセトン、アセトニトリル、トリクロロエチレン、ジクロロエタン、ニトロベンゼン、ジメチルホルムアミドについて×、10%硫酸水溶液、10%塩酸水溶液、10%水酸化ナトリウム水溶液について△、その他の薬品について○、耐水性の試験は○、耐温水密着性の試験は×、耐界面活性温水性の試験は洗剤イ、洗剤ロのいずれも×、耐熱性の試験は△だった。
(比較例3)
比較例3の合成樹脂とコロイダルシリカとの混合液としてのA液の組成は、合成樹脂を重合させる際にコロイダルシリカを滴下して製造したアクリル樹脂コロイダルシリカ複合エマルジョン(不揮発分43質量%。内アクリル樹脂21質量%、コロイダルシリカ22質量%、実施例4に使用したものと同じ。)100質量部、消泡剤0.1質量部、湿潤剤0.1質量部、増粘剤0.03質量部、造膜助剤としての2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノブチレート3質量部、防凍剤としてのプロピレングリコール0.3質量部とした。グリシドキシシランとしてのB液の組成は、シランカップリング剤としての3−アミノプロピルトリメトキシシラン3質量部とした。
A液とB液とを混合した後、常温で7時間経過してからコーティング剤組成物を基板に塗付し、常温で20分経過した後に80℃の恒温槽で10分加熱した後、常温で5日間放置して試験体とした。
試験の結果、耐薬品性の試験はトルエン、キシレン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、アセトン、アセトニトリル、トリクロロエチレン、ジクロロエタン、ニトロベンゼン、ジメチルホルムアミドについて×、10%硫酸水溶液、10%塩酸水溶液、10%水酸化ナトリウム水溶液について△、その他の薬品について○、耐水性の試験は△、耐温水密着性の試験は×、耐界面活性温水性の試験は洗剤イ、洗剤ロのいずれも×、耐熱性の試験は△だった。
(比較例4)
比較例4の合成樹脂とコロイダルシリカとの混合液としてのA液の組成は、合成樹脂としてのアクリル樹脂エマルジョン(不揮発分45質量%、実施例1に使用したものと同じ。)100質量部、コロイダルシリカなし、消泡剤0.1質量部、湿潤剤0.1質量部、増粘剤0.03質量部、造膜助剤としてのプロピレングリコールモノブチルエーテル5質量部、防凍剤としてのプロピレングリコール1質量部とした。グリシドキシシランとしてのB液の組成は、シランカップリング剤としての3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン7質量部、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン7質量部、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン7質量部とした。
A液とB液とを混合した後、1時間経過してからコーティング剤組成物を基板に塗付し、常温で15分間放置してから80℃の恒温槽で30分加熱して試験体とした。
試験の結果、耐薬品性の試験はトルエン、キシレン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、アセトン、アセトニトリル、トリクロロエチレン、ジクロロエタン、ニトロベンゼン、ジメチルホルムアミドについて×、10%硫酸水溶液、10%塩酸水溶液、10%水酸化ナトリウム水溶液について△、その他の薬品について○、耐水性の試験は○、耐温水密着性の試験は×、耐界面活性温水性の試験は洗剤イ、洗剤ロのいずれも×、耐熱性の試験は△だった。


Claims (7)

  1. 合成樹脂とコロイダルシリカとシランカップリング剤とが含有されているコーティング剤組成物であって、前記シランカップリング剤にはグリシドキシシランが含有されていることを特徴とするコーティング剤組成物。
  2. 前記合成樹脂100質量部に対するコロイダルシリカの含有量が50〜200質量部であり、グリシドキシシランの含有量が5〜50質量部であることを特徴とする請求項1に記載のコーティング剤組成物。
  3. 前記グリシドキシシランがグリシドキシエトキシシランとグリシドキシメトキシシランとを含有していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコーティング剤組成物。
  4. 前記グリシドキシエトキシシラン100質量部に対するグリシドキシメトキシシランの含有量が25〜75質量部であることを特徴とする請求項1〜請求項3に記載のコーティング剤組成物。
  5. 前記グリシドキシエトキシシランが3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランまたは3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランのいずれかまたは両方であり、前記グリシドキシメトキシシランが3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランであることを特徴とする請求項1〜請求項4に記載のコーティング剤組成物。
  6. 前記3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン100質量部に対する3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランの含有量が50〜150質量部であり、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの含有量が70〜130質量部であることを特徴とする請求項1〜請求項5に記載のコーティング剤組成物。
  7. 請求項1〜請求項6に記載のコーティング剤組成物を被塗物に対して塗装する直前に、前記合成樹脂とコロイダルシリカの混合物に対してグリシドキシシランを混合することを特徴とするコーティング剤組成物の使用方法。
JP2012241451A 2012-11-01 2012-11-01 コーティング剤組成物 Pending JP2014091750A (ja)

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