JP2014047336A - 導電性接着剤組成物及びそれを用いた電子素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】銀被覆金属粉末(A)、エポキシ樹脂化合物(B)、フェノール樹脂化合物(C)、硬化促進剤(D)を必須成分とする導電性接着剤であって、
銀被覆金属粉末(A)は、平均粒径が、1〜10μmの金属粒子表面に銀が被覆され、金属粒子と銀の合計量に対する銀の割合が0.5〜30重量%、かつタップ密度が3〜8g/cm3であり、また、エポキシ樹脂化合物(B)は、25℃での粘度が3Pa.s以下であり、
各成分の含有量は、銀被覆金属粉末(A)が、全量に対して70〜95重量%、フェノール樹脂化合物(C)が、エポキシ樹脂化合物(B)に対して10〜60重量部、また、硬化促進剤(D)がエポキシ樹脂化合物(B)に対して0.05〜5重量部であることを特徴とする導電性接着剤組成物などによって提供する。
【選択図】なし
Description
銀被覆金属粉末(A)は、平均粒径が、1〜10μmの金属粒子表面に銀が被覆され、金属粒子と銀の合計量に対する銀の割合が0.5〜30重量%、かつタップ密度が3〜8g/cm3であり、また、エポキシ樹脂化合物(B)は、25℃での粘度が3Pa.s以下であり、
各成分の含有量は、銀被覆金属粉末(A)が、全量に対して70〜95重量%、フェノール樹脂化合物(C)が、エポキシ樹脂化合物(B)に対して10〜60重量部、また、硬化促進剤(D)がエポキシ樹脂化合物(B)に対して0.05〜5重量部であることを特徴とする導電性接着剤組成物が提供される。
本発明に係る導電性接着剤組成物は、銀被覆金属粉末(A)、エポキシ樹脂化合物(B)、フェノール樹脂化合物(C)、硬化促進剤(D)を必須成分とする導電性接着剤であって、
銀被覆金属粉末(A)は、平均粒径が、1〜10μmの金属粒子表面に銀が被覆され、金属粒子と銀の合計量に対する銀の割合が0.5〜30重量%、かつタップ密度が3〜8g/cm3であり、また、エポキシ樹脂化合物(B)は、25℃での粘度が3Pa.s以下であり、
各成分の含有量は、銀被覆金属粉末(A)が、全量に対して70〜95重量%、フェノール樹脂化合物(C)が、エポキシ樹脂化合物(B)に対して10〜60重量部、また、硬化促進剤(D)がエポキシ樹脂化合物(B)に対して0.05〜5重量部であることを特徴としている。
本発明において重要な銀被覆金属粉末(以下、銀粉末ともいう)は、導電性接着剤組成物の導電性成分である。該銀粉末は、タップ密度や粒径の大きさによって特性が異なることが究明され、タップ密度3〜8g/cm3の銀被覆金属粉末を使用する必要がある。なお、上記を満たすのであれば、粒径や銀含有量の異なる銀被覆金属粉末を2種類以上入れても差し支えない。
エポキシ樹脂化合物は、25℃での粘度が3Pa.s以下のものを使用する。粘度が、3Pa.sを超えるとペースト化が難しくなりやすいためである。粘度が2Pa.s以下のエポキシ樹脂化合物が好ましく、1Pa.s以下のエポキシ樹脂化合物がより好ましい。
エポキシ樹脂は、その構造によって限定されないが、2官能以上のエポキシ基を有するものが好ましい。
例えば、N,N−ビス(2,3−エポキシプロピル)−4−(2,3−エポキシプロポキシ)アニリン、(3’,4’−エポキシシクロヘキサン)メチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートやダイマー酸のエピクロルヒドリンによるジグリシジルエステル化変性物などが挙げられる。なお、本発明の目的を損なわない範囲で2種類以上入れても構わない。
本発明では、エポキシ樹脂化合物の硬化剤としてフェノール樹脂化合物を使用する。フェノール樹脂化合物としては、公知の軟化点が50℃以上のノボラックフェノールやレゾールフェノール樹脂が挙げられる。好ましいのは、軟化点が60℃以上のノボラックフェノール樹脂、より好ましいのは軟化点が70℃以上のノボラックフェノール樹脂である。フェノール樹脂を使用することで導電性接着剤組成物の体積抵抗率を低下させることができる。なお、フェノール樹脂には、本発明の目的を損なわない範囲で、ジシアンジアミドに代表されるアミン系、酸無水物系、カチオン重合開始剤などの硬化剤を配合しても構わない。
また、本発明では、エポキシ樹脂化合物に対して、フェノール樹脂化合物のほかに硬化促進剤を配合する。
硬化促進剤としては、60〜300℃に加熱すると、エポキシ樹脂化合物とフェノール樹脂化合物との反応を速やかに促し、かつ室温で長期間の貯蔵安定性を満足できるものが使用できる。一般的には2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1’)〕−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物などのイミダゾール系化合物が望ましい。なお、本発明の目的を損なわない範囲で2種類以上入れても構わない。
溶剤は本発明の組成物の任意成分であり、添加せずとも本発明を達成することが可能であるが、微量ないし少量の溶剤を添加することでペースト化が容易になる。
溶剤としては、導電性接着剤組成物が硬化する際、溶剤成分が揮発・蒸発し、又は分解して飛散してしまう有機化合物が使用できる。一般には、酢酸2−(2−エトキシエトキシ)エチル、酢酸2−(2−n−ブトキシエトキシ)エチル、酢酸2−n−ブトキシエチル等が挙げられる。これらは単独でも、複数種を混合して使用してもよい。
なお、実施例1〜10及び、比較例1〜12の各試料は混練後、下記に示す評価を行なった。
アルミナ基板上に幅0.6mm、長さ60mmの長方形状に試料(導電性接着剤組成物)を印刷し、200℃のオーブン中に60分間放置し、硬化した後、室温まで冷却し、導電性接着剤組成物上の両端で抵抗値を測定した。続いて、印刷し硬化した導電性接着剤組成物の膜厚を測定し、抵抗値と膜厚から体積抵抗率を求めた。
銅基板上に試料(導電性接着剤組成物)を印刷し、1.5mm角のシリコンチップを載せ、200℃のオーブン中に60分間放置して硬化させた。室温まで冷却した後、この基板に対し、水平方向からシリコンチップに力を加え、該シリコンチップが剥がれた時の力を接着強度として測定した。
試料(導電性接着剤組成物)を用いて、400メッシュのスクリーンにて幅100μm、長さ20mmの直線を10本印刷し、印刷面に欠け、かすれ、ダレ等があるものは不可(×)、それらが確認されない場合は良(○)とした。
試料(導電性接着剤組成物)を軟膏瓶に入れ密閉し、25℃に5日間放置した。放置前後の粘度を粘度計で測定し、放置後の粘度が放置前の粘度に比べ1.2倍以内であれば良(○)、それを超えた場合を不可(×)とした。
銀含有率が30wt%以下の場合を良(○)、それ以上の場合を不可(×)とした.
上記の4項目において、体積抵抗値は1×10−4Ω・cm未満、接着強度は20N以上、塗布性については良(○)、保存安定性については良(○)、コストメリットについては良(○)の条件を全て満たしたもののみ合格(○)とし、接着強度1つでも条件に満たさないものがある場合は不合格(×)とした。
溶剤Aとしては、酢酸2−(2−エトキシエトキシ)エチル(関東化学株式会社:酢酸2−(2−エトキシエトキシ)エチル)を使用した。
金属粉末として、金属粒子と銀の合計量に対する銀の割合が10重量%でタップ密度が4.5g/cm3の銀被覆銅粉末A、樹脂成分としてエポキシ樹脂化合物A:p−アミノフェノール型液状エポキシ樹脂化合物(三菱化学株式会社製:jER630)、硬化剤Aとしてフェノール樹脂化合物(明和化成株式会社製:MEHC−7800H)、硬化促進剤Aとして2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール(四国化成株式会社:キュアゾール2P4MHZ−PW)を用意し、溶剤Aの酢酸2−(2−エトキシエトキシ)エチル(関東化学株式会社:酢酸2−(2−エトキシエトキシ)エチル)と混合し、導電性接着剤組成物を調製し、3本ロール型混練機を使用して混練して、本発明の導電性接着剤組成物を得た。
この導電性接着剤組成物を用いて、アルミナ基板上に印刷し、上記の条件で体積抵抗率を測定した。また、銅基板上に印刷し、硬化させてから接着強度を測定した。また、本発明の導電性接着剤組成物をスクリーンによりアルミナ基板へ印刷し、塗布性を評価した。これらの結果を表1に併記した。
表1に記載した金属粉末成分、樹脂成分、硬化剤成分、硬化促進剤成分、および溶剤成分の配合量を変えた以外は実施例1と同様にして、導電性接着剤組成物を調整し、3本ロール型混練機を使用し混練して、本発明の導電性接着剤組成物を得た。その後、この導電性接着剤組成物を用いて、アルミナ基板上に印刷し、上記の条件で体積抵抗率を測定した。また、銅基板上に印刷し、硬化させてから接着強度を測定した。また、本発明の導電性接着剤組成物をスクリーンによりアルミナ基板へ印刷し、塗布性を評価した。これらの結果を表1に併記した。
表1に記載したように、実施例1の硬化剤をレゾールフェノール樹脂化合物(住友ベークライト株式会社:PR−50607B)に変えるか、実施例1の金属粉末(銀被覆銅粉末A)を、金属粒子と銀の合計量に対する銀の割合が10重量%でタップ密度が4.8g/cm3の銀被覆ニッケル粉末E、又は金属粉末を金属粒子と銀の合計量に対する銀の割合が30重量%でタップ密度が4.8g/cm3の銀被覆ニッケル粉末F、あるいは金属粒子と銀の合計量に対する銀の割合が10重量%でタップ密度が5.7g/cm3の銀被覆銅−亜鉛合金粉末Gに変えた以外は実施例1と同様にして、導電性接着剤組成物を調製し、3本ロール型混練機を使用して混練し、本発明の導電性接着剤組成物を得た。また、
その後、この導電性接着剤組成物を用いて、アルミナ基板上に印刷し、上記の条件で体積抵抗率を測定した。また、銅基板上に印刷し、硬化させてから接着強度を測定した。また、本発明の導電性接着剤組成物をスクリーンによりアルミナ基板へ印刷し、塗布性を評価した。これらの結果を表1に併記した。
表2に記載したように、金属粉末成分と樹脂成分のエポキシ樹脂化合物Aの配合量を変えるか、硬化剤Aと硬化促進剤Aの配合量を変えた以外は実施例1と同様にして、導電性接着剤組成物を調整し、3本ロール型混練機を使用して混練し、本発明の導電性接着剤組成物を得た。その後、この導電性接着剤組成物を用いて、アルミナ基板上に印刷し、上記の条件で体積抵抗率を測定した。また、銅基板上に印刷し、硬化させてから接着強度を測定した。また、本発明の導電性接着剤組成物をスクリーンによりアルミナ基板へ印刷し、塗布性を評価した。これらの結果を表2に併記した。
表2に記載したように、銀被覆銅粉末Aの代わりに銀被覆銅粉末Bや銀被覆銅粉末C、銀被覆銅粉末D、銀粉末H、銅粉末Iを用いたか、エポキシ樹脂Aの代わりにエポキシ樹脂B:ビスフェノールAジグリシジルエーテル(三菱化学株式会社:jER828)を用いたか、硬化剤Aの代わりに硬化剤C:ジシアンジアミド(三菱化学株式会社:DICY7)を使用した以外は実施例1と同様にして、導電性接着剤組成物を調製し、3本ロール型混練機を使用して混練し、本発明の導電性接着剤組成物を得た。その後、この導電性接着剤組成物を用いて、アルミナ基板上に印刷し、上記の条件で体積抵抗率を測定した。また、銅基板上に印刷し、硬化させてから接着強度を測定した。また、本発明の導電性接着剤組成物をスクリーンによりアルミナ基板へ印刷し、塗布性を評価した。これらの結果を表2に併記した。
上記結果を示す表1、2から明らかなように、実施例1〜10の導電性接着剤組成物は、本発明の特定成分を特定量含むため導電性、接着性、塗布性、コストメリットのいずれも優れていることが分かる。なお、実施例2は、やや導電性が低いが、実用上問題の無いレベルである。実施例3、10はやや接着性が弱いが、実用上問題の無いレベルである。
Claims (7)
- 銀被覆金属粉末(A)、エポキシ樹脂化合物(B)、フェノール樹脂化合物(C)、硬化促進剤(D)を必須成分とする導電性接着剤であって、
銀被覆金属粉末(A)は、平均粒径が、1〜10μmの金属粒子表面に銀が被覆され、金属粒子と銀の合計量に対する銀の割合が0.5〜30重量%、かつタップ密度が3〜8g/cm3であり、また、エポキシ樹脂化合物(B)は、25℃での粘度が3Pa.s以下であり、
各成分の含有量は、銀被覆金属粉末(A)が、全量に対して70〜95重量%、フェノール樹脂化合物(C)が、エポキシ樹脂化合物(B)に対して10〜60重量部、また、硬化促進剤(D)がエポキシ樹脂化合物(B)に対して0.05〜5重量部であることを特徴とする導電性接着剤組成物。 - 前記の銀が被覆される金属粉末(A)は、比重が6以上の金属または合金であることを特徴とする請求項1に記載の導電性接着剤組成物。
- 前記エポキシ樹脂化合物(B)の含有量は、全量に対して2〜20重量%であることを特徴とする請求項1に記載の導電性接着剤組成物。
- 前記フェノール樹脂化合物(C)は、ノボラックフェノール樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の導電性接着剤組成物。
- 前記フェノール樹脂化合物(C)は、軟化点が50℃以上であることを特徴とする請求項1に記載の導電性接着剤組成物。
- 前記硬化促進剤(D)は、イミダゾール系化合物であることを特徴とする請求項1に記載の導電性接着剤組成物。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の導電性接着剤組成物を用いてなる電子素子。
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