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JP2013239318A - 発光ダイオード照明装置 - Google Patents

発光ダイオード照明装置 Download PDF

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JP2013239318A
JP2013239318A JP2012111099A JP2012111099A JP2013239318A JP 2013239318 A JP2013239318 A JP 2013239318A JP 2012111099 A JP2012111099 A JP 2012111099A JP 2012111099 A JP2012111099 A JP 2012111099A JP 2013239318 A JP2013239318 A JP 2013239318A
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Choichiro Okazaki
暢一郎 岡崎
Shin Imamura
伸 今村
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Hitachi Ltd
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Abstract

【課題】発光ダイオードと蛍光体からなる照明装置において、ぎらつきのない、かつ、発光効率の高い照明装置を実現する。
【解決手段】上記目的は、発光ダイオード13と、発光ダイオード13からの出射光を吸収して発光し、導光体機能を有する透明セラミック蛍光体8と、透明セラミック蛍光体8の周囲を覆う反射シート9をそなえ、透明セラミック蛍光体8は、発光ダイオード13から出射光が入射する入射面と光が出射する出射面を備え、透明セラミック蛍光体8は、光の入射面および出射面以外は反射シート9によって覆われていることを特徴とする発光ダイオード照明装置、によって実現することが出来る。
【選択図】図1

Description

本発明は、照明装置に関し、特に、青色発光ダイオードや紫外発光ダイオードと蛍光体を備えて構成された照明装置に適用して有効な技術に関するものである。
照明光源として蛍光灯が広く用いられているが、有害物質である水銀を用いていることや寿命が短いなどの短所がある。このため近年では、有害物質を用いていない、長寿命、発光効率が高いなどの特徴から白色LED(Light Emitting Diode)を用いた照明光源が使用されるようになってきている。白色LEDを用いた照明においてはこのほかにも次のような利点がある。
(1)直流駆動が可能であるため従来の交流駆動の蛍光灯で発生するちらつきが無く目に優しい。(2)LEDを用いた照明においては従来の蛍光灯に比べて紫外線の発生量が少なく、人体への影響が少なく、材料劣化を抑えることができる。(3)従来の蛍光灯でも用いられているガラスを使用しないため、万が一天井から落下しても危険が少ない。
このような特徴から、発光ダイオード(LED)を光源に用いて構成された発光素子は、家庭照明をはじめとする照明用や、液晶表示素子のバックライト用など、次世代の照明光源として注目され、近年盛んに研究と開発とが進められている。
LED発光素子を用いて白色光を得る方式としては、
(1)光の3原色である赤色(R:Red)、緑色(G:Green)、および青色(B:Blue)の3色の発光をそれぞれ実現する3種のLEDを組み合わせて白色光を得る方式、
(2)青色発光する青色LEDを励起源として使用し、黄色発光蛍光体や緑色、赤色等の発光蛍光体を励起することによって光源の青色光と蛍光体の発光色の混合により白色光を得る方式、
(3)410nmより短波長の近紫外領域に発光ピークを有する紫外(UV:Ultra Violet)発光LEDを励起源として使用し、赤発光蛍光体、緑発光蛍光体、および青発光蛍光体を励起することによって赤青緑3色の光を得、これらを混合させて、白色を得る方式、
の3つの方式が知られている。
図2には上記(2)の方式のLEDの構造を示す。青色LEDチップ1はワイヤ2によりリードフレーム3に接続されており、外部駆動回路よりリードフレーム3に電力を供給することにより青色LEDチップ1を点灯する。青色LEDチップ1は、ヒートシンク7に接着されており、発光時のチップ発熱を外部に逃がすことによりチップ温度の上昇を下げ、発光を安定化させている。
また、青色LEDチップ1は、蛍光体粒子6を混合した封止樹脂5により、ケース4内に封止されている。青色LEDチップからの青色光により蛍光体粒子6が励起され、黄色や赤、緑色等を発光する。これら蛍光体粒子6からの発光色と、青色LEDチップ1からの青色光が混合され、白色光がLEDより放射される。
本構造に用いられる蛍光体粒子6は、可視光に対して不透明であり、光を散乱させる。そのため、封止樹脂5内の蛍光体粒子6は、青色LEDチップ1からの青色光や隣接する蛍光体粒子からの発光を散乱させるため、青色LEDチップ1や蛍光体粒子6からの発光は散乱によるエネルギ損失を受けやすく、白色LEDとしての発光効率低下が避けられない。
本構造に対して、発光効率を向上する方法として、図3に示したような透明セラミック蛍光体を用いる方法が提案されている(特許文献1)。本発明では、透明性の高いセラミック蛍光体を用いるため光散乱が低減化されるため発光効率が向上する。
しかし、図2や図3に示した構造では、蛍光体粒子6または透明セラミック蛍光体8は青色LEDチップ1の近傍に配置されているため点灯時に高温となる青色LEDチップの熱の影響を受ける。一般的に蛍光体の発光強度は温度に依存し、周辺温度の上昇につれて発光強度は低下するとともに寿命特性も悪化する。
また、これらのLED発光素子からの光は、1mm程度以下の小さい面積をもつLEDチップから発光されるためスポット状発光であり、照明装置に用いた場合には光を直接覗き込むとギラギラ感を感ずる。
このギラギラ感を解消するため、導光体を利用した構造により出射面積を広げる工夫がなされる。図4に示したような導光体10を反射シート9で覆った構造や、さらに図5に示したように出射面に拡散シート12を配置する構造である。
白色LED11からの放射光は導光体に入射後、反射シート9と拡散シート12の間を、反射を繰り返して導光体10内を進行し、最終的に拡散シートより照明装置外に出射される。この場合でも、図2に示した構造の白色LEDを光源として用いられている。そのため、蛍光体粒子6は青色LEDチップ1の近傍に配置されているため点灯時に高温となる青色LEDチップの熱の影響を受ける。一般的に蛍光体の発光強度は温度に依存し、周辺温度の上昇につれて発光強度は低下するとともに寿命特性も悪化する。
特願2007−505871号公報
本発明の課題は、高発光効率LED照明の実現と、蛍光膜における光散乱低減および温度上昇による蛍光体の発光強度の低下を防ぐとともに、照明装置として用いた際のぎらぎら感低減などの照明の質の向上を実現することである。
上記課題を解決するため、少なくとも一種類の蛍光体として、透明セラミック蛍光体を用いることで、高輝度化とぎらぎら感の低減を実現した。蛍光体励起用の青色、近紫外または紫外線を発光するLEDからの光は本セラミック蛍光体の狭面から入射され、本セラミック蛍光体を導光しながら蛍光体を励起発光させる構造である。そのため点灯時に発熱しているLEDと透明セラミック蛍光体との近接部分が少ないため、熱による蛍光体の輝度低下を最低限に抑えることが可能となる。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。本発明による照明装置は、例えば図1に示すように、少なくとも蛍光体励起用LED13、透明セラミック蛍光体8、反射シート9から構成され、透明セラミック蛍光体8のもつ面のうち、LED光の入射面および白色光放出面以外の面が反射シートに覆われていることを特徴とする。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
青色、近紫外線または紫外線発光LEDを蛍光体励起光源として用い、本LEDの出射面に透明セラミック蛍光体が配置され、透明セラミック蛍光体のLED光入射面と、白色光出射面を除いた面には反射シートが配置されている。LEDからの励起光は透明セラミック蛍光体と反射シートの間を反射しながら進行し、透明セラミック蛍光体を励起して発光させる。特に青色発光LEDを用いた場合には、この蛍光体発光と蛍光体に吸収されずに外部に出射されるLEDからの青色光とが混合されることで白色光が実現される。
本構造では、従来の不透明な粉体蛍光体を用いず、透明なセラミック蛍光体を用いるため光の散乱低減効果により蛍光体の発光効率が向上する。また、透明セラミック蛍光体において、励起用LED光の入射面の面積(S)に対して、白色光出射面の面積(S)がS>Sとなっているためセラミック蛍光体とLEDとが近接する部分が少ないため、LEDからの熱の影響が少なく、温度上昇によるセラミック蛍光体の輝度低下を抑えることが可能となり、高効率な照明装置を実現することができる。
本発明の一実施の形態である照明装置の断面図である。 従来例による白色LEDの構造を説明する図である。 従来例による白色LEDを用いた照明装置の例を示す図である。 従来例による白色LEDを用いた照明装置の他の例を示す図である。 従来例による白色LEDを用いた照明装置のさらに他の例を示す図である。 本発明による透明セラミック蛍光体と反射シートからなる照明装置を示す斜視図である。 本発明による透明セラミック蛍光体と反射シート、拡散シートからなる照明装置を示す斜視図である。 本発明による蛍光体塗布反射シートからなる照明装置を示す斜視図である。 蛍光体塗布反射シートの構造を示す模式的な断面図である。 本発明による蛍光体塗布拡散シートからなる照明装置を示す斜視図である。 蛍光体塗布拡散シートの構造を示す模式的な断面図である。 本発明による透明セラミック蛍光体と導光体、反射シートからなる照明装置の断面図である。 本発明における他の照明装置の構造を示す斜視図である。 本発明におけるさらに他の照明装置の構造を示す斜視図である。 本発明におけるさらに他の照明装置の構造を示す斜視図である。 本発明における実施例で使用した照明装置の構造の一例を示す斜視図である。 Ra=70の際の発光スペクトルの一例を示す図である。 本実施例の一例と比較例における発光効率の比較を示す図である。 Ra=80の際の発光スペクトルの一例を示す図である。 本実施例の一例と比較例における発光効率の比較を示す図である。 本実施例の一例と比較例における発光効率の比較を示す図である。 本発明における他の実施例で使用した照明装置の構造の例を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。本実施の形態を説明するための全図において同一機能を有するものは原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
代表例として図6の構造について説明する。蛍光体励起源となるLEDとしては、GaN系,InGaN系、AlInGaN系等の青色、近紫外線や紫外線発光ダイオードなどを用いる。また、場合によっては凹面鏡構造を有した反射型LEDを用いることも可能である。必要に応じて蛍光体励起源LEDの表面にはレンズ構造を配置することも可能である。
透明セラミック蛍光体としては、Y12や(Y,Gd)(Al,Ga)12等の組成で示されるいわゆるYAG系材料を母体結晶とし、Ce、Yb,Nd,Tmを発光センターとする系やYや(Y,Gd)等の組成で示されるいわゆるイットリア系材料を母体結晶とし、Eu、Sc,Yb,Lu,Dy,Er,Tmを発光センタとする材料を用いることができる。
透明セラミック蛍光体は、公知の加圧焼成する透明セラミック蛍光体製造方法を用いて作製することが可能であり、原料としては、例えば酸化イットリウム、酸化ガドリニウム、酸化アルミニウム、酸化ガリウム、及び発光センターイオンを含む酸化物などを原料として用いることが可能である。発光センターの濃度は0.00005−0.1molが好ましい。なおこの際の濃度は、一例として示せば、(Y1−xCeAl12におけるxの値を表記したものである。
この透明セラミック蛍光体において、蛍光体励起用LED発光入射面と白色光放出面以外の面には反射シートが形成される、反射シートとしては、拡散反射を用いた白色PETフィルムや、銀蒸着膜を用いた鏡面反射型フィルムを用いることが可能であり、必要に応じて二酸化チタン等の白色粒子を含むインクをスクリーン印刷等の方法で形成することも可能である。
さらに図7のように必要に応じてセラミック蛍光体の白色発光面側に拡散シートを配置することもある。また、蛍光体励起用LEDと透明セラミックとの光結合のため、両者の間にマッチングオイルや透明樹脂を構成する場合もある。透明セラミック蛍光体において、蛍光体励起用LEDの熱による温度上昇に起因する発光強度低下を少なくするため、蛍光体励起用LED光の入射面の面積(S)に対して、白色光出射面の面積(S)がS<S であることが好ましい。
さらに白色光の色温度、演色性の向上のために他の色の蛍光体を組み合わせることも可能であり、この場合には通常の粒子状の蛍光体を用いた蛍光体を反射シートに形成する。
この際、図8および9に示したように反射シート表面に蛍光膜を形成したり、反射シート内部に蛍光体を分散させる。
使用する蛍光体としては、YAG:Ce(YAl12:Ce)の他、TbAl12:Ce、LuAl12:Ce、Ca(Si,Al)12(O,N)16:Eu,(Si,Al)(O,N):Eu、CaAlSiN3:Eu、CaS:Eu、SrS:Eu、ZnS:Cu、Al、SrGa:Eu、CaGa:Eu、(Sr,Ca,Ba)SiO:Eu、(Sr,Ca,Ba)SiO:Eu、CaSc:Ce,Ca3ScSi12:Ce、CaMgSi16Cl:Eu、SrAl:Euなどを用いることが可能である。照明装置の発光効率と演色性との設計値により、これら蛍光体を適宜混合して用いることも可能である。
さらに近紫外線や紫外線発光LEDを励起用LEDに用いる場合には、BaMgAl1017:Eu,Mn、BaMgAl1627:Eu,Mn、(MgCaSrBa)Si:Eu、LaS:Eu、(Ba,Sr)MgAl1017:Eu、(Ba,Sr,Ca,Mg)10(POCl:Eu、Sr(POCl:Eu、ZnS:Ag、ZnS:Ag,Alなど一般的な紫外励起用蛍光体を用いることもできる。
これら粒子状蛍光体をシリコーン樹脂、エポキシ樹脂等の透明樹脂内に分散した膜を反射シート上に形成する。蛍光体と熱硬化前のこれら透明樹脂との混合液を作製する。蛍光体の混合液に対する重量濃度が5〜50wt%となるように秤量し、脱泡攪拌器等を用いて均一な混合液を作製する。この蛍光体混合液をスクリーン印刷、バーコータ等を用いて反射シート部材表面に均一な膜として形成する。蛍光体は反射シート部材に均一に、または必要に応じてパターン形成する。蛍光膜厚さは、10〜200μm程度が好ましい。蛍光膜形成後、80〜150℃の温度で加熱して透明樹脂を固化させて蛍光膜を形成する。加熱温度、焼成プロファイルは、必要に応じて多段ステップとすることもある。蛍光膜作成時の蛍光体濃度、蛍光膜厚さは必要に応じて上記記載の値以外にも調整することが可能である。
また、拡散シートを配置する場合には、図10および11に示すように拡散シート表面に蛍光膜を形成したり、拡散シート内部に蛍光体を分散させる。使用する蛍光体は前記反射シートに塗布する蛍光体と同様である。蛍光体励起用LEDからの光は透明セラミック蛍光体の上下面で反射を繰り返し、透明セラミック蛍光体、反射シート塗布蛍光体、拡散シート塗布蛍光体を励起しながら進行し、一部の光線が導光体出射面側から白色光として放出される。
さらに、図12に示すように、セラミック蛍光体とは別に導光体を設けることも可能である。図12において、LED13からの光は導光体17の側面に入射し、導光体の下面から出射する。導光体の下面には透明セラミック蛍光体8が積層されており、この透明セラミック8を通過して、白色光が透明セラミック8の下面から出射する。
また、図13に示すように透明セラミック蛍光体の両側から光を入射させるように蛍光体励起用LEDを配置したり、図14,15の構造のように蛍光体励起用LEDを複数設置したりすることも可能である。図14および図15において、透明セラミック蛍光体へのLEDからの光の入射面および透明セラミック蛍光体の光の出射面を除いては、反射シート9によって覆われている。蛍光体励起用LEDに関しては青色LEDの他、近紫外線や紫外発光LEDなどを使えることは言うまでもない。
蛍光体として光散乱損失の少ない透明セラミック蛍光体を用いるため、従来の粒状蛍光体を用いる場合よりも高効率である。さらに高温になる蛍光体励起用LED光源と透明セラミック蛍光体とが近接する部分が少ないので、熱の影響の低減がはかれるため高発光効率を実現できる。
次に、本実施の形態に対応する実施例について説明する。
(比較例1)
LEDチップとしては、発光中心波長455nmの青色LEDチップを、蛍光体として黄色蛍光体であるYAG:Ce(YAl12:Ce)を用いて図2の白色LEDを作製した。
平均粒径20μmのYAG:Ce蛍光体を用い、シリコーン樹脂内に蛍光体重量比率が10〜40wt%になるように混合した。この混合物を真空脱泡攪拌器を用いて2000rpm、4分間混合した。本混合物をディスペンサを用いて青色LEDチップの構成されたケース内にポッティングして塗布を行い、150℃、2h加熱することにより蛍光膜を硬化させ、白色LEDを作製した。蛍光体重量比率を変化させ、白色光の平均演色評価数(Ra)が60〜80の白色LEDを作成した。本白色LEDを点灯させて平均演色評価数(Ra)と発光効率(lm/W)の測定を行った。
(比較例2)
比較例1において、黄色蛍光体であるYAG:Ce(YAl12:Ce)と赤色蛍光体であるCASN(CaAlSiN:Eu)を混合したものを用い、実施例1に示した方法で白色LEDを作成した。
黄色蛍光体と赤色蛍光体の混合比率および蛍光体のシリコーン樹脂に対する重量比率を変化させ、白色光の平均演色評価数(Ra)が70〜90の白色LEDを作成した。本白色LEDを点灯させて平均演色評価数(Ra)と発光効率(lm/W)の測定を行った。
(比較例3)
公知の透明セラミック蛍光体製造方法を用いて、YAl12:Ce組成からなる透明セラミック蛍光体を作製した。この透明セラミック蛍光体をシリコーン樹脂をもちいて青色LEDチップ近傍に仮接着した後、150℃、2h加熱することによりシリコーン樹脂を硬化させ、図3に示した構造の白色LEDを作製した
この際、Ce濃度の異なるYAl12:Ceを作製し、白色光の平均演色評価数(Ra)が60〜80の白色LEDを作成した。本白色LEDを点灯させて平均演色評価数(Ra)と発光効率(lm/W)の測定を行った。
(比較例4)
比較例1において、LEDとして発光中心波長365nmの紫外発光LEDチップを、蛍光体として黄色蛍光体であるYAG:Ce(YAl12:Ce)、赤色蛍光体であるY:Euを用いて図2の白色LEDを作製した。
YAG:Ce蛍光体としては平均粒径20μmの粒状蛍光体を、またY:Euとしては平均粒子径15μmの粒状蛍光体を用いて混合し、この混合物をシリコーン樹脂内に蛍光体重量比率が10〜40wt%になるように混合した。この混合物を真空脱泡攪拌器を用いて2000rpm、4分間混合した。
本混合物をディスペンサを用いて青色LEDの構成されたケース内にポッティングして塗布を行い、150℃、2h加熱することにより蛍光膜を硬化させ、白色LEDを作製した。蛍光体重量比率を変化させ、白色光の平均演色評価数(Ra)が70〜90の白色LEDを作成した。本白色LEDを点灯させて平均演色評価数(Ra)と発光効率(lm/W)の測定を行った。
(実施例1)
以下の手順により図16に示した白色LED照明装置を作製した。蛍光体励起用青色LEDとして、発光中心波長455nmのLEDを用いた。公知の透明セラミック蛍光体製造方法を用いて、透明セラミック蛍光体(Y3−xAl12:Ce(0.00005≦x≦0.1))19を作製し、シリコーン樹脂を用いて蛍光体励起用LEDと透明セラミック蛍光体との加熱接着を行った。さらに透明セラミック蛍光体の青色LED接着面および白色光放射面以外の面を白色PET反射シート20で覆うことで白色LED照明装置とした。透明セラミック蛍光体19において、蛍光体励起LED光の入射面の面積(S)に対して、白色光出射面の面積(S)がS/S=5とした。
比較例1および3と同じ投入電力により本白色LED照明装置を点灯させて白色発光の平均演色評価数(Ra)と発光効率(lm/W)の測定を行った。YAG:Ce蛍光体のCe濃度を調整することで比較例1と同じ発光スペクトル(同じRa)になるように調整した。一例としてRa=70の際の発光スペクトルを図17に示した。同じRaにおける発光効率を比較例1,3と比較した結果を図18に示す。本発明の一例である実施例1により、発光効率の向上が実現できた。また、白色光は発光面内での発光強度は均一であり、ぎらぎら感のない質の良い発光であった。
(実施例2)
実施例1において、反射シート表面に赤色蛍光体CASN(CaAlSiN3:Eu)を塗布したものを用いて、白色LED光源を作製した。平均粒径15μmのCASN蛍光体を用い、シリコーン樹脂内に蛍光体重量比率が10〜40wt%になるように混合した。この混合物を真空脱泡攪拌器を用いて2000rpm、4分間混合した。本混合物をスクリーン印刷機を用いて、反射シート20(白色PETフィルム)上に印刷塗布を行い、10〜50μm厚さの蛍光膜を形成し、150℃、2h加熱することにより蛍光膜を硬化させた。この蛍光膜塗布反射シートを用いて図16の構造とし、白色LED照明構造を作製した。黄色蛍光体におけるCe濃度や赤色蛍光体のシリコーン樹脂に対する重量比率や膜厚を変化させ、白色光の平均演色評価数(Ra)が70〜90の白色LED照明装置を作成した。
白色LED照明装置を点灯させて平均演色評価数(Ra)と発光効率(lm/W)の測定を行った。YAG:Ce蛍光体のCe濃度およびCASN蛍光体のシリコーン樹脂に対する濃度、CASN蛍光体膜の膜厚を調整することで比較例1と同じ発光スペクトル(同じRa)になるように調整した。一例としてRa=80の際の発光スペクトルを図19に示した。同じRaにおける発光効率を比較例2と比較した結果を図20に示す。本発明の一例である本実施例により、発光効率の向上が実現できた。白色光は発光面内の発光強度は均一であり、ぎらぎら感のない発光であった。
(実施例3)
以下の手順により図16に示した白色LED光源を作製した。蛍光体励起用青色LED18として、発光中心波長 365nmのLEDを用いた。公知の透明セラミック蛍光体製造方法を用いて、透明セラミック蛍光体(Y3−x:Eu(0.00005≦x≦0.1)19を作製し、透明セラミック蛍光体19の一つの面に前記LED18を透明シリコーン樹脂を用いて加熱接着を行った。
次に、黄色蛍光体である平均粒径20μmのYAG:Ce蛍光体を用い、シリコーン樹脂内に蛍光体重量比率が10〜40wt%になるように混合した。この混合物を真空脱泡攪拌器を用いて2000rpm、4分間混合した。本混合物をスクリーン印刷機を用いて、反射シート(白色PETフィルム)20上に印刷塗布を行い、10〜50μm厚さの蛍光膜を形成し、150℃、2h加熱することにより蛍光膜を硬化させた。
透明セラミック蛍光体19のLED18との接着面および白色光放射面以外の面を蛍光体塗布反射シートで覆うことで図16の構造とし、白色LED照明構造を作製した。透明セラミック蛍光体19での赤色蛍光体におけるEu濃度や黄色蛍光体のシリコーン樹脂に対する重量比率や膜厚を変化させ、白色光の平均演色評価数(Ra)が70〜90の白色LED照明装置を作成した。透明セラミック蛍光体において、蛍光体励起LED光の入射面の面積(S)に対して、白色光出射面の面積(S)がS/S=10とした。
本白色LED照明装置を点灯させて平均演色評価数(Ra)と発光効率(lm/W)の測定を行った。Y:Eu蛍光体のEu濃度およびYAG蛍光体のシリコーン樹脂に対する濃度、YAG蛍光体膜の膜厚を調整することで比較例4と同じ発光スペクトル(同じRa)になるように調整した。同じRaにおける発光効率を比較例4と比較した結果を図21に示す。本発明の一例である本実施例により、発光効率の向上が実現できた。
(実施例4)
実施例1で用いたYAG:Ce透明セラミック蛍光体19と導光体20を重ね合わせたものを用いて、図22の構造の白色LED照明装置を作成した。図22において、青色LED18からの光は導光体17の側面に入射し、導光体17の下面から透明セラミック蛍光体19に入射し、透明セラミック蛍光体19の下面から白色光が出射する。図22において、反射シートには、白色PET反射シート20を用いた。
比較例1および3と同じ投入電力によりLEDを点灯させて白色発光の平均演色評価数(Ra)と発光効率(lm/W)の測定を行った。本実施例4の発光効率は実施例1とほぼ同等の発光効率が得られ、比較例1および3と比べて発光効率向上が得られた。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態および実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
本発明の発光素子は、信号灯、ディスプレイ装置のバックライト、および各種照明として広く適用することができる。
1 青色LEDチップ
2 ワイヤ
3 リードフレーム
4 ケース
5 封止樹脂
6 蛍光体粒子
7 ヒートシンク
8 透明セラミック蛍光体
9 反射シート
10 導光体
11 白色LED
12 拡散シート
13 蛍光体励起用LED
14 蛍光体塗布反射シート
15 蛍光膜
16 蛍光体塗布拡散シート
17 導光体
18 青色LED
19 YAG:Ce 透明セラミック蛍光体
20 白色PET反射シート

Claims (10)

  1. 発光ダイオードと、前記発光ダイオードからの出射光を吸収して発光し、導光体機能を有する透明セラミック蛍光体と、前記透明セラミック蛍光体の周囲を覆う反射シートを備え、
    前記透明セラミック蛍光体は、前記発光ダイオードから出射光が入射する入射面と、前記透明セラミック蛍光体から光が出射する出射面を備え、
    前記透明セラミック蛍光体は、前記入射面および前記出射面以外は前記反射シートによって覆われていることを特徴とする発光ダイオード照明装置。
  2. 発光ダイオードからの出射光が入射する入射面を有する導光体と、前記導光体からの出射光で励起されて発光する透明セラミック蛍光体とが積層体を構成して配置し、
    前記導光体と前記透明セラミック蛍光体の積層体は、前記発光ダイオードからの入射面と、前記透明セラミック蛍光体からの光の出射面を除いて、前記反射シートによって覆われていることを特徴とする発光ダイオード照明装置。
  3. 請求項1又は2において、前記透明セラミック蛍光体からの前記出射面に拡散シートを配置することを特徴とする発光ダイオード照明装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、前記反射シート内部に粒子状蛍光体が混合されている、または、前記反射シート表面に粒子状蛍光体からなる蛍光膜が形成されていることを特徴とする発光ダイオード照明装置。
  5. 請求項3において、前記拡散シート内部に粒子状蛍光体が混合されている、または、拡散シート表面に粒子状蛍光体からなる蛍光膜が形成されていることを特徴とする発光ダイオード照明装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかにおいて透明セラミック蛍光体が、Y3−xAl12:Ce(0.00005≦x≦0.1)を主成分とすることを特徴とする発光ダイオード照明装置。
  7. 請求項1乃至5のいずれかにおいて前記透明セラミック蛍光体が、Y2−x3:Eu(0.00005≦x≦0.1)を主成分とすることを特徴とする発光ダイオード照明装置。
  8. 請求項4または5において、前記粒子状蛍光体が、CaAlSiN3:Euを主成分とすることを特徴とする発光ダイオード照明装置。
  9. 請求項1乃至5のいずれかにおいて前記発光ダイオードが青色または、近紫外線または紫外線を発光することを特徴とする発光ダイオード照明装置。
  10. 請求項1乃至5のいずれかにおいて前記透明セラミック蛍光体において、蛍光体を励起する発光ダイオード光の入射面の面積(S)に対して、白色光出射面の面積(S)がS/S≧5であることを特徴とする発光ダイオード照明装置。
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