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JP2013258008A - 絶縁電線及びそれを用いたコイル - Google Patents

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祐樹 本田
Takami Ushiwata
剛真 牛渡
shuta Nabeshima
秀太 鍋島
Hideyuki Kikuchi
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Abstract

【課題】高温での連続使用に耐え、コイル成型時のコイル挿入による被覆表面の傷を抑制可能な絶縁電線及びそれを用いたコイルを提供する。
【解決手段】導体11と、導体11に設けられ、下記式(1)で表される構造単位からなると共に式(1)のArが芳香族基を主として含むポリアミドイミドで構成されるポリアミドイミド層12を有する絶縁被覆13と、を備えた絶縁電線10である。

【選択図】図1

Description

本発明は、脂肪族を含有しないポリアミドイミドで構成されたポリアミドイミド層を備える絶縁電線及びそれを用いたコイルに関する。
近年、電気機器の小型化や高性能化に伴い、種々用途のモータ用巻線が開発されている。
例えば、インバータモータでは使用環境によっては高温での連続使用が想定されるため、インバータモータに供されるモータ用巻線としては耐熱性の高いものが求められる。
そこで、高温での連続使用に耐えるモータ用巻線として、ポリイミドで構成された絶縁層を備えるエナメル線(以下、絶縁電線と称する)が上市されている。この絶縁電線は、長期の高温熱劣化後も高い可撓性と絶縁破壊特性とを維持することから、広くモータ用巻線の用途に使用されている。
一方、コイル成型時には、モータ用巻線で形成されたコイルをスロット内に挿入する作業(以下、コイル挿入と称する)が必要となるが、このコイル挿入によって絶縁層の表面(以下、被覆表面と称する)に傷が発生することがあるため、これを抑制することが求められる。
耐摩耗性に優れており、コイル成型時にコイル挿入による被覆表面の傷が発生しにくく、十分な加工性を有するモータ用巻線としては、トリメリット酸無水物とジシクロヘキシルメタン4,4’−ジイソシアネートとから合成されるポリアミドイミドで構成された絶縁層を備える絶縁電線がある。
絶縁層を構成するポリアミドイミドとしては、モノマーとして3つ以上のベンゼン環を有する芳香族ジイソシアネート成分を含有し、繰り返し単位当たりの分子量とアミド基及びイミド基の平均個数との比率が200以上であるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このポリアミドイミドで絶縁層を構成することで、絶縁層の誘電率を低下させて部分放電開始電圧を向上させることができる。
また、芳香族トリカルボン酸無水物と2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)又はビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン(BAPS)とをその比率が100:50〜100:80の酸成分過剰の状態で反応させた後、ジイソシアネートを反応させる2段階反応により製造したポリアミドイミドがある(例えば、特許文献2参照)。このポリアミドイミドで絶縁層を構成することで、絶縁層の耐熱性や機械特性を向上させることができる。
他にも、ジアミン化合物と無水トリメリット酸とを反応させて得られるイミド基含有ジカルボン酸にジイソシアネートを反応させる際に、ジアミン化合物として、2つの芳香環を有するジアミンであって、1の芳香環に対する他の芳香環の回転が阻害されるように、2の芳香環が結合している芳香族ジアミンを含有させて製造したポリアミドイミドがある(例えば、特許文献3参照)。このポリアミドイミドで絶縁層を構成することで、絶縁層の耐熱性を向上させることができる。
更に、芳香族ジカルボン酸及び非芳香族ジカルボン酸からなる群のいずれかの種類である第1のジカルボン酸と第1のジイソシアネート化合物とを反応させて重合体を得た後、上記群のうち第1のジカルボン酸と異なる種類である第2のジカルボン酸と、第2のジイソシアネート化合物と、その重合体とを反応させて製造したポリアミドイミドがある(例えば、特許文献4参照)。このポリアミドイミドで絶縁層を構成することで、絶縁層の耐熱性を向上させることができる。
特許第4473916号公報 特開平3−181511号公報 特開2004−211055号公報 特開2005−146118号公報
ポリイミドで構成された絶縁層を備える絶縁電線は耐摩耗性に乏しいため、コイル成型時にコイル挿入による被覆表面に傷が発生しやすく、十分な加工性を有するとは言い難い。
一方、トリメリット酸無水物とジシクロヘキシルメタン4,4’−ジイソシアネートとから合成されるポリアミドイミドで構成された絶縁層を備える絶縁電線は、絶縁層を構成するポリアミドイミド中に脂肪族が含有されているため、高温での連続使用に耐えることは困難であるという問題があった。
そこで、本発明の目的は、高温での連続使用に耐え、コイル成型時のコイル挿入による被覆表面の傷を抑制可能な絶縁電線及びそれを用いたコイルを提供することにある。
この目的を達成するために創案された本発明は、導体と、前記導体に設けられ、下記式(1)で表される構造単位からなると共に前記式(1)のArが下記式(2)で表される芳香族基を主として含むポリアミドイミドで構成されるポリアミドイミド層を有する絶縁被覆と、を備えた絶縁電線である。
前記ポリアミドイミド層は、前記Arとして、前記式(2)で表される芳香族基が70モル%よりも多い割合で含まれるポリアミドイミドで構成されると良い。
前記ポリアミドイミド層は、前記Arとして、下記式(3)で表される芳香族基、下記式(4)で表される芳香族基のうちいずれか1種類以上を更に含むと良い。
前記絶縁被覆は、前記導体の外周に形成された第1の絶縁層と、前記第1の絶縁層の外周に形成された前記ポリアミドイミド層からなる第2の絶縁層と、を有すると良い。
前記第1の絶縁層は、密着向上剤が添加されていると良い。
また、本発明は、前記絶縁電線を用いて形成されたコイルである。
本発明によれば、高温での連続使用に耐え、コイル成型時のコイル挿入による被覆表面の傷を抑制可能な絶縁電線及びそれを用いたコイルを提供することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る絶縁電線を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る絶縁電線を示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る絶縁電線を示す断面図である。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
図1に示すように、第1の実施の形態に係る絶縁電線10は、導体11と、導体11に設けられ、下記式(1)で表される構造単位からなると共に式(1)のArが下記式(2)で表される芳香族基を主として含むポリアミドイミドで構成されるポリアミドイミド層12を有する絶縁被覆13と、を備えたものである。
ポリアミドイミド層12は、Arとして、式(2)で表される芳香族基が70モル%よりも多い割合で含まれるポリアミドイミドで構成されることが好ましい。
また、ポリアミドイミド層12は、Arとして、下記式(3)で表される芳香族基、下記式(4)で表される芳香族基のうちいずれか1種類以上を更に含むことが好ましい。
式(1)で表される構造単位からなると共に式(1)のArが式(2)の芳香族基であるか、又はこれと式(3)、式(4)の芳香族基を併用したポリアミドイミドは、例えば、トリメリット酸無水物と脂肪族を含有しない二価の芳香族ジアミンとを反応させて、カルボン酸末端のイミド化合物を合成した後、2,4−ジイソシアン酸トリレンを反応させて合成される。
脂肪族を含有しない二価の芳香族ジアミンとして、特に好適には、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−Q)、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−R)、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(APB)、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル(BAPB)、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル(m−BAPB)等のジアミンが挙げられる。
これまで説明した絶縁電線10を鉄心等に巻回すると、コイルを形成することができる。
このように絶縁電線10は、式(1)で表される構造単位からなると共に式(1)のArが式(2)で表される芳香族基であるポリアミドイミドで構成されたポリアミドイミド層12を備えている。
式(2)から合成されるポリアミドイミドは、脂肪族が含有されていないため、高温での連続使用に耐えることができると共に、本来、ポリアミドイミドが有する耐摩耗性により、コイル成型時にコイル挿入による被覆表面の傷の発生を抑制することができる。
また、式(2)が式(1)のAr中に70モル%よりも多く、100モル%以下の範囲で含有されていることにより、ガラス転移温度を高い水準(高い温度)に維持できるため、高温時の寸法安定性や軟化温度の低下を生じさせにくくすることができ、また、長期劣化後の可撓性や長期熱劣化後の絶縁破壊電圧の低下を生じさせにくくすることができる。
更に、式(3)、式(4)を式(2)と併用した場合、ポリアミドイミド樹脂の分子構造におけるイミド基の濃度が低下して極性が低減するため、吸水率が低下し、吸水起因による絶縁破壊などの発生を抑制することができる。
従って、このようなポリアミドイミドで構成されたポリアミドイミド層12を備える絶縁電線10は、高温での連続使用に耐え、コイル成型時のコイル挿入による被覆表面の傷を抑制可能である。
次に、第2の実施の形態を説明する。
図2に示すように、第2の実施の形態に係る絶縁電線20においては、絶縁被覆13は、導体11の外周に形成された第1の絶縁層14と、第1の絶縁層14の外周に形成されたポリアミドイミド層12からなる第2の絶縁層15と、を有する点が絶縁電線10と比べて異なっている。
第1の絶縁層14は、密着向上剤が添加されていることが好ましい。例えば、第1の絶縁層14が、導体11との密着性を向上させるための密着向上剤が添加されたポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、又はエポキシのいずれかで構成されることで、導体11と絶縁被覆13とが剥離しにくくなり、これに起因する部分放電の発生を抑制することができる。
特に、第1の絶縁層14をポリアミドイミドで構成する場合は、第2の絶縁層15を構成するポリアミドイミドと同じポリアミドイミドに密着向上剤を添加したもので構成しても良い。これは、第1の絶縁層14と第2の絶縁層15との各層を構成する樹脂の化学構造(分子構造)が大きく異なる場合、絶縁層の密着性の評価において層間剥離が発生する可能性があるが、第1の絶縁層14と第2の絶縁層15との各層を構成する樹脂の化学構造が類似した構造であるため層間剥離が発生することを防止できるからである。また、第1の絶縁層14の吸水率が低くなるため、第1の絶縁層14の吸水による導体11との密着性の低下を抑制することができるからである。
もちろん、絶縁電線20によれば、第1の実施の形態に係る絶縁電線10と同様に、高温での連続使用に耐え、コイル成型時のコイル挿入による被覆表面の傷を抑制可能である。
次に、第3の実施の形態を説明する。
図3に示すように、第3の実施の形態に係る絶縁電線30は、第2の実施の形態に係る絶縁電線20の外周に更に潤滑層16を備えたものである。
潤滑層16は、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド等の樹脂に潤滑剤を添加したもので構成される。
また、潤滑層16は、カルナバロウ等を主成分とする潤滑剤を第2の絶縁層15の被覆上に塗布して構成されたものでも良い。
このように、第3の実施の形態に係る絶縁電線30によれば、第2の絶縁層15の外周に形成された潤滑層16を更に備えることで、コイル成型時のコイル挿入による摩擦が低減され、被覆表面傷の発生をより抑制できる。
もちろん、絶縁電線30によれば、第1及び第2の実施の形態に係る絶縁電線10と同様に、高温での連続使用に耐え、コイル成型時のコイル挿入による被覆表面の傷を抑制可能である。
次に、本発明の実施例、及び比較例を説明する。
ここでは、第1の絶縁層や第2の絶縁層の構成を変えて絶縁電線を作製し、これら絶縁電線の耐摩耗性(往復摩耗)、長期熱劣化後の可撓性、及び長期熱劣化後の絶縁破壊電圧を調査した。
先ず、実施例、及び比較例における絶縁電線の作製方法を説明する。
(実施例1)
攪拌機、還流冷却管、窒素流入管、及び温度計を備える反応装置により、トリメリット酸無水物及び4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを、トリメリット酸無水物が4,4’−ジアミノジフェニルエーテルの2倍モル量となるように配合し、N−メチル−2−ピロリドン及びキシレンを添加した後、攪拌回転数180rpm、窒素流量1L/min、系内温度180℃で4時間反応させた。脱水反応中に生成される水及びキシレンは、一旦、受け器に溜め、適宜系外へ留去した。90℃まで冷却した後、2,4−ジイソシアン酸トリレンを配合し、攪拌回転数150rpm、窒素流量0.1L/min、系内温度130℃で1時間反応させた。その後、N−メチル−2−ピロリドンを添加し、ポリアミドイミド塗料Aを作製した。
銅導体上に、後述する実施例4で作製したポリイミド塗料Aを塗布、焼き付けして、膜厚0.002mmの第1の絶縁層を形成した後、更にポリアミドイミド塗料Aを塗布、焼き付けして、膜厚0.038mmのポリアミドイミド層からなる第2の絶縁層を形成することで、合計膜厚0.040mmの絶縁被覆を有する実施例1の絶縁電線を得た。
(実施例2)
攪拌機、還流冷却管、窒素流入管、及び温度計を備える反応装置により、トリメリット酸無水物及び1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−R)及び4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)を、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−R)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)のモル比が25/75モル%であって、かつトリメリット酸無水物が1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−R)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)の合計モル量の2倍モル量となるように配合し、N−メチル−2−ピロリドン及びキシレンを添加した後、攪拌回転数180rpm、窒素流量1L/min、系内温度180℃で4時間反応させた。脱水反応中に生成される水及びキシレンは、一旦、受け器に溜め、適宜系外へ留去した。90℃まで冷却した後、2,4−ジイソシアン酸トリレンを配合し、攪拌回転数150rpm、窒素流量0.1L/min、系内温度130℃で1時間反応させた。その後、N−メチル−2−ピロリドンを添加し、ポリアミドイミド塗料Bを作製した。
銅導体上に、ポリアミドイミド塗料Bを塗布、焼き付けして膜厚0.040mmのポリアミドイミド層からなる絶縁被覆を有する実施例2の絶縁電線を得た。
(実施例3)
攪拌機、還流冷却管、窒素流入管、及び温度計を備える反応装置により、トリメリット酸無水物及び4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル(BAPB)及び4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)を、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル(BAPB)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)のモル比が25/75モル%であって、かつトリメリット酸無水物が4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル(BAPB)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)の合計モル量の2倍モル量となるように配合し、N−メチル−2−ピロリドン及びキシレンを添加した後、攪拌回転数180rpm、窒素流量1L/min、系内温度180℃で4時間反応させた。脱水反応中に生成される水及びキシレンは、一旦、受け器に溜め、適宜系外へ留去した。90℃まで冷却した後、2,4−ジイソシアン酸トリレンを配合し、攪拌回転数150rpm、窒素流量0.1L/min、系内温度130℃で1時間反応させた。その後、N−メチル−2−ピロリドンを添加し、ポリアミドイミド塗料Cを作製した。
銅導体上に、ポリアミドイミド塗料Cを塗布、焼き付けして膜厚0.040mmのポリアミドイミド層からなる絶縁被覆を有する実施例3の絶縁電線を得た。
(実施例4)
攪拌機、還流冷却管、窒素流入管、及び温度計を備える反応装置に、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを投入し、N−メチル−2−ピロリドンを添加した後、攪拌回転数180rpm、窒素流量1L/minで溶解させ、次いで、ピロメリット酸無水物を投入し、攪拌回転数180rpm、窒素流量1L/min、系内温度を室温として6時間反応させ、ポリイミド塗料Aを作製した。
銅導体上に、ポリイミド塗料Aを塗布、焼き付けして、膜厚0.002mmの第1の絶縁層を形成した後、更にポリアミドイミド塗料Aの塗布、焼き付けを繰り返して、膜厚0.038mmのポリアミドイミド層からなる第2の絶縁層を形成することで、合計膜厚0.040mmの絶縁被覆を有する実施例4の絶縁電線を得た。
(比較例1)
攪拌機、還流冷却管、窒素流入管、及び温度計を備える反応装置により、トリメリット酸無水物及びジシクロヘキシルメタン4,4’−ジイソシアネートを等モル量となるよう配合し、N−メチル−2−ピロリドン及びN,N−ジメチルホルムアミドを添加した後、攪拌回転数180rpm、窒素流量1L/min、系内温度120℃で1時間反応させ、ポリアミドイミド塗料Dを作製した。
銅導体上にポリアミドイミド塗料Dを塗布、焼き付けして、膜厚0.040mmの絶縁被覆を有する比較例1の絶縁電線を得た。
(比較例2)
銅導体上に、ポリイミド塗料Aを塗布、焼き付けして、膜厚0.040mmの絶縁被覆を有する比較例2の絶縁電線を得た。
(比較例3)
攪拌機、還流冷却管、窒素流入管、及び温度計を備える反応装置により、トリメリット酸無水物及び4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを、トリメリット酸無水物が4,4’−ジアミノジフェニルエーテルの2倍モル量となるように配合し、N−メチル−2−ピロリドン及びキシレンを添加した後、攪拌回転数180rpm、窒素流量1L/min、系内温度180℃で4時間反応させた。脱水反応中に生成される水及びキシレンは、一旦、受け器に溜め、適宜系外へ留去した。90℃まで冷却した後、ジシクロヘキシルメタン4,4’−ジイソシアネートを配合し、攪拌回転数150rpm、窒素流量0.1L/min、系内温度130℃で1時間反応させた。その後、N−メチル−2−ピロリドンを添加し、ポリアミドイミド塗料Eを作製した。
銅導体上に、ポリイミド塗料Eを塗布、焼き付けして、膜厚0.040mmの絶縁被覆を有する比較例3の絶縁電線を得た。
次に、耐摩耗性(往復摩耗)、長期熱劣化後の可撓性、及び長期熱劣化後の絶縁破壊電圧の調査方法を説明する。
(耐摩耗性(往復摩耗))
実施例、及び比較例で作製した絶縁電線をそれぞれ120mmに切り出し、片側末端の絶縁層をアビソフィックス装置にて削った後、これを東英工業(株)社製の摩耗試験機TS−4に取り付け、更に絶縁層を削った片側末端にワニ口クリップで電極を取り付けた。その後、絶縁層の表面に針金を当て、その針金に5.9N(0.6kgf)の荷重を掛けながら、振幅20mmの往復摩耗を行い、往復摩耗により絶縁層が摩耗し、針金が導体に接触して電気が導通したときの往復回数を往復摩耗回数とした。
(長期熱劣化後の可撓性)
260℃に設定した恒温槽内に実施例、及び比較例で作製した絶縁電線をそれぞれ投入し、1000時間経過後、表面が滑らかで、絶縁電線の導体径の1〜10倍の外径を有する丸棒(巻き付け棒)に5巻分を1コイルとして、5コイル分巻き付けた。この巻き付け時に、絶縁層に亀裂発生が見られない最小の巻き付け棒の外径を絶縁電線の導体径dの倍数で表し、これを可撓性の指標とした。
(長期熱劣化後の絶縁破壊電圧)
実施例、及び比較例で作製した絶縁電線をそれぞれ500mmに切り出し、これらの中央部に14.7N(1.5kgf)の荷重を掛け、120mmの範囲に9回撚り部を有するツイストペアの絶縁電線試料をそれぞれ作製した。そして、これら絶縁電線試料の絶縁層をアビソフィックス装置にて削った。
その後、260℃に設定した恒温槽内に絶縁層を削った絶縁電線試料をそれぞれ投入し、1000時間経過後、これら絶縁電線試料の端末処理部をパルス電子技術(株)社製の交流絶縁破壊電圧試験装置BDV−20K50Kに接続し、空気中で電圧0Vから20.0kVまで昇圧し、絶縁層が破壊した電圧を絶縁破壊電圧とした。
これらの調査結果を纏めて表1に示す。
表1を見ると、実施例1〜4では、トリメリット酸無水物と脂肪族を含有しない二価の芳香族ジアミンとを反応させて、カルボン酸末端のイミド化合物を合成した後、2,4−ジイソシアン酸トリレンを反応させて合成されるポリアミドイミド塗料A、B、Cを用いて第2の絶縁層を形成しているため、長期熱劣化後の可撓性や絶縁破壊電圧に優れており、高温での連続使用に耐えることができると共に、本来、ポリアミドイミドが有する耐摩耗性により、コイル成型時にコイル挿入による被覆表面の傷の発生を抑制することができることが分かる。
これに対し、比較例1、3では、脂肪族を含有するポリアミドイミド塗料D、Eを用いて第2の絶縁層を形成しているため、耐摩耗性に優れるものの、耐熱性に乏しいというポリアミドイミドの特性により、実施例1〜4に比べて長期熱劣化後の可撓性や絶縁破壊電圧が劣っている。
また比較例2では、ポリイミド塗料Aを用いて絶縁被覆を形成しているため、長期熱劣化後の可撓性や絶縁破壊電圧に優れるものの、耐摩耗性に乏しいというポリイミドの特性により、実施例1〜4に比べてコイル成型時にコイル挿入による被覆表面の傷が発生しやすい。
これらの結果から、本発明に係る絶縁電線は、高温での連続使用に耐え、コイル成型時のコイル挿入による被覆表面の傷を抑制可能であることが分かる。
10、20、30 絶縁電線
11 導体
12 ポリアミドイミド層
13 絶縁被覆
14 第1の絶縁層
15 第2の絶縁層
16 潤滑層

Claims (6)

  1. 導体と、
    前記導体に設けられ、下記式(1)で表される構造単位からなると共に前記式(1)のArが下記式(2)で表される芳香族基を主として含むポリアミドイミドで構成されるポリアミドイミド層を有する絶縁被覆と、
    を備えた絶縁電線。
  2. 前記ポリアミドイミド層は、前記Arとして、前記式(2)で表される芳香族基が70モル%よりも多い割合で含まれるポリアミドイミドで構成される、請求項1に記載の絶縁電線。
  3. 前記ポリアミドイミド層は、前記Arとして、下記式(3)で表される芳香族基、下記式(4)で表される芳香族基のうちいずれか1種類以上を更に含む、請求項1又は2に記載の絶縁電線。
  4. 前記絶縁被覆は、前記導体の外周に形成された第1の絶縁層と、
    前記第1の絶縁層の外周に形成された前記ポリアミドイミド層からなる第2の絶縁層と、
    を有する請求項1〜3のいずれかに記載の絶縁電線。
  5. 前記第1の絶縁層は、密着向上剤が添加されている請求項4に記載の絶縁電線。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の絶縁電線を用いて形成されたコイル。
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