JP2013256202A - 車両のスライドドア構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ドア開口部を上下に仕切るピラー9下部はサイドシル4に連結され、サイドシル4のピラー9との連結部においてサイドシル4内部に車外側から凸入するように設けられ、内部にサイドドア3を前後方向に摺動案内するレール部材17が設けられたレールボックス30を備え、サイドドア3がドア開口部を閉塞した時、ピラー9よりもサイドドア3が車外側に位置し、サイドドア3に設けられ、サイドドア3が閉塞状態の時、サイドシル4の車外側部位でピラー9との連結部において、レールボックス30の車幅方向外側からサイドシル4と重複するように位置し、かつ側突時にサイドドア3の変形に伴い上方からサイドシル4に当接するブラケット40を設けたことを特徴とする。
【選択図】図5
Description
上述のスライドレールは、ルーフレールに沿うアッパレールと、ベルトラインまたは該ベルトラインよりも若干下方位置に沿うセンタレールと、サイドシルに沿うロアレールとの合計3本を有するのが一般的である。
図12において、98はインナパネル98aとアウタパネル98bとを備えたスライドドア、99はレール部材としてのロアレール100を備えたレールボックスである。また、図中101は側突実験用のバリアである。
すなわち、この従来構造においては、スライドドアに加わる側突エネルギが大きいと、サイドシルがキャッチャピン取付け部をきっかけとして上方に折れ曲がるように変形することになる。よって、斯る構成を、ロードパス機能のためにピラーを備えた車両に適用すると、サイドシルの折れ曲がり、延いてはピラーの折れ曲がりを誘発しやすく、ピラーによるロードパス機能が逆に発揮しにくくなる問題点があった。
上述のピラーは、センタピラーに設定してもよい。
上記構成によれば、上述のブラケットによるサイドシルの回転抑制により、上記連結部から連なるクロスメンバには折れモーメントが加わらないので、該クロスメンバのロードパス機能(荷重伝達機能)が確実に発揮される。
上記構成によれば、側突時にブラケットがサイドシル上面に上方から当接するので、該ブラケットにより確実にサイドシルの上方への回転を抑制することができる。
上記構成によれば、側突時にブラケットがサイドシル内に設けられたレールボックスの底面に上方から当接するので、該ブラケットでレールボックス底面を介してサイドシルの上方への回転を確実に抑制することができる。
図面は車両のスライドドア構造を示し、図1はスライドドア車の外観斜視図、図2は前後のサイドドアを取外して示す車両の概略側面図である。
図1において、この車両1はフロントドア2と、リヤドアとしてのサイドドア(スライドドアと同意)3とを備えている。一方、図2にボディ構造を示すように、車両下部において車両の前後方向に延びるサイドシル4と、車両の前部において上下方向に延びるヒンジピラー5と、該ヒンジピラー5の上端から上方かつ後方に延びるフロントピラー6と、このフロントピラー6に連続して車両上部を前後方向に延びるルーフサイドレール7と、車両の後端部において上下方向に延びるリヤピラー8と、車両の前後方向中間部において上下方向に延びると共に、サイドシル4とルーフサイドレール7とを連結するセンタピラー9と、クオータウインド開口部10の前部において上下方向に延びるクオータピラー11とを備えている。
つまり、上述のリヤ側のドア開口部13は少なくとも上下方向に延びるセンタピラー9により仕切られている。また、上述のスライドドアとしてのサイドドア3は、車体に摺動可能に支持されその前後方向の摺動により上述のドア開口部13を開閉するリヤドアである。
このサイドドア3は、ルーフサイドレール7に設けられたアッパレール14と、リヤサイドパネル15に設けられたセンタレール16と、サイドシル4内部に設けられたレール部材としてのロアレール17(図5参照)の合計3本のスライドレールに沿って前後方向に摺動可能に構成されている。
図3において、ドア開口部12を開閉する上述のフロントドア2はドアアウタパネル2aと、ドアインナパネル2bと、ドアトリム2cとを有し、ヒンジピラー5とフロントドア2前端部との間に設けられた、ボディ側ヒンジブラケット、ドア側ヒンジブラケット、ヒンジピンから成るドアヒンジ(図示せず)により開閉可能に構成されている。
さらに、図3に示すように、センタピラー9は断面ハット形状のセンタピラーアウタ9aと、センタピラーインナ9bと、断面ハット形状のセンタピラーレインフォースメント9cとを有すると共に、上下方向に延びるピラー閉断面18を備えた車体強度部材であって、図4に示すように、このセンタピラー9の下部はサイドシル4に連結されている。
また、このサイドシル4のサイドシルインナ4bには、図3,図4に示すように、センタピラー9の位置に対応して、サイドドア3を車幅方向内方へ引き込むために、車幅方向内方へ膨出した引き込み部4cが設けられている。
このフロアパネル22の車幅方向中央部には、車室内ヘ突出して車両の前後方向に延びるトンネル部23が、一体または、一体的に形成されており、上述の引き込み部4cの前後方向中間部位と対応する位置において、該引き込み部4cの縦壁部と、トンネル部23の縦壁部との間には、車幅方向に延びるクロスメンバ24(いわゆるNo,2.5クロスメンバ)が設けられている。
つまり、この補強板27は、クロスメンバ24の後方に位置してサイドシル4上部とフロアパネル22(詳しくは、リヤシートパン26)とを連結する連結部材である。
このレールボックス30は断面略コの字状に形成され、図5,図6に示すように、サイドシルレインフォースメント19,20に固定されている。このレールボックス30の車幅方向外方とサイドシルアウタ4aとには車幅方向の内外に連続する開口部31が形成されている。
図5,図6に示すように、上述のレールボックス30は、略水平方向に延びる上壁30aと、上下方向に延びる内壁30bと、略水平方向に延びて荷重受け面を構成する底壁30cと、この底壁30cの車幅方向外端から下方に延びる外壁30dとを一体形成したもので、内壁30dは図6に示すように、サイドシルレインフォースメント20に結合されており、外壁30dは、図5に示すように、サイドシルアウタ4aとサイドシルレインフォースメント19との間にサンドイッチ状に連結固定されている。
また、上述のレールボックス30における上壁30aの下面には前述のロアレール17が取付けられている。このロアレール17はサイドドア3を前後方向に摺動案内するレール部材である。
このアームブラケット33の車幅方向内端部には、固定構造のリンク34および上下方向に延びる支持軸35を介してローラブラケット36を取付け、このローラブラケット36には一対のロアローラ37,37(いわゆる水平ローラ)と、1つの荷重ローラ38(いわゆる垂直ローラ)とをそれぞれ回転自在に配設している。
また、上述のブラケット40はその取付け部40aの上下から車室内側に突出する上壁部40b、下壁部40cを有するが、該ブラケット40は通常時(ドア開閉時)にはボディ側と干渉しないように形成されている。
なお、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両後方を示し、矢印INは車幅方向の内方を示し、矢印OUTは車幅方向の外方を示す。
車両の側突時には、まずサイドドア3が、図5に示す状態から図9に示すように、車両内側方向に移動し、これによりセンタピラー9が車室内側へ移動して、サイドシル4のサイドシルアウタ4aはセンタピラー9に引き摺られて、サイドシルアウタ4aの上方が車両内側に回転するモーメントが加わるが、図9に示すように、サイドドア3の変形に伴ってサイドシルアウタ4aの上方にはその上方からブラケット40の上壁部40bが当接し、レールボックス30の底壁30c上面にはその上方からブラケット40の下壁部40cが当接し、図5に矢印で示す下向きの荷重により上述のモーメントを抑制する。
なお、上述の両者40b,4a、および40c,30cの当接時、ブラケット40の上壁部40bとサイドシルアウタ4aとは相対移動可能に面接触し、またブラケット40の下壁部40cとレールボックス30の底壁30cも相対移動可能に面接触するものである。
また、上記サイドシル4におけるセンタピラー9との連結部には、車幅方向に延びるクロスメンバ24が連結されたものである(図3,図4参照)。
さらに、上記ブラケット40は、サイドドア3から車室内側に突出すると共に、側突時にサイドシル4上面(サイドシルアウタ4a上面)に上方から当接するものである(図5,図9参照)。
加えて、上記ブラケット40は、サイドドア3から車室内側に突出すると共に、側突時に上記レールボックス30の底面(底壁30c参照)に上方から当接するものである(図5,図9参照)。
また、上記ブラケット40は、車両前後方向に連続して延び、上記サイドドア3がドア開口部13を閉塞した状態にある時、車両前後方向において上記クロスメンバ24およびその後方に位置してサイドシル4上部とフロアパネル22とを連結する連結部材(補強板27参照)の両方に対応した位置にあることを特徴とする(図3,図5参照)。
この実施例においては、ブラケット40の上壁部40bにおける車幅方向内端部に、サイドシルアウタ4aの上面にその上方から当接する係止爪40dを一体形成し、また、ブラケット40の下壁部40cにおける車幅方向内端部にレールボックス30の底壁30cの上面にその上方から当接する係止爪40eを一体形成している。
この実施例においても、サイドドア3の閉塞時に、ブラケット40の係止爪40dとサイドシルアウタ4aの上面との間には間隔が形成されると共に、ブラケット40の係止爪40eとレールボックス30の底壁30c上面との間にも間隔が形成されている。
図10,図11に示すこの実施例においても、その他の構成、作用、効果については、先の実施例と同様であるから、図10,図11において、前図と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
この発明のピラーは、実施例のセンタピラー9に対応し、
以下同様に、
レール部材は、ロアレール17に対応し、
レールボックスの底面は、レールボックス30の底壁30cに対応し、
連結部材は、補強板27に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
例えば、上述の補強板27に代えて、クロスメンバ24(いわゆるNo,2.5クロスメンバ)の後方に他のクロスメンバ(いわゆるNo,3クロスメンバ)が存在する車両においては、上述のブラケット40はNo,2.5クロスメンバとNo,3クロスメンバとの両方に対応した位置に配設するとよい。
4…サイドシル
9…センタピラー(ピラー)
13…ドア開口部
17…ロアレール(レール部材)
22…フロアパネル
24…クロスメンバ
27…補強板(連結部材)
30…レールボックス
30c…底壁(底面)
40…ブラケット
Claims (5)
- ドア開口部と、車体に摺動可能に支持され前後方向の摺動により上記ドア開口部を開閉するサイドドアとを備えた車両のスライドドア構造であって、
上記ドア開口部は少なくとも上下方向に延びるピラーにより仕切られており、
該ピラーの下部はサイドシルに連結されており、
上記サイドシルにおける少なくとも上記ピラーとの連結部においてサイドシル内部に車外側から凸入するように設けられ、内部に上記サイドドアを前後方向に摺動案内するレール部材が設けられたレールボックスを備え、
上記サイドドアが上記ドア開口部を閉塞した状態では、上記ピラーよりもサイドドアが車外側に位置し、
上記サイドドアに設けられ、該サイドドアが閉塞状態にある時、少なくとも上記サイドシルの車外側部位で上記ピラーとの連結部において、上記レールボックスの車幅方向外側からサイドシルと重複するように位置すると共に、側突時に上記サイドドアの変形に伴い上方から該サイドシルに当接するブラケットを設けた
車両のスライドドア構造。 - 上記サイドシルにおけるピラーとの連結部には、車幅方向に延びるクロスメンバが連結された
請求項1記載の車両のスライドドア構造。 - 上記ブラケットは、サイドドアから車室内側に突出すると共に、側突時にサイドシル上面に上方から当接する
請求項1または2記載の車両のスライドドア構造。 - 上記ブラケットは、サイドドアから車室内側に突出すると共に、側突時に上記レールボックスの底面に上方から当接する
請求項1〜3の何れか1項に記載の車両のスライドドア構造。 - 上記ブラケットは、車両前後方向に連続して延び、上記サイドドアがドア開口部を閉塞した状態にある時、車両前後方向において上記クロスメンバおよびその後方に位置してサイドシル上部とフロアパネルとを連結する連結部材の両方に対応した位置にある
請求項1〜4の何れか1項に記載の車両のスライドドア構造。
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