JP2013120250A - 投写型映像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】発光効率が高い、レーザ光を励起光として利用する投写型映像表示装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、蛍光体15又は燐光体に対し励起光としてレーザ発光器11Aからレーザ光を照射することにより蛍光光又は燐光光を発光させ、この蛍光光又は燐光光を少なくとも一部の色光の照明光とする照明光学系を備えた投写型映像表示装置である。そして、この照明光学系10は、レーザ発光器11Aと蛍光体15または燐光体との間に拡散板、好ましくは異方性拡散板14が設けられたものであって、レーザ光がこの異方性拡散板14を透過した後に蛍光体15又は燐光体を照射するように構成されている。レーザ発光器11Aとしては、例えば、レーザ半導体が用いられる。
【選択図】図1
【解決手段】本発明は、蛍光体15又は燐光体に対し励起光としてレーザ発光器11Aからレーザ光を照射することにより蛍光光又は燐光光を発光させ、この蛍光光又は燐光光を少なくとも一部の色光の照明光とする照明光学系を備えた投写型映像表示装置である。そして、この照明光学系10は、レーザ発光器11Aと蛍光体15または燐光体との間に拡散板、好ましくは異方性拡散板14が設けられたものであって、レーザ光がこの異方性拡散板14を透過した後に蛍光体15又は燐光体を照射するように構成されている。レーザ発光器11Aとしては、例えば、レーザ半導体が用いられる。
【選択図】図1
Description
本発明は、投写型映像表示装置に関し、特に、蛍光体又は燐光体に対しレーザ発光器からレーザ光を励起光として照射することにより、蛍光体又は燐光体から発光される蛍光光又は燐光光を照明光として利用する投写型映像表示装置に関する。
従来、蛍光体に対しレーザ発光器からレーザ光を励起光として照射することにより、蛍光体から蛍光光を発光させ、これを照明光として光変調して映像光を生成し、この映像光を投写レンズにより拡大投写するようにした投写型映像表示装置が種々されている。このような投写型映像表示装置としては例えば特許文献1、特許文献2などに記載されたものがある。
しかし、このような従来の投写型映像表示装置においては、レーザ光の強い指向性によりレーザ発光器表面におけるレーザ光の照射面積が小さく集光効率が高いため、光密度が大きくなっていた。また、蛍光体には温度依存性があるため、レーザ光が照射されると、照射された部分の温度が上がり、発光効率が低下するという問題があった。
本発明は、このような従来技術における問題点を解決するものであって、レーザ光を励起光として利用する、効率の良い投写型映像表示装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載された発明に係る投写型映像表示装置は、蛍光体又は燐光体に対し励起光としてレーザ発光器からレーザ光を照射することにより蛍光光又は燐光光を発光させ、この蛍光光又は燐光光を少なくとも一部の色光の照明光とする照明光学系を備えた投写型映像表示装置であって、前記照明光学系は、レーザ発光器と蛍光体または燐光体との間に拡散板が設けられ、レーザ発光器からのレーザ光がこの拡散板を透過して前記蛍光体又は燐光体を照射するように構成されていることを要旨とする。
このような構成によれば、蛍光体又は燐光体に照射されるレーザ光が拡散板により拡散されるため、蛍光体又は燐光体の表面におけるレーザ光照射部分の光密度が軽減されてレーザ光照射部分の蛍光体又は燐光体の温度上昇が抑制される。これにより、蛍光体又は燐光体の発光効率を向上させることができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の投写型映像表示装置において、前記拡散板を異方性拡散板とすることにより、蛍光体または燐光体の表面に集光されるレーザ光の集光面形状を楕円形とし、この楕円形の短辺寸法を、後段の光学系における前記蛍光光又は燐光光を集光して入射する長方形入射部の短辺寸法に近似させていることを要旨とする。
このように構成すれば、蛍光体又は燐光体の表面に集光されるレーザ光の集光面形状を楕円形とし、この楕円形の短辺寸法を後段の光学系における前記蛍光光又は燐光光を集光して入射する長方形入射部の短辺寸法に近似させることができる。したがって、蛍光光又は燐光光を長方形入射部に効率よく取り込み、光の利用効率を向上させることができる。なお、前記拡散板として通常の等方性拡散板を使用した場合は、蛍光体又は燐光体の表面に集光されるレーザ光の集光面形状が円形となるため、レーザ発光器からのレーザ光を拡散板を使用して拡散させると、後段の光学系の入射部に取り込まれない光束が生じ、光の利用効率が低下する。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の投写型映像表示装置において、前記照明光学系は、赤色光用光源、青色光用光源及び緑色光用光源を備え、これら光源のうち、赤色光用光源は赤色発光ダイオードにより構成され、青色光用光源は青色発光ダイオードにより構成され、緑色光用光源は、レーザ発光器からのレーザ光が励起光として蛍光体または燐光体に照射され、これにより蛍光体又は燐光体から発光される緑色の蛍光光又は燐光光を利用するように構成されていることを要旨とする。
このような構成によれば、発光ダイオードによっても所望の高出力を得ることが容易な赤色光用光源及び青色光用光源としては、安価な発光ダイオードが用いられている。一方、発光ダイオードでは所望の高出力を得ることが難しい緑色光用光源には、レーザ発光器が用いられ、レーザ発光器から射出されるレーザ光が励起光として蛍光体又は燐光体に照射され、蛍光体又は燐光体から発光される緑色の蛍光光又は燐光光が利用されている。したがって、発光ダイオードの使用を優先し、レーザ発光器の使用を限定的としながら、十分な出力の光源を得ることができる。
請求項4記載の発明は、請求項2又は3記載の投写型映像表示装置において、前記照明光学系は、フライアイレンズ及び偏光ビームスプリッタを使用するものであって、この偏光ビームスプリッタの短冊状を成す入射許容面が前記長方形入射部となるように構成されていることを要旨とする。
このように構成すれば、偏光ビームスプリッタの短冊状に形成される入射許容面に集光される蛍光光又は燐光光の集光面形状を楕円形とし、その楕円形の短辺寸法を偏光ビームスプリッタの入射許容面の短辺寸法に近似するように構成させることができる。したがって、偏光ビームスプリッタに効率よく光を取り込み、光の利用効率を向上させることができる。
なお、このようにフライアイレンズ及び偏光ビームスプリッタを使用する投写型映像表示装置において、レーザ光の照射により蛍光体又は燐光体から発光される蛍光光又は燐光光は、フライアイレンズの第2レンズアレイ表面に集光される。また、偏光ビームスプリッタにおける照明光の長方形入射部となる入射許容面は、フライアイレンズの第2レンズアレイ表面に集光された光を漏らさずに取り込むようにするために、フライアイレンズの第2レンズアレイ表面に近接して配置されている。このため、偏光ビームスプリッタの入射許容面に集光して入射される蛍光光又は燐光光の集光面形状は、蛍光体または燐光体の表面に集光して照射されるレーザ光の集光面形状と略同一になる。
したがって、通常の等方性の拡散板を使用した場合には、偏光ビームスプリッタの入射許容面に集光される蛍光光又は燐光光の集光面形状が略円形となるため、拡散板の拡散角度を大きくしようとすると、偏光ビームスプリッタに取り込まれない光束が生じ、光の利用効率が低下する。また、蛍光光又は燐光光の集光面形状の直径を偏光ビームスプリッタの入射許容面における短辺方向の長さに合わせると、拡散角度が小さくなり良好な拡散効果を得ることが困難となる。
請求項5記載の発明は、請求項2又は3記載の投写型映像表示装置において、前記照明光学系は、入射面の形状が長方形に形成された棒状又は筒状の導光部材を備えたものであって、この導光部材の入射面が前記長方形入射部となるように構成されていることを要旨とする。
このように構成すれば、入射面の形状が長方形に形成された棒状又は筒状の導光部材の入射面に集光される蛍光光又は燐光光の集光面形状が楕円形に形成し、さらにこの楕円形の短辺寸法を前記導光部材の入射面の短辺寸法に近似させることができる。したがって、導光部材に効率よく光を取り込み、光の利用効率を向上させることができる。
なお、このように入射面が長方形を成す棒状又は筒状の導光部材を使用する投写型映像表示装置において、レーザ光の照射により蛍光体又は燐光体から発光される蛍光光又は燐光光は、導光部材の入射面に集光される。このため、導光部材の入射面に集光される蛍光光又は燐光光の集光面形状と、蛍光体または燐光体の表面に集光されるレーザ光の集光面形状とが略同一になる。したがって、通常の等方性の拡散板を使用した場合には、導光部材の入射面に集光される蛍光光又は燐光光の集光面形状が略円形となるため、効率よく光を取り込むためには拡散角度を大きくすることが難しくなる。しかし、異方性拡散板を使用した場合は、導光部材の入射面に集光される蛍光光又は燐光光の集光面形状を楕円形とし、この楕円形の短辺寸法を導光部材の入射面の短辺寸法に近似させることができるため、良好な拡散効果を得ながら効率よく光学系に光を取り込むことができる。
請求項6記載の発明は、請求項4記載の投写型映像表示装置であって、光変調装置として赤色光用液晶パネル、緑色光用液晶パネル及び青色光用液晶パネルを使用した3板式投写型映像表示装置に形成されていることを要旨とする。
このような構成によれば、照明光学系の少なくとも一部の光源としてレーザ発光器を使用するため、寿命が長く、高電圧が不要で、高効率の発光を行う光源を備えた3板式投写型映像表示装置を提供することができる。
請求項7記載の発明は、請求項5記載の投写型映像表示装置であって、光変調装置としてマイクロミラー素子からなる反射型表示素子を用いた投写型映像表示装置に形成されていることを要旨とする。
このような構成によれば、照明光学系の少なくとも一部の光源としてレーザ発光器を使用することができるため、寿命が長く、高電圧が不要で、高効率な発光を行う光源を備えた、光変調装置としてマイクロミラーからなる反射型表示素子を用いた投写型映像表示装置を提供することができる。
本発明に係る投写型映像表示装置によれば、蛍光体又は燐光体に照射されるレーザ光が拡散板により拡散されるため、蛍光体又は燐光体の表面におけるレーザ光照射部分の光密度が軽減されるとともに、レーザ光照射部分の蛍光体又は燐光体の温度上昇が抑制される。これにより、蛍光体又は燐光体の発光効率を向上させることができる。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1に係る投写型映像表示装置について図1〜図4を参照しながら説明する。この投写型映像表示装置は、液晶パネルを用いた3板式液晶投写型映像表示装置である。また、投写型映像表示装置は、照明光を出射する照明光学系10と、この照明光学系10から出射される照明光束を複数の色光束に分離する色分離光学系20と、各色光束を映像情報に従って光変調する光変調光学系30と、変調された各色光束を合成する色合成光学系40と、合成された映像光を投写する投写光学系50とから成る。
以下、本発明の実施の形態1に係る投写型映像表示装置について図1〜図4を参照しながら説明する。この投写型映像表示装置は、液晶パネルを用いた3板式液晶投写型映像表示装置である。また、投写型映像表示装置は、照明光を出射する照明光学系10と、この照明光学系10から出射される照明光束を複数の色光束に分離する色分離光学系20と、各色光束を映像情報に従って光変調する光変調光学系30と、変調された各色光束を合成する色合成光学系40と、合成された映像光を投写する投写光学系50とから成る。
本実施の形態に係る照明光学系10は、青色光光源には青色発光ダイオード(LED)11Bを用い、赤色光光源には赤色発光ダイオード(LED)11Rを用いている。また、照明光学系10は、緑色光光源として、レーザ発光器11Aから出射されるレーザ光を励起光として蛍光体15に照射することにより、蛍光体15を励起させて緑色の蛍光光を発生させる光源を用いている。
青色発光ダイオード11Bと赤色発光ダイオード11Rとは光軸が直交するように配置されるとともに、光軸の交差位置に第1ダイクロイックミラー13Rが配置されている。
第1ダイクロイックミラー13Rは、青色波長域の光束を透過させ、他の波長域の光束を反射させるものである。したがって、この実施の形態において、第1ダイクロイックミラー13Rは、青色発光ダイオード11Bから出射された青色波長域の青色光が直進透過し、赤色発光ダイオード11Rから出射された赤色波長域の赤色光が青色発光ダイオード11Bの位置とは反対の方向へ反射されるように配置されている。なお、青色発光ダイオード11Bと第1ダイクロイックミラー13Rとの間、及び、赤色発光ダイオード11Rと第1ダイクロイックミラー13Rとの間には、それぞれコリメートレンズ12B,12Rが配置されている。青色光及び赤色光は、このコリメートレンズ12B,12Rにより第1ダイクロイックミラー13Rに到達する前にコリメートされる。
第1ダイクロイックミラー13Rは、青色波長域の光束を透過させ、他の波長域の光束を反射させるものである。したがって、この実施の形態において、第1ダイクロイックミラー13Rは、青色発光ダイオード11Bから出射された青色波長域の青色光が直進透過し、赤色発光ダイオード11Rから出射された赤色波長域の赤色光が青色発光ダイオード11Bの位置とは反対の方向へ反射されるように配置されている。なお、青色発光ダイオード11Bと第1ダイクロイックミラー13Rとの間、及び、赤色発光ダイオード11Rと第1ダイクロイックミラー13Rとの間には、それぞれコリメートレンズ12B,12Rが配置されている。青色光及び赤色光は、このコリメートレンズ12B,12Rにより第1ダイクロイックミラー13Rに到達する前にコリメートされる。
この第1ダイクロイックミラー13Rの後段には、第2ダイクロイックミラー13Gが配置されている。第2ダイクロイックミラー13Gは、緑色波長域の光束を反射し、他の波長域の光束を透過させるものである。したがって、青色発光ダイオード11Bから出射された青色光、及び、赤色発光ダイオード11Rから出射された赤色光は、それぞれこの第2ダイクロイックミラー13Gを透過して直進する。
レーザ発光器11Aは、アレイ状に配列された複数の青色レーザダイオードからなるものであって、レーザ発光器11Aの前方に第2ダイクロイックミラー13Gが位置するとともに、レーザ発光器11Aの光軸と青色発光ダイオード11Bの光軸とが直交するように配置されている。また、レーザ発光器11Aと第2ダイクロイックミラー13Gとの間には異方性拡散板14が配置されている。さらに、第2ダイクロイックミラー13Gを挟みその前方には、コリメートレンズ12Aと蛍光体15とが直列的に配置されている。蛍光体15は、反射ミラーの表面に蛍光層を形成したものである。
異方性拡散板14は、透過する光束を拡散するものであって、方向により拡散角度が異なるように形成されたものである。このような異方性拡散板14は、例えば、ポリカーボネイト(PC)、ポリエステルアクリル、ガラスなどの基板表面にレリーフホログラムパターンの表面構造を施したもので、マイクロレンズアレイと同様に屈折機能で光を拡散させるものである。また、このパターン形状を適宜変更することにより、方向によって拡散角度を調整することができる。したがって、このパターン形状の設定により異方性拡散板14を透過する略円形のレーザ光の面形状を任意の楕円形に変更するように設定することができる。
蛍光体15は、YAG系材料からなるもので、励起光としての青色レーザ光が照射されることにより緑色の蛍光光が発生するようになっている。
レーザ発光器11Aから出射された青色レーザ光は、異方性拡散板14を透過することにより拡散されるとともに、その面形状が予め設定された形状及び大きさに拡散変形される。そして、この青色レーザ光は、第2ダイクロイックミラー13G及びコリメートレンズ12Aを透過して蛍光体15の表面に集光されて照射される。このとき、蛍光体15の表面に集光されるレーザ光の集光面形状の大きさは異方性拡散板14がないときに比し大きく、かつ、蛍光体15の表面に集光されるレーザ光の集光面形状は、異方性拡散板14が使用されていることにより、所定の楕円形状に変形されている。このようにして、励起光としての青色レーザ光が照射されることにより、所望の発光面形状を成す緑色光が発生する。また、発生した緑色光は、蛍光体15が塗布された反射ミラーにより第2ダイクロイックミラー13Gに反射される。したがって、この緑色光も、前述の赤色光及び青色光と合体されてフライアイレンズ16へ照射される。
レーザ発光器11Aから出射された青色レーザ光は、異方性拡散板14を透過することにより拡散されるとともに、その面形状が予め設定された形状及び大きさに拡散変形される。そして、この青色レーザ光は、第2ダイクロイックミラー13G及びコリメートレンズ12Aを透過して蛍光体15の表面に集光されて照射される。このとき、蛍光体15の表面に集光されるレーザ光の集光面形状の大きさは異方性拡散板14がないときに比し大きく、かつ、蛍光体15の表面に集光されるレーザ光の集光面形状は、異方性拡散板14が使用されていることにより、所定の楕円形状に変形されている。このようにして、励起光としての青色レーザ光が照射されることにより、所望の発光面形状を成す緑色光が発生する。また、発生した緑色光は、蛍光体15が塗布された反射ミラーにより第2ダイクロイックミラー13Gに反射される。したがって、この緑色光も、前述の赤色光及び青色光と合体されてフライアイレンズ16へ照射される。
フライアイレンズ16は、図2に部分的に示されるように、碁盤目状に形成された複数のセルレンズ群からなる第1レンズアレイ16a及び第2レンズアレイ16bから構成されている。フライアイレンズ16に照射された光束は、第1レンズアレイ16aにおいて複数のセルレンズにより複数の微小な部分光束に分割される。そして、第1レンズアレイ16aから出射された複数の部分光束それぞれが対応する第2レンズアレイ16bのセルレンズ上に集光される。なお、集光された光束は、後述する液晶ライトバルブの全面を照射するように設計されており、これにより光源から出射された光束に存在する部分的な輝度むらが平均化され、画面中央部と周辺部とでの光量差を低減している。
フライアイレンズ16の後方に配置される偏光ビームスプリッタ17は、図2に示すごとく、断面が平行四辺形の複数の棒状プリズム片17a,17bが互いに接合されている。すなわち、フライアイレンズ16からの光が直接入射される棒状プリズム片17aとフライアイレンズ16からの光が直接入射されない棒状プリズム片17bとが交互に配列されて貼り付けられている。したがって、偏光ビームスプリッタ17のフライアイレンズ16側の面には、フライアイレンズ16からの光が直接入射される棒状プリズム片17aの面が細長の長方形状、すなわち短冊状に形成されている。本発明において、この短冊状の面は、光源の後段の光学系における光束の長方形入射部を成すものであって、入射許容面Fと称されている。また、この入射許容面Fは、光が直接入射されない棒状プリズム片17bを間に挟んで並列に並ぶように形成されている。
また、偏光ビームスプリッタ17において、棒状プリズム片17aと棒状プリズム片17bとの貼り付け面には反射膜17cが形成されている。この反射膜17cは、ハーフミラー処理と鏡面処理とが施されており、図示するようにフライアイレンズ16から入射される光束のうちP偏光光及びS偏光光の何れか一方の偏光光、例えばP偏光光を透過し、他方のS偏光光を反射するように構成されている。また、光が直接入射されない棒状プリズム片17bの出射面には、位相差板17dが貼り付けられている。位相差板17dは、これを透過するP偏光光をS偏光光に変換するようにしている。偏光ビームスプリッタ17がこのように構成されているので、入射許容面Fから取り込まれたS偏光光は、反射膜17cで2回反射され、変換されずにS偏光光のまま棒状プリズム片17aの出射側の面から出射される。また、入射許容面Fから取り込まれたP偏光光は、反射膜17c及び棒状プリズム片17bを透過した後、位相差板17dを透過することによりS偏光光に変換されて棒状プリズム片17aの出射側の面から出射される。
偏光ビームスプリッタ17は、上記のように構成されるものであって、図2に示すようにフライアイレンズ16の第2レンズアレイ16bのセルレンズ上に集光された光束を、複数の短冊状の入射許容面Fから取り込み、取り込んだ光束を全て一方向の偏光光に揃えて出射するためのものである。このために、偏光ビームスプリッタ17は、フライアイレンズ16の第2レンズアレイ16bのセルレンズに集光された光を個々に偏光ビームスプリッタ17の入射許容面Fに取り込むことができるように、フライアイレンズ16に接近して配置されている。
このようにして、フライアイレンズ16の第2レンズアレイ16bの各セルレンズから出射された光束(照明光)は、短冊状に形成された、偏光ビームスプリッタ17の入射許容面Fに取り込まれる。なお、この入射許容面Fに取り込まれる緑色光は、前述の異方性拡散板14により楕円形に拡散されるとともに、この楕円形の短辺寸法が偏光ビームスプリッタ17の入射許容面Fの短辺寸法に近似するように形成されている(図3(b)及び図4(b)参照。なお、この点について後で詳しく説明する)。そして、偏光ビームスプリッタ17に取り込まれた光束は、所定の偏光光に揃えられてコンデンサーレンズ18を通して色分離光学系20へ出射されるように構成されている。
色分離光学系20は、図1に示すように、第3ダイクロイックミラー21、第4ダイクロイックミラー22、反射ミラー23,24,25、リレーレンズ26,27、コンデンサーレンズ28R、28G、28Bなどから構成されたものであって、照明光学系10から射出される照明光を赤色光、緑色光及び青色光に分離する機能を有している。
第3ダイクロイックミラー21は、赤色光を透過させるとともに、緑色光及び青色光を反射する。第3ダイクロイックミラー21を透過した赤色光は、反射ミラー23で反射され、コンデンサーレンズ28Rを透過して赤色光用液晶ライトバルブ30Rに導かれる。コンデンサーレンズ28Rは、照明光学系10からの複数の部分光束がそれぞれ赤色光用液晶ライトバルブ30Rに集光するように設定されている。なお、後述する緑色光用液晶ライトバルブ30G及び青色光用液晶ライトバルブ30Bの入射側に配設されたコンデンサーレンズ28G,28Bもコンデンサーレンズ28Rと色光を異にするが同様に設定されている。
第3ダイクロイックミラー21で反射された緑色光と青色光のうち緑色光は、第4ダイクロイックミラー22によって反射され、コンデンサーレンズ28Gを透過して緑色光用液晶ライトバルブ30Gに導かれる。一方、青色光は、第4ダイクロイックミラー22を透過し、リレーレンズ26、反射ミラー24、リレーレンズ27を順次透過して青色光用液晶ライトバルブ30Bに導かれる。
光変調光学系30は、赤色光用液晶ライトバルブ30R、緑色光用液晶ライトバルブ30G及び青色光用液晶ライトバルブ30Bにより構成される。また、赤色光用液晶ライトバルブ30R、緑色光用液晶ライトバルブ30G及び青色光用液晶ライトバルブ30Bは、それぞれ透過型の液晶パネル、液晶パネルの入射側に配置された入射側偏光板、液晶パネルの出射側に配置された出射側偏光板などから構成されている。
色合成光学系40は、クロスダイクロイックプリズム41などから構成されている。また、クロスダイクロイックプリズム41は、赤色光を反射させる反射面及び青色光を反射させる反射面を備えている。したがって、赤色光用液晶ライトバルブ30Rにて変調されて出射された赤色光及び青色光用液晶ライトバルブ30Bにて変調されて出射された青色光は、クロスダイクロイックプリズム41に入射した後、それぞれの反射面で反射される。そして、この赤色光及び青色光は、クロスダイクロイックプリズム41に入射して直進透過する緑色光と合成され、合成光が映像光として出射されるように構成されている。
投写光学系50は、クロスダイクロイックプリズム41の出射側に配置されており、投写レンズユニット51と、投写映像を上下左右に移動させためのレンズシフト機構(具体的な構成は図示せず)などから構成されている。この投写レンズユニット51により色合成光学系40から出射された映像光が、スクリーン等の投写面に拡大投写される。
ここで、以上のように構成された投写型映像表示装置における照明光学系10の作用について説明する。なお、色分離光学系20、光変調光学系30、色合成光学系40、投写光学系50は、上記の通り一般的な構成のものであるので、ここでは改めての作用の説明を省略する。
青色発光ダイオード11Bから出射された青色光は、コリメートレンズ12Bによりコリメートされて第1ダイクロイックミラー13R及び第2ダイクロイックミラー13Gを透過してフライアイレンズ16に入射される。
赤色発光ダイオード11Rから出射された赤色光は、コリメートレンズ12Rによりコリメートされ、第1ダイクロイックミラー13Rにより反射される。第1ダイクロイックミラー13Rで反射された赤色光は、第2ダイクロイックミラー13Gを透過してフライアイレンズ16に入射される。
次に、レーザ発光器11Aは、複数の青色レーザダイオードがアレイ状に配列されたものであって、個々の青色レーザダイオードから発光されたレーザ光は、異方性拡散板14を透過する際に、レリーフホログラムパターンの表面構造による屈折作用により拡散される。また、青色レーザダイオードから出射されたレーザ光は、当初の発光面形状は略円形であるが、所定の表面構造に形成された異方性拡散板14を透過することにより、所望の面形状に変形される。異方性拡散板14を透過したレーザ光は、第2ダイクロイックミラー13Gを透過した後、コリメートレンズ12Aを透過することにより蛍光体15の表面に集光されて、反射ミラー表面に塗布された蛍光体15に照射される。この蛍光体15の表面に集光されるレーザ光の集光面形状は、異方性拡散板14により楕円形に変形されるとともに、この楕円形の短辺寸法が偏光ビームスプリッタ17の入射許容面Fの短辺寸法に近似するように拡散変形されている(図3(b)及び図4(b)参照、なお、これら図面については後で説明する)。
蛍光体15は、レーザ光により励起されて緑色光(すなわち、緑色の蛍光光)を発光する。発光した緑色光は、蛍光体15の表面に集光されるレーザ光の集光面形状と同様の面形状で発光され、射出され拡散される。射出された緑色光は、蛍光体15が塗布された反射ミラーにより反射されて、コリメートレンズ12Aでコリメートされる。コリメートされた緑色光は、第2ダイクロイックミラー13Gへ入射され、この第2ダイクロイックミラー13Gで反射されて、前述の赤色光及び青色光と合体されてフライアイレンズ16に照射される。
上記において、蛍光体15に集光されるレーザ光は、青色レーザダイオードから発光されたままの発光面形状ではなく拡散されているので、光密度が低減される。したがって、蛍光体15が青色レーザダイオードから発光されたままの集光面形状で照射される場合と比較すると、蛍光体15の温度上昇が緩和される。
フライアイレンズ16に入射された青色光領域の青色光、赤色光領域の赤色光、及び緑色光領域の緑色光を含む照明光は、第1レンズアレイ16aにおいて、碁盤目状に配列されたセルレンズによりそれぞれ碁盤目状に一旦分割され、その後第1レンズアレイ16aのセルレンズに対応する第2レンズアレイ16bのセルレンズ上に集光される。上記のように第2レンズアレイ16bのセルレンズ上に集光されるということは、偏光ビームスプリッタ17がフライアイレンズ16に近接して配置されていることから、偏光ビームスプリッタ17の入射許容面Fに集光されることと略同義である。そして、このようにセルレンズ上に集光された光は、偏光ビームスプリッタ17の入射許容面Fから偏光ビームスプリッタ17に取り込まれる。
また、偏光ビームスプリッタ17の入射許容面Fに集光される照射光を構成する各色光の集光面形状は、発光時の面形状で入射される。すなわち、緑色光については、蛍光体15の表面に集光されるレーザ光の集光面形状で入射される。したがって、蛍光体15の表面に集光されるレーザ光の集光面形状は、等方性拡散板で拡散された場合略円形状となるが、この発明においては、異方性拡散板14により楕円形に変形されるとともに、この楕円形の短辺寸法が偏光ビームスプリッタ17の入射許容面Fの短辺寸法に近似するように拡散変形されている。
図3及び図4は、このように拡散変形させていることの意味を説明する図である。偏光ビームスプリッタ17の入射許容面Fに集光される緑色光の集光面形状Eが略円形のままであると、偏光ビームスプリッタ17の入射許容面Fが短冊状を成す長方形であるため、光の利用効率が低下するか、拡散角度を大きくすることができなくなる。
この点についてさらに具体的に説明する。図3(a)及び図4(a)に示すように、偏光ビームスプリッタ17の入射許容面Fに集光される緑色光の集光面形状Eである円形の直径を、拡散角度を重視して拡散すると、入射許容面Fの短辺方向には取り込まれない光束が生じ、光の利用効率が低下する恐れがある。他方、このような取り込まれない光束が生じるのを避けるために、集光面形状Eの円形の直径を偏光ビームスプリッタ17の入射許容面Fの短辺寸法に合わせると、集光面形状Eを小さくしなければならず拡散角度を大きくすることができない。
これに対し、本実施の形態の場合は、図3(b)及び図4(b)に図示するように偏光ビームスプリッタ17の入射許容面Fに集光される緑色光の集光面形状Eを楕円形とするとともに、この楕円形の短辺寸法を、偏光ビームスプリッタ17の入射許容面Fの短辺寸法に近似するように拡散変形させている。したがって、拡散角度を大きくすることができるとともに、光源の後段に位置する光学系における長方形入射部、すなわち偏光ビームスプリッタ17の入射許容面Fに取り込まれない光束の発生を大幅に減少させることができる。また、これにより光の利用効率を向上させることができる。
次に以上のように構成された本発明の実施の形態に係る効果について説明する。
(1)蛍光体15の表面に照射されるレーザ光が拡散されるため、蛍光体15の表面におけるレーザ光照射部分の光密度が軽減され、同表面におけるレーザ光照射部分の温度上昇が抑制される。これにより、蛍光体15の発光効率を向上させることができる。
(1)蛍光体15の表面に照射されるレーザ光が拡散されるため、蛍光体15の表面におけるレーザ光照射部分の光密度が軽減され、同表面におけるレーザ光照射部分の温度上昇が抑制される。これにより、蛍光体15の発光効率を向上させることができる。
(2)拡散板として異方性拡散板14が使用されているので、蛍光体15の表面に集光されるレーザ光の集光面形状を楕円形とするとともに、この楕円形の短辺寸法を、後段の光学系における長方形入射部(この実施の形態においては偏光ビームスプリッタ17の入射許容面F)の短辺寸法に近似させた状態に拡散変形することができる。これにより、後段の光学系に取り込まれない光量を減少させることができ、光の利用効率を向上させることができる。
(3)発光ダイオードによっても所望の高出力を得ることが容易な赤色光用光源及び青色光用光源としては、安価な発光ダイオードが用いられている。一方、発光ダイオードでは所望の高出力を得ることが難しい緑色光用光源には、レーザ発光器11Aが用いられ、レーザ発光器11Aから射出されるレーザ光が励起光として蛍光体15に照射され、蛍光体15から発光される緑色の蛍光光が緑色光として利用されている。したがって、発光ダイオードの使用を優先し、レーザ発光器11Aの使用を限定的としながら、十分な出力の光源を得ることができる。
(4)本実施の形態に係る投写型映像表示装置のように、フライアイレンズ16及び偏光ビームスプリッタ17を使用する投写型映像表示装置においては、フライアイレンズ16の第2レンズアレイ16bの表面に蛍光光が集光される。また、この集光位置は、実質的に偏光ビームスプリッタ17の入射部であり、それは偏光ビームスプリッタ17の短冊状の入射許容面Fとなる。そこで、蛍光体15の表面に集光して照射されるレーザ光の集光面形状を異方性拡散板14により楕円形に拡散変形.するとともに、この楕円形の短辺寸法を、偏光ビームスプリッタ17の短冊状の入射許容面Fの短辺寸法に近似するように変形させている。これにより、偏光ビームスプリッタ17の入射許容面Fから効率よく光を取り込むことができ、光の利用効率を向上させることができる。
(5)本実施の形態に係る投写型映像表示装置は、光変調装置として液晶パネルを使用した3板式投写型映像表示装置であって、照明光学系10の一部の光源としてレーザ発光器11Aを使用するため、寿命が長く、高電圧が不要で、高効率の発光を行う光源を備えた3板式投写型映像表示装置を提供することができる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2に係る投写型映像表示装置について、図5を参照しながら説明する。
次に、実施の形態2に係る投写型映像表示装置について、図5を参照しながら説明する。
実施の形態2に係る投写型映像表示装置は、実施の形態1における照明光学系を利用して、マイクロミラー素子からなる反射型表示素子を光変調素子とする投写型映像表示装置を形成したものである。
図5の投写型映像表示装置は、実施の形態1と同様な構成の照明光学系110と、この照明光学系110から射出される光束を光変調光学系130へ導くガイド光学系120と、ガイド光学系120に導かれた光束を光変調する光変調光学系130と、光変調された映像光を拡大投写する投写光学系140とから成る。
照明光学系110は、実施の形態1における照明光学系10と同様に、青色発光ダイオード(LED)111Bを用い、赤色光光源には赤色発光ダイオード(LED)111Rを用いている。また、照明光学系110は、緑色光光源として、レーザ発光器111Aから出射されるレーザ光を蛍光体115に照射することにより蛍光体115を励起させて緑色光を発光させる光源を用いている。この構成において、青色発光ダイオード111B及び赤色発光ダイオード111R、レーザ発光器111A及び蛍光体115の構成は、実施の形態1における青色発光ダイオード11B及び赤色発光ダイオード11R、レーザ発光器11A及び蛍光体15と同一である。
また、照明光学系110は、青色光、及び赤色光を射出するための、上記以外の装置として、第1ダイクロイックミラー113R、第2ダイクロイックミラー113G、コリメートレンズ112B、112Rを有している。これら機器は、実施の形態1における第1ダイクロイックミラー13R、第2ダイクロイックミラー13G、コリメートレンズ12B、12Rと同一のものであり、実施の形態1の場合と同一に配置されている。
また、照明光学系110には、緑色光を発生するための、上記以外の装置として異方性拡散板114、蛍光体115、コリメートレンズ112Aが設けられているが、これら機器の構成及び配置も、実施の形態1における異方性拡散板14、蛍光体15、コリメートレンズ12Aと同一である。したがって、照明光学系110における光源の構成は、実施の形態1のものと同一である。ただし、照明光学系110における各光源は、実施の形態1における照明光学系10と異なり、時分割で発光するように制御されている。
また、実施の形態2における照明光学系110では、実施の形態1におけるフライアイレンズ16、偏光ビームスプリッタ17が用いられていないが、これに代わる装置として、第2ダイクロイックミラー113Gを経由して出射される光を集光するコンデンサ−レンズ116、集光された光を導入する横断面長方形の導光部材117が設けられている。導光部材117は、コンデンサ−レンズ116により集光された照明光の輝度分布を均一にするものであって、この実施の形態では、ガラス等の角棒体からなるロッドインテグレータが用いられている。
ガイド光学系120は、照明光学系110から出射された光を光変調光学系130へ導光するように構成されたものであって、リレーレンズ121、123及び全反射ミラー122等の機器から構成されている。
光変調光学系130は、一般にDMD(Digital Micromirror Device)と略称されているマイクロミラー素子からなる反射型表示素子131及びアブソーバ132を用いたものであって、ディジタル光変調が行われている。
反射型表示素子131は、約50万〜130万個のマイクロミラー素子がマトリックス状に敷き詰められた構造の半導体集積光スイッチであり、画像フレームにおける画素と、このマイクロミラー素子とが対応するように配列されている。また、反射型表示素子131におけるマイクロミラー素子は、オンとオフの状態で±10度程度傾斜が変化するように支柱に取り付けられている。反射型表示素子131は、オン状態においては、ガイド光学系から照射された光がマイクロミラー素子で反射されて投写光学系に向けて出射される、またオフ状態においては、マイクロミラー素子から反射された光がアブソーバ132に吸収されるように反射される。アブソーバ132は、オン状態の光線から約20度傾斜する方向に配置されている。
このように構成された反射型表示素子131は、照明光学系110から時分割されて順次入射される青色光、赤色光、及び緑色光に同期してマイクロミラー素子がオンオフされるとともにスイッチングレシオが制御される、所謂PWM制御により光変調される。
投写光学系140は、反射型表示素子131がオン状態となって反射された映像光を、拡大してスクリーン等の投写面に投写する投写レンズからなるものであって、実施の形態1のものと同一である。
次に、以上のように構成された実施の形態2における照明光学系110の作用について説明する。なお、ガイド光学系120、光変調光学系130、投写光学系140は、上記のようなに一般的なものであるので、ここではこれら光学系についての作用の説明を省略する。
この実施の形態において、青色光及び赤色光は、実施の形態1の場合と同様に青色発光ダイオード111B及び赤色発光ダイオード111Rから出射され、コリメートレンズ112B、コリメートレンズ112R、第1ダイクロイックミラー113R及び第2ダイクロイックミラー113Gを経由して、コンデンサーレンズ116に向けて出射される。
また、緑色光は、実施の形態1の場合と同様に、レーザ発光器111Aからの青色レーザ光を励起光として、蛍光体115に照射され、蛍光体115から緑色の蛍光光が緑色光として発光される。発光された緑色光は、蛍光体15が塗布された反射ミラーにより反射され、さらに、コリメートレンズ12Aでコリメートされて第2ダイクロイックミラー13Gへ出射される。そして、この緑色光は、第2ダイクロイックミラー13Gで反射され、コンデンサーレンズ116に向けて出射される。
上記緑色光の発光過程において、レーザ発光器111Aから発光される青色レーザ光は、異方性拡散板114により所定の面形状となるように変形されつつ拡散される。さらに具体的には、蛍光体115の表面に集光される青色レーザ光の集光面形状は、楕円形に変形されるとともに、この楕円形の短辺寸法が導光部材117の長方形入射面の短辺寸法に近似するように拡散変形される。また、青色レーザ光がこのように拡散変形されることにより、蛍光体115表面における温度上昇が抑制されるので、蛍光体115における発光効率が向上する。導光部材117の長方形入射面は、光源の後段に位置する光学系における長方形入射部である。
上記のように発光される青色光、赤色光及び緑色光は、制御部(不図示)により制御され、時分割されて順次発光される。順次発光された各色光は、コンデンサーレンズ116により導光部材117の長方形入射部としての入射面に集光される。この場合において、導光部材117の入射面に集光される緑色光の集光面形状は、楕円形に変形されるとともに、この楕円形の短辺寸法が導光部材117の入射面の短辺寸法に近似するように異方性拡散板114が設定されているので、導光部材117に取り込まれない光を減少させることができ、緑色光の光の利用効率が向上する。
そして、導光部材117の入射面に集光された各色光は、導光部材117に入射される。入射された各色光は、導光部材117内で反射を繰り返し輝度分布が均一化にされる。このようにして輝度分布が均一な光となって出射された光は、ガイド光学系120に導かれる。ガイド光学系120、光変調光学系130、投写光学系140は、前述のように従来公知の一般的な構成であり、ガイド光学系120から光変調光学系130に導かれた各色光は、従来公知のように、変調処理されて投写光学系140により映像光として拡大投写される。
実施の形態2に係る投写型映像表示装置は、以上のように構成されているので、実施の形態1における(1)〜(3)及び(5)の効果に加え、次の効果を奏することができる。
(6)実施の形態2に係る投写型映像表示装置は、入射面が長方形を成す棒状又は筒状の導光部材117を使用するが、異方性拡散板114により、蛍光体115の表面に集光されるレーザ光の集光面形状を楕円形とするとともに、この楕円形の短辺寸法を導光部材117の入射面の短辺寸法に近似するように拡散変形させている。これにより、導光部材117に光を効率よく取り込むことができ、光の利用効率を向上させることができる。
(7)実施の形態2に係る投写型映像表示装置は、光変調装置としてマイクロミラー素子からなる反射型表示素子を使用した投写型映像表示装置であって、照明光学系110の一部の光源としてレーザ発光器111Aを使用するため、寿命が長く、高電圧が不要で、高効率の発光を行う光源を備えた投写型映像表示装置を提供することができる。
(変形例)
本発明は、上記実施の形態において、以下のように変更することもできる。
・前記各実施の形態は、拡散板として異方性拡散板14、114を使用しているが、何れの方向の拡散角度も同一な等方性拡散板を使用することもできる。
本発明は、上記実施の形態において、以下のように変更することもできる。
・前記各実施の形態は、拡散板として異方性拡散板14、114を使用しているが、何れの方向の拡散角度も同一な等方性拡散板を使用することもできる。
・前記各実施の形態においては、緑色光を得る場合のみにレーザ光を用いるようにしているが、他の色光を得るための励起光としてレーザ光を用いる場合にも、拡散板を使用することにより発光効率を向上させることもできる。また、この場合にも、異方性拡散板14、114を使用することにより、後段の光学系に効率よく光を取り込むようにして、光の利用効率を向上させるようにしてもよい。
・前記各実施の形態においては、緑色光を発生させるために、青色波長域のレーザ光を出力する青色レーザダイオードを用いているが、このレーザダイオードを、紫外線を出力する紫外線レーザダイオードとしてもよい。
・前記各実施の形態においては、励起光であるレーザ光を照射する物質を蛍光体15,115としていたが、これを燐光を発光する燐光体としてもよい。なお、両者は実用上は区別されず、蛍燐光体又は単に蛍光体と呼ばれることもあり、本発明はこれらを包含するものである。
・実施の形態2において、導光部材117として入射面が長方形の棒状のロッドインテグラを使用しているが、これに代えて、入射部が長方形入射面であって、内面がミラーで形成された筒状のライトトンネルを用いてもよい。この場合は、蛍光体115の表面に集光されるレーザ光の集光面形状を、このライトトンネルの長方形入射部(すなわち、ライトトンネルの入口)の形状に近似させるようにすればよい。
・投写型映像表示装置の形式は、前記実施の形態のものに拘泥されるものではない。たとえば、反射型の液晶パネルを利用した投写型映像表示装置とすることもできる。
本発明に係る投写型映像表示装置は、ホームシアター、会議室、研修室、教室、娯楽場、各種展示室、スタジオなど多方面の施設における映像表示システムとして利用することができる。
E…(蛍光光又は燐光光の)集光面形状、F…(偏光ビームスプリッタの)入射許容面、10,110…照明光学系、11A,111A…レーザ発光器、11B,111B…青色発光ダイオード、11R,111R…赤色発光ダイオード、14,114…異方性拡散板、15,115…蛍光体、16…フライアイレンズ、17…偏光ビームスプリッタ、117…導光部材、131…反射型表示素子。
Claims (7)
- 蛍光体又は燐光体に対し励起光としてレーザ発光器からレーザ光を照射することにより蛍光光又は燐光光を発光させ、この蛍光光又は燐光光を少なくとも一部の色光の照明光とする照明光学系を備えた投写型映像表示装置であって、
前記照明光学系は、レーザ発光器と蛍光体または燐光体との間に拡散板が設けられ、レーザ発光器からのレーザ光がこの拡散板を透過して前記蛍光体又は燐光体を照射するように構成されている
ことを特徴とする投写型映像表示装置。 - 請求項1記載の投写型映像表示装置において、
前記拡散板を異方性拡散板とすることにより、蛍光体または燐光体の表面に集光されるレーザ光の集光面形状を楕円形とし、この楕円形の短辺寸法を、後段の光学系における前記蛍光光又は燐光光を集光して入射する長方形入射部の短辺寸法に近似させている
ことを特徴とする投写型映像表示装置。 - 請求項2記載の投写型映像表示装置において、
前記照明光学系は、赤色光用光源、青色光用光源及び緑色光用光源を備え、これら光源のうち、赤色光用光源は赤色発光ダイオードにより構成され、青色光用光源は青色発光ダイオードにより構成され、緑色光用光源は、レーザ発光器からのレーザ光が励起光として蛍光体または燐光体に照射され、これにより蛍光体又は燐光体から発光される緑色の蛍光光又は燐光光を利用するように構成されている
ことを特徴とする投写型映像表示装置。 - 請求項2又は3記載の投写型映像表示装置において、
前記照明光学系は、フライアイレンズ及び偏光ビームスプリッタを使用するものであって、この偏光ビームスプリッタの短冊状を成す入射許容面が前記長方形入射部となるように構成されている
ことを特徴とする投写型映像表示装置。 - 請求項2又は3記載の投写型映像表示装置において、
前記照明光学系は、入射面の形状が長方形に形成された棒状又は筒状の導光部材を備えたものであって、この導光部材の入射面が前記長方形入射部となるように構成されている
ことを特徴とする投写型映像表示装置。 - 請求項4記載の投写型映像表示装置であって、
光変調装置として赤色光用液晶パネル、緑色光用液晶パネル及び青色光用液晶パネルを使用した3板式投写型映像表示装置に形成されている
ことを特徴とする投写型映像表示装置。 - 請求項5記載の投写型映像表示装置であって、
光変調装置としてマイクロミラー素子からなる反射型表示素子を用いた投写型映像表示装置に形成されている
ことを特徴とする投写型映像表示装置。
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