以下、図面を用いて、本発明の遊技台の実施形態に係るスロットマシンについて説明する。
以下説明する本実施形態のスロットマシンは、所定数の遊技媒体が投入され、且つ、複数種類の図柄がそれぞれ施された複数のリールが所定の回転開始指示操作を受け付けたことで回転を開始するとともに、その回転開始指示操作を受け付けたことに基づいて複数種類の役の内部当選の当否を抽選により判定し、その複数のリールそれぞれが、所定の回転停止指示操作を受け付けることで回転を個別に停止し、その抽選の結果に基づく役およびその複数のリールが停止したときの図柄組み合わせによって決まる条件が所定の払出し条件に、合致していれば遊技媒体を払い出して終了となり、合致していなければ遊技媒体を払い出さずに終了となる一連の遊技を進行する遊技台である。
まず、図1および図2を用いてスロットマシン100の基本構成を説明する。図1は、スロットマシン100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。図2は、入賞ラインの一例を示す図である。
図1に示すスロットマシン100は、本発明の遊技台の一例に相当するものであり、本体101と、本体101の正面に取り付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には(図示省略)、外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110乃至112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。図2を用いて具体的に説明すると、左リール110の上段(図に示す1の位置)に表示される図柄を左リール上段図柄、左リール110の中段(図に示す2の位置)に表示される図柄を左リール中段図柄、左リール110の下段(図に示す3の位置)に表示される図柄を左リール下段図柄、中リール111の上段(図に示す4の位置)に表示される図柄を中リール上段図柄、左リール111の中段(図に示す5の位置)に表示される図柄を中リール中段図柄、中リール111の下段(図に示す6の位置)に表示される図柄を中リール下段図柄、右リール112の上段(図に示す7の位置)に表示される図柄を右リール上段図柄、右リール112の中段(図に示す8の位置)に表示される図柄を右リール中段図柄、右リール112の下段(図に示す9の位置)に表示される図柄を右リール下段図柄とそれぞれ呼び、各リール110乃至112のそれぞれの図柄は図柄表示窓113を通して各リール110乃至112にそれぞれ縦方向に3つ、合計9つ表示される。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合わせが変動することとなる。つまり、各リール110乃至112は複数種類の図柄の組み合わせを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。なお、この図柄表示窓113によって、リール110〜112に施された図柄が視認可能となる領域が、本発明の遊技台における図柄表示領域の一例に相当する。
各々のリール110乃至112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに設けられ、個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
ここで、入賞ラインとは、後述する図16および図17で説明する入賞役に対応する図柄組み合わせが表示されたか否かが判定される領域を示すラインである。以下具体的に説明する。
本実施形態は、所定の領域に、後述する図16および図17で説明する図柄組み合わせが揃うことによって、役の入賞を判定するものである。この所定の領域が、後述する入賞判定処理(図20のステップS117)の対象となる領域である。この所定の領域は、リール110〜112のそれぞれに対して図柄一つ分の領域を有する。上記入賞ラインとは、上記所定の領域をリール110〜112を跨ぐ一本の線で示したものであり、上記入賞判定処理の対象となる領域を表現するものと言える。
図2には、メダルが3枚投入された場合に有効となる入賞ラインが示されており、本実施形態では、入賞ラインが1つだけとなっている(中段入賞ラインL1のみ)。なお、この入賞ラインに対応する領域が、後述する入賞判定処理(図20のステップS117)の対象となる領域であり、本発明の判定対象領域の一例に相当する。また、この入賞ラインに対応する領域以外は、後述する入賞判定処理の対象とはならない領域であり、本発明の非判定対象領域の一例に相当する。
なお、上記非判定対象領域は、役の入賞の判定に用いられない領域であるため、一見すると無駄な領域のようにも見える。しかし、この非判定対象領域によって、遊技者に利益をもたらす図柄組み合わせを上記判定対象領域に停止させやすくなっている。以下具体的に説明する。
本実施形態のような遊技台においては、遊技者に利益をもたらす図柄組み合わせを上記判定対象領域に停止させるために、この図柄組み合わせに応じた図柄を、回転中のリール110〜112に施された図柄の中から見つけ出し、その図柄が判定対象領域を通過するタイミングを狙って停止操作(以下、目押しと称することがある)を行うことが要求される。ここで仮に、判定対象領域しかないとすると、遊技者が狙っている図柄を視認できる時間が短く、この図柄を狙うことが困難になる。これに対して、上記非判定対象領域があると、遊技者が狙っている図柄を視認できる時間をより長くすることができ、狙うべき図柄の位置を把握しやすくなる。従って、目押しによって遊技者に利益をもたらす図柄組み合わせを上記判定対象領域に停止させやすくなる。すなわち、上記非判定対象領域は、目押し補助領域と表現することもできる。
本実施形態では左リール中段図柄、中リール中段図柄および右リール中段図柄で構成される中段入賞ラインL1が設けられている。有効となる入賞ライン(以下、単に「有効ライン」と称する場合がある)は、遊技媒体としてベットされたメダルの枚数によって予め定まっている。本実施形態のスロットマシン100は、3枚のメダルを使用することで、遊技を開始できるようになっている。メダルを3枚使用して遊技を開始すると中段入賞ラインL1が有効になり、スタートレバー135を操作して遊技を開始することができるようになる。なお、遊技状態に応じた数のメダルがベットされない場合には、入賞ラインが有効にはならず、遊技を開始することができない。なお、入賞ラインの数については1ラインに限定されるものではない。例えば、中段入賞ラインL1以外に、右下がり入賞ライン(図2に示す番号1,5,9)、右上がり入賞ライン(図2に示す番号3,5,7)、上段入賞ライン(図2に示す番号1,4,7)、および下段入賞ライン(図2に示す番号3,6,9)のうち、任意のラインを有効な入賞ラインとして設定してもよく、ベット数に応じて入賞ラインを変更、追加したりしてもよい。また、入賞ラインは直線に限らず屈曲した入賞ライン(例えば、図2に示す番号1、5、8の組合せ)として設定してもよい。
本実施形態の遊技台では、リール110乃至112のそれぞれに対して、回転方向の上流側、下流側の双方にリールシャッタ165〜167が設けられている。なお、以降の説明において、回転方向の上流側と下流側を区別する際には、回転方向上流側のリールシャッタには符号aを付し、回転方向下流側のリールシャッタにはbを付して区別する。また、左リール110の上流側に対応するリールシャッタを左上リールシャッタ165aと称し、左リール110の下流側に対応するリールシャッタを左下リールシャッタ165bと称し、中リール111の上流側に対応するリールシャッタを中上リールシャッタ166aと称し、中リール111の下流側に対応するリールシャッタを中下リールシャッタ166bと称し、右リール112の上流側に対応するリールシャッタを右上リールシャッタ167aと称し、右リール112の下流側に対応するリールシャッタを右下リールシャッタ167bと称する。
リールシャッタ165〜167は、図柄表示領域の一部を遊技者から視認できないように遮蔽することが可能なシャッタであり、本発明の遮蔽手段の一例に相当する。なお、リールシャッタ165〜167は、機構あるいは制御の少なくとも一方により、有効な入賞ライン(本実施形態では中段入賞ラインL1)を遮蔽不可能となるように構成されている。このことについて、図2を用いて具体的に説明する。まず、左上リールシャッタ165aは、図2の番号1の領域を遮蔽することができ、左下リールシャッタ165bは、図2の番号3の領域を遮蔽することができる。また、中上リールシャッタ166aは、図2の番号4の領域を遮蔽することができ、中下リールシャッタ166bは、図2の番号6の領域を遮蔽することができる。また、右上リールシャッタ167aは、図2の番号7の領域を遮蔽することができ、右下リールシャッタ167bは、図2の番号9の領域を遮蔽することができる。なお、これらのリールシャッタ165〜167は、図2の番号2、5、8の領域を遮蔽することができない。すなわち、これらのリールシャッタ165〜167は、本発明の判定対象領域を遮蔽することができないものであって、かつ本発明の非判定対象領域を遮蔽することができるものである。なお、以下では、図柄表示窓113のうち、これらのリールシャッタ165〜167によって遮蔽されていない領域を非遮蔽範囲と称することがある。なお、これらのリールシャッタ165〜167によってリール110〜112の非判定対象領域を遮蔽することにより、上記非遮蔽範囲が変更されることになる。
リールパネルランプ左120は、演出用ランプであり、ストップボタン137乃至139の押し順やボーナス内部当選等の報知に用いられるランプである。
遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技役(詳細は後述する)に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。
リールパネルランプ右128は演出用ランプであり、遊技状態等の報知に用いられるランプである。
ベットボタン130乃至132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAXベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技のスタート操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130乃至132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。
貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。貯留枚数表示器125、および、払出枚数表示器127は、7セグメント(SEG)表示器とした。
スタートレバー135は、リール110乃至112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130乃至132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110乃至112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技のスタート操作と言う。なお、このスタートレバー135は、本発明のスタート操作受付手段の一例に相当する。
ストップボタンユニット136には、左ストップボタン137、中ストップボタン138および右ストップボタン139で構成されるストップボタン137乃至139が設けられている。ストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110乃至112に対応づけられている。より具体的に言えば、左ストップボタン137を操作することによって左リール110を停止させることができ、中ストップボタン138を操作することによって中リール111を停止させることができ、右ストップボタン139を操作することによって右リール112を停止させることができる。以下、ストップボタン137乃至139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。また、これらの停止操作に対応して停止されるリールを順に第1停止リール、第2停止リール、第3停止リールと称する。さらに、回転中の各リール110乃至112を全て停止させるためにストップボタン137乃至139を停止操作する順序を停止操作順序または押し順という。さらに、第1停止操作を左リール110の停止操作とする停止操作順序を「順押し停止操作順序」または単に「順押し」と呼び、第1停止操作を右リール112の停止操作とする停止操作を「逆押し停止操作順序」または単に「逆押し」と呼ぶ。なお、各ストップボタン137乃至139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137乃至139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。なお、これらのストップボタン137〜139は、本発明の遊技台における停止操作手段の一例に相当する。
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受け皿161が設けられている。
音孔145はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には音孔143が設けられている。この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右液晶シャッタ163a、左液晶シャッタ163bからなる液晶シャッタ(遮蔽装置)163と、この液晶シャッタ163の奥側に配設された液晶表示装置157(演出画像表示装置)を備えており、右液晶シャッタ163a、左液晶シャッタ163bが液晶表示装置157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置157の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能な表示装置であればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成している。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
図3は、前面扉102を開けた状態のスロットマシン100を示す正面図である。本体101は、上面板261、左側の側面板260、右側の側面板260、下面板264および背面板242で囲われ、前面に開口する箱体である。本体101の内部には、背面板242の上部に設けた通風口249と重ならない位置に、内部に主制御基板を収納した主制御基板収納ケース210が配置され、この主制御基板収納ケース210の下方に、3つのリール110乃至112が配置されている。主制御基板収納ケース210及びリール110乃至112の側方、即ち向って左側の側面板260には、内部に副制御基板を収納した副制御基板収納ケース220が配設してある。また、向かって右側の側面板260には、主制御基板に接続されて、スロットマシン100の情報を外部装置に出力する外部集中端子板248が取り付けられている。
そして、下面板264には、メダル払出装置180(バケットに溜まったメダルを払出す装置)が配設され、このメダル払出装置180の上方、即ちリール110乃至112の下方には、電源基板を有する電源装置252が配設され、電源装置252正面には電源スイッチ244を配設している。電源装置252は、スロットマシン100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して後述する主制御部300、副制御部400、500等の各制御部、各装置に供給する。さらには、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えばコンデンサ)を備えている。
メダル払出装置180の右側には、メダル補助収納庫240が配設してあり、この背後にはオーバーフロー端子が配設されている(図示省略)。電源装置252には、電源コード265を接続する電源コード接続部が設けられ、ここに接続された電源コード265が、本体101の背面板242に開設した電源コード用穴262を通して外部に延出している。
前面扉102は、本体101の左側の側面板260にヒンジ装置276を介して蝶着され、図柄表示窓113の上部には、演出装置160、および、この演出装置160を制御する演出制御基板(図示省略)、上部スピーカ272、を設けている。図柄表示窓113の下部には、投入されたメダルを選別するためのメダルセレクタ170、このメダルセレクタ170が不正なメダル等をメダル受皿161に落下させる際にメダルが通過する通路266等を設けている。さらに、音孔145に対応する位置には低音スピーカ277を設けている。
ここで、上記説明したリールシャッタ165〜167についてより具体的に説明する。まず、図4を用いて前面扉102に対するリールシャッタ165〜167の取り付け位置について説明する。同図は、前面扉102に対するリールシャッタ165〜167の取り付け位置を示す図である。
前面扉102は、中央部分に開口部が形成されている。この前面扉102の開口部に、各種ランプ類、およびリールシャッタ165〜167が設けられたパネル本体部190と、このパネル本体部190を遊技者から保護するパネルカバー191が取り付けられる。まず、このパネル本体部190には、リール110〜112を視認できるように開口部が設けられており、その開口部の上下にリールシャッタ165〜167が設けられている。さらに、開口部の周囲には各ランプが配置されている。また、パネルカバー191は、開口部と重なる部分が透明になっており、遊技者からリール110〜112およびリールシャッタ165〜167が視認できるようになっている。なお、図柄表示窓113は、この透明な領域とパネル本体部190の開口部によって形成される。また、パネルカバー191のうち各ランプと重なる部分は、ランプの光を透過するようになっている。これにより、パネル本体部190とパネルカバー191を組み合わせたときに、遊技者に遊技に関する情報を提供する各種ランプとして機能する(リールパネルランプ左120、遊技開始ランプ121、再遊技ランプ122、遊技メダル投入可能ランプ124、貯留枚数表示器125、払出枚数表示器127、リールパネルランプ右128、遊技メダル投入ランプ129)。なお、その他の部分には遊技台のイメージに合わせたデザインが施されている。
次に、図5、図6を用いて、パネル本体部190の動作の一例について説明する。図5は、リールシャッタ165〜167がリール110〜112を遮蔽していない状態におけるパネル本体部190を示す図である。この状態では、遊技者は図2に示す全ての領域を視認することができる。なお、この状態はリールシャッタ165〜167の初期状態であるが、閉まった状態を初期状態としてもよい。また、リールシャッタ165〜167の位置の制御をする際に、位置センサを用いてもよい。
これに対して図6は、リールシャッタ165〜167がリール110〜112の一部を遮蔽している状態におけるパネル本体部190を示す図である。図6(a)の状態では、左リール110の上段および下段が左リールシャッタ165により遮蔽されている。従って、遊技者は図2に示す番号1および3の領域以外の領域を視認することができる。また、図6(b)の状態では、図6(a)と同様左リール110の上段および下段が左リールシャッタ165により遮蔽されており、さらに、中リール111の上段の一部、および中リール111の下段の一部が中リールシャッタ166により遮蔽されている。従って、図2に示す番号1および3の領域が視認不能であり、さらに番号4に示す領域の上側(回転方向上流側)、および番号6に示す領域の下側(回転方向下流側)が視認不能である。なお、リールシャッタ165〜167の可動範囲(遮蔽可能範囲)には、中段入賞ラインL1(図2の番号2、5、8)に対応する範囲が含まれていない。従って上記説明したように、リールシャッタ165〜167は、中段入賞ラインL1(図2の番号2、5、8)を遮蔽することが不可能なものである。以下、図面を用いてリールシャッタ165〜167の構成および動作について説明する。
まず、回転方向上流側のリールシャッタの構成を、左上リールシャッタ165aを例に説明する。図7は、左上リールシャッタ165aを示す、遊技者側から見た拡大図である。図8は、図7に示す状態を遊技者側とは反対側から見た拡大図である。
図7および図8には、後述の駆動回路(図14の駆動回路424)により駆動されるモータ165gと、このモータ165gによって回転するギア165eと、ギア165eの外周部において回転軸と同じ方向に向けて備えられたシャフト165cと、このシャフト165cが移動可能に嵌め込まれる溝165dが形成された左上リールシャッタ165aと、左上リールシャッタ165aの移動方向を上下方向に制限するガイド165fが示されている。さらに、ギア165eとガイド165fを支える支持部材165xが示されている。この支持部材165xは、左上リールシャッタ165aを嵌め込む溝165wが形成され、この溝165wに嵌め込まれた左上リールシャッタ165aは移動方向が上下方向に制限された状態で支持される。すなわち、左上リールシャッタ165aは、モータ165gの動力により、ガイド165fおよび支持部材165xによって制限された移動方向(上下方向)に移動する。
左上リールシャッタ165aに形成された溝165dは、リール110〜112の回転方向に対して直交する向きであって、その長さがギア165eの中心部から一方の外周部までの長さになるように形成されている。この溝165dに嵌め込まれたシャフト165cは、ギア165eの回転によって駆動されるが、この溝165dの形状によって移動可能な範囲が制限されている。具体的には、左右方向(回転方向とは直交する方向)への移動については、ギア165eの半分(図7では右半分)に相当する範囲で移動が可能である。言い換えると、この溝165dとシャフト165cにより、ギア165eが半回転だけ回転するように制限されているとも言える。これに対して上下方向(回転方向)については溝165dの内部を移動できないため、左上リールシャッタ165aを伴って移動することになる。すなわちこの機構によって、モータ165gを駆動させることにより、ギア165eおよびシャフト165cを介して左上リールシャッタ165aを駆動させることができる。なお、ギア165eの大きさは、左上リールシャッタ165aが図2に示す番号1の領域を遮蔽することができる範囲であり、かつ図2に示す番号2の領域を遮蔽することができない範囲での移動が可能な大きさに設計されている。
図7(a)および図8(a)には、左上リールシャッタ165aが一番上に保持されている状態が示されている。この状態では、図2に示す番号1の領域が遮蔽されていないことになる。なお、このときシャフト165cが移動可能な範囲のうち一番上の位置にあることが示されている。
図7(b)および図8(b)には、左上リールシャッタ165aが移動可能(遮蔽可能)な範囲の半分だけ移動した状態が示されている。この状態では、図2に示す番号1の領域が半分だけ遮蔽されていることになる。なお、このときシャフト165cが移動可能な範囲の真ん中の位置にあることが示されている。
図7(c)および図8(c)には、左上リールシャッタ165aが一番下に移動した状態が示されている。この状態では、図2に示す番号1の領域が全て遮蔽されていることになる。なお、このときシャフト165cが移動可能な範囲のうち一番下の位置にあることが示されている。
なお、図7および図8では左上リールシャッタ165aについて説明したが、中上リールシャッタ166aおよび右上リールシャッタ167aについても同様の構成となっている。
次に、回転方向下流側のリールシャッタの構成を、左下リールシャッタ165bを例に説明する。図9は、左下リールシャッタ165bを示す、遊技者側から見た拡大図である。図10は、図9に示す状態を遊技者側とは反対側から見た拡大図である。
図9および図10には、後述の駆動回路(図14の駆動回路424)により駆動されるモータ165lと、このモータ165lによって回転するギア165jと、ギア165jの外周部において回転軸と同じ方向に向けて備えられたシャフト165hと、このシャフト165hが移動可能に嵌め込まれる溝165iが形成された左下リールシャッタ165bと、左下リールシャッタ165bの移動方向を上下方向に制限するガイド165kが示されている。さらに、ギア165jとガイド165kを支える支持部材165zが示されている。この支持部材165zは、左下リールシャッタ165bを嵌め込む溝165yが形成され、この溝165yに嵌め込まれた左下リールシャッタ165bは移動方向が上下方向に制限された状態で支持される。すなわち、左下リールシャッタ165bは、モータ165lの動力により、ガイド165kおよび支持部材165zによって制限された移動方向(上下方向)に移動する。
左下リールシャッタ165bに形成された溝165iは、リール110〜112の回転方向に対して直交する向きであって、その長さがギア165jの中心部から一方の外周部までの長さになるように形成されている。この溝165iに嵌め込まれたシャフト165hは、ギア165jの回転によって駆動されるが、この溝165iの形状によって移動可能な範囲が制限されている。具体的には、左右方向(回転方向とは直交する方向)への移動については、ギア165jの半分(図9では左半分)に相当する範囲で移動が可能である。言い換えると、この溝165iとシャフト165hにより、ギア165jが半回転だけ回転するように制限されているとも言える。これに対して上下方向(回転方向)については溝165iの内部を移動できないため、左下リールシャッタ165bを伴って移動することになる。すなわちこの機構によって、モータ165lを駆動させることにより、ギア165jおよびシャフト165hを介して左下リールシャッタ165bを駆動させることができる。なお、ギア165jの大きさは、左下リールシャッタ165bが図2に示す番号3の領域を遮蔽することができる範囲であり、かつ図2に示す番号2の領域を遮蔽することができない範囲での移動が可能な大きさに設計されている。
図9(a)および図10(a)には、左下リールシャッタ165bが一番下に保持されている状態が示されている。この状態では、図2に示す番号3の領域にが遮蔽されていないことになる。なお、このときシャフト165hが移動可能な範囲のうち一番下の位置にあることが示されている。
図9(b)および図10(b)には、左下リールシャッタ165bが移動可能(遮蔽可能)な範囲の半分だけ移動した状態が示されている。この状態では、図2に示す番号1の領域が半分だけ遮蔽されていることになる。なお、このときシャフト165hが移動可能な範囲の真ん中の位置にあることが示されている。
図9(c)および図10(c)には、左下リールシャッタ165bが一番上に移動した状態が示されている。この状態では、図2に示す番号3の領域が全て遮蔽されていることになる。なお、このときシャフト165hが移動可能な範囲のうち一番上の位置にあることが示されている。
なお、図9および図10では左下リールシャッタ165bについて説明したが、中下リールシャッタ166bおよび右下リールシャッタ167bについても同様の構成となっている。
上記説明したリールシャッタ165〜167のそれぞれに対しては、リールシャッタ165〜167を発光させるための発光手段が設けられている。具体的には、リールシャッタ165〜167に対して、その内部に向けて光を照射する位置にLED基板が設けられている。リールシャッタ165〜167は、このLED基板から照射された光を反射して、遊技者側に光を照射できるように構成されている。また、このリールシャッタ165〜167はリール110〜112を遮蔽した際に、その遮蔽領域においてリール110〜112の内部に設けられたバックライトからの光を反射する。すなわち、リールシャッタ165〜167は、バックライトから遊技者に向けて照射される光を遮る遮光手段でもある。以下、この具体的な構成について図面を用いて説明する。
図11は、左リール110および左リールシャッタ165を示す断面図である。図12は、図11において左リールシャッタ165が遮蔽した状態を示す断面図である。図13は、図12におけるリール110のバックライトの発光態様を異ならせた状態を示す断面図である。
図11〜図13には、左リール110と、左上リールシャッタ165a、左下リールシャッタ165bが示されている。左リール110の内部には、光を透過しない壁で仕切られて設けられた3つのバックライト用LED192(本発明の第一の光源の一例に相当)が示されている。また、左上リールシャッタ165aのうち遊技者側に設けられ、光を透過する透過部材165mと、左上リールシャッタ165aのうち遊技台の内部側に設けられ、光を反射する反射部材165oと、この反射部材165oと透過部材165mとの間に光を照射するシャッタ用LED165nが示されている。反射部材165oは、シャッタ用LED165nからの光を遊技者側に反射するように設けられたものであり、透過部材165mは、この反射光を遊技者側に透過するように設けられたものである。左上リールシャッタ165aと同様に、左下リールシャッタ165bに対しても、光を透過する透過部材165pと、光を反射する反射部材165rと、この反射部材165pと透過部材165rとの間に光を照射するシャッタ用LED165qが設けられている。
図11には、左リールシャッタ165が左リール110を遮蔽していない状態が示されている。左リール110の内部に設けられた3つのバックライト用LED192は、図2の番号1、2、3のそれぞれに対応する領域に光を照射するものであり、この光によって該当する位置にある図柄の視認性を高めている。なお、それぞれのバックライト用LED192は壁で仕切られているため、担当する領域以外の領域に光を照射しないようになっている。図11には、これらのバックライト用LED192から遊技者側に向けて光が照射されることが矢印で示されている。なお、左上リールシャッタ165aに対して設けられたシャッタ用LED165nは、左上リールシャッタ165aが左リールを遮蔽しない状態では発光せず、それ以外の状態で発光するように制御される。左下リールシャッタ165bに対して設けられたシャッタ用LED165qについても、同様の制御が実行される。
図12には、左上リールシャッタ165aが左リール110を遮蔽している状態が示されている。この状態では、左上リールシャッタ165aに対して設けられたシャッタ用LED165nを発光させる制御が実行される。図12には、左上リールシャッタ165aにおいて、内部に向けて光を照射する位置に設けられたシャッタ用LED165nから反射部材165oおよび透過部材165mを介して遊技者側に光が照射されることが示されている。さらに、このときリール110のバックライト(バックライト用LED192)から遊技者側に向けて照射される光のうち、遮蔽された領域を照射する光が反射部材165oによって反射されることが示されている。これにより、遮蔽された領域から照射される光が遊技者側に照射されないようになっている。すなわち、左上リールシャッタ165aは、自身が光を遊技者側に照射する発光手段であると同時に、遮蔽した領域からの光を遮る遮光手段にもなっている。
なお、図12には、左上リールシャッタ165aだけでなく、左下リールシャッタ165bも左リール110を遮蔽している状態が示されているが、この左下リールシャッタ165bにおいても、左上リールシャッタ165aと同様の状態が示されている。すなわち、内部に向けて光を照射する位置に設けられたシャッタ用LED165qから反射部材165rおよび透過部材165pを介して遊技者側に光が照射されることと、リール110のバックライト(バックライト用LED192)から遊技者側に向けて照射される光が反射部材165rによって反射されることが示されている。すなわち、左下リールシャッタ165bも、左上リールシャッタ165aと同様、自身が光を遊技者側に照射する発光手段であると同時に、遮蔽した領域からの光を遮る遮光手段にもなっている。
なお、上記左リールシャッタ165は、図2に示す番号2の領域については遮蔽しないため、この領域からの光はそのまま遊技者側に照射される。また、上記説明では左リール110の断面図を用いて説明したが、中リール111および右リール112についても同様の構成となっている。
上記説明した構成によれば、リールシャッタ165〜167によってリール110〜112を遮蔽したことにより遊技者側が暗くなってしまい、遊技者の操作の妨げになることを防ぐことができる。例えば、一旦暗くなった後に元の明るさにする場合(又はその逆の場合)、その明度の変化が大きいと遊技者の目が明るさの変化に対応しきれずに操作を誤ったり演出を認識できなくなる虞がある。しかし上記の構成によれば、明度の変化を抑えてこのような事態を防止することができる。なお、この際、一部でも遮蔽された領域については、そのまま光を照射せずに、消灯したり減光したりしてもよい。図13には、遮蔽された領域を担当するバックライト用LED192を消灯させた例が示されている。
次に、図14を用いて、スロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主な演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。なお、以下説明する主制御部300は、本発明の抽選手段、受付有効化手段、停止制御手段、判定手段、特典付与手段、操作順序対応手段、遅延制御手段の一例に相当するものである。また、第1副制御部400は、本発明の変更制御手段、第一の発光制御手段、第二の発光制御手段の一例に相当するものである。
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの図柄配列等を記憶したROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、WDT(ウォッチドッグタイマ)314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400や第2副制御部500についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器315bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器315bが出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
主制御部300は、水晶発振器315aから入力されるクロック信号に基づき0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数値生成回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路338を備えており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号が入力された場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、主制御部300は、センサ回路320を備えており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、メダル投入口141から投入されたメダルのメダル受付センサ、スタートレバー135センサ、左ストップボタン137センサ、中ストップボタン138センサ、右ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、左リール110のインデックスセンサ、中リール111のインデックスセンサ、右リール112のインデックスセンサ、等)の状態を監視している。
なお、センサ回路320がスタートレバーセンサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数値生成回路316に出力する。この信号を受信した乱数値生成回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
メダル受付センサは、メダル投入口141の内部通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。左ストップボタン137センサ、中ストップボタン138センサ、および、右ストップボタン139センサは、各々対応するストップボタン137乃至139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、および、ベットボタン132センサは、対応するメダル投入ボタン130乃至132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
左リール110のインデックスセンサ、中リール111のインデックスセンサ、および、右リール112のインデックスセンサは、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。一旦Lレベルになってから次にLレベルになるまでの間、リールが基準位置からどのくらい回転しているかを示す回転位置情報は、水晶発振器315bが出力するクロック信号をカウントした値に基づいて算出される。CPU304は、上記Lレベルの信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。この回転位置情報は、主制御部300のRAM308に格納されている。
主制御部300は、リール装置110乃至112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路322、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ170に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路326、各種ランプ339(リールパネルランプ左120、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129は、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路328を備えている。
また、基本回路302には、情報出力回路334を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態を示す情報)を出力する。
また、主制御部300は、電源管理部(図示省略)から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路330を備えており、電圧監視回路330は、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
<副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信する。第1副制御部400は、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM406には、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等が記憶されている。
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第1副制御部400には、音源IC418を設けており、音源IC418に出力インタフェースを介してスピーカ272、277を設けている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS−ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
また、第1副制御部400には、駆動回路422が設けられ、駆動回路422に入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ、ベットボタンランプ200、リール110〜112のバックライトLED192、リールシャッタのシャッタ用LED165n、165q等)が接続されている。
また、第1副制御部400には、駆動回路424が設けられ、駆動回路424に入出力インタフェースを介してリールシャッタ165〜167が接続されている。
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。第2副制御部500は、演出画像表示装置157の表示制御を含む演出装置160の各種制御を行う。なお、第2副制御部500は、例えば、液晶表示装置157の表示の制御を行う制御部、各種演出用駆動装置の制御を行う制御部(例えば、液晶シャッタ163のモータ駆動を制御する制御部)とするなど、複数の制御部で構成するようにしてもよい。
第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、この基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512と、を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM506には、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等が記憶されている。
CPU504は、所定のタイミングでデータバスを介してROM506の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ512に送信する。カウンタタイマ512は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU504は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第2副制御部500には、液晶シャッタ163のモータを駆動する駆動回路530を設けており、駆動回路530には出力インタフェースを介して液晶シャッタ163を設けている。この駆動回路530は、CPU504からの命令に応じて液晶シャッタ163に設けたステッピングモータ(図示省略)に駆動信号を出力する。
また、第2副制御部500には、センサ回路532を設けており、センサ回路532には入力インタフェースを介して液晶シャッタセンサ538を接続している。CPU504は、割り込み時間ごとに液晶シャッタセンサ538状態を監視している。
また、第2副制御部500には、VDP534(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)を設けており、このVDP534には、バスを介してROM506、VRAM536が接続されている。VDP534は、CPU504からの信号に基づいてROM506に記憶された画像データ等を読み出し、VRAM536のワークエリアを使用して表示画像を生成し、演出画像表示装置157に画像を表示する。
<図柄配列>
次に、図15を用いて、上述の各リール110乃至112に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施された図柄の配列を平面的に展開して示す図である。
各リール110乃至112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では10種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号0〜20は、各リール110乃至112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施形態では、左リール110の番号1のコマには「スイカ図柄」、中リール111の番号0のコマには「ベル図柄」、右リール112の番号2のコマには「セブン1図柄」、がそれぞれ配置されている。
<入賞役の種類>
次に、図16、図17を用いて、スロットマシン100の入賞役の種類について説明する。なお、図16は、入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役に対応する図柄組み合わせ、各入賞役の作動または払出を示す、全2図中の1つ目の図である。図17は、入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役に対応する図柄組み合わせ、各入賞役の作動または払出を示す、全2図中の2つ目の図である。
スロットマシン100の入賞役には、特別役(特別役1、特別役2)と、一般役(再遊技役1〜再遊技役4、小役1〜小役5)がある。なお、入賞役の種類は、これらの役に限定されるものではなく、任意に採用することができる。
本実施形態における入賞役のうち、特別役1および特別役2は、遊技者に所定の利益が付与される特別遊技状態に移行する役である。また、再遊技役1〜再遊技役4は、新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役である。これらの入賞役は「作動役」と呼ばれる場合がある。また、本実施形態における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組み合わせが有効ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、特別役1、特別役2、および再遊技役1〜再遊技役4への入賞が含まれる。
特別役1および特別役2は、入賞により特別遊技状態に移行する役(作動役)である。ただし、この役自身に入賞したことよるメダルの払出は行われない。対応する図柄組み合わせは、特別役1が「セブン1−セブン1−セブン1(BB)」又は「セブン2−セブン2−セブン2(BB)」であり、特別役2が「BAR−BAR−BAR(RB)」である。
特別役1または特別役2に内部当選すると、この内部当選した役に対応する特別役内部当選フラグがオンに設定される(主制御部300のRAM308の所定のエリア内に記憶される)。このフラグがオンに設定されると、主制御部300は、遊技状態を特別役内部当選状態(以下、この状態をRT4と称することがある)に移行させる。このフラグは、その内部当選した役に入賞するまでオンの状態が維持され、次回以降の遊技においてもその内部当選した役に入賞しやすい状態となる。すなわち、特別役1または特別役2に内部当選した遊技においてその特別役に入賞しなくとも、次回以降の遊技でその特別役に内部当選した状態となり、特別役に対応する図柄組み合わせ(例えば特別役1に内部当選した場合は「セブン1−セブン1−セブン1(BB)」又は「セブン2−セブン2−セブン2(BB)」の図柄組み合わせ)が、揃って入賞しやすい状態になる。この特別役内部当選状態(RT4)については後述する。
主制御部300は、特別役1または特別役2に対応する図柄組み合わせが表示されたことに基づいて遊技状態を特別遊技状態(以下、この状態をRT5と称することがある)に移行させる。さらにこの特別遊技状態において、所定の枚数の払出しがされると再遊技低確率状態(以下、この状態をRT1と称することがある)に移行させる。この特別遊技状態(RT5)および再遊技低確率状態(RT1)については後述する。
再遊技役(再遊技役1から再遊技役4)は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行われない。なお、再遊技役1に対応する図柄組み合わせは、「リプレイ−リプレイ−リプレイ(通常リプレイ)」、「ベル−リプレイ−ベル(通常リプレイ)」、「ベル−リプレイ−ブランク3(通常リプレイ)」、その他の組み合わせがある。再遊技役2に対応する図柄組み合わせは「リプレイ−リプレイ−ベル(準備リプレイ)」である。再遊技役3に対応する図柄組み合わせは「スイカ−リプレイ−リプレイ(昇格リプレイ)」又は「ブランク1−リプレイ−リプレイ(昇格リプレイ)」である。再遊技役4に対応する図柄組み合わせは「リプレイ−リプレイ−スイカ(転落リプレイ)」である。なお、主制御部300は、再遊技役2に対応する図柄組み合わせが表示されたことに基づいて遊技状態を再遊技高確率準備状態(以下、この状態をRT2と称することがある)に移行させる。また、再遊技役3に対応する図柄組み合わせが表示されたことに基づいて遊技状態を再遊技高確率状態(以下、この状態をRT3と称することがある)に移行させる。さらに、再遊技役4に対応する図柄組み合わせが表示されたことに基づいて遊技状態を再遊技低確率状態(RT1)に移行させる。これらの再遊技高確率準備状態(RT2)および再遊技高確率状態(RT3)については後述する。
上記再遊技役は、遊技者がメダルを投入することなく、次回の遊技を行うことができる役であればよい。したがって、例えば、再遊技に入賞すると次回遊技でメダルの投入が自動的に投入(後述するメダル投入枚数記憶領域にメダル投入枚数を再設定)されるものであってもよいし、再遊技に入賞した遊技で投入されたメダルをそのまま次回の遊技に持ち越して使用できるものであってもよい。
「小役(小役1〜小役5)」(以下、それぞれ「小役1」、「小役2」、「小役3」、「小役4」、「小役5」と称する場合がある)は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役である。小役1に対応する図柄組み合わせは「ANY−チェリー−ANY(チェリー)」である。小役2に対応する図柄組み合わせは「スイカ−スイカ−スイカ(スイカ)」、「ベル−スイカ−BAR(スイカ)」、「リプレイ−スイカ−BAR(スイカ)」、その他の組み合わせがある。小役3に対応する図柄組み合わせは「リプレイ−ベル−スイカ(5択ベル)」、「スイカ−ベル−スイカ(5択ベル)」、「ブランク1−ベル−スイカ(5択ベル)」、その他の組み合わせがある。小役4に対応する図柄組み合わせは「ベル−ベル−ベル(共通ベル)」である。小役5に対応する図柄組み合わせは「ブランク2−BAR−BAR(1枚役)」である。なお、各小役に対応する払出枚数は同図に示す通りである。なお、「ANY−チェリー−ANY」の場合、中リール111の図柄が「チェリー」であればよく、左リール110と右リール112の図柄はどの図柄でもよい。また、入賞役ではないが、後述する小役3の押し順に正解しなかった場合に中段入賞ラインL1に表示される図柄組み合わせとして、「リプレイ−ベル−ベル(こぼし目)」、「スイカ−ベル−ベル(こぼし目)」、「ブランク1−ベル−ベル(こぼし目)」が設けられている。主制御部300は、遊技状態が再遊技高確率準備状態(RT2)又は再遊技高確率状態(RT3)であるときに、これらのこぼし目のいずれかに対応する図柄組み合わせが表示されたことに基づいて遊技状態を再遊技低確率状態(RT1)に移行させる。
<遊技状態の種類>
次に、スロットマシン100の遊技状態の種類および変遷について説明する。図18は、スロットマシン100の遊技状態の遷移図である。
スロットマシン100は、大別すると再遊技低確率状態(RT1)、再遊技高確率準備状態(RT2)、再遊技高確率状態(RT3)、特別役内部当選状態(RT4)、特別遊技状態(RT5)の計5つの遊技状態があり、これらの遊技状態は主制御部300によって制御されている。図18(a)には、これらの5つの遊技状態が示されている。また、図18(b)には各遊技状態の移行条件が記載され、図18(a)には、各遊技状態を結ぶ矢印上に図18(b)に示す移行条件に対応する記号が記載されている。各矢印に記載された記号に対応する移行条件が成立すると、その矢印方向に向かって遊技状態が遷移する。この遊技状態が移行する条件には、例えば、所定の役に入賞すること、所定の役に内部当選すること、特定の入賞ラインに特定の図柄組み合わせが停止表示すること、規定回数の遊技が消化されたこと、および所定枚数の払出しがされることなどがある。
<入賞役の内部当選>
本実施形態の遊技台では、スタートレバー135の操作に基づいて、上記説明した入賞役の入賞を許容するか否かの内部抽選が実行される(図20のステップS109)。この内部抽選の結果によって、リールの停止制御を行うことにより、入賞役の入賞を制御している。なお、この内部抽選により導出される結果を条件装置と称する。また、条件装置は入賞役に対応していることから、条件装置に内部当選していることを、入賞役に内部当選していると表現することがある。また、条件装置のことを内部当選役と表現することがある。以下、この条件装置について図面を用いて説明する。
図19は、各遊技状態における条件装置の抽選テーブルを示す図である。横軸はそれぞれの遊技状態を表し、縦軸はそれぞれの条件装置の抽選値を示す。この条件装置は入賞役に対応しており、ある条件装置が抽選により決定すると、対応する入賞役に応じた図柄組み合わせが、有効な入賞ライン上に表示される(入賞する)ことが許容される。
図19の条件装置のうち、特別役1、特別役2、再遊技役1、小役1、小役2、小役5は、図16、図17を用いて説明した入賞役にそれぞれ対応する条件装置である。これらの条件装置に内部当選すると、停止操作のタイミングにより対応する入賞役に応じた図柄組み合わせを有効な入賞ライン上に表示させることができる。
なお、小役5は、リール110〜112のそれぞれに施されたセブン2図柄が中段入賞ラインL1に揃い損ねた態様(図30(b)に示す態様参照、以下、ずれ7態様と称する)となる図柄組み合わせを中段入賞ラインL1上に表示させることができる条件装置でもある。具体的には、第1停止、第2停止については、セブン2図柄を中段ライン上に引き込む(引き込みについては後述)ことを許容し、第3停止については、セブン2図柄を中段入賞ラインL1の1図柄下(図2に示す番号3又は番号6又は番号9のいずれか)に引き込むことを許容するようになっている。なお、特別遊技状態(RT5)中のハズレ(いずれの役にも内部当選しなかった状態)についても、ずれ7態様が導出されることを許容する条件装置になっている。
図19の条件装置のうち、「再遊技役1&2重複G」とは、再遊技役1又は再遊技役2のいずれかに入賞することを許容する条件装置のことを指す。また、少なくとも再遊技役1の条件装置と再遊技役2の条件装置が重複して内部当選している状態を示すものでもある。この「再遊技役1&2重複G」に内部当選すると、遊技者の停止操作順序に応じてどの役に対応する図柄組み合わせが表示されるかが決定される。より具体的には、予め定められた一方の停止操作順序(以下、正解操作順序又は押し順正解とも称する)に従って停止操作がされた場合は、再遊技役2に対応する図柄組み合わせ(準備リプレイ)が表示され(図19備考欄中、押し順正解時参照)、予め定められた他方の停止操作順序(以下、不正解操作順序又は押し順不正解とも称する)に従って停止操作がされた場合には、再遊技役1に対応する図柄組み合わせ(通常リプレイ)のうちのいずれか一つが表示される(図19備考欄中、押し順不正解時参照)。
本実施形態のスロットマシン100においては、第1停止操作、第2停止操作、第3停止操作の組み合わせによって複数の停止操作順序がある(左中右、左右中、中左右、中右左、右左中、右中左の計6通り)。上記説明した「再遊技役1&2重複G」では、左第1停止を正解操作順序とする条件装置と、中第1停止を正解操作順序とする条件装置と、右第1停止を正解操作順序とする条件装置の3種類の条件装置が存在する。なお、これら3種類の条件装置の内部当選確率は均等である。また、図19に示す「再遊技役1&2重複G」の内部当選確率は、これら3種類の条件装置の内部当選確率の総和である。この「再遊技役1&2重複G」のように、再遊技役に対応する図柄組み合わせが押し順によって決定される条件装置を「押し順リプレイ」と呼ぶ場合がある。なお、以下では「再遊技役1&2重複G」に内部当選していることを、再遊技役1と再遊技役2が重複して内部当選している、と表現することがある。
なお、上記3種類の正解操作順序を採用した構成は一例であって、例えば6通りの操作順序それぞれを正解操作順とする条件装置(6種類の条件装置)を採用してもよい。また、これらの内部当選確率は均等でなくともよい。この構成については、以下の「再遊技役3&4重複G」、「再遊技役1&4重複G」でも同様である。
「再遊技役3&4重複G」とは、再遊技役3又は再遊技役4のいずれかに入賞することを許容する条件装置のことを指す。また、少なくとも再遊技役3の条件装置と再遊技役4の条件装置が重複して内部当選している状態を示すものでもある。この「再遊技役3&4重複G」に内部当選すると、遊技者の停止操作順序に応じてどの役に対応する図柄組み合わせが表示されるかが決定される。より具体的には、予め定められた一方の停止操作順序(正解操作順序又は押し順正解とも称する)に従って停止操作がされた場合は、再遊技役3に対応する図柄組み合わせ(昇格リプレイ)のうちのいずれか一つが表示され(図19備考欄中、押し順正解時参照)、予め定められた他方の停止操作順序(以下、不正解操作順序又は押し順不正解とも称する)に従って停止操作がされた場合には、再遊技役4に対応する図柄組み合わせ(転落リプレイ)が表示される(図19備考欄中、押し順不正解時参照)。
上記説明した「再遊技役3&4重複G」では、「再遊技役1&2重複G」と同様に3種類の条件装置が存在し、これらの条件装置の内部当選確率は均等である。また、図19に示す「再遊技役3&4重複G」の内部当選確率は、これら3種類の条件装置の内部当選確率の総和である。この「再遊技役3&4重複G」も、「再遊技役1&2重複G」と同様に「押し順リプレイ」と呼ぶ場合がある。なお、以下では「再遊技役3&4重複G」に内部当選していることを、再遊技役3と再遊技役4が重複して内部当選している、と表現することがある。
「再遊技役1&4重複G」とは、再遊技役1又は再遊技役4のいずれかに入賞することを許容する条件装置のことを指す。また、少なくとも再遊技役1の条件装置と再遊技役4の条件装置が重複して内部当選している状態を示すものでもある。この「再遊技役1&4重複G」に内部当選すると、遊技者の停止操作順序に応じてどの役に対応する図柄組み合わせが表示されるかが決定される。より具体的には、予め定められた一方の停止操作順序(正解操作順序又は押し順正解とも称する)に従って停止操作がされた場合は、再遊技役1に対応する図柄組み合わせ(通常リプレイ)のうちのいずれか一つが表示され(図19備考欄中、押し順正解時参照)、予め定められた他方の停止操作順序(以下、不正解操作順序又は押し順不正解とも称する)に従って停止操作がされた場合には、再遊技役4に対応する図柄組み合わせ(転落リプレイ)が表示される(図19備考欄中、押し順不正解時参照)。
上記説明した「再遊技役1&4重複G」では、「再遊技役1&2重複G」と同様に3種類の条件装置が存在し、これらの条件装置の内部当選確率は均等である。また、図19に示す「再遊技役1&4重複G」の内部当選確率は、これら3種類の条件装置の内部当選確率の総和である。この「再遊技役1&4重複G」も、「再遊技役1&2重複G」と同様に「押し順リプレイ」と呼ぶ場合がある。なお、以下では「再遊技役1&4重複G」に内部当選していることを、再遊技役1と再遊技役4が重複して内部当選している、と表現することがある。
また、「小役3重複G」とは、遊技者の停止操作順序に応じて小役3に入賞することを許容する条件装置のことを指す。具体的には、予め定められた停止操作順序である正解操作順序に従って停止操作がされた場合は、小役3に対応する図柄組み合わせ(5択ベル)のうちいずれか一つが表示され(図19備考欄中、押し順正解時参照)、それ以外の場合には、こぼし目に対応する図柄組み合わせのうちのいずれか一つが表示される(図19備考欄中、押し順不正解時参照)。
上記説明した「小役3重複G」では、左中右を正解操作順序とする条件装置と、左右中を正解操作順序とする条件装置と、右左中を正解操作順序とする条件装置と、右中左を正解操作順序とする条件装置と、中第1停止を上記正解操作順序とする条件装置の5種類の条件装置が存在する。なお、これら複数種類の条件装置の内部当選確率は均等である。また、図19に示す「小役3重複G」の内部当選確率は、これら5種類の条件装置の内部当選確率の総和である。この「小役3重複G」のように、小役に対応する図柄組み合わせが押し順によって決定される条件装置を「押し順小役」と呼ぶ場合がある。なお、この「押し順小役」については「押し順リプレイ」同様に、上記5種類以外の停止操作順序について正解操作順序とする条件装置を採用してもよい。さらに内部当選確率を条件装置によって異ならせてもよい。
また「小役4」に内部当選した場合には、停止操作に関わらず図16に示す小役4に対応する図柄組み合わせが、中段入賞ラインL1に表示される。(図19備考欄参照)。
以降説明する各遊技状態における条件装置の内部当選確率は、ROM306に用意された抽選データから、各々の役に対応付けされた抽選データの範囲に該当する数値データを、内部抽選時に取得される乱数値の範囲の数値データ(例えば65535)で除した値で求められる。例えば、RT1(再遊技低確率状態)においては、小役1の抽選値が512であり、小役1の当選確率は512/65536*100≒8%である。抽選データは、予めいくつかの数値範囲に分割され、各数値範囲に各々の条件装置やハズレを対応付けしている。内部抽選を実行した結果得られた乱数値が、何れの条件装置に対応する抽選データに対応する値であったかを判定し、内部抽選役(条件装置)を決定する。この抽選データは少なくとも1つの役の当選確率を異ならせた設定1〜設定6が用意され、遊技店の係員等はいずれかの設定値を任意に選択し、設定することができる。
以降、図18、図19を適宜参照しながら、スロットマシン100の遊技状態について説明する。
<再遊技低確率状態(RT1)>
再遊技低確率状態は、再遊技役に対応する条件装置の内部当選確率が他の遊技状態(例えば特別遊技状態を除く遊技状態)のうち最も低い(遊技者にとって不利な)遊技状態であり、通常遊技状態と称することもある。再遊技低確率状態では、図19に示す横軸の「RT1」の列にある抽選テーブルを参照して条件装置を抽選する。
再遊技低確率状態における条件装置には、特別役1、特別役2、再遊技役1、再遊技役1&2重複G、小役1、小役2、小役3重複G、小役4がある。なお、これらの役に内部当選しなかった場合はハズレとなり、いずれの入賞役に対応する図柄組み合わせも表示されることはない。なお、有効な入賞ラインに入賞に係る図柄組合せが停止されないことを、「ハズレとなる」、と称する場合がある。また、入賞役に内部当選しなかったことを「ハズレに当選した」と表現する場合がある。
図18には、再遊技低確率状態(RT1)において、再遊技役2に対応する図柄組み合わせが表示された場合(再遊技役2に入賞した場合)には、後述する再遊技高確率準備状態(RT2)に移行することが示されている。また、同図には、特別役1または特別役2に内部当選した場合には、後述する特別役内部当選状態(RT4)に移行することが示されている。
<再遊技高確率準備状態(RT2)>
再遊技高確率準備状態(RT2)は、再遊技低確率状態(RT1)よりも再遊技役に対応する条件装置の内部当選確率が高い遊技状態である。再遊技高確率準備状態(RT2)では、図19に示す横軸の「RT2」の列にある抽選テーブルを参照して条件装置を抽選する。
再遊技高確率状態(RT2)における条件装置には、特別役1、特別役2、再遊技役1、再遊技役3&4G、小役1、小役2、小役3重複G、小役4がある。なお、これらの役に内部当選しなかった場合はハズレとなり、いずれの入賞役に対応する図柄組み合わせも表示されることはない。
図18には、再遊技高確率準備状態(RT2)において、再遊技役3に対応する図柄組み合わせが表示された場合(再遊技役3に入賞した場合)には、後述する再遊技高確率状態(RT3)に移行することが示され、再遊技役4に対応する図柄組み合わせが表示された場合(再遊技役4に入賞した場合)、又はこぼし目に対応する図柄組み合わせが表示された場合には、上述した再遊技低確率状態(RT1)に移行することが示されている。また、同図には、特別役1または特別役2に内部当選した場合には、後述する特別役内部当選状態(RT4)に移行することが示されている。
<再遊技高確率状態(RT3)>
再遊技高確率状態(RT3)は、全ての遊技状態中で最も再遊技役に対応する条件装置の内部当選確率が高い遊技状態である。再遊技高確率状態(RT3)では、図19に示す横軸の「RT3」の列にある抽選テーブルを参照して条件装置を抽選する。
再遊技高確率状態(RT3)における条件装置には、特別役1、特別役2、再遊技役1、再遊技役1&4G、小役1、小役2、小役3重複G、小役4がある。なお、これらの役に内部当選しなかった場合はハズレとなり、いずれの入賞役に対応する図柄組み合わせも表示されることはない。
図18には、再遊技高確率状態(RT3)において、再遊技役4に対応する図柄組み合わせが表示された場合(再遊技役4に入賞した場合)、又はこぼし目に対応する図柄組み合わせが表示された場合には、上述した再遊技低確率状態(RT1)に移行することが示されている。また、同図には、特別役1または特別役2に内部当選した場合には、後述する特別役内部当選状態(RT4)に移行することが示されている。
<特別役内部当選状態(RT4)>
特別役内部当選状態(RT4)は、特別役内部当選フラグがオンに設定された状態であり、遊技者が所定のタイミングで停止操作をすることで特別役1または特別役2のいずれかの役に対応する図柄組み合わせを表示させることができる遊技状態である。特別役内部当選状態では、図19に示す横軸の「RT4」の列にある抽選テーブルを参照して条件装置を抽選する。
特別役内部当選状態における条件装置には、再遊技役1、小役1、小役2、小役3重複Gがある。なお、これらの役に内部当選しなかった場合はハズレとなり、いずれの入賞役に対応する図柄組み合わせも表示されることはない。ただし、上記説明したように、特別役1または特別役2のいずれかの役に対応する図柄組み合わせについては表示させることが可能な状態になっている。
図18には、特別役内部当選状態(RT4)において、特別役1または特別役2に対応する図柄組み合わせが表示された場合に、後述する特別遊技状態(RT5)に移行することが示されている。
<特別遊技状態(RT5)>
特別遊技状態(RT5)は、全ての遊技状態中で最も遊技者に有利な遊技状態である。特別遊技状態では、図19に示す横軸の「RT5」の列にある抽選テーブルを参照して条件装置を抽選する。特別遊技状態における条件装置には、小役4、小役5がある。なお、これらの役に内部当選しなかった場合はハズレとなり、いずれの入賞役に対応する図柄組み合わせも表示されることはない。
図18には、特別遊技状態(RT5)において、規定枚数が払い出された場合に再遊技低確率状態(RT1)に移行することが示されている。具体的には、特別役1に対応する図柄組み合わせが表示されたことに基づいて特別遊技状態に移行した場合には、360枚以上のメダルの払出しが終了すると再遊技低確率状態(RT1)に移行する。また、特別役2に対応する図柄組み合わせが表示されたことに基づいて特別遊技状態に移行した場合には、120枚以上のメダルの払出しが終了すると再遊技低確率状態(RT1)に移行する。
なお、本実施形態では、特別遊技状態が規定枚数の払い出しが実行されると終了するが、例えば、所定の役(例えばシングルボーナス)に当選した場合に終了するものや、さらには所定の回数(例えば8回)の入賞があった場合、または所定の回数(例えば6回)の遊技が行われた場合に終了するものであってもよい。
<AT遊技状態>
本実施形態のスロットマシン100の主制御部300は、5つの遊技状態(RT1、RT2、RT3、RT4、RT5)を制御している。一方、第1副制御部400では、遊技状態が、再遊技低確率状態(RT1)、再遊技高確率準備状態(RT2)、および再遊技高確率状態(RT3)のいずれかである場合に、内部当選した役に関する情報を報知する停止操作演出が開始される場合がある。以下、この停止操作演出が実行されている状態をAT(アシストタイム)遊技状態と称する。ここで、このAT遊技状態の詳細について説明する。
AT遊技状態では、条件装置に応じて、遊技者に有利な結果がもたらされるように停止操作手段の操作タイミング又は押す順番を報知する演出が実行される。具体的には、「再遊技役1&2重複G」に内部当選した場合には再遊技役2に入賞するための押し順を報知し、「再遊技役3&4重複G」に内部当選した場合には再遊技役3に入賞するための押し順を報知する。また、「再遊技役1&4重複G」に内部当選した場合には再遊技役1に入賞するための押し順を報知し、「小役3重複G」に内部当選した場合には、小役3に入賞するための押し順を報知する。なお、これらの条件装置をAT役と称することがある。
「再遊技役1&2重複G」は、再遊技低確率状態(RT1)における条件装置である。この役に内部当選すると、再遊技役1(通常リプレイ)または再遊技役2(準備リプレイ)のいずれかの役に入賞する。これらの役は、再遊技が付与される点で共通するものの、再遊技役2が遊技者にとってより有利な遊技状態である再遊技高確率準備状態(RT2)に移行する役である点が異なる。すなわち、再遊技役1に入賞するよりも再遊技役2に入賞する方が遊技者にとって有利な結果になる。このため、AT遊技状態において、「再遊技役1&2重複G」に内部当選した場合には、再遊技役2に対応する図柄組み合わせを有効な入賞ラインに表示させるための停止操作順序を報知する演出が実行される。
「再遊技役3&4重複G」は、再遊技高確率準備状態(RT2)における条件装置である。この役に内部当選すると、再遊技役3(昇格リプレイ)または再遊技役4(転落リプレイ)のいずれかの役に入賞する。これらの役は、再遊技が付与される点で共通するものの、再遊技役3が遊技者にとってより有利な遊技状態である再遊技高確率状態(RT3)に移行するのに対し、再遊技役4が遊技者にとって不利な遊技状態である再遊技低確率状態(RT1)に移行する点が異なる。すなわち、再遊技役4に入賞するよりも再遊技役3に入賞する方が遊技者にとって有利な結果になる。このため、AT遊技状態において、「再遊技役3&4重複G」に内部当選した場合には、再遊技役3に対応する図柄組み合わせを有効な入賞ラインに表示させるための停止操作順序を報知する演出が実行される。
「再遊技役1&4重複G」は、再遊技高確率状態(RT3)における条件装置である。この役に内部当選すると、再遊技役1(通常リプレイ)または再遊技役4(転落リプレイ)のいずれかの役に入賞する。これらの役は、再遊技が付与される点で共通するものの、再遊技役1が遊技者にとってより有利な遊技状態である再遊技高確率状態(RT3)が維持される役であるのに対し、再遊技役4が遊技者にとって不利な遊技状態である再遊技低確率状態(RT1)に移行する役である点が異なる。すなわち、再遊技役4に入賞するよりも再遊技役1に入賞する方が遊技者にとって有利な結果になる。このため、AT遊技状態において、「再遊技役1&4重複G」に内部当選した場合には、再遊技役1に対応する図柄組み合わせを有効な入賞ラインに表示させるための停止操作順序を報知する演出が実行される。
「小役3重複G」は、特別遊技状態(RT5)を除く遊技状態において内部当選する役である。この役に内部当選すると、小役3又はこぼし目に対応する図柄組み合わせのいずれかが表示される。上述したように小役3に入賞した場合9枚のメダルが払い出されるのに対し、こぼし目に対応する図柄組み合わせが表示されるとメダルの払い出しがないだけでなく、遊技者に不利な再遊技低確率状態(RT1)に移行してしまう場合がある。すなわち、こぼし目に対応する図柄組み合わせが表示されるよりも、小役3に対応する図柄組み合わせが表示される方が遊技者にとって有利な結果になる。このため、AT遊技状態において、「小役3重複G」に内部当選した場合には、小役3に対応する図柄組み合わせを有効な入賞ラインに表示させるための停止操作順序を報知する演出が実行される。
本実施形態のスロットマシン100では、第1副制御部400のRAM408に設けられたATフラグがオンに設定されることにより、第1副制御部メイン処理において、AT遊技状態になる演出が実行される。このATフラグは、小役5に内部当選した際にオンに設定され、その際に設定されたAT回数(残AT回数と称する場合もある)の遊技を消化するとオフに設定される。このAT回数は、第1副制御部400のRAM408に記憶されている。
なお、AT回数によらず、所定の条件(例えば特定の遊技状態になったとき)に従ってAT遊技状態が開始、終了されるようにしてもよい。また、所定の条件に従ってAT回数を加算するか否かの抽選が実行されるようにしてもよい。このAT遊技が実行されている状態では、遊技者がメダルを得やすくなる。この期間の長さ等によっては、上記説明した特別遊技状態(RT5)よりも遊技者に有利な状態になる場合がある。
以下、主制御部300、第1副制御部400、第2副制御部500の処理について図面を用いて説明する。
<主制御部メイン処理>
まず、図20を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)338を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図20に示す主制御部メイン処理を実行する。
電源投入が行われると、まず、ステップS101で各種の初期設定を行う。この初期設定では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。
ステップS103では、メダル投入・スタート操作受付処理を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルが投入されたことを示す投入コマンドの送信準備を行う。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタートレバー135の操作があればステップS105へ進む。
ステップS105では、投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する。
ステップS107では、乱数値生成回路316で発生させた乱数を取得する。
ステップS109では、現在の遊技状態に応じてROM306に格納されている条件装置の抽選テーブルを読み出し、これとステップS107で取得した乱数値とを用いて内部抽選を行うとともに、この内部抽選の結果を示す内部当選コマンドを第1副制御部400へ送信するための準備を行なう。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合、その入賞役のフラグがオンになる。なお、この入賞役内部抽選処理の詳細については図22を用いて後述する。
ステップS111では、内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択する。なお、このリール停止データは、主制御部300のROM306内に記憶されている。
ステップS113では、リール回転処理が実行され、全リール110乃至112の回転を開始させる。なお、このリール回転処理の詳細については図23を用いて後述する。
ステップS115では、ストップボタン137乃至139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリールを停止させるために停止テーブルを参照し、停止テーブルに設定された引き込みコマ数に従ってリール110乃至112の何れかを停止させる。全リール110乃至112が停止するとステップS117へ進む。なお、このリール停止制御処理の詳細については図24を用いて後述する。
ステップS117では、入賞判定処理を行う。ここでは、有効化された入賞ライン上に、何らかの入賞役に対応する絵柄組み合わせが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に「ANY−チェリー−ANY」が揃っていたならば小役1に入賞したと判定する。
ステップS119では払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数に応じて払い出す。
ステップS121では遊技状態制御処理を行う。遊技状態制御処理では、再遊技低確率状態(RT1)、再遊技高確率準備状態(RT2)、再遊技高確率状態(RT3)、特別役内部当選状態(RT4)、特別遊技状態(RT5)の各遊技状態の移行に関する処理を行い、それらの開始条件又は終了条件の成立により、遊技状態を移行する。なお、当該遊技において特別役に内部当選し、かつ当該遊技において特別役に対応する図柄組合せが表示されなかった場合は、特別役内部当選状態(RT4)へ移行させる処理を行い、当該遊技において特別役に内部当選し、かつ当該遊技において特別役に対応する図柄組合せが表示された場合は、特別役内部当選状態(RT4)へ移行させたのち、さらに特別遊技状態(RT5)へ移行させる処理を行う。また、現在の遊技状態を示す遊技状態更新コマンドの送信準備を行う。以上により一遊技が終了する。以降、ステップS103へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
<主制御部300タイマ割込処理>
次に図21を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
ステップS201では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
ステップS203では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDT314を定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップS205では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、各種センサ318のセンサ回路320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ318ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。
ステップS207では、各種遊技処理が実行され、割込みステータスに応じた処理が実行される。
ステップS209では、タイマ更新処理を行う。より具体的には、各種タイマをそれぞれの時間単位により更新する。また、遅延タイマ(図23のステップS1203参照)が設定されている場合には、この遅延タイマの減算処理を行う。
ステップS211では、コマンド設定送信処理を行い、送信準備されていた各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は本実施形態では16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、投入コマンド、スタートレバー受付コマンド、内部当選コマンド、演出抽選処理に伴う演出コマンド、リール110乃至112の回転の開始に伴う回転開始コマンド、ストップボタン137乃至139の操作の受け付けに伴う停止ボタン受付コマンド、リール110乃至112の停止処理に伴う停止位置情報コマンド、入賞判定コマンド、メダル払出処理に伴う払出枚数コマンド及び払出終了コマンド、リール停止コマンド、遊技状態更新コマンド、演出リール制御コマンド、演出ベットボタン押下コマンド)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成されている。
第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
ステップS213では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路334を介してスロットマシン100とは別体の情報入力回路652に出力する。
ステップS215では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、まずはステップS205において信号状態記憶領域に記憶した各種センサ318の信号状態を読み出して、メダル投入異常及びメダル払出異常等に関するエラーの有無を監視し、エラーを検出した場合には(図示省略)エラー処理を実行させる。さらに、現在の遊技状態に応じて、メダルセレクタ170(メダルセレクタ170内に設けたソレノイドが動作するメダルブロッカ)、各種ランプ339、各種の7セグメント(SEG)表示器の設定を行う。
ステップS217では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS221に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS219に進む。
ステップS219では、タイマ割込終了処理を終了する各種処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定等行う。その後、図20に示す主制御部メイン処理に復帰する。
一方、ステップS221では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、図20に示す主制御部メイン処理に復帰する。
次に、図22を用いて、図20の主制御部メイン処理における入賞役内部抽選処理(ステップS109)の詳細について説明する。同図は、図20に示す入賞役内部抽選処理(ステップS109)の流れを示すフローチャートである。
まず、最初のステップS1101では、図20に示すステップS107で取得した乱数に基づき、入賞役の内部抽選が実行される。なお、役が抽選されたことを、役に内部当選したと称することがある。この内部抽選の後、ステップS1103に進む。
ステップS1103では、特別遊技状態(RT5)中にハズレに内部当選したか、又は小役5に内部当選したか否かが判定される。これらの条件を満たす場合にはステップS1105に進み、そうでない場合にはステップS1107に進む。
ステップS1105では、演出リール制御準備フラグがオンに設定される。なお、この演出リール制御準備フラグは主制御部300のRAM308に格納されている。演出リール制御準備フラグがオンに設定されると、ステップS1107に進む。
ステップS1107では、内部抽選の結果を示す内部当選コマンドを第1副制御部400に送信する準備が実行される。なお、この内部当選コマンドには、内部当選の結果に加えて、演出リール制御準備フラグの有無を示す情報も含まれている。この内部当選コマンドの送信準備が終了すると、この図22に示す入賞役内部抽選処理が終了する。
次に、図23を用いて、図20の主制御部メイン処理におけるリール回転処理(ステップS113)の詳細について説明する。同図は、図20に示すリール回転処理(ステップS113)の流れを示すフローチャートである。
まず、最初のステップS1201では、演出リール制御実行フラグがオンに設定されているか否か判定される。なお、この演出リール制御実行フラグは、後述する図25のステップS1407でオンに設定されるフラグであり、主制御部300のRAM308に設けられている。この条件を満たす場合にはステップS1203に進み、この条件を満たさない場合にはステップS1213に進む。
ステップS1203では、遅延タイマが設定される。この遅延タイマは演出リール制御を実行中に遊技の進行を遅延させる時間を定めたタイマであり、その値は各演出リール制御に応じて設定される。なお、この遅延タイマの値は主制御部300のRAM308に格納されている。この遅延タイマの設定後、ステップS1205に進む。
ステップS1205では、演出リール制御を実行する。より具体的には、主制御部300のRAM308に設定された演出リール制御用の情報に基づいてリールの制御を実行する。本実施形態ではこの演出リール制御によって、第3停止によって停止されたリールを一図柄分逆回転させた後、順方向に一図柄分回転させる演出が実行される。本実施形態では、特別遊技状態(RT5)中のハズレおよび小役5に内部当選した場合に上述したずれ7態様が導出されることが許容される。このずれ7態様になっているときに、この演出リール制御が実行されると、ずれ7態様(図30(b)参照)から、セブン2図柄が中段入賞ラインL1に揃った態様(図30(e)参照)となり、再度、ずれ7態様(図31(b)参照)となる演出が実行されることになる。なお、この演出リール制御用の情報は、後述する図25のステップS1403によって設定される。この処理が終わると、ステップS1207に進む。
ステップS1207では、第1副制御部400に演出リール制御コマンドを送信する準備が実行され、ステップS1209に進む。なお、この演出リール制御コマンドには、演出リール制御によって回転されるリール(以下、回転対象リールと称する)およびその回転量に関する情報が含まれる。
ステップS1209では、演出ベットボタン処理が実行される。具体的には、ベットボタン130〜132の操作に応じて、ステップS1205の演出リール制御と同様のリール制御が実行され、さらに第1副制御部400に演出ベットボタン押下コマンドを送信する準備が実行される。なお、この際用いられるリール制御用の情報は、後述する図25のステップS1403によって主制御部300のRAM308に設定されたものが用いられる。一方、ベットボタン130〜132の操作がされていない場合には、リール制御およびコマンドの送信準備は実行されない。この処理の実行後、ステップS1211に進む。
ステップS1211では、遅延タイマの値が0であるか否か判定される。遅延タイマの値が0である場合には、ステップS1213に進み、そうでない場合には再度ステップS1209を実行する。この遅延タイマの値は、上述したタイマ更新処理でカウントダウンされる(図21のステップS209)。このステップS1211は、遅延タイマに設定された値が0にカウントダウンされるまでの間、繰り返し実行される。これによって遊技を遅延させる処理(フリーズ)が行われることになる。
本実施形態では上記ステップS1209の演出ベットボタン処理が繰り返されると、ベットボタン130〜132の所定回数の操作に応じて回転対象リールを逆回転する動作が実行される。なお、この逆回転の回転量は、小役5に内部当選した場合には一図柄分である。演出リール制御の後に上述のずれ7態様となっている場合、回転対象リールが一図柄分逆回転すると、ずれ7態様から、セブン2図柄が中段入賞ラインL1に揃った状態(図31(e)参照)となるようにリールの制御が実行されることになる。一方、特別遊技状態(RT5)中のハズレに内部当選した場合には、上記逆回転の回転量が3/4図柄分である。このため、演出リール制御の後に上述のずれ7態様となっている場合であっても、回転対象リールの逆回転により、ずれ7態様から、セブン2図柄が中段入賞ラインL1に揃った状態(図31(e)参照)にはならないようになっている。
上記ステップS1211の遅延処理が実行されることによって、遊技者に演出リール制御および演出ベットボタン処理による演出を確実に見せるとともに、第1副制御部400において、演出リール制御コマンドおよび演出ベットボタン押下コマンドを受信したことにより実行される所定の演出を遊技者に確実に見せることができる。
ステップS1213では、遊技間隔タイマの値が0であるか否か判定される。遊技間隔タイマの値が0である場合には、ステップS1215に進み、そうでない場合には再度ステップS1213を実行する。なお、遊技間隔カウンタとは、遊技と遊技の間隔を調整するために、主制御部300のRAM308に設けられたカウンタであり、上述したタイマ更新処理でカウントダウンされる(図21のステップS209)。本実施形態では、前回のリールの回転開始から4.1秒経過したときにこの遊技間隔カウンタの値が0になるように、リールの回転開始の直前にその値が初期化される(ステップS1215参照)。
ステップS1215では、上記説明した遊技間隔カウンタの値の初期化が実行され、ステップS1217に進む。
ステップS1217では、全リール110〜112の回転を開始する処理が実行され、ステップS1219に進む。
ステップS1219では、第1副制御部400にリール回転開始コマンドを送信する準備が実行され、一連のリール回転処理が終了する。なお、このリール回転開始コマンドを受信した第1副制御部400では、所定の演出が実行される(詳細は後述)。
次に、図24を用いて、図20の主制御部メイン処理におけるリール停止制御処理(ステップS115)の詳細について説明する。同図は、図20に示すリール停止制御処理(ステップS115)の流れを示すフローチャートである。
まず、最初のステップS1301では、各リールに設けられたセンサを用いて、リール110〜112の回転速度が一定か否か判定される。回転が一定である場合にはステップS1303に進み、そうでない場合には再度ステップS1301の処理が実行される。
ステップS1303では、有効なストップボタン操作があったか否か判定される。この有効なストップボタン操作とは、回転しているリールに対応したストップボタンの操作であって、例えば上述の遅延処理等によって無効にされていない操作をいう。このストップボタンの操作があった場合にはステップS1305に進み、そうでない場合には再度ステップS1303の処理が実行される。
ステップS1305では、リールに施された図柄がその回転によってどの位置にあるのかを示す図柄位置情報を取得し、ステップS1307に進む。
ステップS1307では、ステップS1305で取得した図柄位置情報と、主制御部メイン処理において選択されたリール停止データ(図20のステップS111参照)に基づいて、リールの停止位置を決定し、ステップS1309に進む。なお、このリール停止データには、停止操作がされたときの図柄位置情報に対応する引き込み図柄数(詳細は後述)が設定されており、この値を参照して引き込み(詳細は後述)を行うことで図柄表示窓113に所定の図柄を視認可能にすることができる。
ここで、引き込みについて説明する。
大半の遊技者は所定の停止領域に所定の図柄がきたタイミングに停止操作をすることは困難である。よって、所定の停止領域からリールの回転方向上流側の所定の範囲にこの所定の図柄がある場合には、所定の停止領域に所定の図柄を止める停止制御を行うことで、遊技の興趣の低下を抑制、または、遊技の公平性の担保している。このような処理を引き込みと呼び、この引き込みが行われる範囲を引き込み範囲という。しかし、無制限にこの引き込み範囲を設けてしまうと、かえって遊技の興趣を低下させてしまうため、引き込み範囲には最大値を設けている。この引き込み範囲の最大値を最大引き込み範囲と称する(本実施形態では、図柄4つ分に相当する範囲)。また、この引き込みによって停止操作がされたタイミングからリールが停止するまでに移動する距離に相当する図柄の数を引き込み図柄数と称する。
ステップS1309では、ステップS1307で決定した停止位置で停止対象となったリールを停止させる。その後ステップS1311に進む。
ステップS1311では、リール停止情報が更新され、ステップS1313に進む。ここで、リール停止情報とは、リール110〜112の停止順序および停止しているリールの図柄位置を示す情報をいう。
ステップS1313では、第1副制御部400にリール停止コマンドを送信する準備を行い、ステップS1315に進む。なお、リール停止コマンドを受信した第1副制御部400では、所定の演出が実行される(図26のステップS309)。
ステップS1315では、操作を受け付けることが可能なストップボタン(有効ストップボタン)の更新が行われる。この処理では、回転が停止したリールに対応するストップボタンに対する操作が無効になるように設定される。その後、ステップS1317に進む。
ステップS1317では、全てのリール110〜112が停止したか否かが判定される。全てのリール110〜112が停止している場合にはステップS1319に進み、そうでない場合にはステップS1321に進む。
ステップS1319では、演出リール制御準備処理が実行され、その後、このリール停止制御処理が終了する。なお、この演出リール制御準備処理については、図25を用いて後述する。
ステップS1317で全てのリール110〜112が停止していない場合に進むステップS1321では、リール停止データの更新が実行される。より詳細には、既に停止しているリールの図柄位置情報に基づいて、回転中のリールに対するリール停止データが更新される。このことによって、既に停止しているリールに施された図柄のうち図柄表示窓113内に視認可能になっている図柄に、回転中のリールに施された図柄の位置をあわせて停止させ、図柄表示窓113内で視認可能な図柄態様を調整することができる。このリール停止データの更新後、ステップS1303に進む。
次に、図25を用いて、図24のリール停止制御処理における演出リール制御準備処理(ステップS1319)の詳細について説明する。同図は、図24に示す演出リール制御処理(ステップS1319)の流れを示すフローチャートである。
まず、最初のステップS1401では、演出リール制御準備フラグがオンに設定されているか否か判定される。この条件を満たす場合にはステップS1403に進み、この条件を満たさない場合にはこの演出リール制御準備処理を終了する。なお、この演出リール制御準備フラグは、入賞役内部抽選処理においてオンに設定されるフラグである(図22のステップS1105)。
ステップS1403では、内部抽選(図22のステップS1101)の結果と、リール停止情報(図24のステップS1311)を参照し、演出リール制御用の情報が設定される。より具体的には、演出リール制御において回転されるリール(回転対象リール)およびとその回転量に関する情報が設定される。上記説明したように、本実施形態では、第3停止されたリールが回転対象リールとなり、このリールが一図柄分往復(一図柄分の逆回転および順回転)する動作を実行するための情報(演出リール制御用の情報)がRAM308に設定される。さらに、小役5に内部当選している場合には、演出リール制御の実行後に、ベットボタン130〜132の所定回数の操作に応じて回転対象リールを一図柄分逆回転する動作を実行するための情報(演出ベットボタン処理用の情報)がRAM308に設定される。また、特別遊技状態(RT5)中のハズレに内部当選している場合には、演出リール制御の実行後に、ベットボタン130〜132の所定回数の操作に応じて回転対象リールを3/4図柄分逆回転する動作を実行するための情報(演出ベットボタン処理用の情報)がRAM308に設定される。なお、これらの情報の基になる情報は主制御部300のROM306内に記憶されている。この処理の後、ステップS1405に進む。
ステップS1405では、主制御部300のRAM308に設けられた演出リール制御実行フラグがオンに設定され、ステップS1407に進む。
ステップS1407では、演出リール制御準備フラグがオフに設定され、この演出リール制御準備処理が終了する。
<第1副制御部400の処理>
次に、図26を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、図26(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。図26(b)は、第1副制御部400のコマンド入力処理のフローチャートである。図26(c)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートである。図26(d)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。
まず、図26(a)のステップS301では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS301で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。この処理で、内部当選の結果を表す情報である内部当選情報を記憶させるための領域と、遊技状態を表す情報であるRT更新情報を記憶させるための領域が、それぞれRAM408に設けられる。
ステップS303では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS305の処理に移行する。
ステップS305では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS307では、主制御部300から受信した各コマンドに対応する処理であるコマンド入力処理が実行される。なお、このコマンド入力処理の詳細は、図26(b)を用いて後述する。
ステップS309では、演出制御処理を行う。ここでは、RAM408内に設けられた演出予約領域内にある演出予約情報に従って、演出の準備を行う。この準備には例えば、演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
ステップS311では、ステップS309の処理結果に基づいて音制御処理を行う。例えば、ステップS309で読み出した演出データの中に音源IC418への命令がある場合には、この命令を音源IC418に出力する。
ステップS313では、ステップS309の処理結果に基づいてランプ制御処理を行う。例えば、ステップS309で読み出した演出データの中に各種ランプ420への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。
ステップS315では、ステップS309の処理結果に基づいてリールシャッタ制御処理を行う。例えば、ステップS309で読み出した演出データの中にリールシャッタ165〜167への命令がある場合には、この命令を駆動回路424に出力する。
ステップS317では、ステップS309の処理結果に基づいて第2副制御部500に制御コマンドを送信する設定を行う情報出力処理を行う。例えば、ステップS309で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップS303へ戻る。
次に、図26(b)を用いて、ステップS309におけるコマンド入力処理の詳細について説明する。同図は、ステップS309におけるコマンド入力処理の詳細を示す図である。
まず、ステップS321では、後述するコマンド受信割込処理において未処理とされたコマンドがあるか否かが判定される。未処理のコマンドがある場合にはステップS323に進み、未処理のコマンドがない場合にはこのコマンド入力処理を終了する。
ステップS323では、コマンドに応じた処理にジャンプする。コマンドに応じた処理には、例えば、遊技開始コマンドに対する遊技開始時処理、メダル投入コマンドに対するメダル投入時処理、スタートレバー受付コマンドに対するスタートレバー受付時処理、内部当選コマンドに対する内部当選コマンド受付時処理、停止ボタン受付コマンドに対する停止ボタン受付時処理、表示判定コマンドに対する表示判定時処理、遊技状態更新コマンドに対する遊技状態更新時処理、演出リール制御コマンドに対する演出リール制御コマンド受付時処理、および演出ベットボタン押下コマンドに対する演出ベットボタン押下コマンド受付時処理がある。
次に、図26(c)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS331では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、図26(d)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップS341では、図26(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップS303において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS303において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
ステップS343では、ステップS315で設定された第2副制御部500への制御コマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行う。
次に、図27を用いて、図26(b)のコマンド入力処理(ステップS323)によって実行される内部当選コマンド受付時処理の詳細について説明する。同図は、図26(b)のコマンド入力処理(ステップS323)によって実行される内部当選コマンド受付時処理の流れを示すフローチャートである。
まず、最初のステップS3101では、内部当選コマンドに含まれる内部当選情報に基づいて、小役3重複Gに内部当選しているか否か判定される。この条件を満たす場合にはステップS3103に進み、この条件を満たさない場合にはステップS3107に進む。
ステップS3103では、ATフラグがオンに設定されているか否か判定される。この条件を満たす場合にはステップS3105に進み、そうでない場合にはこの内部当選コマンド受付時処理を終了する。なお、ATフラグは、後述するステップS3111においてオンに設定される。
ステップS3105では、小役3に入賞するための押し順(図19の小役3重複Gの備考欄中、押し順正解時参照)を報知する演出データが読み出される。なお、第1副制御部400および第2副制御部500では、読み出された演出データに従って演出が実行される(図26のステップS311〜ステップS317参照)。以降の演出データについても同様に演出が実行される。この演出データが読み出された後、この内部当選コマンド受付時処理を終了する。なお、本実施形態では、リールシャッタ165〜167を用いて小役3に入賞するための押し順が報知される構成を採用している。従って、上記演出データには、リールシャッタ165〜167を駆動させるためのデータも含まれる。
ステップS3101において、小役3重複Gに内部当選していない場合に進むステップS3107では、遊技状態が特別遊技状態(RT5)であって、かつハズレまたは小役5に内部当選しているか否か判定される。この条件を満たす場合にはステップS3109に進み、そうでない場合にはステップS3113に進む。なお、遊技状態を示す情報は、遊技状態更新コマンドに含まれており、このコマンドの受信時に第1副制御部400のRAM408内に記憶される。
ステップS3109では、7揃い報知(図30中、液晶表示装置157による演出参照)用の演出データが読み出される。ここでの、7揃いとは、図2に示す中段入賞ラインL1にセブン2図柄が揃うことを指す。この演出データが読み出されると、ステップS3111に進む。
ステップS3111では、小役5に内部当選していることを条件に、ATフラグがオンに設定される。その後、この内部当選コマンド受付時処理を終了する。
ステップS3107で、遊技状態が特別遊技状態(RT5)であって、ハズレまたは小役5に内部当選している、という条件を満たさない場合に進むステップS3113では、ATフラグがオンに設定されているか否か判定される。この条件を満たす場合にはステップS3115に進み、そうでない場合には、この内部当選コマンド受付時処理を終了する。
ステップS3115では、内部当選コマンドに含まれる内部当選情報に基づいて、押し順リプレイに内部当選しているか否か判定される。具体的には、「再遊技役1&2重複G」、「再遊技役3&4重複G」、「再遊技役1&4重複G」に内部当選しているか否か判定される。この条件を満たす場合にはステップS3117に進み、そうでない場合には、この内部当選コマンド受付時処理を終了する。
ステップS3117では、内部当選役に合わせて、遊技者が有利な結果を得るための停止操作条件(図19の備考欄中の正解時参照)の報知(AT報知)を実行するための演出データが読み出される。その後、この内部当選コマンド受付時処理を終了する。なお、本実施形態中、正解となる停止操作とは、遊技者が有利な結果を得るための停止操作をいう。
次に、図28(a)を用いて、図26(b)のコマンド入力処理(ステップS323)によって実行される演出リール制御コマンド受付時処理の詳細について説明する。同図は、図26(b)のコマンド入力処理(ステップS323)によって実行される演出リール制御コマンド受付時処理の流れを示すフローチャートである。
まず、最初のステップS3201では、演出リール制御コマンドに含まれる、回転対象リールおよびその回転量に関する情報を取得し、ステップS3203に進む。
ステップS3203では、演出リール制御に合わせてステップS3201で取得した情報に対応する演出データが読み出される。なお、本実施形態では演出リール制御に合わせてリールシャッタ165〜167による演出が実行される。ここで読み出される演出データには、このリールシャッタ165〜167の制御用のデータが含まれる。この演出データが読み出された後、この演出リール制御コマンド受付時処理を終了する。
次に、図28(b)を用いて、図26(b)のコマンド入力処理(ステップS323)によって実行される演出ベットボタン押下コマンド受付時処理の詳細について説明する。同図は、図26(b)のコマンド入力処理(ステップS323)によって実行される演出ベットボタン押下コマンド受付時処理の流れを示すフローチャートである。
まず、最初のステップS3205では、演出ベットボタン処理によるリール制御に合わせて実行される演出データが読み出される。なお、本実施形態では演出ベットボタン処理によるリール制御に合わせてリールシャッタ165〜167による演出が実行される。ここで読み出される演出データには、このリールシャッタ165〜167の制御用のデータが含まれる。この演出データが読み出された後、この演出ベットボタン押下コマンド受付時処理を終了する。
次に、図28(c)を用いて、図26(b)のコマンド入力処理(ステップS323)によって実行される遊技状態更新コマンド受付時処理の詳細について説明する。同図は、図26(b)のコマンド入力処理(ステップS323)によって実行される遊技状態更新コマンド受付時処理の流れを示すフローチャートである。
まず、最初のステップS3301では、遊技状態更新コマンドに含まれる新たな遊技状態を示す情報、および第1副制御部400のRAM408に記憶されている現在の遊技状態を示す情報(RT情報)を参照し、遊技状態が変更された場合にはRAM408に記憶されている遊技状態の更新処理が実行される。その後、ステップS3303に進む。
ステップS3303では、AT管理処理が実行される。本実施形態では、特別遊技状態(RT5)から再遊技低確率状態(RT1)に移行した際に、ATフラグがオンになっている場合には、残りAT回数(RAM408内に記憶)の値に50を設定する。この残りAT回数は、毎回の遊技の消化に伴い1ずつ減算される。この減算後の値が0になると、ATフラグがオフに設定される。このAT管理処理が終了すると、この遊技状態更新コマンド受付時処理を終了する。
<第2副制御部500の処理>
次に、図29を用いて、第2副制御部500の処理について説明する。なお、図29(a)は、第2副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャートである。図29(b)は、第2副制御部500のコマンド受信割込処理のフローチャートである。図29(c)は、第2副制御部500のタイマ割込処理のフローチャートである。図29(d)は、第2副制御部500の画像制御処理のフローチャートである。
まず、図29(a)のステップS401では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS401で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポート初期設定や、RAM508内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS403では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS405の処理に移行する。
ステップS405では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS407では、コマンド処理を行う。コマンド処理では第2副制御部500のCPU504は、第1副制御部400のCPU404からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS409では、演出制御処理を行う。具体的には、ステップS407で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する処理を行う。例えば、背景画像に関する画像制御を行う演出データおよび液晶シャッタ演出に関する演出データをROM506から読み出す処理を実行する。また、これ以外の演出データをROM506から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
ステップS411では、ステップS409の処理結果に基づいて液晶シャッタ制御処理を行う。例えば、ステップS409で読み出した演出データの中に液晶シャッタ制御の命令がある場合には、この命令に対応する液晶シャッタ制御を行う。
ステップS413では、ステップS409の処理結果に基づいて画像制御処理を行う。例えば、ステップS409読み出した演出データの中に画像制御の命令がある場合には、この命令に対応する画像制御を行う。例えば、表示画像(報知画像、背景画像)に関する画像制御が実行される。この画像制御処理については、図29(d)を用いて後述する。この画像制御処理が終了すると、ステップS403へ戻る。
次に、図29(b)を用いて、第2副制御部500のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部500が、第1副制御部400が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS415では、第1副制御部400が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM508に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、図29(c)を用いて、第2副制御部500のCPU504によって実行する第2副制御部タイマ割込処理について説明する。第2副制御部500は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップS417では、図29(a)に示す第2副制御部メイン処理におけるステップS403において説明したRAM508のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS403において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
ステップS419では、演出用乱数値の更新処理等を行う。
次に、図29(d)を用いて、第2副制御部500のメイン処理におけるステップS413の画像制御処理について説明する。同図は、画像制御処理の流れを示すフローチャートを示す図である。
ステップS421では、画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU504は、まず、VRAM536の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が演出画像表示装置157に表示される。次に、CPU504は、VDP534のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM506の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM536の転送先アドレス)などを設定した後、ROM506からVRAM536への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP534は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROM506からVRAM536に転送する。その後、VDP534は、転送終了割込信号をCPU504に対して出力する。
ステップS423では、VDP534からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はステップS425に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。
ステップS425では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU504は、ステップS421でVRAM536に転送した画像データに基づいてVRAM536の表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM536の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)、透過度など)をVDP534に指示する。VDP534はアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
ステップS427では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU504は、VDP534に画像の描画開始を指示する。VDP534は、CPU504の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
ステップS429では、画像の描画終了に基づくVDP534からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はステップS431に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。
ステップS431では、RAM508の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して処理を終了する。
<リールシャッタ演出1>
以下、上記説明した内容を踏まえ、本実施形態のスロットマシン100の特徴的な動作について説明する。まず、図30、図31、および図32を用いて、特別遊技状態(RT5)中に小役5に内部当選した場合の動作の一例について説明する。図30は、特別遊技状態(RT5)中に小役5に内部当選してからの動作の一例を示す、全3図中の1つ目の図である。図31は、特別遊技状態(RT5)中に小役5に内部当選してからの動作の一例を示す、全3図中の2つ目の図である。図32は、特別遊技状態(RT5)中に小役5に内部当選してからの動作の一例を示す、全3図中の3つ目の図である。なお、非遮蔽範囲および非判定対象領域の変化を理解しやすいように、図30および図31の右リール112には、非遮蔽範囲の大きさを示す太線の枠と、非判定対象領域の大きさを示す網掛けを付している。同様に、図32の左リール110および中リール111にも図30と同様の枠および網掛けを付している。なお、これ以降の図において各リールに付されている太線の枠および網掛けは、同様の理由によるものである。
まず、特別遊技状態(RT5)中にスタートレバー135によって遊技が開始して内部抽選が実行され(図20のステップS109)、小役5に内部当選したとする。これにより、演出リール制御準備フラグがオンに設定される(図22のステップS1105)。さらに、この内部当選の結果に従って、リール110〜112のそれぞれに施されたセブン2図柄が中段入賞ラインL1に揃い損ねた態様(図30(b)に示す態様参照、以下、ずれ7態様と称する)となることを許容するリール停止データが読み出される(図20のステップS111)。さらに、リール回転処理によってリール110〜112が回転する(図23のステップS1217)。一方、第1副制御部400にはリール回転開始コマンドが送信され、液晶表示装置157による所定の演出が実行される(図26のステップS309、図27のステップS3109)。図30(a)には、リール110〜112が回転している様子と、液晶表示装置157によって演出が実行されている様子が示されている。なお、以降の図において、ストップボタン137〜139の網掛けはストップボタン137〜139の操作が有効な状態にあることを示し、網掛けのないものはストップボタン137〜139の操作が無効な状態にあることを示している。
続いて、全てのリールに対して停止操作を行うと、上記リール停止データに従って停止制御が行われる(図20のステップS115)。ここでは、所定のタイミングで停止操作を行った結果、右リール112のセブン2図柄が中段入賞ラインL1より下に停止表示されたずれ7態様になったものとして説明を続ける。なお、図30(b)には、停止したリール110〜112に施されたセブン2図柄によって、ずれ7態様が構成されている様子が示されている。
ここで、全てのリールが停止すると、演出リール制御準備処理が実行される(図24のステップS1319)。上記説明したように、小役5の内部当選によって演出リール準備フラグがオンに設定されているため、演出リール制御用の情報の設定、および演出リール制御フラグの設定が実行される(図25参照)。
さらに、次の遊技を開始すべくメダルを投入し、スタートレバー135を操作すると、所定の処理を経てリール回転処理が実行される(図20のステップS113)。ここでは、演出リール制御フラグがオンに設定されていることにより、演出リール制御が実行される(図23のステップS1205)。図30(b)から図30(f)まで、さらに、続く図31(a)、(b)には、この演出リール制御によって、ずれ7態様(図30(b)参照)から、セブン2図柄が中段入賞ラインL1に揃った態様(図30(e)参照)となり、再度、ずれ7態様(図31(b)参照)となる様子が示されている。
一方第1副制御部400では、主制御部300から演出リール制御コマンドが送信されたことにより、演出リール制御にあわせて所定の演出が実行される。以下、順を追って説明する。
まず、演出リール制御によって回転対象リールが回転する前に、回転対象リールのバックライト(バックライト用LED192)を点滅させる演出が実行される(図30(c)参照)。この演出によって、遊技者の注意を回転対象リールに引き付けて、入賞に係る停止図柄に注目させる演出の見逃しを防止することができる。なお、バックライト192を点滅させる発光態様に限らず、例えば消灯させたりといったように、遊技者の注意を引き付ける発光態様であればよい。
次に、回転対象リールである右リール112が一図柄分逆回転を始めると、この回転に併せて右リール112に対応する右下リールシャッタ167bが閉まり、右リール112の下段(図2の番号9)の一部が遮蔽された状態になる(図30(d)、(e)参照)。
続いて、セブン2図柄が中段入賞ラインL1に揃った態様となったタイミングで、回転対象リール(右リール112)に対応する右上リールシャッタ167aが閉まり、右リール112の上段(図2の番号7)の一部が遮蔽された状態になる(図30(f)参照)。
さらに続いて、回転対象リールである右リール112が一図柄分順回転を始めると、この回転に併せて右リール112に対応する右下リールシャッタ167bが開き、右リール112の下段(図2の番号9)が遮蔽された状態になる。また、右リール112に対応する右上リールシャッタ167aがさらに閉まり、右リール112の上段(図2の番号7)が全て遮蔽された状態になる(図31(a)、(b)参照)。
さらに、演出リール制御によるリールの制御が終わったタイミングで、液晶表示装置157に「BETボタンを連打せよ!」というメッセージを表示させる。
以上が、演出リール制御に併せて第1副制御部400で実行される演出である。次に、主制御部300において演出リール制御の後に実行される演出ベットボタン処理(図23のステップS1209)による動作について説明する。
まず、液晶表示装置157に表示されたメッセージを見た遊技者が、ベットボタン130〜132を所定回数操作したとする。この操作がされると、演出ベットボタン処理によって回転対象リールを一図柄分逆回転させるリール制御が実行される。図31(b)から図31(e)には、この演出ベットボタン処理によって、ずれ7態様(図31(b)参照)から、セブン2図柄が中段入賞ラインL1に揃った態様(図31(e)参照)となる様子が示されている。
一方第1副制御部400では、主制御部300から演出ベットボタン押下コマンドが送信されたことにより、演出ベットボタン処理によるリールの動作にあわせて所定の演出が実行される。以下、順を追って説明する。
まず、回転対象リールである右リール112の逆回転に併せて、右下リールシャッタ167bが閉まり、右リール112の下段(図2の番号9)が全て遮蔽された状態になる(図31(c)、(d)参照)。
続いて、回転対象リール以外の左リール110および中リール111に対応するリールシャッタ(左リールシャッタ165および中リールシャッタ166)が閉まり、中段入賞ラインL1を除いた範囲が全て遮蔽された状態になる(図31(e)参照)。
ここまでが、演出ベットボタン処理によるリールの動作にあわせて第1副制御部400で実行される演出である。なお、小役5ではなく特別遊技状態(RT5)中のハズレに内部当選した場合にも似たような動作が実行されるが、この場合、演出ベットボタン処理によって、ずれ7態様(図31(b)参照)から、セブン2図柄が中段入賞ラインL1に揃った態様(図31(e)参照)とはならない。なお、第1副制御部400による演出は、小役5に内部当選した場合と同じ演出が、特別遊技状態(RT5)中のハズレに内部当選した場合にも実行される。
以下、さらに続く動作について説明する。
遅延タイマが0になり、全てのリールの回転が開始され、その回転速度が一定速度になるとストップボタン137〜139の操作が有効になる(図24のステップS1301参照)。図31(f)、および図32(a)〜(c)には、全てのリールが回転し、ストップボタン137〜139の操作が有効になっている様子が示されている。さらに、第1停止操作〜第3停止操作を受け付けると、全てのリール110〜112が停止される。図32(d)には、小役4に内部当選(図30(c)の直前のスタートレバー操作で内部当選)した状態で、第1停止操作によりベル図柄が左リール110の中段に停止した様子が示されている。さらに、図32(e)には、第2停止操作によりベル図柄が中リール111の中段に停止した様子が示されており、図32(f)には、第3停止操作によりベル図柄が右リール112の中段に停止した様子が示されている。
一方第1副制御部400では、主制御部300からリール回転開始コマンドが送信されたことにより、所定の演出が実行される。具体的には、ATフラグがオンに設定(図27のS3111)されたことにより、全てのリールシャッタ165〜167を一旦開いた後、リールシャッタ165〜167全体がうねるような演出が実行される。なお、ここでのリールシャッタ165〜167の制御は、ストップボタン137〜139の操作に関わらず実行される。図31(f)から図32(a)には、全てのリールシャッタ165〜167が一旦開いた様子が示されている。また、図32(b)から(f)には、全てのリールシャッタ165〜167が上下動を繰り返している様子が示されている。なお、小役5ではなく特別遊技状態(RT5)中のハズレに内部当選した場合、ATフラグがオンに設定されないため、図32に示すリールシャッタ165〜167による演出は実行されない。すなわち、図32(b)から(f)に示す演出は、特別遊技状態の終了後にAT遊技が開始されることを示唆する演出になっている。
以上説明した動作が、本実施形態の特徴的な動作の一例に相当する。なお、本実施形態では、ずれ7態様となるか否かを判定することなく、上記演出リール制御および演出ベットボタン処理を実行する構成について説明したが、ずれ7態様となったことを条件にこれらの制御、処理を実行する構成であってもよい。この場合、ずれ7態様から中段入賞ラインL1にセブン2が揃う演出を確実に遊技者に見せることができる。
ここで、上記説明した動作例において、リールシャッタ165〜167による演出の効果について説明する。
リールシャッタ165〜167の動作は、図柄表示窓113内の表示態様を変化させ、遊技者を楽しませることができるものである。一方、図柄表示窓113の入賞ラインに揃う図柄は遊技者の利益に結びつくものである。仮に、リールシャッタ165〜167が入賞ラインを遮蔽してしまうと、遊技者に有利な図柄を揃えることが著しく困難になってしまったり、遊技者に有利となったことが遊技者に伝わらない、といったような、遊技の公正を害することになる。本実施形態では、リールシャッタ165〜167が入賞ライン(以下、判定対象領域)を遮蔽しないようにすることによって、遊技の公正を害することがないように構成されている。また、リールシャッタ165〜167の制御においても、有効な停止操作の対象となっている回転中のリールに対しては、非判定対象領域を完全に遮蔽しないように構成されている。以下、この理由について説明する。
上記説明したように、リールシャッタ165〜167は図柄表示窓113のうち入賞ライン以外の領域(以下、非判定対象領域)を遮蔽するものとなっている。この構成において、例えば非判定対象領域を完全に閉じてしまったとしても、停止しているリール110〜112または停止操作を受け付けたリール110〜112に対しては、入賞ラインに停止した図柄が見えれば遊技の公正を害することがない。また、回転しているリール110〜112に対して停止操作が無効となっているときにも、遊技の公正を害することはない。しかし、回転しているリール110〜112に対して停止操作が有効となっているときには、入賞ラインに表示される図柄(入賞ライン上を通過する図柄)だけで停止操作のタイミングを計るのは困難になる。このため本実施形態では、停止操作のタイミングを計りやすく(目押ししやすく)するために、有効な停止操作の対象となっている回転中のリールに対しては、非判定対象領域を完全に遮蔽しないように構成されている。
なお、リールシャッタ165〜167による遮蔽を行うことにより、リールの回転速度が一定であっても、遊技者が感じるリールの速度感覚を異ならせることができ、停止操作の単調化による興趣の減退を防止することができる。より具体的には、リールの非遮蔽範囲を狭くすることにより、リールの回転速度を変更するような制御を行うことなく、リールの回転速度をより速く感じさせることができる。
スタートレバー135が操作されてからリール110〜112の操作が有効になるまでの間は、リールシャッタ165〜167が動作したとしても遊技の公正を害することがない。図30(c)〜図31(e)にかけては、スタートレバー135が操作されてからリール110〜112の操作が有効になるまでの間におけるリールシャッタ165〜167の動作例が示されている。
さらに、この例ではいわゆるフリーズ中のリールアクションとリールシャッタ165〜167の演出を組み合わせることにより、遊技者をより楽しませることができる。フリーズ中は、遊技者の操作によって遊技が進行しない(遅延タイマが0になるまで処理が進行しない。)ようになっている。そこでこのフリーズ中に、遊技者の操作に応じてリールシャッタ165〜167による演出を実行するように構成されている。このように、遊技者の操作に応じて非遮蔽範囲を変更することで、回転中のリール(リールアクション中含む)の図柄の見え方や停止図柄の見え方を変化させることができ、遊技者を楽しませることができる。
また、図30(d)〜図31(b)では、リールアクション中のリールに対して、非遮蔽範囲を変更する制御を行う例について説明した。この動作によれば、リールの移動量が限られているにも関わらず、回転中のリールの図柄の見え方からその移動量を感じさせない演出を実行することができる。なお、上記説明ではリールアクションの例について説明しているが、回転中のリールに対して非遮蔽範囲を変更するものであればよい。すなわち、通常遊技中の回転(遊技の進行上の回転)であってもよい。
また、図30(d)には、非遮蔽範囲を狭める(縮小させる)例が示されており、図31(a)には、非遮蔽範囲を拡げる(拡大させる)例が示されている。この例以外に、非遮蔽範囲の大きさを維持したままその位置が変更するようにリールシャッタを動作させてもよい。なお、非遮蔽範囲の大きさを維持したままその位置を変更させた場合、非遮蔽範囲を回転方向と同じ方向に移動させると、リールの回転速度を遅く感じさせることができ、非遮蔽範囲を回転方向とは逆方向に移動させると、リールの回転速度を速く感じさせる(錯覚させる)ことができる。
また、非遮蔽範囲の大きさに関わらず、その位置を変更するようにリールシャッタを動作させた場合、その動作によって速度感覚の違いを生じさせることができる。なお、上記の例では、右リール112のみについてのリールアクションおよびリールシャッタの演出について説明したが、例えば左リール110と中リール111のように、複数のリールのそれぞれにおいて回転中のリールに対するリールシャッタ165〜167の動作を行うことにより、回転中の図柄の見え方や停止態様を各リールで異ならせることができる。さらに、速度感覚の違いをより際立たせて、停止操作を単調化による遊技の興趣が減退することを防止することができる。なお、この際、複数のリールが隣合うものである場合、より効果的である。
また、図30(d)、図31(a)、(c)に示すように、リールシャッタ165〜167の動作速度とリールアクションの動作速度を一致させることにより、リールシャッタ165〜167がリール110〜112を押し上げて(あるいは押し下げて)いるように見せることができる。また、図30(d)、図31(a)、(c)には、セブン2図柄以外の図柄が右リールシャッタ167により遮蔽されている例が示されているが、この例のように、リールシャッタ165〜167により注目させたい図柄以外を遮蔽することによって、遊技者の注意を任意の図柄に注目させることができる。
さらに、リール110〜112に対する停止操作が有効となってからは、ATフラグがオンの場合にリールシャッタ165〜167による演出(図32参照)が実行されるため、この演出を見た遊技者に期待を抱かせて楽しませることができる。
なお、図32で説明した演出によれば、まだ受け付け操作がされていないリール110〜112のそれぞれについての速度感覚を異ならせることができ、停止操作の単調化によって遊技の興趣が減退することを防止することができる。また、所望の図柄を狙うことが困難になるため、遊技者に緊張感を抱かせ軽率な停止操作による操作ミスを防止することができる。特に、左リール110と中リール111のように、隣り合うリールのそれぞれでリールシャッタ165〜167による遮蔽態様を異ならせることにより、速度感覚の違いをより際立たせて、停止操作を単調化による遊技の興趣が減退することを防止することができる。
図32では、上側のリールシャッタと下側のリールシャッタが中段入賞ラインL1に対して対称な位置にあり、各リールにおいて非遮蔽範囲を拡大または縮小させる動作を繰り返す例について説明したが、例えば、非遮蔽範囲の大きさを維持したままその位置が変更するようにリールシャッタを動作させてもよく、非遮蔽範囲が拡大または縮小したり、その位置を変更するようにリールシャッタを動作させてもよい。なお、非遮蔽範囲の大きさを維持したままその位置を変更させた場合、非遮蔽範囲を回転方向と同じ方向に移動させると、リールの回転速度を遅く感じさせることができ、非遮蔽範囲を回転方向とは逆方向に移動させると、リールの回転速度を速く感じさせる(錯覚させる)ことができる。また、非遮蔽範囲の大きさに関わらず、その位置を変更するようにリールシャッタを動作させた場合、その動作によって速度感覚の違いを生じさせることができる。
さらに、非遮蔽範囲を拡大または縮小させる動作を繰り返すにあたり、その周期を異ならせてもよい。これらの構成を採用することで、受け付け操作がされていないリール110〜112のそれぞれについての速度感覚をより異ならせることができ、停止操作を単調化による遊技の興趣が減退することをより防止することができる。この構成においては、払出枚数や、遊技回数等に応じてその周期を異ならせることにより、遊技者をより楽しませることができる。
図30(c)では、バックライト(バックライト用LED192)の点灯態様を変更する制御を行い、非遮蔽範囲を変更する演出の見逃しを防止する構成について説明した。このバックライト用LED192については、例えば停止操作が受け付けられたことにより非遮蔽範囲を変更する演出が実行される際にも、点灯態様を変更する制御を行ってもよい。この構成によれば、停止操作が受け付けられたリールに遊技者の注意を引き付け、その後の演出の見逃しを防止することができる。なお、停止操作を円滑に行わせるために、全てのリールに対する停止操作がされた後、点灯態様の変更を行い、さらに非遮蔽範囲を変更する演出を行ってもよい。この構成の場合、停止操作を円滑に行わせるとともに、非遮蔽範囲を変更する演出を見逃してしまう事態を防止することができる。また、スタート操作がされてから、ストップボタンの操作が有効になるまでの間に、点灯態様の変更と、これに続く非遮蔽範囲の変更を行ってもよい。この場合、リールの速度感覚を変更させる演出に遊技者の目線を向けさせることができる。なお、スタート操作がされてからストップボタンの操作が有効になるまでの間、以外に、先の停止操作がされてから次の停止操作が有効になるまでの間、であってもよい(例えば、図34(b)の停止操作の直後に中リール111の点灯態様を変更し、図34(c)の演出を実行する)。なお、点灯態様を通常状態に戻すタイミングは、非遮蔽範囲の変更制御の実行前でも終了後でもよい。また、点灯態様によっては見にくさが継続するような事態が生じてしまうが、次の停止操作が有効になるまでに変更された点灯態様を通常状態に戻すことにより遊技への影響をなくすことができる。
<リールシャッタ演出2>
続いて、上記説明した動作とは別の動作の一例について説明する。上述したように本実施形態のスロットマシン100では、AT遊技状態にあるときに押し順役(押し順リプレイ、押し順小役)に内部当選した際に、遊技者に正解の押し順(図19の備考欄参照)が報知される。この押し順を報知するために、本実施形態ではリールシャッタ165〜167が用いられる。以下、図33、図34、および図35を用いて、左、中、右の順での停止操作を正解停止操作とする押し順役に内部当選した場合の動作の例について説明する。図33は、左、中、右の順での停止操作を正解停止操作とする押し順役に内部当選した場合の動作の一例を示す、全3図中の1つ目の図である。図34は、左、中、右の順での停止操作を正解停止操作とする押し順役に内部当選した場合の動作の一例を示す、全3図中の2つ目の図である。図35は、左、中、右の順での停止操作を正解停止操作とする押し順役に内部当選した場合の動作の一例を示す、全3図中の3つ目の図である。なお、連続する状態をわかりやすくするため、図33(d)と図34(a)、図34(d)と図35(a)には、それぞれ同じ状態を記載している。
図33(a)には、前回遊技の終了時点の様子が示されている。具体的には、全てのリール110〜112が停止してストップボタン137〜139の操作が無効になっており、さらに、リールシャッタ165〜167が完全に開いた状態で図柄表示窓113内の領域が遮蔽されていない状態である。なお、ATフラグはオンの状態である。
ここで、この図33(a)に示す状態から、次の遊技を開始すべくメダルを投入し、スタートレバー135が操作され、左、中、右を正解停止操作とする押し順役(例えば再遊技役1&2重複G)に内部当選したとする(図22のステップS1101)。続いて、リール回転処理(図20のステップS113)によってリール110〜112の回転が開始され、さらにリール110〜112の回転速度が一定になると、ストップボタン137〜139の操作が有効な状態になる(図24のステップS1303)。ここまでが、スタートレバー135が操作されてからストップボタン137〜139の操作が有効な状態になるまでの流れである。図33(b)から(d)および図34(a)、(b)には、ここまでの流れに従ってリールが回転を開始することと、ストップボタン137〜139の操作が有効になる様子が示されている。
一方、スタートレバー135が操作されてからストップボタン137〜139の操作が有効な状態になるまでの間における、第1副制御部400の処理について説明する。まず、主制御部300での内部当選の結果は、内部当選コマンドによって主制御部300から第1副制御部400に送信される。この内部当選コマンドに含まれる情報から、押し順役に内部当選したことが判定され、リールシャッタ165〜167による演出が実行される。以下、この演出の一例について順を追って説明する。
まず、内部当選コマンドに押し順役に内部当選したことを示す情報が含まれていた場合、リールシャッタ165〜167が一旦閉じて、各リール110〜112の上段の一部(例えば上段の2/3)、および下段の一部(例えば下段の2/3)が遮蔽された状態になる(図33(b)参照)。続いて、正解操作順序が先のリールほど遊技者がら見える範囲が広くなるようにリールシャッタ165〜167が開き、各リール110〜112においてリールシャッタ165〜167により遮蔽されてない範囲がそれぞれ異なる状態になる。ここでは、正解操作順序が左、中、右の順であるため、左リール110、中リール111、右リール112の順で、遮蔽されていない範囲が狭くなっている(図33(c)、(d)参照)。ここまでのリールシャッタ165〜167による演出は、リール110〜112が回転を開始する前に実行される。なお、上記説明したフローチャートでは省略しているが、具体的には、主制御部300ではスタートレバー135の受け付けから、所定時間の経過後にリールの回転が開始されるように、リール回転開始タイミングの調整処理が実行される。
次に、リールの回転速度が一定になった以降の動作について説明する。
リール110〜112の回転速度が一定になると、ストップボタン137〜139の操作が有効な状態になる(図24のステップS1303、図34(b)参照)。ここで、報知された押し順に従い、第1停止操作として左ストップボタン137が操作されたとする。この第1停止操作を受けて左リール110に対する停止制御(図24のステップS1309)が実行される。その後所定の処理を経て、左ストップボタン137以外のストップボタンが有効となる(図24のステップS1303、図34(d)参照)。なお、この停止操作を受け付けてから再度ストップボタンが有効となるまでの間は、ストップボタンの操作が無効な状態になっている(図34(c)参照)。
一方、第1停止操作がされてから、再度ストップボタンの操作が有効な状態になるまでの間における、第1副制御部400の処理について説明する。まず、第1停止操作がされると、リール停止コマンドが主制御部300から第1副制御部400に送信される(図24のステップS1313)。このリール停止コマンドに含まれる情報から、左リール110に対する停止操作がされたことが判定される。正解停止操作に従うためには、次に中リール111に対する停止操作が要求される。このため、中リール111に対する中リールシャッタ166を開くことで、次に要求される停止操作を遊技者に報知する(図34(b)、(c)参照)。なお、他のリールに対するリールシャッタの状態はそのまま維持される。
次に、第1停止操作の後、再度ストップボタンの操作が有効になった以降の動作について説明する。
第1停止操作の後、再度ストップボタンの操作が有効な状態(図24のステップS1303、図35(a)参照)において、報知された押し順に従い、第2停止操作として中ストップボタン138が操作されたとする。この第2停止操作を受けて中リール111に対する停止制御(図24のステップS1309)が実行される。その後所定の処理を経て、左ストップボタン137および中ストップボタン138以外のストップボタン(右ストップボタン139)が有効となる(図24のステップS1303、図35(c)参照)。なお、この停止操作を受け付けてから再度ストップボタンが有効となるまでの間は、ストップボタンの操作が無効な状態になっている(図35(b)参照)。
一方、第2停止操作がされてから、再度ストップボタンの操作が有効な状態になるまでの間における、第1副制御部400の処理について説明する。まず、第2停止操作がされると、リール停止コマンドが主制御部300から第1副制御部400に送信される(図24のステップS1313)。このリール停止コマンドに含まれる情報から、中リール111に対する停止操作がされたことが判定される。正解停止操作に従うためには、次に右リール112に対する停止操作が要求される。このため、右リール112に対する右リールシャッタ167を開くことで、次に要求される停止操作を遊技者に報知する(図35(b)、(c)参照)。なお、他のリールに対するリールシャッタの状態はそのまま維持される。
以上の説明では、正解操作順序が先のリールほど遊技者がら見える範囲が広くなるようにリールシャッタ165〜167を開くことにより、正解操作順序を遊技者に報知する例について説明した。さらに図36を用いて、上記説明した例とは異なるリールシャッタ165〜167の動作例について説明する。図36は、図33〜図35を用いて説明したリールシャッタ165〜167の動作とは異なる動作の一例を示す図である。
図36には、スタートレバー135が操作されてからストップボタン137〜139の操作が有効な状態になるまでのリールシャッタ165〜167の動作が示されている。まず、図33の例では、リールシャッタ165〜167が一旦閉じた後、正解操作順序が先のリールほど遊技者がら見える範囲が広くなるようにリールシャッタ165〜167が開く例について説明した。これに対して、図36の例では、リールシャッタ165〜167が一旦閉じず、正解操作順序において最先の停止操作が要求されるリール(左リール110)に対するリールシャッタ(左リールシャッタ165)が小刻みに上下に動作する(図36(b)参照)。これによって、最先の停止操作が要求されるリールを遊技者に報知する。さらに、図33の例と同様に、正解操作順序が先のリールほど遊技者がら見える範囲が広くなるようにリールシャッタ165〜167が開く(図36(c)参照)。なお、図33の例では、リールシャッタ165〜167が開いた後にリール110〜112が回転を開始するように調整する処理が実行されるが、この例ではこのような調整処理が実行されず、ストップボタンの操作が有効になる前にリールシャッタ165〜167の動作が終了するように実行時間が設定されている。すなわち、調整処理の如何に関わらず、ストップボタンの操作が有効になる前に遊技者への報知が終了する構成であればよい。
ここで、上記説明した動作例において、リールシャッタ165〜167による演出の効果について説明する。
まず、図33(b)〜図33(d)にかけては、スタートレバー135が操作されてからリール110〜112の操作が有効になるまでの間におけるリールシャッタ165〜167の動作例が示されている。この例では、非遮蔽範囲の大きさを異ならせることにより、正解操作順序を遊技者に示唆することができる。また、隣り合うリールのそれぞれでリールシャッタ165〜167による遮蔽態様を異ならせることにより、速度感覚の違いをより際立たせて、押し順をミスしないようにすることができる。なお、上記説明では、非遮蔽範囲を拡大または縮小させることにより、非遮蔽範囲の大きさを異ならせる例について説明したが、例えば、非遮蔽範囲のまその位置が変更するようにリールシャッタを動作させてもよく、非遮蔽範囲が拡大または縮小したり、その位置を変更するようにリールシャッタを動作させてもよい。なお、その位置を変更するようにリールシャッタを動作させた場合、その動作によって速度感覚の違いを生じさせることができる。
さらに、スタートレバー135が操作されてからリール110〜112の操作が有効になるまでの間にリールシャッタ165〜167による報知を行うことにより、遊技者が正解操作順序を把握する前に、誤って停止操作を行ってしまうことを防止することができる。
さらにまた、本実施形態のように、正解操作順序のうち優先順位が高い順に非遮蔽範囲が広くなっていることにより、停止操作を優先させたいリールの速度を、他のリールの速度よりも遅く感じさせ、優先させたいリールに遊技者の目線を引き付けることができる。
上記説明した、非遮蔽範囲の大きさを異ならせるにあたり、本実施形態では、一旦閉じる(図33(b)参照)動作を経由している。リールシャッタ165〜167は、図柄表示窓の一部を遮蔽するものである。このため、視認性を妨げないように遮蔽する範囲を小さくすると、リールシャッタ165〜167が開いた状態からあまり動かないことになり、遊技者を楽しませることができなくなる。このため、本実施形態では、リールシャッタ165〜167を一旦閉じてから、最終的に開いた状態となるような制御を実行する。この制御によって、最終的により開いた状態となることを担保しつつ、リールシャッタ165〜167を大きく動かして遊技者を楽しませることができる。
また、本実施形態では、リールシャッタ165〜167を一旦閉じる際に、全てのリールシャッタ165〜167の遮蔽態様を同じ態様(図33(b)参照)にした後に、各リールシャッタ165〜167をそれぞれ異なる態様にしている。この制御によって、各リール110〜112における非遮蔽範囲の変化を遊技者に明確に見せることができる。
なお、押し順の報知とは関係なく、図33(b)に示すように、リールシャッタ165〜167が各リールの上段および下段の一部を除いて遮蔽した状態で、リールシャッタ165〜167を維持してもよい。この場合、非遮蔽範囲が狭められたことにより、リールの回転速度をより速く感じさせることができ、遊技の単調化による興趣の減退を防ぐことができる。また、停止した図柄により注目させることができる。
さらに、各停止操作が実行されると、リール110〜112に対する停止操作が無効の間に非遮蔽範囲の大きさが変更される。具体的には、停止操作を受け付けたリールに対しては、非遮蔽範囲が最大になり、まだ受け付け操作がされていないリール110〜112のそれぞれについては、これらのリールにおける正解操作順序に従って、非遮蔽範囲が変更される。この動作によって、停止操作毎にリールの速度感覚を異ならせることができ、停止操作を単調化による遊技の興趣が減退することを防止することができる。また、受け付け操作がされていないリール110〜112については、所望の図柄を狙うことが困難になるため、遊技者に緊張感を抱かせ軽率な停止操作による操作ミスを防止することができる。特に、左リール110と中リール111のように、隣り合うリールのそれぞれでリールシャッタ165〜167による遮蔽態様を異ならせることにより、速度感覚の違いをより際立たせて、停止操作を単調化による遊技の興趣が減退することを防止することができる。なお、上記説明した動作は、遊技の進行に併せて実行されるものであるため、遊技の進行に従って違和感なく実行することができる。なお、上記の例では停止操作がされたリールについては一旦非遮蔽範囲を最大にした状態がそのまま維持される場合について説明したが、停止操作がされたリールに対しても非遮蔽範囲を変更する制御を行ってもよい。いずれの場合にも、隣り合うリールのそれぞれでリールシャッタ165〜167による遮蔽態様を異ならせることができる。さらに、後述する図38、図39のように、非遮蔽範囲を変更する制御を行うにあたり、非遮蔽範囲を狭める制御を行ってもよい。この場合、入賞に係る停止図柄に注目させることができる。また、上記説明した例のように、リールの回転方向の上流側および下流側から、非判定対象領域を均等に遮蔽する構成の場合には、判定対象領域(有効ライン)に対する遊技者の目線を固定化でき、判定対象領域(有効ライン)を誤認しないようにすることができる。
また、図36の動作に示すように、非遮蔽範囲の大きさだけでなく、リールシャッタ165〜167の挙動によっても正解操作順序を報知することができる。
また、上記説明では正解操作順序を報知する動作について説明したが、特に内部当選役とは関係なく、リール110〜112の非遮蔽範囲の大きさをそれぞれ異ならせてもよい。この場合、各リール110〜112のそれぞれでリールの回転速度に対する感覚を異ならせることができ、停止操作の単調化による興趣の減退を防止することができる。
なお、上記の説明では、正解操作順序に従って操作をすると遊技者に有利となる内部当選役を設けた例について説明したが、正解操作順序に従って操作をしても特に有利不利がない内部当選役を設けた場合についても、上記の構成を採用できる。
また、図34〜図35を用いて説明した演出を、押し順の報知とは無関係に単なる一つの演出として実行させてもよい。
<リールシャッタ演出3>
上記図33〜図36では、AT遊技状態中に押し順役に内部当選した場合におけるリールシャッタ165〜167の演出について説明した。続いて、AT遊技状態とは無関係に行われるリールシャッタ165〜167の演出について、図37を用いて説明する。同図は、リールシャッタ165〜167の演出の一例を示す図である。
図37(a)には、前回遊技の終了後の様子が示されている。具体的には、全てのリール110〜112が停止してストップボタン137〜139の操作が無効になっており、さらに、リールシャッタ165〜167が完全に開いた状態で図柄表示窓113内の領域が遮蔽されていない状態である。この状態で、リールシャッタ165〜167の前面が点滅するように、リールシャッタ165〜167のそれぞれに対して設けられたLEDが制御されている。なお、図中のリールシャッタ165〜167の網掛けは、リールシャッタ165〜167が点滅していることを示す。
次に、この図37(a)に示す状態から、次の遊技を開始すべくメダルを投入し、スタートレバー135が操作されたとする。ここから、ストップボタン137〜139の操作が有効な状態になる(図24のステップS1303)までの間に、リールシャッタ165〜167の開閉が実行される。具体的には、まず、リールシャッタ165〜167が一旦閉じて、各リール110〜112の上段の一部(例えば上段の2/3)、および下段の一部(例えば下段の2/3)が遮蔽された状態になる(図37(b)参照)。続いて、遊技者がら見える範囲が広くなるようにリールシャッタ165〜167の一部が開く(図37(c)、(e)参照)。
その後、ストップボタン137〜139の操作が有効な状態になる(図24のステップS1303)と、リールシャッタ165〜167の位置はそのまま維持しつつ、リール110〜112を遮蔽している部分のリールシャッタ165〜167のみが点滅するように発光態様が変化する。図37(d)には、左リール110の下段を遮蔽している左下リールシャッタ165bと、中リール111の上段および下段を遮蔽している中リールシャッタ166、および右リール112の上段を遮蔽している右上リールシャッタ165aが点灯している様子が示されている。また、図37(f)には、中リール111の上段および下段を遮蔽している中リールシャッタ166が点灯している様子が示されている。
ここで、上記説明した動作例において、リールシャッタ165〜167による演出の効果について説明する。
まず、図37(b)〜図37(d)にかけて、および図37(b)〜図37(f)にかけて、いずれもスタートレバー135が操作されてからリール110〜112の操作が有効になるまでの間におけるリールシャッタ165〜167の動作例が示されている。この動作は、スタートレバー135が操作されてからリール110〜112の操作が有効になるまでの間の動作であるため、遊技の公正を害しない。
上記の動作では、最終的に非遮蔽範囲の大きさが決まる前に、一旦閉じる(図37(b)参照)動作を経由している。リールシャッタ165〜167は、図柄表示窓の一部を遮蔽するものである。このため、視認性を妨げないように遮蔽する範囲を小さくすると、リールシャッタ165〜167が開いた状態からあまり動かないことになり、遊技者を楽しませることができなくなる。このため、本実施形態では、リールシャッタ165〜167を一旦閉じてから、最終的に開いた状態となるような制御を実行する。この制御によって、最終的により開いた状態となることを担保しつつ、リールシャッタ165〜167を大きく動かして遊技者を楽しませることができる。
また、本実施形態では、リールシャッタ165〜167を一旦閉じる際に、全てのリールシャッタ165〜167の遮蔽態様を同じ態様(図37(b)参照)にした後に、各リールシャッタ165〜167をそれぞれ異なる態様にしている。この制御によって、各リール110〜112における非遮蔽範囲の変化を遊技者に明確に見せることができる。
また、上記説明したように、リール110〜112の非遮蔽範囲の大きさをそれぞれ異ならせることにより、各リール110〜112のそれぞれでリールの回転速度に対する感覚を異ならせることができ、停止操作の単調化による興趣の減退を防止することができる。なお、図37(c)および(e)に示すように、遮蔽態様のパターンを複数用意しておき、これらのうちの一つを抽選あるいは遊技の状況に応じて実行するようにしてもよい。この場合、停止操作の単調化による興趣の減退をより防止することができる。
また、ストップボタンの操作が有効になるまでの間に、遊技の進行を遅延させるいわゆるフリーズ処理を実行して、遊技者の操作(例えばベットボタン130〜132の操作)に基づいてこれらのパターンが選択されるようにしてもよい。この例ではいわゆるフリーズ中のリールアクションとリールシャッタ165〜167の演出を組み合わせることにより、図柄の見え方や停止図柄の見え方を変化させることができ、遊技者をより楽しませることができる。
なお、上記説明したように、遊技者の操作に応じて図37(c)から(e)に変更する制御を実行した場合、前回遊技でリールが停止してから次の遊技でリールに対する停止操作が有効になるまでに、狭められた非遮蔽範囲を拡げる制御を実行することになる。この構成では、停止操作前のリールの視認性を有利にできるので、非遮蔽範囲を拡げるための入力手段の押下意欲を向上させることができる。また、例えば、非遮蔽範囲を拡げるための入力手段としてベットボタン130〜132を採用した場合には、その押下意欲のあまり、他の入力手段であるストップボタン137〜139の操作ミスを防止することができる。さらに、リールの回転中にフリーズを実行し、その間、遊技者の操作に応じて図37(d)から(f)に変更する(非遮蔽範囲を拡げる)制御を実行するようにしてもよい。この構成の場合、回転中の図柄の見え方を変化させられる演出が可能となり、遊技者を楽しませることができる。さらに、フリーズを実行中に、遊技者の操作に応じて停止したリールに対する非遮蔽範囲を拡げるようにしてもよい。この構成の場合、リール停止後でも図柄揃いへの期待感を抱かせることができ、操作意欲を向上させられる。なお、上記フリーズを用いた構成では、遊技を進行させる操作ができないため、例えばベットボタン130〜132以外にストップボタン137〜139や、スタートレバー135を、リールシャッタ演出のための入力手段として使用することができる。なお、フリーズをあえて実行せずに、操作手段のうち遊技を進行させない操作手段を、リールシャッタ演出のための入力手段として使用してもよい。例えば、リール回転中にスタートレバー135の操作によってリールシャッタ演出を行わせてもよい。この構成の場合、リールの視認性を有利にしたい遊技者に対し、押下意欲を向上させることができる。また、押下意欲を向上させることにより、意図していない操作が(BET操作、停止操作等)が行われてしまうことを防止することができる。なお、リールシャッタ演出を行うために、専用の入力手段を設けてもよい。
また、上記の動作では、より遊技者を楽しませるように、リールシャッタ165〜167を点灯(内部のLEDを点灯するように制御)させる演出が実行される。この点灯態様は、例えば点灯したままの態様であっても、点滅態様であってもよく、様々な点灯態様を採用し得る。また、ストップボタン165〜167の操作が有効となった状態では、遮蔽していないリールシャッタ165〜167を消灯している(図37(d)では、左上と右下のリールシャッタ、図37(f)では、左の上下と右の上下のリールシャッタ)。図12を用いて説明したように、リールシャッタ165〜167によって遮蔽された範囲については、リール110〜112のバックライトからの光が遊技者側に照射されず、遊技者側が暗くなり停止操作の妨げとなる虞がある。この問題を回避するため、リール110〜112の一部であっても遮蔽しているリールシャッタ165〜167については、点灯するように制御され、遊技者側の明るさを補うようになっている。なお、リールシャッタ165〜167を発光させる場合に、非判定対象領域を遮蔽しない位置にあるときから継続して発光させるようにしてもよい。この場合には、リールシャッタ165〜167が移動中であっても遊技者側を明るくすることができる。なお、リール110〜112のバックライトから光が照射されていると、場合によってはリール110〜112全体の視認性が低下する虞がある。このため、本実施形態ではリールシャッタ165〜167によって遮蔽された範囲については、リール110〜112のバックライトを消灯する(あるいは明るさを下げる)制御を実行する構成を採用している。この構成により、回転中のリール110〜112に対する視認性を維持しつつ、停止操作を受け付けたことにより非遮蔽範囲を狭めることにより、入賞に係る図柄に注目させる演出を見逃すことを防止することができる。さらに、リールの回転方向の上流側および下流側から、リールシャッタにより非判定対象領域を均等に遮蔽する構成の場合には、判定対象領域(有効ライン)に対する遊技者の目線を固定化でき、判定対象領域(有効ライン)を誤認しないようにすることができる。
<リールシャッタ演出4>
次に、リール110〜112の回転速度が一定になり、ストップボタン137〜139の操作が有効になった以降におけるリールシャッタ165〜167を用いた演出について図38、図39を用いて説明する。図38は、ストップボタン137〜139の操作が有効になった以降におけるリールシャッタ165〜167を用いた演出の一例を示す図であり、図39は、図38とは異なる演出の一例を示す図である。
ここで説明するリールシャッタ165〜167を用いた演出は、停止操作を受け付ける毎にリール110〜112に対応するリールシャッタ165〜167を閉じ、全てのリール110〜112が停止した後、リールシャッタ165〜167の少なくとも一部を開いてその停止態様を遊技者に見せる演出である。
図38(a)には、ストップボタン137〜139の操作が有効になった状態が示されている。図38(b)には、左ストップボタン137が操作されたことにより左リール110が停止され、さらに左リールシャッタ165により左リール110の上段および下段が遮蔽されている状態が示されている。
続いて、図38(c)には、左ストップボタン137以外のストップボタンが有効となった状態が示されており、図38(d)には、中ストップボタン138が操作されたことにより中リール111が停止され、さらに中リールシャッタ166により中リール111の上段および下段が遮蔽されている状態が示されている。
さらに続いて、図38(e)には、左ストップボタン137および中ストップボタン138以外のストップボタンが有効となった状態が示されており、図38(f)には、右ストップボタン139が操作されたことにより右リール112が停止され、さらに右リールシャッタ167により右リール112の上段および下段が遮蔽されている状態が示されている。
そして、図38(g)には、全てのリール110〜112が停止した後に、リールシャッタ165〜167の一部である左上リールシャッタ165aおよび右下リールシャッタ167bが開いている状態が示されている。この演出により、全てのリールが停止するまで停止態様を隠しておき、停止態様に期待を持たせて遊技者を楽しませることができる。
なお、本実施形態では、入賞役の図柄組み合わせが不揃いな図柄組み合わせで遊技者にわかりにくくなっている。このため、入賞役の図柄組み合わせが中段ラインに揃った場合、入賞ラインとは異なるライン(例えば図38(g)の例では図2に示す番号1、5、9のライン)に、同じ種類の図柄が揃うように図柄配列およびリール停止データが構成されている。このような構成の遊技台においては、入賞ライン以外の停止態様が遊技者にとって重要である場合がある。従って、本実施形態のように、入賞ライン以外の部分を遮蔽することで、停止態様に期待を持たせることができる、という効果が生じる。
次に、図38を用いた例において、停止操作毎にリールシャッタ165〜167が遮蔽していく動作の変形例について図39を用いて説明する。
この例では、スタートレバー135を操作すると、リール110〜112が回転を開始してからストップボタン137〜139の操作が有効となるまでの間にリールシャッタ165〜167がわずかに閉まる。図39(a)から図39(b)には、前回遊技の終了からスタートレバー135が操作されてリールが回転を開始している様子と、その際にリールシャッタ165〜167がわずかに閉まっている様子が示されている。続いてストップボタン137〜139の操作が有効になる(図39(c)参照)と、図38の例で説明したように、停止操作に従ってリールシャッタ165〜167が閉まる演出が実行される。ただし、この例では図38とは異なり、停止操作の対象となったリール以外についても、リールシャッタ165〜167により少しずつ遮蔽される。そして全ての停止操作が終了した時点でリールシャッタ165〜167によりリール110〜112の上段および下段が完全に遮蔽される。
図39(d)には、左ストップボタン137が操作されたことにより左リール110が停止され、左リールシャッタ165が左リール110の上段および下段が遮蔽されている状態が示されている。さらに、回転中のリールであって停止操作の対象となっていない中リール111および右リール112についても、上段および下段がより遮蔽されている状態が示されている。
続いて、図39(e)には、左ストップボタン137以外のストップボタンが有効となった状態が示されており、図39(f)には、中ストップボタン138が操作されたことにより中リール111が停止され、さらに中リールシャッタ166が中リール111の上段および下段を遮蔽している状態が示されている。このとき、回転中のリールであって停止操作の対象となっていない右リール112についても、上段および下段がより遮蔽されている状態が示されている。
さらに続いて、図39(g)には、左ストップボタン137および中ストップボタン138以外のストップボタンが有効となった状態が示されており、図39(h)には、右ストップボタン139が操作されたことにより右リール112が停止され、さらに右リールシャッタ167により右リール112の上段および下段が遮蔽されている状態が示されている。
ここで、上記説明した動作例において、リールシャッタ165〜167による演出の効果について説明する。
上述したように、停止しているリール110〜112あるいは停止操作が無効となっているリール110〜112に対しては、非遮蔽対象領域を全て遮蔽してしまっても遊技の公正を害することがない。さらには、停止操作を受け付けた以降であれば、遊技の公正を害することがない。このため上記動作では、停止操作を受け付けた時点でリールシャッタ165〜167よる遮蔽を実行させている(図38(b)、(d)、(f))。なお、停止操作を受け付けた時点でなく、リールが停止した時点でリールシャッタ165〜167よる遮蔽を実行させてもよい。この動作により、入賞に係る停止図柄に注目させることができる。
また、図39を用いて説明したように、スタート操作や停止操作を受け付けた場合に、まだ停止制御の対象となっていない回転中のリールに対してリールシャッタ165〜167による遮蔽を実行してもよい。この構成でもリールシャッタ165〜167の演出によって遊技者を楽しませることができる。なお、この場合、まだ回転中のリール110〜112に対して非判定対象領域を全て遮蔽しないように、非判定対象領域の一部を遮蔽する構成を採用している(図39(b)における全リール、(d)における中リールおよび右リール、図39(f)における右リール参照)。これにより、遊技の公正を害さないようになっている。
また、図39に示すように、停止操作を受け付けたことに基づいて非遮蔽範囲を狭めることにより、回転中のリール110〜112に対する視認性を維持しつつも、停止後のリール110〜112において入賞に係る図柄に注目させることができる。また、スタート操作を受け付けたときに、非判定対象領域の一部を遮蔽し、さらに、停止操作を受け付けたことに基づいて非判定対象領域のうち遮蔽されていない領域の一部を遮蔽することにより、リールの速度感覚に違和感を与えることができ、停止操作の単調化による興趣の減退を防止することができる。
なお、スタート操作を受け付けたときに限らず、スタート操作を受け付けてからストップボタンの操作が有効になるまでの間に、非判定対象領域のうち遮蔽されていない領域の一部を遮蔽するものであってもよい。
また、図39には、停止操作を受け付けていないリールに対して、このリールとは異なるリールに対する停止操作を受け付けたことによって非遮蔽範囲が狭められ、その後、停止操作を受け付けたことによりさらに非遮蔽範囲が狭められていることが示されている。この場合、停止操作毎にリールの速度感覚に違和感を与えることができ、停止操作の単調化による興趣の減退を防止することができる。
なお、図39に示す動作は、停止操作の受け付けに基づいて、非判定対象領域に表示される図柄を視認不可能とするものである。これによって停止態様に期待を持たせて遊技者を楽しませることができる。特に、リールの引き込み制御中に、非判定対象領域を狭める制御を実行することで、リールが停止する際の見た目に変化を与え、遊技者を楽しませることができる。
本実施形態では、全てのリールが停止したときに非判定対象領域における停止態様を隠しておくことで、停止態様に期待を持たせて遊技者を楽しませることができる。なお、全てのリールが停止した時点で遮蔽することによって停止態様に期待を持たせるものであればよく、回転中のリール110〜112に対して非判定対象領域を全て遮蔽しないものであれば、遮蔽のタイミングは上記説明した以外のタイミングでもよい。具体的には、リール110〜112の回転開始前、あるいは回転中、前回遊技で全てのリールが停止してからスタートレバー135が操作されるまでの間、ベットボタン130〜132の受付時、スタートレバー135が操作されてからリール110〜112の操作が有効になるまでの間、ストップボタン137〜139の受付時、のようなタイミングでもよい。なお、ストップボタン137〜139の受付時のタイミングで遮蔽する場合、図39の例で説明したように、停止操作がされたリール以外を遮蔽してもよい。さらに、複数回前の遊技から遮蔽状態が維持されるものであってもよく、また、後述するように、通常状態が遮蔽されている状態のものであってもよい(図40(c)参照)。
また、例えば、左ストップボタン137の操作を受け付けた時点で左リールシャッタ165を動かしてもよい。また、左ストップボタン137および中ストップボタン138の双方の操作を受け付けた時点で左リールシャッタ165、および中リールシャッタ166を同時に動かしてもよい。また、左ストップボタン137、中ストップボタン138の順に操作を受け付けた場合に、中ストップボタン138の受け付けタイミングで左リールシャッタ165を動かしてもよい。また、全てのストップボタン137〜139の操作を受け付けた時点で、全てのリールシャッタ165〜167を動かしてもよい。すなわち、停止操作を受け付けたことに基づいて非遮蔽範囲を変更するものであってもよい。この場合、非判定対象領域により回転中のリールの視認性を維持しつつ、かつ、停止操作が終了したリールに遊技者の目線を向けさせることができる。さらに、停止操作前の状態における非遮蔽範囲を全てのリール110〜112に対して一律にすることにより、リール110〜112それぞれに対して目押しの平等性を保つことができる。なお、図39の例のように、先の停止操作がされてから後の停止操作がされるまでの間に、先の停止操作に対応するリールについて非遮蔽範囲を変更する構成の場合には、停止操作の終了後、直ちに入賞に係る停止図柄に注目させることができる。さらに、図39の例のように、各停止操作に従って非遮蔽範囲を段階的に狭めることにより、回転中のリール110〜112に対する視認性を維持しつつも、停止後のリール110〜112において入賞に係る図柄に注目させることができる。なお、ここまで説明した非遮蔽範囲を変更する制御を行うにあたり、何らかの入賞役を構成する図柄(例えばセブン1図柄)が判定対象領域に停止したこと、あるいは、何らかの入賞役に入賞する可能性があることを実行条件としてもよい。この構成によれば、例えば目押しをミスして役に入賞ができなくなった場合における無駄なリールシャッタによる演出の実行を防止することができる。
なお、スタートレバー135が操作されてからリール110〜112の操作が有効になるまでの間にリールシャッタ165〜167による遮蔽を行うことにより、遊技者が感じるリールの速度感覚を異ならせることができ、停止操作の単調化による興趣の減退を防止することができる。より具体的には、リールの非遮蔽範囲を狭くすることにより、リールの回転速度をより速く感じさせることができる。
また、図38の例では、非判定対象領域が全て遮蔽された例について説明したが、図柄一つが遮蔽されているのであれば一部の領域であってもよい。さらに、遮蔽された領域のうち一部が開放された例について説明したが、全て開放するものであってもよい。
なお、この演出は、例えば入賞役に成立したか否かのような遊技台に関する情報が、非判定対象領域における停止態様によって識別できる構成の場合には、より好ましい。
また、上記のような遮蔽、開放を行う構成を、いわゆるフリーズ中のリールアクションにおいて採用してもよい。例えば、図30〜図31にかけて、中段ラインにセブン2図柄が揃うと遊技者に有利な状態であることを示唆する演出を実行する例について説明したが、例えば中段ラインではなく各リールの下段にセブン2図柄が揃うようにリールアクションを実行させつつ、この下段ラインを遮蔽しておき、リールアクション完了後に開放するような構成であってもよい。
また、図38の例では、リールの全てを遮蔽可能なリールシャッタを使用し、停止したリールを完全に遮蔽してしまう構成であってもよい。
<その他>
以上説明した動作以外の例について図40を用いて説明する。同図は、リールシャッタ165〜167による動作例を示す図である。
まず、上記説明した例では、図2に示す図柄9個分の領域をリールシャッタ165〜167により遮蔽する例について説明したが、例えばこの範囲よりも外側に図柄が表示されるエクストラ領域を設けた上で通常はリールシャッタ165〜167によりこの領域を遮蔽している構成であってもよい。このエクストラ領域を表示させることで、遊技者に通常とは違うリールの回転感覚を与えたり、このエクストラ領域に所定の図柄を表示させたり、あるいはエクストラ領域を用いて所定の図柄組み合わせを表示させることにより、遊技者に有利な状態であることを報知したりして、遊技者を楽しませることができる。図40(a)〜(c)には、右リールの上段よりもさらに回転方向上流側に図柄一つ分のエクストラ領域が設けられた例が示されている。この例では、リール110〜112が全て停止した時点でエクストラ領域を開放し、セブン2図柄の組み合わせが右上に並んだ状態が示されている。
また、リールシャッタ165〜167については、回転方向に沿って移動する例について説明したが、この移動方向についても特に制限はない。例えば回転方向と直交する方向に移動するように構成されたものであってもよい。図39(d)および(e)には、停止したリール110〜112の上段および下段がリールシャッタ165〜167により遮蔽されている状態から遮蔽されていない状態へ移動する動作が示されている。より具体的には、左リールシャッタ165は左方向へ移動し、右リールシャッタ167は右方向へ移動して、それぞれのリールを開放している様子が示されている。なお、中リールシャッタ166についてはこれまでの例と同様中リール111の上方向および下方向へ移動している。
また、リールシャッタ165〜167については、液晶表示パネルを用いて実現してもよい。本実施形態のようなリールシャッタ165〜167の場合、移動機構等のスペースが必要になり、また、移動方向等の制限もあるため、リールシャッタ165〜167の動作のパターンが限定される。しかし、液晶表示パネルでは、リール110〜112を遮蔽する画像を重ねることにより、リール110〜112の図柄を遊技者から見える状態と見えない状態とを切り換えることができる。このような画像は様々な態様が採用できるため、例えば左リール110用のリールシャッタを右リール112よりも右側から出現させるというような構成であったり、リールシャッタが浮き出すような構成を実現できる。なお、本実施形態のように入賞ラインを遮蔽しない構成としては、リール110〜112の上段および下段に液晶表示パネルを重ねる構成が考えられる。また、図柄表示窓113の全体に液晶表示パネルを設ける構成の場合、入賞ラインの遮蔽をしないように制御を行うことが考えられる。
なお、上記実施形態では全てのリール110〜112に対してリールシャッタ165〜167を設けた例について説明したが、例えば左リール110に対してのみリールシャッタを設けるといように、一つのリールに対してだけリールシャッタを設けてもよい。この構成であっても、リールシャッタによる演出により遊技の興趣を減退しないようにしたりといった効果がある。ただし、複数のリールシャッタが設けられていれば、各リールシャッタの演出態様(遮蔽態様)を異ならせることで、全体としてより遊技者を楽しませることができる。
以上の説明では、
複数種類の図柄が施され、回転駆動される一又は複数のリール(リール110〜112)と、
前記リール上に施された複数種類の図柄のうち、前記リールの回転位置及び停止位置の各々に応じた一部の図柄が表示される図柄表示領域(図柄表示窓113)と、
前記リールを回転開始させるためのスタート操作を受け付けるスタート操作受付手段(スタートレバー135)と、
前記スタート操作受付手段による前記スタート操作の受け付けに基づいて、複数種類の役の内部当選の当否を抽選する抽選手段(主制御部300)と、
前記リールに個別対応し、回転駆動された前記リールを停止させるための停止操作を受け付ける停止操作手段(ストップボタン137〜139)と、
前記停止操作を受け付けた場合に、前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記リールを停止させる停止制御を行う停止制御手段(主制御部300、図20のステップS111、ステップS115)と、
前記停止制御によって停止した状態の前記リールにおいて、前記図柄表示領域に表示された表示図柄を判定する判定手段(主制御部300、図20のステップS117)と、
前記判定手段による判定結果に基づいて、遊技者に所定の特典が付与されることを許容する特典付与手段(主制御部300、図20のステップS119)と、を備えた遊技台であって、
前記図柄表示領域の一部を遮蔽可能な遮蔽手段(リールシャッタ165〜167)と、
所定条件の成立に基づいて、前記図柄表示領域のうち前記遮蔽手段によって遮蔽されていない非遮蔽範囲を前記遮蔽手段により変更する変更制御を実行する変更制御手段(第1副制御部400、図26(a)ステップS315)と、をさらに備え、
前記リールは、前記遮蔽手段によって遮蔽対象となる遮蔽対象リールを少なくとも一つ、含むものであり、
前記変更制御手段は、
前記遮蔽対象リールに対応する前記図柄表示領域のうち少なくとも図柄一つ分の範囲が遮蔽された状態にするとともに、当該遮蔽対象リールが停止した後に遮蔽された当該範囲を遮蔽しない状態にする制御を、前記変更制御として実行するものであることを特徴とする遊技台(図38、図39、図40(a)〜(c))、が記載されている。
また、
上記記載の遊技台であって、
前記図柄表示領域は、
前記遮蔽対象リールに個別対応する領域が、少なくとも一の図柄が表示され、該表示された図柄が前記判定手段の判定対象となる判定対象領域(中段入賞ラインL1、図2に示す番号2、5、8の領域)、および少なくとも一の図柄が表示され、該表示された図柄が前記判定手段の判定対象とならない非判定対象領域(各リールの上段および下段、図2に示す番号1、3、4、6、7、9の領域)、の二種類の領域から成るものであり、
前記遮蔽手段は、
前記非判定対象領域の少なくとも一部を遮蔽可能とし、前記判定対象領域を遮蔽しないものであることを特徴とする遊技台(図38、図39、図40(a)〜(c))、が記載されている。
また、
上記記載の遊技台であって、
前記遮蔽対象リールは、
第一の遮蔽対象リールおよび該第一の遮蔽対象リールとは異なる第二の遮蔽対象リール(例えば左リール110と中リール111)を含むものであることを特徴とする遊技台(図38、図39、図40(a)〜(c))、が記載されている。
また、
上記記載の遊技台であって、
前記変更制御手段は、
前記遮蔽対象リールに対応する前記停止操作を受け付けたときに、当該遮蔽対象リールに対応する前記図柄表示領域のうち少なくとも図柄一つ分の範囲が遮蔽された状態にするとともに、当該遮蔽対象リールが停止した後に遮蔽された当該範囲を遮蔽しない状態にする制御を、前記変更制御として実行するものであることを特徴とする遊技台(図38、図39)、が記載されている。
また、
上記記載の遊技台であって、
前記スタート操作の受け付けに基づいて回転駆動された前記リールが、予め定められた一定の速度で回転駆動が維持されるまでの間は前記停止操作の受け付けを不可能にし、該一定の速度で回転駆動が維持されたことに基づいて前記停止操作の受け付けを可能にする、受付有効化手段(主制御部300、図24のステップS1301、ステップS1303)と、
を備え、
前記変更制御手段は、
前記スタート操作受付手段が前記スタート操作を受け付けてから前記受付有効化手段により前記停止操作の受け付けが可能にされるまでの間に、当該遮蔽対象リールに対応する前記図柄表示領域のうち少なくとも図柄一つ分の範囲が遮蔽された状態にするとともに、当該遮蔽対象リールが停止した後に遮蔽された当該範囲を遮蔽しない状態にする制御を、前記変更制御として実行するものであることを特徴とする遊技台(図38の遮蔽タイミングを異ならせた変形例)、が記載されている。