JP2013036274A - 作業機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 走行一次側圧力を制御する圧力制御弁34と、この圧力制御弁34を制御する制御装置CUとを設け、制御装置CUによって圧力制御弁34を制御することにより、エンジン29の無負荷時の実エンジン回転数と走行一次側圧力との関係を示す無負荷時特性線Xと、エンジン29に所定以上の負荷が作用したときの実エンジン回転数と走行一次側圧力との関係を示すドロップ特性線Zとを生成する。
【選択図】図6
Description
このトラックローダは、エンジンによって駆動される斜板形可変容量ポンプからなるHSTポンプと、このHSTポンプと一対の変速用油路により閉回路接続されていて該HSTポンプからの吐出油によって駆動されることにより走行装置を駆動するHSTモータとからなるHSTを備えている。
作業装置は、上下揺動動作されるアームと、該アームの先端側に取り付けられたバケットとを有する。
このときに、同時にバケットをスクイ動作させて該バケットに高負荷がかかると、バケットからメインポンプに作用する負荷がエンジンに伝達して、エンジンがストールする惧れがあるので、この従来のトラックローダにあっては、エンジンストールを防止すべく、パイロットポンプから走行操作装置に供給されるパイロット油の一部を絞りを介してドレンさせるブリード回路を設けている。
この問題に対処するため、エンジン回転がドロップしたときに、走行一次側圧力を急激に降下させることが考えられている。エンジン回転数がドロップしたときに、走行一次側圧力を急激に降下させることにより、HSTポンプ側からエンジンに作用する負荷が早めに減少し、高めの実エンジン回転数でバランスする。斜板角減少に伴うHSTポンプの流量減少による速度ダウンよりもエンジン回転数に起因するHSTポンプの流量増加による速度アップの方が大きいことから、高めの実エンジン回転数でバランスさせると、トータル的にみて走行速度を向上させることができるのである。
較的自由に生成できないことから、無負荷時の走行一次側圧力をある程度高めに設定しながら所定以上の負荷が作用したときに走行一次側圧力を急激に降下させるという特性線を自由に生成することができないものであった。
請求項1に係る発明では、エンジンによって駆動される斜板形可変容量ポンプからなるHSTポンプと、このHSTポンプと一対の変速用油路により閉回路接続されていて該HSTポンプからの吐出油によって駆動されることにより走行装置を駆動するHSTモータと、エンジンによって駆動されるパイロットポンプと、このパイロットポンプによって吐出されるパイロット油によってHSTポンプの斜板を制御する走行操作装置と、この走行操作装置の一次側の圧力である走行一次側圧力を制御する圧力制御弁と、この圧力制御弁を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置によって圧力制御弁を制御することにより、エンジンの無負荷時の目標エンジン回転数と走行一次側圧力との関係を示す無負荷時特性線と、エンジンに所定以上の負荷が作用したときの実エンジン回転数と走行一次側圧力との関係を示すドロップ特性線とを生成することを特徴とする。
ドロップ特性線は、目標エンジン回転数から実エンジン回転数が下がるに従って無負荷時特性線に比べて走行一次側圧力が急激に降下するように生成されていることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、走行一次側圧力を制御する圧力制御弁と該圧力制御弁を制御する制御装置とを設けているので、エンジンの無負荷時の無負荷時特性線と、エンジンに所定以上の負荷が作用したときのドロップ特性線とを個別に生成することができ、これにより、エンジンの無負荷時の特性線と、エンジンに所定以上の負荷が作用したときの特性線をそれぞれ適正に生成することができる。
請求項3に係る発明によれば、走行一次側圧力が急激に降下するように設定された特性線部によって、負荷が作用したときのエンジンストールの防止が図れると共に作業時の走行速度の向上が図れ、且つ、走行一次側圧力が前記特性線部に比べて緩やかに降下するように設定された他の特性線部によって、過大な負荷が作用してエンジン回転が大きくドロップしたあとのエンジン回転数の復帰がしやすいという効果を奏する。
図1、図2において、符号1は本発明に係る作業機として例示するトラックローダであり、このトラックローダ1は、機体2と、この機体2に装着した作業装置3と、機体2を走行可能に支持する左右一対の走行装置4とを備え、機体2の上部前部寄りにキャビン5(運転者保護装置)が搭載されている。
前記キャビン5は、前下端が機体2の前壁8上端に載置されていると共に、背面の上下中途部が機体2に設けた支持ブラケット11に、左右方向の支持軸12廻りに揺動自在に支持されており、支持軸12回りにキャビン5を上方に揺動することにより機体2内のメンテナンス等が可能とされている。
キャビン5は上面が屋根で塞がれ、左右の側面が多数の角孔を形成した側壁で塞がれ、背面上部がリヤガラスで塞がれ、底面の前後方向中央部が底壁により塞がれていて、前方が開口した箱形に形成され、前面側が乗降口とされている。
前後従動輪16及び転輪18は、機体2に取付固定されたトラックフレーム20に横軸回りに回転自在に取り付けられ、駆動輪17はトラックフレーム20に取り付けられた油圧駆動式の走行モータ21L,21R(ホイルモータ)の回転ドラムに取り付けられ、該走行モータ21L,21Rによって駆動輪17を左右軸回りに回転駆動することによりクローラベルト19が周方向に循環回走され、これにより、トラックローダ1が前後進するように構成されている。
アーム22はキャビン5の左右両側にそれぞれ配置され、左右のアーム22はその前部側の中途部において連結体によって相互に連結されている。
左右の各アーム22は、該アーム22の先端側が機体2の前方側で昇降するように、その基部側(後部側)が機体2の後上部に第1リフトリンク24と第2リフトリンク25とを介して上下揺動自在に支持されている。
左右の各アーム22の先端側には、それぞれ装着ブラケット27が左右軸回りに回動自在に枢支連結され、左右の装着ブラケット27にバケット23の背面側が取り付けられている。
バケット23は装着ブラケット27に対して着脱自在とされており、バケット23を取り外して装着ブラケット27に各種の油圧アタッチメント(油圧駆動式の作業具)を取り
付けることで、掘削以外の各種の作業(又は他の掘削作業)を行えるように構成されている。
エンジン29の前方には左右の走行モータ21L,21Rを駆動する油圧駆動装置32が設けられ、この油圧駆動装置32の前方に第1〜3ポンプP1,P2,P3が設けられ、機体2の右側壁7の前後方向中途部に、作業装置用コントロールバルブ33(油圧制御装置)が設けられている。
アクセルレバー54はケーブル等を介してアクセルペダル53に連動連結されていて、アクセルレバー54を操作すると該操作に連動してアクセルペダル53が揺動動作する。また、アクセルレバー54は摩擦力によって操作された位置に保持可能である。また、アクセルペダル53はアクセルレバー54によって操作された位置から踏込み操作可能であり、該踏込み操作を解除すると戻しバネによって踏み込み前の元の位置に戻される。
次に、図3〜5を参照して、トラックローダ1の油圧システムについて説明する。
第1〜3ポンプP1,P2,P3は、エンジン29の動力によって駆動される定容量型のギヤポンプによって構成されている。
第2ポンプP2(パイロットポンプ、チャージポンプ)は、主として制御信号圧力(パイロット圧)の供給用に使用される。
第1ポンプP1の吐出ポートには該第1ポンプP1から吐出される吐出油を流通させる吐出油路qが接続され、第2ポンプP2の吐出ポートには該第2ポンプP2から吐出される吐出油(パイロット油)を流通させる吐出油路aが接続され、第3ポンプP3の吐出ポートには該第3ポンプP3から吐出される吐出油を流通させる吐出油路kが接続されている。
図3及び図5を参照して、先ず作業系の油圧システムを説明する。
前記作業用操作装置15は、アーム上げ用パイロット弁86と、アーム下げ用パイロット弁87と、バケットダンプ用パイロット弁88と、バケットスクイ用パイロット弁89と、これらパイロット弁86,87,88,89について共通の(1本の)操作レバー90とを有する。
92と、バケットシリンダ28を制御するバケット用制御弁93と、アーム22の先端側等に取り付けられるアタッチメントの油圧アクチュエータを制御するSP用制御弁94とを有し、前記各制御弁92,93,94は、パイロット方式の直動スプール形三位置切換弁から構成されている。
作業用操作装置15の操作レバー90は、中立位置から、前後左右と前後左右の間の斜め方向に傾動操作可能とされ、該操作レバー90を傾動操作することにより、作業用操作装置15の各パイロット弁86,87,88,89が操作されると共に、操作レバー90の中立位置からの操作量に比例したパイロット圧が該操作されたパイロット弁86,87,88,89から出力される。
操作レバー90を前側(図5の矢示B2方向)に傾動させると、アーム下げ用パイロット弁87が操作されてリフトシリンダ26を縮小させる方向にアーム用制御弁92操作され、操作レバー90の傾動量に比例した速度でアーム22が下がる。
操作レバー90を左側(図5の矢示B4方向)に傾動させると、バケットスクイ用パイロット弁89が操作されてバケットシリンダ28を縮小させる方向にバケット用制御弁93が操作され、操作レバー90の傾動量に比例した速度でバケット23がスクイ動作する。
前記SP用制御弁94には、油圧ホース接続用の継手ユニット71の一対の圧油供排用継手71a,71bが油圧管路を介して接続されており、該継手71a,71bに油圧ホース等を介してアタッチメントの油圧アクチュエータを接続することにより、SP用制御弁94によってアタッチメントが操作可能とされる。
SP用制御弁94は比例電磁方式のパイロット弁によって構成された一対のSP用操作弁79,80によって操作可能とされ、これらSP操作弁79,80は前記作業用操作装置15の操作レバー90の頂部側に設けられたスライドボタンによって操作可能とされている。
操作レバー90に設けたスライドボタンを一方にスライド操作すると、操作信号が制御装置CUに入力され、該制御装置CUから一方のSP操作弁79に指令信号が出力され、一方のSP操作弁79から操作量に比例したパイロット圧がSP用制御弁94の一側の受圧部に出力される。
前記第3ポンプP3の吐出油路kはハイフロー弁83に接続されている。
ハイフロー弁83は、パイロット方式の2位置切換弁から構成され、第3ポンプP3の
吐出油を作動油タンク31に戻す非増量位置と、第3ポンプP3の吐出油を増量油路nを介して一方の継手71bに流す増量位置とに切り換え自在とされ、バネによって非増量位置に切り換えられる方向に付勢され、受圧部に作用するパイロット圧によって増量位置に切り換えられる。
次に、図3及び図4を参照して、走行系の油圧システムを説明する。
この斜板切換シリンダ58に圧油を作用させるか否かはパイロット方式の二位置切換弁からなるシリンダ切換弁63によって行われ、このシリンダ切換弁63は、第7供給路wに設けられた電磁方式の二位置切換弁からなる2速切換弁64によって切換え操作される。
前記油圧駆動装置32は、左走行モータ21L用の駆動回路32A(左用駆動回路)と、右走行モータ21R用の駆動回路32B(右用駆動回路)とを備えている。
すなわち、HSTポンプ66は、パイロット圧が作用する前進用受圧部66aと後進用受圧部66bとを備えており、これら受圧部66a,66bに作用するパイロット圧によって斜板の角度が変更されて作動油の吐出方向や吐出量が変更され、これによって走行モ
ータ21L,21Rの回転出力をトラックローダ1を前進させる方向(正転方向)或いはトラックローダ1を後進させる方向(逆転方向)に無段階に変速することができるよう構成されている。
走行モータ21L,21Rのフラッシング弁60は、高圧側の変速用油路h,iの圧によって低圧側の変速用油路h,iをフラッシング用リリーフ油路mに接続するように切り換えられ、低圧側の変速用油路h,iに作動油を補充させるべく該低圧側の変速用油路h,iの作動油の一部をフラッシング用リリーフ油路mを介して走行モータ21L,21Rのハウジング内の油溜まりに逃がすものである。前記フラッシング用リリーフ弁61は、フラッシング用リリーフ油路mに介装されている。
前記走行操作装置14の走行レバー40は、中立位置から、前後左右と前後左右の間の斜め方向に傾動操作可能とされ、該走行レバー40を傾動操作することにより、走行操作装置14の各パイロット弁36,37,38,39が操作されると共に、走行レバー40の中立位置からの操作量に比例したパイロット圧が該操作されたパイロット弁36,37,38,39の二次側ポートから出力されるよう構成されている。
また、走行レバー40を右側(図4では矢示A3方向)に傾動させると、右旋回用パイロット弁38が操作されて該パイロット弁38からパイロット圧が出力され、該パイロット圧は第1シャトル弁41から第1流路46を介して左用駆動回路32AのHSTポンプ66の前進用受圧部66aに作用すると共に第4シャトル弁44から第4流路49を介して右用駆動回路32BのHSTポンプ66の後進用受圧部66bに作用する。
また、走行レバー40を左側(図4では矢示A4方向)に傾動させると、左旋回用パイロット弁39が操作されて該パイロット弁39からパイロット圧が出力され、該パイロット圧は第2シャトル弁42から第2流路47を介して右用駆動回路32BのHSTポンプ66の前進用受圧部66aに作用すると共に第3シャトル弁43から第3流路43を介して左用駆動回路32AのHSTポンプ66の後進用受圧部66bに作用する。
また、走行レバー40を斜め方向に傾動させると、各駆動回路32A,32Bの前進用
受圧部66aと後進用受圧部66bとに作用するパイロット圧の差圧によって、走行モータ21L,21Rの出力軸57aの回転方向及び回転速度が決定され、トラックローダ1が前進又は後進しながら右旋回又は左旋回する。
そして、このアクセルセンサAS及び回転センサRSの検出信号に基づいて、エンジン29がアクセルペダル53又はアクセルレバー54の操作量に応じた(アクセル操作部材53,54によって決定される)回転数(目標エンジン回転数)となるように、コントローラECUによってインジェクタの燃料噴射量が制御される。
圧力制御弁34の比例ソレノイド34aは制御装置CUに伝送路を介して接続されていて、制御装置CUから比例ソレノイド34aへと出力される出力電流によって圧力制御弁34の二次側圧力(すなわち、走行操作装置14の各パイロット弁36,37,38,39の一次側圧力)が制御される。
次に、図6を参照して、制御装置CU及び圧力制御弁34による走行操作装置14の各パイロット弁36,37,38,39の一次側圧力(以下単に、走行一次側圧力という)の制御について説明する。
する走行一次側圧力の圧力特性)を示しており、走行一次側圧力を縦軸とし、エンジン回転数を横軸としている。
図6において、M1はアイドリング回転数(1150rpm)を示し、M2はアクセル操作部材(アクセルペダル53、アクセルレバー54)を最大に操作したときの目標エンジン回転数であるマックス回転数(2480rpm)を示す。
特性線Yは、従来の油圧システムでのエンジン回転数に対する走行一次側圧力の関係を示す特性線を示し、エンジンが無負荷状態及びエンジンに負荷が作用しているときの両方における実エンジン回転数に対する走行一次側圧力の変化を示した特性線である。
ドロップ特性線Z1は、目標エンジン回転数がマックス回転数M2の時においてエンジン回転がドロップしたときの実エンジン回転数に対する走行一次側圧力の変化を示した特性線を示し、ドロップ特性線Z2は、目標エンジン回転数が2000rpmの時においてエンジン回転がドロップしたときの実エンジン回転数に対する走行一次側圧力の変化を示した特性線を示し、ドロップ特性線Z3は、目標エンジン回転数が1500rpmの時においてエンジン回転がドロップしたときの実エンジン回転数に対する走行一次側圧力の変化を示した特性線を示し、ドロップ特性線Z4は、目標エンジン回転数がアイドリング回転数M1の時においてエンジン回転がドロップしたときの実エンジン回転数に対する走行一次側圧力の変化を示した特性線を示す。
したがって、ドロップ特性線Zはアイドリング回転数M1からマックス回転数M2まで無段階に存在し、アクセル操作部材53,54を操作すると、その操作した位置の目標エンジン回転数に対応するドロップ特性線Zに切り換わるよう制御される。また、アクセル操作部材53,54を操作している途中においてドロップ特性線Zは連続的に変更される(連続的に切り換わっていく)。
ある第1特性線部E1と、屈曲部分Dよりエンジン回転数が低い側の領域での特性線部である第2特性線部E2(他の特性線部)とを有する。
なお、図例では、ドロップ特性線Zは屈曲部分Dで角状(鈍角状)に屈曲しているが(屈曲部分Dは角状であるが)、ドロップ特性線Zは屈曲部分Dで湾曲状に屈曲していてもよい(屈曲部分Dが湾曲状であってもよい)。
第2特性線部E2は、屈曲部分Dから実エンジン回転数が下がるに従って走行一次側圧力が第1特性線部E1に比べて緩やかに降下するように設定されている。
また、ドロップ特性線Zは、図例の第1特性線部E1を下方側に延長したかたちで生成してもよい(この場合、第2特性線E2は設けない)。
そして、無負荷であると、特性線Xで決められた実エンジン回転数に対する走行一次側圧力となるように圧力制御弁34が制御され、所定以上の負荷が検出されると、ドロップ特性線Zで決められた実エンジン回転数に対する走行一次側圧力となるように圧力制御弁34が制御される。すなわち、無負荷時と所定以上の負荷が作用しているときとで、実エンジン回転数に対する走行一次側圧力の特性線を切り換えるようにしている。
これによって、エンジンストールを防止しつつ、エンジン回転がドロップしたときにおける実エンジン回転数を高めに安定させることによる走行速度アップを図ることができる。
より、HSTポンプ66側からエンジン29に作用する負荷が早めに減少し、これによって、例えば、目標エンジン回転数がマックス回転M2の際において実エンジン回転数がドロップしたときに、従来では1500rpmでバランスしていたものを、2200rpmという高めの実エンジン回転数でバランスさせることができる。
前述したように、本実施形態では、制御装置CUによって圧力制御弁34を制御することによって走行一次側圧力を電子制御することにより、無負荷時と所定以上の負荷が作用しているときとで、実エンジン回転数に対する走行一次側圧力の特性線を切り換えることができる。これによって、無負荷時の走行一次側圧力を高めに設定して走行速度を向上させることができると共に、所定以上の負荷が作用する時においては、エンジンストールを防止しつつ走行速度の向上を図ることができる。
これによって、エンジン回転が極端に大きくドロップしたあとに実エンジン回転数が復帰しやすくなり、山積みされた土砂等にバケット23を突っ込ませた後に、バックで出ようとしたときに、速やかにバックすることができる。
また、本実施形態では、エンジン回転数がアイドリング回転数M1未満の低回転領域の低回転時特性線Gを有する。
また、この低回転時特性線Gには各ドロップ特性線Zが交わっており、該低回転時特性
線Gは各ドロップ特性線Zが交わる部分において、エンジン回転数が下がるに従って走行一次側圧力が第2特性線部E2に比べて大きく(急激に)降下するように設定されている。
そこで、この目標エンジン回転数がアイドリング回転数M1のときにおけるエンストを防止すべく、ドロップ特性線Z4が低回転時特性線Gに交わると、特性線が低回転時特性線Gに切り換わって走行一次側圧力が制御されるようにしている。
また、本実施形態では、前述したように、目標エンジン回転数ごとにドロップ特性線Zが存在し、アクセル操作すると(アクセルペダル53又はアクセルレバー54の操作をすると)、アクセル操作した目標エンジン回転数に対応するドロップ特性線Zに切り換わるが、アクセル操作中においてはドロップ特性線Zが連続的に切り換わっていくので、アクセル操作の操作フィーリングがよい。
このドロップ特性線Zの切り換わりの速度は実験的に割り出している。アクセル操作に対してエンジン回転数の応答性が相当程度遅いと思われるとき、例えば、バケット23に過大な荷重をかけて登坂しているときにアクセル操作したときの、エンジン回転数が上が
る時間又は下がる時間をカウントし、それに合わせるようにドロップ特性線Zの切り換わりの速度を決めている
本実施形態にあっては、いずれかの目標エンジン回転数からいずれかの目標エンジン回転数に上げる場合において、ドロップ特性線Zの切り換わりの速度は一定であり、また、いずれかの目標エンジン回転数からいずれかの目標エンジン回転数に下げる場合でも、ドロップ特性線Zの切り換わりの速度は一定である。
エンジン回転数を上げるときに比べて、エンジン回転数を下げるときの方が、エンジン29にかかる負担が比較的軽いので、エンジン回転数を上げる方向にアクセル操作部材53,54を操作する場合のドロップ特性線Zが切り換わる速度に対して、エンジン回転数を下げる方向にアクセル操作部材53,54を操作する場合のドロップ特性線Zが切り換わる速度を速く設定している。
本発明は、エンジン29により駆動される油圧ポンプの吐出油によって駆動する油圧モータで作動するようにした走行装置3と、前記エンジン29により駆動される油圧ポンプの吐出油によって駆動する作業装置とを備えた、その他の自走式作業機、例えばバックホーなどの作業機にも採用することができる。
14 走行操作装置
29 エンジン
34 圧力制御弁
53 アクセルペダル(アクセル操作部材)
54 アクセルレバー(アクセル操作部材)
57 HSTモータ
66 HSTポンプ
CU 制御装置
E1 第1特性線部
E2 第2特性線部(他の特性線部)
M1 アイドリング回転数
M2 マックス回転数
P2 パイロットポンプ
X 負荷時特性線
Z ドロップ特性線
h 変速用油路
i 変速用油路
Claims (3)
- エンジン(29)によって駆動される斜板形可変容量ポンプからなるHSTポンプ(66)と、このHSTポンプ(66)と一対の変速用油路(h,i)により閉回路接続されていて該HSTポンプ(66)からの吐出油によって駆動されることにより走行装置(4)を駆動するHSTモータ(57)と、エンジン(29)によって駆動されるパイロットポンプ(P2)と、このパイロットポンプ(P2)によって吐出されるパイロット油によってHSTポンプ(66)の斜板を制御する走行操作装置(14)と、この走行操作装置(14)の一次側の圧力である走行一次側圧力を制御する圧力制御弁(34)と、この圧力制御弁(34)を制御する制御装置(CU)とを備え、
前記制御装置(CU)によって圧力制御弁(34)を制御することにより、エンジン(29)の無負荷時の実エンジン回転数と走行一次側圧力との関係を示す無負荷時特性線(X)と、エンジン(29)に所定以上の負荷が作用したときの実エンジン回転数と走行一次側圧力との関係を示すドロップ特性線(Z)とを生成することを特徴とする作業機。 - 前記無負荷時特性線(X)は、実エンジン回転数がアクセル操作部材(53,54)を最大に操作したマックス回転数(M2)からアイドリング回転数(M1)へと下がるにしたがって走行一次側圧力が徐々に降下するように生成され、
ドロップ特性線(Z)は、所定以上の負荷が作用したときに実エンジン回転数が下がるに従って無負荷時特性線(X)に比べて走行一次側圧力が急激に降下するように生成された特性線部(E1)を有することを特徴とする請求項1に記載の作業機。 - ドロップ特性線(Z)は途中で屈曲されていて、所定以上の負荷が作用したときに実エンジン回転数が下がるに従って走行一次側圧力が急激に降下するように生成された前記特性線部(E1)と、さらにエンジン回転数が下がった場合に、実エンジン回転数が下がるに従って走行一次側圧力が前記特性線部(E1)に比べて緩やかに降下するように生成された他の特性線部(E2)とを有することを特徴とする請求項2に記載の作業機。
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