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JP2013087723A - アイドルストップ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動再始動の失敗回避と自動停止の機会増大との両立を図る。
【解決手段】スタータモータの駆動力によりエンジンを始動させるモータ始動と、運転者の人力によりエンジンを始動させるキック始動とが可能であり、かつ、アイドルストップ機能を備えた車両に適用されることを前提とする。ここで、運転者がキック始動させたということは、モータ始動できないと運転者が判断したと言える。そこで、キック始動が実行されたか否かを判定するキック始動判定手段S10と、キック始動の実行が判定された以降においては、アイドルストップ条件を満たした時であっても、アイドルストップを禁止させるアイドルストップ禁止制御手段S14と、を備えることを特徴とする。これにより、モータ始動できないといった運転者による判断に基づき自動停止を禁止させることになるので、自動停止の機会を必要以上に少なくさせることなく、自動再始動失敗のおそれを低減できる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、モータ始動とキック始動が可能な車両に適用されたアイドルストップ制御装置に関する。
エンジンを自動停止させ、その後、自動再始動させるアイドルストップ機能を備えた車両において、バッテリが劣化している場合にはスタータモータの駆動力が不十分となり、エンジンの圧縮行程をピストンが乗り越えられずに自動再始動に失敗することが懸念される。
そこで従来では、バッテリ残存容量が判定閾値よりも少ない場合に、アイドルストップ機能による自動停止を禁止させている(特許文献1参照)。この判定閾値を高く設定するほど、自動再始動に失敗するおそれを低減できるものの、その背反として自動停止の機会が少なくなり、燃費向上を十分に図れなくなる。したがって、判定閾値を最適な値に設定することが、自動再始動の失敗回避と自動停止の機会増大との両立を図る上で重要である。
しかしながら、圧縮行程をピストンが乗り越えるか否か(再始動に失敗するか否か)は、バッテリ残存容量の他にも、エンジン潤滑油の温度やエンジン排気量等、多種多様の要因が影響する。そのため、前記両立を実現できるように判定閾値を設定することは、極めて困難である。
特開2004−353474号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、自動再始動の失敗回避と自動停止の機会増大との両立を図ったアイドルストップ制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明では、スタータモータの駆動力によりエンジンを始動させるモータ始動と、運転者の人力により前記エンジンを始動させるキック始動とが可能であり、かつ、所定のアイドルストップ条件を満たした時に前記エンジンを自動停止させ、所定の始動条件を満たした時に前記エンジンを前記モータ始動により自動再始動させるアイドルストップ機能を備えた車両に適用されることを前提とする。
そして、前記キック始動が実行されたか否かを判定するキック始動判定手段と、前記キック始動の実行が判定された以降においては、前記アイドルストップ条件を満たした時であっても、前記自動停止を禁止させるアイドルストップ禁止制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明者らは、以下の知見に基づき上記発明を想起した。すなわち、運転者がキック始動させる場合とは、バッテリが劣化していることを車両運転開始以前から認識している場合や、モータ始動させるべくスタータスイッチを操作したにも拘わらずモータ始動に失敗した場合等が想定される。つまり、運転者がキック始動させたということは、モータ始動できないと運転者が判断したと言える。
この知見に基づき想起された上記発明では、キック始動が実行されたと判定した以降においては、アイドルストップ条件を満たした時であっても自動停止を禁止させる。そのため、モータ始動できないといった運転者による判断に基づき自動停止を禁止させるので、自動停止の機会を必要以上に少なくさせることなく、自動再始動失敗のおそれを自動的に低減できる。
請求項2記載の発明では、前記キック始動が実行されたと判定された場合、そのキック始動が、前記自動再始動に失敗してから所定時間以内に実行されたものであることを条件として、前記アイドルストップ禁止制御手段により前記自動停止を禁止させることを特徴とする。
運転者によっては、バッテリの劣化が進行しておらずモータ始動が十分に可能である場合であっても、キック始動を実行する場合がある。この場合にまで自動停止を禁止させることは、自動再始動の失敗回避と自動停止の機会増大との両立性を低下させることになる。この点を鑑みた上記発明では、自動再始動に失敗してから所定時間以内にキック始動が実行されたことを条件として自動停止を禁止させるので、アイドルストップ機能による自動再始動に失敗したことに伴い運転者がキック始動させた場合に自動停止を禁止させるようにでき、自動再始動の失敗回避と自動停止の機会増大との両立性を向上できる。
ちなみに、スタータモータを通電オンさせているにもかかわらず、後述するN信号が入力されない状態が所定時間n秒以上継続した場合、又は、スタータモータを通電オンさせているにもかかわらず、エンジン回転速度が所定回転数xrpm以上とならない状態が所定時間n秒以上継続した場合に、上記「自動再始動に失敗」と判定すればよい。
また、このような「自動再始動に失敗」の判定が成立した時点からタイマのカウントを開始し、タイマが一定値に達するまでの期間にキック始動が実行された場合に、「自動再始動に失敗してから所定時間以内にキック始動が実行された」と判定すればよい。
請求項3記載の発明では、前記車両は、運転者によりスタータスイッチが操作されると前記モータ始動が実行されるように構成されており、前記キック始動が実行されたと判定された場合、そのキック始動が、前記スタータスイッチが操作されてから所定時間以内に実行されたものであることを条件として、前記アイドルストップ禁止制御手段により前記自動停止を禁止させることを特徴とする。
運転者によっては、バッテリの劣化が進行しておらずモータ始動が十分に可能である場合であっても、キック始動を実行する場合がある。この場合にまで自動停止を禁止させることは、自動再始動の失敗回避と自動停止の機会増大との両立性を低下させることになる。この点を鑑みた上記発明では、スタータスイッチが操作されてから所定時間以内にキック始動が実行されたことを条件として自動停止を禁止させるので、モータ始動に失敗したことに伴い運転者がキック始動させた場合に自動停止を禁止させるようにでき、自動再始動の失敗回避と自動停止の機会増大との両立性を向上できる。
請求項4記載の発明では、前記スタータモータへ電力供給するバッテリの蓄電量が所定量以上に復帰しているか否かを判定する復帰判定手段を備え、前記キック始動が実行されたと判定した以降において、前記復帰判定手段により復帰したと判定された場合には、アイドルストップ禁止制御手段による自動停止禁止を解除することを特徴とする。
これによれば、アイドルストップ禁止制御手段により自動停止を禁止させた以降において、バッテリの残存容量が増大した場合や、新品のバッテリに交換した場合等、自動再始動の失敗のおそれが無くなった状態に復帰した場合に、自動停止禁止が解除される。そのため、バッテリ復帰後においても、自動再始動の失敗回避と自動停止の機会増大との両立性を向上できる。
なお、復帰判定手段による復帰判定の具体例を以下に説明する。すなわち、一定期間以上エンジンを連続運転させた場合には、バッテリ残存容量が十分に増大したとみなして復帰判定する。或いは、車両走行中にバッテリ電圧が所定値以上になった状態が所定時間以上継続した場合には、バッテリ残存容量が十分に増大したとみなして復帰判定する。
第1実施形態にかかるアイドルストップ制御装置が適用される、エンジンシステムを示す図。 第1実施形態において、アイドルストップ機能の制御手順を示すフローチャート。 モータ始動時の各種変化を示すタイムチャート。 キック始動時の各種変化を示すタイムチャート。 第2実施形態において、アイドルストップ機能の制御手順を示すフローチャート。
以下、アイドルストップ制御装置を二輪車両のエンジンに適用した各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(第1実施形態)
図1は、二輪車両に搭載されたエンジン10(内燃機関)を示す模式図であり、点火着火式の4サイクル単気筒エンジンを想定している。燃料タンク11内の燃料は、燃料ポンプ12により燃料噴射弁13へ供給される。燃料噴射弁13は吸気管14に取り付けられたポート噴射式であり、燃料噴射弁13から噴射された燃料は、スロットルバルブ15により流入量が調節された吸気とともに、混合気となって燃焼室16へ流入する。また、点火コイル装置17の一次電流を制御することで、点火プラグ18へ二次電流を流してスパークさせ、混合気を点火着火させる。
これらの燃料ポンプ12、燃料噴射弁13、点火コイル装置17および後述するスタータモータ22、スタータスイッチ26は、バッテリ19から電力供給されて駆動する。また、これらの電気負荷12,13,17,22の作動はECU20により制御される。
エンジン始動時にクランク軸21(出力軸)を回転駆動させるスタータモータ22は、クランク軸21により回転駆動して発電作動する発電機としても機能する。すなわち、スタータモータ22は、エンジン始動時にはモータ駆動し、エンジン始動後には発電作動する。なお、スタータモータ22には3相交流のブラシレスモータが採用されている。そして、インバータ23の整流機能により、モータ駆動時にはバッテリ19から放電される駆動電力が直流から交流に変換され、発電作動時にはスタータモータ22からの発電電力が交流から直流に変換される。
また、クランク軸21上には、ピックアップセンサ28によるピックアップ信号(図3(a)参照)を発生させる突起が設けてあり、ECU20内の波形整形回路29によりピックアップ信号がN信号(図3(b)参照)に変換されて、ECU20が有するマイクロコンピュータに入力される。なお、上記N信号は、クランク軸21の回転角またはスタータモータ22の回転位相を表した信号である。
図1に示す二輪車両は、スタータモータ22の駆動力によりエンジン10を始動させるモータ始動と、運転者の人力によりエンジン10を始動させるキック始動とが可能である。すなわち、二輪車両にはキックペダル24および減速器25が備えられており、運転者がキックペダル24を踏み込むと、その踏込み力が減速器25を介してクランク軸21に伝達され、クランク軸21を人力で回転させてエンジン10が始動(キック始動)される。また、二輪車両にはスタータスイッチ26が備えられており、運転者がスタータスイッチ26をオン操作すると、スタータモータ22が駆動してそのモータ駆動力によりエンジン10が始動(モータ始動)される。
さらに二輪車両は、以下に説明するアイドルストップ機能を備えている。すなわち、所定のアイドルストップ条件を満たした時には、ECU20は点火コイル装置17および燃料噴射弁13の作動を停止させて、エンジン10を自動停止させる。前記アイドルストップ条件の具体例としては、バッテリ19の残存容量が判定閾値以上であること、クランク軸21の回転速度(エンジン回転速度NE)が所定値未満であること、車速が所定速度未満になっていること、スロットル操作がなされておらず運転者の加速意思がないこと、運転者がブレーキ操作をしていること等が挙げられる。
また、所定の始動条件を満たした時には、ECU20はスタータモータ22をモータ駆動させるとともに、点火コイル装置17および燃料噴射弁13の作動を自動で再開させて、モータ始動によりエンジン10を自動再始動させる。前記始動条件の具体例としては、スロットル操作されて運転者に加速意思があること、運転者がブレーキ操作をしていないこと等が挙げられる。
但し、キック始動が実行された後であれば、アイドルストップ条件を満たした時であっても、アイドルストップ機能による自動停止をECU20は禁止する。以下、自動停止が禁止されているか否かに応じたアイドルストップ機能の制御手順について、図2を用いて詳細に説明する。なお、図2の処理は、ECU20が有するマイクロコンピュータにより所定周期で繰り返し実行される。
先ず、図2に示すステップS10(キック始動判定手段)において、前回のエンジン始動がモータ始動およびキック始動のいずれであったかを判定する。そして、モータ始動と判定された場合には、続くステップS11,S12において、バッテリ19が劣化していないか否かをチェックする。
すなわち、ステップS11では、前回のモータ始動時において、スタータモータ22へ電力供給している最中のバッテリ19の端子電圧(バッテリ電圧)、或いはスタータモータ22への電力供給が終了した時点におけるバッテリ電圧が、所定値Vth以上であるか否かを判定する。バッテリ電圧≧Vthと判定されればバッテリ19の蓄電量が所定量以上であり劣化していない正常状態であると見なす。
また、次のステップS12では、前回のモータ始動時において、スタータモータ22へ電力供給している最中におけるエンジン回転速度NEが、所定値NEthにまで達したか否かを判定する。NE≧NEthと判定されればバッテリ19の蓄電量が所定量以上であり劣化していない正常状態であると見なす。
ステップS10にてモータ始動と判定され、かつ、バッテリが正常状態であると判定された場合(S11:YES、S12:YES)には、続くステップS13において、次回のアイドルストップを許可する。つまり、エンジン運転中に先述したアイドルストップ条件を満たした場合にはエンジン10を自動停止させる。
一方、ステップS10にてキック始動と判定された場合(S10:YES)や、バッテリが劣化状態であると判定された場合(S11:NO、S12:NO)には、続くステップS14(アイドルストップ禁止制御手段)において、次回のアイドルストップを禁止する。
次に、上述したステップS10にてモータ始動およびキック始動のいずれであるかを判定する手法について、図3および図4を用いて説明する。
図3はモータ始動時、図4はキック始動時のタイムチャートであり、(a)はピックアップセンサ28から出力されるピックアップ信号の波形、(b)は点火コイル装置17への指令信号に相当する波形整形後のN信号、(c)はイグニッション電圧(点火コイル装置17の一次電圧)、(d)はバッテリ電圧、(e)はスタータモータ22へ供給される電力のスタータ電圧について、各々の時間変化を示す。なお、(b)に示す波形整形後のN信号は、(a)に示すピックアップ信号の波形を整形して得られたものである。
図3(モータ始動)において、スタータスイッチ26をオン操作または自動再始動により、tm時点でスタータモータ22が駆動開始すると、スタータ電圧が上昇するとともにバッテリ電圧が降下する(図3(d)(e)参照)。また、クランク軸21の回転開始に伴い、その回転に同期したピックアップ波形および波形整形後のN信号が現れる(図3(a)(b)参照)。そして、欠け歯部の検出により基準位置判別が完了した後、所定時間が経過したタイミング、あるいは、N信号のエッジが所定回数出現したタイミングでイグニッション電圧を生じさせて点火プラグ18にて放電(点火)させる。これにより、燃焼室16での燃焼が開始してモータ始動が完了する。
図4(キック始動)において、キックペダル24を踏込み操作したtk時点の直後に、クランク軸21の回転開始に伴い、その回転に同期したピックアップ信号の波形およびN信号の波形が現れる(図4(a)(b)参照)。そして、欠け歯部の検出により基準位置判別が完了した後、所定時間が経過したタイミング、あるいは、N信号のエッジが所定回数出現したタイミングでイグニッション電圧を生じさせて点火プラグ18にて放電(点火)させる。これにより、燃焼室16での燃焼が開始してキック始動が完了する。
これらの図3および図4を比較して分かるように、モータ始動とキック始動とでは以下に説明する3つの点が異なる。すなわち、1点目はスタータ電圧の変化である。モータ始動の場合にはスタータ電圧が所定値(例えば12V)以上になるのに対し、キック始動の場合には、スタータ電圧は0Vのままである。
2点目は点火プラグ18での放電間隔である。キックペダル24による人力でクランク軸21を回転させている時のクランク軸21の回転速度は、スタータモータ22による駆動力で回転させている時の回転速度よりも速い。そのため、キック始動の場合にはモータ始動の場合に比べてピックアップ信号の波形が変化する間隔が短くなり、N信号の波形のエッジ間隔T15が短くなる。
3点目はバッテリ電圧の降下有無である。モータ始動の場合にはスタータモータ22での消費電力が大きいことに起因して、tm時点にてバッテリ電圧が降下する。これに対しキック始動の場合には、tk時点またはその直後においてバッテリ電圧の降下が生じない。具体的には、図3(d)の例では、バッテリ電圧は6V付近まで降下するのに対し、図4(d)の例では、バッテリ電圧は10V〜14Vの間で安定している。
そして、ステップS10にてモータ始動およびキック始動のいずれであるかを判定するにあたり、上述した3点の違いに基づき判定すればよい。なお、これら3点の全てをAND条件として判定してもよいし、OR条件として判定してもよいし、3点のうちの任意の2点または1点に基づき判定してもよい。
ここで、バッテリ19が劣化している場合に自動停止させると、次回の自動再始動時においてスタータモータ22の駆動力が不十分となり、エンジン10の圧縮行程をピストン27が乗り越えられずに自動再始動に失敗し、場合によってはクランク軸21の逆回転を招いてエンジン10の構成部品を損傷させることが懸念される。この懸念に対し、例えば先述した判定閾値を高く設定してアイドルストップ条件を厳しく設定すると、自動再始動失敗の前記懸念を解消できるものの、その背反として自動停止の機会が少なくなり、燃費向上を十分に図れなくなる。
この問題に対し本実施形態によれば、ステップS10にてキック始動が実行されたと判定した以降においては、アイドルストップ条件を満たした時であっても自動停止を禁止させる(S14)。そのため、モータ始動できないといった運転者による判断に基づき自動停止を禁止させるので、アイドルストップ条件(バッテリ19の残存容量が判定閾値以上)の判定に用いる判定閾値を大きい値に設定することなく、モータ始動できない時には自動停止が禁止されるようになる。よって、自動停止の機会を必要以上に少なくさせることなく、自動再始動失敗のおそれを低減できる。
(第2実施形態)
図5に示す本実施形態では、図2に示す上記第1実施形態の処理に、以下に説明するステップS10aおよびステップS10b(復帰判定手段)の判定処理を追加している。以下、図5の処理内容について、図2との違いを中心に説明する。なお、図5中、図2と同一符号部分についてはその説明を援用する。また、本実施形態におけるエンジン10等のハード構成は、図1に示す上記第1実施形態と同じである。
ステップS10にてキック始動であると判定された場合、続くステップS10aにおいて、そのキック始動が、自動再始動に失敗してから所定時間以内に実行されたものであるか否か、或いは、スタータスイッチ26が操作されてから所定時間以内に実行されたものであるか否かを判定する。
詳細には、スタータモータ22を通電オンさせているにもかかわらず、N信号が入力されない状態が所定時間以上継続した場合、又は、スタータモータ22を通電オンさせているにもかかわらず、エンジン回転速度が所定回転数以上とならない状態が所定時間以上継続した場合に、上記「自動再始動に失敗」と判定する。さらに、このような「自動再始動に失敗」の判定が成立した時点からタイマのカウントを開始し、タイマが一定値に達するまでの期間にキック始動が実行された場合に、ステップS10aにて肯定判定する。
また、上述した自動再始動失敗の判定が一度でも為された後のキック始動時は、モータ始動失敗をきっかけにキック始動したと判定し、ステップS10aにて肯定判定するようにしてもよい。
そして、自動再始動に失敗してから所定時間以内或いはスタータスイッチ26が操作されてから所定時間以内に実行されたものではないと判定された場合(S10a:NO)には、モータ始動に失敗したことに伴い運転者がキック始動を行ったケースではなく、バッテリ劣化状態であるか否かに拘わらず運転者が習慣的にキック始動を行ったケースであるとみなす。そして、ステップS13に進み次回のアイドルストップを許可する。
一方、自動再始動に失敗してから所定時間以内或いはスタータスイッチ26が操作されてから所定時間以内に実行されたものであると判定された場合(S10a:YES)には、バッテリ劣化に伴いモータ始動に失敗したことに伴い運転者がキック始動を行ったケースであるとみなして、次のステップS10bに進む。
ステップS10bでは、バッテリ19の蓄電量が所定量以上に復帰しているか否かを判定する。例えば、キック始動が為された後において、一定期間以上エンジン10を連続運転させた場合には、バッテリ残存容量が十分に増大したとみなして復帰判定する。或いは、キック始動が為された後において、車両走行中にバッテリ電圧が所定値以上になった状態が所定時間以上継続した場合には、バッテリ残存容量が十分に増大したとみなして復帰判定する。
より詳細に説明すると、ステップS10bの判定において、以下の条件(1)〜(3)のいずれかが成立した場合に、バッテリ19の蓄電量が所定量以上に復帰して蓄電量が十分であると判定し、ステップS10bにて肯定判定する。
(1)スタータモータ22による始動において、スタータONから所定値(m秒)以内にエンジン回転速度が所定値(xrpm)以上となった場合。
(2)エンジン回転速度が所定値(yrpm)以上になっている状態が、累積で所定値(z分)以上継続した場合。
(3)停止かつ、スタータOFF状態において、バッテリ電圧が所定値以上の場合。
また、以下の条件(4)〜(6)のいずれかが成立した場合に、バッテリ19の蓄電量が所定量未満であり蓄電量が十分でないと判定して、ステップS10bにて否定判定する。
(4)自動再始動が失敗した場合。
(5)スタータモータ22による始動において、スタータをONしてから、エンジン回転速度が所定値(xrpm)以上となるまでに所定値(m秒)以上経過した場合。
(6)停止かつスタータOFFの状態において、バッテリ電圧が所定値以下の場合。
そして、バッテリ19が復帰したと判定された場合(S10b:YES)には、アイドルストップ禁止を解除して、ステップS13に進み次回のアイドルストップを許可する。一方、バッテリ19が復帰したと判定されなかった場合(S10b:NO)には、ステップS14に進み次回のアイドルストップを禁止する。
ここで、運転者によっては、バッテリ劣化が進行しておらずモータ始動が十分に可能である場合であっても、習慣的にキック始動する場合がある。この場合にまで自動停止を禁止させることは、自動再始動の失敗回避と自動停止の機会増大との両立性を損なわせることになる。この点を鑑みた本実施形態では、モータ始動失敗の履歴有無に基づき、キック始動の実行がモータ始動失敗をきっかけにしたものであるか否かを判定し、モータ始動失敗をきっかけにキック始動したことを条件として自動停止を禁止させるので、前記両立性の向上を図ることができる。
また、自動停止を禁止させた以降において、バッテリ19の残存容量が増大した場合や、新品のバッテリ19に交換した場合等、自動再始動の失敗のおそれが無くなった状態に復帰した場合(S10b:YES)に、自動停止禁止を解除し、次回のアイドルストップを許可する(S13)。そのため、バッテリ復帰後においても前記両立性を向上できる。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、以下のように変更して実施してもよい。また、各実施形態の特徴的構成をそれぞれ任意に組み合わせるようにしてもよい。
・ステップS14によりアイドルストップを禁止させている時には、警告ランプ等の報知手段を作動させて、アイドルストップを禁止させている旨、或いはバッテリ19が劣化状態である旨を運転者に報知させてもよい。
・上記実施形態では、バッテリ電圧の降下有無、スタータ電圧の変化、および放電間隔に基づきキック始動であるか否かを判定しているが、例えばキックペダル24に作動検出スイッチを設け、当該スイッチからの検出信号有無に基づきキック始動であるか否かを判定してもよい。
10…エンジン、22…スタータモータ、26…スタータスイッチ、S10…キック始動判定手段、S10b…復帰判定手段、S14…アイドルストップ禁止制御手段。

Claims (4)

  1. スタータモータの駆動力によりエンジンを始動させるモータ始動と、運転者の人力により前記エンジンを始動させるキック始動とが可能であり、
    かつ、所定のアイドルストップ条件を満たした時に前記エンジンを自動停止させ、所定の始動条件を満たした時に前記エンジンを前記モータ始動により自動再始動させるアイドルストップ機能を備えた車両に適用され、
    前記キック始動が実行されたか否かを判定するキック始動判定手段と、
    前記キック始動の実行が判定された以降においては、前記アイドルストップ条件を満たした時であっても、前記自動停止を禁止させるアイドルストップ禁止制御手段と、
    を備えることを特徴とするアイドルストップ制御装置。
  2. 前記キック始動が実行されたと判定された場合、そのキック始動が、前記自動再始動に失敗してから所定時間以内に実行されたものであることを条件として、前記アイドルストップ禁止制御手段により前記自動停止を禁止させることを特徴とする請求項1に記載のアイドルストップ制御装置。
  3. 前記車両は、運転者によりスタータスイッチが操作されると前記モータ始動が実行されるように構成されており、
    前記キック始動が実行されたと判定された場合、そのキック始動が、前記スタータスイッチが操作されてから所定時間以内に実行されたものであることを条件として、前記アイドルストップ禁止制御手段により前記自動停止を禁止させることを特徴とする請求項1または2に記載のアイドルストップ制御装置。
  4. 前記スタータモータへ電力供給するバッテリの蓄電量が所定量以上に復帰しているか否かを判定する復帰判定手段を備え、
    前記キック始動が実行されたと判定した以降において、前記復帰判定手段により復帰したと判定された場合には、アイドルストップ禁止制御手段による自動停止禁止を解除することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のアイドルストップ制御装置。
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