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JP2013071194A - 切断機及びモータの緊急停止方法 - Google Patents

切断機及びモータの緊急停止方法 Download PDF

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JP2013071194A JP2011210683A JP2011210683A JP2013071194A JP 2013071194 A JP2013071194 A JP 2013071194A JP 2011210683 A JP2011210683 A JP 2011210683A JP 2011210683 A JP2011210683 A JP 2011210683A JP 2013071194 A JP2013071194 A JP 2013071194A
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信宏 高野
Shigeharu Ushiwatari
繁春 牛渡
Hiromi Ozawa
広身 小沢
Sachikazu Kono
祥和 河野
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Hitachi Koki Co Ltd
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Abstract

【課題】モータの緊急停止のために画像の撮影と処理をする必要が無く、かつ対象物の検出範囲設定の煩雑さを低減することが可能な切断機及びモータの緊急停止方法を提供する。
【解決手段】第1のセンサ11は自身と対象物9との間の距離を測定する。具体的には、第1のセンサ11は、電磁波を発信し、発信した電磁波が対象物9で反射された電磁波、又は発信した電磁波を受信した対象物9が発信する電磁波を受信し、電磁波の発信と受信との時間差に基づき、自身と対象物9との間の距離を特定する。第2のセンサ12及び第3のセンサ13も、第1のセンサと同様に、自身と対象物9との間の距離をそれぞれ測定する。制御部3は、各センサと対象物9との間の距離を基に、対象物9の三次元座標を特定し、対象物9の三次元座標が予め定められた領域内にあるか否かを判定し、対象物9の三次元座標が領域内にあればモータを停止する。
【選択図】図3

Description

本発明は、被加工材を切断する鋸刃をモータで駆動する切断機、及び当該切断機におけるモータの緊急停止方法に関する。
下記特許文献1は、テーブル上に載置された切断材を鋸刃により切断する切断機であって、画像内において操作者の手を表す画素の数が所定の閾値を上回るか否かを判定して鋸刃の回転の停止を行う切断機を開示する。
特開2010−23186号公報
特許文献1の技術も、安全性向上の面で一定の成果を上げるものと考えられる。しかし、特許文献1の技術では、画像の撮影と処理が必須となり、構成の簡素化及び画像処理速度の観点からすると改善の余地がある。
本発明はこうした状況を認識してなされたものであり、その目的は、モータの緊急停止のために画像の撮影と処理をする必要が無く、かつ対象物の検出範囲設定の煩雑さを低減することが可能で、画像処理技術に対して処理速度が速い切断機及びモータの緊急停止方法を提供することにある。
本発明のある態様は、切断機である。この切断機は、
台部と、前記台部に支持された被加工材を切断する鋸刃と、前記鋸刃を駆動するモータとを備える切断機であって、
対象物の座標を特定する座標特定手段と、
前記座標特定手段で特定した座標が所定の条件を満たすときに、前記モータの回転を停止する停止手段とを有することを特徴とする。
本発明のもう一つの態様も、切断機である。この切断機は、
台部と、前記台部に支持された被加工材を切断する鋸刃と、前記鋸刃を駆動するモータとを備える切断機であって、
対象物の位置を検出する少なくとも1つのセンサを有し座標を特定する座標特定手段を有し、
前記センサは、少なくとも前記鋸刃の略延長線上に位置することを特徴とする。
前記センサは、前記鋸刃の両側に位置してもよい。
前記座標特定手段は、予め定められた複数の異なる位置から対象物までの距離を測定してもよい。
前記座標特定手段は、予め定められた複数の異なる位置でそれぞれ電磁波を発信し、かつ発信した電磁波が対象物で反射された電磁波、又は発信した電磁波を受信した対象物が発信する電磁波をそれぞれ受信する複数のセンサ手段を有してもよい。
前記座標特定手段は、電磁波を発信する発信手段と、前記発信手段の発信した電磁波が対象物で反射された電磁波、又は発信した電磁波を受信した対象物が発信する電磁波を複数の異なる位置でそれぞれ受信する複数のセンサ手段とを有してもよい。
前記対象物は、作業者の手又は手袋に設けられた電磁波反射体又はICタグであってもよい。
各センサ手段は、受信した電磁波を基に各センサ手段と前記対象物との間の距離を特定してもよい。
前記座標特定手段は、対象物の三次元座標を特定してもよい。
前記停止手段は、前記座標特定手段で特定した座標が予め定められた領域内にあるときに、前記モータの回転を停止してもよい。
前記停止手段による前記モータの回転の停止時、又は当該停止の前もしくは後に、アラームを発する警告手段を有してもよい。
前記鋸刃が丸鋸刃であって前記台部の上面から周縁の一部が突出した状態で保持され、前記台部の上面で被加工材を動かすことで前記被加工材を前記鋸刃で切断可能であってもよい。
前記センサ手段は、前記鋸刃に対して前記台部の上面の両側に配置されてもよい。
本発明の別の態様は、モータの緊急停止方法である。この方法は、
台部と、前記台部に支持された被加工材を切断する鋸刃と、前記鋸刃を駆動するモータとを備える切断機における、モータの緊急停止方法であって、
第1のセンサ手段により、電磁波を発信し、かつ発信した電磁波が対象物で反射された電磁波、又は発信した電磁波を受信した対象物が発信する電磁波を受信するステップと、
前記第1のセンサ手段とは異なる位置にある第2のセンサ手段により、電磁波を発信し、かつ発信した電磁波が対象物で反射された電磁波、又は発信した電磁波を受信した対象物が発信する電磁波を受信するステップと、
前記第1及び第2のセンサ手段とは異なる位置にある第3のセンサ手段により、電磁波を発信し、かつ発信した電磁波が対象物で反射された電磁波、又は発信した電磁波を受信した対象物が発信する電磁波を受信するステップと、
前記第1乃至第3のセンサ手段で受信した電磁波を基に、前記第1乃至第3のセンサ手段の各々と前記対象物との間の距離を特定するステップと、
特定した各距離の表す座標が予め定められた領域内にあるときに、前記モータの回転を停止するステップとを含む。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現をシステムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、対象物の座標を特定し、特定した座標が所定の条件を満たすときに、前記モータの回転を停止するため、モータの緊急停止のために画像の撮影と処理をする必要が無く、かつ対象物の検出範囲設定の煩雑さを低減することが可能となる。特に、画像撮影とその処理が不要となるため処理速度が速くなり、モータ停止までの時間を早くすることができる。
本発明の実施の形態1に係る切断機の正面外観図。 同切断機の背面外観図。 本発明の実施の形態に係る切断機の模式的外観図。 同切断機における危険領域の説明図。 同切断機の機能ブロック図。 同切断機におけるモータの緊急停止のフローチャート。 同切断機を使用する作業者が身につける作業用手袋の模式的外観図。 丸鋸刃の面の両側にセンサを3個ずつ配置した実施の形態の模式的外観図。 本発明の実施の形態2に係る切断機の機能ブロック図。 実施の形態2の動作を示すフローチャート。 本発明の実施の形態3に係る切断機の模式的外観図。 同切断機の機能ブロック図。 図11の一部拡大断面図。 本発明の実施の形態4に係る卓上切断機に斜視図。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を詳述する。なお、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は発明を限定するものではなく例示であり、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
実施の形態1
図1は、本発明の実施の形態1に係る切断機1の正面外観図である。図2は、切断機1の背面外観図である。図3は、本発明の実施の形態に係る切断機1の模式的外観図である。図4は、切断機1における危険領域30の説明図である。図5は、切断機1の機能ブロック図である。本図に示す各ブロックは、ハードウェア若しくはソフトウェア、又はそれらの組合せによって実現される。
まず始めに、本発明の実施の形態となる切断機1の構造及び動作について説明する。図1及び図2に示すように、切断機1は、いわゆるテーブルソーであって、本体部20、テーブル部21、スタンド部22から主に構成されている。
本体部20は、モータ5及び制御部3を内蔵している。さらに、テーブルソー1のスイッチ部23と、丸鋸刃調整部24と、傾斜調整部25と、駆動状態を報知する報知部26とを備える。
スイッチ部23は、カバー27によって電源スイッチが覆われれている。丸鋸刃調整部24は丸鋸刃6を上下方向すなわち後述のテーブル部21上面(テーブル33上面)から丸鋸刃6の突出量を調整するものであり、ハンドル28とロックレバー29を備える。ハンドル28を左右何れかの方向に回すことで、テーブル部21上面からの丸鋸刃6の突出量を調整することができる。調整後はロックレバー29により突出位置を固定する。傾斜調整部25はテーブル部21上面に対する丸鋸刃6の傾斜角度を調整するためものでありハンドル30を備える。ハンドル30を左右何れかの方向に回すことで傾斜角度を調整することができる。報知部26は、モータ5の駆動状態や傾斜角度等をデジタル的又はLED等により表示、或いはブザーやメッセージ等により報知したり、後述する異常状態のときに表示或いは報知する。また、本体部20の側面にはゲージを収容するゲージ収納部31が設けられている。
テーブル部21は、本体部20に取付けられた支持部32と、支持部32に保持されたテーブル33と、テーブル33の左右に設けられた延長テーブル34,35とを備える。テーブル33には、丸鋸刃6をその上面に突出するための鋸刃貫通孔36と、鋸刃貫通孔36の上方に位置しテーブル33上面から突出した丸鋸刃6の周縁及び側面を覆う鋸刃ガード37が設けられている。また、テーブル33上面には、被加工材をガイドするためのゲージ38及びフェンス39が設けられている。鋸刃貫通孔36の後方には切断した被加工材の切断部分に入り込み被加工材を2つに分ける割刃43が設けられている。
ゲージ38はその当接面を被加工材に当接させて被加工材を丸鋸刃6で切断する際に、テーブル33に設けられた溝101に沿って被加工材を移動させるものである。ゲージ38は図示しない軸回りに回動可能になっており、丸鋸刃6に対する被加工材の角度を調整できるようになっている。すなわち、被加工材の切断角度を変更するものである。
フェンス39は支持部32に支持されて支持部32に沿って移動できるようになっており、フェンス39の位置を変えることにより丸鋸刃6とフェンス39当接面との距離が変化するため、被加工材の切断寸法を調整することができる。また、支持部32には図示しない目盛りが設けられており、フェンス39に設けられた指標により丸鋸刃6とフェンス39との距離を確認できるようになっている。
スタンド部22は、テーブルソー1を移動する際のキャスター40と、キャスター40が取り付けられ本体部20を支持するスタンド41から構成される。スタンド41には、上述したフェンス39を収納するフェンス収納部42が設けられており、図2はフェンス39を収納した状態を示している。
テーブルソー1の構成は上述のとおりだが、以下においてはテーブルソー1の構成を簡略化して説明する。テーブルソー1は、台部2(本体部20、テーブル部21)と、台部2の上面から周縁の一部が突出した丸鋸刃6とを備える。作業者は、台部2の上面に木材等の被加工材を配置し、回転する丸鋸刃6に向けてスライドさせることで、丸鋸刃6により被加工材を切断する。以下においては、丸鋸刃6の緊急停止に関する構成、動作を説明する。
図5に示すように、切断機1は、第1のセンサ11と、第2のセンサ12と、第3のセンサ13と、制御部3と、モータ駆動回路4と、モータ5と、アラーム7とを備える。第1のセンサ11、第2のセンサ12、及び第3のセンサ13の配置は、例えば図3に示すとおりであって台部2に対して固定であるが、各センサの配置箇所は相互に異なる位置であれば図3に示す例に限定されない。各センサは、台部2に固定的に設けられた例えば送受信アンテナを含み、電磁波の発信・受信の機能を有し、対象物9との距離測定が可能である。発信する電磁波の周波数は、センサごとに異なってもよいし、同じであってもよい。なお、対象物9は、例えば図7に示すように、作業者が身につける作業用手袋20の親指先端部分に取り付けられた金属体(電磁波反射体の例示)又はICタグ(例えばRFタグ)である。なお、ICタグは、電池を内蔵しないパッシブタグであってもよい。図4に示すように、切断機1は、丸鋸刃6の近傍には危険領域30が予め設定され、後述のように危険領域30に対象物9が進入するとモータ5を緊急停止する構成である。制御部3は、モータ駆動回路4に駆動信号を送信し、モータ駆動回路4がモータ5を回転駆動する。モータ5の回転に伴って丸鋸刃6が回転駆動される。アラーム7は、制御部3によりオンされたときに、作業者に音や光による警告を発する。
図6は、切断機1におけるモータ5の緊急停止のフローチャートである。切断機1の電源が入っていて、丸鋸刃6が回転している(モータ5が回転している)状態からスタートする。第1のセンサ11は、自身と対象物9との間の距離を測定する。具体的には、第1のセンサ11は、電磁波を発信する。そして、対象物9が金属体である場合は、発信した電磁波が対象物9で反射された電磁波を受信し、対象物9がICタグである場合は、発信した電磁波を受信した対象物9が当該電磁波をエネルギー源として発信する電磁波を受信する。第1のセンサ11は、電磁波の発信と受信との時間差に基づき、自身と対象物9との間の距離を特定(例えば演算)する。原理的にはレーダと同様である。続いて、第2のセンサ12及び第3のセンサ13も、第1のセンサと同様に、自身と対象物9との間の距離をそれぞれ測定する。
例えばマイコンを含む制御部3は、各センサから距離データを受信し、各センサと対象物9との間の距離を基に、対象物9の三次元座標を特定(例えば演算)する。続いて、制御部3は、対象物9の三次元座標が、予め定められた危険領域内にあるか否かを判定する。対象物9が危険領域内にあるということは、ここでは作業者の親指が丸鋸刃6に接近していることを意味する。制御部3は、対象物9の三次元座標が危険領域内に無ければ、モータ5の駆動を維持し(モータ駆動回路4に駆動信号を送り続け)、アラーム7はオフ状態に維持する。制御部3は、一方、対象物9の三次元座標が危険領域内にあれば、アラーム7をオンして音や光による警告を発生させ、かつモータ5を停止する(モータ駆動回路4に停止信号を送る)。これにより丸鋸刃6の回転が停止され、対象物9が危険領域30内へ侵入した際のリスクを低減する。
本実施の形態の切断機1及びそれにおけるモータ5の緊急停止方法は、対象物9の三次元座標を特定し、特定した座標が危険領域内にあるときにモータ5を停止するという新たな構成、手法であり、画像の撮影と処理が不要で、また、検出範囲が危険領域にかからないように設定する煩雑さも無いというメリットがある。したがって、モータ緊急停止のためのコスト、処理スピード、及び簡易性の面で従来技術と比較して優れているといえる。また、丸鋸刃6の延長上に第1のセンサ11が位置するため、丸鋸刃6の延長上から対象物(人手)が丸鋸刃6に近づいた場合に人手を確実に検出できる。
以上、実施の形態を例に本発明を説明したが、実施の形態の各構成要素や各処理プロセスには請求項に記載の範囲で種々の変形が可能であることは当業者に理解されるところである。以下、変形例について触れる。
各センサで電磁波を発信、受信することに替えて、電磁波の発信はいずれかのセンサ又は別の発信手段が行い、発信した電磁波が対象物9で反射された電磁波、又は発信した電磁波を受信した対象物9が発信する電磁波を各センサで受信する構成としてもよい。この場合、三次元座標の特定のためにセンサの数は4個以上にしてもよい。
対象物9は、作業用手袋20の親指先端部分に替えて又はそれに加えて、他の指の先端部分に設けてもよく、また指の先端部分にも限定されない。さらに、対象物9は、作業用手袋20に設けることにも限定されず、リング等の形で作業者の指や手首に通されてもよく、ホルダによって作業者の手の所定位置に取り付けてもよい。
図8に示すように、丸鋸刃6の面の一方側と他方側の双方にセンサを例えば3つずつ設ける構成としてもよい。図8に示す各センサは、図3に示した例えば第1のセンサ11と同じ機能を備える。この場合、センサ14,15,16を作業者の左手検出用、センサ17,18,19を作業者の右手検出用としてもよい。このような構成とすれば、センサが図3に示すような配置の場合より高精度に検出することができる。すなわち、対象物9が丸鋸刃6の側面の一方側(図3の第2のセンサ12側)にある場合、他方側(第3のセンサ13)からの送信信号が丸鋸刃6で遮られることを抑制することができる。
対象物9がICタグである場合、作業用手袋20の一方に設けられた対象物9と、他方に設けられた対象物9とが、相互に異なる周波数の電磁波を発信してもよい。また、対象物9として手袋20(金属体、ICタグ)としたが、直接人体(例えば手)に特殊な塗料を塗り、この塗料をセンサで検出し、丸鋸刃との距離を算出するようにしてもよい。さらには、温度分布を検出するようにしてもよい。被加工材を切断中であれば、丸鋸刃と被加工材との摩擦により丸鋸刃及び切断部分は高温になる。一方、人の体温は常温保管の被加工材の温度より高いことが考えられる。そこで、各センサからの丸鋸刃までの距離を予め記憶させておき、この丸鋸刃からの所定領域(領域30)内に別の高温を検出したらモータを停止するようにしてもよい。
なお、台部2の上面からの丸鋸刃6の突出量及び上面に対する丸鋸刃6の傾斜角度は作業状況に応じて異なる。そこで、作業者は予め種々の作業状況に応じた領域30を記憶部に記憶させておき、制御部は丸鋸刃の突出量等を変更した際に自動的に記憶部に記憶してある種々の領域から最適な領域を選択するようにすれば、より効果的である。この対策は全ての実施の形態に適用することができる。
実施の形態2
上述した実施の形態は、モータが回転駆動した状態での対象物座標に応じたモータ制御であった。作業者が身に付ける手袋9(金属体、ICタグ等を内蔵)からの信号を第1のセンサ11〜第3のセンサ13で受信して制御部3で距離(座標)を演算するため、手袋9を身につけていないと座標演算は行えず、手が領域30内に侵入してもモータ5が回転し続けてしまう。
そこで、本実施の形態では、モータ5を回転駆動する前の状態に特徴がある。図9に示すように、切断機1は第1のセンサ11〜第3のセンサ13以外に第4のセンサ114(受信手段)を備えており、対象物9(作業者)からの信号を受信するセンサである。第4のセンサ114で対象物9(手袋)からの信号を受信できない場合にはモータ5の駆動を禁止する。また、切断機1は上述した台部2(テーブル)の上面に対する丸鋸刃6の傾斜角度を検出する傾斜角度センサ51、及び、台部2の上面に対する丸鋸刃6の上下位置を検出する上下位置センサ52を有し、各センサからの出力(位置情報)は制御部3に送られる。
具体的には、図10を参照して説明する。切断機1を商用電源に接続し制御部3を起動する。制御部3は対象物9の座標演算処理をスタートする。まず、制御部3は、第4のセンサ114が対象物9からの信号を受信したか否かを判別する。すなわち作業者が手袋9を身につけているか否かを判別する。例えば、手袋9を身につけた状態でモータ駆動スイッチを操作したか否かを判別すればよい。第4のセンサ114が手袋9からの信号を受信しなかった場合には、アラームを発し手袋9を身につけるまでこの処理を繰り返す。アラームとしては、警告メッセージの表示や音声案内が考えられる。
手袋9からの信号を受信した場合には、丸鋸刃6の使用状況に応じた危険領域30を、制御部3に内蔵してある記憶部から選択する。記憶部には予め複数の使用状況に応じた危険領域30の座標を記憶しておく。その後、モータ駆動信号をモータ駆動回路4に出力しモータ5の回転駆動を開始させる。その後の処理は上述した実施の形態と同様のため省略する。なお、危険領域30の選択は、制御部3が丸鋸刃6の台部2からの突出量や傾斜角度を自動的に読み取ってもよいし、作業者が手動で選択してもよい。
実施の形態3
上述した実施の形態では、3つのセンサによって対象物の座標を検出し、その座標が危険領域30内か否かを判断するものであった。対象物としては作業者が身につける手袋9であり、特に親指に信号発生体(金属体、ICタグ)が取り付けられていた。本実施の形態では、図11〜13に示すように、台部2(テーブル)に設けられ上述したゲージ38を案内するための溝101内に指が位置するかを検出する指検出手段102を設けたことを特徴とする。なお、ゲージ用溝101以外の溝部を設けてもよい。溝101内には指検出手段102としては、例えば図13に示すように、発信部と受信部からなり発信部からの信号(例えば光)が遮断されたか否かを検出する(図13(a))、或いは、押し付けられている状態で信号を発生するもの(図13(b))等である。この指検出手段102は溝101内の任意の位置(全長でもよい)に任意の数だけ埋め込まれている。
本実施の形態では、溝101内に指(親指)が位置している状態でのみモータ5を駆動することができる。被加工材の切断時、親指を溝101内に位置させる。被加工材を丸鋸刃6側にスライドする際(図中、紙面奥側)に、親指は溝101に沿って被加工材とともに移動する。親指の移動は指検出手段102により常時検出され、その検出信号に基づき制御部3はモータ5を制御する。検出信号から親指が溝101内に位置しないと判断したら、アラームを発し、モータ5の駆動を停止或いは駆動開始前であれば駆動を禁止する。一方、親指が溝101内に位置していると判断したら、モータ駆動回路4へ駆動信号を出力しモータ5の駆動を開始する。ここで、親指が溝101内に位置する状態で他の指が丸鋸刃6まで届かない位置となるよう、丸鋸刃6に対する溝101の位置を決定すれば、手袋等を身につける必要もない。
さらに、一層の効果を図るのであれば、上述した実施の形態2と同様に、手袋の装着有無も合わせて判別することがよい。この場合、手袋の信号発生体は親指以外に取り付けることになり、信号発生体の座標と、親指の位置の両方で対象物の位置を把握すれば更なる効果を図ることができる。また、ゲージ38にセンサを設けて、一方の手がゲージ38を把持し、他方の手が溝101内に位置している場合のみ、モータ5を駆動するようにしてもよい。
実施の形態4
上述した実施の形態はいずれも切断機1としてテーブルソーを例に説明したが、図14に示すような卓上切断機であってもよい。卓上切断機は、ベース60とベース60に対して回動可能に支持されたターンテーブル61からなり、被加工材を載置するベース部と、丸鋸刃62を回転可能に支持する切断部63と、切断部63をベース部に対して近接・離間可能に支持する支持部64を備える。ベース60には被加工材を支持するフェンス65が設けられている。さらに、切断部63には、作業者が把持するためのハンドル66が設けられている。
本実施の形態では、対象物の位置を検出する3つのセンサ11〜13を、ターンテーブル61の首部67、ターンテーブル61のフェンス65に対して後方側、及びベース60に設けた。ここで、切断作業時、作業者はハンドル66を把持して切断部63を下方(ベース部側)に揺動する必要がある。すなわち、一方の手は常にハンドル66を把持しているため、一方の手(右手)は丸鋸刃62に近づくことは考え難い。従って、危険領域へ侵入する可能性があるのは他方の手(図中左側に位置する左手)である。そこで、本実施の形態では、丸鋸刃62より左側に3つの座標検出センサ11〜13を配置した。なお、センサを丸鋸刃62を挟んで左右に設けてもよいし、切断部63や支持部64に設けてもよい。
1 切断機
2 台部
3 制御部
4 モータ駆動回路
5 モータ
6 丸鋸刃
7 アラーム
9 対象物
11 第1のセンサ
12 第2のセンサ
13 第3のセンサ
20 作業用手袋

Claims (14)

  1. 台部と、前記台部に支持された被加工材を切断する鋸刃と、前記鋸刃を駆動するモータとを備える切断機であって、
    対象物の座標を特定する座標特定手段と、
    前記座標特定手段で特定した座標が所定の条件を満たすときに、前記モータの回転を停止する停止手段とを有することを特徴とする、切断機。
  2. 台部と、前記台部に支持された被加工材を切断する鋸刃と、前記鋸刃を駆動するモータとを備える切断機であって、
    対象物の位置を検出する少なくとも1つのセンサを有し座標を特定する座標特定手段を有し、
    前記センサは、少なくとも前記鋸刃の略延長線上に位置することを特徴とする、切断機。
  3. 前記センサは、前記鋸刃の両側に位置することを特徴とする請求項2に記載の切断機。
  4. 前記座標特定手段は、予め定められた複数の異なる位置から対象物までの距離を測定する、請求項1から3のいずれか一項に記載の切断機。
  5. 前記座標特定手段は、予め定められた複数の異なる位置でそれぞれ電磁波を発信し、かつ発信した電磁波が対象物で反射された電磁波、又は発信した電磁波を受信した対象物が発信する電磁波をそれぞれ受信する複数のセンサ手段を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の切断機。
  6. 前記座標特定手段は、電磁波を発信する発信手段と、前記発信手段の発信した電磁波が対象物で反射された電磁波、又は発信した電磁波を受信した対象物が発信する電磁波を複数の異なる位置でそれぞれ受信する複数のセンサ手段とを有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の切断機。
  7. 前記対象物は、作業者の手又は手袋に設けられた電磁波反射体又はICタグである、請求項5又は6に記載の切断機。
  8. 各センサ手段は、受信した電磁波を基に各センサ手段と前記対象物との間の距離を特定する請求項5から7のいずれか一項に記載の切断機。
  9. 前記座標特定手段は、対象物の三次元座標を特定する、請求項1から8のいずれか一項に記載の切断機。
  10. 前記停止手段は、前記座標特定手段で特定した座標が予め定められた領域内にあるときに、前記モータの回転を停止する、請求項1から9のいずれか一項に記載の切断機。
  11. 前記停止手段による前記モータの回転の停止時、又は当該停止の前もしくは後に、アラームを発する警告手段を有する、請求項1から10のいずれか一項に記載の切断機。
  12. 前記鋸刃が丸鋸刃であって前記台部の上面から周縁の一部が突出した状態で保持され、前記台部の上面で被加工材を動かすことで前記被加工材を前記鋸刃で切断可能である、請求項1から11のいずれか一項に記載の切断機。
  13. 前記センサ手段は、前記鋸刃に対して前記台部の上面の両側に配置されることを特徴とする請求項12に記載の切断機。
  14. 台部と、前記台部に支持された被加工材を切断する鋸刃と、前記鋸刃を駆動するモータとを備える切断機における、モータの緊急停止方法であって、
    第1のセンサ手段により、電磁波を発信し、かつ発信した電磁波が対象物で反射された電磁波、又は発信した電磁波を受信した対象物が発信する電磁波を受信するステップと、
    前記第1のセンサ手段とは異なる位置にある第2のセンサ手段により、電磁波を発信し、かつ発信した電磁波が対象物で反射された電磁波、又は発信した電磁波を受信した対象物が発信する電磁波を受信するステップと、
    前記第1及び第2のセンサ手段とは異なる位置にある第3のセンサ手段により、電磁波を発信し、かつ発信した電磁波が対象物で反射された電磁波、又は発信した電磁波を受信した対象物が発信する電磁波を受信するステップと、
    前記第1乃至第3のセンサ手段で受信した電磁波を基に、前記第1乃至第3のセンサ手段の各々と前記対象物との間の距離を特定するステップと、
    特定した各距離の表す座標が予め定められた領域内にあるときに、前記モータの回転を停止するステップとを含む、モータの緊急停止方法。
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