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JP2013058418A - 接続端子およびその製造方法 - Google Patents

接続端子およびその製造方法 Download PDF

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Akifumi Onodera
暁史 小野寺
Akira Sugawara
章 菅原
Hideki Endo
秀樹 遠藤
Yuichi Kanemitsu
裕一 金光
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Dowa Metaltech Co Ltd
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Dowa Metaltech Co Ltd
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Abstract

【課題】摩擦係数が低い接続端子およびその接続端子を低コストで製造する方法を提供する。
【解決手段】互いに当接する雄端子と雌端子からなる接続端子において、雄端子および雌端子が、それぞれ銅または銅合金からなる導体基材の表面にSnめっき層、Agめっき層またはAuめっき層などのめっき層が形成されためっき材からなり、雄端子と雌端子が当接する部分に、動粘度が6000cSt以上、好ましくは8000cSt以上、さらに好ましくは10000cSt以上である流動パラフィンやシリコンオイルなどのベースオイルのみの組成の潤滑剤が塗布されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、接続端子およびその製造方法に関し、特に、挿抜可能な接続端子およびその製造方法に関する。
従来、挿抜可能な接続端子の材料として、銅や銅合金などの導体素材の最外層にSnめっきを施したSnめっき材が使用されている。特に、Snめっき材は、接触抵抗が小さく、接触信頼性、耐食性、はんだ付け性、経済性などの観点から、自動車、携帯電話、パソコンなどの情報通信機器、ロボットなどの産業機器の制御基板、コネクタ、リードフレーム、リレー、スイッチなどの端子やバスバーの材料として使用されている。
一般に、このようなSnめっきは、電気めっきによって行われており、Snめっき材の内部応力を除去してウイスカの発生を抑制するために、電気めっきの直後にリフロー処理(Sn溶融処理)が行われている。このようにSnめっき後にリフロー処理を行うと、Snの一部が素材や下地成分に拡散して化合物層を形成し、この化合物層の上に柔らかい溶融凝固組織になったSn層(以下「純Sn層」という)が形成される。この純Sn層は、優れた接触信頼性、耐食性およびはんだ付け性を得るために極めて重要な役割を果たす。
しかし、純Sn層は軟質で変形し易いため、リフロー処理を施したSnめっき材を挿抜可能な接続端子などの材料として使用すると、接続端子の挿入時に表面が削れて摩擦係数が高くなって挿入力が高くなるという問題がある。また、自動車などの接続端子では、端子の多極化が進んでおり、端子の数に比例して組立て時の挿入力が上昇し、作業負荷が問題になっている。
このような問題を解消するため、リフロー処理を施したSnめっき材では、軟質層である純Sn層の膜厚を薄くして、リフロー処理により硬質なCu−Sn化合物層などの化合物層を下地に形成することによって、摩擦係数の低減を図っている。しかし、純Sn層を薄くすると、素材や下地の成分が経時変化により最表面に速く拡散して耐熱性や接触信頼性が低下する。そのため、母材の表面にNiめっき層と、Cuめっき層と、厚さ0.4〜1.1μmの薄いSnめっき層とをこの順で積層する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、素材の表面に算術平均粗さRaが0.15μm以上の凹凸を形成して接触面積を少なくするとともに、凸部においてCu−Sn化合物層を露出させることによって、挿入力を低くする方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、基材の表面にフッ素系樹脂微粒子とフッ素系油を塗布することにより、摩擦係数を低くして挿入力を低くする方法も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
また、Snを含む鋼合金の基材を加熱して酸化処理し、水素イオン濃度を所定の範囲に調整したフッ素化合物溶液に浸した後に、下地用金属をめっきすることにより直径10〜100μmの基材の複数の凹部を形成し、接触用金属をめっきし、潤滑物質を塗布して、充分な耐摩耗性および高潤滑性を有するコンタクトを得る方法も提案されている(例えば、特許文献4参照)。
さらに、炭化水素系物質とこの炭化水素系物質を乳化するための界面活性剤とを含む水溶性金属表面潤滑剤をコネクタなどの電子部品の表面に塗布することにより、摩擦係数を低くして接触抵抗値を低くする方法も提案されている(例えば、特許文献5参照)。
特開2003−147579号公報(段落番号0007) 特開2006−183068号公報(段落番号0012−0013) 特開2005−19103号公報(段落番号0034) 特開2006−202569号公報(段落番号0012、0018) 特開2002−212582号公報(段落番号0007、0014)
しかし、特許文献1のように、Ni層を挿入する方法では、Niめっきの工程の分だけ工程数が多くなり、めっきラインの管理コストやイニシャルコストが増大し、また、摩擦係数の低減の効果が十分ではない。
また、特許文献2のように、素材の表面に算術平均粗さRaが0.15μm以上の凹凸を形成してCu−Sn化合物層を露出させる方法では、Cu−Sn化合物層の露出により、はんだ付け性や耐食性が劣化し、また、凹凸の形成にコストがかかる。
また、特許文献3のように、基材の表面にフッ素系樹脂微粒子とフッ素系油を塗布する方法では、潤滑剤としてフッ素系油に加えてフッ素系樹脂微粒子が必要となるため、潤滑剤の原料コストや管理コストが高くなる。
また、特許文献4のように、Snを含む銅合金の基材の表面に凹凸を形成する方法では、基材の種類がSnを含む銅合金に限定され、また、素材の処理に多大なコストがかかり、素材の処理により生産性が低くなる。
さらに、特許文献5のように、水溶性金属表面潤滑剤をコネクタなどの電子部品の表面に塗布する方法では、水溶性金属表面潤滑剤を使用するため、非水系潤滑剤を使用する場合と比べて摩擦係数の低減の効果が小さくなる。
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、摩擦係数が低い接続端子およびその接続端子を低コストで製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、互いに当接する雄端子と雌端子からなる接続端子において、雄端子と雌端子が当接する部分に動粘度6000cSt以上の潤滑剤を塗布することにより、摩擦係数が低い接続端子を低コストで製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明による接続端子は、互いに当接する雄端子と雌端子からなる接続端子において、雄端子と雌端子が当接する部分に動粘度6000cSt以上の潤滑剤が塗布されていることを特徴とする。この接続端子において、雄端子および雌端子が、それぞれ導体基材の表面にSnめっき層、Agめっき層またはAuめっき層などのめっき層が形成されためっき材からなるのが好ましく、導体基材が銅または銅合金からなるのが好ましい。また、潤滑剤が流動パラフィンまたはシリコンオイルであるのが好ましい。
また、本発明による接続端子の製造方法は、互いに当接する雄端子と雌端子からなる接続端子の製造方法において、雄端子と雌端子が当接する部分に動粘度6000cSt以上の潤滑剤を塗布することを特徴とする。この接続端子の製造方法において、雄端子および雌端子が、それぞれ導体基材の表面にSnめっき層、Agめっき層またはAuめっき層などのめっき層が形成されためっき材からなるのが好ましく、導体基材が銅または銅合金からなるのが好ましい。また、潤滑剤が流動パラフィンまたはシリコンオイルであるのが好ましい。
本発明によれば、摩擦係数が低い接続端子を低コストで製造することができる。
実施例1〜6および比較例1〜7で得られた試験片の摩擦係数と潤滑剤の動粘度との関係を示す図である。
本発明による接続端子の実施の形態は、互いに当接する雄端子と雌端子からなり、雄端子と雌端子が当接する部分に動粘度6000cSt以上の潤滑剤が塗布されている。
この接続端子では、雄端子および雌端子が、それぞれ導体基材の表面にSnめっき層、Agめっき層またはAuめっき層などのめっき層が形成されためっき材からなるのが好ましく、特にSnめっき層が形成されたSnめっき材からなるのが好ましい。また、導体基材の表面にSnめっき層を形成する場合、導体基材の表面とSnめっき層との間に、Niめっき層とCuめっき層をこの順で形成してもよく、Niめっき層とCuめっき層とCuSnめっき層をこの順で形成してもよく、CuSnめっき層またはNiめっき層を形成してもよい。なお、めっき層の形成には、通常の電気めっきなどを行えばよく、表面への微細な凹凸加工などを行う必要はない。
潤滑剤は、動粘度6000cSt以上の潤滑剤であり、動粘度8000cSt以上の潤滑剤であるのが好ましく、動粘度10000cSt以上の潤滑剤であるのがさらに好ましい。このように非常に高い動粘度の潤滑剤は、従来の潤滑剤として使用されている動粘度1〜1000cStの潤滑剤と比べて、摩擦係数を大きく低下させることができる。また、潤滑剤は、流動パラフィンまたはシリコンオイルであるのが好ましく、その組成は、流動パラフィンやシリコンオイルなどのベースオイルのみの組成でもよい。すなわち、ベースオイルに種々の添加剤を加えた組成の潤滑剤を使用しなくても、流動パラフィンやシリコンオイルなどのベースオイルのみの組成の潤滑剤でも、極端に高い動粘度の潤滑剤を使用すれば、従来の潤滑剤として使用されている動粘度1〜100cStの潤滑剤と比べて、大きく摩擦係数を低下させることができる。
なお、このような極端に高い動粘度の潤滑剤は、雄端子または雌端子の表面の雄端子と雌端子が当接する部分(雄端子と雌端子の接点部)に塗布されていればよく、雄端子と雌端子を嵌合などにより当接させる作業を行う前に雄端子の雌端子との接点部に付着させてもよいし、あるいは、雌端子を端子形状に形成した後に雌端子の雄端子との接点部(インデント先端部)に付着させてもよい。
また、このような高い動粘度の潤滑剤は、雄端子と雌端子の接点部に塗布すると、接点部から流出することなく保持され、少量でも接点部の摩擦係数を低減させることができるので、潤滑剤の塗布量は少量でもよい。なお、同じ組成の潤滑剤では粘度が高いほど揮発性が低くなるため、このような高い動粘度の潤滑剤は、揮発性が低く、高温環境下に長時間放置されても、摩擦係数の低減の効果を維持することができるので、高温環境における耐久性に優れている。また、このような高い動粘度の潤滑剤は、雄端子と雌端子の接点部に塗布しても、接触抵抗値が増加することなく、電気接点としての機能を損なうことはない。
導体基材は、銅または銅合金からなるのが好ましく、CDA番号でC19025合金(例えば、DOWAメタルテック株式会社製のNB−109合金)やC19020合金(例えば、NB−105合金)などのCu−Ni−Sn系合金、Cu−Ni−Si系合金、りん青銅、黄銅などを使用することができる。特に、雌端子の導体基材はBe銅やチタン銅などの高強度で高コストの銅合金でなく、Cu−Ni−Sn系合金やりん青銅からなるのが好ましく、雄端子の導体基材は黄銅からなるのが好ましい。なお、ステンレス(SUS)などの鉄系材料や、アルミニウム合金などからなる導体基材を使用してもよい。
以下、本発明による接続端子およびその製造方法の実施例について詳細に説明する。
[実施例1]
まず、厚さ0.25mmのCu−Ni−Sn合金からなる平板状の導体基材(DOWAメタルテック株式会社製のNB−109−EH材(0.1質量%のNiと0.9質量%のSnと0.9質量%のPを含み、残部がCuである銅合金の基材))に厚さ1μmのSnめっきを施した後にリフロー処理を施したSnめっき材を2枚用意した。
次に、一方のSnめっき材の70mm×70mmの領域に、潤滑剤として、40℃における動粘度が10000cStのシリコンオイル(KF−96−10000cs、引火点315℃、流動点−50℃、密度0.98g/cm)1mLを室温(25℃)で滴下して広がらせて塗布することにより得られた試験片を評価試料(雄端子としての試験片)とした。また、他方のSnめっき材をインデント加工(R1mm)して得られた試験片を圧子(雌端子としての試験片)とした。なお、このインデント加工した試験片(圧子)には、潤滑剤が塗布されていないが、平板状の評価試料に接触させることにより、圧子にも潤滑剤が塗布された状態になる。
次に、評価試料を横型荷重測定器(株式会社山崎精機研究所製の電気接点シミュレータと、ステージコントローラと、ロードセルと、ロードセルアンプとを組み合わせた装置)の水平台上に固定し、その評価試料に圧子を接触させた後、それぞれ荷重1N、2N、3N、5N、10Nおよび13Nで圧子を評価試料の表面に押し付けながら、評価試料を摺動速度80mm/分で水平方向に摺動距離10mm引っ張り、1mmから4mmまでの間(測定距離3mm)に水平方向にかかる力を測定してその平均値Fを算出し、試験片同士間の動摩擦係数(μ)をμ=F/Nから算出した。その結果、荷重1N、2N、3N、5N、10Nおよび13Nの場合の本実施例で得られた試験片の動摩擦係数(それぞれ2回ずつ測定した値の平均値)は、それぞれ0.17、0.13、0.13、0.14、0.13および0.14であった。
[実施例2]
40℃における動粘度が10000cStのシリコンオイル(KF−96−10000cs)の代わりに、40℃における動粘度が100000cStのシリコンオイル(KF−96−100000cs、引火点315℃、流動点−50℃、密度0.98g/cm)を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、2つの試験片を得た後、試験片同士間の動摩擦係数(μ)を算出した。その結果、荷重1N、2N、3N、5N、10Nおよび13Nの場合の本実施例で得られた試験片の動摩擦係数(それぞれ2回ずつ測定した値の平均値)は、それぞれ0.19、0.15、0.13、0.12、0.12および0.13であった。
[実施例3]
40℃における動粘度が10000cStのシリコンオイル(KF−96−10000cs)の代わりに、40℃における動粘度が1000000cStのシリコンオイル(KF−96−1000000cs、引火点315℃、流動点−50℃、密度0.98g/cm)を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、2つの試験片を得た後、試験片同士間の動摩擦係数(μ)を算出した。その結果、荷重1N、2N、3N、5N、10Nおよび13Nの場合の本実施例で得られた試験片の動摩擦係数(それぞれ2回ずつ測定した値の平均値)は、それぞれ0.18、0.14、0.13、0.12、0.12および0.10であった。
[実施例4]
40℃における動粘度が10000cStのシリコンオイル(KF−96−10000cs)の代わりに、40℃における動粘度が1000000cStより高い真空グリス(引火点>101℃、密度1.1g/cm)を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、2つの試験片を得た後、試験片同士間の動摩擦係数(μ)を算出した。その結果、荷重1N、2N、3N、5N、10Nおよび13Nの場合の本実施例で得られた試験片の動摩擦係数(それぞれ2回ずつ測定した値の平均値)は、それぞれ0.22、0.17、0.15、0.19、0.17および0.16であった。
[比較例1]
40℃における動粘度が10000cStのシリコンオイル(KF−96−10000cs)の代わりに、40℃における動粘度が1000cStのシリコンオイル(KF−96−10000cs、引火点315℃、流動点−50℃、密度0.97g/cm)を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、2つの試験片を得た後、試験片同士間の動摩擦係数(μ)を算出した。その結果、荷重1N、2N、3N、5N、10Nおよび13Nの場合の本実施例で得られた試験片の動摩擦係数(それぞれ2回ずつ測定した値の平均値)は、それぞれ0.26、0.21、0.19、0.17、0.16および0.16であった。
[比較例2]
40℃における動粘度が10000cStのシリコンオイル(KF−96−10000cs)の代わりに、40℃における動粘度が5000cStのシリコンオイル(KF−96−5000cs、引火点315℃、流動点−50℃、密度0.98g/cm)を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、2つの試験片を得た後、試験片同士間の動摩擦係数(μ)を算出した。その結果、荷重1N、2N、3N、5N、10Nおよび13Nの場合の本実施例で得られた試験片の動摩擦係数(それぞれ2回ずつ測定した値の平均値)は、それぞれ0.26、0.22、0.20、0.17、0.16および0.16であった。
[比較例3]
40℃における動粘度が10000cStのシリコンオイル(KF−96−10000cs)を塗布しなかった以外は、実施例1と同様の方法により、2つの試験片を得た後、試験片同士間の動摩擦係数(μ)を算出した。その結果、荷重1N、2N、3N、5N、10Nおよび13Nの場合の本実施例で得られた試験片の動摩擦係数(それぞれ2回ずつ測定した値の平均値)は、それぞれ0.48、0.34、0.33、0.28、0.24および0.21であった。
[比較例4]
40℃における動粘度が10000cStのシリコンオイル(KF−96−10000cs)の代わりに、40℃における動粘度が5cStの流動パラフィン(No.40−S、引火点134℃、流動点−8℃、密度0.83g/cm)を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、2つの試験片を得た後、試験片同士間の動摩擦係数(μ)を算出した。その結果、荷重1N、2N、3N、5N、10Nおよび13Nの場合の本実施例で得られた試験片の動摩擦係数(それぞれ2回ずつ測定した値の平均値)は、それぞれ0.38、0.32、0.24、0.22、0.19および0.18であった。
[比較例5]
40℃における動粘度が10000cStのシリコンオイル(KF−96−10000cs)の代わりに、40℃における動粘度が28cStの流動パラフィン(No.150−S、引火点220℃、流動点−8℃、密度0.86g/cm)を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、2つの試験片を得た後、試験片同士間の動摩擦係数(μ)を算出した。その結果、荷重1N、2N、3N、5N、10Nおよび13Nの場合の本実施例で得られた試験片の動摩擦係数(それぞれ2回ずつ測定した値の平均値)は、それぞれ0.33、0.24、0.23、0.19、0.17および0.16であった。
[比較例6]
40℃における動粘度が10000cStのシリコンオイル(KF−96−10000cs)の代わりに、40℃における動粘度が78cStの流動パラフィン(No.350−S、引火点224℃、流動点−8℃、密度0.88g/cm)を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、2つの試験片を得た後、試験片同士間の動摩擦係数(μ)を算出した。その結果、荷重1N、2N、3N、5N、10Nおよび13Nの場合の本実施例で得られた試験片の動摩擦係数(それぞれ2回ずつ測定した値の平均値)は、それぞれ0.27、0.22、0.20、0.15、0.15および0.15であった。
[比較例7]
40℃における動粘度が10000cStのシリコンオイル(KF−96−10000cs)の代わりに、40℃における動粘度が10cStのシリコンオイル(KF−96−10cs、引火点160℃、流動点−100℃、密度0.94g/cm)を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、2つの試験片を得た後、試験片同士間の動摩擦係数(μ)を算出した。その結果、荷重1N、2N、3N、5N、10Nおよび13Nの場合の本実施例で得られた試験片の動摩擦係数(それぞれ2回ずつ測定した値の平均値)は、それぞれ0.33、0.30、0.25、0.23、0.19および0.14であった。
[比較例8]
40℃における動粘度が10000cStのシリコンオイル(KF−96−10000cs)の代わりに、40℃における動粘度が100cStのシリコンオイル(KF−96−100cs、引火点315℃、流動点−50℃、密度0.97g/cm)を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、2つの試験片を得た後、試験片同士間の動摩擦係数(μ)を算出した。その結果、荷重1N、2N、3N、5N、10Nおよび13Nの場合の本実施例で得られた試験片の動摩擦係数(それぞれ2回ずつ測定した値の平均値)は、それぞれ0.28、0.22、0.20、0.19、0.17および0.16であった。
[比較例9]
40℃における動粘度が10000cStのシリコンオイル(KF−96−10000cs)の代わりに、40℃における動粘度が6cStのプレス油(ユニプレスPA5、引火点140℃、流動点−38℃、密度0.83g/cm)を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、2つの試験片を得た後、試験片同士間の動摩擦係数(μ)を算出した。その結果、荷重1N、2N、3N、5N、10Nおよび13Nの場合の本実施例で得られた試験片の動摩擦係数(それぞれ2回ずつ測定した値の平均値)は、それぞれ0.31、0.26、0.23、0.22、0.18および0.17であった。
これらの実施例および比較例で得られた試験片の潤滑剤の種類および特性を表1に示し、摩擦係数および潤滑剤がない場合に対する摩擦係数の割合を表2に示す。また、実施例および比較例で得られた試験片の摩擦係数と潤滑剤の動粘度との関係を図1に示す。
Figure 2013058418
Figure 2013058418

Claims (10)

  1. 互いに当接する雄端子と雌端子からなる接続端子において、雄端子と雌端子が当接する部分に動粘度6000cSt以上の潤滑剤が塗布されていることを特徴とする、接続端子。
  2. 前記雄端子および前記雌端子が、それぞれ導体基材の表面にめっき層が形成されためっき材からなることを特徴とする、請求項1に記載の接続端子。
  3. 前記めっき層がSnめっき層、Agめっき層またはAuめっき層であることを特徴とする、請求項2に記載の接続端子。
  4. 前記導体基材が銅または銅合金からなることを特徴とする、請求項2または3に記載の接続端子。
  5. 前記潤滑剤が流動パラフィンまたはシリコンオイルであることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の接続端子。
  6. 互いに当接する雄端子と雌端子からなる接続端子の製造方法において、雄端子と雌端子が当接する部分に動粘度6000cSt以上の潤滑剤を塗布することを特徴とする、接続端子の製造方法。
  7. 前記雄端子および前記雌端子が、それぞれ導体基材の表面にめっき層が形成されためっき材からなることを特徴とする、請求項6に記載の接続端子の製造方法。
  8. 前記めっき層がSnめっき層、Agめっき層またはAuめっき層であることを特徴とする、請求項7に記載の接続端子の製造方法。
  9. 前記導体基材が銅または銅合金からなることを特徴とする、請求項7または8に記載の接続端子の製造方法。
  10. 前記潤滑剤が流動パラフィンまたはシリコンオイルであることを特徴とする、請求項6乃至9のいずれかに記載の接続端子の製造方法。
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