JP2013052702A - プロジェクタ型ヘッドランプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ヘッドランプ1は、ロービーム用配光パターンに加え、第二反射面43に応じた反射光によって水平線よりも上の領域を照らす付加配光パターンを形成することができるので、自動二輪車が直立走行している場合、付加配光パターンで自動二輪車の前方上側の看板や標識等を照らすことができる。また、自動二輪車がコーナリング走行している場合、付加配光パターンが水平線より下に移動し、旋回方向(進行方向)の路面を照射することができる。つまり、追加のランプユニットやシャッター駆動装置が不要であり、その分のコストアップを抑えることができるので、従来技術に比べてヘッドランプ1を低コストで構成することが可能になる。
【選択図】図1
Description
光源と、
前記光源の前方に配置され、前記光源との間に後ろ側焦点を有した投影レンズと、
前記光源からの光を前方に反射して前記後ろ側焦点に集光する第一反射面を含む内側反射面を有するリフレクターと、
前記第一反射面によって反射された光の一部を遮光するシャッターと、
を備え、
前記シャッターは、前記後ろ側焦点又はその近傍に配置された上縁部と、前記上縁部から前記光源側に向かって延出した張出部を有しており、
前記張出部の上面には、前記第一反射面からの反射光の一部を反射する第二反射面が設けられており、
前記第二反射面は、当該第二反射面で反射した後に前記内側反射面で少なくとも1回反射した反射光の一部を、直立時の車両前端に正対する仮想鉛直スクリーン上の鉛直線に対し左右かつ水平線よりも上の領域に向かわせるように構成されていることを特徴とする。
前記第二反射面は、当該第二反射面で反射した反射光の一部を前記第一反射面で反射させた後に前記内側反射面で前方に反射させた光を、前記仮想鉛直スクリーン上の鉛直線に対し左右かつ水平線よりも上の領域に向かわせるように構成されていることを特徴とする。
前記投影レンズは、前記第二反射面に応じた反射光を前方に投影することを特徴とする。
当該プロジェクタ型ヘッドランプは、前記仮想鉛直スクリーン上の水平線よりも下の領域に、前記シャッターの上縁により規定されるカットオフラインを含むロービーム用配光パターンを形成するとともに、
前記第二反射面に応じた反射光によって、前記仮想鉛直スクリーン上の水平線の上の領域に、前記ロービーム用配光パターンよりも照度が低い付加配光パターンを形成することを特徴とする。
前記第二反射面に応じた反射光によって、前記仮想鉛直スクリーン上の水平線の上の領域に形成された前記付加配光パターン中に、前記ロービーム用配光パターンよりも照度が低く、前記付加配光パターンよりも照度が高い明部配光パターンを、前記仮想鉛直スクリーン上の鉛直線を挟んで左右一対形成することを特徴とする。
つまり、追加のランプユニットやシャッター(シェード)駆動装置が不要であり、その分のコストアップを抑えることができるので、従来技術に比べてプロジェクタ型ヘッドランプを低コストで構成することができる。
光源10としては、例えば、ハロゲン電球(ハロゲンバルブ)、HID、白熱電球、半導体発光素子などを用いることができる。
リフレクター20の内面には、アルミ蒸着などのメッキ加工によって形成された内側反射面が設けられている。
第一反射面21は、リフレクター20の内面のうち光軸Axよりも上側であって、後方の装着孔25寄りの領域を占めている。
上部内側反射面22は、リフレクター20の内面のうち光軸Axよりも上側であって、前方の開口24寄りの領域を占めている。
下部内側反射面23は、リフレクター20の内面のうち光軸Axよりも下側の領域を占めている。
この第一反射面21が楕円面に形成されているので、その楕円面の後部頂点よりも前方に第一焦点F1が設定され、その第一焦点F1よりも前方に第二焦点F2が設定される。なお、第一焦点F1と第二焦点F2を通る軸が光軸Axである。
上部内側反射面22は、段差を挟んで第一反射面21の前方に連続して設けられた凹面であり、例えば、円弧を基調とした自由曲面である。
下部内側反射面23は、リフレクター20の内側反射面のうち光軸Axよりも下側の領域に設けられた凹面であり、例えば、円弧を基調とした自由曲面である。
この投影レンズ30は凸レンズであり、後ろ側焦点F3を有するとともに、後ろ側焦点F3を通って前後に延びる光軸を有する。投影レンズ30の光軸は、灯具としての光軸Axに略一致する。投影レンズ30の後ろ側焦点F3は、第一反射面21の第二焦点F2又はその近傍に位置している。
シャッター40は、例えば、左右方向に延びた板状の部材であって、図1、図2に示すように、略水平な上縁が形成された上縁部41と、その上縁部41から光源10側に向かって延出した張出部42を有している。
このシャッター40の左右両端部がリフレクター20の一部に固定されており、シャッター40の上縁部41は光軸Ax上における後ろ側焦点F3又はその近傍に位置している。
シャッター40の張出部42の上面には、アルミ蒸着や銀塗装などが施されて形成された第二反射面43が設けられている。第二反射面43は、上縁部41から光源10側に向かって下がる傾斜を有する曲面、つまり上縁部41から後ろ下がりに傾斜した曲面となっている。
第二反射面43は、リフレクター20の第一反射面21からの反射光の一部を反射する。特に、第二反射面43は、第二反射面43で反射した後にリフレクター20の内側反射面で少なくとも1回反射した反射光の一部が、投影レンズ30によって前方に投影されることで、所望の配光パターンを形成可能な曲面に設計されており、例えば、円弧を基調とした自由曲面となっている。なお、第二反射面43は、凸面状の自由曲面であっても凹面状の自由曲面であってもよく、また、凸面状の自由曲面と凹面状の自由曲面が組み合わされた曲面であってもよい。また、その一部に平面が組み込まれているものの全体で自由曲面を構成するような曲面であってもよい。
このシャッター40の下端と下部内側反射面23は離間しており、その間に反射光が通過可能な隙間が形成されている。
そして、第一反射面21によって反射されて集光された光の一部がシャッター40の上縁部41の上縁の上を前へ通過し、その光が投影レンズ30によって前方に投影される。
また、第一反射面21によって反射された光の一部がシャッター40によって遮光される。
また、第一反射面21によって反射された光の一部がシャッター40の第二反射面43にて再度反射される。この第二反射面43によって反射された反射光の大方は、リフレクター20の内側反射面側に進行して、第二反射面43での反射後に内側反射面(第一反射面21、上部内側反射面22、下部内側反射面23)で少なくとも1回反射されるようになっている。
具体的に、シャッター40の第二反射面43によって反射された反射光は、その殆どが第一反射面21に向かい、第一反射面21で下方に反射された後、下部内側反射面23で前方に反射されて、シャッター40の下端の下を前へ通過し、その反射光が投影レンズ30によって前方に投影される。
なお、第二反射面43によって反射された反射光のうち、前方に反射されてそのまま投影レンズ30を透過し、前方に投影される光も僅かにある。また、第二反射面43によって反射された反射光のうち、上部内側反射面22に向かい、その上部内側反射面22で反射されて投影レンズ30を透過し、前方に投影される光も僅かにある。
本実施形態では、シャッター40の第二反射面43によって反射された反射光のうち、第二反射面43での反射後に第一反射面21で下方に反射され、さらに下部内側反射面23で前方に反射されて、投影レンズ30によって前方に投影される反射光の軌跡を制御して所望の配光パターンを形成可能とするように、第二反射面43の自由曲面が設計されている。
図3では、自動二輪車が直立した場合に、ヘッドランプ1の光軸Axを通る水平面と仮想鉛直スクリーンの交線がH軸として示され、光軸Axを通る鉛直面と仮想鉛直スクリーンの交線がV軸として示されている。H軸とV軸の交点がヘッドランプ1の光軸Axと仮想鉛直スクリーンの交点である。なお、光軸Axは、H軸及びV軸に対して直交する。
この付加配光パターンP2は、ロービーム用配光パターンP1よりも広い照射領域を有している。ただし、付加配光パターンP2はロービーム用配光パターンP1に比べて照度が低く設計されているので、対向車の運転手(ライダー)が付加配光パターンP2によって眩惑されることはない。これは、車両前方の水平線よりも上の領域を照らす付加配光パターンP2が、法規で定められた配光規格を満たすバンク配光となるように、第二反射面43や第一反射面21の自由曲面が設計されていることによる。
具体的に、本実施形態のヘッドランプ1は、第一反射面21からの反射光の一部をシャッター40の第二反射面43によって反射させて、その反射光を第一反射面21に向かわせ、第一反射面21で下方に反射させた反射光を下部内側反射面23に向かわせ、その下部内側反射面23で前方に反射させた反射光を投影レンズ30によって前方に投影して、直立時の車両前端に正対する仮想鉛直スクリーン上の鉛直線に対し左右かつ水平線よりも上の領域に向かわせることが可能になっているので、第二反射面43による反射光に応じて、車両前方の水平線よりも上の領域を付加配光パターンP2で照らすことができる。
特に、自動二輪車がコーナリングして左右に傾いていれば、ヘッドランプ1の付加配光パターンP2によって進行方向の路面を照射することができる。
また、自動二輪車がコーナリング走行している場合、ヘッドランプ1の付加配光パターンP2で進行方向の路面を照射することができるので、進行方向の視認性が向上し、安全な走行を実現することができる。
つまり、追加のランプユニットやシャッター(シェード)駆動装置が不要であり、その分のコストアップを抑えることができるので、従来技術に比べてヘッドランプ1を低コストで構成することが可能になる。
例えば、第二反射面43の自由曲面の設計を変更して、第二反射面43に幾つかの反射特異点を設けることによって、第二反射面43に応じた付加配光パターンP2の配光特性を調整するようにしてもよい。例えば、図4に示すように、直立時の車両前端に正対する仮想鉛直スクリーン上の水平線(H軸)の上の領域に形成された付加配光パターンP2中に、ロービーム用配光パターンP1よりも照度が低く、付加配光パターンP2よりも照度が高い明部配光パターンP2L、P2Rを、仮想鉛直スクリーン上の鉛直線(V軸)を挟んで左右一対形成するようにしてもよい。
具体的に、設計変更した第二反射面43によって反射された光が投影レンズ30により車両前方に投影されることで、図4(a)に示すように、車両前端に正対した仮想鉛直スクリーン上の鉛直線(V軸)に対し左右かつ水平線(H軸)よりも上の領域に、付加配光パターンP2が形成されるとともに、付加配光パターンP2には、その付加配光パターンのなかでもその周囲よりも比較的明るい部分となる左右一対の明部配光パターンP2L、P2Rが形成される。
なお、明部配光パターンP2L、P2Rは付加配光パターンP2と同様にロービーム用配光パターンP1よりも照度が低く設計されているので、対向車の運転手(ライダー)が付加配光パターンP2(明部配光パターンP2L、P2R)によって眩惑されることはない。
10 光源
20 リフレクター
21 第一反射面
22 上部内側反射面(内側反射面)
23 下部内側反射面(内側反射面)
30 投影レンズ
40 シャッター
41 上縁部
42 張出部
43 第二反射面
F1 第一焦点
F2 第二焦点
F3 後ろ側焦点
P1 ロービーム用配光パターン
P2 付加配光パターン
P2L 明部配光パターン
P2R 明部配光パターン
Ax 光軸
Claims (5)
- 光源と、
前記光源の前方に配置され、前記光源との間に後ろ側焦点を有した投影レンズと、
前記光源からの光を前方に反射して前記後ろ側焦点に集光する第一反射面を含む内側反射面を有するリフレクターと、
前記第一反射面によって反射された光の一部を遮光するシャッターと、
を備え、
前記シャッターは、前記後ろ側焦点又はその近傍に配置された上縁部と、前記上縁部から前記光源側に向かって延出した張出部を有しており、
前記張出部の上面には、前記第一反射面からの反射光の一部を反射する第二反射面が設けられており、
前記第二反射面は、当該第二反射面で反射した後に前記内側反射面で少なくとも1回反射した反射光の一部を、直立時の車両前端に正対する仮想鉛直スクリーン上の鉛直線に対し左右かつ水平線よりも上の領域に向かわせるように構成されていることを特徴とするプロジェクタ型ヘッドランプ。 - 前記第二反射面は、当該第二反射面で反射した反射光の一部を前記第一反射面で反射させた後に前記内側反射面で前方に反射させた光を、前記仮想鉛直スクリーン上の鉛直線に対し左右かつ水平線よりも上の領域に向かわせるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のプロジェクタ型ヘッドランプ。
- 前記投影レンズは、前記第二反射面に応じた反射光を前方に投影することを特徴とする請求項1又は2に記載のプロジェクタ型ヘッドランプ。
- 当該プロジェクタ型ヘッドランプは、前記仮想鉛直スクリーン上の水平線よりも下の領域に、前記シャッターの上縁により規定されるカットオフラインを含むロービーム用配光パターンを形成するとともに、
前記第二反射面に応じた反射光によって、前記仮想鉛直スクリーン上の水平線の上の領域に、前記ロービーム用配光パターンよりも照度が低い付加配光パターンを形成することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のプロジェクタ型ヘッドランプ。 - 前記第二反射面に応じた反射光によって、前記仮想鉛直スクリーン上の水平線の上の領域に形成された前記付加配光パターン中に、前記ロービーム用配光パターンよりも照度が低く、前記付加配光パターンよりも照度が高い明部配光パターンを、前記仮想鉛直スクリーン上の鉛直線を挟んで左右一対形成することを特徴とする請求項4に記載のプロジェクタ型ヘッドランプ。
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