JP2013050941A - 製品検査方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】偽装や改竄されることなく製品についての流通過程における製品属性を認証可能とし、製品の安全性を向上させることができる製品検査方法を提供すること。
【解決手段】本発明では、製品検査方法において、製品の流通過程で前記製品の原材料が有するDNAとは異なる特定のDNA抽出液を添加する工程と、前記製品の取扱者や取扱日や取扱方法等の製品属性と前記特定のDNA抽出液とを関連付けて記憶媒体に記憶しておく工程とを有し、前記製品から前記特定のDNA抽出液が検出されることで前記製品属性を認証可能とすることにした。また、認定機関が前記製品の製品属性を認定するとともに、その後、前記製品の流通後に同一の認定機関が前記製品の製品属性を認証する検査を行うことにした。
【選択図】図1
【解決手段】本発明では、製品検査方法において、製品の流通過程で前記製品の原材料が有するDNAとは異なる特定のDNA抽出液を添加する工程と、前記製品の取扱者や取扱日や取扱方法等の製品属性と前記特定のDNA抽出液とを関連付けて記憶媒体に記憶しておく工程とを有し、前記製品から前記特定のDNA抽出液が検出されることで前記製品属性を認証可能とすることにした。また、認定機関が前記製品の製品属性を認定するとともに、その後、前記製品の流通後に同一の認定機関が前記製品の製品属性を認証する検査を行うことにした。
【選択図】図1
Description
本発明は、製品検査方法に関するものである。
市場に流通する農業製品や工業製品などの製品の多くは、各種の動植物を原材料とし、生産・加工・販売といった様々な流通過程を経て消費者に販売されている。そして、消費者は、農業製品の味や工業製品の機能のみならず、その製品を構成する原材料の原産地や原材料を加工する加工業者や加工方法などにまで注視して製品を選択するようになっている。
このように、製品においては、最終的な商品だけでなく、原材料についても付加価値を有しており、消費者が安心して製品を選択できるようにするために、原材料についての様々な表示が要求されている。
また、DNAを用いた分析技術の進歩によって、市販される製品の原材料について品種等を特定することが可能となっている(たとえば、特許文献1参照。)。
ところが、製品に表記される原材料の表示は、偽装や改竄のおそれがあり、十分に信頼できるものとは言えないものであった。
また、DNAを用いた分析は、製品の原材料の品種を特定することが可能であっても、莫大な品種の中から原材料の品種を特定するには非常に長時間をかけて分析しなければならず、また、誰がいつどのように取り扱ったかといった流通過程における製品属性についてまでは知ることができないものであった。
そこで、本発明者は、製品の安全性を向上させて消費者が安心して製品を選択できるようにするために、偽装や改竄されることなく製品についての原材料の生産・加工・販売といった流通過程における製品属性を迅速に認証することができる製品検査方法を鋭意研究し、本発明を成すに至った。
すなわち、請求項1に係る本発明では、製品検査方法において、製品の流通過程で前記製品の原材料が有するDNAとは異なる特定のDNA抽出液を添加する工程と、前記製品の取扱者や取扱日や取扱方法等の製品属性と前記特定のDNA抽出液とを関連付けて記憶媒体に記憶しておく工程とを有し、前記製品から前記特定のDNA抽出液が検出されることで前記製品属性を認証可能とすることにした。
また、請求項2に係る本発明では、前記請求項1に係る本発明において、認定機関が前記製品の製品属性を認定するとともに、その後、前記製品の流通後に同一の認定機関が前記製品の製品属性を認証する検査を行うことにした。
また、請求項3に係る本発明では、前記請求項1又は請求項2に係る本発明において、前記製品に特定のDNA抽出液を添加する工程を複数行うとともに、流通過程ごとに異なる特定のDNA抽出液を添加し、流通過程を追跡可能とすることにした。
また、請求項4に係る本発明では、前記請求項1〜請求項3のいずれかに係る本発明において、前記特定のDNA抽出液は、複数の異なるDNA抽出液の組合せとすることにした。
そして、本発明では、以下に記載する効果を奏する。
すなわち、本発明では、製品検査方法において、製品の流通過程で製品が有するDNAとは異なる特定のDNA抽出液を添加する工程と、製品の取扱者や取扱日や取扱方法等の製品属性と特定のDNA抽出液とを関連付けて記憶媒体に記憶しておく工程とを有し、製品から特定のDNA抽出液が検出されることで製品属性を認証可能としているために、偽装や改竄されることなく製品についての原材料の生産・加工・販売といった流通過程における製品属性を迅速に認証することができ、製品の安全性を向上させることができる。
特に、認定機関が製品属性を認定するとともに、その後、製品の流通後に同一の認定機関が製品属性を認証する検査を行うことで、流通過程の途中における偽装や改竄を防止することができる。
また、製品に特定のDNA抽出液を添加する工程を複数行うとともに、流通過程ごとに異なる特定のDNA抽出液を添加することにした場合には、製品の流通過程を追跡することができる。
また、特定のDNA抽出液として、複数の異なるDNA抽出液の組合せを用いた場合には、DNA抽出液の組合せによってより多くの製品属性を認証することができる。
以下に、本発明に係る製品検査方法の具体的な構成について図面を参照しながら説明する。本発明は、動植物由来の原材料を用いて生産される食品等の農業製品や家具等の工業製品などの各種の製品に同様に適用することができるが、以下の説明では代表的な製品として食品の場合についての実施例を説明する。
(実施例1)
製品がたとえば薄切り牛肉である場合、図1に模式的に図示するように、肥育者が肉牛を肥育し、屠畜者が肉牛を屠畜して枝肉とし、解体者が枝肉を解体して部分肉とし、加工者が部分肉を薄切り加工して薄切り牛肉に精肉し、販売者が薄切り牛肉を直接又は小売業者を介して最終消費者に販売する。
製品がたとえば薄切り牛肉である場合、図1に模式的に図示するように、肥育者が肉牛を肥育し、屠畜者が肉牛を屠畜して枝肉とし、解体者が枝肉を解体して部分肉とし、加工者が部分肉を薄切り加工して薄切り牛肉に精肉し、販売者が薄切り牛肉を直接又は小売業者を介して最終消費者に販売する。
この製品の流通過程において、製品の検査を行う検査者は、肥育者に特定のDNA抽出液A(たとえば、米のDNA抽出液)を渡し、屠畜時にDNA抽出液Aを枝肉に添加させる。
また、検査者は、肥育者に渡したDNA抽出液の種類(ここでは、DNA抽出液A)と生産者や生産日や生産方法や生産場所などの製品属性とを関連付けてコンピュータが読み取り可能なハードディスクやメモリーなどの記憶媒体に記憶しておく。
そして、検査者は、製品(薄切り牛肉)の検査を依頼された場合に、製品についてDNA分析を行い、DNA抽出液Aが含有されるか否かについて検査する。
これにより、製品からDNA抽出液Aが検出された場合には、記憶媒体に記憶された製品属性によって生産者や生産日や生産方法や生産場所などを特定し、認証することができる。特に、ここでは肥育者にDNA吐出液Aを渡すことで、製品の原産地を特定し、認証することができ、高付加価値を有するブランド牛などの偽装を防止することができる。
ここで、特定のDNA抽出液は、添加する製品の原材料とは異なる様々なDNA抽出液を用いることができ、生物から抽出したDNAの溶液や、生物の一部(粉末状の米など)の溶液や、人工的に作成したDNAの溶液などを用いることができる。
また、特定のDNA抽出液は、一種類のDNA抽出液を用いてもよく、複数種類のDNA抽出液を組み合わせて使用してもよい。たとえば、取扱者をDNA抽出液A−1(たとえば、米のDNA抽出液)で特定可能とし、取扱日をDNA抽出液A−2(たとえば、芋のDNA抽出液)で特定可能とし、取扱方法をDNA抽出液A−3(たとえば、麦のDNA抽出液)で特定可能とすることで、複数の異なるDNA抽出液の組合せを用いることによってより多くの製品属性を認証することができる。
また、DNA抽出液の添加は、製品の原材料の生産・加工・販売といった流通過程のいずれかで行われればよい。
また、DNA抽出液の添加方法は、製品の形態等に応じて噴霧や浸漬など適宜選択することができる。
また、DNA抽出液の添加量は、添加後の加工等の流通過程を考慮して最終的な製品(ここでは、薄切り牛肉)においてDNA分析により検出できる量を適宜選択することができる。
さらに、製品属性は、取扱者や取扱日や取扱方法や取扱場所に限られず、取扱品種や取扱期間など多種多様のものが考えられる。
上記実施例1において、検査者は、特に限定されるものではない。たとえば、検査者とDNA抽出液の提供者とが異なっていてもよい。また、検査者が、製品の製品属性について認定を行う認定機関であってもよく、この場合、図2に示すように、認定機関が、肥育者の製品について調査を行い、製品属性についての認定を行い、この認定された肥育者だけにDNA抽出液を提供し、その製品が流通した後に、同一の認定機関が製品の検査を行うようにしてもよい。
このように、認定機関が製品属性についての認定を行い、その製品が流通した後に、同一の認定機関が製品属性の検査を行うことで、流通過程の途中で偽装や改竄が行われてもそれを見破ることが容易であり、また、偽装や改竄の抑止力ともなり、流通過程の途中における偽装や改竄を防止することができる。また、同一の認定機関が認定と検査とを行うことで、認定機関の信用も増大する。
(実施例2)
実施例1では、製品が薄切り牛肉の場合について、特定のDNA抽出液を添加して原産地に関する製品属性を認証できるようにしているが、これに限られず、流通過程ごとに異なる特定のDNA抽出液を添加するようにしてもよい。
実施例1では、製品が薄切り牛肉の場合について、特定のDNA抽出液を添加して原産地に関する製品属性を認証できるようにしているが、これに限られず、流通過程ごとに異なる特定のDNA抽出液を添加するようにしてもよい。
たとえば、図2に模式的に示すように、検査者が、解体者にDNA抽出液B(たとえば、米のDNA抽出液)を渡して解体時にDNA抽出液Bを添加させ、加工者にDNA抽出液C(たとえば、芋のDNA抽出液)を渡して加工時にDNA抽出液Cを添加させ、販売者にDNA抽出液D(たとえば、麦のDNA抽出液)を渡して販売時にDNA抽出液Dを添加させる。
また、検査者は、解体者に渡したDNA抽出液の種類(ここでは、DNA抽出液B)と解体者や解体日や解体方法や解体場所などの製品属性とを関連づけて記憶し、加工者に渡したDNA抽出液の種類(ここでは、DNA抽出液C)と加工者や加工日や加工方法や加工場所などの製品属性とを関連づけて記憶し、販売者に渡したDNA抽出液の種類(ここでは、DNA抽出液D)と販売者や販売日や販売方法や販売場所などの製品属性とを関連づけて記憶しておく。
そして、検査者は、製品(薄切り牛肉)の検査を依頼された場合に、製品についてDNA分析を行い、DNA抽出液B,C,Dが含有されるか否かについて検査する。
これにより、製品からDNA抽出液Bが検出された場合には、記憶媒体に記憶された製品属性によって解体者や解体日や解体方法などを特定し認証することができ、製品からDNA抽出液Cが検出された場合には、記憶媒体に記憶された製品属性によって加工者や加工日や加工方法などを特定し認証することができ、製品からDNA抽出液Dが検出された場合には、記憶媒体に記憶された製品属性によって販売者や販売日や販売方法などを特定し認証することができる。
しかも、この場合には、解体・加工・販売といった流通過程を特定することができるので、製品の流通過程を追跡調査することもできる。
なお、DNA抽出液の添加量は、添加後の流通過程を考慮して最終的な製品(ここでは、薄切り牛肉)においてDNA分析により検出できる量を適宜選択することができ、流通過程の下流側では上流側よりも少ない量とすることもできる。
上記実施例2においても、検査者は、特に限定されるものではなく、同一の認定機関が製品属性の認定と流通後の製品についての製品属性の検査とを行うようにしてもよい。
(実施例3)
実施例1及び2では、本発明を最終消費者に販売される製品としての製品そのものに適用した場合について説明したが、これに限られず、製品としての製品を構成する原材料にも本発明を適用することができる。
実施例1及び2では、本発明を最終消費者に販売される製品としての製品そのものに適用した場合について説明したが、これに限られず、製品としての製品を構成する原材料にも本発明を適用することができる。
たとえば、図3に模式的に示すように、製品がハンバーグの場合、牛肉の固まり肉と豚肉の固まり肉と玉葱を原材料として製造者によって製造される。牛肉及び豚肉は、肥育者が肉牛又は肉豚を肥育し、屠畜者が肉牛又は肉豚を屠畜して枝肉とし、解体者が枝肉を解体して部分肉とし、加工者が部分肉を加工して固まり肉に精肉して製造者に提供し、また、玉葱は、栽培された玉葱を収穫者が収穫して製造者に提供する。
検査者は、牛肉の加工者にDNA抽出液E(たとえば、米のDNA抽出液)を渡して加工時にDNA抽出液Eを添加させ、玉葱の収穫者にDNA抽出液F(たとえば、芋のDNA抽出液)を渡して収穫時にDNA抽出液Fを添加させ、豚肉の加工者にDNA抽出液G(たとえば、麦のDNA抽出液)を渡して加工時にDNA抽出液Gを添加させる。
また、検査者は、牛肉の加工者に渡したDNA抽出液の種類(ここでは、DNA抽出液E)と加工者や加工日や加工方法や加工場所などの製品属性とを関連づけて記憶し、玉葱の収穫者に渡したDNA抽出液の種類(ここでは、DNA抽出液F)と収穫者や収穫日や収穫方法や収穫場所などの製品属性とを関連づけて記憶し、豚肉の加工者に渡したDNA抽出液の種類(ここでは、DNA抽出液G)と加工者や加工日や加工方法や加工場所などの製品属性とを関連づけて記憶しておく。
そして、検査者は、製品(ハンバーグ)の検査を依頼された場合に、製品についてDNA分析を行い、DNA抽出液E,F,Gが含有されるか否かについて検査する。
これにより、製品からDNA抽出液Eが検出された場合には、記憶媒体に記憶された製品属性によって牛肉の加工者や加工日や加工方法などを特定し認証することができ、製品からDNA抽出液Fが検出された場合には、記憶媒体に記憶された製品属性によって玉葱の収穫者や収穫日や収穫方法などを特定し認証することができ、製品からDNA抽出液Gが検出された場合には、記憶媒体に記憶された製品属性によって豚肉の加工者や加工日や加工方法などを特定し認証することができる。
なお、DNA抽出液の添加量は、添加後の流通過程を考慮して最終的な製品(ここでは、ハンバーグ)においてDNA分析により検出できる量を適宜選択することができ、原材料の比率に応じた量とすることもできる。
上記実施例3においても、検査者は、特に限定されるものではなく、同一の認定機関が製品属性の認定と流通後の製品についての製品属性の検査とを行うようにしてもよい。
以上に実施例1〜実施例3を例示して説明したように、本発明では、製品の流通過程で製品の原材料が有するDNAとは異なる特定のDNA抽出液を添加する工程と、製品の取扱者や取扱日や取扱方法等の製品属性と特定のDNA抽出液とを関連付けて記憶媒体に記憶しておく工程とを有している。
そのため、本発明では、製品から特定のDNA抽出液が検出されるか否かについて分析することによって製品属性を認証することができる。これにより、本発明では、偽装や改竄されることなく製品についての流通過程における製品属性を迅速に認証することができ、製品の安全性を向上させることができる。
また、本発明では、製品に特定のDNA抽出液を添加する工程を複数行うとともに、流通過程ごとに異なる特定のDNA抽出液を添加してもよい。この場合には、製品の流通過程を追跡することができるようになる。
さらに、本発明では、特定のDNA抽出液として、複数の異なるDNA抽出液の組合せを用いてもよい。この場合には、DNA抽出液の組合せによってより多くの製品属性を認証することができるようになる。
なお、上記実施例は、本発明を実施するための形態を例示したものであり、これに限られるものではなく、本発明は、発明の趣旨を逸脱しない範囲において様々な形態に適用することができるものである。
Claims (4)
- 製品の流通過程で前記製品の原材料が有するDNAとは異なる特定のDNA抽出液を添加する工程と、
前記製品の取扱者や取扱日や取扱方法等の製品属性と前記特定のDNA抽出液とを関連付けて記憶媒体に記憶しておく工程と、
を有し、前記製品から前記特定のDNA抽出液が検出されることで前記製品属性を認証可能としたことを特徴とする製品検査方法。 - 認定機関が前記製品の製品属性を認定するとともに、その後、前記製品の流通後に同一の認定機関が前記製品の製品属性を認証する検査を行うことを特徴とする請求項1に記載の製品検査方法。
- 前記製品に特定のDNA抽出液を添加する工程を複数行うとともに、流通過程ごとに異なる特定のDNA抽出液を添加し、流通過程を追跡可能としたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の製品検査方法。
- 前記特定のDNA抽出液は、複数の異なるDNA抽出液の組合せとしたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の製品検査方法。
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