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JP2012528122A - 亜リン酸ジアルキルの製造のための方法 - Google Patents

亜リン酸ジアルキルの製造のための方法 Download PDF

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JP2012528122A JP2012512389A JP2012512389A JP2012528122A JP 2012528122 A JP2012528122 A JP 2012528122A JP 2012512389 A JP2012512389 A JP 2012512389A JP 2012512389 A JP2012512389 A JP 2012512389A JP 2012528122 A JP2012528122 A JP 2012528122A
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Abstract

亜リン酸ジアルキルの製造のための方法を開示する。詳細には、P4O6またはその部分水和種、総称してP-Oから出発し、特定のモル比のアルコールと1〜6個のP-O-P結合を分子中に含むP-Oとを亜リン酸トリアルキル(TAP)の存在下で反応させることで高純度および高収率の亜リン酸ジアルキルを得ることによって、亜リン酸ジアルキルを調製する。P-O反応物は好ましくは液体P4O6によって代表される。

Description

本発明は、1〜6個のP-O-P結合を分子中に含むP-O成分から出発する亜リン酸ジアルキルの製造のための有利な方法であって、具体的に規定されるモル比のアルコールおよびP-Oの混合物と、変換に必要な亜リン酸トリ-アルキルのレベルがP-O成分中のP-O-P結合の数に関連する亜リン酸トリ-アルキル(TAP)とを反応させる工程を含む方法に関する。アルコールを含む反応媒体にP-OをTAPと同時にまたは別々に加え、反応させた後、形成された亜リン酸ジアルキルをそれ自体公知の様式で回収する。好ましい実施形態では、P-Oは、液体P4O6および2〜6個のP-O-P結合を有する化合物によって代表される。
亜リン酸ジアルキルは以前から知られており、したがって、望ましい化合物を合成するための特に中間体としてのそれらの重要性が確立されている。亜リン酸ジアルキルの製造のための多種多様なアプローチが検討されてきた。CN 101250199は、PCl3およびイソプロパノールから亜リン酸ジイソプロピルを調製するための方法に関する。DE 4121696は、亜リン酸ジアルキルの調製のための方法を記載している。ベンゼン中での無水酢酸およびメタノールによる亜リン酸メチルおよびジメチルの混合物の処理によって、高レベルの亜リン酸ジメチルを含む生成物が得られた。いくつかの公報HU 207334、HU 199149およびHU 196817は、PCl3から出発する亜リン酸ジアルキルの製造のための方法を開示している。
DD 108755は、液体モノエステルおよびガス状ジエステルの混合物を得るためのP4O6蒸気とメタノール蒸気との反応を記載している。
米国特許第4,342,709号は、過剰の亜リン酸トリエチルと亜リン酸とを反応させることによって亜リン酸ジエチルを製造する方法を記載している。通常、トリエチル反応物は化学量論的必要量の7〜10%過剰で使用する。方法は厳密に無水の亜リン酸から出発する。水の吸着に付随する欠点を回避するために、不活性ガス掃流下で亜リン酸を加える。DD 128755は、三塩化リンおよび脂肪族アルコールから出発して不活性溶媒の存在下で亜リン酸ジアルキルを調製するための連続的方法を記載している。DOS 1 668 031は、少なくとも5個の炭素原子を有する第一級または第二級直鎖または分岐アルコールと少なくとも45%過剰の亜リン酸とから出発する亜リン酸ジアルキルの高い収率および純度での製造に関する。
DD 116457は、元素リンを含む工業グレードのP(III)オキシドが加えられる混合物であるアルコールと亜リン酸アルキルの混合物または亜リン酸モノ-アルキルとジ-アルキルの混合物を、工業用窒素で掃流しながら反応させた後、形成された亜リン酸モノ-およびジ-アルキルを蒸留分離することによる、亜リン酸モノ-およびジ-アルキルの製造のための連続的方法に関する。DD 108755は、気相中でP4O6とアルコールとを高収率で反応させることによる亜リン酸モノ-およびジ-アルキルの混合物の連続的調製のための方法を公開している。DD 222596は、亜リン酸モノ-およびジ-エステルの混合物から出発して亜リン酸の純粋なアルキル-またはアリール-ジエステルを調製するための方法に関する。この混合物を不活性有機溶媒に溶解させ、アンモニアガスを混合物に通すことでモノ種を析出させる。
米国特許第5,344,951号は、亜リン酸溶液および溶媒と過剰の一価アルコールとを反応させることで亜リン酸ジヒドロカルビルを得る、亜リン酸のジ-エステルを調製するための方法を記載している。WO 2004/024742は、亜リン酸トリ-エチル、亜リン酸ジエチルおよび/または塩化エチルの群からの添加剤の存在下でエタノールおよび三塩化リンを反応させる、亜リン酸ジエチルおよび塩化エチルの合同製造のための方法に関する。
先行技術は、亜リン酸ジアルキル製造技術が、かなりの技術的および経済的改善に値しながらも、長い間実質的に停滞しており、有意義な改善のための実行可能な解決策を少なくとも提供しなかったことを明確に示している。当技術分野の技術は、しばしば扱いにくく、時間を浪費し、不経済であり、実際のおよび予見可能な商業的必要性に適応していない。
本発明の主要な目的は、亜リン酸ジアルキルの製造のための著しく改善された方法を提供することにある。本発明のさらに別の目的は、亜リン酸ジアルキルの製造のための改善された塩素を使わない方法を提供することを目的とする。本発明の別の目的は、亜リン酸モノアルキルとジアルキルの混合物以外の広範な反応物、例えば純粋な亜リン酸モノアルキルからの亜リン酸ジアルキルの製造のための方法を提供することにある。本発明のさらに別の目的は、液体P4O6から出発する亜リン酸ジアルキルの1工程製造を提供することにある。本明細書におけるさらに別の目的は、一般的な必要性に相応して改善された純度および選択性の亜リン酸ジアルキルの製造のための方法を想定している。本明細書におけるさらに別の目的は、経済的に好ましい条件で亜リン酸ジアルキルを提供することを目的とする。本発明のさらに別の目的は、ホスホノブタントリカルボン酸(PBTC)の有利な製造に役立ちうる技術を提供することを目的とする。
本出願を通じて使用する「パーセント」または「%」という用語は、異なって定義されない限り、「重量パーセント」または「重量%」を意味する。「ppm」という用語は「百万分率」を意味する。「P2O3」および「P4O6」という用語は互換的に使用可能である。「液体P4O6」という用語は、液体状態の純粋なP4O6、固体P4O6、および気体P4O6、好ましくは液体P4O6を包含する。一般に、温度および圧力に関する「周囲」という用語は、海水面で通常一般的な大気条件を意味し、例えば、温度は約18℃〜25℃であり、圧力は990〜1050mmHgを意味する。
前述のおよび他の目的は、酸化リンを実質的に純粋な亜リン酸ジアルキルに変換するための新規製造設定によって今や達成することができる。より詳細には、本発明は、以下の工程を含む、1〜6個のP-O-P結合を分子中に含むP-O成分から出発する亜リン酸ジアルキルの製造のための方法に関する:
a) 少なくとも1:1〜6:1のR'OH:P-Oのモル比で表されるR'OHおよびP-O成分の混合物であって、R'が1〜20個の炭素原子を有する分岐または直鎖構成のアルキル基より選択される、混合物と、
亜リン酸トリアルキルTAP (P(OA)3)であって、Aが1〜20個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキル基を意味し、該方法(および1モルの該P-Oの亜リン酸ジアルキルへの化学量論的変換)に必要な、P-O分子中のP原子当たりのTAPの最小モル数「z」がz = 2n - mにより決定され、式中、nがP-O分子中のP原子の数であり、mがP-O分子中のP-O-P結合の数である、TAPとを、
R'OHを含む反応媒体にP-OをTAPと同時にまたは別々に加え、反応混合物を10分間〜10時間、好ましくは15分間〜6時間、40℃〜180℃、好ましくは70℃〜150℃、特に90℃〜130℃の範囲の温度にすることによって、反応させる工程。
本発明の好ましい実施形態では、反応媒体にP4O6をTAPと同時にまたは別々に加えることによって亜リン酸ジアルキルを調製する。反応媒体は一般にアルコールR'OHそれ自体であるが、P-O、R'OHおよびTAPに対して不活性の好適な溶媒を任意で使用することができる。好ましい適切な溶媒は以下の通りである: アニソール; フルオロベンゼン; クロロベンゼン、テトラクロロエタン、テトラクロロエチレンなどの塩素化炭化水素; スルホラン、ジグリム、グリム、酸化ジフェニル、Rが低級アルキル基であるORなどの末端封止OH基を有するポリアルキレングリコール誘導体のような極性溶媒; ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素; ジブチルエーテル、ジイソプロピルエーテルおよびジペンチルエーテルのような非環状エーテル; テトラヒドロフランおよびジオキサンのような環状エーテル; トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素; アセトニトリルのような有機ニトリル; ポリメチルフェニルシロキサンのようなシリコーン液、またはこれらの混合物。
P4O6は、少なくとも85%、好ましくは90%超、より好ましくは少なくとも95%、特定の一実施形態では少なくとも97%のP4O6を含む実質的に純粋な化合物によって代表され得る。本発明の文脈内での使用に好適な六酸化四リンは任意の公知の技術によって製造可能であるが、好ましい実施形態では、この六酸化物は「Process for the manufacture of P4O6 with improved yield」と題するWO 2009/068636および/またはPCT/EP2009/064988の方法に従って調製することができる。詳細には、酸素、または酸素および不活性ガスの混合物と、気体または液体リンとを、本質的に化学量論的な量で1600〜2,000 Kの範囲の温度の反応装置において、0.5〜60秒の好ましい滞留時間を維持しながらリンおよび酸素の発熱反応が作り出す熱を除去して反応させた後、反応生成物を700 K未満の温度で急冷し、粗反応生成物を蒸留によって精製する。そのように調製された六酸化物は、通常少なくとも97%のこの酸化物を含む純粋な生成物である。一般に、そのように生成されたP4O6は特に、100%であるP4O6に対して表される好ましくは1000ppm未満という低レベルで元素リンP4を含む高純度の液体材料を意味する。好ましい滞留時間は5〜30秒、より好ましくは8〜30秒である。好ましい一実施形態では、反応生成物を350 K未満の温度に急冷することができる。
上記のように、「液体P4O6」という用語は、P4O6のあらゆる状態を包含する。しかし、学術的にいえば反応媒体の調製において固体種を使用できるが、40℃〜180℃の温度での反応に関与するP4O6は必然的に液体または気体であると想定される。
1〜6個のP-O-P結合を分子中に含むP-O成分は、P4O6またはその部分水和種によって代表され得る。P-O成分の好適な種の例としては、1個のP-O-P結合を含むピロ亜リン酸H4P2O5; 6個のP-O-P結合を含むP4O6; ならびに2個、3個、4個および5個のP-O-P結合をそれぞれ含むその部分水和種が挙げられる。部分水和P4O6は、2個、3個、4個または5個のP-O-P結合を含む加水分解生成物をもたらすことができる。便宜性および運用上の専門知識の理由から、P-O成分は好ましくは、非常に低レベルの不純物、特に元素リンP4を、100%であるP4O6に対して表される1000ppm未満、通常は500ppm未満、好ましくは200ppm以下のレベルで含む高純度のP4O6によって代表される。P-O成分は、例えば均一数のP-O-P結合を有する均一な成分で、またはP4O6の部分水和種において生じうるP-O-P結合の分布を有する混合物によって代表され得る。明らかに、そのような場合、P-O-Pの数はP-O-P結合の平均数を意味する。また、好適なP-Oは、PCl3から出発して部分加水分解によって、またはPCl3および亜リン酸を反応させて、またはP4O6および亜リン酸を反応させて、またはP4O6の部分加水分解によって調製することができる。P-Oは、分子中の少なくとも1個のP-O-P結合の存在に依存する、異なる試薬、例えばPCl3、亜リン酸、および水の混合物/組み合わせによって代表され得る。使用する水のレベルは、P4O6当たり4以下のH2Oに限定される(モル換算で)。塩素を含有する出発原料、例えばPCl3、およびその組み合わせを使用する場合、塩素レベルは、100%であるP-O材料に対して表される1000ppm未満、通常は500ppm未満、好ましくは200ppm未満に維持すべきである。
亜リン酸トリアルキルTAP (P(OA)3)は周知の材料であり、そのかなりの数が市販されているかまたは必要性に応じてルーチン的に利用可能となりうる。種々の市販の種の例は以下の通りである: 亜リン酸トリ-メチル; 亜リン酸トリ-エチル; 亜リン酸トリ-n-プロピル; 亜リン酸トリ-イソプロピル; 亜リン酸トリ-n-ブチル; 亜リン酸トリ-イソブチル; 亜リン酸トリ-n-ペンチル; 亜リン酸トリ-t-ブチル; 亜リン酸トリ-2-エチルヘキシル; 亜リン酸トリ-オクタデシル; 亜リン酸トリ-n-デシル; 亜リン酸トリ-n-オクチル; 亜リン酸トリ-n-ドデシル; 亜リン酸トリ-n-ヘキシル; 亜リン酸トリ-(プロピル-2,2-ジメチル); および亜リン酸トリ-(8-メチルノニル)。
本発明において使用されるTAP中のアルキル基Aは、1〜20個の炭素原子、好ましくは1〜12個の炭素原子、特定の一実施形態では1〜8個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキル基より選択される。アルキル基は同一でも異なっていてもよく、好ましくは同一である。1モルのP-Oを亜リン酸ジアルキルに変換すること、したがって本発明の方法に必要な、P-O中のP原子当たりのTAPの最小モル数「z」は、下記式を用いて決定される:
z = 2n - m
式中、mはP-O分子中のP-O-P結合の数であり、nはその分子中のP原子の数である。
R'OHは、直鎖または分岐構造中にC1〜C20のアルキル基R'、好ましくは1〜12個の炭素原子を有するアルキル基を有するアルコールによって代表される。R'OHは好ましくは、P-Oに対して少なくとも1:1〜6:1のR'OH:P-Oのモル比で使用する。1:1〜6:1のR'OH:P-O比は、P-O化合物中のP-O-P結合の数に関連している。「少なくとも」という用語は、系に悪影響を与えることなく、R'OHのレベルを、例えば8:1に増加させることができることを意味する。任意の過剰のR'OHは、ルーチン的に系中にリサイクル可能であり、したがって本発明の方法の経済性に影響しない。アルコールR'OHおよびTAPのアルキル基は、本発明の範囲にわたって独立して変動しうるが、R'OHおよびTAPの両方において同一のアルキル基を使用する、すなわちR' = Aであることが好ましい。
本発明に係る反応は、当技術分野においてルーチン的に知られている様式で行う。実験的な提示に示すように、必須の反応パートナーを組み合わせて、反応混合物を通常は45℃〜180℃、より好ましくは70℃〜150℃、特に90℃〜130℃の範囲の温度に加熱することによって、本方法を行うことができる。上限温度は、反応物、またはこれらの反応において形成される中間体の不適切な実質的分解を防ぐことを目的とする。反応パートナーおよび中間体の分解温度が圧力などのさらなる物理的パラメータ、ならびに反応混合物中の成分の質的および量的パラメータに応じて変動しうるということが理解されかつ周知である。
本発明の反応は、周囲圧力で、および反応温度によっては蒸留下で行うことができ、これにより場合によっては減圧下で潜在的アルコール過剰も排除される。反応の持続時間は、実質的に瞬間的な時間、例えば10分から、例えば10時間という長時間まで変動しうる。1つの方法構成では、P-O、アルコールおよびTAPを反応器に加えた後、この混合物を徐々に70〜150℃の温度に加熱する。この反応は、周囲圧力下、場合によっては減圧下で、蒸留を伴いまたは蒸留せずに行うことができる。
別の操作設定では、反応は閉鎖容器中にて自己圧力上昇下で行うことができる。この方法では、反応パートナーを全体的または部分的に最初に反応容器に加える。部分混合物の場合、有効反応温度に到達するとすぐに、さらなる反応パートナーを徐々に加えることができる。
さらに別の操作順序では、反応を蒸留および圧力設定の組み合わせで行うことができる。具体的には、反応混合物を含む反応容器を、周囲圧力または減圧下、選択された反応温度に保持する。次に混合物を場合によっては連続的に、自己(オートクレーブ原理)圧力上昇下で操作される反応器を通じて循環させることにより、必要に応じてさらなる反応パートナーを徐々に加える。反応は加圧下で実質的に完了し、その後反応混合物は密閉容器から離れて反応器にリサイクルされ、そこで反応変数、特に温度および圧力に応じて過剰のアルコールの蒸留が起こりうる。
したがって上記のプロセス変数は、反応が種々の実質的に相補的な設定で行われうることを示す。したがって反応は、初期反応物を(1)自己圧力上昇下の密閉容器中で、または(2)還流条件下で、または(3)未反応成分の蒸留下で、好ましくは70℃〜150℃の範囲の温度に加熱することによる、バッチプロセスとして行うことができる。特に好ましい態様では、反応を密閉容器中、100℃〜150℃の範囲の温度で、特に残りの成分を徐々に添加しながら行う。
別のアプローチでは、反応物を反応混合物に好ましくは70℃〜150℃の範囲の温度で連続注入する、場合によっては自己圧力下の連続プロセスとして反応を行う。
さらに別の設定では、反応を連続的に行い、一方で例えばP4O6とアルコールとの間の予備的反応をバッチ式に行うことができる半連続的構成によって、方法を表わすことができる。
必要であれば、亜リン酸ジアルキル反応生成物を、減圧蒸留を特に含む慣習的な手段によって反応生成物から回収することができる。
亜リン酸ジアルキルは、例えば作製が困難であることが知られていた化合物を有利に合成するための中間体として使用することができる。一例としては、2-ホスホノブチル-1,2,4-トリカルボン酸を亜リン酸ジアルキルから出発して以下のように作製することができる:
1: 亜リン酸ジメチルとマレイン酸メチルとを反応させ; 続いて
2: 1:により得られた系とアクリル酸メチルとをナトリウムメトキシドの存在下で反応させ; 続いて
3: 2:で形成されたエステル基を塩酸の存在下、水で加水分解する。
したがって、本発明のさらなる局面では、本発明の方法に従って亜リン酸ジメチルを調製すること、および上記のように2-ホスホノブチル-1,2,4-トリカルボン酸にさらに変換することによる、2-ホスホノブチル-1,2,4-トリカルボン酸を調製するための方法が提供される。
本発明を以下の実施例によって、それにより本発明を制限することなく示す。
実施例1
P4O6およびメタノールを反応させて亜リン酸ジメチルおよび亜リン酸モノメチルの1:1混合物を得た。亜リン酸ジメチル7.54gおよびリン酸モノメチル6.59gならびにメタノール2.2g(各材料0.0685モル)を含む混合物と、亜リン酸トリメチル8.47g (0.0685モル)とを混合し、窒素下、95℃の温度で3時間加熱攪拌した。粗反応混合物の31P NMR分析は、H3PO3 1.2%w/w (1.6モル%); 亜リン酸モノメチル25.1%w/w (25.1モル%)および亜リン酸ジメチル72.6%w/w (69.7モル%)の存在を示した。
実施例2
40℃で加熱したP4O6 22g (0.1モル)を無水エタノール55.3g (1.2モル)に、攪拌下で20分かけて滴下した。次に亜リン酸トリエチル33.23g (0.2モル)を反応混合物に加え、過剰のエタノールを留去しながら、温度を攪拌および窒素下で最大80〜85℃に徐々に増加させた。95℃で3時間のさらなる加熱後、31P NMR分析は、亜リン酸モノ-エチル18.8%w/w (22.4モル%); 亜リン酸ジエチル80.2%w/w (76.3モル%)および亜リン酸0.5%w/w (0.8モル%)を示した。
実施例3
40℃で加熱したP4O6 22g (0.1モル)を、無水エタノール55.3g (1.2モル)に、攪拌下で20分かけて滴下した。次に亜リン酸トリエチル36.6g (0.22モル)を反応混合物に加えた。攪拌および窒素下で反応混合物を、過剰のエタノールを蒸留しながら、反応温度を最大97℃へ6時間かけて徐々に増加させることで加熱した。粗反応混合物の31P NMR分析は、亜リン酸モノ-エチル18.2%w/w (21.7モル%); 亜リン酸ジエチル80.8%w/w (77モル%)および亜リン酸0.5%w/w (0.8モル%)を示した。
実施例4
40℃で加熱したP4O6 22g (0.1モル)を、無水エタノール62.7g (1.34モル)に、攪拌下で20分かけて滴下した。未反応エタノールを95℃に加熱することで留去した。84℃で亜リン酸トリエチル36.6g (0.22モル)を反応混合物に滴下し、92〜100℃に4時間さらに加熱した。粗反応混合物の31Pおよび1H NMR分析は、亜リン酸モノ-エチル6.8%w/w (8.4モル%); 亜リン酸ジエチル93.2%w/w (91.6モル%)を示した。
実施例5
40℃で加熱したP4O6 22g (0.1モル)を、乾燥メタノール52.9g (1.65モル)に、攪拌下で40分かけて滴下した。過剰のメタノールを留去し、亜リン酸トリメチル27.5g (0.22モル)を80℃で滴下した。次に得られた混合物を、95℃で3時間30分間加熱した。粗反応混合物の31P分析は、亜リン酸モノ-メチル19.4%w/w (21.7モル%)および亜リン酸ジメチル78.6%w/w (76.6モル%)を示した。

Claims (14)

  1. 以下の工程を含む、1〜6個のP-O-P結合を分子中に含むP-O成分から出発する亜リン酸ジアルキルの製造のための方法:
    a) 少なくとも1:1〜6:1のR'OH:P-Oのモル比で表されるR'OHおよびP-O成分の混合物であって、R'が1〜20個の炭素原子を有する分岐または直鎖構成のアルキル基より選択される、混合物と、
    P(OA)3 [亜リン酸トリアルキル、TAP]であって、Aが1〜20個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキル基を意味し、該方法に必要な、P-O分子中のP原子当たりのTAPの最小モル数「z」がz = 2n - mにより決定され、式中、nがP-O中のP原子の数であり、mがP-O中のP-O-P結合の数である、TAPとを、
    R'OHを含む反応媒体にP-OをTAPと同時にまたは別々に加え、反応混合物を10分間〜10時間、40℃〜180℃の範囲の温度にすることによって、反応させる工程。
  2. P-Oが2〜6個のP-O-P結合を有する、請求項1記載の方法。
  3. P-Oが液体P4O6で表わされる、請求項1または2記載の方法。
  4. P-Oが、R'OHおよびTAPを含む反応媒体に添加される、請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。
  5. P-Oが、100%であるP-Oに対して表される1000ppm未満の元素リンP4を含む、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
  6. アルコールR'OHおよびTAP中のアルキル基が同一である、請求項1〜5のいずれか一項記載の方法。
  7. R'OH:P-Oのモル比が1:1〜8:1の範囲である、請求項1〜6のいずれか一項記載の方法。
  8. 亜リン酸トリアルキルが、亜リン酸トリ-メチル; 亜リン酸トリ-エチル; 亜リン酸トリ-n-プロピル; 亜リン酸トリ-イソプロピル; 亜リン酸トリ-n-ブチル; 亜リン酸トリ-イソブチル; 亜リン酸トリ-n-ペンチル; 亜リン酸トリ-t-ブチル; 亜リン酸トリ-2-エチルヘキシル; 亜リン酸トリ-n-デシル; 亜リン酸トリ-n-オクチル; 亜リン酸トリ-n-ドデシル; 亜リン酸トリ-n-ヘキシル; 亜リン酸トリ-(プロピル-2,2-ジメチル); および亜リン酸トリ-(8-メチルノニル)の群より選択される、請求項1〜7のいずれか一項記載の方法。
  9. P-Oが、P-O当たり4以下のH2Oのモルレベルで水を含む反応媒体に添加される、請求項1〜8のいずれか一項記載の方法。
  10. アルコールおよびTAP中のアルキル基が1〜12個の炭素原子を含む群より選択される、請求項1〜9のいずれか一項記載の方法。
  11. アルコール中のアルキル基が1〜8個の炭素原子を有する、請求項1〜10のいずれか一項記載の方法。
  12. 前記反応を70℃〜150℃の温度で15分間〜6時間行う、請求項1〜11のいずれか一項記載の方法。
  13. PCl3から出発して調製されるP-O化合物が、P-O化合物(100%)に対して表される400ppm未満の塩素を含む、請求項1〜12のいずれか一項記載の方法。
  14. アルコールがメタノールであり、かつTAPがP(OCH3)3である、前記方法であって、
    2-ホスホノブチル-1,2,4-トリカルボン酸を得るために
    b) 工程a)で得られたリン酸ジメチルとマレイン酸メチルとを反応させる工程; 続いて
    c) 工程b)により得られた系とアクリル酸メチルとをナトリウムメトキシドの存在下で反応させる工程; 続いて
    d) 工程c)で形成されたエステル基を塩酸の存在下、水で加水分解する工程
    をさらに含む、請求項1〜13のいずれか一項記載の方法。
JP2012512389A 2009-05-28 2010-05-28 亜リン酸ジアルキルの製造のための方法 Pending JP2012528122A (ja)

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