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JP2012101003A - 放射線画像撮影システム - Google Patents

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JP2012101003A JP2010254388A JP2010254388A JP2012101003A JP 2012101003 A JP2012101003 A JP 2012101003A JP 2010254388 A JP2010254388 A JP 2010254388A JP 2010254388 A JP2010254388 A JP 2010254388A JP 2012101003 A JP2012101003 A JP 2012101003A
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幸治 竹村
Soichiro Yamada
壮一朗 山田
Mamoru Umeki
守 梅木
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Abstract

【課題】既存の装置や設備を用いて、各FPDカセッテが何れの区域(撮影室)に存在するかを的確に把握することが可能な放射線画像撮影システムを提供する。
【解決手段】放射線画像撮影システム50は、少なくとも、FPDカセッテ1と、FPDカセッテ1に放射線を照射する放射線源52とが配置されることが可能であり、かつ、FPDカセッテ1から送信された信号を受信可能なアクセスポイント53が設けられた複数の区域Ra1〜Ra3を有し、さらに、各アクセスポイント53とそれぞれ通信可能な管理装置Sを備え、アクセスポイント53は、前記信号を受信すると、信号に自らの識別情報を付帯させて管理装置Sに送信し、管理装置Sは、送信されてきた信号が何れの区域に対応付けられたアクセスポイント53を介して送信されてきたかに基づいてFPDカセッテ1が、複数の区域Ra1〜Ra3のうちの何れの区域に存在するかを認識して管理する。
【選択図】図1

Description

本発明は、放射線画像撮影システムに関する。
病気診断等を目的として、X線画像に代表される放射線を用いて撮影された放射線画像が広く用いられている。こうした医療用の放射線画像は、従来からスクリーンフィルムを用いて撮影されていたが、放射線画像のデジタル化を図るために輝尽性蛍光体シートを用いたCR(Computed Radiography)装置が開発され、最近では、照射された放射線を、2次元状に配置された放射線検出素子で検出して、デジタル画像データとして取得する放射線画像撮影装置が開発されている。
このタイプの放射線画像撮影装置はFPD(Flat Panel Detector)として知られており、従来は支持台と一体的に形成された、いわゆる専用機型の放射線画像撮影装置として形成されていた(例えば特許文献1参照)。しかし、近年、放射線検出素子等をハウジングに収納して可搬とされた可搬型放射線画像撮影装置が開発され、実用化されている(例えば特許文献2、3参照)。
また、このような可搬型放射線画像撮影装置では、バッテリを内蔵し、アンテナ等を備えた無線通信手段を介した電波のやりとりで信号やデータ等の送受信を行う放射線画像撮影装置が開発されている(例えば特許文献4等参照)。なお、以下、可搬型放射線画像撮影装置を、FPDカセッテという。
また、FPDカセッテとしては、照射されたX線等の放射線の線量に応じて検出素子で電荷を発生させて電気信号に変換するいわゆる直接型のFPDカセッテや、照射された放射線をシンチレータ等で可視光等の他の波長の電磁波に変換した後、変換され照射された電磁波のエネルギに応じてフォトダイオード等の光電変換素子で電荷を発生させて電気信号に変換するいわゆる間接型のFPDカセッテが種々開発されている。
なお、本発明では、直接型のFPDカセッテにおける検出素子や、間接型のFPDカセッテにおける光電変換素子を、あわせて放射線検出素子という。
ところで、FPDカセッテは、上記のように可搬性を有するため、例えば、後述する図1に示すように、病院等に撮影室が複数存在するような状況では、放射線技師等の撮影者がFPDカセッテを各撮影室に持ち運んで放射線画像撮影に用いることが可能となるといった特徴を有している。
しかし、逆に、その特徴のために、撮影者が撮影に使いたいFPDカセッテが現在何れの撮影室に存在するかが分かりづらくなる。そして、使いたいFPDカセッテを各撮影室に行って探すのでは、FPDカセッテを含む放射線画像撮影システムが、撮影者にとって非常に使い勝手が悪いものとなる。
そこで、特許文献5では、例えば、各FPDカセッテにRFID(Radio Frequency IDentification)タグを設け、各撮影室の前室(操作室等ともいう。)にタグリーダを設けておき、撮影者がFPDカセッテを持ち込んだ場合に、タグリーダでFPDカセッテのRFIDタグを読み取る。或いは、FPDカセッテを撮影室に持ち込んだ撮影者がFPDカセッテをクレードルに挿入する。
そして、タグリーダで読み取られたFPDカセッテのカセッテID等やクレードルを介して出力されたFPDカセッテのカセッテID等の情報が、ネットワークを介して各コンソールに通知されることで、各コンソールで、各FPDカセッテが何れの撮影室にあるかを把握し、例えば、撮影者の要求に応じて各FPDカセッテの存在場所を表すマップを表示することで、撮影者が、各FPDカセッテが何れの撮影室にあるかを認識することができる放射線画像撮影システムの発明が開示されている。
特許第3639750号公報 特開2006−058124号公報 特開平6−342099号公報 特開平7−140255号公報 国際公開2008/111355号パンフレット
しかしながら、放射線画像撮影システムを上記のように構成するためには、各FPDカセッテにRFIDタグを設け、かつ、各撮影室の前室にタグリーダを設けなければならなくなる。或いは、各撮影室に設けられたクレードルを、上記のように、それに挿入されたFPDカセッテのカセッテIDをネットワークに出力できるようなものにする必要があるが、病院等の現状では、そのように構成されていない場合が多い。
また、放射線画像撮影システムを新たに導入する場合はともかく、現状の放射線画像撮影システムを上記のように構築し直すとなると、費用が発生するため、病院側としてはシステムを再構築することを躊躇することになる虞れがある。
そのため、クレードルを再構成したり、新たに上記の機能を有するクレードルを導入したり、或いは、各撮影室の前室に新たにタグリーダを設置したりすることなく、既存の装置や設備を用いて各FPDカセッテが何れの撮影室にあるかを把握することができるように構築できれば、費用をかけずに、放射線画像撮影システムを撮影者にとって使い勝手がよいものとすることが可能となり、望ましい。
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、既存の装置や設備を用いて、各FPDカセッテが何れの撮影室にあるかを的確に把握することが可能な放射線画像撮影システムを提供することを目的とする。
また、比較的大きな病院等では、医師が回診を行う病室が、複数のフロア(階)に跨って設けられていたり、或いは、FPDカセッテを持ち運び得る建物(病棟等)がいくつかに分かれていたりする場合がある。そして、このような場合、FPDカセッテが何れの場所(区域)にあるか、すなわち何れのフロアにあるかや、何れの病棟等にあるかを一元的に管理することができれば、放射線画像撮影システムが撮影者にとって使い勝手がよいものとなる。
そして、この場合も、上記の撮影室ごとの場合の技術を用いれば、既存の装置や設備を用い、或いはほんの少しの改良を加えることで、各FPDカセッテが何れの場所(区域)にあるかを把握することができるように構築できれば、費用をかけずに、放射線画像撮影システムを撮影者にとって使い勝手がよいものとすることが可能となり、望ましい。
そこで、本発明は、既存の装置や設備を用いて、各FPDカセッテが何れの場所にあるかを的確に把握することが可能な放射線画像撮影システムを提供することをも目的とする。
前記の問題を解決するために、本発明の放射線画像撮影システムは、
少なくとも、
二次元状に配列された複数の放射線検出素子を備え、放射線の照射により前記各放射線検出素子内で発生した電荷を画像データとして読み出すとともに無線通信手段を備えたFPDカセッテと、
前記FPDカセッテに放射線を照射する放射線源と、
が配置され、または配置されることが可能であり、かつ、
前記FPDカセッテから送信された信号を受信可能なアクセスポイント
がそれぞれ設けられた複数の区域を有し、
さらに、前記複数の区域にそれぞれ設けられた前記アクセスポイントとそれぞれ通信可能な管理装置を備え、
前記アクセスポイントは、当該アクセスポイントの識別情報に合致する通信設定がなされた前記FPDカセッテから送信された信号のみを前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、送信されてきた前記信号が何れの前記区域に対応付けられた前記アクセスポイントを介して送信されてきたかに基づいて、前記FPDカセッテが、前記複数の区域のうちの何れの前記区域に存在するかを認識して管理することを特徴とする。
本発明のような方式の放射線画像撮影システムによれば、各アクセスポイントに、混信防止等を目的として互いに異なる識別情報が付与されていることを利用して、FPDカセッテの無線通信手段から発信された信号に付帯されている各アクセスポイントの識別情報に基づき、信号が何れのアクセスポイントを介して送信されてきたかを判別することができる。
そのため、管理装置は、送信されてきた信号が何れの区域に対応付けられたアクセスポイントを介して送信されてきたかに基づいて、FPDカセッテが複数の区域のうちの何れの区域に存在するかを認識して管理することが可能となる。そして、そのため、管理装置で各FPDカセッテが何れの区域に存在するかを的確に把握することが可能となる。
そのため、放射線技師等の撮影者が、撮影に使いたいFPDカセッテが現在何れの撮影室に存在するかを知りたい場合には、管理装置に問い合わせることにより容易に知ることが可能なり、FPDカセッテを含む放射線画像撮影システムが、撮影者にとって非常に使い勝手が良いものとなる。
また、FPDカセッテにRFIDタグを設けて各区域(各撮影室等)にタグリーダを設けたり、或いは、クレードルでFPDカセッテのカセッテIDを読み取ったりするように構成しなくても、FPDカセッテに既設の無線通信手段や、区域(撮影室等)に既設のアクセスポイントを用いるだけで、上記のように、各FPDカセッテが存在する区域を特定することが可能となる。
このように、本発明のような方式の放射線画像撮影システムを構築するために、現状の放射線画像撮影システムを構築し直す必要がなくなく、或いは、必要に応じて簡単な構造のアクセスポイントを増設するだけで構築することができるため、非常に安価に放射線画像撮影システムを構築することが可能となる。
第1の実施形態に係る放射線画像撮影システムの全体構成を示す図である。 各撮影室内の構成を示す図である。 FPDカセッテの外観斜視図である。 図3のFPDカセッテを反対側から見た外観斜視図である。 図3におけるA−A線に沿う断面図である。 FPDカセッテの基板の構成を示す平面図である。 図6の基板上の小領域に形成された放射線検出素子とTFT等の構成を示す拡大図である。 フレキシブル回路基板やPCB基板等が取り付けられた基板を説明する側面図である。 FPDカセッテの等価回路を表すブロック図である。 FPDカセッテのコネクタとブッキー装置のコネクタとが接続された状態を表す外観斜視図である。 カセッテ保持部の内部にコネクタが設けられたブッキー装置を説明する図である。 撮影オーダ情報の例を示す図である。 撮影オーダ情報を表示する選択画面の例を示す図である。 選択された各撮影オーダ情報に対応する各アイコン等が表示された画面の例を示す図である。 アイコンの位置にプレビュー画像が表示された状態を示す図である。 アイコンの位置に放射線画像が表示された状態を示す図である。 各FPDカセッテが現在何れの撮影室内に存在するかを表すマップの例を示す図である。 各FPDカセッテが現在何れの撮影室内に存在し、何れの撮影装置の近傍等の区域に存在するかを表すマップの例を示す図である。 各FPDカセッテが現在何れの撮影室内に存在し、何れの撮影装置の近傍等の区域に存在するかを表すマップの例を示す図である。 ポータブルの放射線発生装置が回診車に搭載されて病室に持ち込まれた状態を表す図である。 第2の実施形態において各フロアにそれぞれアクセスポイントを設けた場合の構成を説明する図である。
以下、本発明に係る放射線画像撮影システムの実施の形態について、図面を参照して説明する。ただし、本発明は以下の図示例のものに限定されるものではない。
本発明では、撮影室や病棟の各フロア(階)、或いは、病棟等の各建物等の、各区域ごとにアクセスポイントが設けられており、各区域にFPDカセッテが持ち込み可能で、また、各区域に、放射線源が設置されていたり、或いは、ポータブルの放射線源が持ち込まれる場合が想定されている。
[第1の実施の形態]
第1の実施形態では、放射線画像撮影システム50の各区域が、複数の撮影室Raであり、撮影室Ra内に放射線源とアクセスポイント等が設置されている場合について説明する。図1は、本実施形態に係る放射線画像撮影システムの全体構成を示す図である。
各撮影室Ra(図1では撮影室Ra1〜Ra3)は、患者の身体の一部である被写体(すなわち患者の撮影部位)に放射線を照射して放射線画像撮影を行う部屋であり、各撮影室Raには、被写体に放射線を照射するための放射線源52がそれぞれ配置されている。また、各撮影室Raには、無線通信手段を備えたFPDカセッテ1から無線送信された信号を受信可能なアクセスポイント53がそれぞれ設けられている。なお、本発明は、撮影室Raを3つ設けられる場合に限定されず、任意の数だけ設けることが可能である。
そして、各アクセスポイント53は、中継器54を介してLAN(Local Area Network)等のネットワークNに接続されており、ネットワークNには、コンソールC(図1ではコンソールC1、C2)や管理装置Sがそれぞれ接続されている。また、図示を省略するが、ネットワークNには、さらに、他のコンピュータや、放射線画像をフィルム等の画像記録媒体に記録して出力するイメージャ等の外部機器、HIS(Hospital Information System;病院情報システム)、RIS(Radiology Information System;放射線科情報システム)等の必要な装置が接続されている。
なお、図1では、ネットワークNにコンソールCが複数接続されている場合が示されているが、ネットワークNに接続されるコンソールCは1つだけでもよい。また、複数の撮影室Raと単数または複数のコンソールCとが予め独自の回線で接続されていて、単数または複数のコンソールCと管理装置SとがネットワークNや独自の回線等で接続されるように構成することも可能であり、複数の撮影室RaとコンソールCと管理装置Sとの接続の仕方は任意である。ただし、管理装置Sは、少なくとも複数の撮影室Raにそれぞれ設けられたアクセスポイント53とそれぞれ通信できるように構成される。
以下、まず、各撮影室Ra内等に設けられている各装置や、各撮影室Ra内に持ち込み可能なFPDカセッテ1の構成等について詳しく説明する。
図2に示すように、撮影室Ra内には、前述した放射線源52やアクセスポイント53、中継器54のほか、FPDカセッテ1を装填可能なブッキー装置51が設けられている。なお、ブッキー装置51や放射線源52等については、後で説明する。また、図2では、アクセスポイント53が撮影室Ra内に複数設けられている場合が示されているが、図1に示すように、アクセスポイント53を各撮影室Ra内に1つずつ設けるように構成することも可能である。この点についても後で説明する。
ここで、まず、放射線画像撮影システム50で放射線画像撮影に用いられるFPDカセッテ1について説明する。
なお、以下では、FPDカセッテ1として、シンチレータ等を備え、放射された放射線を可視光等の他の波長の電磁波に変換して電気信号を得るいわゆる間接型のFPDカセッテについて説明するが、本発明は、シンチレータ等を介さずに放射線を放射線検出素子で直接検出する、いわゆる直接型のFPDカセッテに対しても適用することができる。
図3は、FPDカセッテの外観斜視図であり、図4は、FPDカセッテを反対側から見た外観斜視図である。また、図5は、図3のA−A線に沿う断面図である。FPDカセッテ1は、図3〜図5に示すように、筐体状のハウジング2内にシンチレータ3や基板4等で構成されるセンサパネルSPが収納されている。
図3や図4に示すように、FPDカセッテ1の筐体2のうち、放射線入射面Rを有する中空の角筒状のハウジング本体部2Aは、放射線を透過するカーボン板やプラスチック等の材料で形成されており、ハウジング本体部2Aの両側の開口部を蓋部材2B、2Cで閉塞することで筐体2が形成されている。
なお、筐体2をこのようないわゆるモノコック型として形成する代わりに、例えば、フレーム板とバック板とで形成された、いわゆる弁当箱型とすることも可能である。
図3に示すように、筐体2の一方側の蓋部材2Bには、電源スイッチ37や選択スイッチ38、コネクタ39、バッテリ状態やFPDカセッテ1の稼働状態等を表示するLED等で構成されたインジケータ40等が配置されている。
また、図4に示すように、筐体2の反対側の蓋部材2Cには、FPDカセッテ1の識別情報であるカセッテIDを無線で管理装置Sに送信したり、画像データD等をコンソールCに無線で転送するための無線通信手段であるアンテナ装置41が埋め込まれている。なお、アンテナ装置41を設ける場合には、アンテナ装置41の筐体2上の配置場所や配置する個数は適宜決められる。
本実施形態では、アンテナ装置41は、IEEE802.11規格に準拠した無線LANにより、後述するアクセスポイント53を介して管理装置SにカセッテIDを送信したり、コンソールCとの間で各種情報の無線通信を行うように構成されている。
また、後述するように、FPDカセッテ1がブッキー装置51に装填されて撮影が行われる場合には、FPDカセッテ1は、コネクタ39に接続されたブッキー装置51側のコネクタ51b(後述する図10、図11参照)やケーブルを介して画像データD等をコンソールCに有線方式で転送するように構成するようになっている。
筐体2の内部には、図5に示すように、センサパネルSPの基板4の下方側に図示しない鉛の薄板等を介して基台31が配置され、基台31には、電子部品32等が配設されたPCB基板33や緩衝部材34等が取り付けられている。
なお、基板4やシンチレータ3の放射線入射面R側には、それらを保護するためのガラス基板35が配設されている。また、センサパネルSPと筐体2の側面との間に、それらがぶつかり合うことを防止するための緩衝材36が設けられている。
シンチレータ3は、基板4の後述する検出部Pに貼り合わされるようになっている。シンチレータ3は、例えば、蛍光体を主成分とし、放射線の入射を受けると300〜800nmの波長の電磁波、すなわち可視光を中心とした電磁波に変換して出力するものが用いられる。
基板4は、ガラス基板で構成されており、図6に示すように、基板4のシンチレータ3に対向する側の面4a上には、複数の走査線5と複数の信号線6とが互いに交差するように配設されている。基板4の面4a上の複数の走査線5と複数の信号線6により区画された各小領域rには、放射線検出素子7がそれぞれ設けられている。
このように、走査線5と信号線6で区画された各小領域rに二次元状(マトリクス状ともいう。)に配列された複数の放射線検出素子7が設けられた領域r全体、すなわち図6に一点鎖線で示される領域が検出部Pとされている。
放射線検出素子7としては、フォトダイオードが用いられているが、この他にも例えばフォトトランジスタ等を用いることも可能である。各放射線検出素子7は、図6の拡大図である図7に示すように、スイッチ手段であるTFT8のソース電極8sに接続されている。また、TFT8のドレイン電極8dは信号線6に接続されている。
そして、TFT8は、後述する走査駆動手段15から走査線5を介してゲート電極8gにオン電圧が印加されるとオン状態となり、ソース電極8sやドレイン電極8dを介して放射線検出素子7内に蓄積されている電荷を信号線6に放出させるようになっている。また、TFT8は、接続された走査線5を介してゲート電極8gにオフ電圧が印加されるとオフ状態となり、放射線検出素子7から信号線6への電荷の放出を停止して、放射線検出素子7内に電荷を保持するようになっている。
図7に示すように、列状に配置された複数の放射線検出素子7にそれぞれバイアス線9が接続されており、図6に示すように、各バイアス線9は、基板4の検出部Pの外側の位置で1本の結線10に結束されている。
また、各走査線5や各信号線6、バイアス線9の結線10は、それぞれ基板4の端縁部付近に設けられた入出力端子(パッドともいう)11に接続されている。各入出力端子11には、図8に示すように、IC12a等のチップがフィルム上に組み込まれたフレキシブル回路基板(Chip On Filmともいう。)12が異方性導電接着フィルム(Anisotropic Conductive Film)や異方性導電ペースト(Anisotropic Conductive Paste)等の異方性導電性接着材料13を介して接続されている。
また、フレキシブル回路基板12は、基板4の裏面4b側に引き回され、裏面4b側で前述したPCB基板33に接続されるようになっている。このようにして、FPDカセッテ1のセンサパネルSPの基板4部分が形成されている。なお、図8では、電子部品32等の図示が省略されている。
ここで、図9を用いてFPDカセッテ1の回路構成について説明する。
各放射線検出素子7の一方の電極にはそれぞれバイアス線9が接続されており、各バイアス線9は結線10に結束されてバイアス電源14に接続されている。バイアス電源14は、結線10および各バイアス線9を介して各放射線検出素子7の電極にそれぞれバイアス電圧(厳密に言えば逆バイアス電圧)を印加するようになっている。
また、各放射線検出素子7の他方の電極はTFT8のソース電極8s(図9中ではSと表記されている。)に接続されており、各TFT8のゲート電極8g(図9中ではGと表記されている。)は、走査駆動手段15のゲートドライバ15bから延びる走査線5の各ラインL1〜Lxにそれぞれ接続されている。また、各TFT8のドレイン電極8d(図9中ではDと表記されている。)は各信号線6にそれぞれ接続されている。
走査駆動手段15は、ゲートドライバ15bにオン電圧やオフ電圧を供給する電源回路15aと、走査線5の各ラインL1〜Lxに印加する電圧をオン電圧とオフ電圧の間で切り替えるゲートドライバ15bとを備えている。ゲートドライバ15bは、前述したように、走査線5の各ラインL1〜Lxを介してTFT8のゲート電極8gに印加する電圧をオン電圧とオフ電圧との間で切り替えて、各TFT8のオン状態とオフ状態とを制御するようになっている。
また、各信号線6は、読み出しIC16内に形成された各読み出し回路17にそれぞれ接続されている。読み出し回路17は、増幅回路18と、相関二重サンプリング(Correlated Double Sampling)回路19と、アナログマルチプレクサ21と、A/D変換器20とで構成されている。
例えば、放射線画像撮影の際に、被写体を介してFPDカセッテ1に放射線が照射されると、シンチレータ3で放射線が他の波長の電磁波に変換され、変換された電磁波がその直下の放射線検出素子7に照射される。そして、照射された放射線の線量(すなわち電磁波の光量)に応じて放射線検出素子7内で電荷が発生する。
各放射線検出素子7からの画像データDの読み出し処理においては、走査駆動手段15のゲートドライバ15bから走査線5の所定のラインLnにオン電圧が印加されると、走査線5の当該ラインLnを介してそれに接続されている各TFT8のゲート電極8gにオン電圧が印加されて各TFT8がオン状態となり、オン状態となった各TFT8と接続されている放射線検出素子7から各TFT8を介して信号線6に電荷が放出される。
そして、放射線検出素子7から放出された電荷量に応じて増幅回路18から電圧値が出力され、それを相関二重サンプリング回路19で相関二重サンプリングしてアナログ値の画像データDがマルチプレクサ21に出力される。マルチプレクサ21から順次出力された画像データDは、A/D変換器20で順次デジタル値の画像データDに変換され、記憶手段23に出力されて順次保存されるようになっている。
制御手段22は、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力インターフェース等がバスに接続されたコンピュータや、FPGA(Field Programmable Gate Array)等により構成されている。専用の制御回路で構成されていてもよい。
制御手段22は、FPDカセッテ1の走査駆動手段15や読み出し回路17等の各機能部の動作等を制御するようになっている。制御手段22には、DRAM(Dynamic RAM)等で構成される記憶手段23や、FPDカセッテ1の各機能部に電力を供給するバッテリ24が接続されている。また、制御手段22には、前述したアンテナ装置41やコネクタ39(図9では図示省略)が接続されている。
制御手段22は、走査駆動手段15や読み出し回路17等を制御して、各放射線検出素子7からの画像データDの読み出し処理や、各放射線検出素子7内に残存する電荷を除去する各放射線検出素子7のリセット処理を行わせたり、バイアス電源14を制御してバイアス電源14から各放射線検出素子7に印加するバイアス電圧を設定、可変させる等、FPDカセッテ1の各機能部に対して種々の制御を行うようになっている。
また、制御手段22は、各放射線検出素子7からの画像データD等の読み出し処理を行うと、上記のようにして、読み出した画像データD等を記憶手段23に記憶させる。
そして、本実施形態では、制御手段22は、各放射線検出素子7から読み出した各画像データDから所定の割合でデータを間引いてデータ量を減少させた間引きデータDtを作成し、撮影が終了するごとに、コンソールCに間引きデータDtを送信するようになっている。そして、間引きデータDtを送信した後、画像データDを自動的に送信するようになっている。
また、制御手段22は、各画像データDに重畳されている暗電荷に起因するオフセット分を取得するためのダーク読取処理を所定のタイミングで行うようになっており、ダーク読取処理で読み出したダーク読取値dに基づいて算出したオフセット補正値OをコンソールCに自動的に送信するようになっている。
なお、本実施形態では、無線通信手段(すなわちアンテナ装置41)としてIEEE802.11規格に準拠した無線LANが採用されているため、アクセスポイント53の識別情報として各アクセスポイント53のSSID(Service Set IDntifier)が用いられているが、他の形態で無線通信を行う場合には、その形態に適合する形のアクセスポイント53の識別情報が用いられる。
また、撮影室Ra1〜Ra3が近接して設けられる場合が多く、後述するように、各撮影室Raが鉛などでシールドされているとはいえ、アクセスポイント53等から発信された電波が他の撮影室Raに漏れ出して混信を生じる可能性がある。そのため、通常、各撮影室Ra内に設けられるアクセスポイント53には、それぞれ互いに異なる識別情報(SSID)が割り当てられている。
そして、FPDカセッテ1は、一旦SSIDを取得すると、当該SSIDが割り当てられているアクセスポイント53のみと通信可能となり、他のアクセスポイント53は、当該FPDカセッテ1からの信号を受け付けないようになる。そのため、FPDカセッテ1に特定のアクセスポイント53のSSIDを取得させて、特定のアクセスポイント53のみと通信させるように構成することで、撮影室Ra間の混信を防止するようになっている。
しかし、図2に示したように、同一の撮影室Ra(例えば撮影室Ra1)内に設けられている複数のアクセスポイント53で仮に混信が生じたとしても、各アクセスポイント53を介して送信される信号は、結局、撮影室Ra1から送信されたものになるため、信号を受信したコンソールC側では、どの撮影室Raから送信された信号であるかが不明になることはない。
そのため、同一の撮影室Ra1内に設けられている複数のアクセスポイント53には同一のSSIDを割り当てても、何ら問題はなく、コンソールCや管理装置Sは、少なくとも送信された信号が何れの撮影室Raから送信されてきた信号であるかを特定することができる。
そのため、本実施形態では、図2に示すように、撮影室Ra内に複数のアクセスポイント53が設けられる場合には、各アクセスポイント53に同一の識別情報(SSID)を割り当てるようになっている。なお、このように構成すると、同一の撮影室Ra内の複数のアクセスポイント53ではFPDカセッテ1からの信号を同時に受信することになるが、この点については後で詳しく説明する。
一方、本実施形態では、放射線技師等の撮影者がFPDカセッテ1を撮影室Ra内に持ち込んだ時点でFPDカセッテ1を操作してポーリング(polling)を行い(すなわちアクセスポイント53に対してSSIDを送信する要求を行い)、アクセスポイント53からFPDカセッテ1にSSIDを送信させて取得するようになっている。
また、図2に示したように、撮影室Ra内に複数のアクセスポイント53が設けられている場合には、前述したように、各アクセスポイント53のSSIDは同一であるため、本実施形態では、撮影者は、いずれか1つのアクセスポイント53に対してポーリング操作を行い(すなわち当該撮影室Raで共通のSSIDを送信する要求を行い)、そのアクセスポイント53からFPDカセッテ1にSSIDを送信させて取得する。
そして、このようにして、アクセスポイント53のSSIDを取得すると、FPDカセッテ1の制御手段22は、当該SSIDに合致する通信設定とし、以後、無線方式で画像データD等を送信する際には、当該撮影室Ra内のアクセスポイント53(図2の場合には各アクセスポイント53)を介して画像データD等を送信するようになっている。なお、このポーリング操作は、FPDカセッテ1が各撮影室Ra1〜Ra3(図1参照)に持ち込まれるごとに行われる。
また、本実施形態では、FPDカセッテ1は、送信する画像データD等に自己のカセッテIDを付帯させて送信するが、その際、さらに取得したSSIDを画像データD等に付帯させて送信するようになっている。このように構成すれば、図1の場合も図2の場合も撮影室RaごとのSSIDは互いに異なるが、同一の撮影室Raから送信された画像データDには同一のSSIDが付帯されるため、コンソールCや管理装置Sは、画像データDや信号等に付帯されているSSIDを参照することで、どの撮影室Raから送信されてきた信号等であるかを容易に認識することが可能となる。
本実施形態では、FPDカセッテ1は、後述するように、CRカセッテと互換サイズを有しており、施設に既存の後述するブッキー装置51に装填して使用することができるようになっている。
また、FPDカセッテ1は、後述するように、ブッキー装置51に装填されている場合には、ブッキー装置51から電力の供給を受けるが、ブッキー装置51に装填されていない単独の状態では、バッテリ24(図9参照)から制御手段22やバイアス電源14、走査駆動手段15、読み出し回路17(読み出しIC16)等の各機能部に電力を供給するようになっている。
次に、放射線画像撮影システム50における他の各装置等について説明する。
図2に示すように、ブッキー装置51は、カセッテ保持部(カセッテホルダともいう。)51aにFPDカセッテ1を装填して用いることができるようになっている。
なお、図2では、撮影室Raに、ブッキー装置51として立位撮影用のブッキー装置51Aと臥位撮影用のブッキー装置51Bが設置されている場合が示されているが、例えば、立位撮影用のブッキー装置51Aのみ、或いは臥位撮影用のブッキー装置51Bのみが設けられているような場合にも本発明は適用される。
ブッキー装置51は、カセッテ保持部51aに従来のCRカセッテを装填して用いることもできるように構成されており、撮影室RaにCRカセッテ用に設置されている既存のブッキー装置が用いられる。
そのため、上記のFPDカセッテ1は、CRカセッテと同様の寸法になるように形成されている。すなわち、CRカセッテは、従来のスクリーンフィルム用のカセッテにおけるJIS規格サイズ(対応する国際規格はIEC 60406)に準拠して、14インチ×17インチ(半切サイズ)等の寸法で形成される。また、放射線入射方向の厚さは15mm+1mm〜15mm−2mmの範囲内になるように形成される。
そして、このJIS規格サイズのCRカセッテを装填することができるブッキー装置51への装填使用を可能とするため、FPDカセッテ1も、CRカセッテが準拠するスクリーンフィルム用のカセッテにおけるJIS規格に準拠した寸法で形成されている。
なお、スクリーン/フィルムカセッテやCRカセッテ用の既存のブッキー装置を用いない場合には、FPDカセッテ1を上記の寸法で形成する必要はなく、FPDカセッテ1を任意の大きさや形状に形成することが可能である。しかし、その際には、ブッキー装置51として、任意に設定された形状のFPDカセッテ1を装填することができるブッキー装置を新たに撮影室Ra内に設置することが必要となる。
本実施形態では、図10に示すように、FPDカセッテ1をブッキー装置51に装填する前に、ブッキー装置51から延びるケーブルの先端に設けられたコネクタ51bをFPDカセッテ1のコネクタ39に接続し、その状態でFPDカセッテ1をブッキー装置51のカセッテ保持部51aに装填するようになっている。
なお、例えば図11に示すように、ブッキー装置51のカセッテ保持部51aの内部に、装填されたFPDカセッテ1のコネクタ39(図3参照)と接続されるコネクタ51bを設けるように構成することも可能である。この場合、図11に示した立位撮影用のブッキー装置51Aの場合だけでなく、臥位撮影用のブッキー装置51Bにも同様にコネクタ51bが設けられる。
ブッキー装置51のコネクタ51bとFPDカセッテ1のコネクタ39とが接続されることにより、ブッキー装置51からFPDカセッテ1に電力を供給するようになっている。そのため、FPDカセッテ1の制御手段22は、コネクタ39、51b同士が接続されると、バッテリ24(図9参照)からの各機能部への電力の供給を停止し、コネクタ39を介してブッキー装置51から供給される電力を各機能部に供給するように切り替えるようになっている。
なお、各機能部に電力供給しながら、同時にバッテリ24を充電する構成とすることも可能である。また、ブッキー装置51に上記のような電源供給機能を設ける必要は必ずしもなく、従来通り、FPDカセッテ1を所定位置に保持する機能のみで構成されていてもよい。
図1や図2に示すように、撮影室Raには、被写体に放射線を照射する放射線源52が少なくとも1つ設けられている。
そして、放射線源52のうち、1つの放射線源52A(図2参照)は、例えば撮影室Raの天井からつり下げられて配置されるようになっており、撮影時にはコンソールCからの指示に基づいて起動され、図示しない移動手段により所定の位置にまで移動されるようになっている。そして、図2に示すように、放射線の照射方向を変えることで、立位撮影用のブッキー装置51Aや臥位撮影用のブッキー装置51Bに装填されたFPDカセッテ1に対して放射線を照射することができるようになっている。
また、本実施形態では、撮影室Raには、立位撮影用や臥位撮影用のブッキー装置51A、51Bには対応付けられていないポータブルの放射線源52Pも設けられている。ポータブルの放射線源52Pは、撮影室Ra内のいかなる場所にも持ち運びでき、任意の方向に放射線を照射できるようになっている。
そして、FPDカセッテ1を単独の状態(すなわちブッキー装置51に装填しない状態)で被写体である患者の身体の部分にあてがったり、臥位撮影用のブッキー装置51Bのテーブルや図示しないベッドと患者の身体との間に差し込んだりした状態で、ポータブルの放射線源52Pから適切な距離や方向で放射線を照射することができるようになっている。
なお、FPDカセッテ1は、このように、ブッキー装置51に装填されない単独の状態で放射線画像撮影に用いることができるようになっている。
放射線源52は、X線管球を備えており、X線管球は、後述する放射線発生装置57から所定の管電圧や管電流が供給されると、指定された照射時間だけ管電圧等に応じた線量の放射線を照射するようになっている。
アクセスポイント53は、後述する中継器54やネットワークN(図1参照)を介してコンソールCや管理装置Sと接続されている。
また、アクセスポイント53には、前述したように、本実施形態では、通信時の混信防止のために、各撮影室Ra1〜Ra3ごとにそれぞれ識別情報として互いに異なるSSIDが割り当てられており、放射線技師等の撮影者の操作によりFPDカセッテ1からアクセスポイント53に対して識別情報の送信を要求するポーリングが行われると、アクセスポイント53は、当該FPDカセッテ1に対して、自らに割り当てられたSSIDを送信するようになっている。
なお、図2に示すように、必要に応じてアクセスポイント53に、アクセスポイント53が受信したFPDカセッテ1からの信号の信号強度SIを測定する信号強度測定手段53aがそれぞれ取り付けられるが、これについては後で説明する。
撮影室Raは放射線が撮影室外に漏洩しないように鉛などでシールドされているため、撮影室Ra内でFPDカセッテ1からアンテナ装置41を介して画像データD等の情報を送受信しようとしても、そのままでは送受信することが困難になる。そこで、図1や図2に示すように、FPDカセッテ1とコンソールCとが無線通信する際に、これらの通信を中継する中継器54が設けられている。
図2に示すように、中継器54は、前述したようにブッキー装置51とケーブル等で接続されているほか、各アクセスポイント53や、後述する前室Rbの放射線発生装置57等が接続されており、撮影室Raや前室Rb内の各装置と、撮影室Ra外のネットワークN(図1参照)との通信を中継するようになっている。
本実施形態では、撮影室Ra内には、クレードル55が設けられており、クレードル55は、FPDカセッテ1が挿入されると、FPDカセッテ1のバッテリ24(図9参照)を充電するようになっている。また、クレードル55は、撮影室Raと前室Rbのいずれに設置されてもよく、撮影室Raに設置される場合には、放射線源52から照射される放射線が到達しない位置、すなわち、例えば撮影室Raのコーナーの位置等に設置される。
図2に示すように、前室Rbには、放射線源52に対して放射線の照射開始等を指示するために撮影者が操作する曝射スイッチ56等を備えた放射線発生装置57が設けられている。
そして、放射線発生装置57は、コンソールCからの指示に基づいて、放射線源52に所定の管電圧や管電流等を供給したり、放射線源52を所定の位置に移動させたり、放射線源52の照射方向を変える等して、放射線源52を起動させるようになっている。
次に、撮影室Ra以外にネットワークNに接続されているコンソールCについて説明する。なお、管理装置Sについては後で説明する。
コンソールCは、図示しないCPUやROM、RAM、入出力インターフェース等がバスに接続されたコンピュータ等で構成されている。ROMには所定のプログラムが格納されており、コンソールCは、必要なプログラムを読み出してRAMの作業領域に展開してプログラムに従って各種処理を実行するようになっている。
コンソールCには、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等からなる図示しない表示部が設けられており、その他、キーボードやマウス等の図示しない入力手段等が接続されている。また、コンソールCには、ハードディスク等で構成された図示しない記憶手段が接続されており、或いは、内蔵されている。記憶手段には、FPDカセッテ1から送信されてきた画像データD等が保存されるようになっている。
以下、本発明に関する説明の前に、コンソールCにおける画像処理等について簡単に説明する。
コンソールCでは、放射線技師等の撮影者により、撮影に用いられる撮影室Raが指定できるようになっており、この指定により、コンソールCと撮影室Raとが対応付けられて、撮影室Ra内のFPDカセッテ1から送信された間引きデータDtや画像データD等が当該コンソールCに送信されるようになっている。
また、コンソールCは、撮影者の操作により、ネットワークNに接続された図示しないHISやRISから、撮影オーダ情報等の必要な情報を入手するようになっている。
撮影オーダ情報は、少なくとも撮影部位と撮影条件を指定して設定されるようになっている。具体的には、撮影オーダ情報は、図12に例示するように、患者情報としての「患者ID」P2、「患者氏名」P3、「性別」P4、「年齢」P5、「診療科」P6、および「撮影部位」P7、および撮影条件としての「撮影方向」P8や使用するブッキー装置51を表す「ブッキーID」P9等で構成されるようになっている。そして、撮影オーダが登録された順に、各撮影オーダ情報に対して「撮影オーダID」P1が自動的に割り当てられるようになっている。
コンソールCは、撮影オーダ情報を入手すると、図13に示すように、表示部上に各撮影オーダ情報の一覧を選択画面H1として表示するようになっている。本実施形態では、選択画面H1には、撮影オーダ情報表示欄h11や選択ボタンh12、決定ボタンh13、戻るボタンh14が表示されるようになっている。
そして、例えば、撮影者が選択ボタンh12をクリックして、各撮影オーダ情報を選択して、決定ボタンh13をクリックすると、コンソールCは、表示部上に図14に示すような画面H2を表示するようになっている。
画面H2には、図14に示すように、各撮影オーダ情報に対応する各アイコンIが表示され、各アイコンIの下部には、後述するように、アイコンIの位置に表示されるプレビュー画像p_preを撮影者が見て再撮影が不要と判断したり、アイコンIの位置に表示される放射線画像pが正常であると判断して放射線画像pを確定させる際にクリックする「OK」ボタンと、再撮影が必要であったり、放射線画像pに対する画像処理等をやり直す際にクリックする「NG」ボタンがそれぞれ表示されている。
また、画面H2の右側に表示されている照射条件の設定用の表示Ia上の各項目の「+」ボタンや「−」ボタンをクリックすることで、放射線発生装置57の放射線源52の管電圧や管電流、照射時間等の照射条件を変更して設定することができるようになっている。
一方、本実施形態では、各アイコンI1〜I4は、いずれか1つのアイコンI(図14の場合はアイコンI2)が目立つようにフォーカスされて表示されるようになっており、フォーカスされているアイコンIに対応する撮影オーダ情報に基づく撮影が行われるようになっている。なお、撮影者が、別の撮影オーダ情報に基づく撮影を行いたい場合には、その撮影オーダ情報に対応する他のアイコンIをクリックする等して操作することにより、フォーカスを遷移させることができるようになっている。
また、本実施形態では、コンソールCは、フォーカスされているアイコンIに対応する撮影オーダ情報に基づく撮影が行われるように、撮影室Ra内の放射線発生装置57を制御して、放射線源52に所定の管電圧や管電流、照射時間等の照射条件で起動させたり、放射線源52を移動させたり、その照射方向を変えさせるようになっている。
なお、画面H2の左側には、フォーカスして表示されているアイコンIに対応する撮影オーダ情報で指定された撮影部位が、撮影者が一目で分かるように表した人体モデルIb上に表示されるようになっている。
一方、フォーカスして表示されたアイコンIに対応する撮影オーダ情報に基づく放射線画像撮影が行われると、前述したように、FPDカセッテ1からは、各放射線検出素子7の画像データDから作成された間引きデータDtが送信されてくる。コンソールCは、FPDカセッテ1から間引きデータDtが送信されてくると、図15に示すように、送信されてきた間引きデータDtに基づくプレビュー画像を、フォーカスされていた元のアイコンI2の位置に表示するようになっている。
そして、プレビュー画像p_preを見た撮影者が「OK」ボタンをクリックすると、コンソールCは、図16に示すように、フォーカスして表示するアイコンIを例えばアイコンI3に遷移させるとともに、元のアイコンI2に対応する撮影でFPDカセッテ1から送信されてきた画像データD等に基づいて放射線画像pを生成させるようになっている。
放射線画像pの生成処理では、コンソールCは、オフセット補正やゲイン補正、撮影部位に応じた諧調処理等の処理を行い、また、撮影の際に、FPDカセッテ1にグリッドを取り付けて撮影が行われている場合があるため、グリッドによるモアレ除去のためのフィルタリング処理を行うようになっている。
グリッドを用いた撮影を行う場合、グリッドピッチとFPDカセッテ1の画素サイズとの関係で、画像データDにモアレを生じる場合がある。このモアレ対策として、例えば特開2000−316126号公報に記載されているように、使用するグリッドを適正に選択すれば、モアレ発生を避けることができる。また、特開平8−88765号公報に記載されているように、一旦、身近のグリッドを使用して撮影を行い、画像データD中に含まれるモアレ成分を、次工程でフィルタリング処理して除去することも知られている。
FPDカセッテ1の場合、本実施形態で説明するように複数の撮影室Raで使用されたり、後述する実施形態で説明するように回診先で使用されるので、使用するグリッド種を制限することは得策ではない。すなわち、CRカセッテを用いて撮影を行っていた際に使用されていたグリッドをそのまま使用することが好ましい。また、撮影の都度、各撮影に使用したグリッドピッチ情報を読取り画像に対応付けて保存とすることも可能であるが、
専用機型の放射線画像撮影装置の場合とは異なり、FPDカセッテ1の場合、グリッドピッチ情報を対応付けるには、大がかりな既存の撮影設備改造が必要になり、しかも、各撮影における放射線技師等の撮影者の操作も増えるため、現実的ではない。
従って、使用するグリッドを限定せず、使用可能性のあるグリッドピッチに対応したモアレ除去フィルタを予め数種準備しておき、画像データDに対して、予め準備しておいた全てのフィルタを順次適用することで、モアレのない放射線画像pを得る方法が、FPDカセッテ1にとっては好ましい。
コンソールCは、放射線画像pを生成すると、図15に示したように、元のアイコンI2の位置に表示する。そして、放射線画像pを見た撮影者が、生成された放射線画像pが正常であると判断して「OK」ボタンをクリックすると、放射線画像pを撮影オーダ情報に対応付けて、放射線画像pを確定させるようになっている。
次に、ネットワークNに接続されている管理装置Sについて説明する。
管理装置Sは、図示しないCPUやROM、RAM、入出力インターフェース等がバスに接続されたサーバコンピュータ等で構成されている。ROMには所定のプログラムが格納されており、コンソールCは、必要なプログラムを読み出してRAMの作業領域に展開してプログラムに従って各種処理を実行するようになっている。
以下、管理装置Sにおける処理およびそれに関連する各装置の処理や構成について説明する。また、本実施形態に係る放射線画像撮影システム50の作用についてもあわせて説明する。
まず、図1に示したように、各撮影室Ra1〜Ra3内にアクセスポイント53がそれぞれ1つずつ設けられている場合について説明する。
各撮影室Ra1〜Ra3内の各アクセスポイント53は、例えば、放射線技師等の撮影者がFPDカセッテ1をいずれかの撮影室Ra内に持ち込んだ時点でポーリングによるアクセスポイント53に対するSSIDの送信要求があると、前述したように、当該FPDカセッテ1に対して自らのSSIDを送信する。そして、前述したように、当該FPDカセッテ1は、画像データDや信号等に自己の識別情報(カセッテID)と取得したSSIDを付帯させてネットワークNを介してコンソールCや管理装置Sに送信するようになっている。
管理装置Sは、各撮影室Ra1〜Ra3と、各撮影室Ra1〜Ra3内に設けられた各アクセスポイント53の各SSIDをそれぞれ対応付けるテーブルをROM等のメモリ内に有している。
前述したように、混信防止のために、各撮影室Raに設けられているアクセスポイント53にはそれぞれ異なるSSIDが付与されているため、撮影室Raの識別情報と、アクセスポイント53のSSIDとを1:1に対応付けることができる。そして、管理装置Sは、撮影室Raの識別情報とアクセスポイント53のSSIDとが1:1に予め対応付けられたテーブルを有している。
そして、管理装置Sは、FPDカセッテ1がいずれかの撮影室Raに持ち込まれてカセッテIDとSSIDとが送信されてくるごとに、テーブルを参照して、RAM等のメモリに記憶された、アクセスポイント53のSSIDに対応する撮影室Raの識別情報に、当該FPDカセッテ1のカセッテIDを対応付けるようになっている。
また、管理装置Sは、FPDカセッテ1が撮影者によりある撮影室Ra(例えば撮影室Ra1)から別の撮影室Ra(例えば撮影室Ra2)に搬送されて、当該別の撮影室Ra2内に設けられたアクセスポイント53から当該FPDカセッテ1のカセッテIDとアクセスポイント53のSSIDとが送信されてくると、テーブルを参照して、アクセスポイント53のSSIDに基づいて当該別の撮影室Ra2を割り出す。
そして、当該別の撮影室Ra2の識別情報に、当該FPDカセッテ1のカセッテIDを対応付けるとともに、元の撮影室Ra1の識別情報と当該FPDカセッテ1のカセッテIDとの対応付けを削除する。
このようにして、管理装置Sは、各撮影室Ra1〜Ra3内の各アクセスポイント53からFPDカセッテ1のカセッテIDが送信されてくるごとに、当該カセッテIDと、カセッテIDに付帯されているSSIDに基づいて、上記の処理を行うようになっている。そして、管理装置Sは、上記の処理を、FPDカセッテ1が1つの場合のみならず、複数存在する場合にも同様に行うようになっており、例えば図17のマップに示すように、各FPDカセッテ1が現在何れの撮影室Ra内に存在するかを認識して管理するようになっている。
一方、図2に示したように、各撮影室Ra1〜Ra3内にそれぞれ、或いは、それらのうちの特定の撮影室Ra内に、複数のアクセスポイント53が設けられている場合には、撮影室Ra内のさらに細かな場所(すなわち下記の撮影装置やその近傍の場所)を特定して、FPDカセッテ1の存在場所を管理することが可能となる。
具体的には、図2に示したように、各アクセスポイント53は、撮影室Ra内に設置されている、FPDカセッテ1を用いて放射線画像撮影を行うための各撮影装置(すなわち後述するように各ブッキー装置51A、51Bやポータブルの放射線源52P)の近傍にそれぞれ設けられており、各アクセスポイント53が各撮影装置に1つずつ対応付けられている。なお、アクセスポイント53を、ブッキー装置51に取り付ける等してもよい。
この場合、FPDカセッテ1を用いて放射線画像撮影を行うための撮影装置としては、FPDカセッテ1を装填して用いることが可能な立位撮影用のブッキー装置51Aや臥位撮影用のブッキー装置51Bを挙げることができる。また、FPDカセッテ1がブッキー装置51に装填されない単独の状態で用いられる場合にも対応するために、単独の状態のFPDカセッテ1に対して放射線を照射するポータブルの放射線源52Pも撮影装置とされている。
なお、放射線源52Aを撮影装置と見なし、それに対して1つのアクセスポイント53を設けると、前述したように放射線源52Aは、立位撮影用のブッキー装置51Aと臥位撮影用のブッキー装置51Bとで共用とされているため、後述するように、アクセスポイント53が受信した信号の信号強度SIに基づいてFPDカセッテ1が何れのブッキー装置51に装填される等して撮影が行われるかをコンソールCが判断する際に、何れのブッキー装置51が用いられるかを判断できなくなる。
そのため、本実施形態のように、放射線源52Aが立位撮影用のブッキー装置51Aと臥位撮影用のブッキー装置51Bとで共用とされているような場合には、アクセスポイント53を、各ブッキー装置51A、51Bごとに設けることが望ましい。
ところで、撮影室Ra内のFPDカセッテ1から信号や画像データD等を送信する際には、複数のアクセスポイント53の中の1つのアクセスポイント53を介してコンソールCや管理装置Sに信号等が送信される。しかし、前述したように、撮影室Ra内にアクセスポイント53を複数設ける場合には、同一の撮影室Ra内の各アクセスポイント53には、それぞれ同一のSSIDが割り当てられており、SSIDだけではそれらのアクセスポイント53を区別できない。
そこで、本実施形態では、撮影室Ra内に複数のアクセスポイント53を設ける場合には、各アクセスポイント53を区別するために、各アクセスポイント53に個別の識別情報(以下、APIDという。)が割り当てられている。そして、各アクセスポイント53には、図2に示すように、FPDカセッテ1から問い合わせがあった場合に、このAPIDをFPDカセッテ1に通知するための識別情報通知手段53aがそれぞれ取り付けられている。
なお、識別情報通知手段53aがどのようなタイミングでAPIDをFPDカセッテ1に通知するか等については後で説明する。また、図1に示したように、各撮影室Raにアクセスポイント53を1つずつ設ける場合には、識別情報通知手段53aをアクセスポイント53に取り付ける必要はない。
管理装置Sは、各撮影室Raに設けられているアクセスポイント53にはそれぞれ異なるSSIDが割り当てられており、撮影室Raの識別情報と、アクセスポイント53のSSIDとを1:1に対応付けることができるため、撮影室Raの識別情報とアクセスポイント53のSSIDとが1:1に予め対応付けられたテーブルをROM等のメモリに有している。また、このテーブルでは、各SSIDにそれぞれ上記の各APIDがそれぞれ対応付けられている。
そして、管理装置Sは、この場合、撮影室Raから送信されてくる信号に付帯されているSSIDを参照することで、当該信号がいずれの撮影室Raから送信されてきたものであるかを認識し、また、APIDを参照することで、当該撮影室Raのいずれの撮影装置に対応付けられたアクセスポイント53から送信されてきたものであるかを認識するようになっている。
管理装置Sは、このようにして、FPDカセッテ1がどの撮影室Raのどの撮影装置の近傍に存在するか(或いはブッキー装置51であればどのブッキー装置51に装填されているか)、すなわちFPDカセッテ1の撮影室Ra内での存在場所を認識して管理するようになっている。
なお、以下の処理は、コンソールCで行うように構成してもよく、その場合は、コンソールCは、FPDカセッテ1の存在位置を特定するごとにその情報を管理装置Sに送信するように構成される。また、管理装置SでFPDカセッテ1の存在位置を特定した場合には、必要に応じてその情報がコンソールCに送信される。さらに、以下の処理を、管理装置SとコンソールCの双方でそれぞれ行うように構成することも可能である。
具体的には、例えば、放射線技師等の撮影者がFPDカセッテ1を撮影室Ra1内に持ち込んで、1つのアクセスポイント53に対してポーリングを行って、当該アクセスポイント53から当該撮影室Ra1で共通のSSIDを取得し、FPDカセッテ1を当該SSIDに合致する通信設定とする。
なお、この時点で、当該FPDカセッテ1から自己のカセッテIDに取得したSSIDを付帯させて(なお、この場合はAPIDは付帯させない。)ネットワークNを介して管理装置Sに送信するように構成し、管理装置Sで、上記のテーブルを参照するように構成すれば、管理装置Sは、少なくとも当該カセッテIDを有するFPDカセッテ1が撮影室Ra1内に存在することを認識することが可能となる。この場合、管理装置Sは、撮影室Ra1の識別情報に当該FPDカセッテ1のカセッテIDを対応付ける。
FPDカセッテ1の制御手段22(図9参照)は、撮影室Ra内に持ち込まれてポーリング操作がなされ、SSIDに合致する通信設定とした後、FPDカセッテ1のアンテナ装置41から撮影室Ra内の各アクセスポイント53に対して信号を常時或いは定期的に発信し、それに対する各アクセスポイント53からの応答信号をそれぞれ受信して、各応答信号の信号強度SIを測定するようになっている。
なお、以下では、図2における立位撮影用のブッキー装置51Aに対応付けられたアクセスポイント53からの応答信号の信号強度をSIa、臥位撮影用のブッキー装置51Bに対応付けられたアクセスポイント53からの信号強度をSIb、ポータブルの放射線源52Pに対応付けられたアクセスポイント53からの信号強度をSIpと表す。また、信号強度SIについて予め設定した閾値をSIthと表す。
さらに、ポータブルの放射線源52Pに対応付けられたアクセスポイント53は、ポータブルの放射線源52Pを使用する場合にのみ起動させ、不使用時には停止させるように構成することも可能である。
各アクセスポイント53からの応答信号の信号強度SIは、FPDカセッテ1とアクセスポイント53との距離の二乗に反比例して弱くなる。なお、各アクセスポイント53から発信される応答信号の強度が強すぎると、撮影室Ra内で信号が反響して、上記のように距離の二乗に反比例して弱くならなくなる。そのため、応答信号の信号強度SIを測定するためにFPDカセッテ1から発信された信号に対する各アクセスポイント53からの応答信号の強度は比較的弱めに設定される。
上記のように、応答信号の信号強度SIが距離に応じて弱くなるため、FPDカセッテ1が、撮影室Ra1内の各アクセスポイント53から離れた位置にある場合には、FPDカセッテ1で受信される各アクセスポイント53からの応答信号の信号強度SIa、SIb、SIpは非常に小さく、閾値SIthよりも格段に小さくなる。すなわち、
SIth≫SIa、SIb、SIp …(1)
の関係が成り立つ。
そして、撮影者がFPDカセッテ1を持って、例えば立位撮影用のブッキー装置51Aに近づくと、立位撮影用のブッキー装置51Aに対応付けられているアクセスポイント53からの応答信号の信号強度SIaが増加する。しかし、下記(2)式に示すように、他のアクセスポイント53からの応答信号の信号強度SIb、SIpはさほど増加しない。
SIth>SIa>SIb、SIp …(2)
そして、FPDカセッテ1を持った撮影者が立位撮影用のブッキー装置51Aにさらに近づくと、立位撮影用のブッキー装置51Aに対応付けられているアクセスポイント53からの応答信号の信号強度SIaがさらに増加して、下記(3)式に示すように、閾値SIth以上になる。
SIa≧SIth>SIb、SIp …(3)
そこで、FPDカセッテ1は、この時点で、立位撮影用のブッキー装置51Aに対応付けられているアクセスポイント53に取り付けられている識別情報通知手段53aに対してAPIDの問い合わせを行ってAPIDを取得する。
そして、それ以後、FPDカセッテ1は、送信する信号等に、自己のカセッテIDとSSIDのほかに、さらにAPIDも付帯させて送信するようになっている。このようにして、当該アクセスポイント53のみを介して通信を行うようになる。すなわち、同じ撮影室Ra1内の他のアクセスポイント53は、FPDカセッテ1から発信された信号等が到達しても、識別情報通知手段53aが信号に付帯されているAPIDが自己のAPIDとは異なるものであるため、通信を遮断するようになっている。
また、FPDカセッテ1は、アクセスポイント53の識別情報通知手段53aからAPIDを取得すると、当該アクセスポイント53を介して、自己のカセッテIDにSSIDとAPIDとを付帯させて管理装置Sに送信するようになっている。
管理装置Sは、FPDカセッテ1からカセッテIDとSSIDとAPIDとが送信されてくると、テーブルを参照して、SSIDに基づいて撮影室Raが撮影室Ra1であることを割り出し、また、APIDに基づいて当該FPDカセッテ1の存在場所が立位撮影用のブッキー装置51Aの近傍であること(或いはブッキー装置51Aに装填されていること)を割り出す。
そして、管理装置Sは、撮影室Ra1の識別情報と立位撮影用のブッキー装置51AのブッキーIDに当該FPDカセッテ1のカセッテIDを対応付ける。そして、図18に示すように、マップ上で、撮影室Ra1のブッキー装置51Aに当該FPDカセッテ1のカセッテID(例えば「FPD−001」)を対応付けて管理するようになっている。
管理装置Sは、このようにして、FPDカセッテ1がどの撮影室Raのどの撮影装置の近傍に存在するか(或いはブッキー装置51であればどのブッキー装置51に装填されているか)、すなわちFPDカセッテ1の撮影室Ra内での存在場所を認識して管理するようになっている。
なお、図18に示したマップでは、撮影室Ra1内に、さらにカセッテID「FPD−003」、「FPD−004」の各FPDカセッテ1が持ち込まれていて撮影室Ra1内には存在するが、それらのFPDカセッテ1が何れの撮影装置の近傍にも存在しないことも示されている。
一方、上記のようにして、撮影室Ra1内の立位撮影用のブッキー装置51Aに装填されたFPDカセッテ1が、撮影が終了する等して撮影者により引き抜かれた場合でも、上記のように、FPDカセッテ1は、立位撮影用のブッキー装置51Aに対応付けられたアクセスポイント53の識別情報通知手段53aのAPIDを取得したままであり、立位撮影用のブッキー装置51Aに対応付けられたアクセスポイント53としか通信できない状態になっている。
そこで、例えば撮影者の操作により、FPDカセッテ1に対するAPIDの設定が解除される。FPDカセッテ1は、APIDの設定が解除されると、前述した、アンテナ装置41から撮影室Ra1内の各アクセスポイント53に対して信号を常時或いは定期的に発信し、それに対する各アクセスポイント53からの応答信号の信号強度SIを測定する状態に戻る。
しかし、例えば抜き出された立位撮影用のブッキー装置51Aの近傍でAPIDが解除されると、各アクセスポイント53からの応答信号の各信号強度SIa、SIb、SIpは上記(3)式の関係を満たしてしまい、FPDカセッテ1は、立位撮影用のブッキー装置51Aに対応付けられたアクセスポイント53としか通信できない状態に戻ってしまう。
このような事態が生じることを回避するため、例えば、上記のようにAPIDの設定が解除された後、一定時間(アンテナ装置41から信号を常時発信する場合)或いは所定回数(アンテナ装置41から信号を定期的に発信する場合)に達しないうちに上記(3)式の関係から上記(2)式の関係になった場合には、各アクセスポイント53からの応答信号の信号強度SIを測定する状態を継続するように構成する。
また、APIDが解除されてから一定時間或いは所定回数連続して上記(3)式の関係が満たされた場合には、撮影者は、当該FPDカセッテ1を引き続き立位撮影用のブッキー装置51Aに装填して使用したい(或いはその近傍に置いておきたい)と希望していると考えられるため、FPDカセッテ1は、再度、立位撮影用のブッキー装置51Aに対応付けられたアクセスポイント53の識別情報通知手段53aからAPIDを取得して当該アクセスポイント53としか通信できない状態に戻るように構成することが望ましい。
なお、上記(3)式を満たさなくなった時点で、当該FPDカセッテ1から送信されてくる信号にはAPIDが付帯されなくなるため、管理装置Sは、メモリ上での立位撮影用のブッキー装置のブッキーIDとFPDカセッテ1のカセッテIDとの対応付けを削除する。なお、信号にSSIDは付帯されているため、撮影室Ra1の識別情報とFPDカセッテ1のカセッテIDとの対応付けは削除されない。
そのため、この場合、図18に示したマップ上でのブッキー装置51Aと当該FPDカセッテ1のカセッテID「FPD−001」との対応付けは解消され、図示を省略するが、カセッテID「FPD−001」は、撮影室Ra1の欄のカセッテID「FPD−003」や「FPD−004」と同列に表示されるようになる。
一方、例えば、図18のマップに示した状態で、撮影者が、今度は、撮影室Ra1内に持ち込んだ例えばカセッテID「FPD−003」のFPDカセッテ1に対して同様の処理を行い、臥位撮影用のブッキー装置51Bの所に持って行くと、臥位撮影用のブッキー装置51Bに対応付けられたアクセスポイント53での信号強度SIbが下記(4)式の関係を満たす状態になる。
SIb≧SIth>SIa、SIp …(4)
そのため、カセッテID「FPD−003」のFPDカセッテ1は、臥位撮影用のブッキー装置51Bに対応付けられたアクセスポイント53のみを介して通信できる状態になり、当該FPDカセッテ1から当該アクセスポイント53を介して自己のカセッテID(すなわち「FPD−003」)とSSIDとAPIDが管理装置Sに送信される。
そして、管理装置Sは、この時点で、テーブルを参照して、メモリに記憶された撮影室Ra1の臥位撮影用のブッキー装置51BのブッキーIDに、当該FPDカセッテ1のカセッテID「FPD−003」を対応付ける。
このようにして、管理装置Sは、カセッテID「FPD−003」のFPDカセッテ1が撮影室Ra1の臥位撮影用のブッキー装置51Bやその近傍の場所に存在すること(すなわちブッキー装置51Bに装填されたり或いはその近傍に存在すること)を認識するようになっている。
そして、図19に示すように、マップ上では、撮影室Ra1のブッキー装置51AにFPDカセッテ1のカセッテID「FPD−001」が対応付けられ、さらにブッキー装置51Bに別のFPDカセッテ1のカセッテID「FPD−003」が対応付けられた状態になる。
また、例えば、カセッテID「FPD−004」のFPDカセッテ1がポータブルの放射線源52P(図2参照)近傍の区域に持ち運ばれれば、図示を省略するが、管理装置Sのマップ上では、ポータブルの放射線源52PとFPDカセッテ1のカセッテID「FPD−004」とが対応付けられた状態になる。
このようにして、管理装置Sは、図2に示したように、撮影室Ra内に複数のアクセスポイント53が設けられている場合には、FPDカセッテ1から発信された信号が何れのアクセスポイント53から送信されてきたか(すなわち本実施形態では信号に付帯されているAPID)に基づいて、撮影室Ra内におけるFPDカセッテ1の存在場所を特定して管理するようになっている。また、図1に示した各撮影室Ra1〜Ra3内にそれぞれ複数のアクセスポイント53が設けられている場合にも、同様にして、各撮影室Ra1〜Ra3内におけるFPDカセッテ1の存在場所をそれぞれ特定して管理するようになっている。
一方、各撮影室Raに1つずつアクセスポイント53が設けられている場合(図1参照)も複数のアクセスポイント53が設けられている場合(図2参照)も、何れの場合も、管理装置Sは、コンソールC等の外部装置から個々のFPDカセッテ1の存在場所の問い合わせがあった場合には、当該FPDカセッテ1の存在場所の情報(すなわち撮影室Raの情報、或いは撮影室Raと撮影装置の情報)を通知するようになっている。
また、コンソールC等の外部装置から各FPDカセッテ1の存在状況の問い合わせがあった場合には、管理装置Sは、図17〜図19に示したようなマップの情報を通知するようになっている。
なお、上記のように、FPDカセッテ1で信号強度SIa、Sib、SIpと閾値Sithとの比較処理を、管理装置SやコンソールCで行うように構成することも可能である。なお、比較処理をコンソールCで行う場合、その結果が管理装置Sに送信される。
すなわち、この場合、撮影室Raに持ち込まれたFPDカセッテ1からの信号が、撮影室Ra内の複数のアクセスポイント53でそれぞれ受信されて管理装置S(またはコンソールC。以下同じ)にそれぞれ送信される。その際、アクセスポイント53を介して送信される信号に識別情報通知手段53aがそれぞれAPIDを付帯させて送信する。
そして、管理装置Sで、各アクセスポイント53から送信されてきた信号の各信号強度SIa、Sib、SIpと閾値Sithとを比較し、閾値SIth以上の信号強度SIの信号が送信されてきた場合には、その信号に付帯されているAPIDを撮影室Ra内のFPDカセッテ1に送信する。
このように構成すれば、それ以後、FPDカセッテ1からは、当該APIDが割り当てられた識別情報通知手段53aが取り付けられたアクセスポイント53のみを介して信号や画像データD等の送信等が行われるようになる。また、管理装置Sに送信される信号には、FPDカセッテ1のカセッテIDとSSIDのほかにAPIDも付帯されて送信されてくるため、管理装置Sは、そのAPIDに基づいて、当該FPDカセッテ1の撮影室Ra内での存在場所を特定して管理することが可能となる。
以上のように、本実施形態に係る放射線画像撮影システム50によれば、管理装置Sが、FPDカセッテ1の無線通信手段(すなわちアンテナ装置41)から発信された信号(例えばカセッテID)に付帯されている各アクセスポイント53の識別情報(すなわち本実施形態ではSSID)や各アクセスポイント53に取り付けられた識別情報通知手段53aのAPIDに基づき、送信されてきた信号が何れの区域(撮影室Raや撮影室Ra内の場所)に対応付けられたアクセスポイント53を介して送信されてきたかに基づいて、FPDカセッテ1が複数の区域のうちの何れの区域に存在するかを認識して管理するように構成した。
そのため、放射線技師等の撮影者が、撮影に使いたいFPDカセッテ1が現在何れの撮影室Raに存在するかを知りたい場合には、管理装置Sに問い合わせることにより容易に知ることが可能なり、FPDカセッテ1を含む放射線画像撮影システム50が、撮影者にとって非常に使い勝手が良いものとなる。
また、前述した特許文献5に記載されているように、FPDカセッテ1にRFIDタグを設けて各撮影室Raにタグリーダを設けたり、或いは、クレードル55(図2参照)でFPDカセッテ1のカセッテIDを読み取ったりするように構成しなくても、FPDカセッテ1に既設の無線通信手段や、撮影室Raに既設のアクセスポイント53を用いるだけで(或いは既設のアクセスポイント53に簡単な識別情報通知手段53aを取り付けるだけで)、上記のように、各FPDカセッテ1が存在する区域(撮影室Ra)や存在場所(撮影室Ra内の場所)を特定することが可能となる。
このように、本実施形態に係る放射線画像撮影システム50を構築するために、現状の放射線画像撮影システムを構築し直す必要がなくなる。或いは、必要に応じて簡単な構造のアクセスポイント53を増設したり識別情報通知手段53aを取り付けるだけで構築することができるため、非常に安価に放射線画像撮影システム50を構築することが可能となる。
なお、図2では、各撮影室Ra内に、3つのアクセスポイント53、すなわち立位撮影用や臥位撮影用のブッキー装置51A、51Bとポータブルの放射線源52Pにそれぞれ対応付けられたアクセスポイント53が設けられた場合について説明したが、アクセスポイント53の個数や撮影室Ra内での設置場所は任意に決めることが可能である。
また、上記の実施形態では、放射線技師等の撮影者が、撮影室RaにFPDカセッテ1を持ち込んだ際にポーリング操作を行って、当該撮影室Raに対応付けられたSSIDを取得する場合について説明したが、例えば、各撮影室Ra1〜Ra3内に設けられた各アクセスポイント53に割り当てられているSSIDを、予めFPDカセッテ1に全てインストールしておき、撮影室Raに持ち込まれたFPDカセッテ1が、自己のカセッテIDを送信する際に、予めインストールされていた各SSIDを順次切り替えて送信するように構成することも可能である。
なお、ここでは、撮影室Ra1、Ra2、Ra3内の各アクセスポイント53のSSIDを、SSID−Ra1、SSID−Ra2、SSID−Ra3という。
このように構成すれば、例えば撮影室Ra3にFPDカセッテ1が持ち込まれた場合、SSID−Ra1およびSSID−Ra2では送信不可能であるが、SSID−Ra3に切り替えて送信すると送信可能になる。そのため、FPDカセッテ1のカセッテIDが管理装置Sに送信され、管理装置Sは、当該FPDカセッテ1の現在の存在場所(すなわちこの場合は撮影室Ra3)を認識して管理することが可能になる。
そして、この場合、FPDカセッテ1自身が当該SSID−Ra3による通信成功を判断したり、或いは、管理装置Sからアクセスポイント53を経由した無線指示により、SSID−Ra1やSSID−Ra2への切替処理を中止し、SSID−Ra3を使用する状態を維持するように構成すれば、撮影室Ra3内の当該FPDカセッテ1が、管理装置Sに信号を送信したり、撮影時のコンソールCとの信号のやり取りやコンソールCへの画像データD等の送信等を的確に行うことが可能となる。
また、FPDカセッテ1からSSID−Ra1やSSID−Ra2を用いた通信(送信)を行わなくて済むようになるため、FPDカセッテ1に内蔵されたバッテリ24(図9参照)の消耗を防ぐことが可能となる。
また、当該FPDカセッテ1が撮影室Ra3から持ち出されて撮影室Ra1に持ち込まれた場合、当該FPDカセッテ1は、引き続きSSID−Ra3を用いて通信を行おうとするが、撮影室Ra1内のアクセスポイント53は、SSID−Ra3では通信を行えない。そこで、FPDカセッテ1は、再度、SSID−Ra1から順に通信(送信)にトライすることになる。
そして、この場合は、この最初のSSID−Ra1の段階で通信(送信)可能になり、上記のように、SSID−Ra2やSSID−Ra3への切替処理が中止されて、SSID−Ra1を使用する状態が維持される。そのため、撮影室Ra1内の当該FPDカセッテ1が、管理装置Sに信号を送信したり、撮影時のコンソールCとの信号のやり取りやコンソールCへの画像データD等の送信等を的確に行うことが可能となるとともに、バッテリ24の消耗を防止することが可能となる。
また、各撮影室Ra内に複数のアクセスポイント53が設けられている場合も、同様に構成することができる。この場合、同一の撮影室Ra内の各アクセスポイント53には、互いに異なるSSIDを割り当てておく(なお、この場合、識別情報通知手段53aを取り付ける必要はない。)。また、管理装置Sには、どの撮影室RaにどのSSIDが割り当てられているかを表すテーブルを予め保存しておく。
そして、FPDカセッテ1に、各撮影室Ra内に設けられた各アクセスポイント53に割り当てられているSSIDを予め全てインストールしておき、撮影室Raに持ち込まれたFPDカセッテ1が、自己のカセッテIDを送信する際に、予めインストールされていた各SSIDを順次切り替えて送信するように構成する。
そして、FPDカセッテ1は、通信が成功したSSIDを用いて、それ以後、通信(送信)を行う。また、管理装置Sは、FPDカセッテ1から送信されてきたカセッテIDとそれに付帯されているSSIDを参照することにより、当該FPDカセッテ1が、現在、どの撮影室Raに存在し、何れの撮影装置の近傍に存在するかを認識して、当該FPDカセッテ1の存在場所を的確に特定して管理することが可能になる。
[第2の実施の形態]
上記の第1の実施形態では、図1や図2に示したように、FPDカセッテ1が撮影室Ra内に持ち込まれ、立位撮影用や臥位撮影用のブッキー装置51A、51Bに装填される等して用いられることを想定した場合について説明した。
しかし、FPDカセッテ1は可搬性を有するため、上記のように、撮影室Ra内だけでなく、例えば、図20に示すように、ポータブルの放射線発生装置57が搭載された回診車とともに病室Rcに持ち込まれ、例えばベッドBに寝ている患者Hの身体とベッドBとの間に差し込まれる等して、ポータブルの放射線源52Pから放射線が照射されて、放射線画像撮影が行われる場合もある。
このような場合にも、上記の放射線画像撮影システム50を応用して適用することが可能である。なお、図20では、回診車にコンソールCも搭載されている場合が示されているが、コンソールCは、図1に示したように、ネットワークNを介して別の場所に設けられていてもよい。
この場合、例えば、患者Hが心臓にペースメーカーを埋め込んでいる場合もあり、各病室Rc内で、FPDカセッテ1から無線で信号を送信することは回避されるべきであるため、通常、各病室Rc内にはアクセスポイント53を設けることができない。
そこで、例えば、病院の病室Rcが設けられたフロア(階)の所定の場所にアクセスポイント53を設けるように構成することができる。例えば、各病室Rcが設けられたフロアが広い場合には、当該フロアの東側と西側等の複数の場所にそれぞれアクセスポイント53を設けることができる。この場合、当該フロアの東側と西側が、それぞれFPDカセッテ1が存在し得る区域ということになる。
また、第1の実施形態の場合と同様に、各アクセスポイント53には、それぞれ互いに異なる識別情報(SSID)が付与されている。
そして、この場合、放射線技師等の撮影者が、FPDカセッテ1をアクセスポイント53の所まで持参して、その都度、FPDカセッテ1を操作してポーリングを行い、アクセスポイント53からSSIDを取得する。そして、FPDカセッテ1から当該アクセスポイント53を介して自己のカセッテIDにSSIDを付帯させて送信させるようにする。
ネットワークN等を介して当該アクセスポイント53に接続されている管理装置Sは、当該フロアにおけるアクセスポイント53の設置区域(すなわち例えば東側や西側)と各アクセスポイント53の各SSIDとをそれぞれ対応付けるテーブルをROM等のメモリ内に有しておく。
そして、管理装置Sは、上記と各撮影室Raに1つずつアクセスポイント53が設けられている場合と同様にして、当該フロアのいずれかのアクセスポイント53から、FPDカセッテ1のカセッテIDにアクセスポイント53のSSIDが付帯されて送信されてくると、テーブルを参照して、RAM等のメモリに記憶された、アクセスポイント53のSSIDに対応する設置区域を表す識別情報に、当該FPDカセッテ1のカセッテIDを対応付ける。
また、管理装置Sは、FPDカセッテ1が撮影者に持ち運ばれて、当該フロアの別のアクセスポイント53から当該FPDカセッテ1のカセッテIDと当該別のアクセスポイント53のSSIDが送信されてくると、テーブルを参照して、SSIDに基づいて当該別のアクセスポイント53の設置区域を割り出す。
そして、当該別のアクセスポイント53の設置区域を表す識別情報に、当該FPDカセッテ1のカセッテIDを対応付けるとともに、元のアクセスポイント53の設置区域を表す識別情報と当該FPDカセッテ1のカセッテIDとの対応付けを削除する。
このようにして、管理装置Sは、各FPDカセッテ1が、現在、当該フロアにおける各アクセスポイント53の設置区域(すなわち例えば東側や西側)の何れの区域に存在するかを認識して管理することが可能となる。
一方、規模が大きな病院等では、病室Rcが病院内の複数のフロア(階)に設けられていたり、病室Rc等が複数の建物(病棟等)に分かれて設けられている場合もある。
このような場合でも、上記と同様にして、例えば図21に示すように病院内の各フロアにそれぞれアクセスポイント53を設けておき、撮影者が回診車(図20参照)とともにFPDカセッテ1を持参して各フロアに移動するごとに、アクセスポイント53の所まで持参して、その都度、FPDカセッテ1を操作して、FPDカセッテ1からアクセスポイント53を介して管理装置Sに、SSIDを付帯させたカセッテIDを送信させるようにする。
また、図示を省略するが、各建物にそれぞれアクセスポイント53を設けておき、撮影者がFPDカセッテ1を持参して各建物に入るごとに、アクセスポイント53の所まで持参して、その都度、FPDカセッテ1を操作して、FPDカセッテ1からアクセスポイント53を介して管理装置Sに、SSIDを付帯させたカセッテIDを送信させるようにする。
その際、各アクセスポイント53には互いに異なる識別情報(SSID)を付与しておく。このように構成すれば、上記と同様にして、管理装置Sは、各FPDカセッテ1が、現在、何れのフロア、或いは何れの建物内に存在するかを的確に認識して管理することが可能となる。
以上のように、本実施形態に係る放射線画像撮影システム50によれば、FPDカセッテ1を持ち込み得る病院の各フロアや各建物等の各区域にそれぞれ識別情報(すなわち本実施形態ではSSID)が互いに異なるアクセスポイント53を設け、管理装置Sが、FPDカセッテ1の無線通信手段(すなわちアンテナ装置41)から発信された信号(例えばカセッテID)に付帯されている各アクセスポイント53の識別情報に基づき、送信されてきた信号が何れの区域(フロアや建物等)に対応付けられたアクセスポイント53を介して送信されてきたかに基づいて、FPDカセッテ1が複数の区域のうちの何れの区域に存在するかを認識して管理するように構成した。
そのため、管理装置Sで各FPDカセッテ1がいずれかのフロアに存在するかや、何れの建物内に存在するか等を的確に把握することが可能となり、第1の実施形態の場合と同様の有益な効果を発揮することが可能となり、FPDカセッテ1を含む放射線画像撮影システム50が、撮影者にとって非常に使い勝手が良いものとなる。
また、病院の各フロアや各建物等に既設のアクセスポイント53を用いたり、新たに簡単なアクセスポイント53を設けるだけで、上記のように、各FPDカセッテ1が存在する区域を特定することが可能となるため、非常に安価に放射線画像撮影システム50を構築することが可能となる。
なお、第1の実施形態で説明した、FPDカセッテ1が存在し得る各区域として各撮影室Raや各撮影室Ra内の場所を対象として管理する管理装置S(以下、第1管理装置S1という。)と、第2実施形態で説明した、FPDカセッテ1を持ち込み得る各区域として病院の各フロアや各建物等の各領域を対象として管理する管理装置S(以下、第2管理装置S2)とを別体として設け、第1管理装置S1と第2管理装置S2とが、互いに相手から、FPDカセッテ1が存在する区域の情報を入手できるように構成することも可能である。
このように構成すれば、各管理区域ごとに管理装置Sを的確に設けて各FPDカセッテ1の存在区域を的確に管理することが可能となるとともに、それらを互いにリンクさせることで、放射線技師等の撮影者が、第1管理装置S1や第2管理装置S2のいずれかの管理装置Sを操作したり、いずれかの管理装置Sにアクセスすることで、各撮影室Ra(或いは各撮影室Ra内の場所)や病院の各フロア、各建物など、FPDカセッテ1を持ち込み可能な各区域に存在するFPDカセッテ1の存在区域の情報を、容易かつ確実に入手することが可能となる。
また、FPDカセッテ1が存在し得る各区域として、各撮影室Raや各撮影室Ra内の場所、病院の各フロア、各建物等の各領域の全てを対象として管理する管理装置Sを設けるように構成することも可能である。
このように構成すれば、各撮影室Ra(或いは各撮影室Ra内の場所)や病院の各フロア、各建物など、FPDカセッテ1を持ち込み可能な各区域の全てを管理装置Sが一元的に管理することが可能となり、放射線技師等の撮影者が、管理装置Sを操作したりアクセスすることで、FPDカセッテ1を持ち込み可能な各区域に存在するFPDカセッテ1の存在区域の情報を、容易かつ確実に入手することが可能となる。
なお、上記の第2の実施形態では、患者等に悪影響が生じないようにするために、例えば、通常時には、各アクセスポイント53を停止させておき、カセッテID等の識別情報をFPDカセッテ1から管理装置Sに送信させる際に、例えば撮影者が手動でアクセスポイント53を起動させるように構成することも可能である。
また、その他、本発明が上記の実施形態や変形例に限定されず、適宜変更可能であることはいうまでもない。
1 FPDカセッテ
7 放射線検出素子
41 アンテナ装置(無線通信手段)
50 放射線画像撮影システム
51、51A、51B ブッキー装置(撮影装置)
52 放射線源
52P ポータブルの放射線源(撮影装置)
53 アクセスポイント
D 画像データ
Ra、Ra1〜Ra3 撮影室(区域)
S 管理装置
S1 第1管理装置
S2 第2管理装置

Claims (11)

  1. 少なくとも、
    二次元状に配列された複数の放射線検出素子を備え、放射線の照射により前記各放射線検出素子内で発生した電荷を画像データとして読み出すとともに無線通信手段を備えたFPDカセッテと、
    前記FPDカセッテに放射線を照射する放射線源と、
    が配置され、または配置されることが可能であり、かつ、
    前記FPDカセッテから送信された信号を受信可能なアクセスポイント
    がそれぞれ設けられた複数の区域を有し、
    さらに、前記複数の区域にそれぞれ設けられた前記アクセスポイントとそれぞれ通信可能な管理装置を備え、
    前記アクセスポイントは、当該アクセスポイントの識別情報に合致する通信設定がなされた前記FPDカセッテから送信された信号のみを前記管理装置に送信し、
    前記管理装置は、送信されてきた前記信号が何れの前記区域に対応付けられた前記アクセスポイントを介して送信されてきたかに基づいて、前記FPDカセッテが、前記複数の区域のうちの何れの前記区域に存在するかを認識して管理することを特徴とする放射線画像撮影システム。
  2. 前記FPDカセッテは、複数存在し、
    前記管理装置は、前記複数のFPDカセッテの各々について前記複数の区域のうちの何れの前記区域に存在するかをそれぞれ認識して管理することを特徴とする請求項1に記載の放射線画像撮影システム。
  3. 前記複数の区域は、少なくとも前記放射線源と前記アクセスポイントとが設置された複数の撮影室であり、
    前記管理装置は、前記複数の撮影室にそれぞれ設けられた前記アクセスポイントと通信可能とされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の放射線画像撮影システム。
  4. 前記複数の区域は、前記FPDカセッテが持ち込まれることが可能な複数の領域であり、
    前記管理装置は、前記複数の領域にそれぞれ設けられた前記アクセスポイントと通信可能とされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の放射線画像撮影システム。
  5. 前記複数の区域は、少なくとも前記放射線源と前記アクセスポイントとが設置された複数の撮影室と、前記FPDカセッテが持ち込まれることが可能な複数の領域を含み、
    前記管理装置は、前記複数の撮影室および前記複数の領域にそれぞれ設けられた前記アクセスポイントと通信可能とされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の放射線画像撮影システム。
  6. 前記複数の区域は、少なくとも前記放射線源と前記アクセスポイントとが設置された複数の撮影室と、前記FPDカセッテが持ち込まれることが可能な複数の領域を含み、
    前記複数の撮影室にそれぞれ設けられた前記アクセスポイントと通信可能な第1管理装置と、
    前記複数の領域にそれぞれ設けられた前記アクセスポイントと通信可能な第2管理装置と、
    を備え、
    前記第1管理装置と前記第2管理装置は、互いに相手から、前記FPDカセッテが存在する前記区域の情報を入手できるように構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に放射線画像撮影システム。
  7. 前記撮影室内には、前記FPDカセッテを用いて放射線画像撮影を行うための複数の撮影装置が設けられており、
    前記アクセスポイントは、前記複数の撮影装置にそれぞれ対応付けられおり、かつ、前記撮影装置またはその近傍にそれぞれ設けられており、
    前記管理装置は、前記FPDカセッテの信号が何れの前記アクセスポイントから送信されてきたかに基づいて、前記撮影室内における前記FPDカセッテの存在場所を特定して管理することを特徴とする請求項3、請求項5、請求項6のいずれか一項に記載の放射線画像撮影システム。
  8. 前記撮影装置は、前記FPDカセッテを装填して用いることが可能なブッキー装置であることを特徴とする請求項7に記載の放射線画像撮影システム。
  9. 前記撮影装置は、ブッキー装置に装填されない単独の状態の前記FPDカセッテに対して放射線を照射するポータブルの放射線源であることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の放射線画像撮影システム。
  10. 前記複数の領域は、病院内の複数のフロアであり、
    前記アクセスポイントは、前記フロアに少なくとも1つ設けられていることを特徴とする請求項4から請求項9のいずれか一項に記載の放射線画像撮影システム。
  11. 前記複数の領域は、複数の建物であり、
    前記アクセスポイントは、前記建物に少なくとも1つ設けられていることを特徴とする請求項4から請求項10のいずれか一項に記載の放射線画像撮影システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020213563A1 (ja) * 2019-04-16 2020-10-22 キヤノン株式会社 放射線撮像システム及び放射線撮像システムの制御方法
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JP2020174789A (ja) * 2019-04-16 2020-10-29 キヤノン株式会社 放射線撮像システム及び放射線撮像システムの制御方法
JP2023004682A (ja) * 2021-06-28 2023-01-17 キヤノン株式会社 放射線撮影システム、放射線撮影装置、および制御装置

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