JP2012174840A - 配線回路基板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】導通検査を確実に実施することができ、接続信頼性に優れる配線回路基板およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】回路付サスペンション基板1は、厚み方向を貫通するベース開口部11が形成されたベース絶縁層3と、ベース絶縁層3の上に形成される配線、および、配線に接続される外部側端子7を備える導体パターンとを備え、外部側端子7は、ベース絶縁層3のベース開口部11内に充填される充填部14と、充填部14に連続し、充填部14から上側に突出するように形成される第1突出部16と、充填部14に連続し、充填部14から下側に突出するように形成される第2突出部17とを備えている。
【選択図】図4
【解決手段】回路付サスペンション基板1は、厚み方向を貫通するベース開口部11が形成されたベース絶縁層3と、ベース絶縁層3の上に形成される配線、および、配線に接続される外部側端子7を備える導体パターンとを備え、外部側端子7は、ベース絶縁層3のベース開口部11内に充填される充填部14と、充填部14に連続し、充填部14から上側に突出するように形成される第1突出部16と、充填部14に連続し、充填部14から下側に突出するように形成される第2突出部17とを備えている。
【選択図】図4
Description
本発明は、配線回路基板およびその製造方法、詳しくは、導通検査に供される配線回路基板およびその製造方法に関する。
回路付サスペンション基板などの配線回路基板は、導体パターンを備えており、導体パターンが、導通検査に供された後、磁気ヘッドおよび外部基板と電気的に接続される。
そのような回路付サスペンション基板は、金属支持基板と、その上に形成されるベース絶縁層と、その上に形成される導体パターンと、それを被覆するカバー絶縁層とを備えている。また、導体パターンは、端子と、それに接続される配線とを備えている。そのような回路付サスペンション基板では、まず、端子に導通検査の検査用プローブが接続され、その後、端子に磁気ヘッドや外部基板の接続端子が電気的に接続される。
具体的には、端子を、ベース絶縁層の開口部内に落ち込むように充填し、充填された端子の裏面を、支持基板から露出させるとともに、端子の表面を、カバー絶縁層から露出するフライングリードとして形成することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1では、端子の裏面に、検査用プローブを接触させて、端子を含む導体パターンの導通検査を実施し、その後、端子の表面に制御回路基板の接続端子を接触させて、それらの電気的な接続を図っている。
また、特許文献1では、検査用プローブと制御回路基板との配置を上下反転させて、それらと、端子との電気的な接続を図る場合もある。
しかるに、特許文献1の回路付サスペンション基板の端子の表面に、制御回路基板の接続端子を上側から接触させようとすると、端子がベース絶縁層の開口部内に落ち込んでいるため、制御回路基板の接続端子が端子の表面に接触しにくく、そのため、制御回路基板の接続端子と回路付サスペンション基板の端子との電気的な接続を確実に図ることができない場合がある。そうすると、導体パターンと制御回路基板との接続信頼性が低下するという不具合がある。
また、検査用プローブと制御回路基板との配置を上下反転させる場合において、端子の表面に、検査用プローブを上側から接触させようとすると、端子がベース絶縁層の開口部内に落ち込んでいるため、検査用プローブが端子の表面に接触しにくく、そのため、検査用プローブと回路付サスペンション基板の端子との電気的な接続を確実に図ることができない場合がある。そうすると、検査用プローブによる導通検査を確実に実施することができないという不具合がある。
本発明の目的は、導通検査を確実に実施することができ、接続信頼性に優れる配線回路基板およびその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の配線回路基板は、厚み方向を貫通する絶縁開口部が形成された絶縁層と、前記絶縁層の上に形成される配線、および、前記配線に接続される端子を備える導体パターンとを備え、前記端子は、前記絶縁層の前記絶縁開口部内に充填される充填部と、前記充填部に連続し、前記充填部から厚み方向一方側に突出するように形成される第1突出部と、前記充填部に連続し、前記充填部から厚み方向他方側に突出するように形成される第2突出部とを備えていることを特徴としている。
また、本発明の配線回路基板では、前記第1突出部が、前記配線に連続していることが好適である。
また、本発明の配線回路基板の製造方法は、厚み方向を貫通する絶縁開口部が形成された絶縁層を形成する工程、および、前記絶縁層の上に形成される配線、および、前記配線に接続される端子を備える導体パターンを形成する工程を備え、前記導体パターンを形成する工程において、前記端子が、前記絶縁層の前記絶縁開口部内に充填される充填部と、前記充填部に連続し、前記充填部から厚み方向一方側に突出するように形成される第1突出部と、前記充填部に連続し、前記充填部から厚み方向他方側に突出するように形成される第2突出部とを備えるように、前記導体パターンを形成することを特徴としている。
本発明の配線回路基板の製造方法により得られる本発明の配線回路基板では、端子が、充填部と第1突出部と第2突出部とを備えているので、検査機器のプローブを第1突出部および第2突出部のいずれか一方に近接させれば、プローブを一方に確実に接触させることができながら、接続端子を他方に確実に接触させることができる。
そのため、端子とプローブとの電気的な接続、および、端子と外部基板の接続端子との電気的な接続の両方を確実に図ることができる。
その結果、導体パターンの導通検査を確実に実施しながら、導体パターンの接続信頼性を向上させることができる。
図1は、本発明の配線回路基板の一実施形態としての回路付サスペンション基板の平面図、図2は、図1に示す回路付サスペンション基板の後端部の拡大平面図、図3は、図1に示す回路付サスペンション基板の後端部の拡大底面図、図4は、図1に示す回路付サスペンション基板の後端部における断面図であって、図2のA−A線に沿う断面図、図5は、図1に示す回路付サスペンション基板の後端部における断面図であって、図2のB−B線に沿う断面図、図6は、図1に示す回路付サスペンション基板を製造する方法を説明する工程図、図7は、図6(d)の導体パターンを形成する工程を説明する工程図を示す。
なお、図1および図2において、導体パターン4の相対配置を明確に示すため、カバー絶縁層5を省略している。また、図1において、導体パターン4の相対配置を明確に示すため、ベース絶縁層3を省略している。さらに、図2および図3において、外部側端子7の相対配置を明確に示すため、めっき層22を省略している。
図1において、この回路付サスペンション基板1は、磁気ヘッドが実装されるスライダ9(仮想線)と、外部基板25(図4および図5の仮想線参照)とを実装して、ハードディスクドライブに搭載される。
回路付サスペンション基板1は、長手方向に延びる平帯状に形成されており、金属支持基板2と、それに支持される導体パターン4とを備えている。
金属支持基板2は、回路付サスペンション基板1の平面形状に対応する形状に形成されている。
金属支持基板2の先端部(長手方向一端部)には、スリット21が厚み方向を貫通するように形成されている。スリット21は、先後方向に互いに間隔を隔てて配置されている。
金属支持基板2の後端部(長手方向他端部)には、支持開口部12が厚み方向を貫通するように形成されている。支持開口部12は、幅方向(先後方向に直交する方向)に長い平面視略矩形状に形成されている。
導体パターン4は、金属支持基板2の先端部に形成されるヘッド側端子6と、金属支持基板2の後端部に形成される端子としての外部側端子7と、ヘッド側端子6と外部側端子7とを電気的に接続する配線8とを一体的に備えている。
ヘッド側端子6は、先後方向において、スリット21に挟まれるように配置されている。
外部側端子7は、厚み方向に投影したときに、金属支持基板2の支持開口部12に囲まれるように配置されている。
そして、この回路付サスペンション基板1は、図4および図5に示すように、金属支持基板2と、金属支持基板2の上に形成される絶縁層としてのベース絶縁層3と、ベース絶縁層3の上に形成される導体パターン4と、ベース絶縁層3の上に、導体パターン4を被覆するように形成されるカバー絶縁層5とを備えている。
金属支持基板2を形成する金属材料としては、例えば、ステンレス、42アロイ、アルミニウム、銅−ベリリウム、りん青銅などが挙げられる。好ましくは、ステンレスが挙げられる。
金属支持基板2の厚みは、例えば、10〜50μm、好ましくは、12〜30μmである。
ベース絶縁層3は、金属支持基板2の上面において、導体パターン4に対応するパターンに形成されている。また、ベース絶縁層3には、その後端部において、厚み方向を貫通する絶縁開口部としてのベース開口部11が、外部側端子7に対応するように形成されている。
ベース絶縁層3を形成する絶縁材料としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などの合成樹脂などが挙げられる。好ましくは、ポリイミド樹脂が挙げられる。
ベース絶縁層3の厚みは、例えば、1〜35μm、好ましくは、3〜33μmである。
導体パターン4は、上記したヘッド側端子6(図1参照)と、外部側端子7と、配線8とを備える配線回路パターンとして形成されている。
ヘッド側端子6は、図1に示すように、ベース絶縁層3(図2および図5参照)の上に、幅方向に間隔を隔てて複数整列配置され、各ヘッド側端子6は、先後方向に長い平面視略矩形状に形成されている。
外部側端子7は、図2に示すように、ベース絶縁層3(図4および図5参照)の上に、幅方向に間隔を隔てて複数整列配置され、各外部側端子7は、先後方向に長い平面視略矩形状に形成されている。
配線8は、図1に示すように、ベース絶縁層3(図2および図5参照)の上に、ヘッド側端子6の後端部および外部側端子7の先端部に連続するように形成されている。
導体パターン4を形成する導体材料としては、例えば、銅、ニッケル、クロム、金、はんだまたはこれらの合金などが挙げられる。好ましくは、銅が挙げられる。
各ヘッド側端子6の幅(幅方向長さ)は、例えば、10〜250μm、好ましくは、20〜100μmであり、各ヘッド側端子6の長さ(先後方向長さ)は、例えば、10〜2060μm、好ましくは、20〜560μmである。各ヘッド側端子6間の間隔は、例えば、20〜1000μm、好ましくは、30〜800μmである。
また、各配線8の幅は、例えば、5〜200μm、好ましくは、8〜100μmである。また、各配線8間の間隔は、例えば、5〜200μm、好ましくは、8〜100μmである。
なお、外部側端子7の寸法は、後で詳述する。
配線8およびヘッド側端子6の厚みは、例えば、3〜50μm、好ましくは、5〜20μmである。
カバー絶縁層5は、図4および図5示すように、導体パターン4から露出するベース絶縁層3の上面と、配線8の上面および側面(図5において図示されず)とに形成されている。また、カバー絶縁層5は、ヘッド側端子6および外部側端子7を露出するように形成されている。
カバー絶縁層5を形成する絶縁材料としては、ベース絶縁層を形成する絶縁材料と同様のものが挙げられる。また、カバー絶縁層5の厚みは、例えば、2〜20μm、好ましくは、4〜15μmである。
次に、回路付サスペンション基板1の後端部について、図2〜図5を参照して詳述する。
図3に示すように、回路付サスペンション基板1の後端部では、金属支持基板2に支持開口部12が形成されており、支持開口部12は、厚み方向に投影したときに、ベース開口部11を含むように、形成されている。
ベース開口部11は、厚み方向に投影したときに、支持開口部12に囲まれており、先後方向に長い平面視略矩形状に形成され、ヘッド側端子6に対応して、複数形成されている。各ベース開口部11は、幅方向に間隔を隔てて整列配置されている。
ベース開口部11の幅は、例えば、10〜1000μm、好ましくは、30〜600μmであり、長さは、例えば、40〜2000μm、好ましくは、60〜1000μmである。また、各ベース開口部11間の間隔は、例えば、20〜1000μm、好ましくは、30〜800μmである。
外部側端子7は、厚み方向に投影したときに、支持開口部12に含まれるように形成されている。外部側端子7は、図4および図5に示すように、ベース絶縁層3の各ベース開口部11内に充填される充填部14と、充填部14に連続し、充填部14から上側(厚み方向一方側)に突出するように形成される第1突出部16と、充填部14に連続し、充填部14から下側(厚み方向他方側)に突出するように形成される第2突出部17とを備えている。
充填部14は、ベース開口部11に対応する形状に形成されている。充填部14の厚みは、ベース絶縁層3の厚みと同様である。
第1突出部16は、充填部14の上部から上側と、幅方向両外側と、先後方向両外側とに膨出するように形成されており、具体的には、外部側端子7の平面視形状と同一形状に形成され、詳しくは、図2に示すように、先後方向に長い平面視略矩形状に形成されている。
また、図4および図5に示すように、第1突出部16の膨出部の周端部(先後方向両端部および幅方向両端部)の下面は、ベース開口部11の周囲のベース絶縁層3の上面に接触している。
また、第1突出部16の下部の中央部は、充填部14の上部に連続している。これにより、各第1突出部16は、各充填部14と電気的にそれぞれ接続されている。
また、第1突出部16の後側面と、幅方向両側面と、上面の周端部は、カバー絶縁層5に被覆されている。
一方、第1突出部16の先端部には、配線8の後端部が連続しており、これにより、第1突出部16は、配線8と電気的に接続されている。
また、図5に示すように、第1突出部16の上面は、配線8の上面と、先後方向において、面一に形成されている。
また、外部側端子7において、配線8の厚みに相当する部分が、第1突出部16とされている。
また、第1突出部16の上面の中央部は、カバー絶縁層5から露出している。
各第1突出部16の幅は、例えば、10〜250μm、好ましくは、20〜100μmであり、各第1突出部16の長さは、例えば、10〜2060μm、好ましくは、20〜560μmである。各第1突出部16間の間隔は、例えば、20〜1000μm、好ましくは、30〜800μmである。また、第1突出部16の厚みは、配線8およびヘッド側端子6の厚みと同様である。
第2突出部17は、充填部14の下部から下側と、幅方向両外側と、先後方向両外側とに膨出するように形成されており、具体的には、厚み方向に投影したときに、第1突出部17と同一形状で形成されている。すなわち、第2突出部17は、ヘッド側端子6の底面視形状と同一形状に形成されており、詳しくは、図3に示すように、先後方向に長い底面視略矩形状に形成されている。
また、図4および図5に示すように、第2突出部17の膨出部の周端部(先後方向両端部および幅方向両端部)の上面は、ベース絶縁層3の下面に接触している。
また、第2突出部17の上部の中央部は、充填部14の下面に連続している。これにより、各第2突出部17は、各充填部14と電気的にそれぞれ接続されている。
従って、各第2突出部17は、各充填部14を介して、各第1突出部16と電気的にそれぞれ接続される。
また、第2突出部17は、金属支持基板2の支持開口部12の内側に間隔を隔てて配置されている。これにより、第2突出部17は、支持開口部12の周囲(外側)の金属支持基板2から電気的に絶縁されている。
各第2突出部17の幅、長さおよび厚みは、各第1突出部16の幅、長さおよび厚みと同様であり、また、各第2突出部17間の間隔は、各第1突出部16間の間隔と同様である。
また、この回路付サスペンション基板1には、外部側端子7の表面に、めっき層22が積層されている。
めっき層22は、外部側端子7の上面に形成される第1めっき層15と、外部側端子7の下面に形成される第2めっき層20とを備えている。
第1めっき層15は、カバー絶縁層5から露出する第1突出部16の上面(表面)の中央部に積層されている。
第1めっき層15を形成する金属としては、例えば、金、ニッケル、クロム、および、それらの合金などの導電材料が挙げられる。好ましくは、金が挙げられる。これら金属は、単独使用または2種以上併用することができる。
第1めっき層15の厚みは、例えば、0.01〜10μm、好ましくは、0.1〜1μmである。
なお、第1めっき層15は、図4および図5において図示されないが、ヘッド側端子6(図1参照)の表面(上面)にも積層されている。
第2めっき層20は、第2突出部17の下面(表面)に積層されている。
第2めっき層20を形成する金属は、第1めっき層15を形成する金属と同様である。第2めっき層20の厚みは、第1めっき層15の厚みと同様である。
次に、回路付サスペンション基板1の製造方法について、図6および図7を参照して説明する。
まず、この方法では、図6(a)に示すように、板状の金属支持基板2を用意する。
次いで、この方法では、図6(b)に示すように、ベース絶縁層3を、金属支持基板2の上に、ベース開口部11が形成されるように、形成する。
ベース絶縁層3を上記したパターンで形成するには、例えば、金属支持基板2の上に、感光性の合成樹脂の溶液(ワニス)を塗布して、感光性のベース皮膜を形成した後、それを露光および現像して、上記したパターンとし、次いで、必要に応じて、加熱硬化させる。
次いで、この方法では、図6(c)に示すように、支持開口部12を金属支持基板2に形成する。支持開口部12は、底面視において、ベース絶縁層3のベース開口部11を含むように、形成する。
具体的には、支持開口部12を形成するには、例えば、ウェットエッチング(例えば、化学エッチングなど)、ドライエッチング(例えば、レーザ加工など)などのエッチング、例えば、ドリル穿孔などの機械加工などが用いられる。好ましくは、エッチングが用いられる。
次いで、この方法では、図6(d)に示すように、導体パターン4を、上記したヘッド側端子6(図1参照)、外部側端子7および配線8に対応するパターンで形成する。
導体パターン4を形成するには、例えば、アディティブ法、サブトラクティブ法などの公知のパターンニング法が用いられる。好ましくは、アディティブ法が用いられる。
アディティブ法では、図7(a)に示すように、まず、種膜24を、ベース絶縁層3の表面全面に形成する。
詳しくは、種膜24を、ベース絶縁層3の上面全面と、ベース絶縁層3のベース開口部11の内側面と、金属支持基板2の支持開口部12から露出するベース絶縁層3の下面とに形成する。
種膜24をベース絶縁層3の表面全面に形成するには、例えば、スパッタリングなどの物理蒸着法などの薄膜形成法が用いられる。
具体的には、クロムスパッタリングおよび銅スパッタリングにより、クロム薄膜と銅薄膜とを、ベース絶縁層3および金属支持基板2の表面全面に順次積層する。
なお、種膜24は、上記した薄膜形成法によって形成される場合には、金属支持基板2の表面全面(具体的には、金属支持基板2の下面と、金属支持基板2の支持開口部12の内側面と、ベース絶縁層3から露出する金属支持基板2の上面と)にも形成される。
種膜24の厚みは、例えば、10〜200nm、好ましくは、20〜100nmである。
次いで、アディティブ法では、図7(b)に示すように、種膜24の表面に、めっきレジスト13を、導体パターン4と逆パターンで形成する。
すなわち、めっきレジスト13を、ベース絶縁層3の上に形成される種膜24の上面と、金属支持基板2およびベース絶縁層3の下に形成される種膜24の下面とに、ドライフィルムレジストから上記したパターンで形成する。
次いで、アディティブ法では、図7(c)に示すように、めっきレジスト13から露出する種膜24の表面に、例えば、電解めっき、無電解めっきなどのめっきにより、導体パターン4を形成する。
このめっきでは、ベース開口部11の内側面に形成される種膜24の表面(内側面)から、内側に向かって導体材料が析出し、この析出部分が、ベース開口部11内に充填され、これによって、充填部14を形成する。
これと同時に、ベース絶縁層3の上面に形成される種膜24の上面(表面)から、上側に向かって導体材料が析出し、この析出部分が、ヘッド側端子6(図1参照)、配線8および第1突出部16を形成する。
これとともに、金属支持基板2の支持開口部12内において、ベース絶縁層3の下面に形成される種膜24の下面(表面)から、下側に向かって導体材料が析出し、この析出部分が、第2突出部17を形成する。
これによって、導体パターン4を形成する。
その後、アディティブ法では、図7(d)に示すように、めっきレジスト13およびそのめっきレジスト13が積層されていた部分の種膜24を、例えば、エッチング、剥離などによって順次除去する。
なお、図6(d)では、導体パターン4がアディティブ法によって形成される場合に形成される種膜24を省略している。
次いで、この方法では、図6(e)に示すように、カバー絶縁層5を、ベース絶縁層3の上に、配線8を被覆し、ヘッド側端子6および外部側端子7を露出するパターンで形成する。
また、カバー絶縁層5は、外部側端子7の第1突出部16の上面の周端部を被覆し、第1突出部16の上面の中央部を露出するパターンに形成する。
カバー絶縁層5を形成するには、例えば、金属支持基板2、ベース絶縁層3および導体パターン4の上に、感光性の合成樹脂の溶液(ワニス)を塗布して、感光性のカバー皮膜を形成した後、それを露光および現像して、上記したパターンとし、次いで、必要に応じて、加熱硬化させる。
次いで、この方法では、図6(f)に示すように、めっき層22を、ヘッド側端子6(図1参照)および外部側端子7の表面に積層する。
具体的には、第1めっき層15を、ヘッド側端子6(図1参照)および外部側端子7の上面に積層するとともに、第2めっき層20を、外部側端子7の下面に積層する。
詳しくは、外部側端子7において、第1めっき層15を、カバー絶縁層5から露出する第1突出部16の上面の中央部に積層するとともに、第2めっき層20を、第2突出部17の下面に積層する。
第1めっき層15および第2めっき層20は、例えば、無電解めっき、電解めっきなどのめっきにより、同時に形成する。
その後、図1に示すように、金属支持基板2にスリット21を形成するとともに、金属支持基板2を外形加工する。スリット21の形成および金属支持基板2の外形加工には、例えば、エッチングなどが用いられる。
これにより、回路付サスペンション基板1を得る。
その後、図1の仮想線で示すように、得られた回路付サスペンション基板1に、磁気ヘッドが実装されたスライダ9を搭載する。また、磁気ヘッドを、ヘッド側端子6と電気的に接続する。
その後、図1の仮想線で示すように、検査機器10によって、導体パターン4の導通の検査および磁気ヘッドの動作の検査を実施する。
具体的には、図4および図5の仮想線で示すように、まず、検査機器10を、プローブ18の先端が上側に向かうように、回路付サスペンション基板1の下に配置する。
次いで、検査機器10のプローブ18を、第2突出部17に下側から近接させて、第2めっき層20の下面に接触させる。なお、プローブ18の先端面(上面)は、第2突出部17より小さく形成されている。
検査機器10のプローブ18は、第2突出部17に、第2めっき層20を介して電気的に接続される。すなわち、プローブ18は、導体パターン4と電気的に接続される。
そして、プローブ18から、検査信号(検査電流)が、第2めっき層20および外部側端子7を介して、配線8およびヘッド側端子6、さらには、磁気ヘッドに伝導される。これによって、導体パターン4の導通の有無、および、磁気ヘッドの動作の正常/異常が検査される。
その後、検査機器10のプローブ18を第2めっき層20から離間させた後、図4および図5の仮想線で示すように、例えば、フレキシブル配線回路基板などの外部基板25の接続端子19と、外部側端子7とを電気的に接続する。
具体的には、まず、外部基板25を、その接続端子19が下側に向かうように、外部側端子7の上側に対向配置し、続いて、接続端子19を第1突出部16に上側から近接させて、接続端子19を外部側端子7の上面に接触させる。
これにより、接続端子19は、第1めっき層15を介して第1突出部16に電気的に接続される。すなわち、接続端子19は、導体パターン4と電気的に接続される。
そして、この回路付サスペンション基板1では、外部側端子7が、充填部14と第1突出部16と第2突出部17とを備えているので、検査機器10のプローブ18を第2突出部17に近接させれば、プローブ18を第2突出部17に確実に接触させることができながら、外部基板25の接続端子19を第1突出部16に確実に接触させることができる。
そのため、外部側端子7とプローブ18との電気的な接続、および、外部側端子7と外部基板25の接続端子19との電気的な接続の両方を確実に図ることができる。
その結果、導体パターン4の導通検査、さらには、磁気ヘッドの動作の検査を確実に実施しながら、導体パターン4の接続信頼性を向上させることができる。
図8は、図1に示す回路付サスペンション基板の後端部の断面図であり、図2のA−A線に沿う断面図、図9は、図1に示す回路付サスペンション基板の後端部の断面図であり、図2のB−B線に沿う断面図を示す。
なお、上記した各部に対応する部材については、以降の各図面において同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図4および図5の仮想線の実施形態では、検査機器10を外部側端子7の下側に配置して、プローブ18を第2突出部17に接続し、その後、外部基板25を外部側端子7の上側に配置して、接続端子19を第1突出部17に接続しているが、例えば、図8および図9に示すように、プローブ18および外部基板25の配置を上下反転させることもできる。
すなわち、図8(a)および図9(a)に示すように、検査機器10を外部側端子7の上側に配置し、続いて、プローブ18を第1突出部16に上側から近接させて、プローブ18を第1めっき層15に接触させることにより、プローブ18を、第1めっき層15を介して第1突出部16と電気的に接触させる。
その後、図8(b)および図9(b)に示すように、外部基板25を外部側端子7の下側に配置し、続いて、接続端子19を第2突出部17に下側から近接させて、第2めっき層20に接触させることにより、接続端子19を、第2めっき層20を介して第2突出部17と電気的に接触させる。
図8および図9に示す回路付サスペンション基板1によれば、図8(a)および図9(a)に示すように、検査機器10のプローブ18を第1突出部16に近接させれば、プローブ18を第1突出部16に確実に接触させることができながら、図8(b)および図9(b)に示すように、外部基板25の接続端子19を第2突出部17に確実に接触させることができる。
また、上記した実施形態では、本発明の配線回路基板として、ベース絶縁層3が金属支持基板2に支持された回路付サスペンション基板1を例示したが、例えば、図示しないが、金属支持基板2が補強層として設けられたフレキシブル配線回路基板、または、金属支持基板2が設けられていないフレキシブル配線回路基板や、COF基板(TABテープキャリアなどを含む)などの各種配線回路基板にも広く適用することができる。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、それらに限定されない。
実施例1
ステンレス(SUS304)からなる厚み25μmの金属支持基板を用意した(図6(a)参照)。
ステンレス(SUS304)からなる厚み25μmの金属支持基板を用意した(図6(a)参照)。
次いで、ベース絶縁層を、金属支持基板の上に、平面視矩形状のベース開口部が形成されるパターンで形成した(図6(b)参照)。
具体的には、金属支持基板の上に、感光性のポリアミド酸樹脂のワニスを塗布して、感光性のベース皮膜を形成した後、それを露光および現像して、上記したパターンとし、加熱硬化させた。
各ベース開口部の長さが150μm、幅が30μmであり、各ベース開口部間の間隔は、30μmであった。また、ベース絶縁層の厚みは、20μmであった。
次いで、支持開口部を、金属支持基板に、ベース絶縁層のベース開口部を含むように、ウェットエッチングによって、底面視矩形状に形成した(図6(c)参照)。
次いで、銅からなり、ヘッド側端子(図1参照)、外部側端子および配線を備える導体パターンを、アディティブ法によって形成した(図6(d)参照)。
具体的には、まず、クロムスパッタリングおよび銅スパッタリングにより、厚み30nmのクロム薄膜、および、厚み70nmの銅薄膜からなる種膜を、ベース絶縁層および金属支持基板の表面全面に順次積層した(図7(a)参照)。
次いで、種膜の表面に、めっきレジストを、ドライフィルムレジストから、上記した導体パターンと逆パターンで形成した(図7(b)参照)。
次いで、めっきレジストから露出する種膜の表面に、電解銅めっきにより、導体パターンを形成した(図7(c)参照)。
詳しくは、電解銅めっきでは、ベース開口部の内側面に形成される種膜の内側面から、内側に向かって銅が析出し、銅の析出部分が、ベース開口部内に充填され、これによって、充填部を形成した。
これと同時に、ベース絶縁層の上面に形成される種膜の上面から、上側に向かって銅が析出し、銅の析出部分が、ヘッド側端子(図1参照)、配線および第1突出部を形成した。
これとともに、ベース絶縁層の下面に形成される種膜の下面から、下側に向かって銅が析出し、銅の析出部分が、第2突出部を形成した。
これにより、配線と、ヘッド側端子と、外部側端子(充填部、第1突出部および第2突出部)とを一体的に備える導体パターンを形成した。
なお、第1突出部および第2突出部は、厚み方向に投影した時に、同一形状、つまり、先後方向に長い矩形状に、それぞれ形成した。
第1突出部および第2突出部の長さは200μm、幅が40μmであり、各第1突出部間の間隔および各第2突出部間の間隔は40μmであった。
その後、めっきレジストをエッチングによって除去し、続いて、めっきレジストが積層されていた部分の種膜を、剥離によって除去した(図7(d)および図6(d)参照)。
その後、カバー絶縁層を、ベース絶縁層の上に、配線を被覆し、ヘッド側端子および外部側端子を露出するパターンで、形成した(図6(e)参照)。
具体的には、金属支持基板、ベース絶縁層および導体パターンの上に、感光性のポリアミド酸樹脂のワニスを塗布して、感光性のカバー皮膜を形成した後、それを露光および現像して、上記したパターンとし、次いで、加熱硬化させた。
カバー絶縁層の厚みは5μmであった。
次いで、めっき層を、外部側端子の表面に、無電解金めっきにより、積層した(図6(f)参照)。
詳しくは、金からなる第1めっき層を、ヘッド側端子および外部側端子の上面に積層するとともに、金からなる第2めっき層を、外部側端子の下面に積層した。
第1めっき層および第2めっき層の厚みは、0.5μmであった。
その後、スリット(図1参照)を金属支持基板にエッチングにより形成するとともに、金属支持基板を外形加工することによって、回路付サスペンション基板を得た(図1参照)。
比較例1
特開2005−337811号公報の記載に準拠して、外部側端子を、ベース絶縁層の開口部内に落ち込むように充填した以外は、実施例1と同様にして、回路付サスペンション基板を得た(図10(f)参照)。
特開2005−337811号公報の記載に準拠して、外部側端子を、ベース絶縁層の開口部内に落ち込むように充填した以外は、実施例1と同様にして、回路付サスペンション基板を得た(図10(f)参照)。
すなわち、ベース絶縁層を形成する工程を、導体パターンを形成する工程の前に、実施した。
金属支持基板、ベース絶縁層、導体パターン(外部側端子を除く)およびカバー絶縁層の各層の材料、厚みおよび形成方法などは、上記した実施例1の各工程と実質的に同様である。
具体的には、まず、図10(a)に示すように、金属支持基板(2)を用意し、次いで、図10(b)に示すように、金属支持基板(2)の上に、ベース絶縁層(3)を、ベース開口部(11)が形成されるパターンで形成した。
次いで、図10(c)に示すように、導体パターン(4)を、外部側端子(7)がベース開口部(11)内に落ち込むように充填されるように、形成し、次いで、図10(d)に示すように、支持開口部(12)を、金属支持基板(2)に、ベース開口部(11)内に充填された外部側端子(7)の下面が露出するように形成した。
次いで、図10(e)に示すように、カバー絶縁層(5)を、ベース絶縁層(3)の上に、ヘッド側端子(6)(図1参照)および外部側端子(7)の上面を露出するように形成した。
その後、図10(f)に示すように、めっき層(20)を、ヘッド側端子(6)および外部側端子(7)の表面に、積層した。詳しくは、第1めっき層(15)を、ヘッド側端子(6)および外部側端子(7)の上面に積層し、第2めっき層(20)を、外部側端子7の下面に積層した。
その後、スリット(21)(図1参照)を金属支持基板(2)に形成するとともに、金属支持基板(2)を外形加工することによって、回路付サスペンション基板(1)を得た(図1参照)。
(評価)
(導通試験)
回路付サスペンション基板の導体パターンについて、導通検査を実施した。
(導通試験)
回路付サスペンション基板の導体パターンについて、導通検査を実施した。
すなわち、検査機器のプローブを外部側端子に接続することにより、導体パターンの導通検査を実施した。導通検査の詳細を以下に記載する。
(実施例1の評価)
A. 第2突出部との接続
実施例1の回路付サスペンション基板において、外部側端子の第2突出部の表面に積層された第2めっき層に、検査機器のプローブを接触させた(図4および図5参照)。
A. 第2突出部との接続
実施例1の回路付サスペンション基板において、外部側端子の第2突出部の表面に積層された第2めっき層に、検査機器のプローブを接触させた(図4および図5参照)。
これにより、外部側端子(第2突出部)とプローブとを電気的に接続し、その後、導体パターンの導通の検査を実施できた。
B. 第1突出部との接続
別途、外部側端子の第1突出部に積層される第1めっき層に、検査機器のプローブを接触させた(図8(a)および図9(a)参照)。
B. 第1突出部との接続
別途、外部側端子の第1突出部に積層される第1めっき層に、検査機器のプローブを接触させた(図8(a)および図9(a)参照)。
これにより、外部側端子(第1突出部)とプローブとを電気的に接続し、その後、導体パターンの導通の検査を実施できた。
(比較例1の評価)
A. 外部側端子の下面との接続
検査機器のプローブを、外部側端子の下面に積層される第2めっき層に接触させ、それにより、プローブと外部側端子とを電気的に接続し、その後、導体パターンの導通の検査を実施できた。
B. 外部側端子の上面との接続
一方、検査機器のプローブを、外部側端子の上面に積層される第1めっき層に接触させようと試みた。しかし、上記の接触が不十分であったため、プローブと外部側端子とを電気的に接続できなかった。その結果、導体パターンの導通の検査を実施できなかった。
A. 外部側端子の下面との接続
検査機器のプローブを、外部側端子の下面に積層される第2めっき層に接触させ、それにより、プローブと外部側端子とを電気的に接続し、その後、導体パターンの導通の検査を実施できた。
B. 外部側端子の上面との接続
一方、検査機器のプローブを、外部側端子の上面に積層される第1めっき層に接触させようと試みた。しかし、上記の接触が不十分であったため、プローブと外部側端子とを電気的に接続できなかった。その結果、導体パターンの導通の検査を実施できなかった。
1 回路付サスペンション基板
3 ベース絶縁層
4 導体パターン
7 外部側端子
8 配線
11 ベース開口部
14 充填部
16 第1突出部
17 第2突出部
3 ベース絶縁層
4 導体パターン
7 外部側端子
8 配線
11 ベース開口部
14 充填部
16 第1突出部
17 第2突出部
Claims (3)
- 厚み方向を貫通する絶縁開口部が形成された絶縁層と、
前記絶縁層の上に形成される配線、および、前記配線に接続される端子を備える導体パターンと
を備え、
前記端子は、
前記絶縁層の前記絶縁開口部内に充填される充填部と、
前記充填部に連続し、前記充填部から厚み方向一方側に突出するように形成される第1突出部と、
前記充填部に連続し、前記充填部から厚み方向他方側に突出するように形成される第2突出部と
を備えていることを特徴とする、配線回路基板。 - 前記第1突出部が、前記配線に連続していることを特徴とする、請求項1に記載の配線回路基板。
- 厚み方向を貫通する絶縁開口部が形成された絶縁層を形成する工程、および、
前記絶縁層の上に形成される配線、および、前記配線に接続される端子を備える導体パターンを形成する工程
を備え、
前記導体パターンを形成する工程において、
前記端子が、
前記絶縁層の前記絶縁開口部内に充填される充填部と、
前記充填部に連続し、前記充填部から厚み方向一方側に突出するように形成される第1突出部と、
前記充填部に連続し、前記充填部から厚み方向他方側に突出するように形成される第2突出部と
を備えるように、前記導体パターンを形成することを特徴とする、配線回路基板の製造方法。
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