JP2012147908A - 歯牙観察装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】上顎の歯牙あるいは下顎の歯牙のどちらを歯列の方向に沿って順に観察していく場合においても、交換作業を行うことなく観察を行う。
【解決手段】間隔をあけて対向配置された2つの照明光発光部6a,6bと、該照明光発光部6a,6bからの照明光を歯牙Aに照射したときの歯牙Aからの戻り光を撮影する撮像素子23と、歯牙Aからの戻り光を撮像素子23まで導く2つの導光路と、点灯させる照明光発光部6a,6bを択一的に設定する発光設定部16と、2つの導光路上のいずれかに撮像素子23を配置するように、導光路に対して撮像素子23を移動可能に取り付ける導光路切替機構11,12とを備える歯牙観察装置1を提供する。
【選択図】図1
【解決手段】間隔をあけて対向配置された2つの照明光発光部6a,6bと、該照明光発光部6a,6bからの照明光を歯牙Aに照射したときの歯牙Aからの戻り光を撮影する撮像素子23と、歯牙Aからの戻り光を撮像素子23まで導く2つの導光路と、点灯させる照明光発光部6a,6bを択一的に設定する発光設定部16と、2つの導光路上のいずれかに撮像素子23を配置するように、導光路に対して撮像素子23を移動可能に取り付ける導光路切替機構11,12とを備える歯牙観察装置1を提供する。
【選択図】図1
Description
本発明は、歯牙観察装置に関するものである。
従来、歯牙を挟んで光源と撮像部とを対向配置し、光源から発せられ歯牙を透過あるいは歯牙において散乱した光を撮像部により撮影することによって歯牙の観察を行う歯牙観察装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この歯牙観察装置は、光源と撮像部との位置関係を反転させた2つのマウスピースを着脱可能に設け、U字状に湾曲する歯列のうち、右側の歯列の歯牙を観察する場合と、左側の歯列の歯牙を観察する場合とで、マウスピースを交換して観察することとしている。
この歯牙観察装置は、光源と撮像部との位置関係を反転させた2つのマウスピースを着脱可能に設け、U字状に湾曲する歯列のうち、右側の歯列の歯牙を観察する場合と、左側の歯列の歯牙を観察する場合とで、マウスピースを交換して観察することとしている。
しかしながら、特許文献1に開示されている歯牙観察装置では、上顎の歯牙あるいは下顎の歯牙のどちらを歯列の方向に沿って順に観察していく場合においても、マウスピースを口腔外に一旦取り出して交換作業を行わなければならず、観察に手間がかかるという問題がある。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、上顎の歯牙あるいは下顎の歯牙のどちらを歯列の方向に沿って順に観察していく場合においても、交換作業を行うことなく観察を行うことができる歯牙観察装置を提供することを目的としている。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、上顎の歯牙あるいは下顎の歯牙のどちらを歯列の方向に沿って順に観察していく場合においても、交換作業を行うことなく観察を行うことができる歯牙観察装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、間隔をあけて対向配置された2つの照明光発光部と、該照明光発光部からの照明光を歯牙に照射したときの前記歯牙からの戻り光を撮影する撮像素子と、前記歯牙からの戻り光を前記撮像素子まで導く2つの導光路と、点灯させる前記照明光発光部を択一的に設定する発光設定部と、2つの前記導光路上のいずれかに前記撮像素子を配置するように、前記導光路に対して前記撮像素子を移動可能に取り付ける導光路切替機構とを備える歯牙観察装置を提供する。
本発明は、間隔をあけて対向配置された2つの照明光発光部と、該照明光発光部からの照明光を歯牙に照射したときの前記歯牙からの戻り光を撮影する撮像素子と、前記歯牙からの戻り光を前記撮像素子まで導く2つの導光路と、点灯させる前記照明光発光部を択一的に設定する発光設定部と、2つの前記導光路上のいずれかに前記撮像素子を配置するように、前記導光路に対して前記撮像素子を移動可能に取り付ける導光路切替機構とを備える歯牙観察装置を提供する。
本発明によれば、2つの照明光発光部の間に歯牙を配置して、発光設定部により、いずれか一の照明光発光部から照明光を射出させると、照明光が歯牙に照射され、歯牙からの戻り光が導光路を経由して撮像素子により撮影される。導光路も歯牙を挟んで両側に2つ配置されており、発光設定部により、点灯させる照明光発光部が設定されると、導光路切替機構により導光路に対して撮像素子を移動させ、戻り光を導光する導光路上に撮像素子を配置する。これにより、いずれの照明光発光部を選択しても、いずれかの導光路を経由して同じ観察条件で撮像素子により画像を取得することができる。その結果、上顎あるいは下顎の歯列に沿って歯牙の観察を行う際に、右側の歯列と左側の歯列とで、歯牙の表裏の照明光発光部を入れ替えるように、導光路に対して撮像素子を移動させるだけで、先端部を交換することなく観察し続けることができる。
上記発明においては、前記照明光発光部を支持するヘッド部と、該ヘッド部に、前記照明光発光部の間隔方向に移動可能に取り付けられ、前記撮像素子を支持するハンドル部とを備えていてもよい。
このようにすることで、ハンドル部を把持し、ハンドル部に対してヘッド部を相対的に移動させるだけで、いずれかの導光路上に撮像素子を配置することができる。これにより、発光設定部によって、導光路に対応する照明光発光部を点灯させるだけで、先端部を交換することなく、いずれの歯列に配置される歯牙をも観察することができる。
このようにすることで、ハンドル部を把持し、ハンドル部に対してヘッド部を相対的に移動させるだけで、いずれかの導光路上に撮像素子を配置することができる。これにより、発光設定部によって、導光路に対応する照明光発光部を点灯させるだけで、先端部を交換することなく、いずれの歯列に配置される歯牙をも観察することができる。
また、上記発明においては、前記発光設定部は、前記ヘッド部と前記ハンドル部とが相対的に移動させられて、一方の前記導光路上に前記撮像素子が配置されると、その導光路によって導かれる戻り光を発生させる前記照明光発光部が点灯するよう設定してもよい。
このようにすることで、ハンドル部とヘッド部とを相対的に移動させるだけで、いずれかの導光路上に撮像素子が配置されると、自動的に該導光路を介して観察する戻り光を発生させるためのいずれかの照明光発光部が点灯するので、いずれの歯牙の観察においても、点灯させる照明光発光部と導光路との組み合わせを考慮することなく簡易に観察を行うことができる。
このようにすることで、ハンドル部とヘッド部とを相対的に移動させるだけで、いずれかの導光路上に撮像素子が配置されると、自動的に該導光路を介して観察する戻り光を発生させるためのいずれかの照明光発光部が点灯するので、いずれの歯牙の観察においても、点灯させる照明光発光部と導光路との組み合わせを考慮することなく簡易に観察を行うことができる。
また、上記発明においては、前記照明光発光部が、赤外光または近赤外光を含む照明光を射出し、前記導光路切替機構が、前記発光設定部により設定された前記照明光発光部とは対向する側に配置される前記導光路により前記歯牙からの戻り光を導光するように前記導光路および前記撮像素子を相対的に移動させてもよい。
このようにすることで、照明光発光部から透過性の高い赤外光または近赤外光を含む照明光を歯牙に照射すると、歯牙において透過または散乱させられた照明光の透過・散乱光からなる戻り光が、歯牙を挟んで照明光発光部とは反対側に射出される。導光路切替機構が、戻り光を導光する導光部を、歯牙を挟んで照明光発光部とは反対側の導光路に切り替えているので、切り替えられた導光路を介して戻り光が導光され、撮像素子により撮影される。これにより、歯牙の内部構造を示す画像により歯牙の観察を行うことができる。
また、上記発明においては、光を導光する光ファイバと、該光ファイバにより導光された光を、2つの前記照明光発光部の略中央の位置において咬合面に向かう光軸に沿って前記歯牙に照射するよう偏向するミラーとを備え、前記光ファイバが、前記ハンドル部に固定された基端部と、前記ヘッド部に取り付けられた先端部とを備え、前記ミラーおよび前記光ファイバの先端部が、前記光軸回りに揺動可能に支持されていてもよい。
この場合において、歯牙の咬合面に向けて光を照射する場合であっても、光ファイバの先端部は、2つの照明光発光部の略中央に配置されているので、ヘッド部とハンドル部とを相対的に移動させても、常に、歯牙の咬合面に向かう光軸に沿って光を照射することができる。そして、ファイバの基端部がハンドル部に固定され、先端部がヘッド部に取り付けられているので、ハンドル部とヘッド部とを相対的に移動させることにより、光ファイバが湾曲させられるが、ミラーおよび光ファイバの先端がミラーの光軸回りに揺動させられることにより、光ファイバに発生する曲げ応力が緩和され、光ファイバの健全性が維持される。
また、上記発明においては、前記撮像素子の前段に配置され、所定の波長を有する励起光を遮断する励起光カットフィルタとを備えていてもよい。
このようにすることで、例えば歯牙に蛍光物質が投与されている場合、励起光を歯牙に照射すると、う蝕部位等に特異的に集積する蛍光物質から蛍光が発生する。そして、発生した蛍光は、切り替えられた導光路及び、励起光カットフィルタを介して撮像素子に到達する。これにより、励起光を取り除いた鮮明なう蝕部位等の画像を取得することができる。
このようにすることで、例えば歯牙に蛍光物質が投与されている場合、励起光を歯牙に照射すると、う蝕部位等に特異的に集積する蛍光物質から蛍光が発生する。そして、発生した蛍光は、切り替えられた導光路及び、励起光カットフィルタを介して撮像素子に到達する。これにより、励起光を取り除いた鮮明なう蝕部位等の画像を取得することができる。
本発明によれば、上顎の歯牙あるいは下顎の歯牙のどちらを歯列の方向に沿って順に観察していく場合においても、交換作業を行うことなく観察を行うことができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る歯牙観察装置1について、図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る歯牙観察装置1は、図1に示されるように、口腔内に挿入される挿入部2と、該挿入部2の先端に配置されたヘッド部3と、挿入部2の基端側に配置されたハンドル部4とを備えている。
本実施形態に係る歯牙観察装置1は、図1に示されるように、口腔内に挿入される挿入部2と、該挿入部2の先端に配置されたヘッド部3と、挿入部2の基端側に配置されたハンドル部4とを備えている。
ヘッド部3は、図2に示されるように、歯牙Aの両側に跨って被せられる略U字状の筐体5と、該筐体5が歯牙Aに被せられたときに、歯牙Aを挟んで両側に間隔をあけて配置され、それぞれ近赤外光あるいは赤外光を含んだ照明光を発生する2つのLED(照明光発光部)6a,6bと、同じく歯牙Aを挟んで両側に配置される2つのミラー7a,7bとを備えている。
LED6a,6bから発せられた近赤外光あるいは赤外光は、歯牙Aの一側面から歯牙A内に入射する。近赤外光あるいは赤外光は、歯牙Aに対する透過性が高いので、歯牙Aにおいて透過あるいは散乱させられた戻り光が、LED6a,6bとは反対側の側面から射出されるようになっている。
歯牙Aの側面から射出された戻り光は、歯牙Aを挟んで、点灯したLED6a,6bとは反対側に配置されているミラー7a,7bによって偏向され、図2および図3に示されるように、LED6a,6bの間隔方向に交差する方向に指向させられるようになっている。LED6a,6bとミラー7a,7bとの位置関係は、2つのLED6a,6bのいずれに対しても同様に設定されている。
すなわち、図2に示されるように、一方のミラー7aによって偏向された戻り光の方向と、他方のミラー7bによって偏向された戻り光の方向とは、略平行な同一方向に設定されている。そして、筐体5には、2つのミラー7a,7bによって偏向された戻り光をそれぞれ筐体5外部に射出させる2つの開口部8a,8bが同一側面に設けられ、各開口部8a,8bは、ガラス等の透明な材料からなる平行平板9a,9bによって閉塞されている。
これにより、歯牙Aの両側面には、歯牙Aの各側面からミラー7a,7bを介して平行平板9a,9bに至るヘッド部3側の導光路10a,10bが形成されている。
これにより、歯牙Aの両側面には、歯牙Aの各側面からミラー7a,7bを介して平行平板9a,9bに至るヘッド部3側の導光路10a,10bが形成されている。
また、ヘッド部3の筐体5の前記開口部8a,8bが設けられている側面には、2つのLED6a,6bの間隔方向に平行に延びるレール11が設けられている。レール11には後述するハンドル部4に対してヘッド部3を直線移動可能に支持するスライダ12が取り付けられている。
また、ヘッド部3には、後述する光ファイバ13の先端部と、該先端部から射出される励起光を歯牙Aの咬合面14に向かう光軸に沿う方向に偏向するミラー15とが設けられている。
また、ヘッド部3には、後述する光ファイバ13の先端部と、該先端部から射出される励起光を歯牙Aの咬合面14に向かう光軸に沿う方向に偏向するミラー15とが設けられている。
ハンドル部4は、図1に示されるように、スイッチ16と、該スイッチ16からの信号に基づいて点灯させるLED6a,6bを切り替える制御部17とを備えている。ハンドル部4に対するヘッド部3の位置に関わらず、LED6a,6bと制御部17とは常時接続されており、LED6a,6bは制御部17からの指令によりいずれかが点灯させられるようになっている。
また、ハンドル部4には、ヘッド部3から射出されてきた戻り光を入射させるガラス等の平行平板18により閉塞された入射口19、入射された戻り光を偏向するミラー20、偏向された戻り光を集光する集光レンズ21、励起光を遮断する励起光カットフィルタ22、戻り光を撮影する撮像素子23および撮像素子23により取得された画像を処理する画像処理部24が設けられている。この撮像素子23としては、例えば、CCDやCMOS等が挙げられる。
画像処理部24により処理された画像情報は、図示しないメモリに記憶され、あるいは、有線あるいは無線により外部の表示装置に出力されて表示されるようになっている。
画像処理部24により処理された画像情報は、図示しないメモリに記憶され、あるいは、有線あるいは無線により外部の表示装置に出力されて表示されるようになっている。
このように、ハンドル部4には、ヘッド部3側の導光路10a,10bから射出されてきた戻り光を入射させる入射口19から撮像素子23に至るハンドル部4側の導光路25が形成されている。
さらに、ハンドル部4には、励起光を発生する励起光源26、励起光を導光する光ファイバ13、励起光源26からの励起光を光ファイバ13の端面に入射させるカップリングレンズ27が設けられている。図1において、符号28は、励起光源26から発せられた光の内、励起光の波長帯域の光のみを通過させる励起フィルタ、符号29は、ミラー15により偏向された励起光を透過させるガラス等からなる平行平板である。
光ファイバ13は、その基端側がハンドル部4に固定され、先端部がヘッド部3に固定されている。その中間に配される部分は、自由状態に配置され、ハンドル部4のヘッド部3に対する相対的な移動に伴って変形させられるようになっている。
このように構成された本実施形態に係る歯牙観察装置1の作用について以下に説明する。
本実施形態に係る歯牙観察装置1を用いて歯牙Aの観察を行うには、ハンドル部4を把持して挿入部2の先端に配置されたヘッド部3を口腔内に挿入し、上顎あるいは下顎の歯列を跨ぐようにヘッド部3の筐体5を歯牙Aに被せる。これにより、歯牙Aの表側と裏側の両側面に2つのLED6a,6bが近接配置される。
本実施形態に係る歯牙観察装置1を用いて歯牙Aの観察を行うには、ハンドル部4を把持して挿入部2の先端に配置されたヘッド部3を口腔内に挿入し、上顎あるいは下顎の歯列を跨ぐようにヘッド部3の筐体5を歯牙Aに被せる。これにより、歯牙Aの表側と裏側の両側面に2つのLED6a,6bが近接配置される。
この状態で、歯牙Aに固定されたヘッド部3に対してハンドル部4をスライドさせて、ハンドル部4の入射口19をヘッド部3のいずれかの開口部8a,8bに一致させる。これにより、歯牙Aの一側面から開口部8a,8bに至るヘッド部3側の導光路10a,10bと、入射口19から撮像素子23に至るハンドル部4側の導光路25とが一致し、導光路10a,10b,25上に撮像素子23が配置される。
そして、操作者がハンドル部4に設けられたスイッチ16を押すと、制御部17はいずれかのLED6a(6b)を点灯させる。撮像素子23が配置されている導光路10a(10b)とは逆側のLED6a(6b)を点灯させることにより、LED6a(6b)とは歯牙Aを挟んで反対側に透過あるいは散乱した戻り光が、導光路10a(10b)に配されているヘッド部3のミラー7a(7b)およびハンドル部4のミラー20によって合計2回偏向された後、撮像素子23に導かれ、歯牙Aの画像が取得される。
赤外光または近赤外光は、歯牙Aを透過あるいは散乱させられた後に撮像素子23により撮影されると、歯牙Aの内部構造、すなわち、図4に示されるように、エナメル層と象牙層との境界Bを良好に示す画像が取得されることになる。
また、励起光源26から励起光が発せられると、発せられた励起光は、カップリングレンズ27によって光ファイバ13の端面に集光され、光ファイバ13によって導光された後、ヘッド部3に固定された光ファイバ13の先端側の端面から射出され、ミラー15によって偏向されて歯牙Aの咬合面14側から歯牙Aに照射される。
また、励起光源26から励起光が発せられると、発せられた励起光は、カップリングレンズ27によって光ファイバ13の端面に集光され、光ファイバ13によって導光された後、ヘッド部3に固定された光ファイバ13の先端側の端面から射出され、ミラー15によって偏向されて歯牙Aの咬合面14側から歯牙Aに照射される。
励起光の照射に先立って、歯牙Aに、う蝕に特異的に集積する蛍光物質を塗布しておくことにより、励起光の照射によって蛍光物質が励起されて蛍光が発せられるので、う蝕が存在する場合には、高い蛍光強度を有する部分をう蝕の存在する領域として特定することが可能となる。歯牙Aにおいて発生した蛍光も、透過あるいは散乱光と同じ経路を経て、撮像素子23により撮影される。これにより、内部構造を明らかに表示した画像中に、う蝕を示す蛍光の画像を重ね合わせた画像を取得することができる。本実施形態においては、励起光として近赤外光を用いて蛍光薬剤の蛍光を発生させている。しかしながら、励起光の波長は限定されるものではなく、目的の蛍光を励起させる光の波長ならどのようなものでも良い。
また、撮像素子23の前段に配置された励起光カットフィルタ22により、撮像素子23の方向に向かう所定の波長を有する励起光が遮断されるので、撮像素子23には、励起光を取り除かれた蛍光が入射し、鮮明な画像を取得することができる。これにより、エナメル層と象牙層との境界Bに対して、う蝕がどの程度進達しているのかを容易かつ鮮明に観察することができる。
光ファイバ13は、基端側がハンドル部4に固定され、先端側がヘッド部3に取り付けられているので、ハンドル部4に対してヘッド部3が相対的に移動させられると、図5に示されるように、光ファイバ13を湾曲させることにより、両者の相対的な移動が許容される。これにより、ハンドル部4に対してヘッド部3がいずれの位置に配置されていても、2つのLED6a,6bの中間位置において、歯牙Aの咬合面14側から励起光を歯牙Aに向けて照射することができる。
そして、歯列の右側あるいは左側の歯牙Aから他側の歯牙Aに切り替えて観察する際には、操作者は、ヘッド部3を観察していた歯牙Aから外して、他側の歯牙Aに配置するとともに、レール11上でスライダ12を直線移動させることにより、ハンドル部4に対するヘッド部3の位置を切り替える。これにより、ハンドル部4の入射口19をヘッド部3の他方の開口部8a,8bに一致させる。これとともに、スイッチ16を押して、点灯させるLED6a,6bを切り替える。
このように、本実施形態に係る歯牙観察装置によれば、ハンドル部4に対してヘッド部3を相対的に移動させるとともに、点灯しているLED6a,6bを切り替えるだけで、先端部を交換することなく、歯列の右側の歯牙Aと左側の歯牙Aとを継続的に観察し続けることができるという利点がある。
なお、本実施形態においては、励起光カットフィルタ等を用いて、励起光を取り除いているが、用途によっては、可視光のみを透過するフィルタなどのフィルタに差し替え可能な構成であってもよい。
また、本実施形態においては、光ファイバ13の先端側をヘッド部3に固定することとしたが、これに代えて、図6に示されるように、ミラー15と光ファイバ13の先端とを一体的に、ミラー15の、歯牙Aの咬合面14に向かう方向の光軸30回りに回転させることにしてもよい。このようにすることで、光ファイバ13にかかる外力が、回転によって逃がされ、光ファイバ13にかかる負担を低減することができる。また、光ファイバ13およびミラー15の回転角度は、例えば、図示しないストッパを設けることにより規制してもよい。
また、本実施形態においては、制御部17と2つのLED6a,6bとを常時接続して、制御部17によりいずれかのLED6a,6bを点灯させることとしたが、これに代えて、図7および図8に示されるように、ヘッド部3の2つの開口部8a,8bにそれぞれ接点31a,31bを設け、ハンドル部4に設けた電極32との接触により、各LED6a,6bに通電することとしてもよい。この場合には、LED6a,6bと接点31a,31bとをクロスさせて接続し、ハンドル部4の入射口19が一方の開口部8a(8b)に一致したときには、該開口部8a(8b)とは歯牙Aを挟んで反対側に配置されているLED6a(6b)に通電されて、当該LED6a(6b)が点灯させられるようにすればよい。
また、本実施形態に係る歯牙観察装置を用いて、上顎の歯牙を観察する場合においても、下顎の歯牙を観察する場合と同様の下顎の歯牙を観察しているかのような画像が取得されるので、画像を取得しながら観察を行う場合に、観察者が違和感を覚えることが考えられる。そのような場合には、ハンドル部4に操作者により操作可能な図示しない画像回転スイッチを設け、上顎を観察している場合には、画像処理部24により180°回転させた画像を生成して、記憶あるいは表示させることとしてもよい。また、ヘッド部3に図示しない重力センサを設け、ヘッド部3が上顎あるいは下顎のどちらを観察しているのかを自動的に検出して画像処理部24に画像を回転させる処理を行わせることにしてもよい。
これに加えて、歯列の右側の歯を観察している場合には、画像を右に90°回転させ、左側の歯を観察している場合には、画像を左に90°回転させる。このように表示することで、観察している歯に隣接する歯を見たいときに、歯牙観察装置をどちらに動かせば良いかが感覚的に掴みやすくなる。
A 歯牙
1 歯牙観察装置
3 ヘッド部
4 ハンドル部
6a,6b LED(照明光発光部)
10a,10b,25 導光路
11 レール(導光路切替機構)
12 スライダ(導光路切替機構)
13 光ファイバ
14 咬合面
15 ミラー
16 スイッチ(発光設定部)
22 励起光カットフィルタ
23 撮像素子
26 励起光源(励起光発光部)
30 光軸
31a,31b 接点(発光設定部)
32 電極(発光設定部)
1 歯牙観察装置
3 ヘッド部
4 ハンドル部
6a,6b LED(照明光発光部)
10a,10b,25 導光路
11 レール(導光路切替機構)
12 スライダ(導光路切替機構)
13 光ファイバ
14 咬合面
15 ミラー
16 スイッチ(発光設定部)
22 励起光カットフィルタ
23 撮像素子
26 励起光源(励起光発光部)
30 光軸
31a,31b 接点(発光設定部)
32 電極(発光設定部)
Claims (6)
- 間隔をあけて対向配置された2つの照明光発光部と、
該照明光発光部からの照明光を歯牙に照射したときの前記歯牙からの戻り光を撮影する撮像素子と、
前記歯牙からの戻り光を前記撮像素子まで導く2つの導光路と、
点灯させる前記照明光発光部を択一的に設定する発光設定部と、
2つの前記導光路上のいずれかに前記撮像素子を配置するように、前記導光路に対して前記撮像素子を移動可能に取り付ける導光路切替機構とを備える歯牙観察装置。 - 前記照明光発光部を支持するヘッド部と、
該ヘッド部に、前記照明光発光部の間隔方向に移動可能に取り付けられ、前記撮像素子を支持するハンドル部とを備える請求項1に記載の歯牙観察装置。 - 前記発光設定部は、前記ヘッド部と前記ハンドル部とが相対的に移動させられて、一方の前記導光路上に前記撮像素子が配置されると、その導光路によって導かれる戻り光を発生させる照明光発光部が点灯するよう設定する請求項2に記載の歯牙観察装置。
- 前記照明光発光部が、赤外光または近赤外光を含む照明光を射出し、
前記導光路切替機構が、前記歯牙を挟んで、前記発光設定部により設定された前記照明光発光部とは反対側に配置される前記導光路により前記歯牙からの戻り光を導光するように前記導光路および前記撮像素子を相対的に移動させる請求項1から請求項3のいずれかに記載の歯牙観察装置。 - 光を導光する光ファイバと、該光ファイバにより導光された光を、2つの前記照明光発光部の略中央の位置において咬合面に向かう光軸に沿って前記歯牙に照射するよう偏向するミラーとを備え、
前記光ファイバが、前記ハンドル部に固定された基端部と、前記ヘッド部に取り付けられた先端部とを備え、
前記ミラーおよび前記光ファイバの先端部が、前記光軸回りに揺動可能に支持されている請求項2または請求項3に記載の歯牙観察装置。 - 前記撮像素子の前段に配置され、所定の波長を有する励起光を遮断する励起光カットフィルタを備える請求項5に記載の歯牙観察装置。
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JP (1) | JP2012147908A (ja) |
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---|---|---|---|---|
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-
2011
- 2011-01-18 JP JP2011008244A patent/JP2012147908A/ja not_active Withdrawn
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KR102595753B1 (ko) * | 2016-07-27 | 2023-10-30 | 얼라인 테크널러지, 인크. | 치아 진단 기능이 있는 구강 내 스캐너 |
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