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JP2012033249A - 磁気転写用マスター基板、それを用いた磁気転写方法および磁気転写媒体 - Google Patents

磁気転写用マスター基板、それを用いた磁気転写方法および磁気転写媒体 Download PDF

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JP2012033249A JP2011006006A JP2011006006A JP2012033249A JP 2012033249 A JP2012033249 A JP 2012033249A JP 2011006006 A JP2011006006 A JP 2011006006A JP 2011006006 A JP2011006006 A JP 2011006006A JP 2012033249 A JP2012033249 A JP 2012033249A
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Abstract

【課題】高記録密度の磁気記録媒体の製造において、耐久性および磁気転写性能の向上した磁気転写用マスター基板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】当該磁気転写用マスター基板は、表面に信号配列に対応した凹部を有する非磁性基体と、前記凹部内に埋め込まれ、前記非磁性基体の表面より一部が突出している強磁性体と、前記非磁性基体表面および前記強磁性体の少なくとも一部を覆う非磁性保護膜とを含み、前記強磁性体の非磁性基体表面より突出した部分の基板に垂直に切断した際の断面における角部における曲率半径が1nm以上10nm以下であり、前記強磁性体の非磁性基体表面より突出した部分の高さが2nm以上であり、前記非磁性保護膜表面から前記強磁性体頂部までの高さが前記曲率半径よりも小さい。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁気記録媒体に関する。より詳しくは、本発明の磁気記録媒体は、サーボ情報を別途書き込む必要のない磁気記録媒体に関する。また、本発明は、サーボ情報を容易に記録することができる磁気記録媒体の製造方法を包含する。
一般的なHDD装置は、磁気記録媒体上にヘッドを10nm程度浮上させて、データの記録再生を行うものである。磁気記録媒体上のビット情報は、同心円状に配置されているデータトラックに格納されている。データの記録・再生時において、磁気ヘッドは、そのデータトラック上に位置決めされる。磁気記録媒体上には、位置決めのためのサーボデータが、データトラックに対して一定の角度間隔で記録されている。このサーボ情報は、一般的には磁気ヘッドを用いて記録されることが多く、近年の記録トラックの増大に伴い、書込み時間が増長し、HDDの生産効率を落とすという問題が生じている。
上記問題を鑑み、磁気ヘッドによってサーボ情報の書込みをする代わりに、サーボ情報を担持するマスター基板を用い、磁気転写技術によって磁気転写媒体にサーボ情報を一括で記録する方法が提案されている。例えば強磁性体でサーボパターンが形成されているようなマスター基板を用い、垂直記録媒体に対してマスター基板のサーボ情報を転写する方法が特許文献1に開示されている。
マスター基板は、磁気ディスクと直接、密着・剥離を繰返すため、繰り返し使用されるにつれ、マスター基板上の強磁性体の変形、欠落が進行し、記録信号の強度低下、欠落が生じることになる。それを解決するために、マスター基板の構成に関しては、例えば特許文献2、特許文献3、特許文献4などが開示されている。
特許文献2では、磁気記録媒体へ記録情報を転写する磁気転写用マスター担体において、転写用記録情報に応じた強磁性体からなる複数の転写情報記録部があって、隣接する転写情報記録部の間には転写情報記録部を区画する非磁性材料部が存在し、転写情報記録部の表面と非磁性材料部の表面が実質的に同一の平面を形成することを特徴とする磁気転写用マスター担体を開示する。当該転写記録情報部の厚さが20〜1000nmである。また、引用文献2において、実質的に同一の平面であることは、具体的には、磁性層のある部分と磁性層の無い部分の凹凸が30nm以下、好ましくは10nm以下であることを意味する。
特許文献3では、磁化パターンに対応する位置に形成された凹部を備え、強磁性薄膜は、前記凹部に形成されるとともにその表面が前記基体の前記凹部側の一主面から突出するように形成されており、前記強磁性薄膜の前記表面と前記基体の一主面との段差が200nm以下(30nm以下である場合を除く)であることを特徴とするマスター情報担体が開示されている。
また、特許文献3の別の項目では、磁化パターンに対応する位置に凹部が形成された基体と、表面が前記凹部の内部に配置されるように前記凹部内に形成された強磁性薄膜とを備え、前記基体の前記凹部側の一主面と前記強磁性薄膜の前記表面との間の距離が100nm以下(30nm以下である場合を除く)であることを特徴とするマスター情報担体が開示されている。
特許文献4では、第1の構成として非磁性基体の表面に情報信号配列に対応する形状パターンが、基体表面に堆積された強磁性薄膜の配列により設けられ、強磁性薄膜の配列において隣接する強磁性薄膜間に、非磁性の固体が充填されていることを特徴とするマスター基板が開示されている。また、第2の構成として、情報配列信号に対応する形状パターンが基体表面に形成された凹部の配列により設けられ、基体表面に形成されたた凹部に、強磁性薄膜が充填されていることを特徴とするマスター基板が開示されている。また、いずれの構成においても、強磁性薄膜および非磁性基体の表面に硬質保護膜を形成することも開示されている。
また特許文献5では、磁気転写用マスター担体の凸部の先端面と共に、側面に磁性層が形成された磁気転写用マスター担体を開示している。さらに、当該凸部は側面から成長した磁性層と繋がり易く、連続した磁性膜を形成し易いように先端が面取りされてもよい。
また、特許文献6は、磁気転写用マスター担体において、マスター担体とスレーブ媒体とを密着させて磁気転写した後、互いに容易剥離して、スレーブ媒体に傷がつかないようにするために、マスター担体に形成されたパターンの凸部が球面状の頂面を有することを開示する。
特開2002−083421号公報 特開2000−195046号公報 特許第3343343号明細書 特許第3329259号明細書 特開2009−295250号公報 特開2003−178440号公報
年々、記録密度の向上とともに、パターン寸法は微細化している。そのため、近年磁気記録媒体に情報信号を転写するための信号配列に対応したマスター基板の強磁性体のパターンも100nmピッチ以下にする必要が出てきた。このような状況の中で、従来の特許文献3および4に開示されるマスター基板のような、非磁性基体表面に対して強磁性体表面が突出した構造では、パターンが微細化することで、強磁性体パターンのエッジの僅かな欠落・変形による出力信号の低下により、サーボ欠陥として不良になることが起きている。また、パターンの微細化とともに強磁性薄膜自体の剥離が顕著になり、マスター基板の繰り返し使用に耐えられなくなっている。
このようなトラックピッチ100nm以下の高記録密度の磁気記録媒体の製造に関して、我々は、強磁性体パターンの少なくとも一部が非磁性保護膜により覆われ、非磁性保護膜と強磁性体の頭表面が平坦であることによりマスター基板の耐久性が向上することを見出した。さらに、強磁性体の断面形状が特定の形状であることが、トラックピッチが100nm以下のマスター基板における強磁性体パターンのエッジの欠落・変形による出力信号の低下の防止に有効であることを見出した。
本発明は、以上の課題に鑑み、磁気記録媒体に情報信号を転写するための信号配列に対応した強磁性体のパターンを有する磁気転写用マスター基板において、表面に信号配列に対応した凹部を有する非磁性基体と、前記凹部内に埋め込まれ、前記非磁性基体の表面より一部が突出している強磁性体と、前記非磁性基体表面および前記強磁性体の少なくとも一部を覆う非磁性保護膜とを含み、前記強磁性体の非磁性基体表面より突出した部分の基板に垂直に切断した際の断面における角部における曲率半径が1nm以上10nm以下であり、前記強磁性体の非磁性基体表面より突出した部分の高さが2nm以上であり、前記非磁性保護膜表面から前記強磁性体頂部までの高さが前記曲率半径よりも小さいことを特徴とする磁気転写用マスター基板を提供する。
また、本発明は、磁気記録媒体に情報信号を転写するための信号配列に対応した強磁性体のパターンを有する磁気転写用マスター基板の製造方法であって、(1)非磁性基体を提供する工程、(2)前記非磁性基体表面に前記信号配列に対応した凹部を形成する工程、(3)前記凹部および前記非磁性基体の凹部を形成した面に強磁性体を積層する工程、(4)前記非磁性基体および前記強磁性体をエッチング加工して、前記強磁性体パターンを形成する工程であって、前記強磁性体のエッチングレートを前記非磁性基体のエッチングレートより小さくして前記強磁性体を前記非磁性基体表面より2nm以上の高さで突出させ、前記強磁性体の前記非磁性基体表面より突出した部分の基板に垂直に切断した際の断面における角部の曲率半径が1nm以上10nm以下とする工程、および(5)前記非磁性基体表面および前記強磁性体の少なくとも一部を非磁性保護膜で覆う工程であって、前記非磁性保護膜表面から前記強磁性体頂部までの高さが前記曲率半径よりも小さくする工程を含むことを特徴とする磁気転写用マスター基板の製造方法に関する。
さらに、我々は、上記マスター基板の非磁性保護膜が硬度1GPa以下であることが、マスター基板のクリーニングを行わずにマスター転写耐久性をあげるのに有効であることを見出した。
また、上記のマスター基板と、磁気記録媒体とを重ね合わせて両者を密着させる工程と、密着させた状態で、マスター基板と磁気記録媒体からなる積層体に磁界を印加して、マスター基板の信号配列に対応した強磁性体のパターンに対応する磁化パターンを磁気記録媒体に記録する工程と、マスター基板と磁気記録媒体とを剥離させる工程と、を含むことを特徴とする磁気転写方法および磁気転写媒体に関する。
本発明は、高記録密度の磁気記録媒体の製造において、耐久性および磁気転写性能の向上したマスター基板およびその製造方法、ならびにそれを用いた磁気転写方法および磁気転写媒体を提供するものである。
本発明の磁気転写用マスター基板の断面図である。 図1の一部を拡大した図である。 本発明の製造方法を示す断面図である。 本発明の磁気転写方法を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(磁気転写用マスター基板およびその製造方法)
図1は本発明の磁気転写用マスター基板の例であり、図2はその拡大図である。本発明のマスター基板は、非磁性基体1の表面に信号配列に対応した凹部が形成され、前記凹部内に強磁性体2が非磁性基体1の表面より一部が突出した形で埋め込まれ、さらに、非磁性基体1表面および強磁性体2の少なくとも一部が非磁性保護膜3により覆われている(図1参照)。詳細には、本発明のマスター基板は、強磁性体2の非磁性基体1の表面より突出した部分の基板に垂直に切断した際の断面における角部の曲率半径rが1nm以上10nm以下であり、強磁性体2の非磁性基体1表面より突出した部分の高さh1が2nm以上であり、さらに非磁性保護膜3表面から強磁性体2頂部までの高さh2が当該曲率半径rより小さい(図2参照)
次いで、本発明のマスター基板の製造方法を図3(1)〜(5)を用いて説明する。
本発明は、まず、非磁性基体1上にレジスト膜4を形成し、当該レジスト膜4を転写する情報に応じてパターニングする(図3(1))。詳細には、強磁性体2が埋め込まれる箇所に合わせてレジスト膜4が除去される。
非磁性基体1は、基板そのものでもよいし、基板上に別の非磁性体をパターン形成用の膜として成膜したものでもよい。非磁性基体1は、非磁性、加工性、汎用性からSi、SiO2、Al、Al23およびそれらの化合物を用いることができる。また、パターン形成用非磁性体膜には、Ti、Cr、Alなどの非磁性金属、カーボン、Si、ガラス、SOG(Spin On Glass)なども利用することができる。また、成膜方法は、スパッタ法、CVD法など一般的な成膜法を利用することができる。
レジスト膜4は非磁性基体1のエッチング工程での加工耐性およびその後の十分な除去性能を有するものであればよく、パターニング方法に合わせて選択することができる。レジスト膜4のパターニングは、電子ビームによる露光および続く現像によるものでもよく、またナノインプリントリソグラフィを用いてもよい。電子ビームによる露光および現像の場合は、露光および現像性能および次のエッチング工程での加工耐性および除去性能から一般的な電子ビーム用レジストを用いることができる。ナノインプリントリソグラフィの場合は、凹凸パターンを形成したスタンパを、非磁性基体1上に塗布したレジスト膜4に押しつけることで、スタンパの凹凸パターンをレジスト膜4に転写する。凹凸転写方法の違いにより、光インプリント、熱インプリント、室温インプリントがあり、そのいずれも使用することができる。ナノインプリントリソグラフィでパターン化されるレジスト膜4は、転写性と非磁性基体1のエッチング工程での加工耐性および除去性能からポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、アクリル系光硬化樹脂、有機材を含有したSOGやポリイミド樹脂などを用いることができる。
レジスト膜4のパターニングの後、レジスト膜4のパターンをマスクとして非磁性基体1をエッチングし、次いでレジスト膜4を除去して、非磁性基体1の凹凸パターンを形成する(図3(2))。非磁性基体1の加工は、非磁性基体1の材料とレジスト膜4の材料を選択することにより、反応性イオンエッチング(RIE)、イオンビームエッチング(IBE)、ウェットエッチングなど、各種のエッチングで行うことができる。レジスト膜4の除去も、剥離液を用いたウェット法やRIE、IBEなどのドライエッチングで行うことができる。
また、非磁性基体1表面に当該非磁性基体を加工する際にマスクとなる第2の薄膜(図示せず)をあらかじめ形成し、レジスト膜4のパターンをマスクとして第2の薄膜をエッチングし、次にパターン化された第2の薄膜をマスクとして、非磁性基体1を加工してもよい。例えば、非磁性基体1としてSi基板を、第2の薄膜としてカーボンを、およびレジスト膜4としてSOGを用いてもよい。Si基板上に第2の薄膜としてカーボンをスパッタで成膜し、カーボン薄膜上にSOGレジスト膜4のパターンを形成後、酸素ガスを用いたRIEでカーボン薄膜をパターニングし、その後、カーボン薄膜をマスクとしてCF4ガスを用いたRIEでSi基板を加工することができる。
さらに、レジスト等のマスク用薄膜を用いずに、非磁性基体1の凹凸パターンを形成してもよい。例えば、基板上に非磁性膜を形成し、これに室温ナノインプリントリソグラフィや熱インプリントリソグラフィにより凹凸パターンを形成することができる。当該非磁性膜は、マスター基板に最終的に残存し、磁気転写における磁気記録媒体との密着剥離に耐えられる耐久性が必要とされる観点から、SOGやポリイミド樹脂が好適である。
非磁性基体1に凹凸パターンを形成した後、強磁性体2を前記非磁性基体1の凹凸パターン上に成膜する(図3(3))。この時の膜厚は、非磁性体基体1表面凹部に強磁性体2が充填され、さらに凹部に積層された強磁性体2が非磁性基体1表面より厚くなる膜厚であり、好ましくは2nm以上である。好ましくは、後工程の簡便性から強磁性体2の表面は略平坦である。
強磁性体2としてはFe、Co、Cr、Niやそれらを含む合金を利用することができる。より好ましくは、飽和磁化の大きい、FeCoやFePtなどである。強磁性体2の成膜は、スパッタ法や蒸着法、めっき法などを用いることができる。
その後、非磁性基体1および強磁性体2を加工して強磁性体パターンを形成する。(図3(4))。
本発明のマスター基板において、強磁性体2の非磁性基体1表面より突出した部分の基板に垂直に切断した際の断面における角部の曲率半径rが1nm以上であることが、マスター基板の耐久性の観点から好ましい。角部の曲率半径rが1nmより小さいと耐久性が低下し、サーボ信号の一部欠落や信号強度の低い部分が発生しやすくなる。
さらに、角部の曲率半径rが10nm以下であることが、磁気転写された磁気記録媒体の信号特性の観点から好ましい。曲率半径が10nmより大きいと、ドライブ評価におけるサーボ信号において、ノイズが発生するようになる。これは、強磁性体パターンのエッジ部で磁気転写時に磁束集中できず、ノイズ源となるためと考えられる。
また、強磁性体2の非磁性基体1表面より突出した部分の高さh1が、2nm以上であることが好ましい。2nmより小さい場合、高密度磁気記録媒体のドライブ評価におけるサーボ信号において信号強度が小さい部分が現れる場合がある。これはh1が2nm未満である場合には、強磁性体パターンの一部で転写媒体の磁化を反転させるだけの磁化量を十分に得ることができないためと考えられる。
非磁性基体1および強磁性体2の加工は、ドライエッチング、ウェットエッチング、化学機械研磨(CMP)で行うことができる。詳細には、非磁性基体1のエッチングレートが強磁性体2のエッチングレートより高い材料および/またはエッチング条件を選択する。そのような材料および/またはエッチング条件を選ぶことにより非磁性基体1の加工量が強磁性体2の加工量より大きくなり、強磁性体2が非磁性基体1に対して突出した形状のマスター基板を作製することができる。
さらに、強磁性体2の非磁性基体1から突出した部分の角部を滑らかにし、当該角部の曲率半径rを制御するために、以下のような方法を用いることができる。
反応性イオンエッチング(RIE)を用いたドライエッチングにおいて、RFパワーと基板バイアスの比率を小さくするほど、曲率半径が大きくなる。例えば、RFパワー/基板バイアスの比率は、1〜50である。好ましくは、1〜20である。エッチング量と角部の曲率半径の制御性、および強磁性体2への磁気特性ダメージの観点から、RFパワーは10〜1500Wが好ましく、基板バイアスは5〜800Wが好ましい。
また、非磁性基体1より強磁性体2のエッチングレートが小さい範囲において、強磁性体2のエッチングレートが大きくなるガス種を選択するほど、曲率半径rを大きくすることができる。例えば、非磁性基体1のエッチングレート/強磁性体2のエッチングレートの比率は1〜50であってもよく、好ましくは2〜5である。例えば、非磁性基体1がカーボン系材料で、強磁性体2がFeCo合金の場合には、FeCo合金のエッチングレートがカーボン系材料のエッチングレートより小さい範囲内において、ArとO2の混合ガスに対するO2ガス割合を小さくすることでカーボン系材料のエッチングレートが低下する。その結果、カーボン系材料に対するFeCo合金のエッチングレート比は大きくなり、曲率半径rが大きくなる。同様に、非磁性基体1がSi系材料で、強磁性体2がFeCo合金の場合には、エッチングガス中のCF4含有量を小さくすることで、Si系材料に対するFeCo合金のエッチングレート比は大きくなり、曲率半径rは大きくなる。
さらに、エッチング時の真空度が低いほど、曲率半径rを大きくすることができる。曲率半径rの制御とRFプラズマの安定性から真空度は、0.05〜10Paが好ましい。
一方、化学機械研磨(CMP)を用いたウェットエッチングの場合には、非磁性基体1に対して強磁性体2のエッチングレートが小さい範囲において、強磁性体2のエッチングレートが大きいスラリー剤を選択するほど、曲率半径rを大きくすることができる。例えば、非磁性基体1がカーボン系材料で、強磁性体2がFeCo合金の場合には、研磨時の研磨パッドの押し付け圧力を小さくすること、または、スラリーの砥粒を細かくすることで、カーボン系材料に対するFeCo合金のエッチングレート比は大きくなり、強磁性体の角部の曲率半径rを大きくすることができる。
また、非磁性基体1がカーボン系材料で、強磁性体2がFeCo合金の場合には、スラリーのpHを8より小さくすることで、カーボン系材料に対するFeCo合金のエッチングレート比は大きくなり、曲率半径rを大きくすることができる。
いずれの方法であっても、非磁性基体1のエッチングレートが強磁性体2のエッチングレートより低い場合では、強磁性体2表面が非磁性基体1表面より下がる形状となり好ましくない。
次いで、非磁性基体1表面および強磁性体2の少なくとも一部を覆うように非磁性保護膜3を形成する(図3(5))。非磁性保護膜3において、非磁性保護膜3表面から強磁性体2頂部までの高さh2は強磁性体2の曲率半径rよりも小さく、好ましくはh2は0である。h2がrよりも大きい場合には、耐久性が低下し、サーボ信号の一部欠落や信号強度の低い部分が発生しやすくなる。一方、h2がh1よりも大きい場合、すなわち非磁性保護膜3表面が強磁性体2表面よりも高くなる場合には磁気転写工程の際に強磁性体2と磁気転写媒体との間にスペーシングが発生してしまうため好ましくない。
本願発明の非磁性保護膜3には、ポリイミド、SOG、カーボン、Al、Al23、Si、SiO2およびそれらの化合物を用いてもよい。非磁性保護膜3として、硬度1GPa以下のSOGやポリイミドを用いることは、磁気転写において微細なパーティクルを混入した場合でも、パーティクルが非磁性保護膜3中に捕捉され、マスター基板と磁気記録媒体との面間の密着性を阻害されないため、好適である。硬度が1GPaより高い場合、微細なパーティクルの混入により、マスター基板と磁気記録媒体との面間の密着性を確保できず、磁気転写媒体のサーボ信号の信号強度が低下する部分が現れる。さらに、微細なパーティクルを混入させた状態で、マスター基板と磁気記録媒体との間に無理に圧力がかかった場合には、マスター基板と磁気記録媒体に傷がつき、さらにパーティクルが増加して余計に磁気転写媒体のサーボ信号の信号強度が低下する部分が現れてしまうことになる。
非磁性保護膜3の形成は、上記形状を形成しうるものであれば、当業者によく知られた方法を用いることができる。例えば、本発明の非磁性保護膜3の形成はスピンコート法により行なってもよい。スピンコート法により形成される非磁性保護膜3としては、SOGやポリイミドを用いることができる。
また、本願発明の非磁性保護膜3は、非磁性体により強磁性体2の全てを覆い、全体をライトエッチングすることで、強磁性体2を露出させ、形成してもよい。ライトエッチングは、酸素ガスを用いたRIEや、IBE、または、シクロヘキサノンなどの有機溶剤をスピンコートで塗布することでも行うことができる。
(磁気転写方法)
次に上記のようにして得られた磁気転写用マスター基板を用いた磁気転写の方法を図4(1)および図4(2)に示す。
磁気転写用マスター基板101、被転写媒体102、磁石103を準備する。
まず、図4(1)で示すように、被転写媒体表面に対し略垂直方向の第1の外部磁界を印加し、被転写媒体102を一方向に磁化する。
その後、図4(2)のように、転写用マスター基板101と前記被転写媒体102を密着させ、被転写媒体の記録面と略垂直な方向に、第1の磁界と逆向きの外部磁界105を印加する。転写用マスター基板101には強磁性体によるパターン104が設けられており、マスター基板101上に形成された強磁性体パターンのない部分では磁束が少ししか通らず、第1の磁界で磁化した向きが残る。強磁性体パターンのある部分では多量の磁束が通ることで第2の磁界105の向きに磁化される。結果として、マスター基板表面に形成された凹凸に対応した磁化パターンが転写される。外部磁界を印加する際には、図4(2)のように、磁石103がマスター基板101および被転写媒体102の上下に配置され、それぞれ同時に回転して転写してもよい。
以上のようにして磁化パターンが記録された磁気記録媒体は、トラックパターンが100nmより小さいマスター基板を用いて繰り返し転写されたものであっても、信号欠陥がなく、十分なサーボ信号強度を有することができる。
(実施例1)
<マスター基板の作製>
図1に示す構成を用い、本発明の磁気転写用マスター基板を作製した。
まず、外径Φ65mm、内径Φ20mm、厚さ0.635mmのSi基板を準備し、スパッタ法により、カーボン膜を80nm成膜した。カーボン膜は、後の工程でパターン加工され、非磁性基体の一部となるものである。
次に、SOGレジストをスピンコート法により膜厚70nmで塗布した。SOGは、市販の東京応化工業製OCNL505を用いた。
その後、転写する情報に応じたパターンが形成されたNiスタンパを用いてインプリントを行い、SOG表面に転写パターンに応じた凹凸パターンを形成した。パターンを形成するインプリントは、Niスタンパを基板のレジスト面に重ね合わせ、室温の状況で、100MPaの加圧を1分間行い、その後、スタンパを剥離して行った。ここで形成したパターンは、トラックピッチ60nmに対応するものである。
インプリントによりレジスト膜上に形成したパターンは残膜が存在しているため、インプリント工程後に、残膜除去工程を実施した。SOGの残膜は、20〜40nmであった。残膜除去は、CF4ガスを用いたRIEで実施した。
SOGの残膜除去後、SOGに形成された凹凸パターンをマスクとして、カーボン膜をエッチングし、カーボン膜に凹凸パターンを形成した。カーボン膜のエッチングは、O2ガスを用いたRIEで実施した。加工深さは、膜厚と同じ80nmであった。
その後、マスクとして用いたSOGを除去した。SOG除去は、CF4ガスを用いたRIEで実施した。ここまでで、非磁性基体1への凹凸パターンが形成された。
次に、強磁性体2としてFeCo(Co 約30%)をスパッタ法で、非磁性基体1の凹部を含めた部分の膜厚200nm、凹み部以外の部分の膜厚が約120nmとなるよう成膜した。
その後、RIEによりエッチングを行った。RIEは、RFパワー100W、基板バイアス20W、Arガスに対して、O2ガスを10%混合して、真空度0.1Paの条件で252sec間、加工を行った。この条件で、あらかじめ別に測定したエッチングレートは、FeCo:0.5nm/sに対して、カーボン膜:1.0nm/sであった。
こうして作製したマスター基板の断面形状を、透過型電子顕微鏡(TEM)で確認したところ、非磁性基体1の凹部に埋め込まれた強磁性体2の厚さが68nm、非磁性基体1の表面より突出した強磁性体2の高さh1が6nm、突出した強磁性体2の基板に垂直に切断した際の断面における角部の曲率半径rが4nmである構造となっていた。
次いで、非磁性基体1および強磁性体2の一部を覆うように、非磁性保護膜3を形成した。まず、SOG(東京応化製OCNL505)を上記強磁性体パターンが形成された基板表面にスピンコート法により塗布し、非磁性保護膜3を形成した。非磁性保護膜3の膜厚は非磁性基体1の表面から8nmであった。その後、CF4ガスを用いたRIE処理でライトエッチングを行い、SOG非磁性保護膜3を表面から2nm除去した。
こうして作製したマスター基板の断面形状を、TEMで確認したところ、非磁性基体1の凹部に埋め込まれた強磁性体2の厚さが68nm、非磁性基体1の表面より突出した強磁性体2の高さh1が6nm、突出した強磁性体2の基板に垂直に切断した際の断面における角部の曲率半径rが4nmの構造であり、さらに、非磁性基体1の表面からの非磁性保護膜3の厚さは6nmであり、強磁性体2の非磁性保護膜3より突出した部分の高さh2は0であった。すなわち、強磁性体2の角部は非磁性保護膜3に覆われ、非磁性保護膜3と強磁性体2との上部表面が略平坦構造となっていた。
(実施例2)
<各種の断面形状を有するサンプルの作製>
実施例1におけるRIE条件のみを変更して、種々のマスター基板を作製した。本実施例では、RIE条件をRIEパワー100〜200W、基板バイアス10〜50W、Arガス100に対するO2ガスの流量10〜50、真空度0.1〜1.5Pa、加工時間100〜400secにすることで、非磁性基体の表面より突出した強磁性体材料の高さが1.0〜16.0nm、突出した強磁性体の角部の曲率半径1.0〜15.0nmの各種のものができた。
その後、それぞれのサンプルに対し、実施例1と同等の作製方法により非磁性保護膜3を形成した。なお強磁性体2の高さh1に応じて、SOGの希釈量およびスピンコートの回転数を調整し、h1に対して2nm厚くなるように、SOGの塗布を行った。結果を表1、表2に示す。表1では、h2が0となるようにRIEを行った。また表2では、RIEの作業時間を調整して、h2を変更したサンプルを作製した。
(実施例3)
<磁気転写試験>
実施例1および2によって作製したマスター基板を使って、磁気記録媒体にサーボ情報の磁気転写を行った。さらに、マスター基板の磁気転写での繰返し耐久性を調べるために、被転写媒体を交換しながら、上記の磁気転写を繰り返し行った。なお、繰返しにおいては、1000回ごとに、マスター基板の表面をテープワイピングすることで、表面のクリーニングを行った。
<サーボ特性評価>
上の方法で、磁気転写を行った磁気記録媒体について、繰り返し数1枚目、5万枚目、10万枚目の磁気記録媒体についてサーボ特性の評価を行った。
サーボ特性の評価は、評価用ドライブを用いてドライブ試験を行った。サーボフォローイングの可否と、再生信号の出力の評価を行い、下記の評価基準で判定を行った。サーボ仕様としては、信号OFF部分に対してON部分の信号出力として5倍以上が求められ、以下の基準で○を合格、△および×を不合格とした。
○:サーボフォローイングでき、信号OFF部分に対してON部分の信号出力が5倍以上
△:サーボフォローイングでき、信号OFF部分に対してON部分の信号出力が5倍未満
×:サーボフォローイング不能
結果を表1および表2に示す。
表1の結果から、サンプル1−1、1−3〜8、および1−12〜14のように、h1が2nm以上であり、また、rが1nm以上10nm以下であり、さらに、非磁性基体1表面および強磁性体2の少なくとも一部が非磁性保護膜3により覆われ、h2が0であるものに関しては、磁気転写を10万回繰り返しても良好なサーボ特性を保持する磁気転写媒体を得ることができた。
これに対し、サンプル1−10および1−11のように、h1が2nm未満のものでは、磁気転写1枚目のサーボ特性からサーボフォローイングはできるものの信号OFF部分に対してON部分の信号出力が5倍未満であり、不合格であった。これらの被転写媒体のサーボ部分を磁気力顕微鏡(MFM)で確認したところ、一つ一つの磁気パターンにおいて、一部に磁力の弱い部分があった。このことから、信号出力が5倍未満となったのは、強磁性体パターンの一部で被転写媒体への密着が低いものが発生し、十分な磁化が行われなかったためと考えられる。
また、サンプル1−15および1−16のように、rが10nmより大きいものでは、磁気転写1枚目のサーボ特性から信号OFF部分に対してON部分の信号出力が5倍未満であり、不合格であった。これらの被転写媒体のサーボ部分をMFMで確認したところ、一つ一つの磁気パターンのエッジが不明瞭になっていた。このことから、信号出力が5倍未満となったのは、強磁性体の角部の曲率が大きすぎるために、磁気パターンのエッジ部分の磁力が弱まってしまったためと考えられる。
また、サンプル1−8’および1−9’のように、h1が15nmより大きいもので、非磁性保護膜3のないものに関しては、磁気転写1枚目のサーボ特性は合格であったが、5万枚目および10万枚目のサーボ特性において不合格であった。この被転写媒体のサーボ部分をMFMで確認したところ、一つ一つの磁気パターンにおいて、一部に磁力の弱い部分があった。このことから、信号出力が5倍未満となったのは、繰り返し使用でマスター基板の強磁性体パターンの一部に欠陥が生じ、一部のパターンで被転写媒体への転写欠陥が発生したためと考えられる。
これらに対して、サンプル1−8および1−9のようにh1が15nmより大きいものであっても、非磁性保護膜3を形成したものでは、10万枚目のサーボ特性においても合格であった。非磁性保護膜3によって、強磁性体パターンの欠陥が抑えられたためと考えられる。
また、サンプル1−2’、1−3’および1−4’のように、rが2nmより小さいもので非磁性保護膜3がない場合には、磁気転写1枚目のサーボ特性に対して、5万枚目および10万枚目のサーボ特性において低下がみられ、不合格となった。これらの被転写媒体のサーボ部分をMFMで確認したところ、一つ一つの磁気パターンにおいて、一部に磁力の弱い部分があった。このことから、信号出力が5倍未満となったのは、繰り返し使用でマスター基板の強磁性パターンの一部に欠陥が生じ、一部のパターンで被転写媒体への転写欠陥が発生したためと考えられる。
これらに対して、サンプル1−3および1−4のように、rが2nmより小さいものであっても非磁性保護膜3を形成したものでは、10万枚目のサーボ特性においても合格であった。非磁性保護膜3によって、強磁性体パターンの欠陥が抑えられたためと考えられる。
しかしながら、サンプル1−2では、10万枚目のサーボ特性において不合格であった。
非磁性保護膜3を有するサンプルであって、不合格となったサンプル1−2の10万枚目磁気転写の被転写媒体のサーボ部分をMFMで確認したところ、一つ一つの磁気パターンにおいて、一部に磁力の弱い部分があった。さらに、原子間力顕微鏡(AFM)でサンプル1−2の表面を観察したところ、埋め込まれていた強磁性体パターンの一部に欠損が観察された。このことから、rが1nmより小さいものでは、繰り返し使用によりマスター基板の強磁性体パターンの一部に欠陥が生じたと考えられる。
表2では、上記サンプル1−8および1−4において、h2を変化させた場合の結果を示す。
rが6.0nmであるサンプル1−8に対して、h2をそれぞれ3.0nmおよび5.0nmとしたサンプル1−8−1および1−8−2では、10万枚目のサーボ特性においても、合格となった。しかしながら、さらに高くしたサンプル1−8−3(h2=8.0nm)および1−8−4(h2=12.0nm)では、繰り返し使用でサーボ特性において低下があり、5万枚目および10万枚目のサーボ特性は不合格となった。
また、同様にr=1.5nmであるサンプル1−4に対して、h2を1.0nmとしたサンプル1−4−1では、10万枚目のサーボ特性においても、合格となった。しかしながら、さらに高くしたサンプル1−4−2(h2=2.0nm)および1−4−3(h2=3.0nm)では、繰り返し使用でサーボ特性において低下があり、5万枚目および10万枚目のサーボ特性は不合格となった。
これらの不合格となった被転写媒体のサーボ部分をMFMで確認したところ、一部に磁力の弱い部分が確認された。このことから、h2がrよりも大きいこれらのサンプルでは、繰り返し使用でのマスター基板の強磁性体パターンの欠陥が生じたものと考えられる。
(実施例4)
次に、トラックピッチが耐久性に与える影響を示す。
実施例1〜3と同等の作製方法および測定・評価条件で、トラックピッチ45、100、125、200のサンプルをそれぞれ作製し、評価した。結果を表3に示す。また、比較として実施例1〜3におけるサンプル1−2、1−11、および1−15も示す。
表3の結果、トラックピッチが125nm以上の場合には、いずれも10万枚目のサーボ特性まで合格であったが、トラックピッチが100nm以下の場合には、強磁性体2および非磁性保護膜3に関し、基板に垂直に切断した際の断面において、rが1nm以上10nm以下であり、h1が2nm以上であって、h2がrより小さいものでなければ、サーボ特性が不合格になった。
サンプル2−3および2−4のように、トラックピッチが125nmより大きい場合には、埋め込まれている強磁性体の体積が大きいため、rが1nmより小さくても、繰り返し使用における強磁性体の剥離などの欠陥が生じにくく、耐久性が高くなり、10万枚目のサーボ特性でも合格したと考えられる。また、サンプル2−7、2−8、2−11、および2−12のように、rが10nmより大きくても、または、h1が2nmより小さくても、トラックピッチが125nmより大きい場合には埋め込まれている磁性体の体積が大きいため、転写媒体の磁化を反転させるだけの磁化量を十分に得ることができたと考えられる。
(実施例5)
さらに、実施例1のサンプル1−8における非磁性保護膜3が表4に示す材料であるマスター基板を作製して、非磁性保護膜3の材質の違いによる影響を検討した。
サンプル3−1の非磁性保護膜3の形成は、ポリイミドコーティング剤(東レ株式会社製セミコファイン)を適当な濃度に希釈し、スピンコートにより非磁性基体1表面から18nmの厚さになるように塗布を行った。その後、O2ガスを用いたRIEをh2が3nmとなるまで行った。
サンプル3−2の作製は、実施例1と同様に行った。
サンプル3−3の作製は、実施例1におけるSOG塗布剤に日立化成HSG-225を用いる以外は同様に行った。
サンプル3−4および3−5では、アルミニウムターゲットを用いたスパッタ法により、非磁性基体1表面から18nmの厚さになるように成膜を行った。スパッタの際に3−4は純Arガスで行ったが、3−5は1%O2を含むArガスを用いてスパッタを行った。その後、イオンビームエッチング(IBE)をh2が3nmとなるまで行った。
サンプル3−6および3−7では、SiターゲットおよびSiO2ターゲットをそれぞれ用いたスパッタ法により、非磁性基体1表面から18nmの厚さになるように成膜を行った。スパッタの際には、純Arガスで行った。その後、CF4ガスによるRIEをh2が3nmとなるまで行った。
サンプル3−8では、カーボンターゲットを用いたスパッタ法により、非磁性基体1表面から18nmの厚さになるように成膜を行った。スパッタの際には、純Arガスで行った。その後、O2ガスを用いたRIEをh2が3nmとなるまで行った。
また、各種材料の硬度を、薄膜硬度測定装置(ナノインデンター:Agilent Technologies製 型番Nano Indenter G200)を用いて測定した。薄膜硬度は、上記と同様の方法で作製した200nmの膜厚のサンプルを準備し、ナノインデンターによる押し込み量と押し込み力から測定した。
上記のとおり作製したマスター基板を用いて、磁気転写およびサーボ特性の評価を、実施例1と同様に行った。ただし、磁気転写の繰返しにおいては、1000回ごとにマスター基板をテープワイピングで表面のクリーニングを行ったものと、10万枚目までマスター基板のクリーニングを全く行わないものの2種類を行った。
結果を表4に示す。
表4の結果、非磁性保護膜3にいずれの材料を用いた場合でも、クリーニングありの場合では、10万枚目のサーボ特性が十分なものであった。さらに、非磁性保護膜が硬度1GPa以下である場合には、マスター基板をテープワイピングでクリーニングしなくても、10万枚目のサーボ特性に合格することができた。これは、非磁性保護膜材料として硬度1GPa以下のものを使用した場合には、磁気転写において微細なパーティクルがマスター基板と磁気転写媒体との間に混入しても、当該パーティクルが当該非磁性保護膜中に補足されることでマスター基板と磁気記録媒体との面間の密着性に影響を与えなかったためと考えられる。
1 非磁性基体
2 強磁性体
3 非磁性保護膜
4 レジスト膜
101 マスター基板
102 被転写媒体
103 磁石
104 強磁性体によるパターン
105 外部磁界

Claims (4)

  1. 磁気記録媒体に情報信号を転写するための信号配列に対応した強磁性体のパターンを有する磁気転写用マスター基板であって、
    表面に信号配列に対応した凹部を有する非磁性基体と、
    前記凹部内に埋め込まれ、前記非磁性基体の表面より一部が突出している強磁性体と、
    前記非磁性基体表面および前記強磁性体の少なくとも一部を覆う非磁性保護膜と
    を含み、
    前記強磁性体の非磁性基体表面より突出した部分の基板に垂直に切断した際の断面における角部における曲率半径が1nm以上10nm以下であり、
    前記強磁性体の非磁性基体表面より突出した部分の高さが2nm以上であり、
    前記非磁性保護膜表面から前記強磁性体頂部までの高さが前記曲率半径よりも小さいことを特徴とする磁気転写用マスター基板。
  2. 磁気記録媒体に情報信号を転写するための信号配列に対応した強磁性体のパターンを有する磁気転写用マスター基板の製造方法であって、
    (1)非磁性基体を提供する工程、
    (2)前記非磁性基体表面に前記信号配列に対応した凹部を形成する工程、
    (3)前記凹部および前記非磁性基体の凹部を形成した面に強磁性体を積層する工程、
    (4)前記非磁性基体および前記強磁性体をエッチング加工して、前記強磁性体パターンを形成する工程であって、
    前記強磁性体のエッチングレートを前記非磁性基体のエッチングレートより小さくして前記強磁性体を前記非磁性基体表面より2nm以上の高さで突出させ、
    前記強磁性体の前記非磁性基体表面より突出した部分の基板に垂直に切断した際の断面における角部の曲率半径が1nm以上10nm以下とする工程、および
    (5)前記非磁性基体表面および前記強磁性体の少なくとも一部を非磁性保護膜で覆う工程であって、前記非磁性保護膜表面から前記強磁性体頂部までの高さが前記曲率半径よりも小さくする工程
    を含むことを特徴とする磁気転写用マスター基板の製造方法。
  3. 非磁性保護膜が硬度1GPa以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気転写用マスター基板。
  4. 請求項1に記載のマスター基板と、磁気記録媒体とを重ね合わせて両者を密着させる工程と、
    密着させた状態で、マスター基板と磁気記録媒体からなる積層体に磁界を印加して、マスター基板の信号配列に対応した強磁性体のパターンに対応する磁化パターンを磁気記録媒体に記録する工程と、
    マスター基板と磁気記録媒体とを剥離させる工程と、
    を含むことを特徴とする磁気転写方法。
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