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JP2012027158A - 集光素子、集光素子アレイ、露光装置及び画像形成装置 - Google Patents

集光素子、集光素子アレイ、露光装置及び画像形成装置 Download PDF

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JP2012027158A JP2010164374A JP2010164374A JP2012027158A JP 2012027158 A JP2012027158 A JP 2012027158A JP 2010164374 A JP2010164374 A JP 2010164374A JP 2010164374 A JP2010164374 A JP 2010164374A JP 2012027158 A JP2012027158 A JP 2012027158A
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Abstract

【課題】発光素子が可干渉性光源か否かに拘わらず、発光素子からの射出光をホログラム素子で回折して被露光面に集光した場合に、可干渉性光源を用いた場合と同様にコントラストの高いスポットを形成することができる集光素子、集光素子アレイ、露光装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】複数の発光素子が所定方向に並ぶように配列された発光素子アレイと、複数の発光素子の各々に対応して発光素子からの射出光を回折して被露光面に集光する複数のホログラム素子が、被露光面に形成される複数の集光点が所定方向に並ぶように多重記録されたホログラム記録層と、ホログラム記録層の光入射側に配置され、複数の発光素子の各々に対応して複数の透光部が形成された遮光膜を備え、複数の透光部の各々を透過する光が対応するホログラム素子を記録した参照光の光路を通過するように各透過光の拡がり角を制御する拡がり角制御手段と、を備えた露光装置とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、集光素子、集光素子アレイ、露光装置及び画像形成装置に関する。
特許文献1には、画像を多数の微小な画素に分割し、一つもしくは複数の光源から各画素の濃度に対応した強度の光束を射出し、当該光束による輝点を、閾値以上の光量密度の光が照射されることにより、感光して表面電位変化や化学的変化等の潜像が形成される、又は感光して濃度変化を持つ画像が形成される画像記録媒体の上に走査して、各画素領域を順次感光させることにより画像を書込む光書込み装置において、前記光源と前記画像記録媒体との間であって光源側から順に、光束を集束させる光集束素子部と、光束が集束する位置に設けられた微小な光学的開口部と、該光学的開口部より射出した光束をおおむね平行な光束とするコリメータ部と、光束を複数の方向へ分解して放射すると共に複数の光束をおおむね同一の平面上に集束させるホログラム素子と、を配列された一つのユニットを、主走査方向に画素数と同数のアレイ状に配置したことを特徴とする光書込み装置が記載されている。
特許文献2には、光源基板上に配列された複数の発光素子と、透過する光を回折させることにより当該光の光線束を収束させて像を結ぶ複数の回折正レンズを有する第1レンズアレイと、複数のレンズを有し、前記複数の発光素子の各々との間に前記第1レンズアレイを挟む第2レンズアレイとを備え、前記複数の回折正レンズの各々は、前記光源基板に垂直な方向において前記複数の発光素子の各々に重なっていることを特徴とする露光装置が記載されている。
特開2000−330058号公報 特開2007−237576号公報
本発明の目的は、発光素子が可干渉性(コヒーレント)光源か否かに拘わらず、発光素子からの射出光をホログラム素子で回折して被露光面に集光した場合に、可干渉性光源を用いた場合と同程度にコントラストの高いスポットを形成することができる集光素子、集光素子アレイ、露光装置及び画像形成装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、発光素子と、前記発光素子からの射出光を回折して被露光面に集光するホログラム素子が記録されたホログラム記録層と、前記ホログラム記録層の光入射側に配置され、前記発光素子に対応して透光部が形成された遮光膜を備え、前記透光部を透過する光が対応するホログラム素子を記録した参照光の光路を通過するように透過光の拡がり角を制御する拡がり角制御手段と、を備えた集光素子である。
請求項2に記載の発明は、前記拡がり角制御手段は、前記透光部の光入射側に配置され且つ前記発光素子からの射出光を前記透光部に集光する集光部を更に備えた、請求項1に記載の集光素子である。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の集光素子が一次元状又は二次元状に複数配列された集光素子アレイである。
請求項4に記載の発明は、複数の発光素子が予め定めた方向に並ぶように配列された発光素子アレイと、前記複数の発光素子の各々に対応して前記発光素子からの射出光を回折して被露光面に集光する複数のホログラム素子が、前記被露光面に形成される複数の集光点が前記予め定めた方向に並ぶように多重記録されたホログラム記録層と、前記ホログラム記録層の光入射側に配置され、前記複数の発光素子の各々に対応して複数の透光部が形成された遮光膜を備え、前記複数の透光部の各々を透過する光が対応するホログラム素子を記録した参照光の光路を通過するように各透過光の拡がり角を制御する拡がり角制御手段と、を備えた露光装置である。
請求項5に記載の発明は、前記拡がり角制御手段は、前記複数の透光部の光入射側に配置され且つ前記複数の発光素子からの射出光を対応する透光部に集光する複数の集光部を更に備えた、請求項4に記載の露光装置である。
請求項6に記載の発明は、請求項4又は請求項5に記載の露光装置と、前記露光装置と予め定めた作動距離だけ離間して配置され、画像データに応じて前記露光装置により前記予め定めた方向に主走査されて画像が記録される感光性の画像記録媒体と、を含む画像形成装置である。
請求項1に記載の集光素子によれば、発光素子が可干渉性(コヒーレント)光源か否かに拘わらず、発光素子からの射出光をホログラム素子で回折して被露光面に集光した場合に、可干渉性光源を用いた場合と同程度にコントラストの高いスポットを形成することができる。
請求項2に記載の集光素子によれば、本発明の構成を備えない場合に比べて、光利用効率を向上させることができる。
請求項3に記載の集光素子アレイによれば、集光素子を複数配列してアレイ化しても、発光素子が可干渉性(コヒーレント)光源か否かに拘わらず、発光素子からの射出光をホログラム素子で回折して被露光面に集光した場合に、可干渉性光源を用いた場合と同程度にコントラストの高いスポットを形成することができる。
請求項4に記載の露光装置によれば、発光素子アレイを構成する複数の発光素子の各々が可干渉性(コヒーレント)光源か否かに拘わらず、複数の発光素子からの射出光の各々を対応するホログラム素子で回折して被露光面に集光した場合に、可干渉性光源を用いた場合と同程度にコントラストの高いスポット列を形成することができる。
請求項5に記載の露光装置によれば、本発明の構成を備えない場合に比べて、光利用効率を向上させることができる。
請求項6に記載の画像形成装置によれば、露光装置の発光素子アレイを構成する複数の発光素子の各々が可干渉性(コヒーレント)光源か否かに拘わらず、感光性の画像記録媒体の被露光面に可干渉性光源を用いた場合と同程度にコントラストの高いスポット列を形成することができ、当該スポット列により画像記録媒体が主走査されて高画質な画像を記録することができる。
本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成の一例を示す概略図である。 本発明の実施の形態に係るLEDプリントヘッドの構成の一例を示す概略斜視図である。 拡がり角制御手段の構成の一例を示す斜視図である。 (A)はホログラム素子の概略形状を示す斜視図であり、(B)はLEDプリントヘッドの副走査方向の断面図であり、(C)はLEDプリントヘッドの主走査方向の断面図である。 拡がり角制御手段により透過光の拡がり角が制御される原理を模式的に示す図である。 (A)〜(C)の各々は、透光部の断面形状の一例を示す平面図である。 (A)及び(B)は、ホログラム記録層にホログラムが記録される様子を示す図である。 (A)〜(E)は、フィルム状の遮光体を用いてLEDプリントヘッドを製造する製造方法の一例を示す工程図である。 (A)及び(B)は、ホログラムが再生されて回折光が生成される様子を示す図である。 (A)〜(D)は、LEDプリントヘッドの変形例を示す断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。
<LEDプリントヘッドを搭載した画像形成装置>
まず、本発明の実施の形態に係るLEDプリントヘッドを搭載した画像形成装置について説明する。電子写真方式で画像を形成する複写機、プリンタ等では、感光体ドラムに潜像を書き込む露光装置として、従来の光走査方式の露光装置(即ち、光走査書き込み装置)に代わり、発光ダイオード(LED)を光源に用いたLED方式の露光装置が主流になりつつある。LED方式の露光装置では、走査光学系は不要であり、光走査方式に比べて大幅な小型化が可能である。また、ポリゴンミラーを駆動する駆動モータも不要であり、機械的なノイズが発生しないという利点もある。
LED方式の露光装置は、LEDプリントヘッドと称され、LPHと略称されている。従来のLEDプリントヘッドは、長尺状の基板上に多数のLEDが配列されたLEDアレイと、多数の屈折率分布型のロッドレンズが配列されたレンズアレイと、を備えている。LEDアレイには、例えば1インチ当り1200画素(即ち、1200dpi(dot per inch))と、主走査方向の画素数に対応して多数のLEDが配列されている。従来、レンズアレイには、セルフォック(登録商標)などのロッドレンズが用いられている。各LEDから射出された光は、ロッドレンズにより集光されて、感光体ドラム上に正立等倍像が結像される。
ロッドレンズに代えて「ホログラム素子」を用いたLEDプリントヘッドが検討されている。本実施の形態に係る画像形成装置は、以下に説明する「ホログラム素子アレイ」を備えたLEDプリントヘッドを備えている。ロッドレンズを用いたLPHでは、レンズアレイ端面から結像点までの光路長(作動距離)は数mm程度と短く、感光体ドラムの周囲における露光装置の占有割合が大きくなる。これに対して、ホログラム素子アレイを備えたLPH14は、作動距離が数cm程度と長く、感光体ドラムの周囲が混み合わず、全体として画像形成装置が小型化される。
また、一般に、インコヒーレント光(非干渉性の光)を射出するLEDを用いるLPHでは、コヒーレンス性が低下してスポットぼけ(いわゆる色収差)が生じ、微小スポットを形成することは容易ではない。これに対して、ホログラム素子アレイを備えたLPH14は、ホログラム素子の入射角選択性及び波長選択性が高く、「ロッドレンズを用いたLPH」に比べると、感光体ドラム12上に微小スポットを形成し易い。
図1は本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成の一例を示す概略図である。この画像形成装置は、所謂タンデム型のデジタルカラープリンタであり、各色の画像データに対応して画像形成を行う画像形成部としての画像形成プロセス部10、画像形成装置の動作を制御する制御部30、及び画像読取装置3と例えばパーソナルコンピュータ(PC)2等の外部装置とに接続され、これらの装置から受信された画像データに対して予め定めた画像処理を施す画像処理部40を備えている。
画像形成プロセス部10は、一定の間隔で並列に配置される4つの画像形成ユニット11Y、11M、11C、11Kを備えている。画像形成ユニット11Y、11M、11C、11Kの各々は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像を形成する。なお、画像形成ユニット11Y、11M、11C、11Kを、適宜「画像形成ユニット11」と総称する。
各画像形成ユニット11は、静電潜像を形成してトナー像を保持する像保持体としての感光体ドラム12、感光体ドラム12の表面を予め定めた電位で一様に帯電する帯電器13、帯電器13によって帯電された感光体ドラム12を露光する露光装置としてのLEDプリントヘッド(LPH)14、LPH14によって得られた静電潜像を現像する現像器15、転写後の感光体ドラム12表面を清掃するクリーナ16を備えている。
LPH14は、感光体ドラム12の軸線方向の長さと略同じ長さの長尺状のプリントヘッドである。LPH14は、その長さ方向が感光体ドラム12の軸線方向を向くように、感光体ドラム12の周囲に配置されている。本実施の形態では、LPH14には、長さ方向に沿って複数のLEDがアレイ状(列状)に配列されている。また、LEDアレイ上には、複数のLEDに対応する複数のホログラム素子がアレイ状に配列されている。
後述する通り、ホログラム素子アレイを備えたLPH14の作動距離は長く、感光体ドラム12の表面から数cm離間して配置されている。このため、感光体ドラム12の周方向における占有幅が小さく、感光体ドラム12の周囲の混雑が緩和されている。
また、画像形成プロセス部10は、各画像形成ユニット11の感光体ドラム12にて形成された各色のトナー像が多重転写される中間転写ベルト21、各画像形成ユニット11の各色トナー像を中間転写ベルト21に順次転写(一次転写)させる一次転写ロール22、中間転写ベルト21上に転写された重畳トナー像を記録媒体である用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写ロール23、及び二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着器25を備えている。
次に上記画像形成装置の動作について説明する。
まず、画像形成プロセス部10は、制御部30から供給された同期信号等の制御信号に基づいて画像形成動作を行う。その際に、画像読取装置3やPC2から入力された画像データは、画像処理部40によって画像処理が施され、インターフェースを介して各画像形成ユニット11に供給される。
例えば、イエローの画像形成ユニット11Yでは、帯電器13により予め定めた電位で一様に帯電された感光体ドラム12の表面が、画像処理部40から得られた画像データに基づいて発光するLPH14により露光されて、感光体ドラム12上に静電潜像が形成される。即ち、LPH14の各LEDが画像データに基づいて発光することで、感光体ドラム12の表面が主走査されると共に、感光体ドラム12が回転することで副走査されて、感光体ドラム12上に静電潜像が形成される。形成された静電潜像は現像器15により現像され、感光体ドラム12上にはイエローのトナー像が形成される。同様に、画像形成ユニット11M,11C,11Kにおいて、マゼンタ、シアン、黒の各色トナー像が形成される。
各画像形成ユニット11で形成された各色トナー像は、図1の矢印A方向に回転する中間転写ベルト21上に、一次転写ロール22により順次静電吸引されて転写される(一次転写)。中間転写ベルト21上には、重畳されたトナー像が形成される。重畳トナー像は、中間転写ベルト21の移動に伴って二次転写ロール23が配設された領域(二次転写部)に搬送される。重畳トナー像が二次転写部に搬送されると、トナー像が二次転写部に搬送されるタイミングに合わせて用紙Pが二次転写部に供給される。
そして、二次転写部にて二次転写ロール23により形成される転写電界により、重畳トナー像は搬送されてきた用紙P上に一括して静電転写される(二次転写)。重畳トナー像が静電転写された用紙Pは、中間転写ベルト21から剥離され、搬送ベルト24により定着器25まで搬送される。定着器25に搬送された用紙P上の未定着トナー像は、定着器25によって熱および圧力による定着処理を受けることで用紙P上に定着される。そして定着画像が形成された用紙Pは、画像形成装置の排出部に設けられた排紙トレー(不図示)に排出される。
<LEDプリントヘッド(LPH)>
図2は本発明の実施の形態に係るLEDプリントヘッドの構成の一例を示す概略斜視図である。図2に示すように、LEDプリントヘッド(LPH14)は、複数のLED50を備えたLEDアレイ52と、複数のLED50の各々に対応して設けられた複数のホログラム素子54を備えたホログラム素子アレイ56と、を備えている。図2に示す例では、LEDアレイ52は6個のLED50〜50を備え、ホログラム素子アレイ56は6個のホログラム素子54〜54を備えている。なお、各々を区別する必要がない場合には、LED50〜50を「LED50」と総称し、ホログラム素子54〜54を「ホログラム素子54」と総称する。
複数のLED50の各々は、LEDチップ53上に配列されている。LEDチップ53は、LED50の各々を駆動する駆動回路(図示せず)と共に、長尺状のLED基板58上に実装されている。LEDチップ53は、複数のLED50が主走査方向に並ぶように位置合わせをして、LED基板58上に配置されている。これにより、LED50の各々は、感光体ドラム12の軸線方向と平行な方向に沿って配列される。
LED50の配列方向が「主走査方向」である。また、LED50の各々は、互いに隣接する2つのLED50の主走査方向の間隔(LEDピッチ)が一定間隔となるように配列されている。なお、感光体ドラム12の回転により副走査が行われるが、「主走査方向」と直交する方向を「副走査方向」として図示している。また、LED50は「点光源」ではないが、以下では、LED50が配置される位置を適宜「発光点」と称する。
LEDアレイ52としては、複数のLEDがチップ単位で基板上に実装されたLEDアレイ等、種々の形態のLEDアレイを用いてもよい。複数のLEDが配列されたLEDチップを複数個配列する場合には、複数のLEDチップは、直列に配置してもよく、千鳥状に配置してもよい。また、副走査方向に2個以上配置してもよい。図2においては、複数のLED50が1個のLEDチップ53上に一次元状に配列されたLEDアレイ52を概略的に図示しているに過ぎない。
LEDアレイ52は、複数のLEDチップ53が千鳥状に配列されていてもよい。即ち、複数のLEDチップ53は、主走査方向に並ぶように一列に配置されると共に、副走査方向に一定間隔ずらして二列に配置されていてもよい。なお、複数のLEDチップ53に分けられていても、複数のLED50の各々は、互いに隣接する2つのLED50の主走査方向の間隔が、一定間隔となるように配列されている。
LEDアレイ52としては、複数の自己走査型LED(SLED:Self-scanning LED)が配列されたSLEDチップ(図示せず)が、各LEDが主走査方向に並ぶように、複数個配列されて構成されたSLEDアレイを用いてもよい。SLEDアレイは、スイッチのオン・オフを二本の信号線によって行い、各SLEDを選択的に発光させて、データ線を共通化する。このSLEDアレイを用いることで、LED基板58上での配線数が少なくて済む。
上記のLEDチップ53が配置されたLED基板58上には、予め定めた距離だけ離間させてホログラム記録層60が形成されている。ホログラム素子アレイ56は、LED基板58上に形成されたホログラム記録層60内に形成されている。本実施の形態では、LED基板58とホログラム記録層60との間には、透過光の「拡がり角」を制御する拡がり角制御手段32が配置されている。後述する通り、拡がり角制御手段32は透光部を備えた遮光膜である。従って、LED基板58上には、拡がり角制御手段32である遮光膜及びホログラム記録層60が、LED基板58側からこの順に積層されている。
ホログラム記録層60には、複数のLED50〜50の各々に対応して、主走査方向に沿って複数のホログラム素子LED54〜54が形成されている。ホログラム素子54の各々は、互いに隣接する2つのホログラム素子54の主走査方向の間隔が、上記のLED50の主走査方向の間隔と、ほぼ同じ間隔となるように配列されている。即ち、互いに隣接する2つのホログラム素子54が互いに重なり合うように、径の大きいホログラム素子54が形成されている。また、互いに隣接する2つのホログラム素子54が異なる形状を有していてもよい。
ホログラム記録層60は、ホログラムを永続的に記録保持することが可能な高分子材料から構成されている。このような高分子材料としては、いわゆるフォトポリマーを用いてもよい。フォトポリマーは、光重合性モノマーのポリマー化による屈折率変化を利用してホログラムを記録する。
図3は拡がり角制御手段の構成の一例を示す斜視図である。拡がり角制御手段32は、複数の透光部36が形成された遮光膜34である。透光部36の径は参照光のビームウエスト径と同程度に小さいので、拡がり角制御手段32を「ピンホールアレイ」と称してもよい。この例では、遮光膜34には、図2に示した複数のLED50〜50の各々に対応して、主走査方向に沿って複数の透光部36〜36が形成されている。なお、各々を区別する必要がない場合には、透光部36〜36を「透光部36」と総称する。透光部36の各々は、遮光膜34を貫通する貫通孔である。ここで「貫通孔」とは機械的な孔が形成される場合だけでなく、遮光膜34の厚さに渡り透明部分が形成される場合も含む。この例では、透光部36の断面形状は、略正方形の矩形状とされている。
LED50はインコヒーレント光源である。本実施の形態では、LED50から射出された拡散光(インコヒーレント光)は、拡がり角制御手段32に照射される。拡がり角制御手段32は、LED50に対応する透光部36が、LED50に対応するホログラム素子54を記録した参照光の光路を通過するように、主走査方向及び副走査方向の各々において透過光の「拡がり角」を制御する。
拡がり角制御手段32により透過光の「拡がり角」が制御された結果、LED50から射出される発光光の一部は、発光点からホログラム径まで拡がる参照光の光路を通り、ホログラム素子54に参照光が照射されたのと略同じ状況となる。なお、拡がり角制御手段32が「透過光の拡がり角」を制御する原理については後で詳しく説明する。
図2に示すように、LEDアレイ52とホログラム素子アレイ56とを備えたLPH14では、6個のLED50〜50の各々から射出された各光のうち参照光の光路を通る光は、拡がり角制御手段32の対応する透光部36を透過して、対応するホログラム素子54〜54のいずれかに入射する。ホログラム素子54〜54は、入射された光を回折して回折光を生成する。ホログラム素子54〜54の各々で生成された各回折光は、参照光の光路を避けて、その光軸が発光光軸と角度θを成す方向に射出され、感光体ドラム12の方向に集光される。
射出された各回折光は、感光体ドラム12の方向に収束して、数cm先の焦点面に配置された感光体ドラム12の表面で結像される。即ち、複数のホログラム素子54の各々は、対応するLED50から射出された光を回折して集光し、感光体ドラム12表面に結像させる光学部材として機能する。感光体ドラム12の表面には、各回折光による微小なスポット62〜62が、主走査方向に一列に配列されるように形成される。換言すれば、LPH14により、感光体ドラム12が主走査される。なお、各々を区別する必要がない場合には、スポット62〜62を「スポット62」と総称する。
<ホログラム素子の形状>
図4(A)はホログラム素子の概略形状を示す斜視図であり、図4(B)はLEDプリントヘッドの副走査方向の断面図であり、図4(C)はLEDプリントヘッドの主走査方向に沿った断面図である。
図4(A)に示すように、ホログラム素子54の各々は、一般に厚いホログラムと称される体積ホログラムである。上述した通り、ホログラム素子は、入射角選択性及び波長選択性が高く、回折光の出射角度(回折角)を高精度で制御して、微小スポットを形成する。回折角の精度はホログラムの厚さが厚いほど高くなる。
図4(A)及び図4(B)に示すように、ホログラム素子54の各々は、ホログラム記録層60の表面側を底面とし、LED50側に向かって収束する円錐台状に形成されている。この例では円錐台状のホログラム素子について説明するが、ホログラム素子の形状はこれには限定されない。例えば、円錐、楕円錐、楕円錐台等の形状としてもよい。円錐台状のホログラム素子54の直径は、底面で最も大きくなる。本実施の形態では、この円形の底面の直径を「ホログラム径r」とする。
ホログラム素子54の各々は、LED50の主走査方向の間隔よりも大きな「ホログラム径r」を有している。例えば、LED50の主走査方向の間隔は30μmであり、ホログラム径rは2mm、ホログラム厚さhは250μmである。このように大きなホログラム素子54を用いることで、約4cmの作動距離で、約40μm(半値幅で約30μm)のスポットサイズφが実現される。従って、図2及び図4(C)に示すように、互いに隣接する2つのホログラム素子54は、互いに大幅に重なり合うように形成されている。複数のホログラム素子54は、例えば、球面波シフト多重により多重記録されている。
複数のLED50の各々は、対応するホログラム素子54側に光を射出するように、発光面をホログラム記録層60の表面側に向けて、LED基板58上に配置されている。また、拡がり角制御手段32は、LED基板58とホログラム記録層60との間に配置されている。拡がり角制御手段32は、複数の透光部36を備えた遮光膜34である。複数の透光部36の各々は、透過光がホログラム素子54を記録した参照光の光路を通過するように設計され、複数のLED50の各々に対応して設けられている。
LED50の「発光光軸」は、対応するホログラム素子54の中心(例えば、円錐台の対称軸)付近を通り、LED基板58と直交する方向を向いている。図示した通り、発光光軸は、上記の主走査方向及び副走査方向の各々とも直交する。即ち、ここで「発光光軸」とは、LED50の発光領域から射出される拡散光の中心線であり、LED50を発光点とみなす場合にはLED基板58の法線方向と一致する。
また、図示は省略するが、LPH14は、ホログラム素子54で生成された回折光が感光体ドラム12の方向に射出されるように、ハウジングやホルダー等の保持部材により保持されて、図1に示す画像形成ユニット11内の予め定めた位置に取り付けられている。なお、LPH14は、調整ネジ(図示せず)等の調整手段により、回折光の光軸方向に移動するように構成されていてもよい。ホログラム素子54による結像位置(焦点面)が、感光体ドラム12表面上に位置するように、上記の調整手段により調整する。また、ホログラム記録層60上に、カバーガラスや透明樹脂等で保護層が形成されていてもよい。保護層によりゴミの付着が防止される。
<拡がり角制御手段による拡がり角の制御原理>
図5は、拡がり角制御手段により透過光の拡がり角が制御される原理を模式的に示す図である。図5に示すように、インコヒーレント光源であるLED50を発光させると、LED50から射出される発光光は、幅広い波長スペクトル及び角度スペクトルを有し、発散して拡がることが知られている。この現象は「ランバーシアン配光」と称される。同じくインコヒーレント光源である電界発光素子(EL)においても、同様の現象が観測される。
即ち、LED50から射出される発光光には、ホログラムの記録に用いた参照光の「波長」及び「角度」以外にも、対応するホログラム素子54のブラッグ(Bragg)条件を満たす他の「波長」及び「角度」の組合せが存在する。従って、LED50から射出される発光光が、ホログラム素子54にそのまま入射して回折されると、ブラッグ条件を満たす「他の組合せ」に起因する回折光によって、感光体ドラム12の表面に形成されるスポット62の径が大きくなる。
図5に示すように、本実施の形態では、LED50の光射出側には、拡がり角制御手段32として、複数の透光部36を備えた遮光膜36が配置されている。拡がり角制御手段32は、透光部36を透過する透過光がホログラム素子54を記録した参照光の光路を通過するように、遮光膜34の配置位置、遮光膜34の厚さ、透光部36の断面形状等が適宜設計されている。
拡がり角制御手段32は、ホログラム素子54を記録した参照光の光路を通過する拡がり角(≦α)の光を通過させると共に、当該参照光の光路の外側を通過する拡がり角(>α)の光を遮断するように、透過光の「拡がり角」を制御する。拡がり角制御手段32は、透光部36を透過する透過光の「角度スペクトル」を制限している。「角度スペクトル」を制限することで、ブラッグ条件を満たす「他の組合せ」に起因する回折光が低減される。従って、隣接するホログラム素子54によるクロストークも低減される。
換言すれば、ピンホール等の透光部36は、LED50の空間的な発光領域(空間領域)を見かけ上小さくし且つ拡散角も小さくする。即ち、透光部36が「拡がり角α」の光を射出する「擬似的な点光源」となる。従って、透光部36の主走査方向の径は、ホログラム素子54を記録した参照光のビームウェスト径と略等しい。なお、この例では、「拡がり角α」の中心線が延びる方向は、発光光軸と一致している。
なお、干渉フィルタを用いて透過光の「波長スペクトル」を特定の波長帯域に制限することによっても、同様にブラッグ条件を満たす「他の組合せ」に起因する回折光が低減される。しかしながら、干渉フィルタは高価であるため、本実施の形態のように「角度スペクトル」を制限する拡がり角制御手段32を設ける方が、コスト面では有利である。
<透光部の断面形状>
次に、拡がり角制御手段32の遮光膜34に形成される透光部36の断面形状について説明する。図6(A)〜(C)の各々は、透光部36の断面形状の一例を示す平面図である。図3及び図6(A)に示す例では、透光部36の断面形状を略正方形の矩形状としたが、透光部36の断面形状はこれに限定されない。例えば、図6(B)に示すように、円形状としてもよい。また、図6(C)に示すように、副走査方向を長さ方向とする長方形等の矩形状としてもよい。同様に、副走査方向を長さ方向とする楕円形等の円形状としてもよい。
本実施の形態では、複数のホログラム素子54は、隣接するホログラムが大幅に重なるようにシフト多重記録されている。多重記録された複数のホログラム素子54にとって、主走査方向はブラッグ縮退(Bragg Degeneracy)が発生し易い方向、即ち、ブラッグ条件を満たして「他の組合せ」に起因する回折光を生じさせ易い方向である。これに対し、副走査方向はシフト選択性が厳しい方向、即ち、ブラッグ条件を満たすのが困難で「他の組合せ」に起因する回折光を生じさせ難い方向である。従って、副走査方向での制限は緩和してもよい。制限を緩和することで、透光部36を透過する透過光の光量が増加して、光利用効率が向上する。
<ホログラムの記録方法>
次に、ホログラムの記録方法について説明する。図7(A)及び(B)は、ホログラム記録層にホログラム素子54が形成される様子、即ち、ホログラム記録層にホログラムが記録される様子を示す図である。感光体ドラム12の図示は省略し、結像面である表面12Aだけを図示する。また、ホログラム記録層60Aは、ホログラム素子54が形成される前の記録層であり、符号Aを付して、ホログラム素子54が形成されたホログラム記録層60と区別する。
図7(A)に示すように、表面12Aに結像される回折光の光路を通るコヒーレント光が、信号光としてホログラム記録層60Aに照射される。同時に、ホログラム記録層60Aを通過する際に、発光点から所望のホログラム径rまで拡がる拡散光の光路を通るコヒーレント光が、参照光としてホログラム記録層60Aに照射される。コヒーレント光の照射には、半導体レーザ等のレーザ光源が用いられる。
信号光と参照光とは、ホログラム記録層60Aに対し、同じ側(LED基板58が配置される側)から照射される。信号光と参照光との干渉により得られる干渉縞(強度分布)が、ホログラム記録層60Aの厚さ方向にわたって記録される。これにより、透過型のホログラム素子54が形成されたホログラム記録層60が得られる。ホログラム素子54は、面方向及び厚さ方向に干渉縞の強度分布が記録された体積ホログラムである。このホログラム記録層60を、拡がり角制御手段32を介して、LEDアレイ52が実装されたLED基板58上に取り付けることで、LPH14が作製される。
また、図7(B)に示すように、ホログラム記録層60A及び拡がり角制御手段32をLEDアレイ52が実装されたLED基板58上に取り付けた後に、信号光と参照光を、前述した方向と反対側から照射してホログラムを記録してもよい(位相共役記録)。この場合も同様に、透過型のホログラム素子54が形成されたホログラム記録層60が得られる。また、ピンホールのように微小な透光部36を形成するために、拡がり角制御手段32の代わりに遮光膜34をLED基板58上に取り付け、遮光膜34に参照光(レーザ光)を照射して、遮光膜34に透明な透光部36が形成された拡がり角制御手段32を形成してもよい。LPH14の製造方法については次に詳しく説明する。
<LPHの製造方法>
次に、LPH14の製造方法について説明する。図8(A)〜(E)は、フィルム状の遮光体を用いてLEDプリントヘッドを製造する製造方法の一例を示す工程図である。概要はホログラム素子54の記録方法として説明した通りである。ここでは、副走査方向の断面図を図示するので、LED50及びホログラム素子54は1個ずつしか図示されていないが、LEDアレイ52とホログラム素子アレイ56とを備えたLPH14の製造工程として説明する。
まず、図8(A)に示すように、複数のLED50を備えたLEDチップ53が、LED基板58上に実装されたLEDアレイ52を用意する。LED基板58表面の周辺部に、ホログラム記録層60及び拡がり角制御手段32を支持する支持部64を枠状に形成する。支持部64は、例えば、硬化性ポリマーをLED50が収納される厚さで塗布した後に、加熱や光照射により硬化させて形成する。
次に、図8(B)に示すように、フィルム状の遮光体を用いて遮光膜34を形成する。フィルム状の遮光体としては、LED光の透過率がほぼゼロになるものを用いる。フィルム状の遮光体は、拡がり角制御手段32を安価に構造中に導入するのに使用される。
例えば、フィルム状の遮光体(遮光膜34)でセルを形成し、このセルを支持部64によりLED基板58上に支持し、このセル内に溢れない程度にディスペンサからフォトポリマーを流し込んで、ホログラム記録層60Aを形成してもよい。薄い体積ホログラムを記録する場合には、ホログラム記録層60の厚さは数百μm程度であり、同様に、深さ数百μmのセルを形成する。厚い体積ホログラムを記録する場合には、ホログラム記録層60の厚さは1mm〜10mmの範囲であり、同様に、深さ1mm〜10mmのセルを形成する。
後述する通り、所望の回折光(所望の集光スポット)を得るために、ホログラム素子を記録する信号光及び参照光の各パラメータが適宜設定される。拡がり角制御手段32は、ホログラム素子54を記録した参照光の光路を通る、所望の拡がり角αの透過光が透光部36を通過するように、遮光膜34の配置位置、遮光膜34の厚さ、透光部36の断面形状等が予め設計されている。
次いで、ホログラム記録層60Aの表面に、記録光及び再生光に対し透明な薄板状のカバーガラスを装着する等して、ホログラム記録層60A上に保護層(図示せず)を形成してもよい。この後に、チップアライメント検査を行い、発光点である複数のLED50の位置を計測する。
次に、図8(C)に示すように、LED基板58上に取り付けた遮光膜34に参照光を照射して、遮光膜34に透明な透光部36を形成する。例えば、遮光膜34を、LED光の波長における透過率がほぼゼロになる遮光体(例えば、黒色染料を含有するシート状の遮光体)で作製する。その遮光膜34を焦点位置に配置して、透光部36に相当する部分に参照光(レーザ光)を照射して褪色させる。これにより、記録波長の光に対して透明な透光部36が、遮光膜34の厚さにわたって形成される。
なお、LPHの使用時には、レーザ光に比べ低強度のLED光が照射される。従って、遮光膜34を構成する遮光体としては、LED光の照射では遮光領域の褪色がほとんど発生しないものを選択する。また、後述するホログラム記録材料の定着処理は、遮光膜34に透明な透光部36を形成するのに用いたレーザ光とは、異なる波長領域で行われるようにする。
次に、図8(C)に示すように、フォトポリマーからなるホログラム記録層60Aに、表面側から信号光と参照光とを同時に照射して、信号光と参照光との干渉によりホログラム記録層60Aに複数のホログラム素子54を形成する。所望の回折光の光路を逆向きに通過するレーザ光を、信号光として照射する。また、ホログラム記録層60Aを通過する際に、所望のホログラム径rから発光点まで収束する収束光の光路を通過するレーザ光を、参照光として照射する。表面側から信号光と参照光とを同時に照射することで、図7(B)に示したように、位相共役波によりホログラムが記録される。信号光及び参照光用のレーザ光には、例えば、半導体レーザから発振される波長780nmのレーザ光を用いる。
まず、上記のチップアライメント検査で得られた計測データと、ホログラム素子54の設計値(ホログラム径r、ホログラム厚さh)とから、レーザ光の照射位置、照射角度、拡がり角度、収束角度等、信号光及び参照光が設計される。ここで、ホログラム素子54で生成された回折光(再生された信号光)の光軸が発光光軸と角度θを成す方向に射出され、感光体ドラム12の方向に集光されるように、信号光が設計される。そして、設計された信号光及び参照光を照射するための書き込み光学系を配置する。
書き込み光学系を固定配置したままで、参照光として収束する球面波を用い、ホログラム記録層60Aが形成されたLED基板58を、信号光及び参照光に対して移動させる。参照光が複数のLED50の各々に順次収束するように、LED基板58を発光点ピッチで移動させる。ホログラム記録層60Aには、球面波シフト多重により複数のホログラム素子54が多重記録される。
次に、図8(D)に示すように、紫外線照射によりホログラム記録層60Aを全面露光して、光重合性モノマーを全部ポリマー化する。この定着処理によりホログラム記録層60Aに屈折率分布が固定される。例えば、フォトポリマーは、光重合性モノマーと別の非重合性化合物との混合物として提供される。この場合、フォトポリマーに干渉縞が照射されると、明部では光重合性モノマーがポリマー化し、光重合性モノマーに濃度勾配が生ずる。その結果、明部に光重合性モノマーが拡散して、明部と暗部とで屈折率分布が発生する。
更に、全面露光して、暗部に残存する光重合性モノマーをポリマー化して重合反応を完結させ、追記や消去ができない状態とする。なお、ホログラム記録材料としては、様々な記録メカニズムに基づく方式が提案されている。光強度分布に応じた屈折率変調を記録可能な材料であれば本発明に用いてもよい。
最後に、図8(E)に示すように、複数のLED50を順次発光させて、各LED50に対応して形成されたホログラム素子54により、所望の回折光が得られるか否かを検査する。この検査工程により全部の製造工程が終了する。
なお、上記の実施の形態では、フィルム状の遮光体(遮光膜34)で形成したセルにフォトポリマーを注入して、拡がり角制御手段32上にホログラム記録層60Aを作製する例について説明したが、遮光膜34に複数の透光部36が形成されたフィルム状の拡がり角制御手段32を、ホログラム記録層60Aの表面又は裏面に貼り付けてシート状にしてもよい。この場合は、拡がり角制御手段32を備えたホログラム記録層60Aを、支持部64によりLED基板58上に支持する。
<ホログラムの再生方法>
次に、ホログラムの再生方法について説明する。図9(A)及び(B)は、ホログラム素子から回折光が生成される様子、即ち、ホログラム記録層に記録されたホログラムが再生されて回折光が生成される様子を示す図である。図9(A)に示すように、本実施の形態では、LED50を発光させると、LED50から射出された拡散光の一部は、拡がり角制御手段32の対応する透光部36を透過して、発光点からホログラム径rまで拡がる参照光の光路を通る。一方、LED50から射出された拡散光の残部は、拡がり角制御手段32の遮光膜34で遮断される。従って、LED50の発光により、ホログラム素子54に参照光が照射されたのと略同じ状況となる。
図9(B)に示すように、点線で図示する参照光の照射により、実線で図示するように、ホログラム素子54から信号光と同じ光が再生され、回折光として射出される。射出された回折光は収束して、数cmの作動距離で感光体ドラム12の表面12Aに結像される。表面12Aにはスポット62が形成される。なお、図9(B)では、表面12Aが概略的に図示されているが、ホログラム径rは数mm、作動距離Lは数cmであるから、表面12Aはかなり離れた位置にある。このため、ホログラム素子54は、図示されたような円錐状ではなく、図4(A)に示すように、円錐台状に形成される。
図2に示すように、感光体ドラム12上には、LEDアレイ52のLED50〜50に対応して、6個のスポット62〜62が主走査方向に一列に並ぶように形成される。6個のスポット62〜62は、ホログラム素子54〜54の回折光が結像した結像スポットである。体積ホログラムは入射角選択性及び波長選択性が高く、一般に回折効率が高い。本実施の形態では、拡がり角制御手段32により、ブラッグ条件を満たす「他の組合せ」に起因する回折光が低減されて、表面12Aには輪郭のより鮮明な、即ち、コントラストの高い「微小スポット」が形成される。
<LPHの変形例>
図10(A)〜(C)は、LEDプリントヘッドの変形例を示す断面図である。拡がり角制御手段32の透光部36の光入射側に集光部38を設けた以外は、変形例に係るLPH14Aは、上記の実施の形態に係るLPH14と同様の構成であるため、同じ構成部分には同じ符号を付して説明を省略し、以下では構成上の相違点についてだけ説明する。
図10(A)及び(B)に示すように、LPH14Aは、LEDチップ53が配置されたLED基板58と、LED基板58上に配置されたホログラム記録層60と、LED基板58とホログラム記録層60との間に配置された拡がり角制御手段32Aと、を備えている。この例では、LEDチップ53は、4個のLED50〜50を備えている。ホログラム記録層60には、LED50〜50の各々に対応して4個のホログラム素子54〜54が記録されている。
拡がり角制御手段32Aは、複数の透光部36を備えた遮光膜34と、複数の透光部36の各々に対応して透光部36の光入射側に配置された複数の集光部38と、を備えている。この例では、遮光膜34には、LED50〜50の各々に対応して4個の透光部36〜36が設けられると共に、透光部36〜36の各々に対応して4個の集光部38〜38が設けられている。なお、各々を区別する必要がない場合には、集光部38〜38を「集光部38」と総称する。
図10(A)及び(B)に示すように、複数の集光部38の各々は、対応する透光部36を焦点位置とするレンズで構成されていてもよい。この例では、集光部38は、半球状の「球面レンズ」である。遮光膜34の光入射側の表面には、複数の集光部38が配列されて、マイクロレンズアレイを構成している。また、複数の集光部38は、図10(D)に示すように、半円柱状のレンズが特定の方向に複数並べられた「レンチキュラーレンズ」としてもよい。この例では、「レンチキュラーレンズ」を構成する複数のレンズは、主走査方向に沿って並べられる。例えば、図6(C)に示すように、透光部36の断面形状が、副走査方向を長さ方向とする長方形等である場合には「レンチキュラーレンズ」を用いる。
図10(C)に示すように、複数の集光部38の各々は、対応するLED50からの射出光を対応する透光部36に集光する。透光部36は、集光部38で集光された光のうち、ホログラム素子54を記録した参照光の光路を通過する拡がり角(≦α)の光を通過させる。一方、遮光膜34は、参照光の光路の外側を通過する拡がり角(>α)の光を遮断する。即ち、集光部38で集光された光であっても、参照光の光路の外側を通過する拡がり角(>α)の光は遮断される。これにより、拡がり角制御手段32Aを透過する透過光の「拡がり角」が制御される。
上記の実施の形態と同様に、変形例に係るLPH14Aでは、拡がり角制御手段32Aが、透光部36を透過する透過光の「角度スペクトル」を制限することで、ブラッグ条件を満たす「他の組合せ」に起因する回折光を低減している。同時に、隣接するホログラム素子54によるクロストークも低減される。これにより、回折光が集光される被露光面には、輪郭のより鮮明な、即ち、コントラストの高い「微小スポット」が形成される。
また、変形例に係るLPH14Aでは、集光部38によりLED50からの射出光が対応する透光部36に集光されて、透光部36を透過する透過光の光量が増加する。その結果、ホログラム素子54による回折光強度が大きくなり、光利用効率が向上する。その一方で、集光部38により無条件に集光すると、透光部36を透過する透過光の「角度スペクトル」が増加する場合もある。「角度スペクトル」の増加を抑制するためには、集光部38として用いられるレンズのNA(開口数)を、ホログラム素子54を記録した参照光のNA(拡がり角)に対応するように設計する。
なお、上記では、遮光膜34の光入射側の表面に集光部38を配置する例について説明したが、集光部38は対応するLED50からの射出光を対応する透光部36に集光するように構成されていればよい。例えば、集光部38は遮光膜34の光入射側の表面から離間して、LED50側に配置してもよい。
<その他の変形例>
なお、上記では、複数のLEDを備えたLEDプリントヘッドを備える例について説明したが、LEDに代えて電界発光素子(EL)、レーザダイオード(LD)等、他の発光素子を用いてもよい。発光素子の特性に応じてホログラム素子を設計すると共に、ブラッグ条件を満たす「(記録に用いた信号光及び参照光以外の)他の組合せ」に起因する回折光を低減することで、輪郭が鮮明な微小スポットが形成される。LDでも構造に応じて迷光が発生するが、ブラッグ条件を満たす「他の組合せ」に起因する回折光は、インコヒーレント光を射出するLEDの場合に特に顕著に発生する。
また、上記では、球面波シフト多重により複数のホログラム素子を多重記録する例について説明したが、所望の回折光が得られる多重方式であれば、他の多重方式で複数のホログラム素子を多重記録してもよい。また、複数種類の多重方式を併用しても良い。他の多重方式としては、参照光の入射角度を変えながら記録する角度多重記録、参照光の波長を変えながら記録する波長多重記録が挙げられる。多重記録された複数のホログラムからは、別々の回折光がクロストークなく再生される。
また、上記では、画像形成装置がタンデム型のデジタルカラープリンタであり、その各画像形成ユニットの感光体ドラムを露光する露光装置としてのLEDプリントヘッドについて説明したが、露光装置により感光性の画像記録媒体を像様露光することで画像が形成される画像形成装置であればよく、上記の応用例には限定されない。例えば、画像形成装置は、電子写真方式のデジタルカラープリンタには限定されない。銀塩方式の画像形成装置や光書込み型電子ペーパー等の書き込み装置等にも本発明の露光装置を搭載してもよい。また、感光性の画像記録媒体は、感光体ドラムには限定されない。シート状の感光体や写真感光材料、フォトレジスト、フォトポリマー等の露光にも、上記応用例に係る露光装置を適用してもよい。
また、上記では、複数のLED(LEDアレイ)と複数のホログラム素子(ホログラム素子アレイ)を備えたLEDプリントヘッドを、露光装置として備える例について説明した。同様のLEDプリントヘッドは、1組のLED、透光部及びホログラム素子を備えた「集光素子」が一次元状又は二次元状に複数配列された集光素子アレイにより構成してもよい。
2 PC
3 画像読取装置
10 画像形成プロセス部
11 画像形成ユニット
12 感光体ドラム
12A 表面
13 帯電器
14 LEDプリントヘッド
15 現像器
16 クリーナ
21 中間転写ベルト
22 一次転写ロール
23 二次転写ロール
24 搬送ベルト
25 定着器
30 制御部
32 拡がり角制御手段
32A 拡がり角制御手段
34 遮光膜
36 透光部
38 集光部
40 画像処理部
50 LED
52 LEDアレイ
53 LEDチップ
54 ホログラム素子
56 ホログラム素子アレイ
58 LED基板
60 ホログラム記録層
60A ホログラム記録層
62 スポット

Claims (6)

  1. 発光素子と、
    前記発光素子からの射出光を回折して被露光面に集光するホログラム素子が記録されたホログラム記録層と、
    前記ホログラム記録層の光入射側に配置され、前記発光素子に対応して透光部が形成された遮光膜を備え、前記透光部を透過する光が対応するホログラム素子を記録した参照光の光路を通過するように透過光の拡がり角を制御する拡がり角制御手段と、
    を備えた集光素子。
  2. 前記拡がり角制御手段は、前記透光部の光入射側に配置され且つ前記発光素子からの射出光を前記透光部に集光する集光部を更に備えた、請求項1に記載の集光素子。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の集光素子が一次元状又は二次元状に複数配列された集光素子アレイ。
  4. 複数の発光素子が予め定めた方向に並ぶように配列された発光素子アレイと、
    前記複数の発光素子の各々に対応して前記発光素子からの射出光を回折して被露光面に集光する複数のホログラム素子が、前記被露光面に形成される複数の集光点が前記予め定めた方向に並ぶように多重記録されたホログラム記録層と、
    前記ホログラム記録層の光入射側に配置され、前記複数の発光素子の各々に対応して複数の透光部が形成された遮光膜を備え、前記複数の透光部の各々を透過する光が対応するホログラム素子を記録した参照光の光路を通過するように各透過光の拡がり角を制御する拡がり角制御手段と、
    を備えた露光装置。
  5. 前記拡がり角制御手段は、前記複数の透光部の光入射側に配置され且つ前記複数の発光素子からの射出光を対応する透光部に集光する複数の集光部を更に備えた、請求項4に記載の露光装置。
  6. 請求項4又は請求項5に記載の露光装置と、
    前記露光装置と予め定めた作動距離だけ離間して配置され、画像データに応じて前記露光装置により前記予め定めた方向に主走査されて画像が記録される感光性の画像記録媒体と、
    を含む画像形成装置。
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