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JP2012016163A - 電動車両における放電制御装置 - Google Patents

電動車両における放電制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】バッテリが蓄えることができる電力量の算出精度を向上させる電動車両の放電制御装置を提供する。
【解決手段】電動二輪車の放電制御装置100は、メインバッテリ18と、メインバッテリ18から供給される電力に基づいて駆動するモータ16と、モータ16以外の負荷であって、メインバッテリ18からの電力を消費する灯火器と、メインバッテリ18の残存容量を判定するBMU104と、モータ16及び前記灯火器に電力を供給するために、メインバッテリ18の放電制御を行うBMU104及び制御部114とを備え、BMU104及び制御部114は、残存容量が零になる値よりも高い閾値なるまではメインバッテリ18の放電を許可し、外部の診断機からメインバッテリ18の劣化状態を診断するための指示を受けた場合は、残存容量が零に至るまでメインバッテリ18の放電を行い、その後満充電になるまで充電させて充電可能容量を判定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、電動車両に搭載されるバッテリの放電制御を行う電動車両における
放電制御装置に関する。
電動車両のバッテリ劣化を抑制するために、下記に示す特許文献1には、バッテリの電圧がモジュール電圧下限値よりも高い下限監視値まで低下したか否かを判定し、該下限監視値まで低下し、その後所定時間が経過したときは、バッテリの放電に対して制限を加える技術思想が開示されている。これにより、バッテリの過放電を防ぐことができる。
特開2009−254038号公報
しかしながら、上記特許文献1では、過放電を防ぐことはできるが、バッテリが蓄えることができる電力量を正確に判断することはできない。つまり、使用によりバッテリは劣化していき、この劣化に伴いバッテリが蓄えることができる電力量も低下してしまうので電力量を正確に判断することはできない。
そこで、本発明は、係る従来の問題点に鑑みてなされたものであり、バッテリが蓄えることができる電力量の算出精度を向上させる電動車両における放電制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、バッテリ(18)と、
前記バッテリ(18)から供給される電力に基づいて駆動するモータ(16)と、前記モータ(16)以外の負荷であって、前記バッテリ(18)からの電力を消費する放電負荷(58、76、80、82、118)と、前記バッテリ(18)の残存容量を判定するバッテリ容量判定手段(104)と、前記モータ(16)及び前記放電負荷(58、76、80、82、118)に電力を供給するために、前記バッテリ(18)の放電制御を行う制御手段(104、114)と、を備えた電動車両(10)における放電制御装置(100)において、前記制御手段(104、114)は、通常モード時は、前記残存容量が零になる値よりも高い閾値なるまでは前記バッテリ(18)の放電を許可し、外部の診断機(150)から前記バッテリ(18)の劣化状態を診断するための指示を受けた場合は、通常モードからサービスモードに切り替えて、前記残存容量が零に至るまで前記バッテリ(18)の放電を行行い、その後満充電になるまで充電させて充電可能容量を判定することを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の電動車両(10)における放電制御装置(100)において、前記放電負荷(58、76、80、82、118)は、テールライト(58)、ヘッドライト(76)等に代表される灯火器であることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の電動車両(10)における放電制御装置(100)において、前記制御手段(104、114)は、前記残存容量が零になるまで前記バッテリ(18)を放電させる場合は、前記モータ(16)が回転しないように前記モータ(16)に電力を供給することを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載の電動車両(10)における放電制御装置(100)において、前記制御手段(104、114)は、前記通常モードを実行する制御プログラムと前記サービスモードを実行する制御プログラムとを有し、前記診断機(150)からの劣化状態を診断するための指示により実行する制御プログラムを切り替えることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1〜4の何れか1項に記載の電動車両(10)における放電制御装置(100)において、前記診断機(150)には、前記残存容量、セル電圧、及びセル温度が表示されることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、バッテリの残存容量が零になる値よりも高い閾値になるまではバッテリの放電を許可し、外部の診断機からバッテリの劣化状態を診断するための指示を受けた場合は、バッテリの残存容量が零に至るまでバッテリの放電を行うようにしたので、バッテリの過放電による劣化を防止することができるとともに、バッテリが蓄えることができる電力(充電可能容量)の算出精度を向上させることが可能となり、電動車両のユーザが走行可能距離を想定した走行が可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、放電負荷は、テールライト、ヘッドライト等に代表される灯火器なので、電動車両に備わっている灯火器を利用してバッテリの放電を行うため、特別な部品を用意しなくても、効率よくバッテリの放電を行うことができる。
請求項3に記載の発明によれば、バッテリの残存容量が零になるまでバッテリを放電させる場合は、モータが回転しないようにモータに電力を供給するので、電動車両が発進することなく、バッテリの放電を迅速に行うことができる。
請求項4に記載の発明によれば、予め2つの制御プログラムを制御手段に内蔵することにより、コストを低減させることができる。
請求項5に記載の発明によれば、診断機には、残存容量、セル電圧、及びセル温度が表示されるので、バッテリの交換時期を正しく判断することができる。
電力供給装置(放電制御装置)を搭載した電動二輪車の左側面図である。 電力供給装置のシステム構成を示すブロック図である。 診断機の概略外観図である。 診断機の電気的な構成を示す図である。 PDUの制御部の動作を示すフローチャートである。 サービスモード放電制御の動作を示すフローチャートである。 メインバッテリの充電動作を示すフローチャートである。 メインバッテリの充電可能容量を示す図である。 メインバッテリが満充電されたときの、表示部によるメインバッテリのバッテリ残量の表示例を示す図である。
本発明に係る電動車両の放電制御方法を、それを実施する電動車両の放電制御装置との関係で好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
図1は、電力供給装置(放電制御装置)を搭載した電動二輪車の左側面図である。電動二輪車(電動車両)10は、ステップフロア12を有するスクーター型の二輪車である。スイングアーム14に設けられたモータ16の回転駆動力で後輪WRを駆動する。モータ16に電力を供給する高電圧(例えば、72V)のメインバッテリ18は、複数のバッテリセルが直列接続された複数のモジュールを有する。
メインフレーム20の上端部には、ステアリングステム22を回転自在に軸支するヘッドパイプ24が結合されている。ステアリングステム22には、前輪WFを回転可能に軸支する左右一対のフロントフォーク26が取付けられている。前輪WFは、ステアリングステム22の上部に取付けられたアクセルグリップを有するステアリングハンドル28によって操舵可能とされている。ステアリングハンドル28には、アクセルグリップの回動角、つまり、アクセル開度を検出するスロットルセンサ30が設けられている。
メインフレーム20には、車体後方に延びている左右一対のサイドフレーム32が連結され、左右一対のサイドフレーム32には、車体上後方に延びているリアフレーム34が連結されている。サイドフレーム32の後部には、スイングアームピボット36が形成されたピボットプレート38が取付けられている。スイングアームピボット36には、車幅方向左側のアームのみで後輪WRを支持する片持ち式のスイングアーム14の前端部が揺動可能に軸支されている。スイングアーム14の後端部には、後輪WRが車軸40によって回転自在に軸支されており、スイングアーム14の後端部は、リアサスペンション42によってリアフレーム34に吊り下げられている。
スイングアーム14には、メインバッテリ18から供給される直流電流を交流電流に変換してモータ16に供給するPDU(パワードライブユニット)44が設けられる。ピボットプレート38には、サイドスタンド46が設けられ、サイドスタンド46は、該サイドスタンド46が所定位置に格納されているときに検出信号を出力するサイドスタンドスイッチ48を有する。
リアフレーム34の上には、メインバッテリ18を充電する充電器(図示略)から延びる充電ケーブル50の充電プラグ52を結合することができる充電ソケット54が設けられる。リアフレーム34には、さらにリアキャリア56及びテールライト58が設けられる。
メインバッテリ18の前部には、空気導入パイプ60が連結され、メインバッテリ18の後部には吸気ファン62が設けられる。吸気ファン62によって空気導入パイプ60からメインバッテリ18に空気が導入されて車体後方に排出される。これにより、メインバッテリ18が発生した熱を外気によって冷却することができる。
左右一対のリアフレーム34の間には、荷室64が設けられ、この荷室64から下部に突出している荷室底部66には、メインバッテリ18又は前記充電器で充電される低電圧(例えば、12V)のサブバッテリ68が収納される。荷室64の上には、荷室64の蓋を兼用する運転者シート70が設けられ、運転者シート70には、運転者が着座したときに作動して着座信号を出力するシートスイッチ72が設けられる。
ヘッドパイプ24の前部にはブラケット74が結合され、このブラケット74の前端部には、ヘッドライト76が取付けられ、ヘッドライト76の上方には、ブラケット74で支持されるフロントキャリア78が設けられる。また、ステアリングハンドル28の近傍に車速等の表示を行うメータユニット80が設けられており、メータユニット80は、メインバッテリ18の劣化診断を促すインジケータ82及びバッテリ残存容量を表示する表示部84を有する。
図2は、電力供給装置のシステム構成を示すブロック図である。電力供給装置100は、メインバッテリ18と、サブバッテリ68と、PDU44との他に、DC−DCダウンコンバータ(以下、ダウンコンバータとよぶ)102と、メインバッテリ18内に設けられるマイコンからなるBMU(バッテリ管理ユニット)104とを備える。
メインバッテリ18は、例えば、24Vのリチウムイオンのバッテリモジュールを3組備え、LSIやASIC等で構成できるBMU(バッテリ容量判定手段、制御手段)104とともにバッテリパックを形成する。3組のバッテリモジュールは直列に接続されている。メインバッテリ18は、互いに並列に接続されるコンタクタ106と、プリチャージコンタクタ108とを備えるリレー装置110を介して、パワーラインL1、L2によりインバータ回路112の入力側に電気的に接続される。インバータ回路112の3相交流出力側は3相交流ラインによってモータ16に接続される。
パワーラインL1、L2は、ダウンコンバータ102の入力側に接続されるとともに、充電ソケット54に接続される。ダウンコンバータ102は、高電圧の入力(例えば、72ボルトであるメインバッテリ18の電圧)を、低電圧(例えば、12Vのサブバッテリ68の充電電圧)に変換して出力する。サブバッテリ68は、制御部114(制御手段)等の電源であり、例えば、14.3Vで充電される。
ダウンコンバータ102の出力は、常時系統ラインL3に接続され、常時系統ラインL3は、サブバッテリ68、BMU104、及び制御部114に接続される。常時系統ラインL3は、メインスイッチ116が設けられ、制御部114は、メインスイッチ116を介してサブバッテリ68に接続される。
サブバッテリ68には、メインスイッチ116を介してメインスイッチ系統ラインL4に接続され、メインスイッチ系統ラインL4には、テールライト58やヘッドライト76等に代表される灯火器、インジケータ82、表示部84、及び一般電装機器118が接続される。メインスイッチ系統ラインL4には、オートパワーオフリレー120が設けられる。インジケータ82、表示部84、灯火器、及び一般電装機器118等を総称して放電負荷と呼ぶ。制御部114は、図示しないメモリ(記憶部)等を有する情報処理装置(コンピュータ)である。
ヘッドライト76は、制御部114内に設けられるスイッチング素子122を介して接地される。制御部114には、モータ16の回転角度を検出するアングルセンサ124、スロットルセンサ30、シートスイッチ72、及びサイドスタンドスイッチ48が接続される。
BMU104と制御部114との間には、CAN通信ライン126が設けられる。また、BMU104と、リレー装置110のコンタクタ106及びプリチャージコンタクタ108との間には信号線128、130がそれぞれ設けられ、BMU104は、信号線128、130を介してコンタクタ106及びプリチャージコンタクタ108に開閉指令を出力する。
充電器132は、充電ソケット54に接続される充電プラグ52と、商用交流電源に接続される電源プラグ134とを有する。充電器132は、補助電源電圧(例えば、12V)を生成可能であり、この補助電源用のラインL6がBMU104及び制御部114間を制御する制御系統ラインL5に接続される。
また、メインバッテリ18には、バッテリセルの温度を検出する温度センサと、メインバッテリ18のバッテリセル又はバッテリモジュールの電圧、若しくはメインバッテリ18全体の電圧を検出する電圧センサ、メインバッテリ18に流れる電流を検出する電流センサ等が設けられている。BMU104は、温度センサが検出した温度データ(メインバッテリ18の温度データ)、電圧センサが検出した電圧データ(メインバッテリ18の電圧データ)、電流センサが検出した電流データ(メインバッテリ18の電流データ)に基づいて、メインバッテリ18の残存容量SOC(state of charge)を判定する。BMU104は、メインバッテリ18の残存容量SOCを周期的に判定する。残存容量SOCの判定は、周知技術なので説明を割愛する。BMU104は、判定したメインバッテリ18の残存容量SOC、メインバッテリ18の温度データ、電圧データ、電流データ等を制御部114に送信する。BMU104は、メインバッテリ18の充電時に、メインバッテリ18に流れた電流量を用いて、メインバッテリ18に充電された電力量を算出する。
メインバッテリ18は、充電回数、放電回数、過放電の回数、過充電の回数、メインバッテリ18の温度等により劣化する。つまり、メインバッテリ18が蓄えることが可能な電力量(充電可能容量)は、メインバッテリ18の劣化に伴って減少していき、また、メインバッテリ18の温度に応じて変動する。ここで、充電可能容量とは、現在のメインバッテリ18の残存容量SOCが0%から100%となるまでにメインバッテリ18に充電することができる電力量を意味する。
したがって、メインバッテリ18を満充電しても、電動二輪車10が走行できる距離、時間等は、メインバッテリ18の劣化度合い及びメインバッテリ18の温度によって変わってくる。劣化度合い、及びメインバッテリ18の温度にかかわらずメインバッテリ18が満充電された場合には、判定されるメインバッテリ18の残存容量SOCは100%となるので、残存容量SOCが同じであってもメインバッテリ18の充電可能容量は、劣化状態等に応じて異なることに留意されたい。
電力供給装置100の充電ソケット54には、充電器132の他に、図3に示す診断機150から延びるケーブル152の診断プラグ154が接続可能である。また、診断機150は、商用交流電源に接続される電源プラグ156と、メインバッテリ18の状態を表示するための表示部158とを有する。ケーブル152には、CAN通信ラインが設けられている。診断機150は、サービスステーションや、電動二輪車10を販売するディーラー等に設置されている。なお、本実施の形態では、診断機150と電動二輪車10との間の接続に充電コネクタを用いる例に説明したが、充電コネクタに変えて専用のコネクタを用いてもよい。また、診断機150と電動二輪車10との間の通信も、CAN通信に限らず専用の通信プロトコルを用いてもよい。
図4は、診断機の電気的な構成を示す図である。診断機150は、表示部158の他に、制御部160を備える。電力供給装置100には、制御部114と充電ソケット54とを繋ぐ図示しないCAN通信ラインが設けられており、診断機150の診断プラグ154を充電ソケット54に接続させることで、制御部114と充電ソケット54とを繋ぐCAN通信ラインと、ケーブル152に設けられたCAN通信ラインとが接続される。これにより、制御部160と制御部114とがCAN通信を行うことができる。診断プラグ154には図示しない機械的又は電気的な接続検出センサが設けられ、該接続検出センサは、診断プラグ154が充電ソケット54に接続されると、接続信号を制御部160に出力する。制御部160は、診断プラグ154が充電ソケット54に接続されると、メインバッテリ18の劣化状態を診断するための指令をCAN通信により制御部114に出力する。接続検出センサとしては、例えば、電圧センサ、マイクロスイッチ、光学センサ等を用いることができる。
次に、PDUの制御部の動作を図5のフローチャートにしたがって説明する。なお、PDU44の制御部114は、通常モードを実行する制御プログラムと、サービスモードを実行する制御プログラムとを有する。
メインスイッチ116がオンにされると、PDU44の制御部114は、メインバッテリ18の劣化状態を診断するための指示が診断機150から送られてきたか否かを判断する(ステップS1)。メインスイッチ116がオンにされると、メインスイッチ系統ラインL4にサブバッテリ68の電圧が印加され、メインスイッチ116を介してサブバッテリ68からの電力がオートパワーオフ(セーブ)リレー120に供給されたのち、一般電装機器118、インジケータ82、表示部84、テールライト58、ヘッドライト76およびBMU104に供給される。そして、BMU104は、プリチャージコンタクタ108を一旦オンさせた後オフさせ、その後コンタクタ106をオンさせ、また、制御部114は、ダウンコンバータ102を作動させる。
ステップS1で、診断機150からメインバッテリ18の劣化状態を診断するための指示が送られて来ていないと判断すると、制御部114は、通常モードの制御プログラムを起動することで、通常モードに設定する(ステップS2)。制御部114は、通常モードに設定すると、BMU104から周期的に送られてくるメインバッテリ18の残存容量SOCが0%より高い閾値(例えば、20%)になるまでは、メインバッテリ18の放電を許可する。つまり、制御部114は、メインバッテリ18の残存容量SOCが閾値になるまでは、モータ16及び放電負荷へのメインバッテリ18の供給を許可する。一方、メインバッテリ18の残存容量SOCが閾値より低くなるとメインバッテリ18の放電を禁止する。具体的には、制御部114は、BMU104にコンタクタ制御信号を送ることで、コンタクタ106をオフにするとともに、インバータ回路112のPWM制御を停止する。もっとも、コンタクタ106をオフさせずに、インバータ回路112のPWM制御のみを停止させてもよい。また、制御部114は、ダウンコンバータ102の駆動を終了するとともに、所定時間経過後(例えば、10分後)にオートパワーオフリレー120をオフにする。これにより、メインバッテリ18のモータ16への電力の供給、及びメインバッテリ18の放電負荷への電力の供給が禁止され、メインバッテリ18の放電が禁止される。このように、通常モード時においては、メインバッテリ18の残存容量SOCが閾値より低くなると、それ以上メインバッテリ18を放電させないので、通常モードでは、メインバッテリ18に蓄えられた電力量から閾値を減算した電力量が使用される。本実施の形態においては、このメインバッテリ18に蓄えられた電力量から閾値を減算した電力量をバッテリ残量と呼ぶ。メインバッテリ18の残存容量SOC(100%)から閾値を減算した電力量を使用可能電力量と呼ぶ。つまり、使用可能電力量とは、メインバッテリ18の充電状態に関わらず、メインバッテリ18が放電することができる能力、つまり、充電されたならば放電することができる最大の電力量を示す。
通常モード時に、スロットルセンサ30の開操作が行われると、シートスイッチ72及びサイドスタンドスイッチ48がオンになっていることを前提にして、つまり、運転者が運転者シート70に着座して、サイドスタンド46が格納位置に上げられていることを条件に、制御部114は、インバータ回路112をPWM制御してモータ16に電力を供給させる。
インバータ回路112を構成するスイッチング素子の切替タイミングは、アングルセンサ124によるモータ16の回転角度に応じて決定される。制御部114は、アングルセンサ124で検知された回転角度を使用して、制御部114は車速を算出することができる。したがって、アングルセンサ124は、モータ16で駆動される車両の車速検出センサとしても機能する。PWM制御におけるデューティ比は、スロットルセンサ30が検出した開度にしたがって行われる。
また、制御部114は、スロットルセンサ30の検出開度が所定値よりも小さくなるか、シートスイッチ72及びサイドスタンドスイッチ48の少なくとも一方がオフになると制御部114はインバータ回路112に指示するデューティ比をゼロにしてモータ16の駆動を停止する。なお、このようなインヒビタ制御は、始動時にのみ行われ、電動二輪車10の走行中に、仮にシートスイッチ72による着座が検知されなかったとしても、インヒビタ制御は行われないようにしてもよい。
図5のフローチャートに戻り、ステップS1で、メインバッテリ18の劣化状態を診断するための指示が診断機150から送られて来たと判断すると、制御部114は、サービスモードの制御プログラムを起動させることで、サービスモードに設定する(ステップS3)。上述したように、診断機150は、サービスステーション等に設けられており、運転者は、メインバッテリ18の劣化状態を診断したい場合には、電動二輪車10をサービスステーション等まで持っていく。サービスステーション等において電動二輪車10のメインスイッチ116を一旦オフにする。その後、サービスステーション等の作業者が、充電ソケット54に診断プラグ154を接続し、メインスイッチ116をオンにさせると、診断機150の制御部160は、電力供給装置100の制御部114にメインバッテリ18の劣化状態を診断するための指示信号を出力する。
次いで、制御部114は、サービスモードの制御プログラムにしたがって、メインバッテリ18を放電させるサービスモード放電制御を実行し(ステップS4)、メインバッテリ18の放電後に、メインバッテリ18を満充電にするサービスモード充電制御を実行する(ステップS5)。なお、このとき、診断機150の電源プラグ156は、図示しない商用交流電源であるAC100Vコンセントに接続されている。
なお、制御部114は充電回数又は電動二輪車10の走行距離を記憶し、前回のサービス放電制御から所定回数充電された場合、前回のサービス放電制御からの走行距離が所定距離を越えた場合は、制御部114は、メインバッテリ18の劣化診断を行うことを促すため、インジケータ82を点灯又は点滅させる。メインバッテリ18が所定回数充電された場合又は電動二輪車10が所定距離を走行した場合は、メインバッテリ18が前回のサービス放電制御時より更に劣化していると考えられるからである。
次に、サービスモード放電制御の動作を図6のフローチャートにしたがって説明する。サービスモードに設定されると、PDU44の制御部114は、CAN通信によりBMU104から、メインバッテリ18の残存容量SOC、メインバッテリ18の電圧データ、メインバッテリ18の電流データ、及びメインバッテリ18の温度の取得を開始する(ステップS11)。
次いで、制御部114は、CAN通信により該取得したメインバッテリ18の残存容量SOC、メインバッテリ18の電圧データ、メインバッテリ18の電流データ、及びメインバッテリ18の温度の診断機150への出力を開始する(ステップS12)。診断機150の制御部160は、該送られてきたメインバッテリ18の残存容量SOC、メインバッテリ18の電圧データ(セル電圧、モジュール電圧、又はメインバッテリ18全体の電圧)、メインバッテリ18の電流データ、及びメインバッテリ18の温度を表示部158に表示させる。これにより、運転者又は作業者は、メインバッテリ18の状態を知ることができ、メインバッテリ18の交換時期を正しく判断することができる。
次いで、制御部114は、コンタクタ106及びプリチャージコンタクタ108をオンにする(ステップS13)。詳しくは、制御部114は、コンタクタ制御信号をBMU104にCAN通信によって送信し、BMU104は、送信されたコンタクタ制御信号に応答して、プリチャージコンタクタ108を一旦オンにした後オフにさせ、その後コンタクタ106をオンにする。なお、既にコンタクタ106がオンになっている場合は、制御部114は、ステップS13の動作を行わない。
次いで、制御部114は、起動信号をダウンコンバータ102に入力してダウンコンバータ102を起動させるとともに、オートパワーオフリレー120をオンにさせて、ダウンコンバータ102によって降圧された電圧を、放電負荷に印加させる(ステップS14)。これにより、メインバッテリ18の電力を放電負荷により放電させることができる。また、比較的消費電力の大きいテールライト58及びヘッドライト76を点灯させることで、メインバッテリ18の電力を効率的に放電させることできる。なお、既に、ダウンコンバータ102が起動され、ダウンコンバータ102によって降圧された電圧が放電負荷に印加されている場合は、制御部114は、ステップS14の動作を行わない。
次いで、制御部114は、インバータ回路112をPWM制御することで、メインバッテリ18の電力をモータ16に供給させる(ステップS15)。これにより、メインバッテリ18の電力を放電させることができる。このとき、制御部114は、モータ16が回転してしまうと、電動二輪車10のタイヤが回転して電動二輪車10が発進してしまうので、モータ16が回転しないようにモータ16に電力を供給する。例えば、モータ16を欠相運転させることで(UVWの3相のうち、何れかの相への電流を遮断させることで)モータを回転せずに、メインバッテリ18の電力を消費させることができる。なお、サービスステーション側で、タイヤが回転しても電動二輪車10が発進しないような装置を備える場合は、モータ16を回転させてもよい。
次いで、制御部114は、現在のメインバッテリ18の残存容量SOCが0%であるか否かを判断する(ステップS16)。ステップS16で、メインバッテリ18の残存容量SOCが0%でないと判断された場合はステップS14に戻り、上記した動作を繰り返す。一方で、ステップS16で、メインバッテリ18の残存容量SOCが0%になったと判断すると、制御部114は、メインバッテリ18の放電を終了させる(ステップS17)。具体的には、制御部114は、BMU104にコンタクタ制御信号を送ることで、コンタクタ106をオフにするともに、インバータ回路112のPWM制御を終了する。また、制御部114は、ダウンコンバータ102の駆動を終了させるとともに、オートパワーオフリレー120をオフにする。そして、運転手又は作業者は、サービス放電制御が終了するとメインスイッチ116をオフにして、メインバッテリ18の充電動作に移行する。
なお、環境温度が10℃未満だと、メインバッテリ18の残存容量SOCの判定に誤差が生じてしまうので、サービスモード放電制御時の環境温度は10℃以上であることが好ましい。
サービスモード充電制御の動作を図7のフローチャートにしたがって説明する。サービスモードでメインバッテリ18を放電させると、電動二輪車10の運転者又は作業者は、充電ソケット54から診断機150の診断プラグ154を取り外し、充電器132の充電プラグ52を充電ソケット54に接続させる。このとき、充電器132の電源プラグ134は、図示しない商用交流電源であるAC100V/200Vコンセントに接続されている。
充電ソケット54に充電プラグ52が接続されると、充電器132から補助電源用のラインL6を介して制御系統ラインL5に補助電源電圧が印加される。補助電源電圧は、制御系統ラインL5を介して制御部114及びBMU104に印加され、制御部114は、補助電源電圧が印加されると、コンタクタ106及びプリチャージコンタクタ108をオンにする(ステップS21)。詳しくは、制御部114は、コンタクタ制御信号をBMU104にCAN通信(専用の通信プロトコルでもよい。)によって送信し、BMU104は、送信されたコンタクタ制御信号に応答してプリチャージコンタクタ108を一旦オンにした後オフにし、その後コンタクタ106をオンにする。これにより、充電器132からパワーラインL1、L2を介して電流が供給され、メインバッテリ18は充電される。このとき、制御部114は、起動信号をダウンコンバータ102に入力してダウンコンバータ102を起動させて、降圧された電圧を常時系統ラインL3に印加させてもよい。常時系統ラインL3に降圧された電圧が印加されると、サブバッテリ68が充電される。なお、BMU104は、起動するとメインバッテリ18の残存容量SOCの判定を開始する。
次いで、制御部114は、BMU104が判定したメインバッテリ18の残存容量SOCが100%であるか否かを判断する(ステップS22)。ステップS22で、BMU104が判定したメインバッテリ18の残存容量SOCが100%でないと判断すると、100%になるまでステップS22に留まり、残存容量SOCが100%であると判断すると、制御部114は、充電を終了させる(ステップS23)。具体的には、制御部114は、BMU104にコンタクタ制御信号を送ることで、コンタクタ106をオフにする。また、制御部114は、ダウンコンバータ102が起動している場合は、ダウンコンバータ102の駆動を終了させる。
次いで、BMU104は、残存容量SOCが0%から100%までにメインバッテリ18に流れた電流量を用いて充電された電力量を算出(判定)し、制御部114は、BMU104が算出した電力量を取得する(ステップS24)。この電力量が、現在のメインバッテリ18の充電可能容量となる。
次いで、制御部114は、取得した充電可能容量を制御部114の前記した記憶部に記憶させる(ステップS25)。なお、前記記憶部には、初期(出荷時)のメインバッテリ18の充電可能容量も記憶されている。制御部114は、初期のメインバッテリの充電可能容量と該記憶したメインバッテリ18の充電可能容量とを比較することで、メインバッテリ18の劣化状態を判定してもよい。
なお、環境温度が10℃未満だと、メインバッテリ18の残存容量SOCの判定に誤差が生じてしまうので、メインバッテリ18の充電時の環境温度は10℃以上であることが好ましい。
このように、通常モード時の場合(電力供給装置100と診断機150とが接続されていない場合、つまり、電動二輪車10を使用する場合)は、メインバッテリ18の残存容量SOCが0%より高い閾値となるまで放電を許可し、残存容量SOCが閾値より低くなると、放電を禁止するので、メインバッテリ18の過放電を防止することができ、メインバッテリ18の劣化を抑制させることができる。
一方で、サービスモード時の場合は、メインバッテリ18の残存容量SOCが0%になるまで放電させるので、メインバッテリ18の残存容量SOCが0%の状態から、メインバッテリ18を充電させることができる。残存容量SOCが0%から100%になるまでに充電された電力量がメインバッテリ18の充電可能容量となるので、充電した電力量を求めることで、制御部114は、現在のメインバッテリ18の劣化状態、充電可能容量を判定することができる。例えば、図8に示すように、初期のメインバッテリ18の充電可能容量が、例えば、10であるのに対し、劣化後1のメインバッテリ18の充電可能容量が9.5である場合は、初期に比べ充電可能容量が0.5割だけ減少し、その分だけメインバッテリ18が劣化している。劣化後2のメインバッテリ18の充電可能容量が9である場合は、初期に比べ充電可能容量が1割減少し、その分だけメインバッテリ18が劣化している。
また、劣化後3のメインバッテリ18の充電可能容量が7である場合は、初期に比べ充電可能容量が3割減少し、劣化後4のメインバッテリの充電可能容量が5である場合、初期に比べ充電可能容量が5割減少している。この減少した分だけメインバッテリ18が劣化していることになる。このように、制御部114は、前記した記憶部に記憶されている初期のメインバッテリ18の充電可能容量と現在のメインバッテリ18の充電可能容量とから劣化状態を求めることができる。
メインバッテリ18の残存容量SOCが0%の状態でない場合に、例えば、残存容量SOCが40%の場合に、メインバッテリ18を満充電にさせても、メインバッテリ18の充電可能容量を正確に知ることはできない。詳しく説明するならば、例えば、残存容量SOCが40%の場合に、メインバッテリ18を満充電にさせた場合、制御部114は、充電した電力量を求めることはできるが、メインバッテリ18に既に蓄えられていた電力量を求めることはできないので、充電可能容量を求めることはできない。その理由としては、メインバッテリ18の劣化に応じて、充電可能容量は変動するので、例えば、残存容量SOCが40%であっても、メインバッテリ18の劣化状態に応じて、メインバッテリ18に蓄えられている電力量は異なる。したがって、メインバッテリ18の残存容量SOCを0%にさせてから、メインバッテリ18を満充電にさせることで、メインバッテリ18の劣化状態、及び充電可能容量を知ることができる。
また、通常モードにおいて使用される閾値は、メインバッテリ18の劣化状態に応じて変動させてもよい。この閾値を変動させることで、メインバッテリ18の劣化が進んでも使用可能電力量を一定にすることが可能となる。サービスモードにおいて、現在のメインバッテリ18の充電可能容量を判定したときに閾値を変動させる。
図8は、メインバッテリの劣化状態に応じた閾値の一例を示す図である。図8に示すように、初期のメインバッテリ18時には、閾値を、例えば、20%(初期のメインバッテリの残存容量SOC(20%)の電力量に相当)とすると、初期のメインバッテリ18の使用可能電力量は、メインバッテリ18の残存容量SOC(100%)−閾値(初期のメインバッテリの残存容量SOC(20%)の電力量に相当)=初期のメインバッテリ18の残存容量SOC(80%)となる。
メインバッテリ18が図8に示す劣化後1の場合には、閾値を初期のメインバッテリ18の残存容量SOC(15%)に相当する電力量とすることで、劣化後1の使用可能電力量を、初期のメインバッテリ18の使用可能電力量と同じにすることができる。つまり、劣化後1のメインバッテリ18は、初期のメインバッテリ18の充電可能容量が0.5割減少したものであるので、劣化後1のメインバッテリ18の充電可能容量は、初期のメインバッテリ18の残存容量SOC(95%)と同じ電力量である。したがって、劣化後1の使用可能電力量は、初期のメインバッテリ18の残存容量SOC(95%)−閾値(初期のメインバッテリ18の残存容量SOC(15%)に相当する電力量)=初期のメインバッテリ18の残存容量SOC(80%)となり、初期のメインバッテリ18の使用可能電力量と同じとなる。
メインバッテリ18が図8に示す劣化後2(劣化後1より劣化がさらに進んでいる)の場合は、閾値を初期のメインバッテリ18の残存容量SOC(10%)に相当する電力量とすることで、劣化後2の使用可能電力量を、初期のメインバッテリ18の使用可能電力量と同じにすることができる。つまり、劣化後2のメインバッテリは、初期のメインバッテリ18の充電可能容量が1割減少したものであるので、劣化後2のメインバッテリ18の充電可能容量は、初期のメインバッテリ18の残存容量SOC(90%)と同じ電力量である。したがって、劣化後2の使用可能電力量は、初期のメインバッテリ18の残存容量SOC(90%)−閾値(初期のメインバッテリの残存容量SOC(10%)に相当する電力量)=初期のメインバッテリ18の残存容量SOC(80%)となり、初期のメインバッテリ18の使用可能電力量と同じになる。
このように、メインバッテリ18の使用により、メインバッテリ18が劣化した場合であっても、メインバッテリ18の劣化に応じて閾値を下げるので、使用可能電力量を略同じにすることができる。
また、メインバッテリ18の劣化に応じて閾値を下げていくと、メインバッテリ18の劣化状態によっては、メインバッテリ18の残存容量SOCが0%以下となるまで放電させてしまう可能性がある(過放電となる可能性がある)。したがって、閾値の下限を設けておき、それ以上閾値は下げないようにしてもよい。本実施の形態では、閾値の下限値を、初期のメインバッテリ18の残存容量(10%)に相当する電力量とする。
メインバッテリ18が図8に示す劣化後3(劣化後2によりさらに劣化が進んでいる)の場合は、閾値を下限値である初期のメインバッテリ18の残存容量SOC(10%)に相当する電力量とする。この場合は、劣化後3は、初期のメインバッテリ18の充電可能容量が3割減少したものであるので、劣化後3のメインバッテリ18の充電可能容量は、初期のメインバッテリ18の残存容量SOC(70%)と同じ電力量である。したがって、劣化後3の使用可能電力量は、初期のメインバッテリ18の残存容量SOC(70%)−閾値(初期のメインバッテリ18の残存容量SOC(10%)に相当する電力量)=初期のメインバッテリ18の残存容量SOC(60%)となり、初期のメインバッテリ18の使用可能電力量に比べ2.5割減少している。
メインバッテリ18が図8に示す劣化後4(劣化後3よりさらに劣化が進んだ状態)の場合は、閾値を下限値である初期のメインバッテリ18の残存容量SOC(10%)に相当する電力量とする。この場合は、劣化後4は、初期のメインバッテリ18の充電可能容量が5割減少したものであるので、劣化後4のメインバッテリ18の充電可能容量は、初期のメインバッテリ18の残存容量SOC(50%)と同じ電力量である。したがって、劣化後4の使用可能電力量は、初期のメインバッテリ18の残存容量SOC(50%)−閾値(初期のメインバッテリ18の残存容量SOC(10%)に相当する電力量)=初期のメインバッテリ18の残存容量SOC(40%)となり、初期のメインバッテリ18の使用可能電力量に比べ5割減少している。
制御部114は、現在のメインバッテリ18のバッテリ残量を表示させる場合は、初期のメインバッテリ18の使用可能電力量を100%とし、現在のメインバッテリ18に蓄えられている電力量から閾値を減算した電力量が初期のメインバッテリの使用可能電力量100%に対してどのくらいあるかを表示させてもよい。
図9は、メインバッテリが満充電されたときの、表示部によるメインバッテリのバッテリ残量の表示例を示す図である。表示部84は、横一列に並んだ5つの発光素子200を有し、5つの発光素子200がバッテリ残量を示すメモリとして機能する。発光素子200は5つあるので、各発光素子200は、初期のメインバッテリ18の使用可能電力量の20%分に相当する電力量を表す。初期のメインバッテリ18が満充電されたときには(初期のメインバッテリ18の残存容量SOCが100%のときには)、バッテリ残量は100%なので、5つの発光素子200を全て点灯させる。
図8に示す劣化後1のメインバッテリ18が満充電にされたときには(劣化後1のメインバッテリ18の残存容量SOCが100%の場合は)、劣化後1のメインバッテリ18のバッテリ残量は、初期のメインバッテリ18の使用可能電力量と同じなので、全ての発光素子200を全て点灯させる。
また、図8に示す劣化後2のメインバッテリ18が満充電されたときには(劣化後2のメインバッテリ18の残存容量SOCが100%の場合は)、劣化後2のメインバッテリ18のバッテリ残量は、初期のメインバッテリ18の使用可能電力量と同じなので、全ての発光素子200を全て点灯させる。
図8に示す劣化後3のメインバッテリ18が満充電されたときには(劣化後3のメインバッテリ18の残存容量SOCが100%の場合は)、劣化後3のメインバッテリ18のバッテリ残量は、初期のメインバッテリ18の使用可能電力量を2.5割減少したものであるので、制御部114は、例えば、一番左の発光素子200から4番目の発光素子200までを点灯し、一番右の発光素子200を点灯させないことで、劣化後3のメインバッテリ18のバッテリ残量を表示する。つまり、減少した2.5割分の電力量分に相当する発光素子200を点灯させない。これにより、ユーザは、現在使用できる電力量がどのくらいメインバッテリ18に蓄えられているか認識することができる。
図8に示す劣化後4のメインバッテリ18が満充電されたときは(劣化後4のメインバッテリ18の残存容量SOCが100%の場合は)、劣化後4のバッテリ残量は、初期のメインバッテリ18の使用可能電力量を5割減少したものであるので、制御部114は、一番左の発光素子200から3番目の発光素子200まで点灯させ、一番右及び右から2番目の発光素子200を点灯させないことで劣化後4のメインバッテリ18のバッテリ残量を表示する。つまり減少した5割分の電力量に相当する発光素子200を点灯させない。この場合、発光素子200の点滅が、初期のメインバッテリ18の使用可能電力量の10%に相当する電力量を表す場合には、左から3番目の発光素子200を点滅させることで、劣化後4のメインバッテリ18のバッテリ残量を表示する。これにより、ユーザは、現在使用できる電力量がどのくらいメインバッテリ18に蓄えられているか認識することができる。
メインバッテリ18を満充電した後に、電動二輪車10を運転することでメインバッテリ18の残存容量SOCが減少した場合は、制御部114は、それに応じて発光素子200を点灯させる。
このように、初期のメインバッテリ18の使用可能電力量を100%として、メインバッテリ18に蓄えられている電力量から閾値を減算した電力量を表示させるので、現在のメインバッテリ18のバッテリ残量を簡単に知ることができる。
以上、本発明について好適な実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。また、特許請求の範囲に記載された括弧書きの符号は、本発明の理解の容易化のために添付図面中の符号に倣って付したものであり、本発明がその符号をつけた要素に限定して解釈されるものではない。
10…電動二輪車 16…モータ
18…バッテリ 58…テールライト
76…ヘッドライト 82…インジケータ
84、158…表示部 100…放電制御装置
114、160…制御部 118…一般電装機器
132…充電器 150…診断機

Claims (5)

  1. バッテリ(18)と、
    前記バッテリ(18)から供給される電力に基づいて駆動するモータ(16)と、
    前記モータ(16)以外の負荷であって、前記バッテリ(18)からの電力を消費する放電負荷(58、76、80、82、118)と、
    前記バッテリ(18)の残存容量を判定するバッテリ容量判定手段(104)と、
    前記モータ(16)及び前記放電負荷(58、76、80、82、118)に電力を供給するために、前記バッテリ(18)の放電制御を行う制御手段(104、114)と、
    を備えた電動車両(10)における放電制御装置(100)において、
    前記制御手段(104、114)は、
    通常モード時は、前記残存容量が零になる値よりも高い閾値なるまでは前記バッテリ(18)の放電を許可し、
    外部の診断機(150)から前記バッテリ(18)の劣化状態を診断するための指示を受けた場合は、通常モードからサービスモードに切り替えて、前記残存容量が零に至るまで前記バッテリ(18)の放電を行い、その後満充電になるまで充電させて充電可能容量を判定する
    ことを特徴とする電動車両(10)における放電制御装置(100)。
  2. 請求項1に記載の電動車両(10)における放電制御装置(100)において、
    前記放電負荷(58、76、80、82、118)は、テールライト(58)、ヘッドライト(76)等に代表される灯火器である
    ことを特徴とする電動車両(10)における放電制御装置(100)。
  3. 請求項1又は2に記載の電動車両(10)における放電制御装置(100)において、
    前記制御手段(104、114)は、前記残存容量が零になるまで前記バッテリ(18)を放電させる場合は、前記モータ(16)が回転しないように前記モータ(16)に電力を供給する
    ことを特徴とする電動車両(10)における放電制御装置(100)。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の電動車両(10)における放電制御装置(100)において、
    前記制御手段(104、114)は、前記通常モードを実行する制御プログラムと前記サービスモードを実行する制御プログラムとを有し、前記診断機(150)からの劣化状態を診断するための指示により実行する制御プログラムを切り替える
    ことを特徴とする電動車両(10)における放電制御装置(100)。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の電動車両(10)における放電制御装置(100)において、
    前記診断機(150)には、前記残存容量、セル電圧、及びセル温度が表示される
    ことを特徴とする電動車両(10)における放電制御装置(100)。
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