JP2012002315A - 電動ブレーキ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ブレーキハウジング13に取り付けられた電動モータ14の駆動力は、スクリュー181を回転させ、ナット185を回転軸方向に移動させる。ナット185はピストン20を押圧し、第1ブレーキパッド21aをディスクロータ4に向けて付勢する。第1ブレーキパッド21aから反力を受けたキャリパ131は、第2ブレーキパッド21bをディスクロータ4に向けて付勢する。荷重センサ17が取り付けられたセンサホルダ16は、キャリパ131に対して回転軸方向に移動可能に取り付けられ、スクリュー181はボールベアリング182を介して、センサホルダ16に取り付けられている。ウェイブワッシャ184は、ボールベアリング182のアウタレース182aをキャリパ131に対し反力方向に付勢して、荷重センサ17をブレーキハウジング13に当接させている。
【選択図】図2
Description
また、ディスクロータへの押圧により、一側のブレーキパッドからの反力がスクリュー部材を介してキャリパへと伝わり、キャリパが回転軸方向に移動することにより、反対側のブレーキパッドをディスクロータに押圧させている。これにより、一対のブレーキパッドによってディスクロータを挟圧し、車輪に制動力を印加している。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、作動制御を精度よく行うことのできる電動ブレーキ装置を提供することにある。
尚、本発明において、「反力検出用部材を相対移動可能に保持する固定体」とは、付勢部材により反力検出用部材を付勢する場合の固定側部材となる構成で、例えば、ハウジングを含んだ上位概念の構成を意味している。
また、固定体と反力検出用部材との間に介装され、固定体に対して、荷重センサを含む反力検出用部材を反力方向に付勢して、荷重センサを固定体に当接させる付勢部材を備えたことにより、制動力解除時、特に、ブレーキパッドとピストン間のクリアランス設定時において、荷重センサがピストンの軸方向に浮いた状態となることを防止できる。
また、付勢部材が固定体と反力検出用部材との間に介装されたことにより、付勢部材がピストンを直接付勢する場合に比べ、その付勢力を小さくすることができる。そのため、付勢部材を小型化でき、延いては電動ブレーキ装置を小型、軽量化することができる。
これにより、回動部材の回転に拘わらず、荷重センサは回転することがないため、固定体との間で回転方向に摺動することなく押圧される。したがって、荷重センサに摩耗が発生することがなく、その長寿命化が実現できる。
また、付勢部材は、ともに等速回転する出力歯車と回動部材との間に介装するのみでよいため、特別な構成を必要とせずに、部品点数を増大させることがなく、低コストの電動ブレーキ装置にすることができる。
図1乃至図3に基づき、本発明の実施形態1による電動ブレーキ装置1について説明する。尚、図2において、破線は各構成間の電気的な接続を意味している。また、図2における左右方向が、図1に示したディスクロータ4の回転軸φ方向に該当する。本発明の構成外であるディスクロータ4(ディスクに該当する)は、その回転中心において車両外方へと突出したハット部41と、ハット部41の周囲に形成され、後述するように、第1ブレーキパッド21aおよび第2ブレーキパッド21bによって挟圧されるプレート部42とを有している。
電動ブレーキ装置1のマウンティング11は、図示しない車両のナックルアーム(車体に該当する)に取り付けられて固定されている。マウンティング11には、第1ブレーキパッド21aおよび第2ブレーキパッド21bが保持されている(図1において、第2ブレーキパッド21bのみ示す)。
第1ギヤ部材151は、スリーブ部材142により出力シャフト141と接続されており、これにより、電動モータ14の駆動力が入力されている。第1ギヤ部材151と出力シャフト141との間においては、後述する第3ギヤ部材153とスクリュー181との接続箇所と同様に、オルダムカップリングが形成されている。
センサホルダ16には荷重センサ17が取り付けられており、荷重センサ17は、ハウジングプレート132の壁面と対向している。荷重センサ17には、ストレインゲージ式、静電容量式といったあらゆる方式のものが適用可能である。
また、荷重センサ17はセンサホルダ16の円周上において、互いが120°間隔となるように3箇所に配置されている。
スクリュー181の保持部181bの外周面は、ボールベアリング182を介して、センサホルダ16に取り付けられている。また、回転軸方向における保持部181bとセンサホルダ16との間には、スラストベアリング183が介装されている。これにより、スクリュー181は、センサホルダ16に対して相対回転可能に形成されている。
ナット185と当接部205との間には、押圧部材186が介装されている。押圧部材186は略ディスク状を呈しており、その内周側にはスクリュー181の回転部181cが挿入されている。また、押圧部材186のナット185と対向した面は平坦に形成されており、当接部205と対向した側には球状面186aが形成されている。
ピストン20の第3ギヤ部材153よりの位置には、スナップリング206が装着されている。スナップリング206の内径はナット185の外径よりも小さく、収容空間203の開口付近に取り付けられることにより、収容空間203からナット185が抜け出ることを防止している。
第1ブレーキパッド21aおよび第2ブレーキパッド21bは、それぞれ裏板211a,211b、裏板211a,211bに接合されたライニング212a,212bおよび裏板211a,211bに装着されたシム213a,213bを備え、前述したマウンティング11に支持されている。
踏力センサ6およびブレーキペダルスイッチ7は、コントローラ22に対し電気的に接続されている。さらに、コントローラ22は、上述した荷重センサ17、電動モータ14において回転磁界を発生させるためのコイル(図示せず)および電動モータ14に設けられた回転角度センサ143に対し電気的に接続されている。
このため、再度、ディスクロータ4に制動力が付与された場合に、荷重センサ17が衝撃荷重を検出することがなくなり、ディスクロータ4へ付与した制動力に対応した荷重として、荷重センサ17が第1ブレーキパッド21aからの反力を正確に検出することができる。これにより、電動モータ14の作動制御を精度よく行うことができる。
また、ウェイブワッシャ184は、ブレーキハウジング13とボールベアリング182の非回転部材であるアウタレース182aとの間に介装され、ブレーキハウジング13に対しアウタレース182aを反力方向に付勢していることにより、ウェイブワッシャ184の両端間において相対回転が発生せず、ウェイブワッシャ184の摺動による磨耗を防ぐことができる。
また、付勢部材としてのウェイブワッシャ184は薄いプレート状を呈していることにより、狭小な電動ブレーキ装置1の内部にも設けることができる。
図4に基づき、実施形態2による電動ブレーキ装置1Aについて、実施形態1による電動ブレーキ装置1との相違点のみを説明する。電動ブレーキ装置1Aの第3ギヤ部材154(本発明の出力歯車に該当する)は円盤状に形成されており、外周面に有する斜歯において、第2ギヤ部材152の第2小径ギヤ歯152a1と噛合している。
第3ギヤ部材154は、ハウジングプレート132の図4における右側の側面により回転可能に支持されており、当該側面により図4における左方への位置決めが行われる。第3ギヤ部材154は第2ギヤシャフト152aに対して大径で、その歯数も第2小径ギヤ歯152a1に対し多く形成されている。これにより、第2ギヤ部材152と第3ギヤ部材154との間で、電動モータ14の回転が減速される。
入力部181dにおいて、第3ギヤ部材154に対するピストン20と反対側には、略ディスク状をした係止部材181d1が取り付けられている。係止部材181d1は入力部181dに対し、相対回転不能、かつ、所定量だけ回転軸方向に移動可能に取り付けられており、係止部材181d1は第3ギヤ部材154とともに等速回転する。
電動ブレーキ装置1Aのその他の構成については、実施形態1による電動ブレーキ装置1の場合と同様であるため、これ以上の説明は省略する。
また、ウェイブワッシャ187は、ともに等速回転する第3ギヤ部材154と係止部材181d1との間に介装するのみでよいため、特別な構成を必要とせずに、部品点数を増大させることがなく、低コストの電動ブレーキ装置1Aにすることができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。
電動ブレーキ装置1において、実施形態2において示したスクリュー181Aと第3ギヤ部材154との連結構造と、実施形態1において示した、ウェイブワッシャ184をボールベアリング182のアウタレース182aとキャリパ131との間に介装する構造とを組み合わせてもよい。
また、実施形態1において、ウェイブワッシャ184がスクリュー181またはセンサホルダ16若しくは荷重センサ17を直接付勢するようにしてもよい。
また、実施形態1において、第3ギヤ部材153とスクリュー181との間には、オルダムカップリングのみでなく、スプラインやキー止めを使用することにより、第3ギヤ部材153からスクリュー181への回転は伝達するが、回転軸方向の荷重は伝達しない連結機構を形成してもよい。
また、本発明による電動ブレーキ装置1は、車両におけるフットブレーキのみでなく、パーキングブレーキに使用してもよい。
また、電動モータ14には、同期機、誘導機、直流機等のあらゆるモータが使用可能である。
また、本発明は、ディスクロータ4をブレーキハウジング13の押圧部131fとピストン20とで挟圧する浮動型のディスクブレーキのみではなく、ディスクロータ4の双方の側面をピストンにて押圧する対向型のディスクブレーキにも適用可能である。
また、付勢部材は、ウェイブワッシャ184以外にも、コイルスプリング、皿バネといったあらゆるタイプのものが適用可能である。
Claims (6)
- 車体に取り付けられたハウジングと、
前記ハウジングに取り付けられたピストンと、
車輪とともに回転するディスクと前記ピストンとの間に介装されたブレーキパッドと、
前記ハウジングに取り付けられた電動モータと、
前記ハウジング内において前記ピストンの軸方向に延び、前記電動モータにより回転される回動部材と、
前記回動部材と噛合するとともに前記ハウジングに対して回転不能とされ、前記回動部材の回転により前記ピストンの軸方向に移動して、前記ピストンを前記ディスクに向けて付勢する直進部材と、
前記ハウジング内に設けられ、前記ブレーキパッドから前記回動部材を介して伝達された前記ピストンの軸方向の反力であって、前記ディスクから離れる向きの前記反力を検出する荷重センサと、
少なくとも前記回動部材および前記荷重センサにより反力検出用部材を形成するとともに、前記反力検出用部材を相対移動可能に保持する固定体を形成した場合に、前記固定体と前記反力検出用部材との間に介装され、前記固定体に対して前記反力検出用部材を前記反力方向に付勢して、前記荷重センサを前記固定体に当接させる付勢部材と、
を備え、
前記荷重センサによる検出値に基づいて前記電動モータを作動させることにより、前記直進部材により付勢された前記ピストンが、前記ブレーキパッドを前記ディスクに向けて付勢することにより前記車輪に制動力を付与し、
前記ブレーキパッドからの前記反力により前記反力検出用部材が前記ピストンの軸方向に付勢され、前記荷重センサが前記固定体に押圧されることにより、前記反力を検出することを特徴とする電動ブレーキ装置。 - 前記反力検出用部材は、
前記回動部材を前記ハウジング内において回転可能に支持するとともに、前記ハウジングにおいて前記ピストンの軸方向に移動可能に保持された軸受を有しており、
前記付勢部材は、
前記ハウジングと前記軸受の非回転部材との間に介装され、前記ハウジングに対し、前記非回転部材を前記反力方向に付勢していることを特徴とする請求項1記載の電動ブレーキ装置。 - 前記反力検出用部材は、
前記ピストンの軸方向において、前記回動部材に対し前記ピストンとは反対側に位置する保持部材を有しており、
前記保持部材は、
前記ハウジングにおいて前記ピストンの軸方向に移動可能に保持されているとともに、回転不能に取り付けられており、
前記回動部材は、
前記保持部材に対して回転可能に取り付けられており、
前記荷重センサは、
前記保持部材において、前記回動部材と対向する部位とは反対側に取り付けられていることにより、前記固定体に当接しており、
前記ブレーキパッドからの前記反力により前記回動部材が前記保持部材を前記ピストンの軸方向に付勢し、前記荷重センサが前記固定体に押圧されることにより、前記反力を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の電動ブレーキ装置。 - 前記固定体は、前記ハウジングにより形成されることを特徴とする請求項1乃至3のうちのいずれか一項に記載の電動ブレーキ装置。
- 複数の歯車が互いに噛合することにより形成され、前記ハウジング内において、出力歯車により前記電動モータの駆動力を前記回動部材に伝達する駆動機構を備え、
前記固定体は前記出力歯車を含み、
前記付勢部材は、前記回動部材と前記出力歯車との間に介装され、
前記出力歯車に対して前記反力検出用部材を前記反力方向に付勢して、前記荷重センサを前記固定体に当接させ、
前記荷重センサが前記固定体に押圧されることにより、前記反力を検出することを特徴とする請求項1または3に記載の電動ブレーキ装置。 - 前記付勢部材はウェイブワッシャにより形成されたことを特徴とする請求項1乃至5のうちのいずれか一項に記載の電動ブレーキ装置。
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