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JP2012088585A - 光学系レンズユニット - Google Patents

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Akio Sakuma
彰夫 佐久間
Yosuke Ishii
洋介 石井
Tomohiko Sato
智彦 佐藤
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Abstract

【課題】鏡筒からレンズ部が突出することなく鏡筒内に収めるとともに、鏡筒の小径化により光学系レンズ全体を小型化できるようにする。
【解決手段】鏡筒2内に第1〜第4レンズ10〜13を組み付け、最後段に位置する第4レンズ13を鏡筒2に接着固定する。鏡筒2の後端部から複数の脚部5を突設し、この脚部5を鏡筒2内の第4レンズ13より延ばし、脚部5の内側に第1〜第4レンズ10〜13を収める。接着剤を充填する接着剤溜り30を各脚部5の間に位置する切欠部7に対応させて形成することにより、接着剤溜り30に接着剤を充填する際、切欠部7がノズルの逃げとなって、ノズルが鏡筒2の内壁に干渉しない。
【選択図】図2

Description

本発明は、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistance)等の小型で薄型の電子機器に用いられる光学系レンズ、特に複数のレンズを光軸方向に互いに当接させて重ね合わせることにより、光学的または物理的に向き合う互いのレンズ間の位置関係を決定する光学系レンズユニットにおいて鏡筒とレンズを接着剤によって固定するための構造に関する。
近年、撮像装置を備えた携帯端末の市場の拡大に伴い、撮像装置には高画素で小型の固体撮像素子が搭載されており、このような撮像素子の小型化・高画素化に対応して例えば、特許文献1,2で示すように、複数枚のレンズで構成したレンズモジュールが一般化している。このような複数枚のレンズを鏡筒に固定するための方法として、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistance)等の小型で薄型の電子機器に用いられる小型撮像装置の光学系レンズにおいては、レンズユニットを構成する各レンズの外径を鏡筒の内径より僅かに小さく形成して、鏡筒との間に径方向のクリアランスを保った状態で鏡筒の開口部から挿入し、鏡筒に挿入したレンズを光軸方向に押圧した状態で最後段レンズを接着剤によって固定、あるいは、鏡筒の開口部から鏡筒内にレンズ押え部材を圧入し、このレンズ押え部材と鏡筒内面の前面側に形成する当接部とで各レンズを挟着することによって固定する方法が一般的であった。
特開2002−82272号公報 特開2006−284788号公報
ところで、近年、携帯電話などの携帯型端末は、益々、薄型化され、携帯型端末に搭載される光学系レンズについても極力、薄型化並びに小径化が求められている。レンズ押え部材を鏡筒に圧入することによって、鏡筒に収納したレンズを押さえる方法では、鏡筒内にレンズ押え部材を収納するためのスペースが必要となり、光学系レンズを小径化する上で不利である。一方、最後段レンズを接着剤で接着固定する方法では、接着剤を充填するノズルの逃げを確保することが必要であり、鏡筒の小径化を困難としていた。すなわち、レンズを接着固定するレンズユニットにおいて、図6(a)に示すように、最後段のレンズRを鏡筒Bに接着する際、接着剤をノズルNによってレンズRの有効径外側の接着領域Aに充填していた。近年、CCDやCMOSの撮像素子向けの光学レンズには、シェーディングを防止するためにテレセントリックな特性が要求されることから、最後段に位置するレンズRは、周辺の光線を撮像素子に略垂直に入射させるため、最後面の周辺部に像側(図示下側)に膨出した凸曲面状のレンズ部R1を形成させる様になっている。このように像側に膨出した凸曲面状のレンズ部R1を有するレンズRを最後段に配置しようとすると、鏡筒Bからレンズ部R1が突出し、組付作業工程時にレンズ部R1が載置面に擦れて損傷するなどの不具合が発生する虞があった。
このため、例えば、図6(b)に示すように、最後段のレンズRのレンズ部R1が鏡筒Bから突出しないように、鏡筒B内に収める構造が考えられるが、この場合、レンズ部R1と鏡筒Bとの隙間にノズルNを挿入するためのスペースを確保することが困難となる。すなわち、レンズ部R1と鏡筒Bとの隙間にノズルNを逃がすスペースを確保するには、例えば、図6(b)に示すように、鏡筒Bの内周面にノズルNを逃がすテーパ面Tを形成し、レンズRの接着領域AにノズルNを挿入するためのスペースを確保せざるを得ない。しかし、例えば、図6(a)の外径サイズを維持したまま鏡筒Bの内周面にノズルNを逃がすテーパ面Tを形成すると、鏡筒Bが薄肉化して強度が弱くなったり、また、成形加工も困難になる問題が生じる。鏡筒Bの強度を維持しつつ鏡筒Bの内周面にノズルNを逃がすテーパ面Tを形成するには、結局、鏡筒Bの肉厚を厚くせざるを得ず、鏡筒Bの外径がαの分だけ大きくなり、鏡筒Bの小型化、ひいては光学系レンズユニットの小型化(小径化)を阻害する要因となってしまう。
本発明は上述した問題点に鑑みてなされたものであり、鏡筒からレンズ部が突出することなく鏡筒内に収めるとともに、鏡筒の小径化により、光学系レンズユニット全体の小型化が可能な光学系レンズユニットを提供することを目的とする。
請求項1の光学系レンズユニットは、レンズ部とコバ部から構成される複数のレンズと、この各レンズを重ね合わせた状態で収納保持する鏡筒とを備え、前記最前段のレンズを前記鏡筒内面の前面側に当接させた状態で最後段レンズを前記鏡筒の内面に接着固定する光学系レンズユニットにおいて、前記鏡筒の後端部から複数の脚部を突出形成し、この脚部を前記最後段レンズの最後部から僅かに延ばして形成するとともに、前記脚部の間に位置する切欠部に臨んで前記接着剤を充填する接着剤溜りを形成したことを特徴とする。
請求項1の光学系レンズユニットによれば、鏡筒に複数のレンズを重ね合わせた状態で収納し、最後段レンズを鏡筒に接着固定する際、接着剤を充填するノズルを最後段レンズのレンズ部と鏡筒の内周面との隙間に挿入し、接着剤溜りに接着剤を充填することができる。この時、切欠部がノズルの逃げとなって鏡筒とノズルが干渉することなく、接着剤溜りに接着剤を充填することができる。さらに、レンズの組付工程の完了後、鏡筒を載置した場合、鏡筒は脚部で支持され、鏡筒内に収納したレンズは鏡筒の脚部の内側に収まるので最後段レンズが載置面に擦れて損傷することはない。
請求項2の光学系レンズユニットは、前記最後段レンズは、最終面に位置して像側に膨出した凸曲面状のレンズ部を有し、このレンズ部の最後部より前記脚部の後端部を僅かに長く形成するとともに、前記コバ部の後端部より前記鏡筒の後端部を僅かに長く形成したことを特徴とする。
請求項2の光学系レンズユニットによれば、CCDやCOMSの撮像素子に要求されるテレセントリック特性に対応するため、最後段レンズの最終面の周辺部を像側に膨出した凸曲面状に形成したとしても、切欠部がノズルの逃げとなるため、径方向の寸法増加を防止でき、鏡筒の小径化が可能となる。
請求項3の光学系レンズユニットは、前記各レンズの重ね合わせ面に位置して光軸を中心としたテーパ状の円錐面を形成し、この各円錐面を嵌合させて各レンズの光軸を合わせて位置決めするとともに、前記脚部の後端部から前記最後段レンズの最後部までの寸法が、少なくとも前記鏡筒に組み付けた各レンズの積算公差と前記鏡筒の公差とを加算した数値より大きいことを特徴とする。
請求項3の光学系レンズユニットによれば、鏡筒にレンズを組み付ける際、最後段レンズを光軸方向に押圧することによって、各レンズの円錐面が嵌合して各レンズの光軸が相互に一致した状態で調芯される。この状態で鏡筒に最後段レンズを接着固定する。この時、鏡筒に組みつけた最後段レンズの最後部から鏡筒脚部の後端部までの寸法は、鏡筒に組み付けた各レンズの積算公差と鏡筒の公差を基準として設定されるため、鏡筒に組み付けたレンズが確実に鏡筒の脚部の内側に収まる。
請求項4の光学系レンズユニットは、前記脚部の後端部から前記最後段レンズの最後部までの寸法が0.01〜0.2mmの範囲内であることを特徴とする。
請求項4の光学系レンズユニットによれば、鏡筒に組みつけた最後段レンズの最後部から鏡筒脚部の後端部までの寸法を0.01〜0.2mmの範囲内とすることによって、鏡筒の脚部から最後段レンズが突出することなく確実に各脚部の内側に収まる。
請求項5の光学系レンズユニットは、前記接着剤溜りが前記切欠部に臨む最後段レンズのレンズ部の最大有効径の外側に形成し、コバ部へ向かうに従い光軸から離れる方向に傾斜するテーパ面と、前記鏡筒の後端部内面に形成し、鏡筒内部へ向かうに従い光軸に近づく方向に傾斜するテーパ面と、これら各テーパ面の間に位置する最後段レンズのコバ部とによって構成される溝であることを特徴とする。
請求項5の光学系レンズユニットによれば、接着剤溜りに接着剤を充填する際、
レンズ部の最大有効径の外側に形成したテーパ面がコバ部へ向かうに従い光軸から離れる方向に傾斜し、鏡筒の後端部内面に形成したテーパ面が鏡筒内部へ向かうに従い光軸に近づく方向に傾斜しているため、これらのテーパ面が接着剤を充填するノズルの逃げとなって、鏡筒を可及的に小径化することが可能となる。
本発明によれば、レンズ全体を鏡筒内に収めようとすると、最後段レンズを鏡筒に接着固定する際、ノズルの逃げが必要となって、ノズルを挿入するスペースを確保する必要上、鏡筒の外径を大きく設定せざるを得ないが、鏡筒の周壁部に接着剤溜りに対応する切欠部を形成することによって、接着剤を充填する際、ノズルが鏡筒の内壁に干渉することなく、鏡筒の内径寸法を小さく設定できるため、鏡筒の外径寸法を可及的に小さく設定することができる。
また、最後段レンズのレンズ部が鏡筒の後端部から延びる複数の脚部から突出することなく、各脚部の内側に収まるため、レンズ部が載置面に擦れて傷つくといった心配もない。
実施例を示す光学系レンズユニットを脚部部分で切断した断面図である。 同上、光学系レンズユニットを切欠部分で切断した断面図である。 同上、光学系レンズユニットの前側から見た斜視図である。 同上、光学系レンズユニットの後側から見た斜視図である。 同上、接着剤の充填状態を示す光学系レンズユニットの斜視図と光学レンズユニットの断面図である。 従来例を示す光学系レンズユニットの断面図である。
以下、本発明の実施例を図1から図5を参照して説明する。図1は、本発明の一実施例を示す光学系レンズユニットの脚部部分での断面図を示しており、同様に図2は切欠部分での断面図を示しており、同図において、1は光学系レンズユニットであり、鏡筒2と、この鏡筒2内に収納される4枚の第1〜第4プラスチックレンズ10〜13から成るレンズ部50とで構成され、第2及び第3プラスチックレンズ11,12の間及び第3及び第4プラスチックレンズ12,13の間に遮光板28,29が介在している。
前記鏡筒2は全体として前後を開口した円筒状の周壁部3と、周壁部3の内側面の前面側に形成される受け面3aは光軸Sに対して垂直に構成され、前記周壁部3の外周面に図示しないホルダを螺着するためのネジ部4を形成している。また、鏡筒2の後端から前記周壁部3と連続して鏡筒2を支持する複数の脚部5を一体形成し、その脚部5の後端部に突起部6を形成するとともに、前記各脚部5の間に接着剤Dを充填するための切欠部7が設けられ、この切欠部7が後述するノズルの逃げとして機能する。なお、本実施例においては、脚部5は、鏡筒2を支持した状態で安定して自立するよう四脚の脚部5が等間隔毎に形成されているが、最低、二脚、好ましくは三脚以上であればよい。
前記鏡筒2内には前記第1〜第4プラスチックレンズ10〜13が重ね合わせた状態で収納されており、そのうち、最後段に位置する第4プラスチックレンズ13は、鏡筒2の内周面に形成する段差状の嵌合部8に嵌合して位置決めされ、その他の第1〜第3プラスチックレンズ10〜12は鏡筒2に対して遊嵌自在に組み込まれている。また、前記鏡筒2内に収納されるレンズ部50は、その最後段に位置する第4プラスチックレンズ13の最後部が脚部5に形成する突起部6から突出することなく、突起部6より僅かに内側に位置する。すなわち、鏡筒2内に組み付けた第4プラスチックレンズ13の最後部と突起部6(脚部5の最後部)との差Xは、0.01〜0.2mmの範囲内としている。これは鏡筒2の公差と鏡筒2内に組み付けた各レンズ10〜13の積算公差を基準としている。
最前段に位置する第1プラスチックレンズ10は、物体側(図示上側)と像側(図示下方)を凸面とするレンズ部10Aと、そのレンズ部10Aの最大有効径の外側に位置するフランジ状のコバ部10Bとから構成され、コバ部10Bの外径を鏡筒2の内径より小さく形成して鏡筒2との間にクリアランスを保って遊嵌自在に組み込まれている。また、コバ部10Bの物体側に前記受け面3aと当接する当接面14を形成するとともに、コバ部10Bの像側に環状突部15を形成し、その環状突部15の内周面にテーパ状の円錐状傾斜面21を形成している。
2段目に位置する第2プラスチックレンズ11は、物体側を凸面、像側を凹面とするレンズ部11Aと、そのレンズ部11Aの周縁に位置するコバ部11Bとから構成され、コバ部11Bの外径を鏡筒2の内径より小さく形成して鏡筒2との間にクリアランスを保って遊嵌自在に組み込まれている。また、第2プラスチックレンズ11は、コバ部11Bの物体側と像側にそれぞれ環状突部16,17を形成し、物体側の環状突部16の外周面に前記第1プラスチックレンズ10の円錐状傾斜面21と嵌合する円錐状傾斜面22を形成し、像側の環状突部17の外周面にテーパ状に傾斜した円錐状傾斜面23を形成している。
3段目に位置する第3プラスチックレンズ12は、前記第2プラスチックレンズ11と同様、レンズ部12Aとコバ部12Bとから構成され、レンズ部12Aは、前記第2プラスチックレンズ11とは逆に物体側を凹面、像側を凸面としている。また、コバ部12Bの外径は、鏡筒2の内径より小さく形成して鏡筒2との間にクリアランスを保って遊嵌自在に組み込まれているとともに、コバ部12Bの物体側と像側にそれぞれ環状突部18,19を形成し、その環状突部18の内周面に前記第2プラスチックレンズ11の円錐状傾斜面23と嵌合する円錐状傾斜面24を形成し、環状突部19の外周面にテーパ状に傾斜した円錐状傾斜面25を形成している。
最後段の第4プラスチックレンズ13は、レンズ部13Aとコバ部13Bとから構成され、レンズ部13Aは、物体側が凹面、像側はレンズ中心部が凹面で周辺部が凸面に変化する形状である。また、コバ部13Bの外径は、鏡筒2の嵌合部8の内径と同径又は僅かに径大とし、鏡筒2の嵌合部8にコバ部13Bを嵌合して位置決めするとともに、コバ部13Bの物体側に環状突部20を形成し、その内周面に前記第3プラスチックレンズ12の円錐状傾斜面25と嵌合する円錐状傾斜面26を形成している。さらに、第4プラスチックレンズ13は、最後面のレンズ部13Aの最大有効径の外側に前記接着剤Dの接着領域として接着剤溜り30が形成されている。この接着剤溜り30は、前記切欠部7に臨む第4プラスチックレンズ13のレンズ部13Aの最大有効径の外側に形成し、コバ部13Bへ向かうに従い光軸Sから離れる方向に傾斜するテーパ面31と、鏡筒2の後端部内面に形成し、鏡筒2内部へ向かうに従い光軸Sに近づく方向に傾斜するテーパ面32及びこれら各テーパ面31,32との間に位置する第4プラスチックレンズ13の最後面側のコバ部13Bとによって構成される溝であるから、接着剤Dを充填するノズルNは切欠部7に設けた接着領域で、脚部5に邪魔されず接着剤Dを充填することが出来る。
以上のように構成される本実施例は、第4プラスチックレンズ13に遮光板29、第3プラスチックレンズ12、遮光板28、第2プラスチックレンズ11、第1プラスチックレンズ10の順に積み重ねて位置決めした状態で鏡筒2を被せて圧入する。径方向は第4プラスチックレンズ13のコバ部13Bの周縁が鏡筒2の内面に形成する嵌合部8に嵌合して位置決めされるとともに、光軸方向は最前段の第1プラスチックレンズ10のコバ部10Bに形成する当接面14が鏡筒2の受け面3aと当接して位置決めされる。また、第1〜第4プラスチックレンズ10〜13は、その第1〜第4プラスチックレンズ10〜13に形成する円錐状傾斜面21〜26が相互に嵌合して第1〜第4プラスチックレンズ10〜13の光軸Sが一致して調芯された状態で鏡筒2に収納される。このように第1〜第4プラスチックレンズ10〜13を位置決めした状態で鏡筒を反転させ、第4プラスチックレンズ13と鏡筒2との間に形成する接着剤溜り30に接着剤Dを充填し、接着剤Dが硬化することによって鏡筒2に第1〜第4プラスチックレンズ10〜13が固定される。この時、接着剤Dを充填するノズルNは、図5(a)(b)で示すように、鏡筒2の脚部5の間に形成する切欠部7に配置され、鏡筒2の内壁に干渉することなく、接着剤Dを充填することができる。また、光学系レンズユニット1の組み立て完了後は、最後段に位置する第4プラスチックレンズ13は、その第4プラスチックレンズ13のレンズ部13Aが鏡筒2の後端部から延びる四脚の脚部5から突出することなく、各脚部5の内側に収まる。これにより、四脚の脚部5で鏡筒2を支持した状態において、第4プラスチックレンズ13のレンズ部13Bが載置面に擦れて傷つくといった心配もない。
以上のように第1〜第4プラスチックレンズ10〜13を鏡筒2に組み込む場合、鏡筒2から最後段に位置する第4プラスチックレンズ13が突出しないように鏡筒2の全長を延ばす場合、従来では、第4プラスチックレンズ13のレンズ部13Aと、鏡筒2の内壁との間に接着剤Dを逃がすためのスペースを確保する必要があり、その分、鏡筒2の肉厚を厚く成形せざるを得ないが、本実施例においては、鏡筒2の後端部から第4プラスチックレンズ13より僅かに突出する複数の脚部5を突設し、その脚部5の間に形成する切欠部7に臨んで接着剤溜り30を形成することによって、鏡筒2の肉厚を可及的に小さく設定できるため、必然的に鏡筒2の外径も小さく設定することが可能である。また、最後段に位置する第4プラスチックレンズ13のレンズ部13Aが鏡筒2の後端部から延びる四脚の脚部5から突出することなく、各脚部5の内側に収まるため、第4プラスチックレンズ13のレンズ部13Bが載置面に擦れて傷つくといった心配もない。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、各レンズの形状や各レンズの光軸を合わせるための嵌合構造あるいはレンズの枚数や脚部の形状,個数といった基本的構成は適宜選定すればよい。また、第4プラスチックレンズを固定する接着剤として遮光性を備えた接着剤を用いれば、撮像素子に到達する不要な光を遮光してゴーストやフレアの発生を抑えることもできる。
1 光学系レンズユニット
2 鏡筒
3 周壁部
5 脚部
7 切欠部
10〜13 プラスチックレンズ
10A〜13A レンズ部
10B〜13B コバ部
21〜26 円錐状傾斜面(円錐面)
30 接着剤溜り
D 接着剤
S 光軸
N ノズル

Claims (5)

  1. レンズ部とコバ部から構成される複数のレンズと、この各レンズを重ね合わせた状態で収納保持する鏡筒とを備え、前記最前段のレンズを前記鏡筒内面の前面側に当接させた状態で最後段レンズを前記鏡筒の内面に接着固定する光学系レンズユニットにおいて、前記鏡筒の後端部から複数の脚部を突出形成し、この脚部を前記最後段レンズの最後部から僅かに延ばして形成するとともに、前記脚部の間に位置する切欠部に臨んで前記接着剤を充填する接着剤溜りを形成したことを特徴とする光学系レンズユニット。
  2. 前記最後段レンズは、最終面に位置して像側に膨出した凸曲面状のレンズ部を有し、このレンズ部の最後部より前記脚部の後端部を僅かに長く形成するとともに、前記コバ部の後端部より前記鏡筒の後端部を僅かに長く形成したことを特徴とする請求項1記載の光学系レンズユニット。
  3. 前記各レンズの重ね合わせ面に位置して光軸を中心としたテーパ状の円錐面を形成し、この各円錐面を嵌合させて各レンズの光軸を合わせて位置決めするとともに、前記脚部の後端部から前記最後段レンズの最後部までの寸法が、少なくとも前記鏡筒に組み付けた各レンズの積算公差と前記鏡筒の公差とを加算した数値より大きいことを特徴とする請求項1又は2記載の光学系レンズユニット。
  4. 前記脚部の後端部から前記最後段レンズの最後部までの寸法が0.01〜0.2mmの範囲内であることを特徴とする請求項3記載の光学系レンズユニット。
  5. 前記接着剤溜りが前記切欠部に臨む最後段レンズのレンズ部の最大有効径の外側に形成し、コバ部へ向かうに従い光軸から離れる方向に傾斜するテーパ面と、前記鏡筒の後端部内面に形成し、鏡筒内部へ向かうに従い光軸に近づく方向に傾斜するテーパ面と、これら各テーパ面の間に位置する最後段レンズのコバ部とによって構成される溝であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の光学系レンズユニット。
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