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JP2011203329A - 電気泳動表示装置 - Google Patents

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JP2011203329A
JP2011203329A JP2010068226A JP2010068226A JP2011203329A JP 2011203329 A JP2011203329 A JP 2011203329A JP 2010068226 A JP2010068226 A JP 2010068226A JP 2010068226 A JP2010068226 A JP 2010068226A JP 2011203329 A JP2011203329 A JP 2011203329A
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秀雄 浜
Rinko Ida
倫子 井田
Yasuhiro Oki
康弘 大木
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Abstract

【課題】本発明は、高いコントラストの表示を短時間で得ることが可能なセグメント駆動の電気泳動表示装置を提供する。
【手段】本発明の一実施形態による電気泳動表示装置は、電気泳動表示材料と電気泳動表示材料を挟持する2つの電極とを有して表示を行う画素を含む表示パネルと、交番電圧パルスを2つの電極間に印加した後に、電気泳動表示材料の応答時間よりも短い時間幅を有する書き込み電圧パルスを2つの電極間に1回印加する制御回路と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、帯電粒子を分散溶媒中に分散させた電気泳動表示材料を用いて表示を行う表示パネルを駆動する表示装置及び表示パネルの駆動方法に関し、特に、表示パネルのセグメント駆動の際に、コントラストが向上した画像の表示を行う表示装置及び表示パネルの駆動方法に関する。
電子値札や棚札、デジタル置時計などにおける数値や文字情報の表示の際、セグメント駆動による反射型表示装置が知られている(特許文献参照1、2参照)、特に電気泳動表示材料を用いた表示装置(電気泳動表示装置)においては、液晶表示装置とは異なり、偏光板が不用であり、電圧の印加を止めても表示が保持される。そのため、電気泳動表示装置は、液晶表示装置に比べて、視野角が広く、表示中に使用される消費電力が小さいという特徴を有しており、電子棚札やデジタルサイネージなどの分野に広く応用されている。
一般的に、電気泳動表示材料は、分散溶媒中に分散している正又は負に帯電している1種類又は複数種類の帯電粒子から構成されている。このため、電気泳動表示材料を用いた電気泳動表示装置を駆動するには、直流電圧を印加し、電圧の極性に応じて帯電粒子を電極方向に泳動させる。例えば、帯電粒子が、負に帯電した白色の帯電粒子と正に帯電した黒色の帯電粒子の2種類から構成される場合、電圧が印加されると、白色の帯電粒子と黒色の帯電粒子とは逆方向に泳動する。これにより、白色の帯電粒子と黒色の帯電粒子との分布が変化し、透明電極側から観察したとき、透明電極付近の白色の帯電粒子の分布密度が高くなっていれば、「白」が表示されている状態となり、逆に、透明電極付近の黒色の帯電粒子の分布密度が高くなっていれば、「黒」が表示されている状態となる。このように、電圧の極性の選択によって透明電極付近の帯電粒子の分布状態を制御することによって、白黒表示のコントラストを制御することができる。なお、帯電粒子が正又は負に帯電した1種類の帯電粒子から構成されている場合も同様である。ただし、この場合には、分散溶媒を、帯電粒子の色と異なる色に染料などで着色することにより、表示を行なうことができる。また、分散溶媒が透明である場合には、透明電極に対向している電極の側を着色することにより、表示を行なうことができる。
特開昭52−70791号公報 特開2009−69411号公報
このように、直流電圧を電極に印加することにより、電圧の極性に応じて白色の帯電粒子及び黒色の帯電粒子の分布状態を制御することができる。特に、電子棚札等に用いられているセグメント駆動においては、直流電圧を印加して駆動することが行なわれている。
しかし、本願発明者が従来技術を検討したところ、以下の問題があることがわかった。すなわち、従来の電気泳動表示装置では、直流電圧の印加により帯電粒子を泳動させて表示を完了させるまでには、通常数百m(ミリ)秒の時間が必要である。この時間の長さにより、残像のない表示が得られにくくなるという問題が生じる。また、直流電圧を印加することを繰り返し行なうと、白表示と黒表示との部分に微小な分離領域が生じ、表示ムラとして視認されるという問題がある。
本発明の目的は、上記の問題を解決し、良好な表示特性が得られる電気泳動表示装置を提供することにある。
本発明の一実施形態による電気泳動表示装置は、電気泳動表示材料と電気泳動表示材料を挟持する2つの電極とを有して表示を行う画素を含む表示パネルと、交番電圧パルスを2つの電極間に印加した後に、電気泳動表示材料の応答時間よりも短い時間幅を有する書き込み電圧パルスを2つの電極間に1回印加する制御回路と、を有する。
本発明の一実施形態による電気泳動表示装置の駆動方法は、電気泳動表示材料と電気泳動表示材料を挟持する2つの電極とを有して表示を行う画素を含む電気泳動表示パネルの駆動方法であって、交番電圧パルスを2つの電極間に印加した後に、電気泳動表示材料の応答時間よりも短い時間幅を有する書き込み電圧パルスを2つの電極間に1回印加すること、を含む。
本発明の電気泳動表示装置によれば、高いコントラストで表示を行なうことができる。また、交番電圧パルスと書込みパルスとの印加を行なうことにより、書込み時間を短縮することができる。
本発明の一実施形態に係る電気泳動表氏装置の機能ブロック図である。 (a)表示パネルの概略的な断面図を示す。(b)セグメント駆動方式の表示パネルに含まれる画素の外観の一例図である。 電気泳動表示材料の応答時間について説明するための一例図である。 本発明の一実施形態に係る電気泳動表示装置の処理を説明するフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る電気泳動表示装置において、所望の表示を行う際に、表示パネルの電極に印加される電圧パターンの一例図である。 本発明の一実施形態に係る電気泳動表示装置における書き込みパルスの幅に対する白反射率及び黒反射率とコントラストの変化とを示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。本発明は、以下に説明される実施形態に限定されるわけではなく、以下に説明される実施形態に種々の変更を加えて実施することが可能である。
図1は、本発明の一実施形態に係る電気泳動表示装置の機能的ブロック図の一例を示す。電気泳動表示装置100は、表示パネル101と、制御回路102とを具備する。制御回路102は、電圧印加回路103と、表示制御回路104と、交番電圧制御回路105と、を含んでもよい。
表示パネル101は、電気泳動表示材料を電極間に挟持している。ここで電気泳動表示材料は、帯電粒子を含む材料である。帯電粒子は、電気泳動表示材料の分散溶媒中に分散されている。帯電粒子の材料としては、有色または無色(あるいは白色)の無機顔料粒子、有機顔料粒子を用いることが可能である。
図2(a)は、表示パネル101の2つの電極の間の断面を模式的に示す図である。表示パネル101の基板201上に基板電極202と、基板電極202に対向する画素電極203とが配置されている。基板電極202と画素電極203との間に電気泳動表示材料が挟持されている。また、図2(a)では、2色の帯電粒子204、205が電気泳動表示材料の分散溶媒中に分散されている。尚、電気泳動表示材料は、カプセルに封入されていても良いし、例えば、格子状の隔壁内に封入されていても良い。さらに、電気泳動表示材料がカプセルに封入されている場合、そのカプセルが一または複数個、基板電極202と画素電極203との間に配置されていてもよい。また、基板電極202側から表示を見るときには、基板電極202及びそれが形成されている基板201は、透明な材料で構成されている。
帯電粒子は、電荷によって帯電している。同色の帯電粒子は同じ符号に帯電し、色が異なる帯電粒子は異なる符号に帯電している。したがって、例えば、白色の帯電粒子204が負に帯電し、黒色の帯電粒子205が正に帯電していれば、基板電極202の電位を画素電極203の電位よりも大きくすることにより、帯電粒子204が基板電極202の側に移動し、帯電粒子205が画素電極203の側に移動する。これにより、基板電極202の側より電気泳動表示材料を観察すると、白く見えることになる。また、逆の極性の電位を基板電極202と画素電極203とに印加すると、基板電極202の側より電気泳動表示材料を観察すると、黒く見えることになる。
図2(b)は、表示パネル101の一部を画素電極203の側から見た場合の平面図の一例を示す。図2(b)では、数字の0から9を表示可能とするために、「8」の字を描くように配置されている7つの画素206を例示している。それぞれの画素206に対応する画素電極203と基板電極202との間に電圧を適宜印加することにより、数字の0から9を含む文字が表示される。なお、基板電極202は、複数(7つ)の画素電極203に対して共通に配置されていてもよいし、個々の画素電極203に対して、個々の基板電極202が配置されていてもよい。
制御回路102は、画素206の所望の表示を行う際に、基板電極202と画素電極203とに交番電圧を印加し、その後、電気泳動表示材料の応答時間よりも短い時間幅を有し、基板電極202と画素電極203との間に所定の大きさの電位差を発生させる電圧パルス(以下、書き込み電圧パルスともいう)を1回印加する。本実施形態において、制御回路102は、電圧印加回路103と、表示制御回路104と、交番電圧制御回路105とを有する。
ここで、電気泳動表示材料の「応答時間」を次のように定義する。すなわち、電気泳動表示材料を挟持する2つの電極(基板電極202及び画素電極203)の間に第1の直流電圧を印加して、表示される色を、第1色(例えば白色)に設定し、その後、第1の直流電圧を遮断する。そして、2つの電極の間に電圧差がない状態を一定時間以上経過させた後、2つの電極の間に第2の直流電圧を印加して、一方の電極の側に表示される色を、第2色(例えば黒色)に遷移させる。このとき、2つの電極の間に挟持されている電気泳動表示材料の反射率が、前記第2の直流電圧の印加によって最大値または最小値をとるまでの時間を、「応答時間」という。ここで、反射率とは、電気泳動表示材料が表示する色の反射率をいう。換言すると、電気泳動表示材料により表示される色が、前記第2の直流電圧の印加により第1色から第2色に遷移するまでの時間を「応答時間」という。制御回路102が電気泳動表示材料の応答時間よりも短い時間幅の書き込み電圧パルスを1回印加するのは、後述のように、1回のみの書き込み電圧パルスの印加であっても、高いコントラストが得られるからである。
前記2つの電極(基板電極202及び画素電極203)の間に電位差の無い状態を一定時間以上経過させるのは、電気泳動表示材料の反射率の変化には、基板電極202と画素電極203とに印加された電圧の履歴に依存する傾向が見られるためである。「一定時間」とは、以前に印加された電圧の履歴に、電気泳動表示材料の反射率の変化が依存しなくなるのに必要な時間を意味する。本発明にかかる電気泳動表示材料においては、前記一定時間として1秒程度とるのが好ましい。
図3は、電気泳動表示材料の応答時間を説明するための図の一例である。図3においては、基板電極202と画素電極203とに電位差が生じてない状態が一定時間以上継続し、かつ、ある色の反射率が最小となっている状態で、ある時間から基板電極202と画素電極203との電位差を所定の大きさとしてから、所定時間(例えば、1秒以上)その電位を継続したときに、その色の反射率が最大となるまでの時間を応答時間として図示している。図3において、電気泳動表示材料の応答時間は、一般的な電気泳動表示材料における500m(ミリ)秒となっている。また、図3は、反射率が大きくなった状態において、所定の大きさの逆極性の電位差を基板電極202と画素電極203とに印加することにより、反射率が小さくなることも示している。
図3には、電圧を印加し続けると、反射率が最大の状態から若干下がったり、最小の状態から若干上がったりする現象が起こることも示されている。この現象は、本願発明者が従来技術に係る電気泳動表示材料を用いて反射率の時間変化を測定した際に発見された。電気泳動表示材料は、帯電粒子とそれを分散する分散溶媒などから構成されている。一般に分散溶媒は、イオン性の添加剤を含有している。このため、電圧の印加により、白色の帯電粒子と黒色の帯電粒子とを泳動させて表示を行なうと、帯電粒子が電極の近傍まで泳動して電極の近傍に白色の帯電粒子又は黒色の帯電粒子の分布状態を形成する前に、添加剤のイオンが印加された電圧に応答し、分散溶媒の対流を引き起こすことがある。分散溶媒の対流が引き起こされると、帯電粒子は分散溶媒の対流により電極の近傍に分布することが困難となり、帯電粒子を電極近傍に安定して分布させるためには、長時間にわたる電圧の印加が必要となる。このため、電気泳動表示材料の応答時間が長くなると考えられる。
したがって、電極に印加される電圧の印加時間を短くすることにより、対流の影響を抑制することが必要であると考えられる。しかし、単純に電圧の印加時間を短くするだけでは、帯電粒子の移動距離が短くなり、電極近傍に帯電粒子を分布させて表示を行なうことが困難となる。本願発明者は、このような考察に基づいて、本願発明に至った。
すなわち、本願発明者は、分散溶媒の対流を抑制するために電圧の印加時間をできるだけ短くしても電気泳動表示材料のコントラストが上昇することを見出した。所望の表示を行う際、書き込み電圧パルスの印加を1回にすることによって、分散溶媒中に含有されているイオンに電気的な力が加わりにくくなるため、分散溶媒の対流が生じない。このため、帯電粒子の分布に悪影響を及ぼさなくなる。本願発明の一実施形態に係る電気泳動表示装置は、所望の表示を行う際、書き込み電圧パルスの印加を1回にすることによって、短時間の応答と高いコントラストとの両立を図ったものである。
ここで、前述のように、電圧印加時間は、電極に電圧を印加して帯電粒子を電極間の距離だけ移動させる時間よりも短くできないことから、電気泳動表示材料の応答時間よりも著しく短くすることは困難であった。しかし、本願発明者らは、書き込み電圧印加時間に先立って交番電圧パルスを印加することにより、電気泳動表示材料の応答時間よりも短い書き込み電圧の印加時間によって、電気泳動表示装置を駆動できることを見出し、本願発明の想到に至った。
すなわち、交番電圧パルスを印加することによって、電気泳動表示材料に含まれる帯電粒子の凝縮を抑制し、分散性を高めることができる。また、交番電圧として最後に印加される極性の電圧により、白色の帯電粒子の分布位置と黒色の帯電粒子の分布位置とを分離することが可能となる。これらにより、交番電圧の印加の次に印加される書き込み電圧が有効に帯電粒子に印加され、より高速に表示を応答させることが可能となる。したがって、本発明によれば、書き込み電圧の印加に先立って交番電圧パルスを印加することにより、書き込み電圧パルスの印加時間を短くすることができ、さらに書き込み電圧パルスを1回のみ印加することにより、分散溶媒の対流を抑制することが可能となる。これにより、高速書き込みと高コントラストとを同時に達成できることになる。
制御回路102の電圧印加回路103は、基板電極202と画素電極203とに所定の大きさの電位差を発生させる書き込み電圧パルス、及び交番電圧パルスを基板電極202と画素電極203とに印加する回路である。それぞれの電圧パルスの時間幅、電圧パルス間の時間間隔、電圧パルスの数は、以下に説明する表示制御回路104及び交番電圧制御回路105からの信号により制御されてもよい。なお、電圧パルスと記載したが、これは電圧の時間変化をグラフにより表示した場合に方形になっており、一定以上の大きさの電圧がある時間以上印加されることが好ましいことを意味している。電圧パルスの立ち上がりにオーバーシュートが発生していてもよく、電圧パルスの立ち上がりや立ち下がりが時間軸に対して垂直になっていなくてもよい。
制御回路102の表示制御回路104は、画素206に所望の表示を行う際に、電気泳動表示材料の応答時間よりも短い時間幅の書き込み電圧パルスを1回印加するための回路である。1回の書き込み電圧パルスの印加は、電圧印加回路103を動作させて行なってもよい。
制御回路102の交番電圧制御回路105は、表示制御回路104による書き込み電圧パルスの印加前に交番電圧パルスを印加するための回路である。交番電圧パルスの印加は、電圧印加回路103を動作させることによって行なうことができる。ここで「交番電圧パルス」とは、正と負の電圧を交互に繰り返す電圧パルスである。ここでは、正と負の1組の電圧を1つの電圧パルスとする。交番電圧パルスを印加する目的の一つは、表示の前に、帯電粒子を取り巻くイオンを帯電粒子から引き離し、書き込みパルスに対する応答速度を向上させることにある。
本実施形態においては、制御回路102は、電圧印加回路103と、表示制御回路104と、交番電圧制御回路105とを有するが、本発明はこれに限定されず、制御回路102は、電圧印加回路、表示制御回路、及び交番電圧制御回路を含まなくてもよく、上記回路のそれぞれの機能を制御回路102内の別の構成によって実行してもよい。
図4は、本実施形態に係る電気泳動表示装置による処理を説明するフローチャートの一例である。図4において、処理S401として、基板電極202と画素電極203との間に交番電圧パルスの印加を行なう。そして、処理S402として、基板電極202と画素電極203との間に電圧パルスの印加を行なう。
上述の処理は、CPU、メモリ、外部インターフェースを備えるマイクロコンピュータなどを用いて電気泳動表示装置100を構成し、図4に示すフローチャートを実行するプログラムをCPUによって動作させることによって実現可能である。また、処理S401と処理S402に対応する状態を有する順序回路を用いることにより、プログラムを動作させることなく専用のハードウェアにより、上述の処理を実現することができる。
図5は、図4に示したフローチャートの処理を実行した場合において、画素206に所望の表示を行う際に、基板電極202と画素電極203との間に印加される電圧パルスの電位の変化の一例を示す。例えば、帯電粒子に白色のものと黒色のものとがある場合、画素電極203の側を白色にするときには、図5の上部に例示されるように、交番電圧パルス期間に交番電圧パルスを基板電極202と画素電極203との間に印加する。交番電圧パルスを所定の回数印加した後、所定の書き込みパルス時間幅を有する電圧パルスを基板電極202と画素電極203との間に1回印加する。
また、画素電極203の側を黒色にするときには、図5の下部に例示されるように、交番電圧パルス期間に交番電圧パルスを基板電極202と画素電極203との間に印加した後、表示書き込み期間において、交番電圧パルスを所定の回数印加した後、所定の書き込みパルス時間幅を有する電圧パルスを基板電極202と画素電極203との間に1回印加する。この場合、画素電極203の側を白色にするときとは逆極性の電圧パルスを印加する。なお、交番電圧パルスの時間変化も、図5に示すように、画素電極203の側を白色にするときとは逆となっていてもよいし、同極性であってもよい。
なお、交番電圧とは、所定の周波数で正の電圧と負の電圧とが交互に交替する電圧であり、一般的には、正の電圧と負の電圧との絶対値は略等しい。例えば、交番電圧とは、10ヘルツで、15Vと−15Vとが交互に繰り返される電圧である。ただし、正の電圧と負の電圧との絶対値は異なっていてもよい。また、交番電圧は、画素電極の全てにほぼ同時に印加されるようになっていてもよい。ここで、交番電圧の周波数は、10ヘルツ以上200ヘルツ以下の範囲が好ましく、特に20ヘルツ以上100ヘルツ以下の範囲がより好ましい。交番電圧の周波数が小さく、例えば10ヘルツ未満であると、表示パネルにフリッカが表示されていると視認され、表示の品質が損なわれる場合がある。また、電気泳動表示材料の分散溶媒中に含まれる添加剤であるイオン物質が数十キロヘルツ程度の高い周波数でも応答するため、交番電圧の周波数が高く、例えば200ヘルツを超える周波数になると、帯電粒子の分散性を向上させる効果は生じるが、帯電粒子の交番電圧への追随性が低くなるため、書き込み電圧パルスの印加による白表示状態または黒表示状態への書き込み速度の向上や良好な表示コントラストが得られにくくなる場合がある。
[測定例]
以下、本発明の表示パネル100の基板電極202と画素電極203とに交番電圧パルスを印加した場合における、表示パネル100の電気泳動表示材料の反射率、及び表示パネル100のコントラストの測定例を示す。なお、以下の測定例においては、交番電圧パルスの印加回数は、正極性と負極性との電圧パルスからなる双極電圧パルスを1回と数える。換言すれば、交番電圧パルスの印加回数は、正または負の極性の電圧パルス回数に等しくなる。
電気泳動材料を表示パネル100の基板電極202と画素電極203との間に封入し、基板電極202と画素電極203との間に交番電圧パルスを10回印加した後で以下の表1に記載されているようなパルス時間幅の書き込み電圧パルスを1回印加して表示パネル100の駆動を行い、交番電圧パルスと書き込み電圧パルスとの印加を行った後で表示パネル100のコントラストを測定した。ここで、交番電圧パルス時間幅を10msとした。しかし、本発明の交番電圧パルス時間幅は10msに限定されるわけではなく、適宜変更されてもよい。表1において、コントラストとは、黒反射率に対する白反射率の大きさと定義される。
上記のコントラストは、黒反射率と白反射率との比(白反射率÷黒反射率)で表した。また、黒反射率及び白反射率の測定方法は種々の方法が知られている。例えば、XYZ表色系の三刺激値X,Y,ZのY値(視感反射率)とすることができる。しかし、本発明に係る測定では、応答時間の定義に適した測定法により得た。その測定法とは、電気泳動表示パネルからの拡散反射光を光電子増倍管にて受光し、黒表示状態および白表示状態のそれぞれの拡散反射光強度を測定して黒反射率および白反射率を算出する方法である。具体的な測定手順においては、まず、反射率が既知である白色標準板の拡散反射光強度を測定し、この測定の結果を基準値とする。次に、この基準値と白状態、黒状態の拡散反射光強度との相対値として、黒状態、白状態それぞれの反射率を算出した。
ここで、拡散反射光強度の測定は以下の方法で行なった。先ず、サンプルとして前記白色標準板を落射方式の暗視野顕微鏡の試料台に設置し、暗視野対物レンズ(オリンパス製LMPlan 5×BD)を用いて、前記サンプルの拡散反射光を前記暗視野顕微鏡の鏡筒に配置した光電子増倍管(浜松ホトニクス製H7422−20)にて検知し、拡散反射光強度の出力をオシロスコープで測定した。次いで、黒表示または白表示の前記電気泳動表示パネルを前記試料台に設置し、前記白色標準板と同様の方法で拡散反射光強度の測定を行い、反射率を求めた。なお、拡散反射光強度の測定は、直流電圧切断後2秒経過後の基板電極202と画素電極203との間に電圧を印加しない期間における値を検知することにより行なった。
図6は、上記表1に対応する書き込み電圧パルス時間幅と、黒反射率及び白反射率と、それぞれの書き込み電圧パルス時間幅で書き込み電圧を印加した際の表示パネル100のコントラストとの関係を示すグラフである。前述したように、10msの交番電圧パルスを10回印加した後、表1に記載されている書き込み電圧パルスを1回印加して、表示パネル100のコントラストを測定した。それぞれのコントラストの測定時ごとに異なるのは、書き込み電圧パルス時間幅であり、25msから100msまで変化させた。尚、図6では、25msから100msまで変化させた書き込み電圧パルス時間幅のうち、30msから70msまでの書き込み電圧パルス時間幅とそれに対応する反射率と測定したコントラストとを示す。
表1及び図6を参照すると、書き込み電圧パルス時間幅が25msから長くなるにつれて、コントラストは高くなり、書き込み電圧パルス時間幅が60msであるときにコントラストが45以上となり、最大となる。書き込み電圧パルス時間幅が60msを超過すると、コントラストは逆に低くなる。これは、書き込み電圧を長時間にわたって基板電極202と画素電極203と印加し続けたために、分散溶媒中の添加剤のイオンが電圧に応答して、分散溶媒の対流を引き起こしたためだと考えられる。
また、本発明に係る測定において、図3に示すような基板電極202と画素電極203との間に電圧を印加しない一定の期間を置いた後に直流電圧パルスを印加して電気泳動表示材料を駆動した場合においては、黒反射率は6%程度に上昇し、白反射率は32%に低下するため、コントラストが5.2〜5.3程度と低い値が得られた。
以上の測定例では、交番電圧パルスの印加回数を10回としたが、交番電圧パルスの印加回数は10回に限定されずに、交番電圧パルスの印加回数が4回以上の場合であれば、交番電圧パルスの印加回数が10回の場合と同様の効果が得られる。すなわち、交番電圧パルスの印加回数が4回以上であれば、最大コントラストが得られる書込み電圧パルスの時間幅は60ms程度であり、電気泳動表示材料の応答時間(500ms)以下となり、反射率及びコントラストは、表1に示した値とほぼ同一の値が得られている。換言すれば、交番電圧パルスの印加回数が4回以上であれば、表示装置100の電気泳動表示材料に含まれる帯電粒子の分散性が十分向上しているため、交番電圧パルスの後に印加される書き込み電圧による表示書き込みが交番電圧パルスの印加前の状態の履歴に依存しなくなる。したがって、本発明の交番電圧パルスの印加回数は、10回に限定されず、電気泳動表示材料として使用される材料の特性に応じて4回以上の印加回数の中から適宜変更されてもよい。交番電圧パルスの印加回数は、例えば、20回よりも多くすることができるが、20回よりも多くすると、交番電圧パルスを印加する時間が400ms程度と長くなるため、書き込み電圧パルスを印加して画像を表示するまでの時間が電気泳動表示材料の応答時間よりも長くなることから、表示時間の短縮にならない。したがって、交番電圧パルスの印加回数は4回以上20回以下が好ましい。
以上から、交番電圧パルスの印加回数を4回以上としたとき、最大コントラストを得るための書き込み電圧パルス時間幅は、60ms程度であることが好ましい。例えば、パルス時間幅が10msで交番電圧パルスを10回印加するために必要な時間は200msであり、書き込み電圧パルス時間幅を60msとすると、交番電圧パルスの印加時間と書き込み電圧パルスの印加時間とを含めた全体として260msの時間が必要となる。これは、一般的な電気泳動表示材料の応答時間である500msの約2分の1となる。さらに、パルス時間幅が10msで交番電圧パルスを4回印加するために必要な時間は80msであり、書き込み電圧パルス時間幅を60msとすると、全体として140msの時間が必要となる。これは、平均的な電気泳動表示材料の応答時間である500msの約3分の1となる。したがって、交番電圧パルスの印加回数を4回以上とし、書き込み電圧パルスの時間幅を60ms程度とすれば、最大コントラストが得られ、さらに表示書き込み時間を電気泳動表示材料の応答時間の1/2に短縮でき、高コントラスト及び高速表示の両立を図ることができる。
表1に示すように、書き込み電圧のパルス時間幅には最適値があり、書き込み電圧パルス時間幅が最適値の近い値のときにコントラストが最良な値の範囲をとることができる。以上の測定例では書き込み電圧パルス時間幅の最適値が60msであるが、電気泳動材料の構成によっては前記最適値が異なることもある。書き込み電圧パルス時間幅の最適値の範囲は、30ms以上400ms以下、好ましくは、30ms以上100ms以下である。交番電圧パルスの印加回数が4回以上の場合、書き込み電圧パルスの時間幅が30ms以上としたとき、10以上の良好なコントラストが得られる。最大コントラストが得られる最適値は400ms以下である。すなわち、パルス時間幅が10msの交番電圧パルスを4回印加するために必要な時間は80msであり、書き込み電圧パルス時間幅を400msとすると、交番電圧パルスの印加と書き込み電圧パルスの印加とを含めた全体として480msの電圧印加時間が必要となり、平均的な電気泳動表示材料の応答時間以下とすることができる。換言すると、書き込み電圧パルス時間幅を400ms以下とした場合、表示コントラストを最大とすることができ、さらに画像表示の書き込み時間の短縮が可能となる。
また、以上の測定例では、交番電圧パルスの時間幅を10msとしたが、交番電圧パルスの時間幅は2.5msから50msの間で適宜選択することができる。交番電圧パルスの時間幅が長いほど電気泳動表示材料の帯電粒子の分散性を高める効果があるが、交番電圧パルスの時間幅が50msより大きい場合、表示パネルに表示される画像の残像等によるフリッカが目立つため、画像表示品質が悪化することがある。一方、交番電圧パルスの時間幅が2.5msより小さい場合、交番電圧パルスの印加による帯電粒子の移動が小さいため、帯電粒子の分散性の向上が期待できず、1回の書き込み電圧パルスでは書き込み電圧パルスの時間幅を応答時間程度に大きくしないと十分な表示書き込みを行なうことができない。
本発明によると、高いコントラストの表示を短時間で得ることが可能となり、残像のない表示を得ることが可能となる。
101 表示パネル
102 制御回路
103 電圧印加回路
104 表示制御回路
105 交番電圧制御回路

Claims (8)

  1. 電気泳動表示材料と前記電気泳動表示材料を挟持する2つの電極とを有して表示を行う画素を含む表示パネルと、
    交番電圧パルスを前記2つの電極間に印加した後に、前記電気泳動表示材料の応答時間よりも短い時間幅を有する書き込み電圧パルスを前記2つの電極間に1回印加する制御回路と、
    を有する電気泳動表示装置。
  2. 前記書き込み電圧パルスの時間幅は、30ms以上400ms以下であることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動表示装置。
  3. 前記交番電圧パルスの印加回数は4回以上20回以下であることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動表示装置。
  4. 前記交番電圧パルスの時間幅の和と前記書き込み電圧パルスの時間幅の和との総和が前記電気泳動表示材料の応答時間よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の電気泳動表示装置。
  5. 電気泳動表示材料と前記電気泳動表示材料を挟持する2つの電極とを有して表示を行う画素を含む電気泳動表示パネルの駆動方法であって、
    交番電圧パルスを前記2つの電極間に印加した後に、前記電気泳動表示材料の応答時間よりも短い時間幅を有する書き込み電圧パルスを前記2つの電極間に1回印加すること、
    を含む電気泳動表示パネルの駆動方法。
  6. 前記書き込み電圧の印加時間は、30ms以上400ms以下であることを特徴とする請求項5に記載の電気泳動表示パネルの駆動方法。
  7. 前記交番電圧パルスの印加回数は4回以上20回以下であることを特徴とする請求項5に記載の電気泳動表示パネルの駆動方法。
  8. 前記交番電圧パルスの時間幅の和と前記書き込み電圧パルスの時間幅の和との総和が前記電気泳動表示材料の応答時間よりも小さいことを特徴とする請求項5に記載の電気泳動表示パネルの駆動方法。
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