JP2011138622A - 導電性膜の製造方法および導電性膜 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】導電性微粒子を含む有機溶媒分散体を基板に塗布して網目状の導電性膜を製造する方法であって、該製造方法は、塗布された有機溶媒分散体を、塗膜表面で結露させながら有機溶媒を蒸発させる工程を含み、該有機溶媒分散体がノニオン性界面活性剤を必須成分とする網目状の導電性膜の製造方法。
【選択図】なし
Description
光透過性を有する導電性膜としては、現在では、酸化インジウム錫(ITO)が用いられることが一般的である。酸化インジウム錫により作成された導電性膜は、光透過性、導電性のバランスに優れており、通常の液晶ディスプレイ等だけではなく、例えば、タッチパネル用途等にも使用されている。しかしながら、インジウムのような希金属は高価であり、また、資源枯渇のおそれがあるため、より安価で、資源枯渇のおそれが少ない材料を用いた光透過性を有する導電性膜が求められているところであった。また、ITOの成膜には通常、スパッタリング法等が用いられているため、生産性が低い点でも改善の余地があった。
また特許文献7に開示された透明電極及びその製造方法では、上述したように透明電極前駆体を、200℃を超える高温で焼成する必要があり、そのために、基板としてPETフィルム等の汎用高分子フィルムを用いた導電性膜の製造に適用することができないものであった。更には、特許文献7の実施例において焼成後に得られたもののSEM写真(特許文献7の図2参照。)からは、導電性金属で構成された線状部の二次元ネットワークの形成は確認できず、表面の全面に渡り無秩序な凹凸が形成されているとしか見えない。そのような状態においては、開口部の面積が充分に確保されないものと考えられる。したがって、導電性膜の製造方法、及び、製造される導電性膜のパターン形成の両方において改善の余地があった。
このように、基板としてPETフィルム等の汎用高分子フィルムを用いることができ、光透過性と導電性とに優れた網目状の導電性膜を簡易に製造することについて開示した従来技術は見当たらず、このような課題を解決することができれば、導電性フィルム等の導電性材料を用いる技術分野において、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、電子ペーパー(デジタルペーパー)等に対して種々の用途展開を図ることができ、大きな技術的意義があるといえる。
そこで、上述したような従来の技術とは相違して、塗布された導電性微粒子を含む有機溶媒分散体を、塗膜表面で結露させながら有機溶媒を蒸発させる工程を含む導電性膜の製造方法とすることによって、簡易かつ安価に、線幅、網目の細かい網目状の導電性膜を製造することができ、また、生産性を向上させることができることを見出した。
このように、塗布された導電性微粒子を含む有機溶媒分散体を、塗膜表面で結露させながら有機溶媒を蒸発させる工程を行い、該有機溶媒分散体がノニオン性界面活性剤を必須成分とすることによって、上記課題を見事に解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
網目状の導電性膜を汎用高分子基板上に簡易かつ安価に形成とすることができれば、近年急速に需要、用途が拡大している導電性材料における新たな導電性付与手法となり、種々の用途展開が期待されるところである。
以下に本発明を詳述する。
なお、網目状の導電性膜における網目状線部と空孔部との配置形態としては、ランダム状であってもよいし、規則的に並んでいる状態であってもよい。また、大きめの網目や小さめの網目が混在し、いくつか網目が切れているところがあってもよいが、全体的に見れば、ミクロな技術分野において網目状の構造が認められると評価されるものであることが望ましい。すなわち、マイクロスコープで観察して、網目状の構造が確認できればよい。網目状の構造は、導電性膜全面に形成されていることが好ましいが、導電性膜が用いられる用途に応じて適宜設定されればよく、導電性膜としての機能が発揮され得る限り部分的であってもよい。その他の網目状の好ましい形態については後述する。
上記のことから、本発明の導電性膜の製造方法は、塗布された有機溶媒を、塗膜表面で結露が生じる条件で蒸発させる工程を含むものということもできる。塗膜表面で結露が生じる条件とは、例えば、有機溶媒を蒸発させる雰囲気の露点を、塗膜表面の温度よりも高いものとする条件である。結露を生じさせる方法としては特に限定されるものではないが、例えば、塗膜表面の温度を、有機溶媒を蒸発させる雰囲気の露点以下に冷却する方法、上記有機溶媒を蒸発させる雰囲気を加湿雰囲気として、該雰囲気の露点を塗膜表面の温度より高くする方法等が好適である。これらの方法は、一つの方法で用いてもよいし、複数の方法を組み合わせて用いてもよい。複数の方法を組み合わせて行うことによって、有機溶媒を蒸発させる条件をより精密に制御することができ、導電性膜の形態を調整することができる。
また、図3に示すように、ペルチェ素子20を用いて、基板21及び塗膜22の冷却を行い、更に加湿気体を塗布された有機溶媒分散体に吹きつけることにより有機溶媒を蒸発させる方法は、本発明の導電性膜の製造方法の好適な形態の一つである。すなわち、上記製造方法は、基板及び塗膜の冷却を行い、かつ加湿気体を塗膜に吹きつけ、該塗膜表面で結露させながら有機溶媒を蒸発させる工程を含む製造方法が好ましい。
また、上記ノニオン性界面活性剤のHLB値は低すぎると、水に対する親和性がなくなり過ぎて、水滴の安定化ができなくなるおそれがあるため、HLB値は、1以上であることが好ましい。より好ましくは、2以上であり、更に好ましくは、3以上である。
なお、上記ノニオン性界面活性剤のHLB値は、例えば、下記のグリフィンの式により算出することができる。
HLB={(界面活性剤の親水部分の分子量)/(界面活性剤全体の分子量)}×20
これらのノニオン性界面活性剤としては、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記多価アルコール脂肪酸エステルにおいては、多価アルコール1分子に対してエステル結合する脂肪酸は、1種であっても、2種以上であってもよい。
ここで、脂肪酸由来の構造部分に水酸基を実質的に有さないとは、全く有していない、又は、全く有していないわけではないが、導電性膜の製造にあたって、脂肪酸由来の構造部分の水酸基に由来する上述したような影響が出ないために、実質的には有していないものとみなしてもよい程度に有している、のいずれかを表している。
上述のことは、上記多価アルコール脂肪酸エステルを構成する脂肪酸の水酸基価が100以下であることが好ましい、と言うこともできる。より好ましくは、50以下であり、更に好ましくは、20以下である。
これら多価アルコールとしては、上記多価アルコール脂肪酸エステルを生成する際、単独で用いられてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これら脂肪酸としては、上記多価アルコール脂肪酸エステルを生成する際、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。すなわち、上記多価アルコール脂肪酸エステルは、多価アルコール脂肪酸エステル1分子中に1種類のみの脂肪酸が多価アルコールにエステル結合していてもよいし、2種以上の異なる脂肪酸が多価アルコールにエステル結合していてもよい。
上記導電性微粒子の形状は、球状に限られず、例えば、楕円球状、立方体状、直方体状、ピラミッド状、針状、柱状、棒状、筒状、りん片状、板状(例えば、六角板状)等の薄片状、紐状等の形状でも好適に用いることができる。
上記有機溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、混合キシレン、エチルベンゼン、ヘキシルベンゼン、ドデシルベンゼン、フェニルキシリルエタン等のベンゼン系炭化水素等の芳香族炭化水素類;n−ヘキサン、n−デカン等のパラフィン系炭化水素、アイソパー(Isopar、エクソン化学社製)等のイソパラフィン系炭化水素、1−オクテン、1−デセン等のオレフィン系炭化水素、シクロヘキサン、デカリン等のナフテン系炭化水素等の脂肪族炭化水素類;ケロシン、石油エーテル、石油ベンジン、リグロイン、工業ガソリン、コールタールナフサ、石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油や石炭由来の炭化水素混合物;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、トリクロロフルオロエタン、テトラブロモエタン、ジブロモテトラフルオロエタン、テトラフルオロジヨードエタン、1,2−ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、トリクロロフルオロエチレン、クロロブタン、クロロシクロヘキサン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードメタン、ジヨードメタン、ヨードホルム等のハロゲン化炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、オクタノール、メチルセロソルブ等のアルコール類;ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類;ハイドロフルオロエーテル等のフッ素系溶剤;二硫化炭素等が好ましい。これらの有機溶媒は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
上記有機溶媒分散体を塗布する基板は、基板表面に親水化処理を行われたものであることが好ましい。これによれば、上述のように、有機溶媒分散体中に取り込まれた水滴を好適な形状で保持することができる。また、基板表面の親水性を制御することによって、導電性膜の形状を更に制御することができる。親水化処理の方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、アルカリ性溶液に浸漬させる方法が好ましい。アルカリ性溶液としては、特に限定されるものではないが、水酸化カリウム溶液、水酸化ナトリウム溶液等を好ましく用いることができる。具体的には、飽和水酸化カリウムエタノール溶液等を好ましく用いることができる。また、親水化処理の方法としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、UV−オゾン処理を行う方法等が挙げられる。このような方法は、基板の種類、有機溶媒分散体の種類等によって適宜好ましい方法を選択することが好ましい。また、親水化による基板の接触角は、上述した好ましい接触角の値を用いることができる。
焼成時間としては、2時間以内であることが好ましく、より好ましくは、1時間以内であり、更に好ましくは、30分以内である。
上記導電性膜の形態としては、空孔部の平均面積が400μm2以下であり、網目状線部の線幅が5μm以下であることが好ましい。空孔部の平均面積が小さく、網目状線部の線幅が細いことによって、光の透過性が高く、均一性の高い網目状の導電性膜を形成することができる。また、上記製造方法により製造される導電性膜のより好ましい形態としては、後述する網目状の導電性膜の好ましい形態と同様である。すなわち、空孔部の平均面積としてより好ましくは、300μm2以下であり、更に好ましくは、200μm2以下であり、特に好ましくは、100μm2以下である。また、上記空孔部は、平均最大フェレ径が20μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましい。空孔部による開口率としては、60%以上であることが好ましく、これにより光透過率を高めた導電性膜とすることができる。空孔部による開口率は65%以上であることがより好ましく、更に好ましくは、70%以上であり、特に好ましくは、80%以上であり、最も好ましくは、90%以上である。上記網目状線部の線幅としてより好ましくは、2μm以下であり、更に好ましくは、1μm以下である。なお、最大フェレ径とは、各空孔部の輪郭に接するように引いた2本の平行線間の最大のものを最大フェレ径といい、平均最大フェレ径とは、計測した各空孔部の最大フェレ径の平均をとったものを平均最大フェレ径という。
開口率、線幅、空孔部の平均面積及び平均最大フェレ径については、以下の方法により求めることができる。
導電性膜の表面を超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製、S−4800)にて倍率1000倍で観察し、観察した画像を画像処理ソフト(Image−Pro Plus ver.4.0、米国Media Cybernetics社製)を用いて、以下の方法で処理し、導電膜の開口率、線幅、空孔部の平均面積、フェレ径を求める。
導電部の線幅=S/L (1)
なお、上記全光線透過率は、例えば、ヘイズメーター NDH5000(日本電色工業社製)を用いて、JIS K7361−1に準拠して測定することができる。
なお、上記シート抵抗は、例えば、抵抗率計 ロレスター−GP(三菱化学アナリテック社製、プローブ:ASPプローブ)を用いて、四端子四探針法により測定することができる。
このように、本発明はまた、デジタルペーパーに用いられる導電性膜でもある。
<最大膜厚>
レーザー顕微鏡(VK−9700、キーエンス社製)を用いて倍率50倍で塗膜を観測し、観察した画像から塗膜の最大の段差を10箇所で計測し、平均した値を導電性膜の最大膜厚とした。
<開口率>
顕微鏡観察した画像(これを「原画像」とする。)を、上述の画像処理ソフトを用いて導電部が黒、その他の部分(網目の開口部)が白となるように白黒に二値化した。この時、二値化の閾値は、色調のヒストグラムより白と黒のピーク値を求め、その中間値とする。次に、二値化画像の白黒反転処理を行った(この画像を「二値化画像」とする。)。この時の、全体の面積に対する黒部の面積比を求め、開口率とした。
<線幅>
上記二値化画像の白部の面積を求め、これを導電部の面積(S)とした。次に、二値化画像の細線化処理を行った(この画像を「細線化処理画像」とする。)。細線化処理画像の白部の面積を求め、これを導電部の長さ(L)とした。上記で求めたSとLの値を用い、下記式(1)により導電部の線幅を求めた。
導電部の線幅=S/L (1)
<空孔部の平均面積、空孔部の平均最大フェレ径>
上記二値化画像の黒部を抽出した(この画像を「抽出画像」とする。)。抽出の際、境界上の空孔部については除外した。また、1μm2以下の面積の空孔部についても除外した。このときの、各要素の面積、及び、各空孔部の最大フェレ径を計測し、平均化したものを、それぞれ、空孔部の平均面積、空孔部の平均最大フェレ径とした。
導電性膜の全光線透過率は、ヘイズメーター NDH5000(日本電色工業社製)を用いて、JIS K7361−1に準拠して測定した。
<表面抵抗率>
導電性膜の表面抵抗率は、抵抗率計 ロレスター−GP(三菱化学アナリテック社製、プローブ:ASPプローブ)を用いて、四端子四探針法により測定した。
導電性膜のパターンの均一性は、塗布した範囲の全面に渡ってパターンが出来ているかを目視により観察した。パターンが出来ていない箇所は、凝集した銀ナノ粒子のプラズモン吸収に由来して塗膜が褐色に色づくため、その様子を観察した。そして観察の結果、塗布した範囲の50%以上に渡って色づいた箇所がある場合には、パターン均一性無しとし、色づいた箇所が塗布した範囲の50%未満である場合には、パターン均一性有りとして評価した。
評価結果の表示
〇:パターン均一性有り
×:パターン均一性無し
また、ノニオン性の界面活性剤のHLB値は、下記のグリフィンの式により算出した。
HLB={(界面活性剤の親水部分の分子量)/(界面活性剤全体の分子量)}×20
オクチルアミン(和光純薬工業株式会社製)148.1gをいれた1Lビーカーを40℃の恒温槽に入れる。次に酢酸銀(和光純薬工業株式会社製)18.6gを添加し20分間充分に攪拌混合し、均一な混合溶液を調整する。続いて、20wt%水素化ホウ素ナトリウム水溶液20gを徐々に添加することにより還元処理を実施した。
還元処理後、アセトンを200g添加し、しばらく放置後、ろ過により銀及び有機物からなる沈殿物を分離回収する。回収物にトルエンを添加し、再溶解後、10℃以下まで冷却させた後、再度ろ過し、不純物を低減させたトルエン分散溶液を調整した。次に、エバボレーターによりトルエンを留去し、銀微粒子を20wt%含有する導電性微粒子分散溶液を調整した。この溶液は、銀微粒子の他にオクチルアミン9wt%、トルエン71wt%を含有する溶液であった。この溶液をFE−SEMで観察したところ、平均粒子径4nm、変動係数が14%の粒子径分布をもつナノ粒子分散体であることが確認された。
<多孔質膜作製条件>
導電性微粒子分散溶液を用いて、銀の重量濃度として0.93mg/ml(シクロヘキサン溶液100質量%に対して、0.120質量%に相当。)、ラメフォームTGI(ジイソステアリン酸ポリグリセリル−3、コグニス社製)0.028mg/ml(シクロヘキサン溶液100質量%に対して、0.0036質量%に相当。)のシクロヘキサン溶液を調整した。23℃、相対湿度70%の雰囲気下で、1.6mlの上記溶液を5cm角のPETフィルム(ルミラーU34、両面易接着処理PET、東レ社製)基板上に塗布し、加湿空気(相対湿度70%)を1.6m/minの流速で、10分間吹きつけて有機溶媒を蒸発させて、乾燥製膜した。
<乾燥条件>
室温、常圧下で乾燥(風乾)した。
<焼成条件>
乾燥を行った後の膜を、電気炉で常圧、空気雰囲気下で10℃/分で昇温し、150℃で15分焼成を行った。焼成後、自然放冷し、室温まで冷却した。
このときの導電性膜の表面抵抗率は、1.3×102Ω/□、全光線透過率は、59%であった。パターン均一性は、均一であると評価されるものであった。また、導電性膜の最大膜厚、開口率、線幅、空孔部の平均面積、空孔部の平均最大フェレ径を求めた結果、表1の通りであった。
界面活性剤を表1に記載したものに変更した以外は、実施例1と同様にして導電性膜を得た。それらの物性を評価した結果、表1の通りであった。
界面活性剤を表2に記載したものに変更した以外は、実施例1と同様にして導電性膜を得た。それらの物性を評価した結果、表2の通りであった。
界面活性剤を表3に記載したものに変更した以外は、実施例1と同様にして導電性膜を得た。それらの物性を評価した結果、表3の通りであった。
界面活性剤を表4に記載したものに変更した以外は、実施例1と同様にして導電性膜を得た。それらの物性を評価した結果、表4の通りであった。
界面活性剤として、ノニオン性の界面活性剤を用いた場合(実施例1〜10)には、両親媒性高分子(比較例1)やカチオン性の界面活性剤(比較例2)、アニオン性の界面活性剤(比較例3)を用いた場合に比較して、シート抵抗及び全光線透過率共に優れた導電性膜が得られ、そのパターンの均一性も良好なものとなった。有機溶媒分散体にノニオン性界面活性剤を必須成分として含めることにより、製造工程において高温での焼成を行うことなく、導電性と光透過性とに優れた導電性膜を製造することが可能であることが分かった
界面活性剤としてノニオン性の界面活性剤である、多価アルコール脂肪酸エステルを用いる場合において、その脂肪酸由来の構造部分に水酸基を有したものを用いる場合(参考例1〜3)に比べて、脂肪酸由来の構造部分に水酸基を有さないものを用いる場合(実施例1〜10)の方が、特にパターンの均一性の面で優れていることが分かった。また同様に、界面活性剤としてポリオキシアルキレン鎖を有するノニオン性の界面活性剤を用いる場合(参考例4、5)に比べて、ポリオキシアルキレン鎖を有さないノニオン性の界面活性剤を用いた場合(実施例1〜10)の方が、特にパターンの均一性の面で優れていることが分かった。
これらの実施例と比較例との差は、数値上はわずかであるものもあるが、透明導電性フィルム等としての利用分野においては、充分に有意な差といえる差であり、その効果は際だっていると評価できるものである。
なお、上記実施例においては、導電性物質として銀が、界面活性剤として特定のノニオン性界面活性剤が用いられているが、特定のノニオン性界面活性剤により、塗膜中に取り込んだ水滴の形状を好適な形態で保持することが容易となり、また、パターン形成後に低温での焼成により揮発して導電性膜に残留しないという機構は、全て同様である。従って、上記実施例、比較例の結果から、本明細書において開示した種々の形態において本発明が適用でき、有利な作用効果を発揮することができるといえる。
12、22:塗膜(塗布された有機溶媒分散体)
13:水滴
14:空孔部
15:網目状線部
20:ペルチェ素子
Claims (5)
- 導電性微粒子を含む有機溶媒分散体を基板に塗布して網目状の導電性膜を製造する方法であって、
該製造方法は、塗布された有機溶媒分散体を、塗膜表面で結露させながら有機溶媒を蒸発させる工程を含み、該有機溶媒分散体がノニオン性界面活性剤を必須成分とすることを特徴とする網目状の導電性膜の製造方法。 - 前記ノニオン性界面活性剤は、HLB値が10以下のものであることを特徴とする請求項1に記載の網目状の導電性膜の製造方法。
- 前記ノニオン性界面活性剤は、多価アルコール脂肪酸エステルであることを特徴とする請求項1又は2に記載の網目状の導電性膜の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の方法により製造されることを特徴とする網目状の導電性膜。
- デジタルペーパーに用いられることを特徴とする請求項4に記載の網目状の導電性膜。
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