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JP2011109851A - 電源システムの制御装置およびそれを搭載する車両 - Google Patents

電源システムの制御装置およびそれを搭載する車両 Download PDF

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JP2011109851A JP2009263953A JP2009263953A JP2011109851A JP 2011109851 A JP2011109851 A JP 2011109851A JP 2009263953 A JP2009263953 A JP 2009263953A JP 2009263953 A JP2009263953 A JP 2009263953A JP 2011109851 A JP2011109851 A JP 2011109851A
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直義 高松
Sakaki Okamura
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Abstract

【課題】電源システムの制御装置において、部品追加を行なうことなく、コンバータのリアクトルを流れる電流を検出するための電流センサの異常を検出することによって、コンバータの信頼性を向上する。
【解決手段】電源システム20は、蓄電装置28と、リアクトルL1を有するコンバータ12と、リアクトルL1を流れる電流を検出するための電流センサ18とを含み、モータジェネレータMG1,MG2を含む負荷装置45に電源を供給する。そして、電源システム20の制御装置30は、電流センサ18の検出値に基づきコンバータ12の駆動指令を生成することによってコンバータ12をフィードバック制御するとともに、所定期間の電流センサ18の検出値に基づいた電流の変化と、所定期間のコンバータ12の状態に基づいて演算により求められる基準となる電流の変化とを比較することによって、電流センサ18の異常を検出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電源システムの制御装置およびそれを搭載した車両に関し、より特定的には、電源システムに含まれる電流センサの異常検出技術に関する。
近年、環境に配慮した車両として、蓄電装置(たとえば二次電池やキャパシタなど)を搭載し、蓄電装置に蓄えられた電力から生じる駆動力を用いて走行する電動車両が注目されている。この電動車両には、たとえば電気自動車、ハイブリッド自動車、燃料電池車などが含まれる。
これらの電動車両においては、発進時や加速時に蓄電装置から電力を受けて走行のための駆動力を発生するとともに、制動時に回生制動によって発電を行なって蓄電装置に電気エネルギを蓄えるための回転電機(モータジェネレータ)を備える場合がある。このように、走行状態に応じてモータジェネレータを制御するために、電動車両にはインバータが搭載される。
また、このような電動車両においては、インバータが必要とする電力は車両状態によって変動する。インバータが必要とする電力を安定的に供給するために、蓄電装置とインバータとの間にコンバータが備えられる場合がある。このコンバータにより、インバータの入力電圧を蓄電装置の出力電圧より高くして、モータの高出力化ができるとともに、同一出力時のモータ電流を低減することで、インバータおよびモータの小型化,低コスト化を図ることができる。
特開2007−185043号公報(特許文献1)には、ハイブリッド車両において、モータジェネレータを流れる各相の電流を検出するための電流センサを各相について二重化し、その二重化された電流センサの検出値を互いに比較することによって、電流センサの異常を検出する技術が開示される。
特開2007−185043号公報 特開2005−245067号公報 特開2005−027379号公報 特開2006−020401号公報
電動車両において、コンバータを効率よく制御するために、コンバータに含まれるリアクトルを流れる電流を検出するための電流センサが設けられる場合がある。
このコンバータのリアクトルを流れる電流を検出するための電流センサについても、特開2007−185043号公報(特許文献1)と同様にセンサを二重化する技術を適用することが可能である。このようにすることで、誤ったセンサ情報に基づいてコンバータを制御することによって発生する過大な電流や電圧の影響ために、機器の損傷や劣化が発生することを抑制できる。
しかしながら、特開2007−185043号公報(特許文献1)に開示された技術を適用すると、センサが二重化されるため部品点数が増加する。これによって、機器の体格の大型化や、コストアップをもたらすおそれがある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、この発明の目的は、部品追加を行なうことなく、コンバータのリアクトルを流れる電流を検出するための電流センサの異常を検出することによって、コンバータの信頼性を向上することができる電源システムの制御装置およびそれを搭載した車両を提供することである。
本発明における電源システムの制御装置は、負荷装置に電源を供給するための電源システムの制御装置であって、電源システムは、充電可能な蓄電装置と、コンバータと、電流センサとを含む。コンバータは、リアクトルを有し蓄電装置と負荷装置との間で電圧変換が可能に構成される。電流センサは、リアクトルを流れる電流を検出する。そして、制御装置は、電流センサの検出値に基づきコンバータの駆動指令を生成することによって、コンバータをフィードバック制御するとともに、所定期間の電流センサの検出値に基づいた電流の変化と、所定期間のコンバータの状態に基づいて演算により求められた基準となる電流の変化とを比較することによって、電流センサの異常を検出する。
好ましくは、制御装置は、所定期間のリアクトルに流れる電流変化量を比較することによって、電流センサの異常を検出する。
好ましくは、電源システムは、コンバータの蓄電装置側の電圧を検出するための第1の電圧センサと、コンバータの負荷装置側の電圧を検出するための第2の電圧センサとをさらに含む。そして、制御装置は、第1の電圧センサおよび第2の電圧センサによって検出された電圧に基づいて基準となる電流変化量を演算する。
好ましくは、制御装置は、電流センサの検出値に基づいた電流変化量と、基準となる電流変化量との差の絶対値がしきい値より大きくなった状態を検出した場合に、電流センサが異常であると判定する。
好ましくは、制御装置は、電流センサの検出値に基づいた電流変化量と、基準となる電流変化量との差の絶対値がしきい値より大きくなった状態が予め定められた期間継続した場合に、電流センサが異常であると判定する。
好ましくは、制御装置は、リアクトルに流れる電流の単位時間あたりの電流変化量を比較することによって、電流センサの異常を検出する。
好ましくは、電源システムは、コンバータの蓄電装置側の電圧を検出するための第1の電圧センサと、コンバータの負荷装置側の電圧を検出するための第2の電圧センサとをさらに含む。そして、制御装置は、第1の電圧センサおよび第2の電圧センサによって検出された電圧に基づいて基準となる単位時間あたりの電流変化量を演算する。
好ましくは、制御装置は、電流センサの検出値に基づいた単位時間あたりの電流変化量と、基準となる単位時間あたりの電流変化量との差の絶対値がしきい値より大きくなった状態を検出した場合に、電流センサが異常であると判定する。
好ましくは、制御装置は、電圧制御部と、電流制御部と、駆動指令生成部と、センサ監視部とを備える。電圧制御部は、コンバータの負荷装置側の電圧をフィードバックすることによって、コンバータの負荷装置側の電圧を目標電圧に調整する。電流制御部は、電圧制御部の制御出力に基づいて、電流センサの検出値をフィードバックすることによってリアクトルに流れる電流を目標電流に調整するための制御演算を行なう。駆動指令生成部は、電流制御部の制御出力に基づいて、コンバータの駆動指令を生成する。そして、センサ監視部は、所定期間における、電流センサの検出値に基づいた電流の変化と基準となる電流の変化との比較に基づいて、電流センサの異常を検出する。
好ましくは、コンバータは、負荷装置の電力線と接地線との間に直列接続される第1のスイッチング素子および第2のスイッチング素子と、接地線から電力線に向かう方向を順方向として、第1のスイッチング素子および第2のスイッチング素子にそれぞれ並列に接続された第1の整流素子および第2の整流素子とをさらに有する。また、リアクトルは、第1のスイッチング素子および第2のスイッチング素子の接続ノードと蓄電装置の正極端子とを結ぶ経路に介挿される。そして、制御装置は、電流センサの異常が検出された場合は、第1のスイッチング素子をオン状態に固定するとともに、第2のスイッチング素子をオフ状態に固定するようにコンバータの駆動指令を生成する。
好ましくは、所定期間は、第1のスイッチング素子および第2のスイッチング素子のスイッチング状態が変化しない範囲内の期間である。
好ましくは、制御装置は、電流センサの検出値を、予め定められたタイミングでサンプリングするように構成されたサンプリングホールド部をさらに備える。そして、所定期間の開始タイミングおよび終了タイミングの少なくともいずれか一方は、サンプリングホールド部が、フィードバック制御に使用するための電流として電流センサの検出値をサンプリングするタイミングである。
本発明における車両は、充電可能な蓄電装置と、駆動力発生部と、コンバータと、電流センサと、コンバータを制御するための制御装置とを備える。駆動力発生部は、蓄電装置からの電力を用いて駆動力を発生するように構成される。コンバータは、リアクトルを含み、蓄電装置と駆動力発生部との間で電圧変換が可能に構成される。電流センサは、リアクトルを流れる電流を検出する。そして、制御装置は、電流センサの検出値に基づきコンバータの駆動指令を生成することによってコンバータをフィードバック制御するとともに、所定期間の電流センサの検出値に基づいた電流の変化と、所定期間のコンバータの状態に基づいて演算により求められた基準となる電流の変化とを比較することによって、電流センサの異常を検出する。
本発明によれば、電源システムの制御装置およびそれを搭載した車両において、部品追加を行なうことなく、コンバータのリアクトルを流れる電流を検出するための電流センサの異常を検出することができるので、コンバータの信頼性を向上することができる。
本実施の形態に従う電源システムの制御装置が適用されるモータ駆動制御システムを搭載したハイブリッド車両の全体ブロック図である。 本実施の形態におけるセンサ異常検出を説明するためのタイムチャートである。 本実施の形態において、リアクトル電流が増加している場合に電源システムに流れる電流の状態を示す。 本実施の形態において、リアクトル電流が減少している場合に電源システムに流れる電流の状態を示す。 スイッチング素子Q1がオン状態の場合、およびスイッチング素子Q2がオン状態の場合の電流変化ΔIdetおよびΔIcalを示す図である。 本実施の形態1において、ECUで実行されるセンサ異常検出制御を説明するための機能ブロック図である。 本実施の形態1において、ECUで実行されるセンサ異常検出制御処理の詳細を説明するためのフローチャートである。 本実施の形態1の変形例において、ECUで実行されるセンサ異常検出制御処理の詳細を説明するためのフローチャートである。 本実施の形態2において、ECUで実行されるセンサ異常検出制御処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
以下において、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[実施の形態1]
図1は、本実施の形態に従う電源システムの制御装置が適用されるモータ駆動制御システムを搭載したハイブリッド車両100の全体ブロック図である。本実施の形態においては、車両100としてエンジンおよびモータジェネレータを搭載したハイブリッド車両を例として説明するが、車両100の構成はこれに限定されるものではなく、蓄電装置からの電力によって走行可能な車両であれば適用可能である。車両100としては、ハイブリッド車両以外にたとえば電気自動車や燃料電池自動車などが含まれる。
図1を参照して、車両100は、電源システム20と、負荷装置45と、平滑コンデンサC2と、制御装置(以下、ECU「Electronic Control Unit」とも称する。)30とを備える。
電源システム20は、蓄電装置28と、システムリレーSR1,SR2と、平滑コンデンサC1と、コンバータ12とを含む。
蓄電装置28は、代表的には、ニッケル水素またはリチウムイオン等の二次電池や電気二重層キャパシタ等の蓄電装置を含んで構成される。また、蓄電装置28が出力する直流電圧VBおよび入出力される直流電流IBは、電圧センサ10および電流センサ11によってそれぞれ検出される。そして、電圧センサ10および電流センサ11は、検出した直流電圧VBおよび直流電流IBの検出値をECU30に出力する。蓄電装置28の出力電圧は、たとえば200V程度である。
システムリレーSR1は、蓄電装置28の正極端子と電力線PL1とを結ぶ経路に介挿される。また、システムリレーSR2は、蓄電装置28の負極端子と接地線NLとを結ぶ経路に介挿される。システムリレーSR1,SR2は、ECU30からの信号SEにより制御され、蓄電装置28からコンバータ12への電力の供給と遮断とを切替える。
コンバータ12は、リアクトルL1と、スイッチング素子Q1,Q2と、ダイオードD1,D2とを含む。
スイッチング素子Q1およびQ2は、電力線PL2および接地線NLの間に直列に接続される。スイッチング素子Q1およびQ2は、ECU30からのスイッチング制御信号PWCによって制御される。本実施の形態において、スイッチング素子Q1,Q2および後述するスイッチング素子Q3〜Q8としては、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、電力用MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタあるいは、電力用バイポーラトランジスタ等を用いることができる。スイッチング素子Q1,Q2に対しては、逆並列ダイオードD1,D2が配置される。
リアクトルL1は、一方端がスイッチング素子Q1およびQ2の接続ノードに接続され、他方端が電力線PL1に接続される。また、平滑コンデンサC1は、電力線PL1および接地線NLの間に接続され、電力線PL1および接地線NLの間の電圧変動を低減する。
電流センサ18は、リアクトルL1を流れるリアクトル電流を検出し、その検出値ILをECU30に出力する。電圧センサ19は、平滑コンデンサC1にかかる電圧を検出し、その検出値VLをECU30に出力する。
また、電源システム20は、低電圧系(補機系)として、空調機50と、DC/DCコンバータ51と、補機負荷52と、補機バッテリ53とをさらに含む。
空調機50は、電力線PL1および接地線NLに接続される。空調機50は、コンバータ12によって降圧された電力または蓄電装置28から供給される電力を用いて駆動され、車両の室内を空調する。
DC/DCコンバータ51は、電力線PL1および接地線NLに接続され、コンバータ12によって降圧された直流電圧または蓄電装置28から供給される直流電圧をさらに降圧して補機負荷52および補機バッテリ53へ供給する。
補機バッテリ53は、代表的には鉛蓄電池によって構成される。補機バッテリ53の出力電圧は、蓄電装置28の出力電圧よりも低く、たとえば12V程度である。
補機負荷52には、たとえばランプ類、ワイパー、ヒータ、オーディオ、ナビゲーションシステムなどが含まれる。
負荷装置45は、インバータ23と、モータジェネレータMG1,MG2と、エンジン40と、動力分割機構41と、駆動輪42とを含む。また、インバータ23は、モータジェネレータMG1を駆動するためのインバータ14と、モータジェネレータMG2を駆動するためのインバータ22とを含む。なお、図1のようにインバータおよびモータジェネレータを2組備えることは必須ではなく、たとえばインバータ14とモータジェネレータMG1、あるいはインバータ22とモータジェネレータMG2のいずれか1組のみを備える構成としてもよい。
モータジェネレータMG1,MG2は、インバータ23から供給される交流電力を受けて車両走行のための回転駆動力を発生する。また、モータジェネレータMG1,MG2は、外部から回転力を受け、ECU30からの回生トルク指令によって交流電力を発電するとともに回生制動力を車両100に発生する。
また、モータジェネレータMG1,MG2は、動力分割機構41を介してエンジン40にも連結される。そして、エンジン40の発生する駆動力とモータジェネレータMG1,MG2の発生する駆動力とが最適な比率となるように制御される。また、モータジェネレータMG1,MG2のいずれか一方を専ら電動機として機能させ、他方のモータジェネレータを専ら発電機として機能させてもよい。なお、実施の形態においては、モータジェネレータMG1をエンジン40により駆動される発電機として専ら機能させ、モータジェネレータMG2を駆動輪42を駆動する電動機として専ら機能させるものとする。
動力分割機構41には、エンジン40の動力を、駆動輪42とモータジェネレータMG1との両方に振り分けるために、たとえば遊星歯車機構(プラネタリーギヤ)が使用される。
インバータ14は、コンバータ12から昇圧された電圧を受けて、たとえばエンジン40を始動させるためにモータジェネレータMG1を駆動する。また、インバータ14は、エンジン40から伝達される機械的動力によってモータジェネレータMG1で発電された回生電力をコンバータ12に出力する。このときコンバータ12は、降圧回路として動作するようにECU30によって制御される。
インバータ14は、電力線PL2および接地線NLの間に並列に設けられる、U相アーム15と、V相アーム16と、W相アーム17とを含んで構成される。各相アームは、電力線PL2および接地線NLの間に直列接続されたスイッチング素子を含んで構成される。たとえば、U相アーム15はスイッチング素子Q3,Q4を含み、V相アーム16はスイッチング素子Q5,Q6を含み、W相アーム17はスイッチング素子Q7,Q8を含む。また、スイッチング素子Q3〜Q8に対して、逆並列ダイオードD3〜D8がそれぞれ接続される。スイッチング素子Q3〜Q8は、ECU30からのスイッチング制御信号PWI1によって制御される。
代表的には、モータジェネレータMG1は、3相の永久磁石型同期電動機を含んで構成され、U,V,W相の3つのコイルの一端が中性点に共通に接続される。さらに、各相コイルの他端は、各相アーム15〜17におけるスイッチング素子の接続ノードと接続される。
インバータ22は、コンバータ12に対してインバータ14と並列的に接続される。
インバータ22は駆動輪42を駆動するモータジェネレータMG2に対してコンバータ12の出力する直流電圧を三相交流に変換して出力する。またインバータ22は、回生制動に伴い、モータジェネレータMG2において発電された回生電力をコンバータ12に出力する。このときコンバータ12は降圧回路として動作するようにECU30によって制御される。インバータ22の内部の構成は図示しないが、インバータ14と同様であり、詳細な説明は繰り返さない。
コンバータ12は、基本的には、各スイッチング周期内でスイッチング素子Q1およびQ2が相補的かつ交互にオン・オフするように制御される。コンバータ12は、昇圧動作時には、平滑コンデンサC1の両端の直流電圧VLを直流電圧VH(インバータ14への入力電圧に相当するこの直流電圧を、以下「システム電圧」とも称する)に昇圧する。この昇圧動作は、スイッチング素子Q2のオン期間にリアクトルL1に蓄積された電磁エネルギを、スイッチング素子Q1および逆並列ダイオードD1を介して、電力線PL2へ供給することにより行なわれる。
また、コンバータ12は、降圧動作時には、直流電圧VHを直流電圧VLに降圧する。この降圧動作は、スイッチング素子Q1のオン期間にリアクトルL1に蓄積された電磁エネルギを、スイッチング素子Q2および逆並列ダイオードD2を介して、接地線NLへ供給することにより行なわれる。
これらの昇圧動作および降圧動作における電圧変換比(VHおよびVLの比)は、上記スイッチング周期におけるスイッチング素子Q1,Q2のオン期間比(デューティ)により制御される。なお、スイッチング素子Q1およびQ2をオンおよびオフにそれぞれ固定すれば、VH=VL(電圧変換比=1.0)とすることもできる。
平滑コンデンサC2は、電力線PL2および接地線NLとの間に接続される。平滑コンデンサC2は、コンバータ12からの直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ23へ供給する。電圧センサ13は、平滑コンデンサC2の両端の電圧、すなわち、システム電圧VHを検出し、その検出値をECU30へ出力する。
インバータ14は、モータジェネレータMG1のトルク指令値が正(TR1>0)の場合には、平滑コンデンサC2から直流電圧が供給されるとECU30からのスイッチング制御信号PWI1に応答したスイッチング素子Q3〜Q8のスイッチング動作により、直流電圧を交流電圧に変換して正のトルクを出力するようにモータジェネレータMG1を駆動する。また、インバータ14は、モータジェネレータMG1のトルク指令値が零の場合(TR1=0)には、スイッチング制御信号PWI1に応答したスイッチング動作により、直流電圧を交流電圧に変換してトルクが零になるようにモータジェネレータMG1を駆動する。これにより、モータジェネレータMG1は、トルク指令値TR1によって指定された零または正のトルクを発生するように駆動される。
さらに、車両100の回生制動時には、モータジェネレータMG1のトルク指令値TR1は負に設定される(TR1<0)。この場合には、インバータ14は、スイッチング制御信号PWI1に応答したスイッチング動作により、モータジェネレータMG1が発電した交流電圧を直流電圧に変換し、その変換した直流電圧(システム電圧)を平滑コンデンサC2を介してコンバータ12へ供給する。なお、ここで言う回生制動とは、電動車両を運転するドライバーによるフットブレーキ操作があった場合の回生発電を伴う制動や、フットブレーキを操作しないものの、走行中にアクセルペダルをオフすることで回生発電をさせながら車両を減速(または加速の中止)させることを含む。
インバータ22についても同様に、モータジェネレータMG2のトルク指令値に対応したECU30からのスイッチング制御信号PWI2を受け、スイッチング制御信号PWI2応答したスイッチング動作によって、直流電圧を交流電圧に変換して所定のトルクになるようにモータジェネレータMG2を駆動する。
電流センサ24,25は、モータジェネレータMG1,MG2に流れるモータ電流MCRT1,MCRT2を検出し、その検出したモータ電流をECU30へ出力する。なお、U相,V相,W相の各相の電流の瞬時値の和は零であるので、図1に示すように電流センサ24,25は2相分のモータ電流を検出するように配置すれば足りる。
回転角センサ(レゾルバ)26,27は、モータジェネレータMG1,MG2の回転角θ1,θ2を検出し、その検出した回転角θ1,θ2をECU30へ出力する。ECU30では、回転角θ1,θ2に基づきモータジェネレータMG1,MG2の回転速度MRN1,MRN2および角速度ω1,ω2(rad/s)を算出できる。なお、回転角センサ26,27については、回転角θ1,θ2をECU30にてモータ電圧や電流から直接演算することによって、配置しないようにしてもよい。
ECU30は、いずれも図示しないがCPU(Central Processing Unit)、記憶装置および入出力バッファを含み、車両100の各機器を制御する。なお、これらの制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で処理することも可能である。
代表的な機能として、ECU30は、入力されたトルク指令値TR1,TR2、電圧センサ19によって検出された直流電圧VL、電流センサ11によって検出された直流電流IB、電圧センサ13によって検出されたシステム電圧VHおよび電流センサ24,25からのモータ電流MCRT1,MCRT2、回転角センサ26,27からの回転角θ1,θ2等に基づいて、モータジェネレータMG1,MG2がトルク指令値TR1,TR2に従ったトルクを出力するように、コンバータ12およびインバータ23の動作を制御する。すなわち、コンバータ12およびインバータ23を上記のように制御するためのスイッチング制御信号PWC,PWI1,PWI2を生成して、コンバータ12およびインバータ23へそれぞれ出力する。
コンバータ12の昇圧動作時には、ECU30は、システム電圧VHをフィードバック制御することにより、システム電圧VHが電圧目標値に一致するようにスイッチング制御信号PWCを生成する。
また、ECU30は、車両100が回生制動モードに入ると、モータジェネレータMG1,MG2で発電された交流電圧を直流電圧に変換するようにスイッチング制御信号PWI1、PWI2を生成してインバータ23へ出力する。これにより、インバータ23は、モータジェネレータMG1,MG2で発電された交流電圧を直流電圧に変換してコンバータ12へ供給する。
さらに、ECU30は、車両100が回生制動モードに入ると、インバータ23から供給された直流電圧を降圧するようにスイッチング制御信号PWCを生成し、コンバータ12へ出力する。これにより、モータジェネレータMG1,MG2が発電した交流電圧は、直流電圧に変換され、さらに降圧されて蓄電装置28に供給される。
上述のようなコンバータ12の構成では、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング状態を切替えるときに、2つのスイッチング素子が同時にオン状態(導通状態)となることを防止するために、両方のスイッチング素子を一時的にオフ状態とするデッドタイムが一般的に設けられる。ところが、このデッドタイムの影響により、リアクトルL1を流れる電流の向きが変化する際に、コンバータ12の出力電圧が変動するという問題がある。
このような問題を解決するために、ECU30において、コンバータ12を流れる電流(すなわち、リアクトルL1を流れる電流IL)をフィードバック制御することにより、コンバータ12の出力電圧の変動を抑制する手法が採用される場合がある。
しかしながら、リアクトルL1を流れる電流ILを検出するために用いられる電流センサ18が、故障等の原因によってその検出値にずれが生じる状態となってしまった場合、誤った電流検出値に基づいてコンバータ12が制御されてしまうので、これに起因して発生する過大な電流や電圧のために機器の損傷や劣化を招くおそれがある。
そこで、本実施の形態1では、スイッチング素子Q1のオン期間またはスイッチング素子Q2のオン期間におけるある時間間隔において、電流センサ18によって検出されたリアクトル電流ILの検出値の変化量と、その時間間隔での電圧VL,VHに基づいた演算によって得られる電流の変化量とを比較することによって、電流センサ18に異常の有無を検出する。そして、この異常の検出結果に基づいてコンバータ12を制御する。これによって、新たに部品を追加することなく電流センサ18の異常検出を行なうとともに、誤った電流検出値に基づいてコンバータ12が制御されてしまうことに起因する機器の損傷や劣化を抑制する。
図2は、本実施の形態におけるセンサ異常検出を説明するためのタイムチャートである。図2には、横軸に時間が示されており、縦軸には搬送波CR、スイッチング素子Q1,Q2の動作状態、およびリアクトル電流ILの状態が示される。なお、以下の説明においては、理解を容易にするために、モータジェネレータMG1,MG2が加速,減速を行なっていない定常状態の場合について説明する。
図2を参照して、所定の周期の搬送波CR(図2中のW11)と、上述のスイッチング素子Q1,Q2のオン期間比であるデューティDUTY(図2中のW12)とが交差する時刻において、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング動作が行なわれる。図2中のW10のように、スイッチング素子Q1がオン状態(すなわち、スイッチング素子Q2がオフ状態)のときはリアクトル電流ILは減少し、スイッチング素子Q1がオフ状態(すなわち、スイッチング素子Q2がオン状態)のときはリアクトル電流ILは増加する。
まず、リアクトル電流ILが増加している場合(すなわち、スイッチング素子Q2がオン状態)を考える。図3に、このときに電源システムに流れる電流の状態を示す。
図3においては、スイッチング素子Q1がオフ状態であり、かつスイッチング素子Q2がオン状態であるので、回路を流れる電流は矢印AR10のように、平滑コンデンサC1の正極からリアクトルL1およびスイッチング素子Q2を通って、平滑コンデンサC1の負極に戻る経路を流れる。
このとき、リアクトルL1のリアクタンスをLとすると、式(1)のような関係が成立する。
VL−L・dIL/dt=0 … (1)
式(1)を変形することによって、リアクトル電流ILの単位時間あたりの電流変化量(すなわち、電流の変化率)は、式(2)のようになる。
dIL/dt=VL/L … (2)
再び図2を参照して、たとえば、スイッチング素子Q2がオン状態である時刻t1およびt2においてサンプリングしたリアクトル電流ILの検出値が、それぞれI1およびI2であったとする。この場合の、検出値の電流変化量ΔIdetは、式(3)のように検出値I1およびI2の差で表わすことができる。
ΔIdet=I2−I1 … (3)
一方、上述のように、スイッチング素子Q2がオン状態の場合のリアクトル電流ILの変化率は式(2)で表わされるので、演算によって得られる電流変化量ΔIcalは、式(2)を用いて式(4)のように表わすことができる。
ΔIcal=(t2−t1)・dIL/dt
=(t2−t1)・VL/L … (4)
電流センサ18が正常であれば、式(3)および式(4)から得られる電流変化量は、ほぼ等しくなるはずである。そのため、電流センサ18の検出値から得られる電流変化量ΔIdetと、演算によって得られる電流変化量ΔIcalとを比較することによって、電流センサ18の異常の有無を判定することができる。
同様にして、次にリアクトル電流ILが減少している場合(すなわち、スイッチング素子Q1がオン状態)について考える。図4に、このときに電源システムに流れる電流の状態を示す。
図4においては、スイッチング素子Q1がオン状態であり、かつスイッチング素子Q2がオフ状態であるので、回路を流れる電流は矢印AR20のように、平滑コンデンサC1の正極からリアクトルL1、スイッチング素子Q1および平滑コンデンサC2を通って、平滑コンデンサC1の負極に戻る経路を流れる。
このときには、式(5)の関係が成立する。
VL−L・dIL/dt−VH=0 … (5)
したがって、この場合のリアクトル電流の変化率は、式(6)のようになる。
dIL/dt=(VL−VH)/L …(6)
そして、図2において、スイッチング素子Q1がオン状態である時刻t3およびt4においてサンプリングしたリアクトル電流ILの検出値が、それぞれI3およびI4であったとすると、上述の式(3),(4)に対応する電流変化量は、以下の式(7),(8)のように表わせる。
ΔIdet=I4−I3 … (7)
ΔIcal=(t4−t3)・(VL−VH)/L … (8)
したがって、スイッチング素子Q1がオン状態の場合は、式(7)および式(8)から得られる電流変化量を比較することによって、電流センサ18の異常の有無を判定することができる。
図5に、スイッチング素子Q2がオン状態の場合(時刻t1〜t2)、およびスイッチング素子Q1がオン状態の場合(時刻t3〜t4)の電流変化量ΔIdetおよびΔIcalをまとめて示す。
なお、リアクトル電流ILのサンプリングタイミングについては、スイッチング状態が切替わらない期間内であれば、任意のタイミングの2点を選択することができる。ただし、図2中の時刻t1およびt3のように、搬送波CRが山または谷となるタイミングでは、コンバータ12の電流制御に使用するための電流値をサンプリングする場合があるので、このような搬送波CRが山または谷となるタイミングでサンプリングされた電流検出値を利用することにより、ECU30内の記憶領域の節約や、A/D変換におけるサンプリング制約の緩和が期待できる。
また、上記では、車両が定常状態の場合について説明したが、車両が定常状態でない場合においても上記のセンサ異常検出の手法が適用できる。実際のコンバータの制御においては、搬送波のキャリア周期はたとえば0.1ms(キャリア周波数では10kHz)程度が採用される。これに対して、車両の走行状態変化に起因するリアクトル電流ILの変化は、たとえば10〜100ms(キャリア周波数では10〜100Hz)程度であるので、搬送波1周期(または数周期)の期間では、車両の走行状態変化に起因するリアクトル電流ILの変化は非常に小さい。そのため、搬送波1周期以内のような短い期間では、車両の走行状態変化に起因するリアクトル電流ILの変化の影響は小さいので、上述の定常状態の場合とほぼ同様であると考えることができる。
さらに、上記の説明では、定常状態におけるリアクトル電流ILが正の場合について説明したが、リアクトル電流ILが負の場合およびリアクトル電流がゼロをまたぐ場合においても適用可能である。
図6は、本実施の形態1において、ECU30で実行されるセンサ異常検出制御を説明するための機能ブロック図である。図6で説明される機能ブロック図に記載された各機能ブロックは、ECU30によるハードウェア的あるいはソフトウェア的な処理によって実現される。
図1および図6を参照して、ECU30は、電圧指令生成部200と、電圧制御部210と、電流制御部220と、駆動指令生成部230と、サンプリングホールド部240と、キャリア生成部250と、センサ監視部280とを含む。
電圧指令生成部200は、モータジェネレータMG1,MG2への要求トルクTR1,TR2と、モータジェネレータMG1,MG2の回転速度MRN1,MRN2を受ける。そして、電圧指令生成部200は、これらの情報に基づいてコンバータ12の出力電圧(すなわち、インバータ14の入力電圧)の電圧指令VREFを生成する。
電圧制御部210は、減算部211と、電圧制御演算部212とを含む。
減算部211は、電圧指令生成部200から受ける電圧指令VREFと、電圧センサ13により検出されたコンバータ12のシステム電圧のフィードバック値VHとの電圧偏差を演算し、演算結果を電圧制御演算部212に出力する。
電圧制御演算部212は、減算部211によって演算された電圧偏差をPI演算することによって、リアクトルL1に流れるリアクトル電流の指令値ILREFを演算する。
このように、電圧制御部210においては、コンバータ12のシステム電圧のフィードバック制御を行なうことによって、リアクトル電流指令値ILREFを演算する。そして、電圧制御演算部212は、このリアクトル電流指令値ILREFを、電流制御部220へ出力する。
電流制御部220は、減算部221と、電流制御演算部222とを含む。
減算部221は、電圧制御演算部212からのリアクトル電流指令値ILREFと、サンプリングホールド部240によって、サンプリング周期ごとに検出値がホールドされたリアクトル電流ILのフィードバック値との電流偏差を演算し、電流制御演算部222に出力する。
電流制御演算部222は、減算部221により演算された電流偏差をPI演算することによって、スイッチング素子Q1,Q2のデューティDUTYを演算する。
なお、電圧制御部210および電流制御部220は、システム電圧VHを電圧指令VREFに一致させるためのメインループ205を形成する。また、電流制御部220は、リアクトル電流ILを電流指令IREFに一致させるためのマイナーループを形成する。
このように、電圧フィードバック制御に加えて電流フィードバック制御を行なうことで、デッドタイム等によって電流偏差が生じた場合でも、それに応じてデューティDUTYを速やかに変更することができる。その結果、電流偏差に起因するシステム電圧VHの電圧変動を低減することができる。
駆動指令生成部230は、電流制御演算部222からのデューティDUTYと、キャリア生成部250からの搬送波CRとの比較に基づいて、コンバータ12のスイッチング素子Q1,Q2のオン・オフを制御するためのPWM(Pulse Width Modulation)信号であるスイッチング制御信号PWCを生成する。そして、駆動指令生成部230は、制御信号PWCを、コンバータ12およびセンサ監視部280へ出力する。
このスイッチング制御信号PWCによって、モータジェネレータMG1,MG2が力行の場合は、蓄電装置28からの出力電圧を所望のインバータ23の入力電圧まで昇圧する。また、モータジェネレータMG1,MG2が回生の場合は、モータジェネレータMG1,MG2により発電されインバータ23によって変換された直流電力を、蓄電装置28が充電電圧まで降圧する。
キャリア生成部250は、所定のキャリア周波数の搬送波CRを、駆動指令生成部230に出力する。また、キャリア生成部250は、サンプリングホールド部240およびセンサ監視部280に、サンプリング信号SMPを出力する。サンプリングホールド部240は、各サンプリング信号SMP入力時に、電流センサ18により検出されたリアクトル電流ILを検出して保持する。そして、サンプリングホールド部240は、その検出した電流値ILSを減算部221およびセンサ監視部280に出力する。
センサ監視部280は、電圧センサ19および電圧センサ13から、平滑コンデンサC1の両端の電圧VLおよび平滑コンデンサC2の両端の電圧VHのそれぞれの検出値を受ける。また、センサ監視部280は、キャリア生成部250からのサンプリング信号SMPと、駆動指令生成部230からの制御信号PWCとを受ける。
センサ監視部280は、サンプリング信号SMPが入力されたタイミングの、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング状態を制御信号PWCから検出する。そして、スイッチング状態が変化していない期間における、2点のサンプリングタイミングでのリアクトル電流ILSの電流変化量ΔIdetを演算する。さらに、センサ監視部280は、そのサンプリングタイミングでの電圧VL,VHおよび2点のサンプリング間隔から、上述の式(4)または(8)を用いて電流変化量ΔIcalを演算する。
センサ監視部280は、このΔIdetとΔIcalとの差の絶対値が、所定のしきい値ΔIthより大きいか否かを判定することによって、電流センサ18の異常の有無を判定する。そして、センサ監視部280は、電流センサ18の異常フラグFLTを設定して駆動指令生成部230へ出力する。具体的には、電流センサ18に異常が有る場合は異常フラグFLTをオンに設定し、電流センサ18に異常がない場合は異常フラグFLTをオフに設定する。
駆動指令生成部230は、異常フラグFLTがオフの場合(すなわち電流センサ18に異常がない場合)は、上述のように、キャリア生成部250からの搬送波CRと、電流制御演算部222からのデューティDUTYとの比較に基づいてスイッチング制御信号PWCを生成する。
一方、異常フラグFLTがオンの場合(すなわち電流センサ18に異常が有る場合)は、実際とはずれが生じている可能性があるリアクトル電流ILのフィードバック制御に基づいて生成されたスイッチング制御信号PWCによりコンバータ12が駆動されると、機器の損傷や劣化を招くおそれがある。そこで、駆動指令生成部230は、デューティDUTYを用いずに制御信号PWCを生成する。たとえば、スイッチング素子Q1をオンに固定し、スイッチング素子Q2をオフに固定するような制御信号PWCが生成される。
図7は、本実施の形態1において、ECU30で実行されるセンサ異常検出制御処理の詳細を説明するためのフローチャートである。図7および後述する図8および図9に示されるフローチャート中の各ステップについては、ECU30に予め格納されたプログラムを所定周期で実行することによって実現される。あるいは、一部のステップについては、専用のハードウェア(電子回路)で処理を実現することも可能である。
図1および図7を参照して、ECU30は、ステップ(以下、ステップをSと略す。)300にて、電圧センサ19および電圧センサ13から、平滑コンデンサC1およびC2の電圧VLおよびVHの検出値を取得する。
そして、ECU30は、S310にて、リアクトル電流ILをサンプリングする。
次に、ECU30は、S320にて、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング状態と、電圧VL,VHおよびリアクトル電流のサンプリング値とに基づいて、電流変化量ΔIdet,ΔIcalを演算する。
そして、ECU30は、S330にて、ΔIdetとΔIcalとの差の絶対値が、所定のしきい値ΔIthより大きいか否かを判定する。
ΔIdetとΔIcalとの差の絶対値が、所定のしきい値ΔIthより大きい場合(S330にてYES)は、処理がS340に進められる。ECU30は、S340にて、電流センサ18に異常があると判定し、異常フラグFLTをオンに設定する。そして、ECU30は、S350にて、スイッチング素子Q1をオンに固定し、かつスイッチング素子Q2をオフに固定するようなスイッチング制御信号PWCを生成して、コンバータ12へ出力する。
一方、ΔIdetとΔIcalとの差の絶対値が、所定のしきい値ΔIth以下の場合(S330にてNO)は、処理がS345に進められる。ECU30は、S345にて、電流センサ18は正常であると判定し、異常フラグFLTをオフに設定する。そして、ECU30は、S355にて、キャリア生成部250からの搬送波CRと、リアクトル電流ILのフィードバック制御によって得られたデューティDUTYとの比較に基づいてスイッチング制御信号PWCを生成して、コンバータ12へ出力する。
以上のような処理に従って制御を行なうことによって、新たに部品を追加することなく、リアクトル電流ILを検出する電流センサ18の異常の有無を判定することができる。これによって、誤ったリアクトル電流をを用いてフィードバック制御がされることに起因して発生する過大な電流,電圧を抑制できるので、機器の損傷や劣化を防止することができる。
[実施の形態1の変形例]
上述の実施の形態1においては、ΔIdetとΔIcalとの差の絶対値が所定のしきい値ΔIthより大きい場合には、電流センサ18の異常と判定した。しかし、たとえば車両の駆動輪42がスリップやグリップにより一時的に回転速度が急変した場合や、リアクトル電流ILの検出値に一時的な外部ノイズなどの影響が発生する場合に、このような一過性の変化に対して即座にコンバータ12の制御を変更すると、かえって制御効率やドライバビリティが悪くなるおそれがある。
そこで、実施の形態1の変形例においては、ΔIdetとΔIcalとの差の絶対値が所定のしきい値ΔIthより大きい状態が所定期間継続した場合に、電流センサが異常であると判定する。このようにすることで、上述のような一過性の変化による影響を低減することができる。
図8は、本実施の形態1の変形例において、ECU30で実行されるセンサ異常検出制御処理の詳細を説明するためのフローチャートである。図8においては、実施の形態1の図7のフローチャートに、ステップS331,S332が追加されたものとなっている。図8において、図7と重複するステップの説明は繰り返さない。
図1および図8を参照して、ΔIdetとΔIcalとの差の絶対値が所定のしきい値ΔIthより大きい場合(S330にてYES)は、次に処理がS331に進められる。そして、ECU30は、S331にてタイマをカウントアップする。
次にECU30は、S332にて、タイマカウントが所定のしきい値Tthより大きいか否かを判定することによって、ΔIdetとΔIcalとの差の絶対値が所定のしきい値ΔIthより大きい状態が所定期間継続しているか否かを判定する。
タイマカウントが所定のしきい値Tth以下の場合(S332にてNO)は、処理がS345に進められる。この場合、ECU30は、一過性の変化による影響の可能性が高いとして、電流センサ18が正常であると判定するとともに、S355で通常の運転を継続する。
一方、タイマカウントが所定のしきい値Tthより大きい場合(S332にてNO)は、処理がS340に進められ、ECU30は、電流センサ18に異常があると判定する。そして、S350にて、スイッチング素子Q1をオンに固定し、かつスイッチング素子Q2をオフに固定するようなスイッチング制御信号PWCを生成してコンバータ12へ出力する。
以上のような処理にしたがって制御することにより、一過性の変化による影響を低減しつつ、新たに部品を追加することなく、リアクトル電流ILを検出する電流センサ18の異常の有無を判定することができる。
[実施の形態2]
実施の形態1においては、電流検出値の電流変化量ΔIdetと演算から求められる電流変化量ΔIcalとを比較することによって、電流センサ18の異常の有無を判定したが、これらを電流の単位時間あたりの電流変化量(以下、電流変化率とも称する。)によって比較することもできる。
たとえば、実施の形態1の式(3)および式(4)について、それぞれ時間(t2−t1)で除することによって、電流検出値の変化率ΔSdetおよび演算から求められる電流変化率ΔScalを得ることができる。
ΔSdet=(I2−I1)/(t2−t1) … (3A)
ΔScal=VL/L … (4A)
同様に、式(7)および式(8)からも、以下のように電流変化率が得られる。
ΔSdet=(I4−I3)/(t4−t3) … (7A)
ΔScal=(VL−VH)/L … (8A)
そして、ΔSdetおよびΔScalを比較することによって、電流センサ18の異常の有無を判定する。
図9は、本実施の形態2において、ECU30で実行されるセンサ異常検出制御処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
図1および図9を参照して、ECU30は、S400にて、電圧センサ19および電圧センサ13から、平滑コンデンサC1およびC2の電圧VLおよびVHの検出値を取得する。
そして、ECU30は、S410にて、リアクトル電流ILをサンプリングする。
次に、ECU30は、S420にて、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング状態と、電圧VL,VHおよびリアクトル電流のサンプリング値とに基づいて、電流変化率ΔSdet,ΔScalを演算する。
そして、ECU30は、S430にて、ΔSdetとΔScalとの差の絶対値が、所定のしきい値ΔSthより大きいか否かを判定する。
ΔSdetとΔScalとの差の絶対値が、所定のしきい値ΔSthより大きい場合(S430にてYES)は、処理がS440に進められる。ECU30は、S440にて、電流センサ18に異常があると判定し、異常フラグFLTをオンに設定する。そして、ECU30は、S450にて、スイッチング素子Q1をオンに固定し、かつスイッチング素子Q2をオフに固定するようなスイッチング制御信号PWCを生成して、コンバータ12へ出力する。
一方、ΔSdetとΔScalとの差の絶対値が、所定のしきい値ΔSth以下の場合(S430にてNO)は、処理がS445に進められる。ECU30は、S445にて、電流センサ18は正常であると判定し、異常フラグFLTをオフに設定する。そして、ECU30は、S455にて、キャリア生成部250からの搬送波CRと、リアクトル電流ILのフィードバック制御によって得られたデューティDUTYとの比較に基づいてスイッチング制御信号PWCを生成して、コンバータ12へ出力する。
以上のような処理に従って制御を行なうことによって、新たに部品を追加することなく、リアクトル電流ILを検出する電流センサ18の異常の有無を判定することができる。これによって、誤ったリアクトル電流をを用いてフィードバック制御がされることに起因して発生する過大な電流,電圧を抑制できるので、機器の損傷や劣化を防止することができる。
なお、実施の形態2についても、実施の形態1の変形例を適用することが可能である。
なお、本実施の形態におけるスイッチング素子Q1およびQ2は、それぞれ本発明の「第1のスイッチング素子」および「第2のスイッチング素子」の一例である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10,13,19 電圧センサ、11,18,24,25 電流センサ、12 コンバータ、14,22,23 インバータ、15 U相アーム、16 V相アーム、17 W相アーム、20 電源システム、26,27 回転角センサ、28 蓄電装置、30 ECU、40 エンジン、41 動力分割機構、42 駆動輪、45 負荷装置、50 空調機、51 DC/DCコンバータ、52 補機負荷、53 補機バッテリ、100 車両、200 電圧指令生成部、205 メインループ、210 電圧制御部、211,221 減算部、212 電圧制御演算部、220 電流制御部、222 電流制御演算部、230 駆動指令生成部、240 サンプリングホールド部、250 キャリア生成部、280 センサ監視部、C1,C2 平滑コンデンサ、D1〜D8 並列ダイオード、L1 リアクトル、MG1,MG2 モータジェネレータ、NL 接地線、PL1,PL2 電力線、Q1〜Q8 スイッチング素子、SR1,SR2 システムリレー。

Claims (13)

  1. 負荷装置に電源を供給するための電源システムの制御装置であって、
    前記電源システムは、
    充電可能な蓄電装置と、
    前記蓄電装置と前記負荷装置との間で電圧変換が可能に構成され、リアクトルを有するコンバータと、
    前記リアクトルを流れる電流を検出するための電流センサとを含み、
    前記制御装置は、前記電流センサの検出値に基づき前記コンバータの駆動指令を生成することによって、前記コンバータをフィードバック制御するとともに、所定期間の前記電流センサの検出値に基づいた電流の変化と、前記所定期間の前記コンバータの状態に基づいて演算により求められた基準となる電流の変化とを比較することによって、前記電流センサの異常を検出する、電源システムの制御装置。
  2. 前記制御装置は、前記所定期間の前記リアクトルに流れる電流変化量を比較することによって、前記電流センサの異常を検出する、請求項1に記載の電源システムの制御装置。
  3. 前記電源システムは、
    前記コンバータの前記蓄電装置側の電圧を検出するための第1の電圧センサと、
    前記コンバータの前記負荷装置側の電圧を検出するための第2の電圧センサとをさらに含み、
    前記制御装置は、前記第1の電圧センサおよび前記第2の電圧センサによって検出された電圧に基づいて基準となる電流変化量を演算する、請求項2に記載の電源システムの制御装置。
  4. 前記制御装置は、前記電流センサの検出値に基づいた電流変化量と、前記基準となる電流変化量との差の絶対値がしきい値より大きくなったことを検出した場合に、前記電流センサが異常であると判定する、請求項3に記載の電源システムの制御装置。
  5. 前記制御装置は、前記電流センサの検出値に基づいた電流変化量と、前記基準となる電流変化量との差の絶対値が前記しきい値より大きくなった状態が予め定められた期間継続した場合に、前記電流センサが異常であると判定する、請求項4に記載の電源システムの制御装置。
  6. 前記制御装置は、前記リアクトルに流れる電流の単位時間あたりの電流変化量を比較することによって、前記電流センサの異常を検出する、請求項1に記載の電源システムの制御装置。
  7. 前記電源システムは、
    前記コンバータの前記蓄電装置側の電圧を検出するための第1の電圧センサと、
    前記コンバータの前記負荷装置側の電圧を検出するための第2の電圧センサとをさらに含み、
    前記制御装置は、前記第1の電圧センサおよび前記第2の電圧センサによって検出された電圧に基づいて基準となる単位時間あたりの電流変化量を演算する、請求項6に記載の電源システムの制御装置。
  8. 前記制御装置は、前記電流センサの検出値に基づいた単位時間あたりの電流変化量と、前記基準となる単位時間あたりの電流変化量との差の絶対値がしきい値より大きくなった状態を検出した場合に、前記電流センサが異常であると判定する、請求項7に記載の電源システムの制御装置。
  9. 前記コンバータの前記負荷装置側の電圧をフィードバックすることによって、前記コンバータの前記負荷装置側の電圧を目標電圧に調整するように構成された電圧制御部と、
    前記電圧制御部の制御出力に基づいて、前記電流センサの検出値をフィードバックすることによって前記リアクトルに流れる電流を目標電流に調整するための制御演算を行なうように構成された電流制御部と、
    前記電流制御部の制御出力に基づいて、前記コンバータの駆動指令を生成するように構成された駆動指令生成部と、
    前記所定期間における、前記電流センサの検出値に基づいた電流の変化と前記基準となる電流の変化との比較に基づいて、前記電流センサの異常を検出するように構成されたセンサ監視部とを備える、請求項1に記載の電源システムの制御装置。
  10. 前記コンバータは、
    前記負荷装置の電力線と接地線との間に直列接続される第1のスイッチング素子および第2のスイッチング素子と、
    前記接地線から前記電力線に向かう方向を順方向として、前記第1のスイッチング素子および前記第2のスイッチング素子にそれぞれ並列に接続された第1の整流素子および第2の整流素子とをさらに有し、
    前記リアクトルは、前記第1のスイッチング素子および前記第2のスイッチング素子の接続ノードと前記蓄電装置の正極端子とを結ぶ経路に介挿され、
    前記制御装置は、前記電流センサの異常が検出された場合は、前記第1のスイッチング素子をオン状態に固定するとともに、前記第2のスイッチング素子をオフ状態に固定するように前記コンバータの駆動指令を生成する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の電源システムの制御装置。
  11. 前記所定期間は、前記第1のスイッチング素子および前記第2のスイッチング素子のスイッチング状態が変化しない範囲内の期間である、請求項10に記載の電源システムの制御装置。
  12. 前記制御装置は、
    前記電流センサの検出値を、予め定められたタイミングでサンプリングするように構成されたサンプリングホールド部をさらに備え、
    前記所定期間の開始タイミングおよび終了タイミングの少なくともいずれか一方は、前記サンプリングホールド部が、前記フィードバック制御に使用するための電流として前記電流センサの検出値をサンプリングするタイミングである、請求項11に記載の電源システムの制御装置。
  13. 充電可能な蓄電装置と、
    前記蓄電装置からの電力を用いて駆動力を発生するように構成された駆動力発生部と、
    前記蓄電装置と前記駆動力発生部との間で電圧変換が可能に構成され、リアクトルを含むコンバータと、
    前記リアクトルを流れる電流を検出するための電流センサと、
    前記コンバータを制御するための制御装置とを備え、
    前記制御装置は、前記電流センサの検出値に基づき前記コンバータの駆動指令を生成することによって前記コンバータをフィードバック制御するとともに、所定期間の前記電流センサの検出値に基づいた電流の変化と、前記所定期間の前記コンバータの状態に基づいて演算により求められた基準となる電流の変化とを比較することによって、前記電流センサの異常を検出する、車両。
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