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JP2011168691A - 重合体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】単量体の重合転化率が高く、分子量が大きいフッ素含有重合体の製造方法を提供すること。
【解決手段】下記一般式(1)(但し、Rは、水素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基を示し、Rは、単結合、又は2価の炭化水素基を示し、Rは、水素原子、又は1価の有機基を示し、Rfは、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子置換されたアルキレン基を示す。)で表される単量体(1)を含有する単量体成分を、下記一般式(S)(但し、Rは、水素原子又は1価の有機基を示し、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、又はアセチル基を示し、iは0以上の整数を示す。)で表される溶媒(S)を含有する溶媒成分中で重合することを含む重合体の製造方法を提供する。
Figure 2011168691

【選択図】なし

Description

本発明は化学増幅型レジスト、特にArF液浸露光用のレジストとして好適に用いることができる感放射線性樹脂組成物の構成成分となるフッ素含有重合体の製造方法に関する。
集積回路素子の製造に代表される微細加工の分野においては、酸解離性基を有する重合体を含む樹脂組成物によって基板上にレジスト被膜を形成し、マスクパターンを介してそのレジスト被膜に短波長の放射線(エキシマレーザー等)を照射して露光させ、露光部をアルカリ現像で除去することにより微細なレジストパターンを形成することが行われている。この際、樹脂組成物中に放射線照射により酸を発生する感放射線性酸発生剤を含有させ、その酸の作用により感度を向上させた「化学増幅型レジスト」が利用されている。
更に微細なレジストパターン(例えば、線幅45nm程度)を形成する方法として、「液浸露光法(リキッドイマージョンリソグラフィ)」の利用が拡大しつつある。この方法では、露光光路空間(レンズとレジスト被膜との間)を空気や不活性ガスに比して屈折率(n)が大きい液浸露光液(例えば、純水、フッ素系不活性液体等)で満たした状態で露光を行う。これにより、レンズの開口数(NA)を増大させた場合でも、焦点深度が低下し難く、しかも高い解像性が得られるという利点がある。
前述の液浸露光法に用いられる樹脂組成物として、例えば、レジスト被膜から液浸露光液への酸発生剤等の溶出を防止し、レジスト被膜の水切れを良くすること等を目的として、疎水性が高いフッ素含有重合体を含有する様々な樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
上述のフッ素含有重合体は、その製造に際して、単量体の重合転化率(収率)が高くない。そこで、高収率でフッ素含有重合体を得るため、イソプロピルアルコール(以下、単に「IPA」とも記載する。)溶媒中で重合することが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
国際公開第2007/116664号 特開2007−279663号公報 特開2006−193687号公報
しかしながら、上述の特許文献3で提案されている重合方法で用いられるIPAは、沸点や引火点が低いため、工業的規模で利用する場合、重合効率の問題があるばかりでなく、安全性に十分配慮しつつ重合を行う必要がある。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、単量体の重合転化率が高いフッ素含有重合体の製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、特定のフッ素含有単量体を含有する単量体成分を、特定の溶媒を含有する溶媒成分中で重合させることによって、上記課題を達成することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、以下に示す重合体の製造方法が提供される。
[1]下記一般式(1)で表される単量体(1)を含有する単量体成分を、下記一般式(S)で表される溶媒(S)を含有する溶媒成分中で重合することを含む重合体の製造方法。
Figure 2011168691
上記一般式(1)中、Rは、水素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基を示し、Rは、単結合、或いは炭素数1〜20の直鎖状、分岐状、又は環状の飽和若しくは不飽和の2価の炭化水素基を示し、Rは、水素原子、又は1価の有機基を示し、Rfは、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子置換されたメチレン基、又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子置換された、炭素数2〜20の直鎖状、若しくは分岐状のアルキレン基を示す。但し、Rで示される2価の炭化水素基は、少なくともその一部の水素原子がフッ素原子置換されていても良い。
Figure 2011168691
上記一般式(S)中、Rは、水素原子又は1価の有機基を示し、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、又はアセチル基を示し、iは0以上の整数を示す。なお、iが1以上である場合、全てのRは、同一の原子又は基であることが好ましい。
[2]前記溶媒成分が前記溶媒(S)を30質量%以上含有する前記[1]に記載の重合体の製造方法。
[3]前記溶媒成分が前記溶媒(S)を60質量%以上含有する前記[1]又は[2]に記載の重合体の製造方法。
[4]前記単量体成分が、下記一般式(2)で表される単量体(2)を更に含有する前記[1]〜[3]のいずれかに記載の重合体の製造方法。
Figure 2011168691
上記一般式(2)中、Rは、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、又はヒドロキシメチル基を示し、3つのRは、それぞれ独立に、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基若しくはそれから誘導される基を示すか、或いは、いずれか2つのRが相互に結合し、炭素数4〜20の炭化水素環若しくはそれから誘導される環を形成し、残りの1つのRが、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基若しくはそれから誘導される基を示す。
[5]前記単量体(2)が、下記一般式(2−1)で表される単量体(2−1)である前記[4]に記載の重合体の製造方法。
Figure 2011168691
上記一般式(2−1)中、Rは、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、又はヒドロキシメチル基を示し、R10は、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示し、kは、1〜4の整数を示す。
[6]前記単量体成分がアルカリ可溶性基を有する単量体(3)(前記単量体(1)を除く。)を更に含有する前記[1]〜[5]のいずれかに記載の重合体の製造方法。
[7]前記単量体(3)が、下記一般式(3a)で表される基、下記一般式(3b)で表される基、及び下記式(3c)で表される基からなる群より選択される少なくとも1種のアルカリ可溶性基を有する単量体である前記[6]に記載の重合体の製造方法。
Figure 2011168691
上記一般式(3a)中、Rfは、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子置換された炭素数1〜10の炭化水素基を示し、上記一般式(3b)中、Rfは、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子置換された、メチレン基又は炭素数2〜20のアルキレン基を示す。
[8]前記単量体(3)が、下記一般式(3−1)で表される単量体(3−1)である前記[6]又は[7]に記載の重合体の製造方法。
Figure 2011168691
上記一般式(3−1)中、R11は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、トリフルオロメチル基、又はヒドロキシメチル基を示し、R12は、2価の有機基を示す。
[9]前記単量体成分がアルカリ反応性基を有する単量体(4)(前記単量体(1)を除く。)を更に含有する前記[1]〜[8]のいずれかに記載の重合体の製造方法。
[10]前記単量体(4)が、下記一般式(4−1)〜(4−7)で表される単量体からなる群より選択される少なくとも1種である前記[9]に記載の重合体の製造方法。
Figure 2011168691
上記一般式(4−1)〜(4−6)中、R13は、それぞれ独立に、水素原子、又はメチル基を示す。上記一般式(4−1)中、R14は、水素原子、又は置換されていても良い炭素数1〜4のアルキル基を示し、lは1〜3の整数を示す。上記一般式(4−2)及び(4−3)中、Aは、それぞれ独立に、単結合、エーテル基、エステル基、カルボニル基、炭素数1〜30の2価の鎖状炭化水素基、炭素数3〜30の2価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜30の2価の芳香族炭化水素基、又はこれらを組み合わせた2価の基を示し、mは、それぞれ独立に、0又は1を示す。上記一般式(4−3)及び(4−5)中、Bは、それぞれ独立に、酸素原子、又はメチレン基を示す。上記一般式(4−4)及び(4−5)中、R15は、それぞれ独立に、水素原子、又はメトキシ基を示す。上記一般式(4−7)中、R16は、水素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基を示し、複数のR17は、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜5の鎖状炭化水素基を示し、nは2〜4の整数を示す。
[11]前記単量体(1)が、下記一般式(1−1)で表される単量体(1−1)である前記[1]〜[10]のいずれかに記載の重合体の製造方法。
Figure 2011168691
上記一般式(1−1)中、R18及びR20は、それぞれ独立に、フッ素原子、又はトリフルオロメチル基を示し、R21は、水素原子、又は1価の有機基を示し、2つのR19は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1−トリフルオロメチルエチル基、又は3,3,3−トリフルオロプロピル基を示す。但し、2つのR19が相互に結合して、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、又はシクロヘプチレン基を形成していても良い。
[12]前記溶媒(S)が、プロピレングリコールの誘導体、又はエチレングリコールの誘導体である前記[1]〜[11]のいずれかに記載の重合体の製造方法。
本発明の重合体の製造方法によれば、単量体の重合転化率が高いフッ素含有重合体を製造することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
1.重合体の製造方法:
本発明の重合体の製造方法は、単量体(1)を含有する単量体成分を、溶媒(S)を含有する溶媒成分中で重合することを含む方法である。以下、その詳細について説明する。
1−1.溶媒成分:
本発明の重合体の製造方法において、溶媒成分は、溶媒(S)を含有するものであれば、特に制限なく、従来公知の溶媒(その他の溶媒)を混合して使用することができる。なお、溶媒成分は、溶媒(S)を、一種単独で(100質量%)含有していても良い。
1−1−1.溶媒(S):
溶媒(S)は、下記一般式(S)で表される溶媒である。
Figure 2011168691
上記一般式(S)中、Rは、水素原子又は1価の有機基を示し、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、又はアセチル基を示し、iは0以上の整数を示す。なお、iが1以上である場合、全てのRは、同一の原子又は基であることが好ましい。
前記一般式(S)中、Rで示される「1価の有機基」の具体例としては、メチル基、エチル基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、フェニル基、ベンジル基等を挙げることができる。これらの中でも、溶媒が比較的低粘度となることによる操作性の観点から、メチル基、エチル基等が好ましい。
前記一般式(S)中、R及びRで示される「アルキル基」の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基等を挙げることができる。これらの中でも、溶媒が比較的低粘度となることによる操作性の観点から、メチル基、エチル基、ブチル基等が好ましい。
上記一般式(S)中、iは、0〜2の整数であることが好ましく、0又は1であることがより好ましく、0であることが更に好ましい。
溶媒(S)の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコールのアルキルエーテル類;エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類等を挙げることができる。
これら溶媒(S)の中でも、比較的低粘度であることにより操作性が良いことや、入手が容易であること等の観点から、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が好ましい。
上述の好ましい溶媒(S)の中でも、プロピレングリコールの誘導体、又はエチレングリコールの誘導体が更に好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテル(以下、単に「PGME」とも記載する。)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、単に「PGMEA」とも記載する。)が特に好ましい。溶媒(S)は、プロピレングリコールの誘導体、又はエチレングリコールの誘導体を使用することにより、単量体の転化率がより高く、分子量がより大きい重合体を製造することができる。これは、プロピレングリコールの誘導体、又はエチレングリコールの誘導体を使用することで、重合反応中、成長重合体鎖のラジカルが溶媒等の単量体以外の成分へ移動する連鎖移動が起こりにくく、成長重合体鎖のラジカルが失活しにくくなるためであると推測される。
また、PGMEやPGMEAは、IPAやメチルエチルケトン(以下、単に「MEK」とも記載する。)よりも沸点が高いため、例えば、耐圧装置等の設備を必要とせずに、より高温での重合が可能となり、重合体を大量に製造する場合でも、効率よく製造することができる。また、PGMEやPGMEAは、IPAやMEKより引火点も高いため、より安全に使用することができる。
溶媒成分中の溶媒(S)の配合割合は、30質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることが特に好ましい。溶媒(S)の配合割合を30質量%以上とすることにより、重合反応中、成長重合体鎖のラジカルの失活がより効果的に抑制されることが推測され、転化率を高めることができる。
1−1−2.その他の溶媒:
溶媒成分に含有される、溶媒(S)以外のその他の溶媒としては、溶媒(S)を含有することによる効果を阻害せず、重合反応を阻害しない溶媒であれば、特に制限なく従来公知の重合溶媒を使用することができる。その他の溶媒の具体例としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等のアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類;クロロブタン類、ブロモヘキサン類、ジクロロエタン類、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸エステル類;アセトン、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン類、ジエトキシエタン類等のエーテル類;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、4−メチル−2−ペンタノール等のアルコール類等を挙げることができる。これらその他の溶媒は、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
1−2.単量体成分:
本発明の重合体の製造方法において、単量体成分は、単量体(1)を含有するものである。なお、この単量体成分は、以下で説明する単量体(2)〜(4)を更に含有していることが好ましい。また、単量体成分は、単量体(1)〜(4)以外の単量体を更に含有していても良い。
1−2−1.単量体(1):
単量体(1)は、下記一般式(1)で表される化合物である。
Figure 2011168691
上記一般式(1)中、Rは、水素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基を示し、Rは、単結合、或いは炭素数1〜20の直鎖状、分岐状、又は環状の飽和若しくは不飽和の2価の炭化水素基を示し、Rは、水素原子、又は1価の有機基を示し、Rfは、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子置換されたメチレン基、又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子置換された、炭素数2〜20の直鎖状、若しくは分岐状のアルキレン基を示す。但し、Rで示される2価の炭化水素基は、少なくともその一部の水素原子がフッ素原子置換されていても良い。
前記一般式(1)中、Rで示される「炭素数1〜20の直鎖状、分岐状、又は環状の飽和若しくは不飽和の2価の炭化水素基」の具体例としては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、2−メチルプロパン、ペンタン、2−メチルブタン、2,2−ジメチルプロパン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等の直鎖状又は分岐状炭化水素;シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン等の脂環式炭化水素;ベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素等から水素原子を2個脱離させた2価の基等を挙げることができる。
また、上述のRで示される「炭素数1〜20の直鎖状、分岐状、又は環状の飽和若しくは不飽和の2価の炭化水素基」は、少なくともその一部の水素原子がフッ素原子置換されていても良い。
前記一般式(1)中、Rで示される「1価の有機基」としては、例えば、炭素数1〜30の1価の炭化水素基、酸解離性基、アルカリ解離性基等を挙げることができる。
〔炭素数1〜30の1価の炭化水素基〕
炭素数1〜30の1価の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状の1価の炭化水素基、炭素数3〜30の1価の環状炭化水素基等を挙げることができる。
〔酸解離性基〕
酸解離性基としては、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基等の極性官能基の水素原子を置換する基であって、酸の存在下で解離する基であれば、特に制限なく従来公知の酸解離性基を適用することができる。
酸解離性基の具体例としては、t−ブトキシカルボニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、(チオテトラヒドロピラニルスルファニル)メチル基、(チオテトラヒドロフラニルスルファニル)メチル基、アルコキシメチル基、アルキルスルファニルメチル基等を挙げることができる。なお、アルコキシメチル基中のアルコキシ基としては、例えば、炭素数1〜4のアルコキシ基を挙げることができる。また、アルキルスルファニルメチル基中のアルキル基としては、例えば、炭素数1〜4のアルキル基を挙げることができる。
上述の酸解離性基の他に、酸解離性基として、下記一般式(1a−1)で表される基を、更に挙げることができる。
Figure 2011168691
上記一般式(1a−1)中、3つのR22は、それぞれ独立に、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基若しくはそれから誘導される基を示すか、或いは、いずれか2つのR22が相互に結合し、炭素数4〜20の炭化水素環若しくはそれから誘導される環を形成し、残りの1つのR22が、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基若しくはそれから誘導される基を示す。
前記一般式(1a−1)中、R22で示される、「炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基」の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等を挙げることができる。
前記一般式(1a−1)中、R22で示される、「炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基」の具体例としては、ノルボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン、アダマンタンや、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のシクロアルカン類等に由来する脂環族環からなる基等を挙げることができる。これらの中でも、ノルボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン、アダマンタンや、シクロペンタン又はシクロヘキサンに由来する脂環族環からなる基等が好ましい。
前記一般式(1a−1)中、R22で示される、「脂環式炭化水素基から誘導される基」としては、例えば、上述の脂環式炭化水素基の少なくとも1つの水素原子を、炭素数1〜4の直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル基(以下、「置換基」とも記載する)のうち1種以上で置換した基等を挙げることができる。なお、炭素数1〜4の直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等を挙げることができる。
前記一般式(1a−1)中、「いずれか2つのR22が相互に結合して形成される、炭素数4〜20の炭化水素環」の具体例としては、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン等の単環式炭化水素環;ノルボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等の多環式炭化水素環;アダマンタン等の架橋多環式炭化水素環等を挙げることができる。これらの中でも、シクロペンタン、シクロヘキサン等の単環式炭化水素環が好ましい。
前記一般式(1a−1)中、「いずれか2つのR22が相互に結合して形成される、炭素数4〜20の炭化水素環から誘導される環」としては、例えば、上述の炭化水素環の少なくとも1つの水素原子を、前述の置換基のうち1種以上で置換した基等を挙げることができる。
前記一般式(1a−1)で表される酸解離性基の好適例としては、t−ブチル基、1−(1−エチル−1−メチル)プロピル基、1−(1,1−ジメチル)プロピル基、1−n−(1,1−ジメチル)ブチル基、1−n−(1,1−ジメチル)ペンチル基、1−n−(1,1−ジエチル)プロピル基、1−n−(1,1−ジエチル)ブチル基、1−n−(1,1−ジエチル)ペンチル基、1−(1−メチル)シクロペンチル基、1−(1−エチル)シクロペンチル基、1−(1−n−プロピル)シクロペンチル基、1−(1−i−プロピル)シクロペンチル基、1−(1−メチル)シクロヘキシル基、1−(1−エチル)シクロヘキシル基、1−(1−n−プロピル)シクロヘキシル基、1−(1−i−プロピル)シクロヘキシル基、1−(1−メチル−1−(2−ノルボニル))エチル基、1−(1−メチル−1−(2−テトラシクロデカニル))エチル基、1−(1−メチル−1−(1−アダマンチル))エチル基、2−(2−メチル)ノルボニル基、2−(2−エチル)ノルボニル基、2−(2−n−プロピル)ノルボニル基、2−(2−i−プロピル)ノルボニル基、2−(2−メチル)テトラシクロデカニル基、2−(2−エチル)テトラシクロデカニル基、2−(2−n−プロピル)テトラシクロデカニル基、2−(2−i−プロピル)テトラシクロデカニル基、1−(1−メチル)アダマンチル基、1−(1−エチル)アダマンチル基、1−(1−n−プロピル)アダマンチル基、1−(1−i−プロピル)アダマンチル基や、これらの脂環族環からなる基の少なくとも1つの水素原子を、置換基の1種以上で置換した基等を挙げることができる。
酸解離性基としては、上述の酸解離性基の中でも、前記一般式(1a−1)で表される基、t−ブトキシカルボニル基、アルコキシメチル基等が好ましく、前記一般式(1a−1)で表される基が特に好ましい。重合体がこのような酸解離性基を含有することで、露光部の重合体の現像液への溶解性を向上させることができる。
〔アルカリ解離性基〕
アルカリ解離性基としては、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基等の極性官能基の水素原子を置換する基であって、アルカリの存在下で解離する基であれば、特に制限なく従来公知のアルカリ解離性基を適用することができる。
アルカリ解離性基としては、例えば、下記一般式(1b−1)〜(1b−3)でそれぞれ表されるアルカリ解離性基(1b−1)〜(1b−3)を挙げることができる。
Figure 2011168691
上記一般式(1b−1)及び(1b−2)中、R23は、ハロゲン原子、又は炭素数1〜10の、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、若しくはアシロキシ基を示す。上記一般式(1b−1)中、pは0〜5の整数を示す。上記一般式(1b−2)中、qは0〜4の整数を示す。上記一般式(1b−3)中、2つのR24は、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基を示すか、或いは、2つのR24が相互に結合して形成される炭素数4〜20の2価の脂環式炭化水素基を示す。
前記一般式(1b−1)及び(1b−2)中、R23で示される「ハロゲン原子」の具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等を挙げることができる。また、アルカリ解離性基は、R23がこれらハロゲン原子の中でも電子吸引性に優れるフッ素原子であることにより、アルカリ存在下での解離が容易となると推測することができる。
前記一般式(1b−1)及び(1b−2)中、R23で示される「炭素数1〜10のアルキル基」の具体例としては、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、2−(2−メチルプロピル)基、1−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、1−(2−メチルブチル)基、1−(3−メチルブチル)基、2−(2−メチルブチル)基、2−(3−メチルブチル)基、ネオペンチル基、1−ヘキシル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基、1−(2−メチルペンチル)基、1−(3−メチルペンチル)基、1−(4−メチルペンチル)基、2−(2−メチルペンチル)基、2−(3−メチルペンチル)基、2−(4−メチルペンチル)基、3−(2−メチルペンチル)基、3−(3−メチルペンチル)基等を挙げることができる。
前記一般式(1b−1)及び(1b−2)中、R23で示される「炭素数1〜10のアルコキシ基」の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等を挙げることができる。
前記一般式(1b−1)及び(1b−2)中、R23で示される「炭素数1〜10のアシル基」の具体例としては、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基等を挙げることができる。
前記一般式(1b−1)及び(1b−2)中、R23で示される「炭素数1〜10のアシロキシ基」の具体例としては、アセトキシ基、エチリルオキシ基、ブチリルオキシ基、t−ブチリルオキシ基、t−アミリルオキシ基、n−ヘキサンカルボニロキシ基、n−オクタンカルボニロキシ基等を挙げることができる。
前記一般式(1b−3)中、R24で示される「炭素数1〜10のアルキル基」の具体例としては、前述の前記一般式(1b−1)及び(1b−2)中のR23で示される炭素数1〜10のアルキル基と同様のものを挙げることができる。
前記一般式(1b−3)中、2つのR24で示される、「2つのR24が相互に結合して形成される炭素数4〜20の2価の脂環式炭化水素基」の具体例としては、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、1−(1−シクロペンチルエチル)基、1−(2−シクロペンチルエチル)基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、1−(1−シクロヘキシルエチル)基、1−(2−シクロヘキシルエチル基)、シクロヘプチル基、シクロヘプチルメチル基、1−(1−シクロヘプチルエチル)基、1−(2−シクロヘプチルエチル)基、2−ノルボルニル基等を挙げることができる。
アルカリ解離性基(1b−3)の具体例としては、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、1−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、1−(2−メチルブチル)基、1−(3−メチルブチル)基、2−(3−メチルブチル)基、ネオペンチル基、1−ヘキシル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基、1−(2−メチルペンチル)基、1−(3−メチルペンチル)基、1−(4−メチルペンチル)基、2−(3−メチルペンチル)基、2−(4−メチルペンチル)基、3−(2−メチルペンチル)基等を挙げることができる。これらの中でも、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基が好ましい。
重合体はこのようなアルカリ解離性基を有する繰り返し単位を含有することにより、現像時の現像液に対する親和性を向上させることができる。
なお、上述した「炭素数1〜30の1価の炭化水素基」、「酸解離性基」、及び「アルカリ解離性基」は、レジストに含有される感放射線性酸発生剤の種類、現像液の種類、重合反応の条件等により、それぞれ適宜選択することができる。
前記一般式(1)中、Rfで示される「少なくとも1つの水素原子がフッ素原子置換されたメチレン基、又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子置換された、炭素数2〜20の直鎖状、若しくは分岐状のアルキレン基」の具体例としては、下記式(1c−1)〜(1c−11)で表される基等を挙げることができる。
Figure 2011168691
これらの中でも、上記式(1c−1)〜(1c−4)、又は(1c−8)で表される基が好ましく、上記式(1c−3)、(1c−4)、又は(1c−8)で表される気が更に好ましく、上記式(1c−4)で表される基が特に好ましい。
単量体(1)は、下記一般式(1−1)で表される単量体であることが好ましい。
Figure 2011168691
上記一般式(1−1)中、R18及びR20は、それぞれ独立に、フッ素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基を示し、R21は、水素原子、又は1価の有機基を示し、2つのR19は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1−トリフルオロメチルエチル基、又は3,3,3−トリフルオロプロピル基を示す。但し、2つのR19が相互に結合して、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、又はシクロヘプチレン基を形成していても良い。
前記一般式(1−1)中、R21は、前記一般式(1)におけるRと同義である。
単量体(1)は、下記式(1−1−1)〜(1−1−6)で表される単量体であることが特に好ましい。
Figure 2011168691
単量体(1)は、例えば、アルカリ解離性基を有する場合、下記一般式(1A−1)で表される化合物と、下記一般式(1B−1)〜(1B−3)で表される化合物のいずれかと、を反応させることによって合成することができる。
Figure 2011168691
上記一般式(1A−1)中、Xは、水酸基、又はハロゲン原子を示す。上記一般式(1B−1)中、Xは、ハロゲン原子を示し、塩素原子であることが好ましい。上記一般式(1B−2)中、Xは、ハロゲン原子を示し、臭素原子であることが好ましい。なお、上記一般式(1A−1)中のR、R、及びRfは、前記一般式(1)中の、R、R、及びRfと、上記一般式(1B−1)及び(1B−2)中のR23は、前記一般式(1b−1)及び(1b−2)中のR23と、上記一般式(1B−1)中のpは、前記一般式(1b−1)中のpと、上記一般式(1B−2)中のqは、前記一般式(1b−2)中のqと、上記一般式(1B−3)中のR24は、前記一般式(1b−3)のR24と、それぞれ同義である。
単量体(1)は、上述の合成方法の他にも、下記一般式(1C−1)で表される化合物と、下記一般式(1D−1)で表される化合物と、を反応させることによっても合成することができる。
Figure 2011168691
上記一般式(1C−1)中、Xは、水酸基、又はハロゲン原子を示す。なお、上記一般式(1C−1)中のR、並びに上記一般式(1D−1)中のR、R、及びRfは、それぞれ前記一般式(1)中のR、R、R、及びRfと同義である。
重合体中、単量体(1)に由来する繰り返し単位の含有割合は、全繰り返し単位の合計100mol%に対して、20〜90mol%であることが好ましく、20〜80mol%であることが更に好ましく、20〜70mol%であることが特に好ましい。単量体(1)に由来する繰り返し単位の含有割合が20〜90mol%であると、レジスト被膜の撥水性を向上させ、水切れを良好にすることができる。
1−2−2.単量体(2):
単量体(2)は、下記一般式(2)で表される単量体である。
Figure 2011168691
上記一般式(2)中、Rは、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、又はヒドロキシメチル基を示し、3つのRは、それぞれ独立に、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基若しくはそれから誘導される基を示すか、或いは、いずれか2つのRが相互に結合し、炭素数4〜20の炭化水素環若しくはそれから誘導される環を形成し、残りの1つのRが、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基若しくはそれから誘導される基を示す。
前記一般式(2)中のRと前記一般式(1a−1)中のR22は同義であり、[−C(R]で表される基は、前記一般式(1a−1)で表される酸解離性基と同様の説明をすることができる。
単量体(2)は、下記一般式(2−1)で表される単量体(2−1)であることが好ましい。
Figure 2011168691
上記一般式(2−1)中、Rは、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、又はヒドロキシメチル基を示し、R10は、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示し、kは、1〜4の整数を示す。
前記一般式中、R10で示される「炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基」の具体例としては、前記一般式(1a−1)中のR22で示される「炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基」と同様のものを挙げることができる。
重合体中、単量体(2)に由来する繰り返し単位の含有割合は、全繰り返し単位の合計100mol%に対して、通常、80mol%以下であり、20〜80mol%であることが好ましく、30〜70mol%であることが更に好ましい。
1−2−3.単量体(3):
単量体(3)としては、アルカリ可溶性基を有し、且つ、単量体(1)以外の単量体であれば、特に制限なく従来公知のアルカリ可溶性基を有する単量体を使用することができる。
単量体(3)は、下記一般式(3a)で表される基、下記一般式(3b)で表される基、及び下記式(3c)で表される基からなる群より選択される少なくとも1種のアルカリ可溶性基を有する単量体であることが好ましい。
Figure 2011168691
上記一般式(3a)中、Rfは、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子置換された炭素数1〜10の炭化水素基を示し、上記一般式(3b)中、Rfは、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子置換された、メチレン基又は炭素数2〜20のアルキレン基を示す。
前記一般式(3a)中、Rfで示される「少なくとも1つの水素原子がフッ素原子置換された炭素数1〜10の炭化水素基」の具体例としては、トリフルオロメチル基等が好ましい。
前記一般式(3b)中、Rfで示される「少なくとも1つの水素原子がフッ素原子置換された、メチレン基又は炭素数2〜20のアルキレン基」の具体例としては、下記式(3b−1)〜(3b−8)で表される基等を挙げることができる。
Figure 2011168691
単量体(3)は、レジスト被膜の撥水性の確保と、現像液に対する親和性との両立との観点から、下記一般式(3−1)で表される単量体であることが好ましい。
Figure 2011168691
上記一般式(3−1)中、R11は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、トリフルオロメチル基、又はヒドロキシメチル基を示し、R12は、2価の有機基を示す。
前記一般式(3−1)中、R11で示される「炭素数1〜4のアルキル基」の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基等を挙げることができる。
前記一般式(3−1)中、R12で示される「2価の有機基」としては、炭素数1〜20の炭化水素基を挙げることができる。その具体例としては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、2−メチルプロパン、ペンタン、2−メチルブタン、2,2−ジメチルプロパン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等の直鎖状又は分岐状炭化水素;シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン等の脂環式炭化水素;ベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素等から水素原子を2個脱離させた2価の基等を挙げることができる。なお、これらの炭化水素基は、酸素原子、硫黄原子、イミノ基、カルボニル基、カルボニルオキシ基、又はアミド基を有していてもよい。
重合体中、単量体(3)に由来する繰り返し単位の含有割合は、全繰り返し単位の合計100mol%に対して、通常、50mol%以下であり、5〜30mol%であることが好ましく、5〜20mol%であることが更に好ましい。単量体(3)に由来する繰り返し単位の含有割合が50mol%以下であると、レジスト被膜の撥水性を向上させ、水切れを良好にすることができる。
1−2−4.単量体(4):
単量体(4)としては、アルカリ反応性基を有し、且つ、単量体(1)以外の単量体であれば、特に制限なく従来公知のアルカリ反応性基を有する単量体を使用することができる。
単量体(4)は、下記一般式(4−1)〜(4−7)で表される単量体からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
Figure 2011168691
上記一般式(4−1)〜(4−6)中、R13は、それぞれ独立に、水素原子、又はメチル基を示す。上記一般式(4−1)中、R14は、水素原子、又は置換されていても良い炭素数1〜4のアルキル基を示し、lは1〜3の整数を示す。上記一般式(4−2)及び(4−3)中、Aは、それぞれ独立に、単結合、エーテル基、エステル基、カルボニル基、炭素数1〜30の2価の鎖状炭化水素基、炭素数3〜30の2価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜30の2価の芳香族炭化水素基、又はこれらを組み合わせた2価の基を示し、mは、それぞれ独立に、0又は1を示す。上記一般式(4−3)及び(4−5)中、Bは、それぞれ独立に、酸素原子、又はメチレン基を示す。上記一般式(4−4)及び(4−5)中、R15は、それぞれ独立に、水素原子、又はメトキシ基を示す。上記一般式(4−7)中、R16は、水素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基を示し、複数のR17は、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜5の鎖状炭化水素基を示し、nは2〜4の整数を示す。
前記一般式(4−1)中、R14で示される「置換されていても良い炭素数1〜4のアルキル基」の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等を挙げることができる。また、このアルキル基における1以上の水素原子は置換されていてもよい。具体的な置換基としては、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、フェニル基、アセトキシ基、アルコキシ基等を挙げることができる。
前記一般式(4−2)及び(4−3)中、Aで示される「炭素数1〜30の2価の鎖状炭化水素基」の具体例としては、メチレン基、エチレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、トリデカメチレン基、テトラデカメチレン基、ペンタデカメチレン基、ヘキサデカメチレン基、ヘプタデカメチレン基、オクタデカメチレン基、ノナデカメチレン基、イコサレン基等の直鎖状アルキレン基;1−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル−1,2−プロピレン基、1−メチル−1,4−ブチレン基、2−メチル−1,4−ブチレン基、メチリデン基、エチリデン基、プロピリデン基、2−プロピリデン基等の分岐状アルキレン基等を挙げることができる。
前記一般式(4−2)及び(4−3)中、Aで示される「炭素数3〜30の2価の脂環式炭化水素基」の具体例としては、1,3−シクロブチレン基、1,3−シクロペンチレ
ン基等、1,4−シクロヘキシレン基、1,5−シクロオクチレン基等の炭素数3〜
30の単環型シクロアルキレン基;1,4−ノルボルニレン基、2,5−ノルボルニレン
基、1,5−アダマンチレン基、2,6−アダマンチレン基等の多環型シクロアルキレ
ン基等を挙げることができる。
前記一般式(4−2)及び(4−3)中、Aで示される「炭素数6〜30の2価の芳香族炭化水素基」の具体例としては、フェニレン基、トリレン基、ナフチレン基、フェナン
トリレン基、アントリレン基等のアリーレン基等を挙げることができる。
重合体中、単量体(4)に由来する繰り返し単位の含有割合は、全繰り返し単位の合計100mol%に対して、通常、50mol%以下であり、5〜30mol%であることが好ましく、5〜20mol%であることが更に好ましい。単量体(4)に由来する繰り返し単位の含有割合が50mol%以下であると、レジスト被膜の撥水性を向上させ、水切れを良好にすることができる。
1−3.重合:
本発明の重合体の製造方法においては、上述の溶媒成分及び単量体成分を用いて、ラジカル重合による方法であれば、特に制限なく従来公知の重合方法を適用することができる。
重合温度は、40〜150℃であることが好ましく、50〜120℃であることが更に好ましい。本発明においては、比較的沸点が高い溶媒(S)を使用するため、より高温での重合を行うことができる。なお、重合に要する時間は、通常、1〜48時間程度であり、1〜24時間であることが好ましい。
また、重合開始剤についても、ラジカル重合開始剤であれば、特に制限されず従来公知の重合開始剤を使用することができる。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、ヒドロパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、アゾ化合物等を挙げることができる。具体例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等のアゾ化合物;デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ビス(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、コハク酸パーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルへキサノエート等の有機過酸化物等を挙げることができる。これらの中でも、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(以下、単に「AIBN」とも記載する。)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル等が好ましい。
ラジカル重合開始剤の使用割合は、全単量体の合計100mol%に対して、通常、0.5〜30mol%であり、1〜20mol%であることが好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「%」は、特に断らない限り質量基準である。また、各種物性値の測定方法、及び諸特性の評価方法を以下に示す。
[Mw及びMw/Mn]
GPCシステム(商品名「HLC8220」、東ソー社製)に、カラム「TSKguardcolumn SuperH−L、TSKgel SuperH4000、TSKgel SuperH2000の組み合わせ」を用い、カラム温度:40℃、注入量:10μl、測定流量:0.6ml/分の分析条件でのゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により、単分散ポリスチレンを標準とした、各重合体の質量平均分子量(以下、「Mw」とも記載する。)及び数平均分子量(以下、「Mn」とも記載する。)を測定した。更に、この測定結果より、Mw/Mnを算出した。なお、測定用試料としては、重合後の樹脂溶液0.05gをテトラヒドロフランで5.00gに希釈し、0.45μmフィルターで濾過したものを用いた。
[転化率]
日本電子社製の核磁気共鳴装置「ECP−500」を用いて、H−NMRから得られた重合液に残留するモノマーのビニル炭素上の水素と内部標準との積分比より、残留モノマー濃度を決定した。得られた残留モノマーの濃度から、消費されたモノマー量の仕込んだ総モノマー量に対する割合(%)として重合体の転化率を算出した。
(実施例1)
単量体(1)として下記式(M1)で表される単量体(M1)11.21g(25mol%)、単量体(2)として下記式(M2)で表される単量体(M2)21.68g(60mol%)、及び単量体(3)として下記式(M3)で表される単量体(M3)7.11g(15mol%)を、溶媒(S)としてのプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)40.0g(溶媒(S)を100質量%含有する溶媒成分)に溶解し、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)1.32g(単量体の合計量に対して5mol%)を投入して単量体溶液を調製した。一方、500mlのセパラブルフラスコに40.0gのPGMEを投入し、30分間窒素パージした。窒素パージ後、セパラブルフラスコ内を撹拌しながら80℃に加熱し、前記単量体溶液を、滴下漏斗を用いて3時間かけて滴下した。滴下を開始した時点を重合開始時点とし、重合開始時点から6時間後及び8時間後の各時点での転化率を算出した。重合開始6時間後の時点での転化率は88.4%であり、8時間後の時点での転化率は90.5%であった。
Figure 2011168691
重合開始時点から8時間後、重合溶液を水冷することにより30℃以下に冷却した。冷却した重合溶液を600gのメタノール90質量%/水10質量%の混合液へ投入し、析出した白色粉末をろ別した。ろ別した白色粉末を、50℃にて12時間真空乾燥することで白色粉末の重合体を得た。得られた重合体のMwは8158、Mw/Mnは2.04であった。
(実施例2〜5、比較例1)
下記表1に示した、溶媒の種類、及びAIBNの添加量としたこと以外は、実施例1と同様にして重合体を得た。
Figure 2011168691
上記表1中、使用した溶媒の略号は以下の通りである:
PGME: プロピレングリコールモノメチルエーテル
PGMEA: プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
MEK: 2−ブタノン(メチルエチルケトン)
なお、実施例4における「PGME/MEK 60/40」は、溶媒として、PGME60質量%/MEK40質量%の混合溶媒を用いたことを意味し、実施例5における「PGME/MEK 30/70」は、溶媒として、PGME30質量%/MEK70質量%の混合溶媒を用いたことを意味する。
表1より、単量体(1)を含有する単量体成分を、溶媒(S)を含有する溶媒成分中で重合すると、単量体の転化率が高くなることが明らかである。
本発明の重合体の製造方法により得られる重合体は、化学増幅型レジスト、特にArF液浸露光用のレジストとして用いられる感放射線性樹脂組成物の構成成分として有用である。

Claims (12)

  1. 下記一般式(1)で表される単量体(1)を含有する単量体成分を、下記一般式(S)で表される溶媒(S)を含有する溶媒成分中で重合することを含む重合体の製造方法。
    Figure 2011168691
    (上記一般式(1)中、Rは、水素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基を示し、Rは、単結合、或いは炭素数1〜20の直鎖状、分岐状、又は環状の飽和若しくは不飽和の2価の炭化水素基を示し、Rは、水素原子、又は1価の有機基を示し、Rfは、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子置換されたメチレン基、又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子置換された、炭素数2〜20の直鎖状、若しくは分岐状のアルキレン基を示す。但し、Rで示される2価の炭化水素基は、少なくともその一部の水素原子がフッ素原子置換されていても良い。)
    Figure 2011168691
    (上記一般式(S)中、Rは、水素原子又は1価の有機基を示し、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、又はアセチル基を示し、iは0以上の整数を示す。なお、iが1以上である場合、全てのRは、同一の原子又は基であることが好ましい。)
  2. 前記溶媒成分が前記溶媒(S)を30質量%以上含有する請求項1に記載の重合体の製造方法。
  3. 前記溶媒成分が前記溶媒(S)を60質量%以上含有する請求項1又は2に記載の重合体の製造方法。
  4. 前記単量体成分が、下記一般式(2)で表される単量体(2)を更に含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の重合体の製造方法。
    Figure 2011168691
    (上記一般式(2)中、Rは、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、又はヒドロキシメチル基を示し、3つのRは、それぞれ独立に、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基若しくはそれから誘導される基を示すか、或いは、いずれか2つのRが相互に結合し、炭素数4〜20の炭化水素環若しくはそれから誘導される環を形成し、残りの1つのRが、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基若しくはそれから誘導される基を示す。)
  5. 前記単量体(2)が、下記一般式(2−1)で表される単量体(2−1)である請求項4に記載の重合体の製造方法。
    Figure 2011168691
    (上記一般式(2−1)中、Rは、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、又はヒドロキシメチル基を示し、R10は、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示し、kは、1〜4の整数を示す。)
  6. 前記単量体成分がアルカリ可溶性基を有する単量体(3)(前記単量体(1)を除く。)を更に含有する請求項1〜5のいずれか一項に記載の重合体の製造方法。
  7. 前記単量体(3)が、下記一般式(3a)で表される基、下記一般式(3b)で表される基、及び下記式(3c)で表される基からなる群より選択される少なくとも1種のアルカリ可溶性基を有する単量体である請求項6に記載の重合体の製造方法。
    Figure 2011168691
    (上記一般式(3a)中、Rfは、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子置換された炭素数1〜10の炭化水素基を示し、上記一般式(3b)中、Rfは、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子置換された、メチレン基又は炭素数2〜20のアルキレン基を示す。)
  8. 前記単量体(3)が、下記一般式(3−1)で表される単量体(3−1)である請求項6又は7に記載の重合体の製造方法。
    Figure 2011168691
    (上記一般式(3−1)中、R11は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、トリフルオロメチル基、又はヒドロキシメチル基を示し、R12は、2価の有機基を示す。)
  9. 前記単量体成分がアルカリ反応性基を有する単量体(4)(前記単量体(1)を除く。)を更に含有する請求項1〜8のいずれか一項に記載の重合体の製造方法。
  10. 前記単量体(4)が、下記一般式(4−1)〜(4−7)で表される単量体からなる群より選択される少なくとも1種である請求項9に記載の重合体の製造方法。
    Figure 2011168691
    (上記一般式(4−1)〜(4−6)中、R13は、それぞれ独立に、水素原子、又はメチル基を示す。上記一般式(4−1)中、R14は、水素原子、又は置換されていても良い炭素数1〜4のアルキル基を示し、lは1〜3の整数を示す。上記一般式(4−2)及び(4−3)中、Aは、それぞれ独立に、単結合、エーテル基、エステル基、カルボニル基、炭素数1〜30の2価の鎖状炭化水素基、炭素数3〜30の2価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜30の2価の芳香族炭化水素基、又はこれらを組み合わせた2価の基を示し、mは、それぞれ独立に、0又は1を示す。上記一般式(4−3)及び(4−5)中、Bは、それぞれ独立に、酸素原子、又はメチレン基を示す。上記一般式(4−4)及び(4−5)中、R15は、それぞれ独立に、水素原子、又はメトキシ基を示す。上記一般式(4−7)中、R16は、水素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基を示し、複数のR17は、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜5の鎖状炭化水素基を示し、nは2〜4の整数を示す。)
  11. 前記単量体(1)が、下記一般式(1−1)で表される単量体(1−1)である請求項1〜10のいずれか一項に記載の重合体の製造方法。
    Figure 2011168691
    (上記一般式(1−1)中、R18及びR20は、それぞれ独立に、フッ素原子、又はトリフルオロメチル基を示し、R21は、水素原子、又は1価の有機基を示し、2つのR19は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1−トリフルオロメチルエチル基、又は3,3,3−トリフルオロプロピル基を示す。但し、2つのR19が相互に結合して、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、又はシクロヘプチレン基を形成していても良い。)
  12. 前記溶媒(S)が、プロピレングリコールの誘導体、又はエチレングリコールの誘導体である請求項1〜11のいずれか一項に記載の重合体の製造方法。
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