JP2011162320A - プリント装置の給紙ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】プリント媒体の重送を良好に抑制し得る給紙ユニットを構成する。
【解決手段】シート状のプリント媒体Pの上面に接触して搬出方向に搬送力を作用させるピックアップローラ56と、これに対向する位置でプリント媒体Pの下面側に抵抗力を作用させるフリクションローラ51とを備え、搬出対象のプリント媒体Pの下面に接触する水平姿勢のガイド壁60とを備えている。このガイド壁60の上面でフリクションローラ51を基準にして搬出方向の下流位置に重送防止パッド61を貼着した。
【選択図】図16
【解決手段】シート状のプリント媒体Pの上面に接触して搬出方向に搬送力を作用させるピックアップローラ56と、これに対向する位置でプリント媒体Pの下面側に抵抗力を作用させるフリクションローラ51とを備え、搬出対象のプリント媒体Pの下面に接触する水平姿勢のガイド壁60とを備えている。このガイド壁60の上面でフリクションローラ51を基準にして搬出方向の下流位置に重送防止パッド61を貼着した。
【選択図】図16
Description
本発明は、シート状のプリント媒体を積層状態で収容するプリント装置の給紙ユニットに関し、詳しくは、プリント媒体の重送を防止する技術に関する。
上記のように構成されたプリント装置の給紙ユニットとして特許文献1には、給紙ローラ5を回動させることで摩擦部材6を有した捌き台7を、給紙ローラ5と対向するまで回動させ、この後に、押上板9を回動させる点が記載されている。そして、捌き台7の回動により押上板9に載置されている用紙P(本発明のプリント媒体)の下面に摩擦部材6を接触させた状態で給紙ローラ5の紙送り部5aを、その用紙Pに押し当て1枚目の用紙Pの引き出しを行うと同時に、次の用紙Pを摩擦部材6に当接させて引き留めることにより重送を抑制する点が記載されている。
この特許文献1では、次に、用紙Pが給紙ローラ5に接触した状態で引き出しが開始された後には、押上板9を下げ、給紙ローラ5が更に回転してホームポジションで停止し、回動バネ11によって捌き台7を回動させる作動が行われる。
また、特許文献2には、給紙トレイ3の端部位置にゴム等で成る給紙ローラ13と、これに対向する位置において給紙ローラ13の摩擦係数より小さい摩擦係数の材料で成る摩擦パッド7とを備えた構成が示されている。
この特許文献2では、シート材S(本発明のプリント媒体)を積載する載置板1が支軸2a周りで回動自在に支持され、加圧ばね3により上方に付勢され、支軸5a周りで回動自在に支持された支持部材5に分離パッド4が備えられている。支持部材5を押圧する回転型のカム6を備え、分離パッド4の上側には給紙回転体15が配置され、回転型のカム6によって分離パッド4が押し下げられた際に露出する位置に重送防止部材13aを備えている。
この特許文献2では、シート材Sを載置板1に載置する際には分離パッド4と載置板1とが下降した位置にあり、これにより分離パッド4と給紙回転体15とは離間した位置関係にある。アクチュエータ31aを作動させることにより、カム6と給紙回転体15とが回転を開始し、載置板1が上方に向けて回動し、給紙回転15によってシートSの給紙が開始される。この後、載置板1と分離パッド4とが下方に押し下げられ、シートSに連れ送られたシート材Sが重送防止部材13aに係止され重送が防止される。
この種の給紙ユニットでは、積層状態のプリント媒体から1枚のプリント媒体を引き出す作動を行うことが重要であり、特許文献1、特許文献2では、搬出用のローラによってプリント媒体の搬出を行う際には、搬出用のローラで搬出されるプリント媒体の下側にプリント媒体が付着していると、搬出用のローラと対向する位置のパッドから下側のプリント媒体に抵抗を作用させて重送を抑制することになる。
しかしながら、プリント媒体の搬出時に、上面に搬出用のローラを接触させ、下面に摩擦力を作用させるパッドを接触させるものでは、搬出対象のプリント媒体の下側に付着したプリント媒体がパッドの部位を通過してしまった場合には、そのプリント媒体の分離が困難であり、改善の余地があった。
特に、給紙ユニットは、片面プリント用のプリント媒体と、両面プリント用のプリント媒体との何れもセットされることがあり、しかも、プリント媒体の表面の状態が異なるものや、媒体の厚さが異なるものがセットされることもあり、このような多様な性質のプリント媒体の何れを使用する場合にも重送を確実に抑制する技術が望まれている。
本発明の目的は、プリント媒体の重送を良好に防止し得る給紙ユニットを合理的に構成する点にある。
本発明の特徴は、シート状のプリント媒体を積層状態で収容するプリント装置の給紙ユニットであって、
前記プリント媒体を積層状態で載置する載置板と、この載置板に載置されたプリント媒体の上面に接触して搬出力を作用させるピックアップローラと、このピックアップローラの下側の対向する位置において前記プリント媒体の下面に付着するプリント媒体の下面に接触して摩擦力を作用させる、又は、このプリント媒体の先端に接当して移動を阻止するフリクション部材と、前記ピックアップローラで搬出される前記プリント媒体の下面側を案内するガイド壁とが備えられると共に、
前記フリクション部材が、前記ピックアップローラによって前記プリント媒体の搬出開始時には前記ガイド壁より上方に突出し、搬出の開始後には前記ガイド壁より下降する作動を行うものであり、
前記フリクション部材を基準にして前記プリント媒体の搬出方向の下流側位置で、前記ガイド壁の上面に重送防止用の重送防止パッドを備えている点にある。
前記プリント媒体を積層状態で載置する載置板と、この載置板に載置されたプリント媒体の上面に接触して搬出力を作用させるピックアップローラと、このピックアップローラの下側の対向する位置において前記プリント媒体の下面に付着するプリント媒体の下面に接触して摩擦力を作用させる、又は、このプリント媒体の先端に接当して移動を阻止するフリクション部材と、前記ピックアップローラで搬出される前記プリント媒体の下面側を案内するガイド壁とが備えられると共に、
前記フリクション部材が、前記ピックアップローラによって前記プリント媒体の搬出開始時には前記ガイド壁より上方に突出し、搬出の開始後には前記ガイド壁より下降する作動を行うものであり、
前記フリクション部材を基準にして前記プリント媒体の搬出方向の下流側位置で、前記ガイド壁の上面に重送防止用の重送防止パッドを備えている点にある。
この構成によると、搬出対象とするプリント媒体の下面に付着するプリント媒体が存在し、そのプリント媒体がフリクション部材の位置を通過した場合には、ガイド壁の上面に備えた重送防止パッドから抵抗を作用させ、上側のプリント媒体から分離を行う。特に、プリント媒体の搬出が開始された後に、フリクション部材が重送防止パッドの下側に変位した場合にも、この重送防止パッドから抵抗力を作用し続けることになり搬出対象とするプリント媒体の下面に付着しているプリント媒体を良好に分離する。
その結果、プリント媒体の重送を良好に防止し得る給紙ユニットが構成された。
その結果、プリント媒体の重送を良好に防止し得る給紙ユニットが構成された。
本発明は、前記ガイド壁に前記フリクション部材を配置する開口が形成され、前記重送防止パッドは、前記プリント媒体の搬送方向と直交する方向での前記フリクション部材の幅より短い横幅寸法であり、前記開口に隣接する位置に対して前記ガイド壁の上面に突出する形態で貼着されても良い。これによると、搬出対象とするプリント媒体の下面に付着するプリント媒体は、ガイド壁の上面に沿って搬出方向に移動する際に、重送防止パッドの突出部分に接当する、あるいは、突出部分の上面に接触することになり、この重送防止パッドの部位を通過する際には重送防止パッドから作用する摩擦力により移動を阻止され、搬出対象とするプリント媒体から分離される。
本発明は、前記載置板が、前記プリント媒体を載置した状態で、前記プリント媒体の搬出方向の下流側となる搬出側端部を上下に移動させるように水平姿勢の軸芯周りで揺動自在に支持され、この載置板は、前記プリント媒体の搬出開始の後に前記搬出側端部を下方に移動させる作動を行っても良い。これによると、プリント媒体の搬出を開始した後に、載置板の搬出側端部が下方に移動することにより、搬出対象とするプリント媒体と、その下側のプリント媒体との分離を促すものとなり重送を抑制する。
本発明は、前記フリクション部材が、前記プリント媒体の搬出方向への回転作動に摩擦力を作用させ、逆方向への回転に作用する摩擦力を低減するフリクションローラとして構成され、前記ピックアップローラは、正転方向への回転によりプリント媒体の搬出を開始した後に、逆転方向への回転により前記プリント媒体を一時的に逆方向に送る作動を行っても良い。これによると、プリント媒体の搬出時にはピックアップローラを搬出方向に回転作動させた際に、搬出対象とするプリント媒体の下面に付着するプリント媒体が存在する場合には、そのプリント媒体に対してフリクションローラから抵抗力を作用させて分離を促し、また、ピックアップローラを逆方向へ回転させた場合にはフリクションローラの回転することにより、搬出対象とするプリント媒体の下面に付着するプリント媒体が存在する場合には、そのプリント媒体を載置板に戻すことが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔全体構成〕
図1〜図3に示すように、プリント装置本体Aの前部位置に給紙ユニットBと、回収ユニットCとを備えると共に、プリント装置本体Aの内部に給紙ユニットBから搬出されたシート状のプリント媒体Pにインクを吐出して画像情報や文字情報等をプリントするプリント部Dと、プリント後のプリント媒体Pの切断を行う切断部Eと、プリント媒体Pに乾燥空気を吹き付けてプリント媒体Pを乾燥させる乾燥部Fと、乾燥後のプリント媒体Pを回収ユニットCまで搬送する搬送ユニットGと、人為的に供給されたプリント媒体Pのプリントを実現する補助搬送ユニットHとを備えてプリント装置が構成されている。
〔全体構成〕
図1〜図3に示すように、プリント装置本体Aの前部位置に給紙ユニットBと、回収ユニットCとを備えると共に、プリント装置本体Aの内部に給紙ユニットBから搬出されたシート状のプリント媒体Pにインクを吐出して画像情報や文字情報等をプリントするプリント部Dと、プリント後のプリント媒体Pの切断を行う切断部Eと、プリント媒体Pに乾燥空気を吹き付けてプリント媒体Pを乾燥させる乾燥部Fと、乾燥後のプリント媒体Pを回収ユニットCまで搬送する搬送ユニットGと、人為的に供給されたプリント媒体Pのプリントを実現する補助搬送ユニットHとを備えてプリント装置が構成されている。
このプリント装置では、プリント装置本体Aの前面側の下部に複数のインクカートリッジ1の収容部2と、切断部Eにおいて切断されたプリント媒体Pの切断片を回収するようにドロワー状の回収容器3とが配置されている。また、プリント装置本体Aの上面にはプリント媒体Pを人為的に供給するためのスリット状の手差開口4が形成されている。また、プリント装置本体Aの内部にはプリント媒体Pの搬送を行い、プリント部Dにおいてプリントを行う等の各種処理を実現するようにマイクロプロセッサを有した制御装置5を備えている。
〔装置本体各部の構成の詳細〕
プリント部Dは、プリント媒体Pの先端位置を検出するペーパーセンサ10と、プリント媒体Pの搬送方向の上流側及び下流側の2箇所においてプリント媒体Pに圧着して搬送力を作用させるアドバンスローラ11と、このアドバンスローラ11を駆動する電動モータ(図示せず)とを備えている。また、このプリント部Dでは2箇所のアドバンスローラ11の中間位置で、プリント媒体Pの搬送経路の下側に配置された基準プレート12と、この基準プレート12の上方においてプリント媒体Pの搬送方向と直交する主走査方向に往復作動する2つのプリントヘッド13と、基準プレート12に形成された多数の開口(図示せず)を介して基準プレート12上のプリント媒体Pに負圧を作用させる吸引ユニット14とを備えている。
プリント部Dは、プリント媒体Pの先端位置を検出するペーパーセンサ10と、プリント媒体Pの搬送方向の上流側及び下流側の2箇所においてプリント媒体Pに圧着して搬送力を作用させるアドバンスローラ11と、このアドバンスローラ11を駆動する電動モータ(図示せず)とを備えている。また、このプリント部Dでは2箇所のアドバンスローラ11の中間位置で、プリント媒体Pの搬送経路の下側に配置された基準プレート12と、この基準プレート12の上方においてプリント媒体Pの搬送方向と直交する主走査方向に往復作動する2つのプリントヘッド13と、基準プレート12に形成された多数の開口(図示せず)を介して基準プレート12上のプリント媒体Pに負圧を作用させる吸引ユニット14とを備えている。
このプリント部Dでは、アドバンスローラ11で搬送されるプリント媒体Pを、吸引ユニット14から作用する負圧により基準プレート12の上面に密着させる。この密着状態でプリントヘッド13を主走査方向に往復作動させ、この往復作動と同期してプリント媒体Pの上面にインクを吐出し、そのプリント媒体Pに画像情報や文字情報等のプリント処理を実現する。
切断部Eは、プリント媒体Pの搬送方向と直交する姿勢となる上刃16と下刃17を剪断位置関係に配置すると共に、下刃17を駆動する電動モータ(図示せず)と、切断位置のマーキングを光学的に検出するセンサ(図示せず)と、切断されたプリント媒体片を落下方向に案内するガイド筒18とを備えている。
この切断部Eでは、センサによってプリント媒体Pの前端側あるいは後端側にプリントされた切断位置を示すマーキングを検出すると、下刃17を上方に向けて作動させることにより、プリント媒体Pの一部の切り離しが行われる。このように切り離されたプリント媒体片はガイド筒18で下方に案内され、回収容器3で回収される。この回収容器3は上方が開放したドロワー状の構造を有しており、プリント装置本体Aの前方に引き出すことにより、回収したプリント媒体片の廃棄を行える。
切断作動として、上刃16を下方に作動させるものであっても良く、また、単一のカッター刃をプリント媒体Pの幅方向に直線的に作動させることでプリント媒体Pの切断を行う構造のものであっても良い。尚、この切断は常に行われるものではなく、プリント形態に応じて実行される。
乾燥部Fは、プリント媒体Pの搬送方向の上流側と下流側との2箇所においてプリント媒体Pに圧着して搬送力を作用させる乾燥搬送ローラ20と、この乾燥搬送ローラ20を駆動する電動モータ(図示せず)を備えると共に、この2箇所の乾燥搬送ローラ20の中間位置で、プリント媒体Pの搬送経路の上側から乾燥風をプリント媒体Pに吹き付けるブロワー21を備えている。
搬送ユニットGは、プリント媒体Pを搬送する複数の圧着型の搬送ローラ24と、プリント媒体Pをガイドするガイドプレート25と、この複数の搬送ローラ24で搬送されたプリント媒体Pを回収ユニットCに送り出す圧着型の排出ローラ26と、プリント媒体Pの搬送方向で排出ローラ26の上流位置に配置された排出ガイドプレート27とを備えている。
図面には示していないが、複数の搬送ローラ24は電動モータ(図示せず)によって同期駆動され、排出ローラ26は専用の電動モータ(図示せず)によって駆動される。この構成から、この搬送ユニットGでは、乾燥部Fから後方側に送り出されたプリント媒体Pを上方に搬送し、この後、前方に向けて水平に搬送し、排出ローラ26から回収ユニットCに排出する搬送が行われる。
補助搬送ユニットHは、搬送ユニットGの排出ローラ26と排出ガイドプレート27とを備えており、手差開口4に人為的に挿入されたプリント媒体Pをプリント部Dに直接的に送り込む機能を有している。この補助搬送ユニットHは、排出ローラ26と排出ガイドプレート27とを備えると共に、これより搬送方向の下流側に縦ガイドプレート28と、供給ローラ29とを備えている。このような搬送を実現するため排出ローラ26と排出ガイドプレート27とは排出ローラ26の一方の軸芯を中心として揺動する。
この構成から、補助搬送ユニットHを利用してプリント処理を実行する場合には、縦方向にプリント媒体Pを搬送するように排出ローラ26と排出ガイドプレート27とを揺動させ、排出ローラ26と、供給ローラ29とを駆動し、手差開口4からプリント媒体Pを供給する操作が行われる。これにより排出ローラ26、排出ガイドプレート27、縦ガイドプレート28、供給ローラ29夫々に対してプリント媒体Pが順次搬送され、プリント部Dにおいてプリント処理が実現する。
このプリント装置では、プリント媒体Pの両面のプリントも可能に構成されている。つまり、両面のプリントを行う場合には、給紙ユニットBから搬出されたプリント媒体Pをプリント部Dでプリントを行い、切断部Eでの切断処理等を行った後、プリント媒体Pの後端が排出ローラ26の部位に達するまで搬送ユニットGでの搬送を行う。次に、補助搬送ユニットHにプリント媒体Pを送り込む方向に排出ローラ26と排出ガイドプレート27とを揺動させ、排出ローラ26を逆転させることによりプリント媒体Pをプリント部Dに供給することで裏面側のプリントを実現する。
回収ユニットCは、本体ケースの前面から前方に突出する形態で着脱自在に備えられたトレイ状容器31で構成されている。また、この回収ユニットCの上部位置にはプリント媒体Pの載置が可能なラック板32を備えている。
〔給紙ユニット〕
図3〜図7に示すように、給紙ユニットBは、プリント装置のプリント装置本体Aに対して着脱自在なカセットとして構成されている。この給紙ユニットBは、プリント媒体Pの搬出側の端部(以下、搬出側端部と称する)のレベルに対して反搬出側の端部(以下、反搬出側端部と称する)のレベルが少し高くなるように全体的に傾斜する姿勢でプリント装置本体Aに連結される。
図3〜図7に示すように、給紙ユニットBは、プリント装置のプリント装置本体Aに対して着脱自在なカセットとして構成されている。この給紙ユニットBは、プリント媒体Pの搬出側の端部(以下、搬出側端部と称する)のレベルに対して反搬出側の端部(以下、反搬出側端部と称する)のレベルが少し高くなるように全体的に傾斜する姿勢でプリント装置本体Aに連結される。
この給紙ユニットBは、樹脂で成る下部ケース41と、この下部ケース41のプリント媒体Pの搬出側端部の上部を覆うように樹脂で成る上部ケース42と、この上部ケース42の反搬出側端部に対して開閉自在に支持された透明な樹脂で成る開閉ケース43とを備えることにより密封構造となるケースBcを構成している。
ケースBcは、上部ケース42と開閉ケース43とを横向き姿勢のヒンジ軸44で揺動自在に連結しており、開閉ケース43の上面にはオペレータが持ち運ぶ際等に握るハンドル45が備えられ、この開閉ケース43と下部ケース41との間には開閉ケース43を閉じ姿勢に固定するバックル46を備えている。
このケースBcでは、収容したプリント媒体Pを搬出するスリット状の搬出口47が下部ケース41と上部ケース42と間に形成されている。また、下部ケース41のうち搬出側端部の壁部には、収容されているプリント媒体Pのサイズや種類等の情報がセットされるIDプレート48が備えられると共に、プリント装置本体Aに備えた操作アーム87が挿通する操作開口49と、プリント装置本体Aに突設された操作ロッド35が挿通する操作孔36とが形成されている。
操作開口49には閉塞姿勢に付勢されたシャッター50を備えており、給紙ユニットBをプリント装置本体Aに連結した場合には、操作ロッド35の押圧力によってシャッター50が開放し、このようにシャッター50が開放した操作開口49に対して操作アーム87が挿通する。このようにシャッター50が開放することにより、操作開口49がプリント装置本体AのケースBcの内部に対する空気の流通を許す通気口としても機能する。
給紙ユニットBがプリント装置本体Aから取り外された場合には、バネ付勢力によりシャッター50が操作開口49を閉じ、ケースBcが密封状態となり、後述する載置板55の搬出側端部が下端位置に維持される姿勢にロックされる(これらの作動形態は、後述する)。IDプレート48は、複数のDIPスイッチ状の作動片を備えており、プリント媒体Pのサイズ、プリント媒体Pの種類等に対応して作動片の位置が設定される。この操作位置をプリント装置本体Aに備えたセンサ(図示せず)で検出することにより、ケースBcに収容されたプリント媒体Pのサイズやペーパー種等がプリント装置本体Aで把握される。
〔給紙ユニット:載置板〕
このケースBcの内部にはシート状のプリント媒体Pを積層状態で載置し、水平姿勢の軸芯X周りで揺動自在となる載置板55を備え、この載置板55に積層状態にある最上部のプリント媒体Pの上面に接触して搬出力を作用させるピックアップローラ56を備え、ピックアップローラ56によって搬出されるプリント媒体Pの下面を案内するガイド壁60を備えている。ガイド壁60から下方に向け、軸芯Xを中心とした載置板55の搬出側端部の移動軌跡に沿うように側面視において円弧状となる規制壁62が形成されている。尚、ガイド壁60の上面で幅方向の両端側にはプリント媒体Pの搬出を円滑に行うため摩擦係数が小さい樹脂膜60Mが形成されている。また、図面には示していないが規制壁62のうち載置板55に向かう面のうち、幅方向の両端側にはプリント媒体Pの端面の上下方向への円滑な移動を行うため前述した樹脂膜60Mと同様に摩擦係数が小さい樹脂膜が形成されている。
このケースBcの内部にはシート状のプリント媒体Pを積層状態で載置し、水平姿勢の軸芯X周りで揺動自在となる載置板55を備え、この載置板55に積層状態にある最上部のプリント媒体Pの上面に接触して搬出力を作用させるピックアップローラ56を備え、ピックアップローラ56によって搬出されるプリント媒体Pの下面を案内するガイド壁60を備えている。ガイド壁60から下方に向け、軸芯Xを中心とした載置板55の搬出側端部の移動軌跡に沿うように側面視において円弧状となる規制壁62が形成されている。尚、ガイド壁60の上面で幅方向の両端側にはプリント媒体Pの搬出を円滑に行うため摩擦係数が小さい樹脂膜60Mが形成されている。また、図面には示していないが規制壁62のうち載置板55に向かう面のうち、幅方向の両端側にはプリント媒体Pの端面の上下方向への円滑な移動を行うため前述した樹脂膜60Mと同様に摩擦係数が小さい樹脂膜が形成されている。
載置板55の下面側で、プリント媒体Pの搬出方向で載置板55の中央位置に前記軸芯Xと同軸芯となる支軸63が備えられている。この支軸63の両端部を下部ケース41に支持することにより軸芯X周りで載置板55の搬出側端部の上下方向への移動が可能となる。この載置板55の搬出側端部の近傍には、搬出側端部を持ち上げる方向に付勢力を作用させるリフトスプリング64を備えている。
載置板55の上面には、プリント媒体Pの反搬出側端部の位置を決める位置規制体65とプリント媒体Pの幅方向の端部の位置を規制する左右一対のガイド体66とを備えている。位置規制体65は、図7に示すように金属板を屈曲成形して成り、プリント媒体Pの搬出方向に沿う方向に移動自在に載置板55に支持されている。ガイド体66は載置板55に対して垂直姿勢に設定され、プリント媒体Pの搬出方向と直交する方向(幅方向)に移動自在に載置板55に支持されている。
載置板55の下面側には、左右一対のガイド体66を互いに逆方向に移動させるガイド幅調節機構Wが備えられている。図5、図6に示すように、ガイド幅調節機構Wは載置板55の端部に備えた回転操作型のノブ67と、このノブ67の回転力で回転操作される一対のネジ軸68と、一対のネジ軸68を連動回転させるタイミングベルト69とを備えている。更に、ネジ軸68の右ネジ部68Sに螺合するナット68N、ネジ軸68の左ネジ部68Tに螺合するナット68Nと、夫々のナット68Nを支持する一対のスライダー70を備え、夫々のスライダー70にはガイド体66に連結する連結体70Aが形成されている。
載置板55には連結体70Aが挿通するスリット55Sがプリント媒体Pの幅方向に沿って形成され、このスリット55Sに対して前記連結体70Aが挿通する。これにより、ノブ67を回転操作することにより、一対のネジ軸68が同じ方向に回転し、夫々のネジ軸68の右ネジ部68Sに螺合するナット68Nからの移動力と、左ネジ部68Tに螺合するナット68Nからの移動力がスライダー70に対して互いに逆方向に作用する。その結果、このスライダー70と連結体70Aを介して連結するガイド体66が互いに逆方向に移動し、このガイド体66をプリント媒体Pの幅に対応した位置にセットできる。
載置板55の幅方向での中央位置には位置規制体65のベース部65Bが挿入されるガイド溝55Aと、ベース部65Bの浮き上がりを防止するようにガイド溝55Aに沿って複数形成された浮き上がり防止片55Bと、ガイド溝55Aの幅方向での中央において搬出方向に連続的に形成された多数のロック溝55Cとが形成されている。
位置規制体65は、載置板55の載置面に対して傾斜する姿勢のプレート状の本体65Aを備え、ガイド溝55Aに沿って移動自在かつ、浮き上がりを抑制する状態で支持されるベース部65Bを備え、上下方向に作動自在なロック体65Cを備えている。このロック体65Cを多数のロック溝55Cの何れか1つに係合させることでロック状態に達し、プリント媒体Pのサイズに対応した位置でロックすることが可能となる。
載置板55の搬出側端部の上面で幅方向の中央位置には、ゴムや樹脂で成る膜状の摩擦材55Fが備えられ、載置板55に載置されたプリント媒体Pの残量が2枚となり、上層のプリント媒体Pを搬出する際に、このプリント媒体Pの下面に下層のプリント媒体Pが付着して搬出されようとする場合でも、付着状態のプリント媒体Pの下面側に摩擦材55Fから摩擦力を作用させて重送を阻止する。この重送は、A4サイズのように、搬出方向の寸法が長いプリント媒体Pに多く発生する。つまり、搬出方向での寸法が長い場合ものでは、ピックアップローラ56で搬出されるプリント媒体Pの下面が、この下側のプリント媒体Pの先端側の上面に長時間接触することになり、この接触により摩擦力や、静電気等により重送を招いていたのである。
〔給紙ユニット:搬出手段・摩擦力作用手段〕
搬出手段として構成されるピックアップローラ56の下側にはプリント媒体Pの下面に接触することにより回転しながら摩擦力を作用させる(回転しない状態で摩擦力を作用させても良い)フリクションローラ51(フリクション部材の一例)と、摩擦パッド52と、案内体としてのガイドローラ53とを備え、更に、フリクションローラ51を基準にして搬出方向の下流位置で、フリクションローラ51の幅方向(軸芯に沿う方向)で中央位置には図15、図16に示すように単一の重送防止パッド61を備えている。このフリクションローラ51と摩擦パッド52と重送防止パッド61とで摩擦力作用手段が構成されている。特に、フリクションローラ51は、プリント媒体Pの下面に付着するプリント媒体Pの搬出を阻止する機能(重送を防止する機能)を有する。つまり、ピックアップローラ56によって搬出力が作用するプリント媒体Pの下面にプリント媒体Pが付着している場合には、そのプリント媒体Pの下面にフリクションローラ51が接触して摩擦力を作用させて重送を防止する。また、搬出力が作用するプリント媒体Pの下面にプリント媒体Pが付着している場合には、そのプリント媒体Pの先端がフリクションローラ51の部位に達した時点で、そのプリント媒体Pの先端にフリクションローラ51が接当することで移動を阻止して重送を防止する。
搬出手段として構成されるピックアップローラ56の下側にはプリント媒体Pの下面に接触することにより回転しながら摩擦力を作用させる(回転しない状態で摩擦力を作用させても良い)フリクションローラ51(フリクション部材の一例)と、摩擦パッド52と、案内体としてのガイドローラ53とを備え、更に、フリクションローラ51を基準にして搬出方向の下流位置で、フリクションローラ51の幅方向(軸芯に沿う方向)で中央位置には図15、図16に示すように単一の重送防止パッド61を備えている。このフリクションローラ51と摩擦パッド52と重送防止パッド61とで摩擦力作用手段が構成されている。特に、フリクションローラ51は、プリント媒体Pの下面に付着するプリント媒体Pの搬出を阻止する機能(重送を防止する機能)を有する。つまり、ピックアップローラ56によって搬出力が作用するプリント媒体Pの下面にプリント媒体Pが付着している場合には、そのプリント媒体Pの下面にフリクションローラ51が接触して摩擦力を作用させて重送を防止する。また、搬出力が作用するプリント媒体Pの下面にプリント媒体Pが付着している場合には、そのプリント媒体Pの先端がフリクションローラ51の部位に達した時点で、そのプリント媒体Pの先端にフリクションローラ51が接当することで移動を阻止して重送を防止する。
ガイド壁60のプリント媒体Pの搬出方向の上流側の端部には開口60Aが形成され、この開口60Aの内部で、このガイド壁60と規制壁62との境界部分(側面視で角となる部分)にフリクションローラ51が配置されている。このフリクションローラ51は軸体51aを介して回転自在にシフトフレームSFに支持されている。フリクションローラ51と軸体51aとの間には、プリント媒体Pの搬出方向への移動時における回転に対して摩擦力を作用させ、かつ、プリント媒体Pの反搬出方向への移動時に軽く回転させるように一方向クラッチを有する摩擦力付与機構51bを備えている。
前述した重送防止パッド61は、フリクションローラ51の幅(プリント媒体Pの搬送方向と直交する方向での長さ)より短い横幅寸法であり、プリント媒体Pの厚さより大きい厚さとなるサイズの素材が用いられている。この重送防止パッド61は、ガイド壁60の上面で開口60Aに隣接する位置に対してガイド壁60の上面に突出する形態となるように、例えば、貼着され(リベットやビスで固定されても良い)、この貼着位置は、プリント媒体Pの搬出方向でフリクションローラ51の下流側で、このフリクションローラ51の幅方向での中央位置の延長上に配置されている。
後述するようにフリクションローラ51は、その外周がガイド壁60の上面より上方に突出する状態と、ガイド壁60より下方に退入する状態とに作動するものであり、フリクションローラ51が突出した際のガイド壁60の上面から上方への突出量より、前述した重送防止パッド61の突出量が小さく設定されている。特に、ピックアップローラ56とフリクションローラ51とで圧着状態で搬出されるプリント媒体Pの搬出方向が、その搬出方向の下流側ほど上方に向かう方向(ガイド壁60から離間する方向)に設定されている。このような構成から、ピックアップローラ56で搬出されるプリント媒体Pの下面にプリント媒体Pが付着していない(重送が発生していない)場合には、そのプリント媒体Pが重送防止パッド61の上面より高いレベルに送られることになり、重送防止パッド61に接当せず搬送不良を招くことなく搬出を行えるようにしている。尚、搬送不良を招かない要因としてプリント媒体Pの腰の強さ(曲げ剛性)がある程度必要であり、給紙ユニットBには先端部が垂れ下がらない所定の腰の強さのプリント媒体Pが収容される。
ピックアップローラ56の外周部と、フリクションローラ51の外周部と、摩擦パッド52とはゴムやウレタン樹脂等の摩擦係数が大きい素材で形成され、ガイドローラ53は外周面が平滑でゴムやウレタン樹脂より硬質の樹脂で形成されている。そして、ピックアップローラ56の摩擦係数より、フリクションローラ51の摩擦係数が小さく設定されている。また、案内体として、ガイドローラ53のように回転する部材を必ずしも用いる必要はなく、例えば、円滑な表面で摩擦係数が小さい樹脂や金属を用いても良い。
摩擦パッド52とガイドローラ53とは、ブラケット54に支持される状態でフリクションローラ51を軸芯方向から挟む位置に振り分け配置され、このブラケットはシフトフレームSFに対して着脱自在に備えられている。ブラケット54は、フリクションローラ51が配置される凹状空間54Aが上端の中央位置を切り欠く形態で形成され、この側部(フリクションローラ51の軸芯方向で隣接する位置)に摩擦パッド52が配置されている。更に、軸芯方向で外方位置のスリット部54Bにガイドローラ53を嵌め込む状態で、ガイド軸53Aに対して遊転支承される形態で備えられている。これにより摩擦パッド52はフリクションローラ51を軸芯方向から挟み込む位置に配置され、軸芯方向で摩擦パッド52より外側(反フリクションローラ側)で、摩擦パッド52に近接する位置にガイドローラ53が配置される。
フリクションローラ51がプリント媒体Pの下面に接触する位置を第1接触レベルL1と称し、摩擦パッド52がプリント媒体Pの下面に接触する位置を第2接触レベルL2と称し、ガイドローラ53がプリント媒体Pの下面に接触する位置を第3接触レベルL3と称すると、第1接触レベルL1より、第2接触レベルL2が高く設定され、この第2接触レベルL2より第3接触レベルL3が高く設定されている。
また、摩擦パッド52の上面のうち、フリクションローラ51に近い部位が、フリクションローラ51に近い位置ほど低くなる傾斜面52Tとして成形され、摩擦パッド52の外縁が前記ガイドローラ53の外周を基準にしてプリント媒体Pの搬出方向の上流側に突出する形状となる突設部52Fが形成されている。摩擦パッド52とガイドローラ53とは前記ピックアップローラ56とフリクションローラ51とでプリント媒体Pを圧着する位置より搬出方向の上流位置に配置されている。
このように、摩擦力作用手段が構成されているので、載置板55に載置されたプリント媒体Pの搬出時にはピックアップローラ56とフリクションローラ51とで圧着される位置に達する以前にプリント媒体Pの下面側が摩擦パッド52の突設部52Fに接触することから、プリント媒体Pの下面にプリント媒体Pが付着している場合には摩擦パッド52の突設部52Fからの摩擦力によって付着しているプリント媒体Pの分離を行い、最上部の1枚だけをピックアップローラ56とフリクションローラ51との間に供給することが可能となる。
この後、ピックアップローラ56とフリクションローラ51とで圧着される位置に達した際には、図9及び図10に示す如く、プリント媒体Pの幅方向での中央を最も低いレベルにして搬出力が作用し、これより外側が摩擦パッド52とガイドローラ53とで持ち上げられ、これより更に外側がプリント媒体Pの自重によって垂れ下がる滑らかな凹状となる。このような形状にあっても、左右のガイドローラ53がプリント媒体Pの下面に接触することにより、左右の摩擦パッド52の上面がプリント媒体Pに強く接触する現象を抑制しながらプリント媒体Pの下面に摩擦抵抗を作用させることになり、仮にプリント媒体Pの下面にプリント媒体Pが付着している場合でも、付着しているプリント媒体Pの下面に摩擦パッド52から摩擦力を作用させて分離を促進する。特に、摩擦パッド52に形成された傾斜面52Tがフリクションローラ51に近い部位が低くなる傾斜面に形成されているので、摩擦パッド52の角部がプリント媒体Pの下面側に強く接触する現象を回避できる。これにより、ピックアップローラ56とフリクションローラ51とで圧着される部位においてプリント媒体Pに仮に重送が発生していても、搬送対象のプリント媒体Pの下面に付着しているプリント媒体Pを最上部のプリント媒体Pから効率的に分離できる。
尚、給紙ユニットBをプリント装置本体Aに連結した状態でガイド壁60の上面が水平姿勢となるように、このガイド壁60と給紙ユニットBのケースBcとの相対的な姿勢が設定されている。そして、このガイド壁60の上面に案内される形態で搬出口47から水平方向に搬出されたプリント媒体Pを圧着する位置に上流側のアドバンスローラ11が配置されている。
ピックアップローラ56は、下部ケース41に遊転支承された金属製のローラ軸57と一体回転する筒状体の外周に対して前述したように、ゴムや樹脂材料のように摩擦係数が大きい素材を設けた構造を有しており、ローラ軸57の端部にはローラ軸57と一体回転する入力ギヤ58が備えられている。
図4に示すように、給紙ユニットBをプリント装置本体Aに連結した際に、入力ギヤ58に咬合する駆動ギヤ59をプリント装置本体Aに備えており、この駆動ギヤ59は電動型の給紙モータM1によって駆動される。
ガイド壁60の上方に対向する位置に開閉板82が横向き姿勢の開閉軸82A周りで揺動自在に支持され、この開閉板82を揺動する中間揺動体83がガイド壁60の下側に横向き姿勢の中間軸84周りに揺動自在に支持されている。この中間揺動体83の幅方向の両端位置には上方に向かう姿勢で一対の突出片83Aが形成され、この中間揺動体83が回動ブロック75(次に説明する)の回動と連係して揺動することにより、シャッター50が開放し、シャッター50が開放する状態では開閉板82を開放姿勢に維持する。
〔シャッターと摩擦パッドの作動構造〕
図8、図11〜図13に示すように、載置板55には、給紙ユニットBの搬出側端部の方向に向けて延出し、載置板55と一体的に揺動する作動アーム71を備え、この作動アーム71の揺動端には軸芯Xと平行姿勢となる軸部71Aが形成され、この軸部71Aに回転自在に遊嵌したローラで成る接当部71Bが形成されている。
図8、図11〜図13に示すように、載置板55には、給紙ユニットBの搬出側端部の方向に向けて延出し、載置板55と一体的に揺動する作動アーム71を備え、この作動アーム71の揺動端には軸芯Xと平行姿勢となる軸部71Aが形成され、この軸部71Aに回転自在に遊嵌したローラで成る接当部71Bが形成されている。
このシフトフレームSFは縦フレーム72に対して上下方向にスライド移動自在に支持されると共に、シフトスプリング73によって上方に向けて付勢されている。シフトフレームSFの下側に連結する板状体74の下端には横方向に張り出す接当片74Aが形成されている。シフトスプリング73により上方に向けて付勢されることにより、シフトフレームSFは上限までシフトするものであり、この上限までシフトした状態ではフリクションローラ51の外周とピックアップローラ56の外周との間にはプリント媒体Pの厚さより小さい値の隙間が形成される。
このように、フリクションローラ51の外周とピックアップローラ56の外周との間の隙間をプリント媒体Pの厚さより小さい値にすることで、3枚等の枚数のプリント媒体Pの搬送を抑制している。尚、このピックアップローラ56とフリクションローラ51とは接触する位置関係であっても良い。
下部ケース41の内部には、図11、図12に示すように、縦向き姿勢の回動軸芯Y周りで揺動自在な回動ブロック75が備えられ、これにシャッター50が連設され、この回動ブロック75にはクローズスプリング76からの付勢力がシャッター50を閉じる方向に作用している。この回動ブロック75には回動軸芯Yの軸芯上に配置された軸支部に回動自在に支持される上下一対のアーム部75Aが一体的に形成されると共に、操作孔36に挿通する操作ロッド35が押圧する被押圧部75Bが一体的に形成され、上面には中間揺動体83を操作するカム部75Cが形成されている。
また、回動ブロック75には金属製のロックプレート77が備えられ、このロックプレート77の下部には凹部77Aが形成されている。このロックプレート77の凹部77Aと、作動アーム71の軸部71Aとでロック機構Lが構成されている。
ロック機構Lは、載置板55の搬出側端部が下端にある状態で、給紙ユニットBがプリント装置本体Aから取り外されシャッター50が閉塞姿勢に切り換わった場合に、凹部77Aに対して作動アーム71の軸部71Aが係合することにより、載置板55の搬出側端部が下端に位置する状態に維持するように機能する。このように載置板55が下端に位置する状態では、載置板55の作動アーム71が板状体74の接当片74Aに接当することにより、フリクションローラ51とシフトフレームSFとがピックアップローラ56から離間する位置に維持される。
具体的に説明すると、給紙ユニットBをプリント装置本体Aに連結した状態ではプリント装置本体Aに形成した操作ロッド35が、下部ケース41に形成された操作孔36に挿通し、操作ロッド35の先端が被押圧部75Bに接当し、クローズスプリング76の付勢力に抗して回動ブロック75を回動軸芯Y周りで回動させることにより図12(b)に示す如く回動ブロック75を回動させる。
この回動状態では、回動ブロック75に形成されたシャッター50が回動ブロック75と一体的に回動する結果、操作開口49が開放状態となる。給紙ユニットBがプリント装置本体Aに連結された状態では開放状態にある操作開口49から操作アーム87が給紙ユニットBの内部に入り込み、この操作アーム87の先端が作動アーム71の接当部71Bに接当可能な位置関係となる。
後述するようにプリント装置でプリントが行われない場合には、操作アーム87の先端が作動アーム71の接当部71Bに対して上方から接当し、この部位を下方端位置まで押し下げた状態にあるので、載置板55の搬出側端部が下端位置にあり、載置板55に載置されているプリント媒体Pはピックアップローラ56に接触しない位置にある。
この状態で給紙ユニットBをプリント装置本体Aから引き出して分離した場合には、給紙ユニットBの引き出し量に対応した量だけ回動ブロック75がクローズスプリング76の付勢力によって回動し、この回動に伴いシャッター50が閉じ方向に移動すると同時に、ロックプレート77が作動アーム71に接触する方向に移動する。
給紙ユニットBの引き出しを継続して行うことにより、作動アーム71の軸部71Aがロックプレート77の凹部77Aに嵌入する状態に達し、リフトスプリング64の付勢力が載置板55に作用する状態に関わらず、載置板55の搬出側の端部が下端位置に維持される。
このように載置板55の搬出側端部が下端位置に維持される結果、載置板55に載置されているプリント媒体Pがピックアップローラ56に押し付けられた状態に陥ることがなく、プリント媒体Pの変形やピックアップローラ56の変形が抑制される。また、回動ブロック75の回動に連係して中間揺動体83の姿勢が切り換わり突出片83Aを介して操作される開閉板82が閉じ姿勢に作動し、搬出口47は閉じられる。
〔搬出制御〕
プリント装置本体Aには、前述した操作アーム87が支軸88周りで上下方向に揺動自在にプリント装置本体A支持されると共に、この操作アーム87に突設したローラ状のカムフォロワ89が、電動型の操作モータM2で駆動される出力軸90と一体回転作動する回転カム91の外周のカム面に接触している。操作モータM2の駆動力を減速ギヤを介して出力軸90に伝える伝動系を形成しており、回転カム91の回転量を計測するポテンショメータ92を備えている。そして、このポテンショメータ92からの信号を制御装置5にフィードバックする状態で操作モータM2を制御装置5が制御する。
プリント装置本体Aには、前述した操作アーム87が支軸88周りで上下方向に揺動自在にプリント装置本体A支持されると共に、この操作アーム87に突設したローラ状のカムフォロワ89が、電動型の操作モータM2で駆動される出力軸90と一体回転作動する回転カム91の外周のカム面に接触している。操作モータM2の駆動力を減速ギヤを介して出力軸90に伝える伝動系を形成しており、回転カム91の回転量を計測するポテンショメータ92を備えている。そして、このポテンショメータ92からの信号を制御装置5にフィードバックする状態で操作モータM2を制御装置5が制御する。
載置板55の搬出側端部を持ち上げる方向に付勢力を作用させるリフトスプリング64と、載置板55の搬出側端部を押さえ込む方向に力を作用させる操作アーム87と、この操作アーム87を揺動駆動する操作モータM2とで駆動昇降機構が構成されている。
カムフォロワ89が回転カム91に常時接触するように操作アーム87はトーションスプリング93で付勢されている。そして、操作アーム87が支軸88周りで揺動することにより、その先端部87Aが下方に揺動し、作動アーム71の接当部71Bに接当する。これにより、この作動アーム71と共に載置板55を揺動させる。尚、作動アーム71の接当部71Bに対して操作アーム87の先端部87Aが接触しない状態では、リフトスプリング64の付勢力により、載置板55の搬出側端部は上方に移動する。
ピックアップローラ56の駆動回転でプリント媒体Pが搬出される搬出経路にはプリント媒体Pの重送を検出する重送検出センサ(図示せず)を備えている。この重送検出センサは、光源と受光素子とを有し、制御装置5においてプリント媒体Pを透過する光量から重送の有無が判別される。
〔搬出作動のシーケンス〕
プリント装置では、制御装置5がポテンショメータ92からの計測信号と、プリント部Dに備えたペーパーセンサ10の計測信号等からの信号を取得し、プリント部D、切断部E、乾燥部F、搬送ユニットG、補助搬送ユニットH夫々を制御する。
プリント装置では、制御装置5がポテンショメータ92からの計測信号と、プリント部Dに備えたペーパーセンサ10の計測信号等からの信号を取得し、プリント部D、切断部E、乾燥部F、搬送ユニットG、補助搬送ユニットH夫々を制御する。
プリント媒体Pを搬出しない場合において載置板55は、その搬出側端部が下端位置にあり、この下端位置では、載置板55の作動アーム71が板状体74の接当片74Aに接当することにより、フリクションローラ51と摩擦パッド52とがピックアップローラ56から離間する方向にシフトした位置にある。
給紙ユニットBからプリント媒体Pを排出する際には、給紙モータM1の制御によりピックアップローラ56を正転方向に向けて通常搬送速度の1/5程度に対応する速度となる低速で回転させ、この直後に操作モータM2の制御で操作アーム87を上限まで揺動させ、この上昇状態を第1設定時間だけ維持する。
このように操作アーム87を上限まで揺動させることにより、リフトスプリング64の付勢力により載置板55も上限まで揺動する。この上限とは、図3、図12に示す如く、載置板55に積層状態で載置されているプリント媒体Pのうち最上部のプリント媒体Pに接触する揺動姿勢である。また、この上昇時にはピックアップローラ56に対して動慣性が作用する状態でプリント媒体Pが接触することになるので、ピックアップローラ56の摩擦係数が小さい場合でも、動慣性による大きい圧力を利用してプリント媒体Pに搬出方向に強い力を作用させ、しかも、ピックアップローラ56が低速で回転するのでスリップを発生させることもなく確実な搬出の開始が可能となる。
ピックアップローラ56に対して最上部のプリント媒体Pの上面が接触して搬出が開始される直前には摩擦パッド52に形成された突設部52Fがプリント媒体Pの下面に接触させることにより、最上部のプリント媒体Pの下面側に付着しているプリント媒体Pの分離を行い、最上部の1枚だけをピックアップローラ56とフリクションローラ51との間に供給することが可能となる。
また、載置板55の搬出側端部が上限まで上昇する際には、これと連動してフリクションローラ51と摩擦パッド52とがピックアップローラ56に近接する位置まで移動する。これにより、ピックアップローラ56とフリクションローラ51とに挟み込んでプリント媒体Pの搬送を開始した際には、図9に示すように、プリント媒体Pの幅方向での中央のフリクションローラ51に接触する第1接触レベルL1を最も低いレベルにすると共に、これより外側が摩擦パッド52との接触により第2接触レベルL2まで持ち上げられ、これより更に外側がガイドローラ53との接触により第3接触レベルL3まで持ち上げられる。このように左右のガイドローラ53がプリント媒体Pの下面に接触することにより、左右の摩擦パッド52の上面がプリント媒体Pに強く接触する現象を抑制しながらプリント媒体Pの下面に摩擦抵抗を作用させて重送を防止する。
具体的には、図16(a)に示す如く、ピックアップローラ56から搬出力が作用するプリント媒体Pの下面にプリント媒体Pが付着している場合には、このように付着しているプリント媒体Pの先端が摩擦パッド52に接当して搬出が阻止される。
摩擦パッド52に形成された傾斜面52Tがフリクションローラ51に近い部位が低くなる傾斜面に形成されているので、摩擦パッド52の角部がプリント媒体Pの下面側に強く接触する現象を回避できる。このように摩擦力作用手段を構成することにより、プリント媒体Pの下面側に摩擦力を作用させた場合にも擦り傷を招くことがない。そして、この制御によりプリント媒体Pは設定距離だけ搬送される。
次に、操作アーム87を少し下降させることで図13(a)に示すように、載置板55を中間位置まで下降させ、給紙モータM1によりピックアップローラ56の回転速度を正回転方向で通常搬送速度の2倍程度の高速に対応する速度まで増速して第2設定時間だけ維持する。この第2設定時間が経過するとピックアップローラ56の回転を停止させ、この直後に給紙モータM1によりピックアップローラ56を逆転方向で前記通常搬送速度の2倍程度の高速度に対応する速度で回転させ、この回転を設定時間だけ維持する。
前述した中間位置では、載置板55の作動アーム71が板状体74の接当片74Aの上方に離間した位置にあり、ピックアップローラ56で搬送されるプリント媒体Pの下面にフリクションローラ51と摩擦パッド52とを接触させる状態が維持される。そして、載置板55を中間位置まで下降することにより、ピックアップローラ56で搬送が開始されたプリント媒体Pの下層に位置するプリント媒体Pを離間させる。
この制御を行うことで、プリント媒体Pの下面にプリント媒体Pが付着した重送状態にある場合には、搬出方向への搬送時にフリクションローラ51と摩擦パッド52とから下側のプリント媒体Pに摩擦力を作用させて下側のプリント媒体Pの分離を促進し、更に、逆方向に移動させることにより、下側のプリント媒体Pを載置板55に戻せるものにしている。前述したようにフリクションローラ51は、プリント媒体Pの下面に付着しているプリント媒体Pの先端が接当することで、重送を防止する機能も有している。
特に、フリクションローラ51はプリント媒体Pが逆方向に送られた場合にはプリント媒体Pに対して摩擦力を殆ど作用させずに回転することになり、下側のプリント媒体Pを載置板55に円滑に戻せるものとなる。
次に、給紙モータM1によりピックアップローラ56を正転方向に通常搬送速度に対応した速度で駆動し、この駆動をペーパーセンサ10が検出するまで維持し、搬出が実現する。この後に、図14に示すように、載置板55を下端まで下降させることで、フリクションローラ51を下降させることでフリクションローラ51の圧着を解除し、更に、給紙モータM1を自由回転状態にすることで、プリント媒体Pがアドバンスローラ11で引き出されプリント装置本体Aでのプリント可能となる
このようにフリクションローラ51を下降させた際には、搬出対象とするプリント媒体Pの下面に付着するプリント媒体Pが、搬出方向に移動した場合でも図16(b)に示す如く、搬出対象のプリント媒体Pの下面に付着しているプリント媒体Pの先端が重送防止パッド61の端部に接当する状態に達し、このプリント媒体Pが重送状態で搬出される現象を阻止する。また、重送防止パッド61は上面の摩擦係数も大きいため、重送防止パッド61の上面にプリント媒体Pの先端部が乗り上がる状態に達しても、この重送防止パッド61が搬出方向に大きい抵抗力を作用させて重送を防止することになる。
この制御において、例えば、プリント媒体Pが搬出される経路に対して重送を検出するように備えた重送検出センサで重送を検出した場合には、プリント媒体Pを再度逆方向に搬出することやアラームを作動させることが考えられる。
このように本発明では、フリクションローラ51と摩擦パッド52とガイドローラ53と重送防止パッド61とで成る摩擦力作用手段の合理的な配置により、プリント媒体Pを搬出する際には、ピックアップローラ56とフリクションローラ51とで圧着する以前のプリント媒体Pに摩擦パッド52の突設部52Fを接触させ、最上部のプリント媒体Pの下側にプリント媒体Pが付着していても、これを分離することで、ピックアップローラ56には1枚のプリント媒体Pを供給できるようにしている。
特に、フリクションローラ51を下降させた状態でプリント媒体Pを搬出する際に、搬出対象のプリント媒体Pの下面にプリント媒体Pが付着していても、ガイド壁60の上面に貼着した重送防止パッド61に対して付着側のプリント媒体Pの先端が接当する状態に達して、重送を抑制するものとなり、付着側のプリント媒体Pが重送防止パッド61を乗り越える状況に達しても、この重送防止パッド61が付着側のプリント媒体Pに下面に接触することで摩擦力を作用させて搬送対象のプリント媒体Pから分離を促進して重送を阻止できるものにしている。
更に、ピックアップローラ56でプリント媒体Pの搬出を開始した場合には、プリント媒体Pの中央部が凹状となるように滑らかに湾曲させ過度の摩擦力を作用させないようにして擦り傷を招かない状態で重送を抑制できるものにしている。
本発明は、シート状のプリント媒体を積層状態で収容するプリント装置の給紙ユニットに利用することができる。
51 フリクション部材・フリクションローラ
55 載置板
56 ピックアップローラ
60 ガイド壁
60A 開口
61 重送防止パッド
P プリント媒体
X 軸芯
55 載置板
56 ピックアップローラ
60 ガイド壁
60A 開口
61 重送防止パッド
P プリント媒体
X 軸芯
Claims (4)
- シート状のプリント媒体を積層状態で収容するプリント装置の給紙ユニットであって、
前記プリント媒体を積層状態で載置する載置板と、この載置板に載置されたプリント媒体の上面に接触して搬出力を作用させるピックアップローラと、このピックアップローラの下側の対向する位置において前記プリント媒体の下面に付着するプリント媒体の下面に接触して摩擦力を作用させる、又は、このプリント媒体の先端に接当して移動を阻止するフリクション部材と、前記ピックアップローラで搬出される前記プリント媒体の下面側を案内するガイド壁とが備えられると共に、
前記フリクション部材が、前記ピックアップローラによって前記プリント媒体の搬出開始時には前記ガイド壁より上方に突出し、搬出の開始後には前記ガイド壁より下降する作動を行うものであり、
前記フリクション部材を基準にして前記プリント媒体の搬出方向の下流側位置で、前記ガイド壁の上面に重送防止用の重送防止パッドを備えているプリント装置の給紙ユニット。 - 前記ガイド壁に前記フリクション部材を配置する開口が形成され、前記重送防止パッドは、前記プリント媒体の搬送方向と直交する方向での前記フリクション部材の幅より短い横幅寸法であり、前記開口に隣接する位置に対して前記ガイド壁の上面に突出する形態で貼着されている請求項1記載のプリント装置の給紙ユニット。
- 前記載置板が、前記プリント媒体を載置した状態で、前記プリント媒体の搬出方向の下流側となる搬出側端部を上下に移動させるように水平姿勢の軸芯周りで揺動自在に支持され、この載置板は、前記プリント媒体の搬出開始の後に前記搬出側端部を下方に移動させる作動を行う請求項1又は2記載のプリント装置の給紙ユニット。
- 前記フリクション部材が、前記プリント媒体の搬出方向への回転作動に摩擦力を作用させ、逆方向への回転に作用する摩擦力を低減するフリクションローラとして構成され、
前記ピックアップローラは、正転方向への回転によりプリント媒体の搬出を開始した後に、逆転方向への回転により前記プリント媒体を一時的に逆方向に送る作動を行う請求項3記載のプリント装置の給紙ユニット。
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