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JP2011154189A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】充分なクリーニング性を確保し、長期間の使用によっても当接する像担持体を傷つけることが無く、ブレードめくれやブレード異音を防止し、ブレードの延命が図れる画像形成装置を提供する。
【解決手段】所定方向に回転駆動される像担持体と、その像担持体に当接して配置された少なくとも1本のブレードによって像担持体上のトナー粉を除去するためのクリーニング装置とを有する画像形成装置であって、前記ブレードは潤滑剤を含有し、かつ前記像担持体は所定のタイミングで前記所定方向に対して逆方向に回転駆動することを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等電子写真プロセスを採用した画像形成装置であって、特に、像担持体に当接してクリーニングブレードが配置された画像形成装置に関するものである。
画像形成プロセスを利用した画像形成装置では、帯電手段により帯電された像担持体(以下、感光体とも称す)上に、光書き込みや原稿像の露光等の潜像形成手段で静電潜像を形成し、該静電潜像を現像手段の現像剤で現像して可視像化した後、該可視像を転写手段により記録紙等の記録材に転写し、記録材に転写された可視像を定着手段で定着して画像を形成している。
このような電子写真式の画像形成装置では、一般に、像担持体(以下、感光体とも称す)上からトナー像を転写した後にその像担持体表面上に残留する不要なトナーをクリーニング装置によって除去する。このクリーニング装置としては、構成が簡単でかつクリーニング性能も優れていることから、クリーニングブレードにより掻き取るブレード方式のものが広く利用されている。ブレード方式は、構成が簡単でかつクリーニング性能も優れている。
クリーニング装置の構成には、クリーニングブレードを感光体の回転方向に対して、逆回転方向(カウンター)に圧接させるカウンター法、もしくは順回転方向(リーディング)に圧接させて行うリーディング法があるが、さらに必要に応じて、ポリエステル繊維やナイロン繊維等のクリーニングブラシが併用される。ブレードを感光体の回転方向に対してカウンター方向に設置すると、感光体に対する食い込みが増し、トナーのクリーニング性能を高めることができるため、今日の主流となっている。
クリーニングブレードは、像担持体表面を機械的に摺擦する力が強いため、画像流れ(画像ボケ)が発生しにくいが、像担持体表面の摩耗や傷の防止が大きな課題である。また、ブレードのエッジ部が繰り返しの使用によって摩耗や欠けなどの損傷が起きたり、像担持体との摩擦により異音の発生やブレードめくれが発生したりするなどの課題もある。
これらの不具合を防止するため、ブレード表面に潤滑剤を塗布する、あるいは供給する方法が広く用いられている。
例えば、滑剤などの付加手段をもうけることなくトナーの一定量をブレードに供給し、トナーが持つ潤滑剤を活用してブレードめくれやエッジ摩耗を防止する手法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。しかしながら、この手法ではトナーがブレードの研磨剤として機能する場合があり、むしろブレードの摩耗を促進するという難点がある。
また、ブレードエッジ部に潤滑剤をあらかじめ塗布することで初期のブレードめくれを防止する手法が提案されている(例えば、特許文献3、4、5参照)。しかしながら、この方法は、初期は良好であるが、長期使用中に補給がおこなわれないと潤滑作用が途切れてしまうという難点がある。
また、ブレードエッジ部にあらかじめオイルを塗布し、かつ固体潤滑剤を像担持体に塗布する画像形成方法が提案されている(例えば、特許文献6参照)。また、潤滑剤を保持した部材によりブレードに潤滑剤を供給する手法が提案されている(例えば、特許文献7、8参照)。しかしながら、これらの方法は、経時でも良好だが、部材が多くなるため、コストと装置のコンパクト化に対し課題がある。
また、ブレードに潤滑層を設ける手法が多く提案されている(例えば、特許文献9、10参照)。しかしながら、これら方法は、長期使用により潤滑層が剥離するなどによりブレード寿命が短くなる問題がある。また、潤滑剤粒子の種類や付着分散状態によっては、長期の使用により像担持体を傷つける場合がある。
本発明の課題は、充分なクリーニング性を確保し、部品点数を増やすことなく長期間の使用によっても当接する像担持体を傷つけることが無く、ブレードめくれやブレード異音を防止し、ブレードの延命が図れる画像形成装置を提供するものである。
上記のように、像担持体に当接するクリーニングブレードの表面と像担持体の表面の接触抵抗はきわめて大きく、像担持体回転時にブレード鳴き等の異音が発生し、さらにブレードめくれが発生する場合がある。この問題を解決するために、回転を良くする潤滑剤が必要となる。また、潤滑剤はブレードと像担持体の当接部分に常に少量ある状態が最適であり、多すぎると異常画像が発生する。
本発明者らは、種々検討を重ねた結果、クリーニングブレードに潤滑剤を含ませ、潤滑剤を徐々にブレード表面に染み出させることにより、ブレードと像担持体の当接部分に常に潤滑剤が少量ある最適な状態が実現できると考えた。そして、このことは、クリーニングブレードが当接する像担持体が画像形成時の回転方向(正回転)とは逆方向に反転することにより、クリーニングブレードに含ませた潤滑剤が滲み出し、クリーニングブレードと像担持体の接触抵抗を下げることによりなされることを確かめた。本発明はこうした知見によりなされたものである。
しかして、本発明の課題は次に技術的手段によって達成される。
(1)所定方向に回転(正回転)駆動される像担持体と、その像担持体に当接して配置された少なくとも1本のブレード(クリーニングブレード)によって像担持体上のトナー粉を除去するためのクリーニング装置とを有する画像形成装置であって、前記ブレードは潤滑剤を含有し、かつ前記像担持体は所定のタイミングで前記所定方向に対して逆方向に回転(逆回転)駆動することを特徴とする。
(2)上記(1)に記載の画像形成装置において、前記ブレードはポリウレタン製であり、これに含有されている潤滑剤はフッ素系オイルであることを特徴とする。
(3)上記(2)に記載の画像形成装置において、前記フッ素系オイルは、バルク組成比で1.0〜20重量%混入されていることを特徴とする。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の画像形成装置において、前記像担持体の逆方向回転駆動は、画像形成の一動作終了時に行われることを特徴とする。
(5)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の画像形成装置において、前記像担持体の逆方向回転駆動は、画像形成の動作前(電源投入時)に行われることを特徴とする。
(6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の画像形成装置において、前記像担持体の逆方向に回転駆動する距離は、1mm以上であることを特徴とする。
(7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載の画像形成装置において、前記像担持体の逆方向に回転駆動する距離は、1〜10mmであることを特徴とする。
本発明によれば、所定のタイミングで像担持体を逆方向に駆動しているために、潤滑剤を含有したクリーニングブレードのエッジ部にトナーが多量に滞留した場合等であっても像担持体上に潤滑剤をムラなく安定的に供給して、クリーニングブレードや像担持体の劣化や、クリーニング不良やフィルミングの発生が確実に軽減される、画像形成装置を提供することができる。
本発明のクリーニング装置を備えた画像形成装置の一例である。 画像形成時に時計回り(矢印A方向)に正回転する像担持体1が正回転している時の、カウンター方向に配置されたクリーニングブレード30の形状を示した図である。 画像形成時に時計回りに正回転する像担持体1を矢印B方向へ反転させた時の、クリーニングブレード30の形状を示した図である。
本発明の画像形成装置は、感光体と、その感光体に当接して配置されたブレードを有するクリーニング装置とを有するものであるが、より具体的には、少なくとも感光体、帯電装置、画像露光装置、現像装置、転写装置、定着装置、及びクリーニング装置を具備する画像形成装置において、感光体が画像形成時の回転方向(正回転)とは逆方向に反転できるものであり、また、クリーニング装置におけるブレードが潤滑剤を含有するものである。
クリーニングブレードを備えた画像形成装置としては、例えば図1に示すような構成を有する画像形成装置が知られている。この画像形成装置20は、感光体1、帯電装置2、画像露光部3、現像装置4、転写装置5、クリーニング装置6、定着装置8等を備えている。感光体1は図示の方向に回転するようになされ、帯電装置2により感光体1の表面を一様にかつ均一に帯電するようになされており、画像露光部3からの像露光により感光体1上に静電像を形成するようになされている。
感光体1上の静電潜像は、現像装置4から供給される現像剤(トナー)により現像されて可視像を形成する。現像装置4は現像ロールとトナー層厚規制部材を備えており、貯蔵したトナーを感光体1に供給する。感光体1表面のトナー像は、転写装置5により所定の転写材上に転写され、定着装置8に送られるようになされている。
感光体1は、静電潜像及びトナー像を担持するための像担持体である。感光体1上のトナー像は、転写装置5により転写材に転写されるが、その一部が未転写のまま残留することがある。そのため、クリーニング装置6により、感光体1上の未転写トナーを除去する。
クリーニング装置6は、クリーニングブレード30と、所定の支持部材とを備えており、感光体1の周囲に配置されている。本発明のクリーニングブレード30は、作動時(画像形成時)には感光体1の回転方向(正回転)に対してカウンター方向で、感光体1の表面に接している。
そうして、画像形成装置で画像形成が行われると、クリーニングブレード30の先端部が感光体1に対してカウンター方向に押し付けられて摺接し、感光体1表面に付着しているトナーを掻き取る。掻き取られたトナーは、図示されていないトナー回収コイルを通して外部に取り出される。
図2は、画像形成時に時計回りに正回転する感光体1が正回転している時のブレード30の形状を模式的に示している。図中、矢印Aは感光体1の回転方向(正回転)を示している。一般的に、感光体1の正回転時に、ブレード30の感光体1と接する部分は、スティックスリップによりおよそ10μm〜30μmの範囲で振幅することが確認されている。しかし、この振幅では伸縮量が小さくブレード30に含ませた潤滑剤は充分には滲み出してこない。
図3は、画像形成時に時計回りに正回転する感光体1を矢印B方向へ反転(逆回転)させた時のブレード30の先端の形状を模式的に示している。ブレード30が図3に示す形状になった後は、再び感光体1が正回転することで図2の状態に(ブレード30を感光体1の回転方向(正回転)に対してカウンター方向になるように)する。このように感光体1を正回転と逆回転を繰り返すことにより、ブレード30全体を伸縮させ、ブレード30全体の潤滑剤を効果的に滲み出させることができる。
感光体1の反転は、画像形成の一動作終了時に行われるのが好ましい。ここにいう一動作とは、連続した一連の作像動作であり、例えば50枚連続してコピーをおこなった場合は、50枚のコピーが終了した時点で感光体1が反転する。このような感光体1の反転を非作像時に行うことにより、作像の効率は低下しない。また、一動作終了時に毎回感光体1の反転が行われることにより、ブレード30から定期的に潤滑剤が滲み出し、ブレード表面に供給されるようになる。
感光体1の反転は、前記反転が画像形成装置の電源投入時に行うようにしてもよい。このような感光体1の反転を非作像時に行うことにより、作像の効率は低下しない。また、画像形成の動作前(電源投入時)に感光体1の反転が行われることにより、ブレード30から定期的に潤滑剤が滲み出し、ブレード30表面に供給されるようになる。
感光体1の正逆回転は、駆動モーターを制御装置により正逆制御回転させることによって行われる。ここで、感光体1を矢印B方向へ反転(逆回転)させる距離は、感光体1を矢印B方向へ反転(逆回転)させることにより、ブレード30が図2に示した形状から図3に示したように伸ばした形状となることのできる距離であり、通常は1mm以上であり、好ましくは1〜10mmである。1mm以上反転させることによりブレード30は完全に伸びきることができるため、10mmを超えて反転させる必要はない。なお、ここでいう“距離”とは、感光体1の円周上の任意の点Pが回転により点Qに移動する円周上の長さを意味している。
ブレード30は、従来公知の組成、工法で作製できる。ブレード30は弾性体に潤滑剤が含有されており、弾性体としてはポリウレタン、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、アクリルゴム等の材料があげられる。この中でも特に、経時劣化が少なく耐摩耗性に強いポリウレタンが好ましい。
ポリウレタンは、高弾性の得られやすい熱硬化性ポリウレタンエラストマー(ウレタンゴム)を用いることができる。ポリウレタンエラストマーは、直鎖状のポリエステル、ポリエーテル、ポリエステルアミドをベースとし、ジイソシアネートと反応させてプレポリマーをつくり、鎖延長剤により高分子化し、熱または適当な架橋剤により硬化させるプレポリマー法、あるいはポリオール、ジイソシアネート、鎖延長剤、架橋剤を同時に混合して反応させ、エラストマーを得るワンショット法により製造される。
成形法としては、従来公知の混練法や注型法を用いて成形することができるが、設備費を安価に抑えられる注型法での成形が好ましい。
特に、末端にイソシアネート基をもつプレポリマーと、主鎖延長剤としてのポリオールまたはポリアミンを混合し、注型後加熱硬化させてポリウレタンエラストマーを得る製造成形方法は、現在最も採用されている方法の1つである。
ポリオール成分としては、例えばアルキレングリコールと脂肪族二塩基酸との縮合体であるポリエステルポリオール、エチレンアジペートエステルポリオール、ブチレンアジペートエステルポリオール、ヘキシレンアジペートエステルポリオール、エチレンプロピレンアジペートエステルポリオール、エチレンブチレンアジペートエステルポリオール、エチレンネオペンチレンアジペートエステルポリオールようなアルキレングリコールとアジピン酸とのポリエステルポリオール等のポリエステル系ポリオール、カプロラクトンを開環重合して得られるポリカプロラクトンエステルポリオール等のポリカプロラクトン系ポリオール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール等のポリエーテル系ポリオール等を用いることができる。 また、他に低分子量ポリオールとしては、例えば、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヒドロキノン−ビス-2−ヒドロキシエチルエーテル、3,3'−ジクロロ−4,4'−ジアミノジフエニルメタン、4,4'−ジアミノジフエニルメタン等の二価アルコールや、1,1,1−トリメチロールプロパン、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、1,1,1−トリスヒドロキシエトキシメチルプロパン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール等の三価及びそれ以上の多価アルコール等をもちいることができるがこれに限定されない。
イソシアネート成分としては、1,5-ナフタレンジイソシアネート、2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、2-クロロ1,4フェニルジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、トリデンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート等を用いることができるがこれに限定されない。
鎖延長剤としては、活性水素基を含んだ鎖延長剤として普通二官能の、たとえば水、グリコール、ジアミン、アミノアルコールなどを用いることができるがこれに限定されない。
ブレード30に含有させる潤滑剤としては、例えばオレフィン系ワックスやエステル系ワックスなどの合成ワックス、カルナバワックスやキャンデリラワックスなどの各種天然ワックス、ステアリン酸やパルミチン酸などの高級脂肪酸、スレアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの金属石鹸類、ラウリル酸アミド、オレイン酸アミド、パルミチン酸アミドなどの脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素元素含有樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子、ジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、クロロフェニルシリコーンオイルなどのシリコーンオイルや、ハイドロフルオロエーテル、パーフルオロポリエーテルオイルなどのフッ素系オイルや、スクワランオイルなどの動物性オイルや、菜種油、紅花油、ゴマ油、椿油などの植物性オイルなどの液体潤滑剤、カーボン、二硫化モリブデン、金属酸化物などの無機潤滑剤が使用できるがこれに限定されない。
これら潤滑剤のうち、特にオイルなどの液体潤滑剤がよい。オイルは少ない量で効果を得られやすい。
さらにより好ましくは、非反応性のフッ素系オイルがよい。クリーニングブレード製造加工時および長期の使用において酸化などの変質が無く、滲み出しが安定で像担持体を物理的にも化学的にも傷つけない。ここで、非反応性とは、ブレード母体のポリウレタンの材料と反応する反応基を有さないことであり、イソシアネート基や水酸基やアミン基を有さない。代表的な非反応性のフッ素系オイルとして、フルオロポリエーテルやハイドロフルオロエーテルなどを例示することができるが、これに限定されない。
フルオロポリエーテルとしてはダイキン工業製のデムナム、ハイドロフルオロエーテルとしては住友3M製のノベックなどを例示することができる。
フッ素系オイルは、バルク組成比(ブレード全体(即ち、ポリウレタンとフッ素オイルとの合計)に占めるフッ素オイルの割合)で1.0〜20重量%の範囲でブレード30中に混入されているのが望ましい。この範囲であれば、ブレード強度が充分確保でき、フッ素系オイルは、バルク組成比で1.0〜20重量%が長期にわたってブレード表面に滲み出し、ブレード表面と感光体表面の接触抵抗を下げるため、長期にわたって良好なクリーニング性を確保し、クリーニングブレードめくれや異音の発生を防止し、ブレードエッジ欠けを起さず、ブレードの延命が一層可能となる。
一方、ブレード30中に混入されているフッ素系オイルがバルク組成比で1.0重量%未満であると、フッ素系オイルの滲みだし期間が短くなり、逆に、20重量%をこえるとブレード強度が弱くなり、ブレードのエッジ欠けが発生する傾向がある。
ここで、ブレード30の製造の一例としてプレポリマー法を適用した成型方法を以下に説明する。
まず、クリーニングブレード用成形型を準備し、支持部材となるホルダーを配置する。次に、ポリイソシアネートとポリエステルポリオールとを混合して予め部分的に重合したプレポリマーと、フッ素系オイル、ウレタン硬化用触媒及び鎖延長剤とを注型機に投入し、ミキシングチャンバー内で攪拌し液状混合物を得る。これを上記成形型内に注入し、反応硬化させ、次いで硬化物を脱型し、所定の寸法に切断することにより、ホルダー上にフッ素系オイルを含有したポリウレタンエラストマーからなる弾性ブレード部材が成形されたブレード30を製造することができる。
つぎに、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
<電子写真感光体の作製>
導電性支持体として、外径30mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、および電荷輸送層用塗工液を、浸漬塗布によって順次塗布、乾燥し、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、22μmの電荷輸送層を形成した。
[下引き層用塗工液の組成]
・アルキッド樹脂 6質量部
(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業社製)
・メラミン樹脂 4質量部
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業社製)
・酸化チタン 40質量部
(CR−EL:石原産業社製)
・メチルエチルケトン 50質量部
[電荷発生層用塗工液の組成]
下記処方において、ビスアゾ顔料とメチルエチルケトンの固形分10%溶液をジルコニアボールで10日間ボールミル分散した。この顔料分散液を、残りの材料を混合溶解した溶液に加え、よく攪拌した後、1000メッシュのステンレスメッシュでろ過し、塗工液を調製した。
・下記構造のビスアゾ顔料 2.5質量部
Figure 2011154189
・ポリビニルブチラール(XYHL、UCC社製) 0.5質量部
・シクロヘキサノン 200質量部
・メチルエチルケトン 80質量部
[電荷輸送層用塗工液の組成]
・ビスフェノールZポリカーボネート 10質量部
(パンライトTS−2050、帝人化成社製)
・下記構造式の低分子電荷輸送物質 7質量部
Figure 2011154189
・テトラヒドロフラン 100質量部
・1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液 1質量部
(KF50−100CS、信越化学工業社製)
<クリーニングブレードの作製>
(クリーニングブレードA)
トルエンジイソシアネート/ポリエステルベースプレポリマー(日本ポリウレタン工業社製、コロネート4048)を乾燥窒素気中で85℃に加熱溶解し、85℃5mmHg減圧下で脱泡したもの148質量部に、ポリオールとしてフッ素オイル(ダイキン工業社製、デムナムS−65)13質量部を混合した85℃のポリオール(日本ポリウレタン工業社製、ニッポラン4009) 113質量部を加え、20秒間攪拌後金型に注入し、120℃60分間加熱後離型し、120℃10時間硬化処理を行った。得られたシート状クリーニングブレードを短冊状に切り取り、クリーニングブレードAを得た。
なお、フッ素オイルの添加量は、バルク組成比(ブレード全体に占めるフッ素オイルの割合)で5.0質量%である。
(クリーニングブレードB)
ポリオールとしてフッ素オイル(ダイキン工業社製、デムナムS−65)1.3質量部を混合した85℃のポリオール(日本ポリウレタン工業社製、ニッポラン4009) 101.3質量部を用いた以外は、クリーニングブレードAの作製と同様にしてクリーニングブレードBを得た。
フッ素オイルの添加量は、バルク組成比で0.52質量%である。
(クリーニングブレードC)
ポリオールとしてフッ素オイル(ダイキン工業社製、デムナムS−65)82質量部を混合した85℃のポリオール(日本ポリウレタン工業社製、ニッポラン4009) 182質量部を用いた以外は、クリーニングブレードAの作製と同様にしてクリーニングブレードCを得た。
フッ素オイルの添加量は、バルク組成比で24.8質量%である。
(クリーニングブレードD)
ポリオールとしてフッ素オイル(ダイキン工業社製、デムナムS−65)2.51質量部を混合した85℃のポリオール(日本ポリウレタン工業社製、ニッポラン4009) 102.51質量部を用いた以外は、クリーニングブレードAの作製と同様にしてクリーニングブレードDを得た。
フッ素オイルの添加量は、バルク組成比で1.0質量%である。
(クリーニングブレードE)
ポリオールとしてフッ素オイル(ダイキン工業社製、デムナムS−65)62質量部を混合した85℃のポリオール(日本ポリウレタン工業社製、ニッポラン4009) 162質量部を用いた以外は、クリーニングブレードAの作製と同様にしてクリーニングブレードEを得た。
フッ素オイルの添加量は、バルク組成比で20.0質量%である。
(クリーニングブレードF)
フッ素オイルのかわりにアクリル変性シリコーン微粒子(日信化学工業社製、シャリーヌR170S)を用いた以外は、クリーニングブレードAの作製と同様にしてクリーニングブレードFを得た。
(クリーニングブレードG)
ポリオールとしてフッ素オイルを混合した85℃のポリオールの替わりに、フッ素オイルを混合していない85℃のポリオール(日本ポリウレタン工業社製、ニッポラン4009)100質量部を用いた以外は、クリーニングブレードAの作製と同様にしてクリーニングブレーGを得た。
〔実施例1〕
リコー社製IPSiO color 7000改造機をさらに一動作ごとに1mm逆回転する改造をおこない、感光体と、クリーニングブレードAをセットし、一動作100枚のコピー試験を繰り返して、トータル10万枚の画像形成をおこない、クリーニング性と異常発生の有無について評価した。この画像形成においては、10万枚試験でもクリーニング性に優れ、ブレード異音やブレード欠けやブレードめくれ等の異常は発生しなかった。評価結果をまとめて表1に示す。
なお、クリーニング性の評価は、スジ状画像が発生した場合は×、僅かに発生した場合は△、発生無しは○と評価した。また、クリーニングブレードめくれの発生や異音の発生などをその他の異常の発生有無として評価した。
〔実施例2〕
クリーニングブレードAの代わりにクリーニングブレードBをセットした以外は、実施例1と同様にして画像形成を行い、評価をおこなった。この画像形成においては、5万枚まではクリーニング性に優れ、ブレード異音やブレード欠けやブレードめくれ等の異常は発生しなかったが、10万枚では僅かにスジ状画像が発生し、わずかにブレード異音が発生したが、実用には問題ないレベルであった。評価結果をまとめて表1に示す。
〔実施例3〕
クリーニングブレードAの代わりにクリーニングブレードCをセットした以外は、実施例1と同様にして画像形成を行い、評価をおこなった。この画像形成においては、5万枚まではクリーニング性に優れ、ブレード異音やブレード欠けやブレードめくれ等の異常は発生しなかったが、10万枚では僅かにスジ状画像が発生し、わずかではあるがブレードの先端に欠けが確認された。しかし、実用には問題ないレベルであった。評価結果をまとめて表1に示す。
〔実施例4〕
クリーニングブレードAの代わりにクリーニングブレードDをセットした以外は、実施例1と同様にして画像形成を行い、評価をおこなった。この画像形成においては、10万枚試験でもクリーニング性に優れ、ブレード異音やブレード欠けやブレードめくれ等の異常は発生しなかった。評価結果をまとめて表1に示す。
〔実施例5〕
クリーニングブレードAの代わりにクリーニングブレードEをセットした以外は、実施例1と同様にして画像形成を行い、評価をおこなった。この画像形成においては、10万枚試験でもクリーニング性に優れ、ブレード異音やブレード欠けやブレードめくれ等の異常は発生しなかった。評価結果をまとめて表1に示す。
〔実施例6〕
クリーニングブレードAの代わりにクリーニングブレードFをセットした以外は、実施例1と同様にして画像形成を行い、評価をおこなった。この画像形成においては、5万枚まではクリーニング性に優れたがわずかにブレード異音が発生し、10万枚では僅かにスジ状画像が発生したが、実用には問題ないレベルであった。ただし、この例は潤滑剤が固体微粉末のアクリル変性シリコーンであったため、オイルを用いた実施例1と比較して潤滑剤の効果が弱いことが認められた。評価結果をまとめて表1に示す。
〔実施例7〕
リコー社製IPSiO color 7000改造機をさらに電源投入時に1mm逆回転する改造をおこない、感光体と、クリーニングブレードAをセットし、電源を投入し100枚連続してコピー試験をおこなった後に電源を切り、再び電源を投入し100枚連続してコピー試験をおこなうことを繰り返して、トータル10万枚の画像形成をおこない、クリーニング性と異常発生の有無について評価した。この画像形成においては、10万枚試験でもクリーニング性に優れ、ブレード異音やブレード欠けやブレードめくれ等の異常は発生しなかった。評価結果をまとめて表1に示す。
〔比較例1〕
感光体が逆回転する改造をおこなっていないリコー社製IPSiO color 7000改造機にクリーニングブレードAをセットし、コピー試験を繰り返してトータル10万枚の画像形成をおこない、クリーニング性と異常発生の有無について評価した。この画像形成においては、像担持体である感光体が反転しないため、スティックスリップによるクリーニングブレード先端10μm〜30μmしか伸縮せず、クリーニングブレードに含有されたフッ素オイルがブレード表面に充分に滲み出してくることができなかったため、1万枚まではクリーニング性に優れ、ブレード異音やブレード欠けやブレードめくれ等の異常は発生しなかったが、5万枚ではスジ状画像が発生し、ブレード異音も発生していた。さらに10万枚までにブレードめくれが発生した。評価結果をまとめて表1に示す。
〔比較例2〕
クリーニングブレードAの代わりにクリーニングブレードGをセットした以外は、比較例1と同様にして画像形成を行い、評価をおこなった。この画像形成においては、クリーニングブレードに潤滑剤が含まれていないため、クリーニングブレード表面と感光体表面の接触抵抗が高く、1万枚でスジ状画像が発生し、ブレード異音も発生していた。さらに5万枚までにブレードめくれが発生したため、それ以降の評価を中止した。評価結果をまとめて表1に示す。
〔比較例3〕
クリーニングブレードAの代わりにクリーニングブレードGをセットした以外は、実施例1と同様にして画像形成を行い、評価をおこなった。この画像形成においては、クリーニングブレードに潤滑剤が含まれていないため、逆回転してもクリーニングブレード表面と感光体表面の接触抵抗が下がらず、1万枚でスジ状画像が発生し、ブレード異音も発生していた。さらに5万枚までにブレードめくれが発生したため、それ以降の評価を中止した。評価結果をまとめて表1に示す。
Figure 2011154189
1 感光体(像担持体)
2 帯電装置
3 画像露光部
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
8 定着装置
9 除電ランプ
10 給紙トレイ
20 画像形成装置
30 クリーニングブレード
特開2002−72713号公報 特開2006−106232号公報 特開平3−269478号公報 特開平5−127445号公報 特開2000−132020公報 特許第3508914号公報 特開平6−59602号公報 特開2000−330438号公報 特開2000−244517号公報 特開2004−144818号公報

Claims (7)

  1. 所定方向に回転駆動される感光体と、その感光体に当接して配置された少なくとも1本のブレードによって感光体上のトナー粉を除去するためのクリーニング装置とを有する画像形成装置であって、前記ブレードは潤滑剤を含有し、かつ前記感光体は所定のタイミングで前記所定方向に対して逆方向に回転駆動することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記ブレードはポリウレタン製であり、これに含有されている潤滑剤はフッ素系オイルであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記フッ素系オイルは、バルク組成比で1.0〜20重量%混入されていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記感光体の逆方向回転駆動は、画像形成の一動作終了時に行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記感光体の逆方向回転駆動は、画像形成の動作前に行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記感光体の逆方向に回転駆動する距離は、1mm以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 前記感光体の逆方向に回転駆動する距離は、1〜10mmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成装置。
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